a)「航空機」とは、シカゴ条約の適用上定義された航空機をいい、航空用エンジンが搭載された航空機機体又はヘリコプターを指す。
(2)航空機固有の事項関する可動物件の国際担保権関する条約の議定書
(航空機議定書)
この議定書の締約国は、
「可動物件の国際担保権関する条約」(以下「条約」という。)の前文記載された目的照らし、条約を航空機ついて実施する必要があると考え、
条約を、航空機金融特有の要請を満たすよう適合させ、かつ条約の適用範囲を航空機の売買契約拡張する必要性留意し、
1944年12月7日シカゴで署名された「国際民間航空条約」の原則及び目的留意して、航空機関して以下の規定合意した。
第1章 適用範囲及び一般規定
第1条 定義
1 この議定書おいて使用される用語は、文脈上異なる解釈が必要となる場合を除き、条約定められた意味を持つ。
2 この議定書おいて、次掲げる用語は各号定める意味を持つ。
(a)「航空機」とは、シカゴ条約の適用上定義された航空機をいい、航空用エンジンが搭載された航空機機体又はヘリコプターを指す。
(b)「航空用エンジン」とは、ジェット噴射又はタービン若しくはピストン技術を動力源とする航空用エンジン(軍、税関又は警察の業務用いるものを除く。)で、次の各号を満たすものをいう。
(i)ジェット噴射航空用エンジンの場合、1750ポンド以上の推進力又は同等の力を備えたもの。
(ii)タービン又はピストンを動力源とする航空用エンジンの場合、550定格離陸軸出力以上の推進力又は同等の力を備えたもの。
これは、すべてのモジュールその他の搭載、組込又は装備済みの付属品、部品及び機器類、並びそれら関するすべてのデータ、マニュアル及び記録を含む。
(c)「航空機物件」とは、航空機機体、航空用エンジン及びヘリコプターをいう。
(d)「航空機登録原簿」とは、シカゴ条約の適用上、国又は共通記号登録機関が維持する登録原簿をいう。 (e)「航空機機体」とは、適当な航空用エンジンが搭載された場合、所管の航空当局が次の各号のいずれかの運送を目的とした型式証明を与える航空機機体(軍、税関又は警察の業務用いるものを除く。)
をいう。
(i)乗組員を含む8名以上の人 (ii)2750キロを超える物品
これは、すべての搭載、組込又は装備済みの付属品、部品及び機器類(航空用エンジンを除く。)、並びそれら関するすべてのデータ、マニュアル及び記録を含む。
(f)「被許諾当事者」とは、第XIII条第3項規定する当事者をいう。
(g)「シカゴ条約」とは、1944年12月7日シカゴで署名された「国際民間航空条約」(将来の改正を含む。)及びその付属書をいう。
(h)「共通記号登録機関」とは、1967年12月14日国際民間航空機関の理事会が採択した共同運営組織が運営する航空機の国籍及び登録関する決議より実施されるシカゴ条約の第77条従って原簿を維持する当局をいう。
(i)「航空機の登録抹消」とは、シカゴ条約従ってする航空機登録原簿からの航空機の登録の削除又は除去をいう。
(j)「保証契約」とは、ある者が保証人として締結する契約をいう。
(k)「保証人」とは、担保契約より、又は契約基づき担保された債務ついて、その債権者のため履行を確保する目的で、保証契約、請求払い保証、スタンドバイ信用状又は他の形式の信用保険を与え、又は発行する者をいう。
(l)「ヘリコプター」とは、もっぱらほぼ垂直の軸上の一又は二以上の動力を備えた回転翼対する空気の
反作用より飛行中の支えを得る、空気より重い機械(軍、税関又は警察の業務用いるものを除く。)で、所管の航空当局が次の各号のいずれかの運送を目的とした型式証明を与えるものをいう。
(i)乗組員を含む5名以上の人 (ii)450キロを超える物品
これは、すべての搭載、組込、又は装備済みの付属品、部品及び機器類(回転翼を含む。)、並びそれら関するすべてのデータ、マニュアル及び記録を含む。
(m)「倒産関連事由」とは、次の各号のいずれかをいう。 (i)倒産手続の開始
(ii)債務者対する倒産手続を提起する債務者の権利又は条約基づく救済を行使する債権者の権利が、法又は公権力より妨げられ、又は停止される場合おける、債務者よる支払停止の意思の表明 又は現実の支払停止
(n)「主たる倒産管轄国」とは、債務者の主要な利益の中心が存在する締約国をいう。この場合、債務者の法令上の所在地、これがないときは債務者が設立若しくは組織された地がこれ当たるとみなす。但し、別段の事実が立証されたときはこの限りでない。
(o)「登録当局」とは、締約国内で航空機登録原簿を維持し、かつシカゴ条約従った航空機の登録及び登録抹消の責任を負う国内当局又は共通記号登録機関をいう。
(p)「登録国」とは、航空機ついて、その国内登録簿航空機の登録がされている国又は航空機登録原簿を維持する共通記号登録機関が所在する国をいう。
第2条 航空機物件関する条約の適用
1 航空機物件との関係おいて、条約はこの議定書の文言が規定するとおり適用する。
2 条約及びこの議定書は、航空機物件適用される可動物件の国際担保権関する条約と呼ぶ。
第3条 条約の売買への適用
次掲げる条約の規定は、国際担保権を成立させ、又は定める契約を売買契約と読み替え、かつ国際担保権、予定された国際担保権、債務者及び債権者を、それぞれ売買、予定された売買、売主及び買主と読み替えて適用する。
第3条及び第4条第16条第1項(a)号第19条第4項
第20条第1項(売買又は予定された売買の登録ついて適用する場合限る。)第25条第2項(予定された売買ついて適用する場合限る。)
第30条
第1条、第5条、第4章ないし第7章、第29条(第14条第1項及び同条第2項と差し替えられた第29条第3項を除く。)、第10章、12I章(第43条を除く。)、第13章及び第14章(第60条を除く。)の一般規定もまた、売買及び予定された売買適用する。
第4条 適用範囲
1 条約第3条第1項の適用を妨げることなく、条約は、登録国である締約国の航空機登録原簿登録されているヘリコプター又は航空機関係する航空機機体ついてもまた適用する。この場合おいて、登録が航空機の登録を目的とした契約従ってされるときは、登録はその契約の締結時効力を生じたものとみなす。
2 条約第1条の「国内取引」の適用上、権利を成立させ、又は定める契約の締結時、 (a)航空機機体は、それが一部を構成する航空機の登録国所在するものとする。
(b)航空用エンジンは、それが搭載されている航空機の登録国所在し、又はそれが航空機搭載されていない場合は、その物理的な所在国所在するものとする。
(c)ヘリコプターはその登録国所在するものとする。
3 当事者は、書面で合意することより、第XI条の適用を排除でき、かつ当事者間おいては、この議定書の規定(第9条第2項ないし第4項を除く。)の効果を制限又は変更することができる。
第5条 売買契約の形式要件、効果及び登録
1 この議定書の適用上、売買契約とは、次の各号のすべてを満たすものをいう。 (a)書面よること。
(b)売主が処分権限を有する航空機物件関すること。
(c)この議定書の規定従って、航空機物件を特定することができること。
2 売買契約は、航空機物件対する売主の権利をその規定従って買主移転する。
3 売買の登録は、期限の定めなく効力を有する。予定された売買の登録は、抹消されない限り、又は登録中 期間の定めがある場合はその期間の満了まで、効力を有する。
第6条 他人代わる権限
契約若しくは売買の締結又は航空機物件を目的とする国際担保権若しくは売買の登録をする者は、これを代理、信託その他の他人代わる権限基づいてすることができる。この場合おいて、その者は条約基づき権利及び利益を主張することができる。
第7条 航空機物件の記述
条約第7条(c)号及びこの議定書第5条第1項(c)号の適用上、航空機物件関する製造者の通し番号、製造者名及び型式指定を含む記述は、物件を特定する上で必要かつ十分であるものとする。
第8条 法の選択
1 この条は、締約国が第XXX条第1項基づく宣言を行った場合のみ適用する。
2 契約、売買契約又は関連する保証契約若しくは劣後合意の当事者は、契約上の権利及び義務の全部又は一部を規律する法ついて合意することができる。
3 別段の合意がない限り、前項おいて当事者が選択した法とは指定された国の国内法を指し、その国が複数の地域から成る場合は、指定された地域の域内法を指す。
第2章 不履行の救済、優先権及び譲渡
第9条 不履行の救済規定の変更
1 条約第III章規定する救済のほか、債権者は、債務者がその時期を問わず合意する限度おいて、かつこの章規定する状況の下で、次の各号のいずれも行うことができる。
(a) 航空機の登録抹消の実行
(b) 航空機物件の所在地からの輸出及び物理的な移送の実行
2 債権者は、その利益優先する登録された権利の保有者が事前書面で同意していない限り、前項規定する救済を行使することができないものとする。
3 条約第8条第3項は、航空機物件は適用されない。航空機物件との関係で条約が与えるいかなる救済も、商取引として合理的な方法で行使しなければならない。救済が契約の規定従って行使された場合は、その規定が明らか非合理的である場合を除き、商取引として合理的な方法で行使されたものみなす。
4 担保権者が売却又はリースをすることを利害関係者対して10営業日以上前書面で通知したときは、条約第8条第4項規定する「相当の期間を定めた通知」の要件を満たすものとみなされる。この規定は、担保権者及び担保権設定者又は保証人が、より長い期間を定めた事前の通知を合意することを妨げない。
5 締約国の登録当局は、次の各号のいずれも該当する場合は、適用がある安全関連法令従うことを条件として、登録抹消及び輸出の要請応じなければならない。
(a) 要請が、記録された登録抹消及び輸出の申請関する取消不能証明書おける被指名当事者より、適切提出されること。
(b) 被指名当事者が、登録当局の求め応じて、証明書の発行を受けた債権者の権利優先する登録された権利がすべて消滅していること又はそれらの権利の保有者が登録抹消及び輸出同意したことを、同機関対して証明すること。
6 裁判所の命令よることなく第1項基づく航空機の登録抹消及び輸出を実行する担保権者は、実行しようとする登録抹消及び輸出ついて、相当の期間を定めた書面よる通知を次の各号の者対して与えなければならない。
(a) 条約第1条(m)号(i)及び同号(ii) 規定する利害関係人
(b) 条約第1条(m)号(iii) 規定する利害関係人のうち、登録抹消及び輸出先立つ相当の期間内自己の権利ついて、担保権者対して通知した者
第10条 終局の決定前の救済関する規定の変更
1 この条は、締約国が第30条第2項基づく宣言を行った場合のみ、その宣言記載された限度おいて適用される。
2 条約第13条第1項の適用上、救済を受ける上で「迅速な」とは、救済の申立てが届出られた日から、申立てがされた締約国よる宣言中指定された営業日数内であることをいう。
3 条約第13条第1項は、(d)号続けて次の規定を付加して適用する。
「(e) その時期を問わず、債務者及び債権者が特合意した場合は、売却及び代替物の充当」かつ、同第 43条第2項は、「第13条第1項(d)号」の後「及び(e)号」を挿入した上で適用される。
4 前項基づく売却より移転する債務者の所有権その他の権利は、条約第29条基づき債権者の国際担保権が優先する他の権利の引き受けを伴わない。
5 債権者は、債務者その他の利害関係人との間で、条約第13条第2項の適用を排除する旨を書面で合意することができる。
6 第9条第1項の救済関して、
(a)救済は、債権者が締約国の登録当局その他行政当局対して、第9条第1項規定する救済が与えられたこと、外国の裁判所より与えられた救済の場合は締約国の裁判所よりその効力が承認されたこと及び債権者が条約従って救済を実行する権利を有することを通知した日から5営業日以内、そのような当局よって与えられなければならない。
(b)関係当局は、救済の実行ついて、適用がある航空安全関連法令従ってすみやか債権者と協力し、これを支援しなければならない。
7 第2項及び第6項は、適用がある航空安全関連法令影響を及ぼすものではない。
第11条 倒産時の救済
1 この条は、主たる倒産管轄国である締約国が第30条第3項基づき宣言を行った場合のみ適用される。選択肢A
2 倒産関連事由が発生したときは、倒産管財人又は債務者は、第7項の規定従うことを条件として、次の各号のうちいずれか早い時点で航空機物件の占有を債権者与えなければならない。
(a)待機期間の最終日
(b)この条の適用がなければ、債権者が航空機物件の占有を取得したはずの日
3 この条の適用上「待機期間」とは、主たる倒産管轄国である締約国の宣言指定する期間をいう。
4 この条 いう「倒産管財人」とは、個人ではなく職務上の地位おけるその者をいう。
5 第2項基づき債権者対して占有取得の機会が与えられない限り、
(a)倒産管財人又は債務者は、契約従って航空機物件を保全し、並び航空機物件及びその価値を維持する。
(b)債権者は、準拠法基づき利用できる他の形式の仮救済を申立てることができる。
6 前項(a)号は、航空機物件の保全並び航空機物件及びその価値の維持を意図した取決め基づく航空機物件の使用を妨げない。
7 倒産管財人又は債務者は、第2項定める時まで、すべての不履行(倒産手続の開始より生じた不履行を除く。)を治癒し、かつ契約上のすべての将来の義務を履行すること同意した場合は、航空機物件の占有を保持することができる。この場合おいて、将来の義務を履行しないときは、新たな待機期間は適用されない。
8 第9条第1項の救済関して、
(a)救済は、債権者が締約国の登録当局その他行政当局対して、債権者が条約従って当該救済を実行す る権利を有することを通知した日から5営業日以内、そのような当局より与えられなければならない。
(b)関係当局は、救済の行使ついて、適用がある航空安全関連法令従ってすみやか債権者と協力し、これを支援しなければならない。
9 条約又はこの議定書が認める救済の実行は、第2項定める日の後は、その行使を妨げ又は遅らせてはならない。
10 契約基づく債務者の義務は、債権者の同意がない限り変更することはできない。
11 前項の定めは、倒産管財人が準拠法基づき契約を解除する権限を有する場合は、そのような権限影響を及ぼすものとは解釈されない。
12 第39条第1項基づく宣言の対象となる種類の法定の担保物権又は利益を除くほか、いかなる権利又は利益も、登録された権利対し、倒産手続おいて優先権を有しないものとする。
13 この条基づく救済の行使は、この議定書第I9条より変更された条約を適用する。
選択肢B
2 倒産関連事由が発生したときは、倒産管財人又は債務者は、債権者の請求応じて、第30条第3項基づく締約国の宣言おいて指定する期間内、次のいずれかの措置を取るかどうかついて債権者通知しなければならない。
(a)契約及び関連する取引文書基づくすべての不履行(倒産手続の開始より生じた不履行を除く。)を治癒し、かつ契約及び関連する取引文書上のすべての将来の義務を履行すること同意すること。
(b)準拠法従い、債権者対して航空機物件の占有を取得する機会を与えること。
3 前項(b)号定める準拠法は、裁判所が追加的な手続の実施又は追加的な保証の提供を要求することを認めるものであってもよい。
4 債権者は、その債権の証拠及び国際担保権が登録されていることの証明を提出しなければならない。
5 倒産管財人若しくは債務者が第2項従った通知をしない場合、又は倒産管財人若しくは債務者が債権者 対して航空機物件の占有取得の機会を与えると宣言したがこれをしなかった場合は、裁判所は、裁判所が命令した条件基づき債権者が航空機物件の占有を取得することを認めること及び追加的な手続の実施又は追加的な保証の提供を要求することができる。
6 航空機物件は、債権及び国際担保権関する裁判所の決定前売却してはならない。
第12条 倒産手続の援助
1 この条は、締約国が第30第1項基づき宣言を行った場合のみ適用される。
2 航空機物件が所在する締約国の裁判所は、その国の法律従って、第11条各項の実施ついて可能な限り最大限の範囲で外国の裁判所及び外国の倒産管財人協力しなければならない。
第13条 登録抹消及び輸出の申請関する証明書
1 この条は、締約国が第30条第1項基づき宣言を行った場合のみ適用される。
2 債務者が、この議定書付属する書式と実質的同一の登録抹消及び輸出の申請関する取消不能証明書を発行し、かつ当該証明書を記録のため登録当局対して提出した場合、当該証明従った記録がされなければならない。
3 証明書の発行を受けた者(「被許諾当事者」)又はその認証された被指名者は、第IX条第1項規定する救済を行使できる唯一の者であり、かつ証明書及び適用される航空安全関連法令従ってのみ、救済を行使することができる。その証明書は、被許諾当事者が書面より同意しない限り、債務者よって取り消されてはならない。登録当局は被許諾当事者の要請があれば、登録簿から証明書従った記録を除去するものとする。
4 締約国の登録当局その他行政当局は、第IX条規定する救済の行使ついてすみやか被許諾当事者と協力し、これを支援しなければならない。
第14条 優先権規定の変更
1 登録された売買おける航空機物件の買主は、未登録の権利の存在を知っていたときでも、後れて登録された権利及び未登録の権利を引き受けることなく当該物件を目的とする権利を取得する。
2 航空機物件の買主は、取得時登録されている権利を引き受けることを条件として、当該物件を目的とする権利を取得する。
3 航空用エンジンの所有権又は航空用エンジンを目的とするその他の権利若しくは利益は、その航空機への搭載又は航空機からの取り外しよって影響を受けない。
4 条約第29条第7項は、航空機機体、航空用エンジン又はヘリコプター組み込まれた部品(物件ではないもの限る。) 適用される。
第15条 譲渡規定の変更
条約第33条第1項は、(b)号の直後次の規定を追加して適用される。
「 (c) 債務者が書面で同意していること。この場合おいて、同意が譲渡先立って与えられたか、又は譲受人を特定しているかは問わない。」
第16条 債務者規定
1 条約第11条定める不履行がない限り、債務者は、次の各号の者対して、契約従って物件の平穏な占有及び利用を享受することができる。
(a)自己の債権者、及び債務者が条約第24条第4項基づいて、買主の場合は議定書第XIV条第1項基づいて、引き受けることのない権利の保有者。ただし、債務者が別段の合意をした場合はこの限りでない。
(b)条約第24条第4項基づいて、買主の場合は議定書第14条第2項基づいて、債務者の権利又は利益が引き受ける権利の保有者。ただし、その保有者が同意した範囲限る。
2 条約又はこの議定書の規定は、準拠法基づく債権者の契約違反対する責任ついては、その契約が航空機物件関連するものである限り、影響を及ぼさない。
第3章 航空機物件の国際担保権関連する登録簿規定第17条 監督機関及び登録機関
1 監督機関は、可動物件条約及び航空機議定書を採択するための外交会議が採択する決議よって指定される国際機関とする。
2 前項規定する国際機関が監督機関としての役割を果たす能力又は意思を有さない場合は、別の監督機関を指定するため署名国及び締約国会議が開催されるものとする。
3 監督機関並びその役員及び職員は、国際機関として、又は他の根拠基づき、適用を受ける諸規則が定めるところ従って、司法上又は行政上の手続からの免除を享受する。
4 監督機関は、署名国及び締約国よって指名され、かつ必要な資格及び経験を備えた者から構成される専門家委員会を設立し、これ監督機関の職務の遂行を補佐する業務を委ねることができる。
5 最初指定される登録機関は、国際登録簿をこの議定書が効力を生ずる日から5年間運営する。その後、登録機関は、監督機関よって5年ごと任命又は再任される。
第18条 当初の規則
当初の規則は、この議定書が効力を生ずる時効力を生ずるよう監督機関が作成するものとする。
第19条 指定窓口
1 第2項の規定従うことを条件として、締約国は、いつでも登録(他国の法基づいて成立する国内法上の権利又は第40条基づく権利若しくは利益の通知の登録を除く。)必要な情報が国際登録簿送信される際経由しなければならない窓口又は経由することができる窓口として、その領域内の一又は二以上の機関を指定することができる。
2 前項基づく指定おいては、航空用エンジンついての登録必要な情報のためもまた指定窓口の利用を認めることができるが、その利用を義務づけてはならない。
第20条 登録簿規定の追加的な変更
1 条約第19条第6項の適用上、航空機物件関する検索基準は、製造者名、製造者の通し番号及び型式指定その他一意性を確保するため必要応じて追加する情報とする。追加する情報は、規則おいて定める。
2 条約第25条第2項の適用上、同項定める状況の下で、登録済みの予定された国際担保権若しくは国際担保権の登録済みの予定された譲渡を保有する者又は予定された売買の登録よって利益を受ける者は、同項
定める請求の受領後5営業日以内、登録の抹消を実行するためとることができる措置をとるものとする。
3 条約第17条第2項(h)号定める料金は、国際登録簿の設立、運営及び管理要する合理的な費用並び条約第17条第2項が定める監督機関の職務の執行、権限の行使及び義務の履行関連する合理的な費用を回収することができるよう決定する。
4 国際登録簿の機能は集中管理され、登録機関よって24時間体制で運営及び管理されるものとする。指定窓口は、少なくとも各領域おける業務時間中は運営されなければならない。
5 条約第28条第4項規定する保険又は財務上の保証の金額は、1件つき監督機関が決定する航空機物件の上限価値を下回らないものとする。
6 条約の規定は、条約第28条基づき登録機関が責任を負わない事態ついて、これを担保する保険又は財務上の保証を登録機関が入手することを妨げない。
第4章 裁判管轄
第21条 裁判管轄規定の変更
条約第43条の適用上、条約第42条の規定従うことを条件として、締約国の裁判所は、対象物件がヘリコプター又は航空機関係する航空機機体であって、当該国がその登録国である場合もまた管轄を有する。
第22条 国家の裁判権免除の放棄
1 第2項の規定従うことを条件として、条約第42条若しくは第43条定める裁判所の裁判管轄からの免除の放棄又は条約基づく航空機物件関連する権利及び利益の実行関する免除の放棄は、拘束力を有し、かつ、そのような裁判管轄又は民事執行の他の条件が満たされた場合は、裁判管轄を定め、又は民事執行を可能するものとする。
2 前項基づく放棄は、書面より、かつ航空機物件の記述を含むものでなければならない。
第5章 他の条約との関係
第23条 「航空機を目的とする権利の国際的承認関する条約」との関係
この条約は、1948年6月19日ジュネーブで署名された「航空機を目的とする権利の国際的承認関する条約」の当事国である締約国おいて、この議定書で定義する航空機及び航空機物件関する限り、同条約優先して適用する。但し、この条約が適用されず、かつその影響を受けない権利又は利益ついては、ジュネーブ条約は劣後しないものとする。
第24条 「航空機の保全的差押え関する一定の規則の統一のための条約」との関係
1 この条約は、1933年5月29日ローマで署名された「航空機の保全的差押え関する一定の規則の統一のための条約」の当事国である締約国おいて、この議定書定義する航空機関する限り、同条約優先して適用する。
2 前記条約の当事国である締約国は、この議定書の批准、受諾、承認又は加入の時、この条を適用しない旨の宣言を行うことができる。
第25条 「国際ファイナンス・リース関するユニドロワ条約」との関係
この条約は、航空機物件関する限り、1988年5月28日オタワで署名された「国際ファイナンス・リース 関するユニドロワ条約」優先して適用する。
第6章 最終規定
第26条 署名、批准、受諾、承認又は加入
1 この議定書は、2001年10月29日から11月16日までケープタウンで開催された可動物件条約及び航空機議定書を採択するための外交会議参加した国よる署名のため、2001年11月16日ケープタウンおいて開放する。2001年11月16日の後は、この議定書は、第28条従ってその効力を生ずるまでローマある私法統一国際協会(UNIDROIT)の本部おいて、すべての国よる署名のため開放しておく。
2 この議定書は、署名国よって批准され、受諾され又は承認されなければならない。
3 署名国でないすべての国は、いつでもこの議定書加入することができる。
4 批准、受諾、承認又は加入は、その旨の正式文書を寄託者寄託することより効力を生ずる。
5 条約の締約国であるか、又はその締約国とならない限り、この議定書の締約国なることはできない。
第27条 地域的な経済統合のための機関
1 複数の主権国家で構成され、この議定書が規律する特定の事項対して権限を有する地域的な経済統合のための機関もまたこの議定書の署名、受諾、承認又は加入をすることができる。この場合、地域的な経済統合のための機関は、この議定書が規律する事項対して権限を有する限度おいて、締約国としての権利を有し、義務を負う。この議定書おいて締約国の数が意味を持つ場合は、地域的な経済統合のための機関を締約国であるその構成国追加して締約国として数えてはならない。
2 地域的な経済統合のための機関は、署名、受諾、承認又は加入の時、寄託者対して、この議定書が規律する事項のうち当該機関の構成国が権限を同機関委譲している事項ついて特定した宣言を行わなければならない。地域的な経済統合のための機関は、この項基づく宣言特定された権限の配分、新たな権限の委譲その他の変更があったときは、速やかそれを寄託者通報しなければならない。
3 この議定書おける「締約国」は、文脈上必要な場合は「地域的な経済統合のための機関」と読み替えるものとする。
第28条 発効時期
1 この議定書は、第8番目の批准書、受諾書、承認書又は加入書が寄託された日から3箇月の期間が満了する日の属する月の翌月の初日、そのような文書を寄託した国の間で効力を生ずる。
2 その他の国ついては、この議定書は、当該国の批准書、受諾書、承認書又は加入書が寄託された日の後3箇月の期間が満了する日の属する月の翌月の初日効力を生ずる。
第29条 地域
1 締約国は、この議定書が対象とする事項関してそれぞれ異なる法制が適用される二以上の地域をその領域内有する場合は、批准、受諾、承認又は加入の時、この議定書を自国の領域内のすべての地域ついて適用するか又は一若しくは二以上の地域ついてのみ適用するかを宣言することができるものとし、いつでも別の宣言をすることより、その宣言を修正することができる。
2 そのような宣言は、この議定書が適用される地域を明示する。
3 締約国が第1項基づく宣言を行わない場合は、この議定書は、当該国のすべての地域ついて適用する。
4 締約国がこの議定書を一又は二以上の地域ついて適用する場合は、この議定書基づき認められる宣言は地域ごと行うことができるものとし、かつ一の地域ついて行われた宣言は他の地域ついて行われた宣言と異なっていてもよい。
5 この議定書が第1項の規定基づく宣言より締約国の一又は二以上の地域適用される場合は、
(a)債務者は、条約及びこの議定書が適用される地域おいて効力を有する法基づき設立若しくは組織されているとき又はその登記上の事務所若しくは法令上の所在地、営業の中心地、営業所若しくは常居所が条約及び議定書が適用される地域あるときのみ、締約国所在するものとみなす。
(b)締約国おける物件の所在地は、条約及びこの議定書が適用される地域おける物件の所在地と読み替える。
(c)締約国おける行政当局は、条約及びこの議定書が適用される地域おいて管轄を有する行政当局を指すものと解釈され、締約国の国内登録簿又は登録当局は、条約及びこの議定書が適用される地域で効力を有する航空機登録簿又は条約及びこの議定書が適用される地域で管轄を有する登録当局を指すものと解釈する。
第30条 特定の規定関する宣言
1 締約国は、この議定書の批准、受諾、承認又は加入の時、この議定書第8条、第12条及び第13条のうちの一又は二以上を適用することを宣言することができる。
2 締約国は、この議定書の批准、受諾、承認又は加入の時、この議定書第10条の全部又は一部を適用することを宣言することができる。締約国がその宣言を第X条第2項関して行った場合は、同項で要求される期間を指定しなければならない。
3 締約国は、この議定書の批准、受諾、承認又は加入の時、第11条の選択肢Aの全部を適用するか、又は選択肢Bの全部を適用するかを宣言することができる。この場合、選択肢Aを適用する倒産手続があればその種類を指定し、選択肢Bを適用する倒産手続があればその種類を指定しなければならない。この項基づいて宣言を行う締約国は、第11条で要求される期間を指定しなければならない。
4 締約国の裁判所は、主たる倒産管轄国である締約国が行った宣言従って第11条を適用する。
5 締約国は、議定書の批准、受諾、承認又は加入の時、第21条の全部又は一部の規定を適用しないことを宣言することができる。宣言は、同条を部分的適用する場合は、どのような条件が満たされたとき同条を適用し、その条件が満たされないときは他のどのような形式の仮救済が適用されるかを指定しなければならない。
第31条 条約基づく宣言
条約第39条、第40条、第50条、第53条、第54条、第55条、第57条、第58条及び第60条基づいて行われた宣言その他の条約基づいて行われた宣言は、別段の表示がない限り、この議定書の下でも行われたものとみなす。
第32条 留保及び宣言
1 この議定書対しては、いかなる留保も認められない。ただし、第24条、第29条、第30条、第31条、第 33条及び第34条より認められる宣言は、これらの規定従って行うことができる。
2 議定書基づいて行われた宣言、事後的宣言又は宣言の撤回は、寄託者対し書面より通報しなければならない。
第33条 事後的宣言
1 締約国は、条約第60条基づき第XXXI条従って行われる宣言を除くほか、この議定書がその国ついて効力を生ずる日以降いつでも、寄託者通報することより、事後的宣言を行うことができる。
2 事後的宣言は、寄託者が通報を受領した日から6箇月の期間が満了する日の属する月の翌月の初日効力を生ずる。その通報おいて宣言が効力を生ずるためのより長期の期間が記載されている場合は、その宣言は寄託者が通報を受領した日からその期間が満了した時効力を生ずる。
3 前各項の規定かかわらず、この議定書は、事後的宣言が効力を生ずる日より前成立したすべての権利及び利益との関係では、そのような事後的宣言が行われていないものとして適用する。
第34条 宣言の撤回
1 この議定書基づく宣言(条約第60条基づき第31条従ってなされた宣言を除く。)を行った締約国は、寄託者通報することよりいつでもこれを撤回することができる。そのような撤回は、寄託者が通報を受領した日から6箇月の期間が満了する日の属する月の翌月の初日効力を生ずる。
2 前項の規定かかわらず、この議定書は、撤回が効力を生ずる日より前成立したすべての権利及び利益との関係では、そのような撤回が行われていないものとして適用される。
第35条 廃棄
1 いずれの締約国も、寄託者対する書面よる通告より、この議定書を廃棄することができる。
2 廃棄は、寄託者が通告を受領した日から12箇月の期間が満了する日の属する月の翌月の初日効力を生ずる。
3 前各項の規定かかわらず、この議定書は、当該廃棄が効力を生ずる日より前成立したすべての権利及び利益との関係では、そのような廃棄が行われていないものとして適用する。
第36条 運用検討会議、改訂及び関連事項
1 寄託者は、監督機関と協議の上、毎年又は事情応じて異なる時期、この議定書よって変更された条約おいて設立された国際的制度の実際の運用の態様ついて、締約国向けて報告書を作成しなければならない。この報告書の作成あたり、寄託者は、国際登録システムの作動関する監督機関の報告書をしん酌しなければならない。
2 締約国の四分の一以上から要請がある場合、寄託者は、監督機関と随時協議の上、次の各号を検討するための締約国運用検討会議を招集しなければならない。
(a)この議定書より変更された条約の実際の運用並びその規定が適用される物件の資産担保金融及びリースを促進する上での有効性。
(b)裁判所よるこの議定書及び諸規則の規定の解釈及び適用。
(c)国際登録システムの作動、登録機関の実績及び監督機関よる監督の状況。なお、この号の検討は、監督機関の報告書を斟酌して行う。
(d)この議定書又は国際登録簿関連する取決めの変更が望ましいかどうか。
3 この議定書の改訂は、前項の会議参加した当事国の少なくとも三分の二よって承認されなければならない。この改訂は、その効力の発生関する第28条の規定従って8箇国が批准、受諾又は承認した時、当該改訂を批准、受諾又は承認した国との関係で効力を生ずる。
第37条 寄託者及びその任務
1 批准書、受諾書、承認書又は加入書は、私法統一国際協会(UNIDROIT) 寄託されなければならない。同協会はここ寄託者として指名される。
2 寄託者は次の各号の任務を行う。
(a)すべての締約国対し次の項目を通知すること。
(i)新たな署名又は批准書、受諾書、承認書若しくは加入書の寄託の事実及び日付 (ii)この議定書が効力を生ずる日
(iii)この議定書従い宣言が行われた事実及び日付 (iv)宣言の撤回又は変更が行われた事実及び日付
(v)この議定書の廃棄が通告される場合、その事実及び日付並びそれが効力を生ずる日 (b)認証されたこの議定書の真正な写しをすべての締約国送付すること。
(c)監督機関及び登録機関対して、批准書、受諾書、承認書又は加入書の写し及びその寄託日、宣言、宣
言の撤回又は宣言の変更を行う文書の写し及びそれらの日並び廃棄を通告する文書の写し及びその通告の日を提供することより、それらの文書含まれる情報を容易かつ全面的利用可能とすること。
(d)その他寄託者が通例行う任務を行うこと。
以上の証拠として、下名の全権委員は、正当委任を受けてこの議定書署名した。
2001年11月16日ケープタウンで、ひとしくxxである英語、アラビア語、中国語、フランス語、ロシア語及びスペイン語よりxxxxを作成した。なお、そのような真正性は、この会議の議長の権限のもとこの会議の共同事務局が本日から90日以内行う、各言語版相互の適合性の確認時効力を生ずる。
付属文書
登録抹消及び輸出の申請関する取消不能証明書書式
第 13 条規定する付属書
[日付を記入]
宛先: [登録当局名を記入]
件名: 登録抹消及び輸出の申請関する取消不能証明書
本証明書は、[債権者名を記入](「被許諾当事者」と言います。)のため末尾署名者が「航空機物件固有の事項関する可動物件の国際担保権関する条約の議定書」第 XIII 条の権限基づいて発行した登録抹消及び輸出の申請関する取消不能証明書です。ここ、末尾署名者は、同条従って、以下のことを要請します。
(i) 被許諾当事者又はその被指名者として被許諾当事者が認証した者が、次掲げる権利を有する唯一の者であることの承認
(a)1944 年 12 月 7 日シカゴで署名された「国際民間航空条約」第 III 章の適用上、[登録当局名を記入]が維持する[航空機登録原簿名を記入]からの航空機の登録抹消を実行する権利
(b)[国名を記入]からの航空機の輸出及び物理的な移送を実行する権利
(ii) 被許諾当事者又はその被指名者として被許諾当事者が認証する者が、書面で要請することより、末尾署名者の同意なくして第(i)号規定する措置を取ることができること及び当該要請応じ[国名を記入]の機関が当該措置の迅速な完了を目的として被許諾当事者と協力しなければならないことの確認
本証明書よって付与される被許諾当事者の権利は、被許諾当事者が書面より同意しない限り、末尾署名者が取り消すことができないものとします。
末尾の空欄適切な記載を行い、かつ本文書を[登録当局名を記入]で保管することよって、本要請及びその条件対する貴職の同意を確認願います。
[運航者/所有者名を記入]
同意の上、本日[日付を記入]より保管する。
署名者: [署名者名を記入]官職: [署名者の官職を記入]
[該当する記載内容の詳細を記入]
∗ 該当する国籍登録基準を反映する用語を選択する。