徳島県 美波町 面積(km2) 4,146.79 km2 140.8 km2 人口(人) 764,213 人 7,114 人 可住地面積率 (%) 24.6 11.1 岩手県 女川町 面積(km2) 15,275.01 km2 65.35 km2 人口(人) 1,277,271 人 6,735 人 可住地面積率(%) 24.2 13.6
⼤規模災害(南海トラフ巨⼤地震)
復旧・復興における⼊札契約等の検討
徳島県・xx町
(平成29年度多様な⼊札契約⽅式モデル事業活⽤結果)
平成30年3⽉30⽇
検討フロー
<⽬的>
南海トラフ巨⼤地震等の発⽣を想定した公共⼟⽊施設の復旧及びその後の復興に関する⼊札契約⽅式に関して事前検討を⾏い、災害時の⼊札契約に関わる⼿引きを作成
<概要>
道路啓開などの「応急復旧」、災害復旧事業などの「本復旧」、その後のまちづくりなどの「復興」など、⼤規模災害発⽣後の時系列に沿って、地域の諸課題に対応可能な最適な⼊札契約⽅式を事前に検討
特に「復興」においては、xx町の⾼台移転構想などの既存資料を活⽤し、ケース・スタディーを実施
<課題>
⼤規模災害災時には、復旧・復興事業を実施する被災⾃治体において、事業費の急激な増⼤や⼤規模事業への対応が想定され、事業を円滑に進めるマンパワー・ノウハウの不⾜が懸念
また、地域の建設業も被災することから、復旧・復興事業に必要な労働⼒や建設機械等の迅速な確保が困難になると予想
このような中にあっても、復旧・復興事業の早期着⼿・完了に加え、コスト縮減、透明性・xx性の確保、地元企業活⽤、安全・品質の確保などが求められる
検討範囲
1
5 ⼿引き(案)の作成
■ 1〜4から⼿引き(案)の作成
4 ⼊札契約⽅式の検討
■ 復旧・復興段階別に発注者の体制整備、⼊札契約⽅式、施⼯確保対策を検討
2 抱える課題、xxxの抽出
■ 発注者の事業実施体制、事業特性、⼯事の担い⼿に係る課題の抽出
1 想定される被害の状況
3 課題整理と解決の⽅向性
■ 発注者の体制整備、⼊札契約⽅式、施⼯確保対策の解決の⽅向性
検討フロー
想定される被害の状況
抱える課題、 ニーズの抽出 課題整理と解決の⽅向性
⼊札契約⽅式の検討
⼿引き(案)の作成
想定される被害の状況
■ 概要
●南海トラフ巨⼤地震の発⽣に備え、公共⼟⽊施設の応急復旧、本復旧、復興段階の段階で想定される課題に対して、対応可能な施⼯確保対策や最適な⼊札契約⽅式を検討
■ 対象範囲
⚫ 南海トラフ巨⼤地震の復旧・復興に関して、復旧段階と復興段階に明確な区分は無いが、復旧・復興段階の変化に伴い実施される事業の特性も異なることから、本事業では概念的に以下のような復旧・復興段階を設定し、各段階で有効と考えられる⽅策を検討
⚫ 設定した復旧・復興の各段階では、基本的に公共⼟⽊施設を中⼼とした事業を対象に検討
本事業で設定している復旧・復興段階
復旧・復興段階と対象事業
段 階 | 対象事業等 |
応急復旧段階 | 「災害対策基本法」における「災害応急対策」で実施される工事 |
本復旧段階 | 「災害対策基本法」における「災害復旧」で実施される工事のうち、「公共土木施設災害復旧事業費国庫負担法」に定められている公共土木施設に対する「災害復旧事業」 |
復興段階 | 「大規模災害からの復興に関する法律」における「「特定被災市町村」」が策定した「復興計画」の目標を達成するために必要な事業(「復興整備事業」) |
2
検討フロー
想定される被害の状況
抱える課題、 ニーズの抽出 課題整理と解決の⽅向性
⼊札契約⽅式の検討
⼿引き(案)の作成
関連計画等
対象⾃治体概要
徳島県及びxx町において、南海トラフ地震対策に関して以下のような諸計画等が策定されている。
想定される被害の状況
【徳島県】
徳島県地域防災計画(含南海トラフ地震対策編)、徳島県国⼟強靱化地域計画、「とくしま-0作戦」地震対策⾏動計画(徳島xxxトラフ・活断層地震対策⾏動計画)、徳島xxxトラフ巨⼤地震被害想定(第⼆次) 等
【xx町】
徳島x | xx町 | |
面積(km2) | 4,146.79 km2 | 140.8 km2 |
人口(人) | 764,213 人 | 7,114 人 |
可住地面積率 (%) | 24.6 | 11.1 |
xx町地域防災計画、xxxx⼟強靭化地域計画 等
徳島県
岩手県 | 女川町 | |
面積(km2) | 15,275.01 km2 | 65.35 km2 |
人口(人) | 1,277,271 人 | 6,735 人 |
可住地面積率(%) | 24.2 | 13.6 |
xx町
可住地面積率=(可住地面積/総面積)
可住地面積:総面積からxx面積と主要湖沼面積を差し引いて算出したもの 「統計でみる市区町村のすがた2017 総務省」より
3
検討フロー
想定される被害の状況
抱える課題、 ニーズの抽出 課題整理と解決の⽅向性
⼊札契約⽅式の検討
⼿引き(案)の作成
●徳島県・xx町の地理的条件や他の⼤規模災害における他団体の被災事例から、南海トラフ巨⼤地震の発⽣に伴う被害状況を想定
想定される被害の状況
鳴門市
阿波市
松茂町
三好市
美馬市
石井町
徳島市
北島町
吉野川市
xxx
xみよしx
xxxx町
つるぎ町
神山町
小松島市
三好市
勝浦町
上勝町
阿南市
那賀x
xx町
牟岐x
xx町
浸⽔区域割合が 可住地⾯積の30%超
美波x xx地区
xxxxx地区では、地区の多くのエリアで浸⽔深が
5mを超える被害 想定となっている。
xxxxx地区の津波浸水想定
板野町
上板町
■ 津波浸水面積が可住地面積の30%以上となる市町(被害想定)
xx町 日和佐地区
美波町日和佐地区の津波浸水想定
●徳島県の津波浸⽔想定によると、xx町では可住地⾯積の30%を超える区域が津波により浸⽔
[東⽇本⼤震災における⼥川町の被害(可住地⾯積の27%が津波で浸⽔)に相当]
4
検討フロー
想定される被害の状況
抱える課題、 ニーズの抽出 課題整理と解決の⽅向性
⼊札契約⽅式の検討
⼿引き(案)の作成
●過去の⼤規模災害を参考に、南海トラフ巨⼤地震の発⽣により想定される「発注者の事業実施体制に係わる状況」、「復旧・復興事業の特性」、 「⼯事の担い⼿(受注者)に係わる状況」を整理
百万円
300000
250000
200000
150000
土木費 災害復旧費
計211,819 百万
3. 1倍
100000
50000
0
計67,478 百万
31. 2 倍
計21,374 百万
計685 百万
震災前 震災後 震災前 震災後
(H22年度) (H27年度) (H22年度) (H27年度)
発注者の事業実施体制
⚫ 震災後の事業費は、震災前に⽐して岩⼿県においては3倍、⼥川町においては30倍といった状況が出現している。
⚫ 緊急性を求められる復旧・復興事業において現体制の職員で事業実施を円滑に⾏うことは困難であることが想定される。
女 川 町
岩 手 県
復旧・復興事業の特性
⚫ 物資輸送等の基幹となる道路施設に関して、南海トラフ巨⼤地震被害想定(第⼆次)では、徳島県内で 1,600箇所の被災が同時発⽣と予測。
徳島xxxトラフ巨大地震被害想定(第二次)
●過去の事例整理に基づき⼤規模災害発⽣時に⽣じる状況として以下を抽出
Ⅰ 発注者の事業実施体制:事業量が急激に増⼤し、災害前の発注者の事業実施体制では対応しきれない状況が発⽣
Ⅱ 復旧・復興事業の特性:平常時の公共事業とは⼤きく異なる特性を持つ事業が発⽣
Ⅲ ⼯事の担い⼿(受注者):受注者が様々な市場の制約(施⼯会社の不⾜、資機材・労務の不⾜等)を受ける状況が発⽣
5
抱える課題、xxxの抽出
工事の担い手(受注者)
⚫ ⼯事量が急激に増⼤するために、資機材・労務費の⾼騰、技術者の不⾜等が発⽣し、発注ができないといった状況が出現する可能性が⾼い。
労務単価の推移(岩手県)
25,000
20,800
21,500
19,300
20,000
18,200
労務単
価 15,000
円
16,600
17,500
17,700
12,900
12,600
13,200
16,100
16,400
15,100
10,000
12,100
11,800 11,800
12,100
12,500
11,200
10,500
9,600
7,900
7,300 7,100
5,000
H22 H23 H24 H25 H26 H27 H28 H29
年度
普通作業員
とび工
交通誘導員A
労務単価報道発表資料 国土交通省
( )
検討フロー
想定される被害の状況
抱える課題、 ニーズの抽出 課題整理と解決の⽅向性
⼊札契約⽅式の検討
⼿引き(案)の作成
●過去の⼤規模災害と発注者の事業実施体制について⽐較
発注者の事業実施体制に係わる状況
項目 | 平成22年度 (百万円) | 平成27年度 (百万円) | 増減割合 (H27/H22) | |||
岩手県 | 女川町 | 岩手県 | 女川町 | 岩手県 | 女川町 | |
土木費 | 66,262 | 660 | 154,314 | 19,976 | 2.3 | 30.3 |
災害 復旧費 | 1,216 | 25 | 57,505 | 1,398 | 47.3 | 55.9 |
計 | 67,000 | 000 | 000,819 | 21,374 | 3.1 | 31.2 |
項目 | 平成22年度 | 平成27年度 (H27/H22) | ||
岩手県 | 女川町 | 岩手県 | 女川町 | |
職員数 (土木部門) | 693人 | 7人 | 771人 (1.1) | 30人 (4.3) |
土木技師数 | 455人 | 6人 | 524人 (1.2) | 11人 (1.8) |
建築技師数 | 66人 | 2人 | 73人 (1.1) | 8人 (4.0) |
現在の職員を中⼼として、急激な事業増加に対応することが求められる。
項目 | 平成28年度 | |
徳島x | xx町 | |
職員数 (土木部門) | 685人 | 6人 |
土木技師数 | 408人 | 2人 |
建築技師数 | 59人 | 1人 |
図 東日本大震災時の被災自治体の事業量の急激な増大
「東日本復興CM方式の検証と今後の活用に向けた研究会報告書 平成29 年3 月」より
●震災後の事業費は⼤幅に増加しており、緊急性を求められる復旧・復興事業において現体制の職員で事業実施
を円滑に⾏うことは困難であることを想定 6
検討フロー
想定される被害の状況
抱える課題、 ニーズの抽出 課題整理と解決の⽅向性
⼊札契約⽅式の検討
⼿引き(案)の作成
●過去の⼤規模災害から復旧事業の特性について整理
⼤規模災害における復旧事業特有の課題
被災⾃治体における 多数被災箇所の同時
圧倒的な職員不⾜ 発⽣
⼯事の担い⼿不⾜の発
⽣
資機材・労務単価の急激な値上り
岩手県久慈川
仮橋設置工事
岩手県xxx
xx嵩上げ工事
①被災⾃治体における圧倒的な職員不⾜ | 岩⼿県において、災害復旧費が東⽇本⼤震災の前年度の47倍となるといった状況が出現している。 |
②多数被災箇所の同時発⽣ | 物資輸送等の基幹となる道路施設に関して、南海トラフ巨⼤地震被害想定(第⼆次)では、徳島県内で1,600箇所の被災が想定されている。 |
③⼯事の担い⼿不⾜の発⽣ | xx町において町内業者が受注している⼟⽊⼯事は3億円/年内外となっているが、東⽇本⼤震災時の ⼥川町では⼟⽊費が単年度で200億円といった規模となっており、同規模の⼟⽊費がxx町で発⽣した場合には、⼯事の担い⼿不⾜が発⽣することが想定できる。 |
➃資機材・労務単価の急激な値上がり | 東⽇本⼤震災では震災発⽣後に、被災地において資機材・労務単価の急激な値上がりが発⽣している。 |
復旧事業の特性
●他の災害事例を参考に、復旧事業特有の課題として「被災⾃治体における圧倒的な職員不⾜」、「多数被災箇所
の同時発⽣」、「⼯事の担い⼿不⾜の発⽣」、「資機材・労務単価の急激な値上がり」を整理。 7
検討フロー
想定される被害の状況
抱える課題、 ニーズの抽出 課題整理と解決の⽅向性
⼊札契約⽅式の検討
⼿引き(案)の作成
●過去の⼤規模災害から復興事業の特性について整理
復興事業の特性
復興事業特有の課題
●他の災害事例を参考に、復興事業特有の課題として「被災⾃治体における圧倒的な職員不⾜」、「極めて⼤規模な事業」、「整備計画変更の可能性」、「多種多様かつ多くの調整業務の発⽣」、「権利変更等の地権者合意形成」を整理。
8
被災⾃治体における圧倒的な職員不⾜
極めて⼤規模な事業
整備計画
変更の可能性
多種多様かつ多くの調整業務の発⽣
権利変換等の 地権者合意形成
①被災⾃治体における圧倒的な職員不⾜ | ⼥川町において、被災前の⼟⽊部⾨職員数は7名であった。 |
②極めて⼤規模な事業 | ⼥川町に対する復興交付⾦の交付額は平成23年度から29年度の7年間で約1,250億円となっている。(ピークの平成25年度の交付⾦額は310億円となっている。) |
③整備計画変更の可能性 | 復興事業は、元の町に復旧するのではなく新たなまちづくりともいえる事業となり、その基礎となる整備計画は事業の進捗とともに多くの変更がなされる。⼥川町における復興整備計画は平成24年3⽉の当初計画公表以来、平成29年8⽉に第30回の計画変更がなされている。 |
➃多種多様かつ多くの調整業務の発⽣ | 復興交付⾦の対象となる基幹事業(制度上は5省40事業)に関して、⼥川町では防災集団移転促進事業、都市再 ⽣区画整理事業、道路事業、下⽔道事業等の18種の事業が実施されている。また、各事業の実施地区は、防災集団移転促進事業だけでも23地区に及び多くの事業実施上の調整等が必要となっている。 |
⑤権利変換等の地権者合意形成 | 防災集団移転事業をはじめとして、各事業の事業実施にあっては地域住⺠の同意が必要な事項が多い。 |
検討フロー
想定される被害の状況
抱える課題、 ニーズの抽出 課題整理と解決の⽅向性
⼊札契約⽅式の検討
⼿引き(案)の作成
●徳島県における建設業BCP認定制度について整理
⼯事の担い⼿(受注者)に係わる状況①
業者数 | 東部県土整備局 「徳島」 管内 | 南部総合県民局 「阿南」 管内 | 南部総合県民局 「美波」 管内 | 計 |
土木一式 (特A+A) | 85 | 29 | 17 | 131 |
内県BCP 取得済業者 | 32 (38%) | 16 (55%) | 8 (47%) | 56 (43%) |
表 徳島県建設業BCP認定の取得状況
※徳島県発注標準(土木一式工事)
特A : 2億円以上 A : 5000万以上 2億円未満国土交通省(土木一式工事)
A :7.2億円以上 B : 3億円以上 7.2億円未満
図 xx町内の建設業者(許可業種:土木一式)の本社の位置
●浸⽔区域が可住地⾯積の30%以上となる「東部県⼟整備局(徳島)」、「南部総合県⺠局(阿南)」及び
「同総合県⺠局(美波)」の各管内において、40〜50%の企業がBCP認定
●xx町に本社がある建設業者(許可業種:⼟⽊⼀式)の内、津波の浸⽔区域内に本社が位置している企業
は50%程度おり、⼤規模災害発⽣時の⼯事の担い⼿不⾜が懸念される 9
検討フロー
想定される被害の状況
抱える課題、 ニーズの抽出 課題整理と解決の⽅向性
⼊札契約⽅式の検討
⼿引き(案)の作成
●徳島xxx町における⼯事発注状況について整理
工種 | 企業所在地 | 発注件数 (件) | 請負額 (百万円) | 平均請負額 (百万円/件) | |||
H27年度 | H28年度 | H27年度 | H28年度 | H27年度 | H28年度 | ||
土木一式 | 町内 | 27 | 29 | 272 | 364 | 10 | 13 |
町外(県内) | 6 | 3 | 32 | 3 | 5 | 1 | |
町外(県外) | 0 | 0 | 0 | 0 | - | - | |
計 | 33 | 32 | 304 | 367 | 9 | 11 | |
工種 | H29年度ランク | 発注件数 (H27+28) (件) | 請負額 (H27+28) (百万円) | 平均請負額 (H27+28) (百万円/件) | |||
土木一式 | 特A | 9 | 150 | 17 | |||
A | 26 | 371 | 14 | ||||
その他 | 38 | 150 | 4 | ||||
計 | 73 | 671 | 9 |
⼯事の担い⼿(受注者)に係わる状況②
3件
9.4%
6件
18.2%
内側: H27年度件数外側: H28年度件数
27件
81.8%
29件
90.6%
150百万
22.4%
150百万
22.4%
371百万
55.3%
特A A その他
町内 町外( 県内) 町外( 県外)
●⼟⽊⼀式⼯事の8割以上の件数を町内業者が受注しており、請負⾦額では、「特A」と「A」ランクの業者が約8割を受注しており、⼤規模災害発⽣時の町内における⼯事の担い⼿不⾜が懸念される
10
検討フロー
想定される被害の状況
抱える課題、 ニーズの抽出 課題整理と解決の⽅向性
⼊札契約⽅式の検討
⼿引き(案)の作成
●過去の⼤規模災害事例を参考に、南海トラフ巨⼤地震の発⽣により、想定される具体的な課題を整理
① 震災前の事業量に⽐して、数倍以上の事業を実施する体制がないことへの対応
② 復旧・復興事業における近年の職員が未経験の技術的な課題への対応
抱える課題、ニーズの抽出
Ⅰ 発注者の事業実施体制に関する課題
① 震災前の事業量に⽐して、数倍以上の事業を実施する体制がないことへの対応
② 復旧・復興事業における近年の職員が未経験の技術的な課題への対応
① 事業の早期完成を図るため、種々の事業諸元等が不確定な状況で⼤規模事業を実施する必要
② 上記の状況下で公共事業として、コストの妥当性確保や地元経済への配慮を図りつつ事業実施する必要
Ⅱ 平常時とは大きく異なる事業の特性に伴う課題
① 事業の早期完成を図るため、種々の事業諸元等が不確定な状況で⼤規模事業を実施する必要
② 上記の状況下で公共事業として、コストの妥当性確保や地元経済への配慮を図りつつ事業実施する必要
① 復旧⼯事の中⼼である地元企業の施⼯能⼒を超える⼯事量・被災箇所数への対応と早期完成の達成
② 資機材・労務費の短期間での値上がりへの対応(平常時とは異なる積算、設計変更等)
③ 指揮・連絡系統が平常時とは異なることへの対応
Ⅲ 工事の担い手(受注者)に係わる課題
① 復旧⼯事の中⼼である地元企業の施⼯能⼒を超える⼯事量・被災箇所数への対応と早期完成の達成
② 資機材・労務費の短期間での値上がりへの対応(平常時とは異なる積算、設計変更等)
③ 指揮・連絡系統が平常時とは異なることへの対応
●他の災害事例を参考に、「Ⅰ発注者の事業実施体制に関する課題」、「Ⅱ平常時とは⼤きく異なる事業の特性に伴う課題」、「Ⅲ⼯事の担い⼿(受注者)に係わる課題」として具体的な課題を抽出
11
検討フロー
想定される被害の状況
抱える課題、 ニーズの抽出 課題整理と解決の⽅向性
⼊札契約⽅式の検討
⼿引き(案)の作成
●公共事業に求められる透明性・xx性、品質・安全の確保といった点に加えて、⼤規模災害時の復旧・復興事業においては東⽇本⼤震災、熊本地震で発⽣した状況から、以下の点に配慮が必要
Ⅰ 事業量が急激に増⼤し、災害前の発注者の事業実施体制では対応しきれない状況が発⽣
Ⅱ 平常時の公共事業とは⼤きく異なる特性を持つ事業が発⽣
Ⅲ 受注者が様々な市場の制約(施⼯会社の不⾜、資機材・労務の不⾜等)を受ける状況が発⽣
課題整理と解決の⽅向性
●他の災害事例での適⽤⽅策を分析の上、復旧・復興の段階毎に「発注者の体制整備」、「⼊札契約⽅式」、「施
⼯確保対策」を検討し、復旧・復興における⼊札契約等の⼿引き(案)を作成
●「南海トラフ巨⼤地震等の発⽣を想定したインフラの復旧・復興における⼊札契約⽅式事前検討チーム」を設置
して上記の検討を推進 12
検討フロー
想定される被害の状況
抱える課題、 ニーズの抽出 課題整理と解決の⽅向性
⼊札契約⽅式の検討
⼿引き(案)の作成
●応急復旧・本復旧・復興の段階毎に実施する⼯事の特性や市場の環境が変化することを考慮した災害時における⼊札契約⽅式の選択が求められる
課題整理と解決の⽅向性
■ 復旧・復興段階別の方策メニュー
※支払方式:全体を通じて総価契約方式
段 階 | 発注者の体制整備 | 入札契約方式 | 施工確保対策 | ||
契約方式 | 競争参加者設定方法 | 落札者選定方法 | |||
x x 時 | ⚫ 災害協定の締結 着手済 ⚫ BCPの認定 | ||||
【今後の参考方策】 復興JVの平常時からの検討 | |||||
応急復旧 | ⚫ 災害協定の活用 ⚫ 「災害時維持修繕協定(下水道法)」の活用(xx町) | ⚫ 設計や工事の施工のみを発注する方式 | ⚫ 随意契約 | - | ⚫ 既発注工事の一時中止 ⚫ 前金払の適切な実施 |
⚫ 詳細設計付工事発注方式 | |||||
本 復 旧 | ⚫ 「民間による発注者支援 (CM方式、事業促進PPP方式等)」の活用 ⚫ 「関係機関による代行(国あるいは県による代行)」の活用 | ⚫ 設計や工事の施工のみを発注する方式 | ⚫ 一般競争入札 ⚫ 指名競争入札 | ⚫ 価格競争方式 ⚫ 総合評価落札方式 | ⚫ 「発注準備・積算」、 「入札契約(競争参加者の設定)」、「入札契約(落札者の選定方法)」、「施工段階」に係る各対策 (次頁参照) |
⚫ 設計・施工一括発注方式 ⚫ 詳細設計付工事発注方式 | ⚫ 一般競争入札 | ⚫ 総合評価落札方式 | |||
⚫ 設計段階から施工者が関与する方式 | ⚫ 随意契約 | ⚫ 技術提案・交渉方式 | |||
復 x | ⚫ 「民間による発注者支援 (CM方式、事業促進PPP方式等)」の活用 ⚫ 「関係機関への事業委託 (URへの復興事業委託)」の活用 | ⚫ 設計や工事の施工のみを発注する方式 | 同本復旧 | 同本復旧 | |
⚫ 設計・施工一括発注方式 ⚫ 詳細設計付工事発注方式 | 同本復旧 | 同本復旧 | |||
⚫ 設計段階から施工者が関与する方式 ⚫ 設計段階で工事費の交渉を行う方式 (技術提案・交渉方式(設計交渉施工タイプ)) | 同本復旧 | 同本復旧 |
●復旧・復興の各段階で想定される状況に対し、選択可能な「発注者の体制整備」、「⼊札契約⽅式」、「施⼯確保対策」の各種⽅策を抽出し、選択の考え⽅を整理
13
検討フロー
想定される被害の状況
抱える課題、 ニーズの抽出 課題整理と解決の⽅向性
⼊札契約⽅式の検討
⼿引き(案)の作成
課題整理と解決の⽅向性
発注準備・積算 | (競争参加者の設定) | (落札者の選定方法) | 施工段階 |
①施工箇所が点在する工事の間接費の算定 | ①入札参加資格(地域要件)の緩和 | ①手続き負担の少ない総合評価落札方式の適用範囲の拡大 | ①常駐・専任要件の緩和 |
②実勢価格を反映した公共工事設計労務単価の設定 | ②指名競争入札の積極活用 | ②入札成立要件の緩和(1者入札の承認) | ②スライド条項の運用 |
③被災地における間接工事費の補正(復興係数) | ③発注標準の運用変更(等級要件の緩和) | ③一括審査方式の活用 | ③遠隔地からの資材調達に係わる設計変更 |
④被災地における工事歩係りの補正(復興歩係り) | ④被災地外からの労働者確保に係わる設計変更 | ||
⑤資材価格の見積活用 | ⑤請負契約締結後における単価適用年月日の変更 | ||
⑥建設資材・労働力確保のための 「余裕期間」活用 | ⑥前金払いの割合等 | ||
⑦地方機関の発注権限の拡大 | ⑦受注者からの請求による工期延長 | ||
⑧発注見通し公表 | ⑧資機材調達不能時における工事一時中止の有効活用 | ||
⑨業団体との課題等の共有化 |
■ 復旧・復興段階別の方策メニュー (前頁に示した本復旧・復興段階における施工確保対策の詳細)
14
検討フロー
想定される被害の状況
抱える課題、 ニーズの抽出 課題整理と解決の⽅向性
⼊札契約⽅式の検討
⼿引き(案)の作成
●平常時には、被災後の事業実施体制を確保するために地域防災⼒の向上に資する継続的な取り組みが課題
【平常時】発注者の体制整備の検討
■ 災害協定における平常時の準備事項の例
協定者 | 協定名 | 協定内容の概要 |
国⼟交通 | ⼤規模災害発⽣時の道路啓開に関する協定 | (平時の準備) 第6条 甲,⼄及び丙は,徳島県道路啓開計画,実施 |
省四国地 | ⼿順書及び割付図に変更が⽣じた場合は,速やかに | |
⽅整備局 | 協議を⾏い,各々に反映するものとする。 | |
(⼀社)徳 | 2 甲は,道路啓開担当業者が災害対策基本法に基づ | |
島県建設 | く⾞両の移動を実施する場合に必要となる⾝分証明 | |
業協会 | 書を,本協定に基づき道路啓開担当業者に対し,事前に発⾏するものとする。 |
■ 徳島県3管内のBCP認定取得企業の状況(平成29年度)
管内 ランク | 東部県⼟整備局 徳島管内業者数(件) | 南部総合県 ⺠局 阿南管内 業者数(件) | 南部総合県 ⺠x xx管内 業者数(件) | 計 「徳島+阿南+xx」業者数(件) |
⼟⽊⼀式(特A〜D) | 495 | 120 | 34 | 649 |
⼟⽊⼀式(特A+A) | 85 | 29 | 17 | 131 |
内県BCP取得済 (取得済/特A+A) | 32 (38%) | 16 (55%) | 8 (47%) | 56 (43%) |
■ 東部県土整備局「徳島」管内の土木一式業者(特A+A)の本社位置
※徳島県建設業BCP認定制度
対象:県内に本社を有し⼟⽊⼀式⼯事の格付けが「特A級」及び「A級」の建設企業活⽤:⼟⽊⼀式⼯事の格付けが「特A級」及び「A級」の県内企業のみが参加する
総合評価落札⽅式の⼊札で、認定企業を評価
●現在、取り組んでいる以下の⽅策を着実に推進
●災害協定等に規定されている平常時の準備を実施するとともに、協定の相⼿⽅における実施状況等を確認
●徳島県建設業BCP 認定制度に基づくBCP認定の取得企業を促進、浸⽔区域と取得企業本社位置の確認
15
検討フロー
想定される被害の状況
抱える課題、 ニーズの抽出 課題整理と解決の⽅向性
⼊札契約⽅式の検討
⼿引き(案)の作成
●応急復旧段階では、平常時に締結した災害協定等の枠組みを活⽤し、⼆次災害の防⽌及び本復旧までの⼟
⽊施設の機能確保に向けた迅速な体制の構築が課題
【応急復旧段階】発注者の体制整備の検討
協定締結相手 | 協定名 |
四国地方整備局 一般社団法人徳島県建設業協会 | 大規模災害発生時の道路啓開に関する協定 |
一般社団法人徳島県建設業協会 | 大規模災害発生時における支援活動に関する協定 |
社団法人 プレストレスト・コンクリート建設業協会四国支部 | 大規模災害時における支援活動に関する協定 |
社団法人日本橋梁建設協会 | 大規模災害時における支援活動に関する協定 |
(以下省略) |
■ 徳島県における災害協定の締結例
■ xx町における災害協定の締結例
協定締結相手 | 協定名 |
一般社団法人徳島県建設業協会xx支部 | 大規模災害発生時における支援活動に関する協定 |
個別企業 | 大規模災害発生時における支援活動に関する協定 |
(以下省略) |
■ xx町における災害時維持修繕協定
協定締結相手 | 協定名 |
下水道事業x | xx町・日本下水道事業団災害支援協定 |
●災害協定等に基づき協定締結相⼿に⽀援を要請
●⽇本下⽔道事業団と締結している災害時維持修繕協定に基づく⽀援の要請 (xx町)
16
検討フロー
想定される被害の状況
抱える課題、 ニーズの抽出 課題整理と解決の⽅向性
⼊札契約⽅式の検討
⼿引き(案)の作成
●本復旧段階では、道路や河川の早期の現況復旧が求められることから、事業費の急激な増加(量的補完)や平常時に実績が少ない⼯種(質的補完)に対応するための発注者の体制整備が課題
【本復旧段階】発注者の体制整備の検討
CMR
※xx県復興再生道路に係る事業での活用
■ 民間企業等による支援事例(xx県・CM方式)
「xx県版道路CM業務円滑化ガイドライン(第1版) 平成28年12月 xx県土木部道路総室」 より
■ 国による代行事例(熊本地震)
●従来発注者が実施している業務の⼀部について専⾨的な技術⾯の補完といったことを含め、⺠間企業等に⽀援業務(CM⽅式、事業促進PPP⽅式等)を委託
●⼤規模災害時における公共⼟⽊施設の復旧・復興事業では、関係法令の適⽤を前提として被災⾃治体は関係機関による代⾏を要請できるケースもある(熊本地震等)
17
検討フロー
想定される被害の状況
抱える課題、 ニーズの抽出 課題整理と解決の⽅向性
⼊札契約⽅式の検討
⼿引き(案)の作成
●復興段階では、道路や河川の復旧事業に加え、⼤規模造成等のまち全体の⾯整備に係る事業費の急激な増加(量的補完)や平常時に実績が少ない⼯種(質的補完)に対応するための発注者の体制整備が課題
【復興段階】発注者の体制整備の検討
■ 民間による発注者支援(釜石市・CM方式)
※釜⽯市では防災集団移転事業、⼟地区画整理事業等にCMを活⽤(上図参照)
■ URによる代行事例(東日本大震災)
●復興段階におけるまちづくりに係わる事業の実施においても、本復旧段階と同様に発注者の⽀援に⺠間企業への業務委託を活⽤可能
●関係機関による代⾏の他に、復興事業の⾯整備等に係わる事業について、関係法令の適⽤を前提としてURに対する事業委託が可能となるケースもある(東⽇本⼤震災等)
(xx町は、平成29 年度末時点で、事前復興事業に関してUR との間で「津波防災まちづくりに係る相互協⼒についての覚 書」及び「xx町における津波防災まちづくりの推進に向けた協定書」を締結している。この相互協⼒関係を発展させ、復興事業に関してURに事業委託することが考えられる。)
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検討フロー
想定される被害の状況
抱える課題、 ニーズの抽出 課題整理と解決の⽅向性
⼊札契約⽅式の検討
⼿引き(案)の作成
●応急復旧段階では、発災直後から⼀定の間に対応が必要となる道路啓開、堤防等河川管理施設の応急復旧
⼯事など緊急度が極めて⾼い⼯事が対象となることから、⼿続きに時間をかけずに対応者を選定することが課題
【応急復旧段階】⼊札契約⽅式の検討
仮橋の架設
■考えられる応急復旧段階における入札契約の要素
「東北地方整備局 震災伝承館HP」 より
●県・町の実情を踏まえ応急復旧段階での活⽤が考えられる⼊札契約の各要素を上記(実線部)のとおり整理
・県では随意契約の実績が少ないことから、災害時に適⽤し易いよう随意契約の選択を基本
・⽀払い⽅式は、こまめな設計変更の実施を前提に、運⽤に慣れている総価契約⽅式を選択
●競争参加者の設定⽅法については、⾄急の原状復旧や被害の最⼩化の観点から、「随意契約」を適⽤すること
が考えられる 19
検討フロー
想定される被害の状況
抱える課題、 ニーズの抽出 課題整理と解決の⽅向性
⼊札契約⽅式の検討
⼿引き(案)の作成
●本復旧段階では、緊急的な対応を終え施設のxx的な機能回復を⾏う事業を実施
●事業量が増⼤する中、xx的な機能回復に係わる様々な技術的要求、⼿続期間の短縮、受発注者双⽅の事務⼿続負担軽減等を図りながら、競争性・透明性の確保等に配慮できる⼊札契約⽅式の選択が課題
【本復旧段階】⼊札契約⽅式の検討
技術提案・交渉方式の事例(国道57号災害復旧 二重峠トンネル工事)
■考えられる応急復旧段階における入札契約の要素
「九州地方整備局HP」 より
●県・町の実情を踏まえ本復旧段階での活⽤が考えられる⼊札契約の各要素を上記(実線部)のとおり整理
・指名競争⼊札を適⽤する場合は、指名選定段階で技術的能⼒等を加味し、負担の少ない価格競争を選択
・これまでも指名競争⼊札が広く適⽤されていることから、段階的選抜⽅式は選択しない
●本復旧段階では、遅延のない事業着⼿・完了が達成されることを前提に、⼿続きの負担軽減、競争性・透明性 の確保等に配慮しつつ、⼊札契約に係わる各要素を組み合わせて選択することが考えられる 20
検討フロー
想定される被害の状況
抱える課題、 ニーズの抽出 課題整理と解決の⽅向性
⼊札契約⽅式の検討
⼿引き(案)の作成
●復興段階では、まちづくり(⾯整備)を中⼼とした事業を実施
●競争性・透明性の確保等とともに、まちづくりに係わる様々な要求に配慮できる⼊札契約⽅式の選択が課題
【復興段階】⼊札契約⽅式の検討
コストプラスフィー契約・オープンブック方式(復興CM方式の例)
■考えられる応急復旧段階における入札契約の要素
契約方式
競争参加者の設定方法
落札者の選定方法
支払い方式
コストプラスフィーの標準的な流れ
⽀払伝票等の整理
⼝座出⼊⾦明細書
⼈件費・業務経費
出来⾼の確認
専⽤⼝座の開設
⽀払請求 ⽀払い
設計・⼯事等実施
原価情報の開⽰ ⇒オープンブック⽅式
原価参⼊・専⾨業者⽀払いチェック
受領
フィーを載せて⽀払い
出来⾼、出来形の確認
総価契約方式
価格競争方式
一般競争入札
設計や工事の施工のみを発注する方式
UR都市機構
原価管理会議
設計・施工一括発注方式
※ 実態に即した支払い方式
総合評価落札方式
単価・数量精算契約方式
コスト+フィー契約・オープンブック方式
総価契約単価合意方式
技術提案・交渉方式
詳細設計付工事発注方式
指名競争入札
受注者(CMR)
第三者機関監査
設計段階から施工者が関与する方式(ECI方式)
設計段階で工事費の交渉を行う方式
随意契約
など など
専⾨業者
段階的選抜方式
など
●県・町の実情を踏まえ復興段階での活⽤が考えられる⼊札契約の各要素を上記(実線部)のとおり整理
●復興段階におけるまちの⾯整備等に係わる⼯事については、設計と施⼯を⾏う者を選定した上で設計の詳細が決定した段階で価格等の交渉を⾏い、⼯事契約を締結する⽅式(技術提案・交渉(設計交渉・施⼯)タイプ⽅式)の適⽤も考えられる
●発注時において現場条件の不確定要素が多く、当初契約時と施⼯時の数量の乖離が⼤きい⼯事については、実態に即した⽀払
い⽅式(単価契約やコスト+フィー契約)の検討も必要
21
検討フロー
想定される被害の状況
抱える課題、 ニーズの抽出 課題整理と解決の⽅向性
⼊札契約⽅式の検討
⼿引き(案)の作成
●本復旧・復興段階の発注準備・積算においては、資機材の不⾜・⾼騰等により市場環境が急激に変動するため、官積算と市場の実態の乖離を要因とした不調・不落が多発する恐れがある
【本復旧・復興段階】施⼯確保対策の検討
建設資材・労働力確保のための「余裕期間」活用
施工箇所が点在する工事の間接費の算定
■発注準備・積算に係る施工確保対策
対策事項 | 概 要 |
①施工箇所が点在する工事の間接費の算定 | 施工箇所が1km以上離れている場合は、積算時に箇所毎に間接工事費(共通仮設費、現場管理費)を算出する。 |
②実勢価格を反映した公共工事設計労務単価の設定 | 建設企業への調査や統計調査の結果等(現時点で得られる被災地の労務費の実態を表わす調査すべて)を活用した最新月への補正係数を算出し、現在の設計労務単価に乗じて補正する。 |
③被災地における間接工事費の補正(復興係数) | 資材やダンプトラック等の不足による作業効率の低下等により、間接工事費(共通仮設費および現場管理費)が増大することに対して、補正係数(復興係数)による補正を行う。 |
④被災地における工事歩係りの補正(復興歩係り) | 資材等の不足による作業効率の低下による日当り作業量の低下が発生することに対して、歩係りの補正(復興歩係り)を行う。 |
⑤資材価格の見積活用 | 急激な価格変動がみられる資材等に関して、積算において見積を活用する。 |
⑥建設資材・労働力確保のための「余裕期間」活用 | 人材や資材の確保のための期間(余裕期間)を設定した契約とする。 |
⑦地方機関の発注権限の拡大 | 発注ロットの拡大等に対応し、地方機関における発注権限の拡大を行う。【(例)県における各庁舎の発注権限:現行2億円】 |
⑧発注見通し公表 | 施工者が施工体制の確保等を行う基礎情報として、発注見通しの公表に関して内容・頻度の充実を図る。 |
⑨業団体との課題等の共有化 | 建設業協会等の協議を通じて、課題等の共有化を図り施工確保対策への反映を図る。 |
●施⼯確保対策の⼀環として、「発注準備・積算に係る施⼯確保対策」を講じ、実態に即した適正な積算や
⼯期設定等に取り組むことが考えられる
22
検討フロー
想定される被害の状況
抱える課題、 ニーズの抽出 課題整理と解決の⽅向性
⼊札契約⽅式の検討
⼿引き(案)の作成
●本復旧・復興段階の⼊札契約においては、建設市場の需給バランスの変化により競争参加者数の減少が⾒込まれる中、平常時と同⽔準の参加要件を設定することも不調・不落の発⽣要因となり得る
【本復旧・復興段階】施⼯確保対策の検討
宮城県では、発注の本格化に伴い⼊札不調が増加傾向にあり、今後の発注量について沿岸部と内陸部で極端な格差が⽣じることが
⾒込まれることから、地域要件を地域ブロック毎に設定することが基本となっている案件についても、地域要件を県内として設定できることを可能としている。
地域ブロック内の地域要件の設定が基本となっている案件
⮚ 設計額(税込)が1億円未満で施⼯実績条件を設定しない⼯事
⮚ 指定する地域(複数)ブロック内に本社を有する業者が施⼯可能な⼯事
⮚ 各5ブロック(隣接2ブロック)における発注業種・ランクの業者数が30者以上
入札参加資格(地域要件)の緩和の事例(xx県)
■入札契約に係る施工確保対策(競争参加者の設定)
対策事項 | 概 要 |
①入札参加資格(地域要件)の緩和 | 入札参加者に対する地域要件に関して、被災地域外の施工者の参加等、地域要件を緩和する。 |
②指名競争入札の積極活用 | 平常時に比して指名競争入札の対象工事範囲を拡大する。 【(例)県における指名基準の適用基準:1000万円未満→引き上げ】 |
③発注標準の運用変更(等級要件の緩和) | 平常時に比して、入札参加可能等級を拡大する。 【(例)県・町における土木A参加可能額:5000万円~2億円→引き上げ】 |
■入札契約に係る施工確保対策(落札者の選定方法)
入札参加資格(地域要件)の緩和の事例(xx県)
対策事項 | 概 要 |
①手続き負担の少ない総合評価落札方式の適用範囲の拡大 | 総合評価落札方式において種々の方式がある中で、「施工能力審査型」等の受発注者にとって手続負担が少ない方式の適用範囲を拡大する。 |
② 入札成立要件の緩和(1者入札の承認) | 平常時には、競争性が確保されないということから不調としている1者入札を承認する。 |
③ 一括審査方式の活用 | 複数の案件に共通した競争参加資格や総合評価に係る実績や技術提案テーマを設定し、一括して資格審査を行う。 |
xx県における平常時の地域⼊札要件は、⼯種・規模に応じて
●施⼯確保対策の⼀環として、「⼊札契約に係る施⼯確保対策」を講じ、⼊札参加要件の緩和や⼿続き負担の軽減等に取り組むことが考えられる
「管内」、「隣接3管内」、「県内」、「全国」の4つの区分で設定し、当初⼊札が不調となった場合は1段階広域の要件に広げて再公告することを認めている。これに対し、復旧事業では現⾏の地域要件の範囲内で最⼤の地域まで拡⼤可能とし、競争参加者の確保に取り組んでいる。
・現 ⾏:⼊札不調後は、区域を次の段階の地域まで拡⼤することができる。
・改 正:⼊札不調後は、現⾏の地域要件の範囲内で最⼤の地域まで拡⼤可能とする。
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検討フロー
想定される被害の状況
抱える課題、 ニーズの抽出 課題整理と解決の⽅向性
⼊札契約⽅式の検討
⼿引き(案)の作成
●本復旧・復興段階の施⼯においては、限られたリソース(技術者・技能者・資機材等)で多くの⼯事を実施する必要があるため、平常時と異なる柔軟な運⽤が必要
【本復旧・復興段階】施⼯確保対策の検討
対策事項 | 概 要 |
①常駐・専任要件の緩和 | 現場代理人やxx(監理)技術者に対する常駐や専任に関する要件を緩和する。 |
②スライド条項の運用 | 工事請負契約書の(賃金水準又は物価水準の変動に基づく請負代金額の変更)第25条の物価変動に係わる契約額変更に係わる規定を適切に運用する。 |
③遠隔地からの資材調達に係わる設計変更 | 地域外から資材を調達するために施工者が必要とする輸送費等の調達費用について、設計変更対応により発注者が確実に支払うことを条件に契約する。 |
④被災地外からの労働者確保に係わる設計変更 | 地域外から技術者・労働者を確保するために施工者が必要とする宿泊費や長距離通勤費用について、設計変更対応により発注者が確実に支払うことを条件に契約する。 |
⑤請負契約締結後における単価適用年月日の変更 | 資材価格の上昇や公共工事設計労務単価が見直しの実施など、積算時点で設定した単価と請負契約締結時点の単価が異なる場合に設計変更で対応する。 |
⑥前金払いの割合等 | 特例措置による前金払いの割合増加及び使途の拡大を活用する。 |
⑦受注者からの請求による工期延長 | 資材、労働力の不足に伴う施工効率の低下が生じた場合に、契約書の「受注者からの請求による工期延長」に関する規定を活用する。 |
⑧資機材調達不能時における工事一時中止の有効活用 | 資材の調達ができず、工期内の工事完了ができない見通しとなっている工事に関して、受注者からの申し出に基づいて工事の一時中止を行う。 |
■ 施工段階の施工確保対策
常駐・専任要件の緩和:現場代理人の常駐義務の緩和(熊本県)
熊本県では、専任のxx技術者の配置を要しない⼩規模な⼯事のみを施⼯する場合、次のとおり現場代理⼈の兼任を認めることとした。
(従前)同⼀地域振興局管内の3件以内で合計3千5百万円未満の⼯事について兼任可
(改正)同⼀地域振興局管内の3件以内で合計7千万円未満の⼯事について兼任可
資機材調達不能時における工事一時中止の有効活用(北海道)
当初工期
変更工期
A
・入札公告(一時中止可、中止期間中現場代理人・技術者配置不要(連絡員要)、工期延期有り等を特記、お知らせに明記)
・入札執行、落札者決定
・受注者より速やかに一時中止申し入れ、建設管理部は2月末を限度として申し入れ承諾
・資材調達の目処が立った時点で一時中止解除申し入れ、建設管理部承諾
・工期変更の上、工事再開。前払い請求。
★事務処理フロー
B
入札公告
一時中止解除
一時中止上申
入札執行
【イメージ図】
8 | 月 | 9 | 月 | 10 | 月 | 11 | 月 | 12 | 月 | 1 | 月 | 2 | 月 | 3 | 月 |
★B期間の取扱い
・工程表、施工体制等関係資料提出
・前払金請求、支払い
●施⼯確保対策の⼀環として、「施⼯段階の施⼯確保対策」を講じ、常駐・専任要件の緩和や⼯事の⼀時中⽌の有効活⽤等に取り組むことが考えられる
・現場着手までの間現場代理人、技術者の配置は要さず、連絡員を配置。
・一時中止及びそれに伴う工期延期を受注者の責めとしない。
・仮に打ち切りになった場合も受注者の責めとしない。
・工事に着手していない間、緊急対策や現場の維持管理は受注者の責めとしない。
★A期間の取扱い
「北海道HP」 より
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検討フロー
想定される被害の状況
抱える課題、 ニーズの抽出 課題整理と解決の⽅向性
⼊札契約⽅式の検討
●復旧・復興の段階毎に「発注者の体制整備」、「⼊札契約⽅式」、「施⼯確保対策」を検討し、復旧・復興における⼊札契約等の⼿引き(案)を作成
⼿引き(案)の作成
⽬次構成 | 記載内容 | |
1. 想定される災害後の状況 | ||
1.1 想定される被害状況 | 事業費の急激な増加等、災害後の事業実施状況想定される事業実施⾯に関する災害後の状況 | |
1.2 復旧・復興事業で想定される課題 | 上記の状況及び東⽇本⼤震災等の状況から推定される⼊札・契約の課題 | |
1.3 ⼿引きに⽰した対応策の全体像 | 各復旧・復興段階における対応策の全体像(総括表) | |
2. 平常時からの対応 | ||
2.1 現⾏の⼊札契約制度 | 徳島県、xx町の現⾏⼊札制度の概要 | |
2.2 ⼊札契約の要素 | 契約⽅式、競争参加者の設定⽅法等の⼊札契約の基本的構成要素 | |
2.3 平常時からの対応 | 防災協定の締結等の平常時から実施している対応事項の内容 | |
3. 応急復旧段階 | ||
3.1 発注者の体制整備 | 応急復旧段階における体制整備の⼿法 | |
3.2 ⼊札契約⽅式 | 応急復旧段階における⼊札契約⽅式 | |
3.3 施⼯確保対策 | 応急復旧段階における施⼯確保対策 | |
4. 本復旧段階 | ||
4.1 発注者の体制整備 | 本復旧段階における体制整備の⼿法(関係機関及び⺠間) | |
4.2 ⼊札契約⽅式 | 本復旧段階における⼊札契約の⼿法 | |
4.3 施⼯確保対策 | 本復旧段階の施⼯確保対策 | |
5. 復興段階 | ||
5.1 発注者の体制整備 | 復興段階における体制整備の⼿法(関係機関及び⺠間) | |
5.2 ⼊札契約⽅式 | 復興段階における⼊札契約の⼿法 | |
5.3 施⼯確保対策 | 各種の施⼯確保対策の⼿法 |
●作成した⼿引きを関係者間で共有し、⼤規模災害に伴う復旧・復興事業を円滑に実施するための⼊札契約⽅式の備えに向けた整備を推進する 25
⼿引き(案)の作成
課題と⼿引きにおける課題解決策
検討フロー
想定される被害の状況
抱える課題、 ニーズの抽出
課題整理と解決の⽅向性
⼊札契約⽅式の検討
⼿引き(案)の作成
○復旧・復興事業の早期着⼿・完了に加え、復旧・復興の各段階を通じて以下の点などが求められている。
①コスト縮減 ②透明性・xx性の確保 ③地元企業活⽤ ➃安全・品質の確保
○復旧・復興事業の早期着⼿・完了に加え、復旧・復興の各段階を通じて以下の点などが求められている。
①コスト縮減 ②透明性・xx性の確保 ③地元企業活⽤ ➃安全・品質の確保
① 震災前の事業量に⽐して、数倍以上の事業を実施する体制がないことへの対応
② 復旧・復興事業における近年の職員が未経験の技術的な課題への対応
Ⅰ発注者の事業実施体制に関する課題
① 震災前の事業量に⽐して、数倍以上の事業を実施する体制がないことへの対応
② 復旧・復興事業における近年の職員が未経験の技術的な課題への対応
Ⅱ平常時とは⼤きく異なる事業の
① 事業の早期完成を図るため、種々の事業諸元等が不確定な状況で⼤規模事業を実施する必要
② 上記の状況下で公共事業として、コストの妥当性確保や地元経済への配慮を図りつつ事業実施する必要
特性に伴う課題
① 事業の早期完成を図るため、種々の事業諸元等が不確定な状況で⼤規模事業を実施する必要
② 上記の状況下で公共事業として、コストの妥当性確保や地元経済への配慮を図りつつ事業実施する必要
① 復旧⼯事の中⼼である地元企業の施⼯能⼒を超える⼯事量・被災箇所数への対応と早期完成の達成
② 資機材・労務費の短期間での値上がりへの対応(平常時とは異なる積算、設計変更等)
③ 指揮・連絡系統が平常時とは異なることへの対応
Ⅲ⼯事の担い⼿(受注者)に係わる課題
【応急復旧段階】
<体制整備>
イ. 他機関・業団体等との災害協定・維持修繕協定活⽤
<⼊札契約>
イ.⾄急の現状復旧等を⽬的とした随意契約活⽤等
<施⼯確保対策>
イ. 既発注⼯事の⼀時中⽌、前⾦払いの適切な実施
<例>
・災害協定に基づく随意契約適⽤による透明性・xx性の確保
・地元業団体等との災害協定に基づく緊急対応要請による地元企業活⽤ 等
<例>
・災害協定に基づく随意契約適⽤による透明性・xx性の確保
・地元業団体等との災害協定に基づく緊急対応要請による地元企業活⽤ 等
<体制整備>
イ. 他機関・業団体等との災害協定・維持修繕協定活⽤
<⼊札契約>
イ.⾄急の現状復旧等を⽬的とした随意契約活⽤等
<施⼯確保対策>
イ. 既発注⼯事の⼀時中⽌、前⾦払いの適切な実施
<例>
・発注者体制整備により、発注者によるコスト縮減、透明性・xx性の確保、地元企業活
⽤、安全・品質の確保取組の確実化
・詳細設計付⼯事発注⽅式等の施⼯者の技術活⽤を⾏う契約⽅式の適⽤によるコスト縮減、安全・品質確保
・常駐・専任要件緩和等による地元企業の競争参加機会の確保
・市場環境変化を考慮した積算等、適切な費
⽤⽀払いを⾏う事等による安全・品質確保
・⼊札参加者の確保による競争性、透明性・xx性の確保 等
【本復旧段階】
<例>
・発注者体制整備により、発注者によるコスト縮減、透明性・xx性の確保、地元企業活
⽤、安全・品質の確保取組の確実化
・詳細設計付⼯事発注⽅式等の施⼯者の技術活⽤を⾏う契約⽅式の適⽤によるコスト縮減、安全・品質確保
・常駐・専任要件緩和等による地元企業の競争参加機会の確保
・市場環境変化を考慮した積算等、適切な費
⽤⽀払いを⾏う事等による安全・品質確保
・⼊札参加者の確保による競争性、透明性・xx性の確保 等
<体制整備>
イ. 他機関による事業代⾏制度活⽤
ロ. ⺠間による発注者⽀援(CM等)活⽤
<⼊札契約>
イ. 詳細設計付⼯事発注⽅式等の平常時には適⽤が無い契約⽅式適⽤の考慮
ロ. 発注者⽀援(CM等)によるコスト縮減提案・妥当性確認機能活⽤の考慮 等
<施⼯確保対策>
イ. 常駐・専任要件緩和、簡易な総合評価の適⽤範囲の拡⼤、地域要件の緩和等を考慮した⼊札契約適⽤ ロ. 市場環境変化を反映できる積算、設計変更、⼯期設定を可能とする施⼯確保対策の適⽤ 等
<体制整備>
イ. 他機関による事業代⾏制度活⽤
ロ. ⺠間による発注者⽀援(CM等)活⽤
<⼊札契約>
イ. 詳細設計付⼯事発注⽅式等の平常時には適⽤が無い契約⽅式適⽤の考慮
ロ. 発注者⽀援(CM等)によるコスト縮減提案・妥当性確認機能活⽤の考慮 等
<施⼯確保対策>
イ. 常駐・専任要件緩和、簡易な総合評価の適⽤範囲の拡⼤、地域要件の緩和等を考慮した⼊札契約適⽤ ロ. 市場環境変化を反映できる積算、設計変更、⼯期設定を可能とする施⼯確保対策の適⽤ 等
M-P4
<例>
・発注者体制整備により、発注者によるコスト縮減、透明性・xx性の確保、地元企業活
⽤、安全・品質の確保取組の確実化
・設計段階で⼯事費の交渉を⾏う⽅式の適⽤による、コストの透明性確保
・⼊札参加者の確保による競争性、透明性・xx性の確保 等
<体制整備>
イ.関係機関への事業委託及び⺠間発注者⽀援活⽤
<⼊札契約>
イ.⼯事仕様が不確定な段階での適⽤が可能な設計段階で⼯事費の交渉を⾏う⽅式活⽤の考慮 等
<施⼯確保対策>同「本復旧段階」
① 復旧⼯事の中⼼である地元企業の施⼯能⼒を超える⼯事量・被災箇所数への対応と早期完成の達成
② 資機材・労務費の短期間での値上がりへの対応(平常時とは異なる積算、設計変更等)
③ 指揮・連絡系統が平常時とは異なることへの対応
<例>
・発注者体制整備により、発注者によるコスト縮減、透明性・xx性の確保、地元企業活
⽤、安全・品質の確保取組の確実化
・設計段階で⼯事費の交渉を⾏う⽅式の適⽤による、コストの透明性確保
・⼊札参加者の確保による競争性、透明性・xx性の確保 等
<体制整備>
イ.関係機関への事業委託及び⺠間発注者⽀援活⽤
<⼊札契約>
イ.⼯事仕様が不確定な段階での適⽤が可能な設計段階で⼯事費の交渉を⾏う⽅式活⽤の考慮 等
<施⼯確保対策>同「本復旧段階」
【復興段階】