Contract
xx市シンクライアント環境利用サービス
<公募型プロポーザル仕様書>
令和 4 年 4 月
宇土市企画部まちづくり推進課
1 基本方針
(1) 本業務の背景
宇土市では,平成 25 年度から端末のシンクライアント化を進めており,現在職員が業務で使用している端末のほとんどをシンクライアント環境で運用している。現在の契約期間が令和 5 年3月までになっており,導入から約 10 年が経過することから新たなシンクライアント環境の整備を行うものである。
2 現行システムの状況
(1) 現行システムの状況は,以下の通りである。
① 物理端末
ア 庁内 PC 端末機を使用し,既存シンクライアント環境使用契約満了時に OS 環境は削除する。
② 仮想端末
ア データセンターにサーバーを設置し,宇土市役所本庁舎及び市内各拠点を専用回線(別途契約)で接続し,仮想端末を操作する。
イ 仮想パソコンで行う主な業務は,以下のとおりである。
(ア) Microsoft Office による文書作成,表計算,プレゼンテーション等 (イ) メールの送受信
(ウ) ファイルサーバー及び共有フォルダへのアクセス (エ) 基幹系システム(住民情報,税システム等)
(オ) 情報系システム(財務会計システム等)
(カ) 各課個別システム(電子納品システム,CAD ソフト等)
(キ) LGWAN-ASP サービス(例規システム,統合型 GIS システム等)
③ サーバー
サーバーには,シンクライアント環境のシステムが構成され,併せてファイルサーバー等の機能を有している。
④ ユーザー数及び使用場所
ア ユーザー数 340 ユーザー
イ 設置場所 xx市役所本庁舎及び出先機関
(2) 本業務の目的
本件業務は,シンクライアント環境サービスを再整備することにより,クライアント設定の標準化及び集中管理を改めて実現するとともに,セキュリティの向上及びシステムの運用性の向上を図り,併せてシンクライアント環境サービスを安定に稼働させるために,本市全体のシステム・ネットワーク環境について,改善するこ
とを目的とする。
3 業務の概要
(1) 契約方法
プロポーザル方式事業者選定による随意契約とする。使用料の支払は,サービス使用開始から5年間とする。
(2) 本整備におけるサービス提供範囲の定義
(3) システム構成
① 業務の概要
ア 本庁及び出先機関の基幹系(個人番号利用事務系)端末用の仮想デスクトップ環境の準備・サービス提供
イ 本庁及び出先機関の業務系(LGWAN 接続系)端末用の仮想デスクトップ環境の準備・サービス提供
ウ 本庁及び出先機関の情報系(インターネット接続系)端末用の仮想デスクトップ環境の準備・サービス提供
エ Active Directory サーバーの準備・サービス提供
オ WSUS(Windows Server Update Services)サーバーの準備・サービス提
供
カ ファイルサーバーの準備・サービス提供キ プリントサーバーの準備・サービス提供ク ネットワーク機器準備・サービス提供
ケ サーバー・クライアントライセンスの調達管理コ 受け入れテスト支援・本稼働後の支援
サ 研修の実施
シ 市からの問合せ等に関するヘルプデスクの提供ス サービスを安定的に稼働させるための保守
② ユーザー数及び端末数
シンクライアント環境を利用する職員の数は 340 名とする。なお,同時接続数は以下のとおりとし,稼働に必要なライセンスを用意すること。なお,ユーザーが使用するシンクライアント端末については,既存のシンクライアント端末を流用する。
ア | 基幹系仮想デスクトップ環境 | 141 ユーザー |
イ | 業務系仮想デスクトップ環境 | 340 ユーザー |
ウ | 情報系仮想デスクトップ環境 | 340 ユーザー |
エ | ファットクライアント端末として使用する台数 | 75 台 |
③ サービス構築期間
構築期間は,契約締結の翌日から令和 5 年3月 31 日とする。
④ システムの利用開始
対象システムのサービス利用開始時期は,令和 5 年 4 月 1 日とする。なお,受託者の構築スケジュールと,本市の予定する構築スケジュールに差異がある場合は,双方協議により変更等は有り得るものとする。
⑤ サービス利用期間
サービスの利用期間は,本システムの利用開始から5年間とする。従ってクライアントライセンス等の必要なライセンスや保守は5年間分として提案すること。
(4) サービス提供対象システム構築作業
本業務における構築作業は次のとおり。その詳細は 5 サービス提供における詳細要件で示す。
① 要件定義・設計
② システム構築
③ 運用試験
④ 職員研修
⑤ システム移行
⑥ 運用・保守
(5)システム構築・サービス提供スケジュール(案)
令和 4 年度 | 令和 5 年度 | ||||||||||||||
4 月 | 5 月 | 6 月 | 7 月 | 8 月 | 9 月 | 10 月 | 11 月 | 12 月 | 1 月 | 2 月 | 3 月 | 4 月 | 5 月 | 6 月 | |
業者選定 | |||||||||||||||
契約 | |||||||||||||||
要件定義・設計 | |||||||||||||||
システム構築 | |||||||||||||||
運用試験 | |||||||||||||||
職員研修 | |||||||||||||||
システム移行 | |||||||||||||||
運用開始 |
4 システムの詳細要件
(1) 機能要件
① 全般的事項
ア これまでに本市と同規模以上の自治体向けに導入し2年以上の安定運用実績のある構成でサービスを提供すること。
イ 次年度以降のスケールアウト増設にも対応できるよう構成すること。 ウ 将来的にモバイル閉域網サービスなどを用いた十分に安全な方法で外部
からリモートログインを実装する際にも大幅な構成変更や設定変更が生じない構成とすること。
エ シンクライアント環境(基幹系)にログインする際は,二要素認証によりログインできる環境を整備すること。
オ 本庁及び市内出先機関の所在地は,別紙「施設一覧」を参照すること。
② データセンター
サーバー等の機器を設置するデータセンターの要件については次のとおりとする。
ア 設置場所
(ア) 日本国内に存在し,国内法が適用され場所に設置すること。
(イ) 原則として24時間365日運用・管理可能なデータセンターを利用すること。
イ 設備
(ア) サーバー等の設備は,耐震等の地震対策が施されたサーバーxxに設置すること。
(イ) 機器の発熱量などに対して十分考慮された専用空調機を備えていること。
(ウ) 電源設備は無停電電源装置もしくは非常用自家発電装置を有し,停電時は5分以上の電源供給が行えること。
(エ) 電子鍵または指紋認証等での入退室管理を行ったセキュリティ面に対して考慮された環境であること。
(オ) サーバー室バッテリー更新も保守契約対象範囲とし,継続使用が出来るよう対応すること。
ウ データセンター~宇土市役所接続点間シンクライアント用ネットワーク環境
(ア) データセンターとxx市役所接続点間を結ぶネットワークは,安定稼働とセキュリティを考慮し,閉域ネットワークで 1Gbps 以上の帯域保証型の専用回線を用意すること。本想定以上の必要な帯域は受託者にて試算し提案すること。
(イ) データセンターとxx市役所接続点間のネットワークは,受託者もしくは回線提供事業者において状態監視が実施できること。
(ウ) データセンターなどの設備に関する利用料及びデータセンターへの接続に係る専用回線の費用についても併せて積算すること。
③ ハードウェア
次のような構成により,本業務におけるサービスが要求された品質を保てるようにすること。
ア サーバー機器
(ア) サーバーハードウェアについては一般的に性能・信頼性の高い 2Way 以上の製品を利用すること。
(イ) 各サーバー要件を十分に満たし,一般的な利用及び急激な端末からの要求時でも性能劣化が生じない性能,容量を確保すること。
(ウ) 将来の需要増や性能向上のためにサーバーを増強可能な構成とすること。
(エ) 端末の性能向上,利用アプリケーションの増加等による将来のサーバー負荷上昇時にも,追加費用なくサーバー増設やネットワーク機器増強の対策を実施すること。
(オ) サーバー及びそれらを構成するネットワーク機器については全て受託者所有の機器によって構成すること。また,設備運用に必要な電気代,空調費用もすべて受託者が費用内にて負担すること。
イ シンクライアント端末
(ア) 既存の庁内 PC 端末を流用し,シンクライアント環境が利用できるよう設定を行うこと。
(イ) シンクライアント端末のOS は,機能制限を施し,不要なソフトやデータが残らないように構成すること。
(ウ) シンクライアント端末は OS 等のマスターイメージ展開に必要なライセンスを用意し,端末毎の整備漏れや設定違いなどが発生しないよう Microsoft 社が定める正しい方法によって同じイメージからの展開作業を行うこと。また,初回整備時のみならず,後のサポート対応時などにも同じ環境を提供出来るよう備えること。
ウ ネットワーク機器
(ア) データセンターとの接続機器及び宇土市役所及びその他拠点のネットワーク環境を調査し,シンクライアント環境が安定的に稼働するように機器整備を行うこと。
④ システムバックアップ
仮想OS が何らかの障害で正常稼働できない場合に備え,マスターイメージを用いた展開やOS のイメージバックアップ等により全ての仮想マシンの復旧が可能なこと。
⑤ ソフトウェア及びライセンス
ア Microsoft License 契約によるxxのライセンスを提供すること。
イ Microsoft が国内で正式なサポートを受けられるライセンス契約形態であること。
ウ 契約数分の Office standard ライセンスを提供すること。また,基幹系,業務系,情報系それぞれの仮想デスクトップ環境で利用できること。
エ 各ライセンスについては全てのサーバー機能において,サーバー及びクライアント端末台数を収容できる必要数を用意すること。
オ ソフトウェアアシュアランス契約を含むライセンス形態であること。 カ ソフトウェアアシュアランスは本サービスの契約期間内において有効で
あること。
キ Microsoft 製品以外での必要なソフトウェアもxxライセンスにより必要数を適切に用意し,適用すること。
ク 受託期間中においてクライアント環境は OS・Microsoft Office standard・クライアントアクセスライセンス(CAL)・リモートデスクトップサービスクライアントアクセスライセンス(RDS)のいずれも最新版または特定のバージョンを追加費用なく選択導入出来るライセンス形態を採用すること。
ケ 各ソフトウェアのインストールや利用者数の制限などを本市の指示に合わせて一括管理出来る構成とすること。
コ 本市が現在ライセンスを所有しているソフトウェアについても別途打ち合わせのうえ適宜インストールすること。
サ 仕様に定められたサービス提供設備についてのアップデート,設定変更,修正等について費用が発生しないこと。
⑥ シンクライアントサービス
ア リッチコンテンツにも最低限対応出来るよう,RDP8 以降のバージョンに対応した,ネットワーク負荷が小さい標準プロトコルで接続する仕組みとすること。
イ シンクライアントサーバーは負荷分散・障害時の影響範囲を考慮し 4 ノード以上用意すること。
ウ サーバーを無停止で容量拡張が可能な仕組みで構築すること。
エ 既存の Active Directory 環境を参考として,新たにグループポリシー,アクセスグループ等の構成を最適化し Active Directory 環境の構築を行うこと。なお,既存の Active Directory 環境に関する情報は契約後に開示する。
オ Active Directory は,年度の切り替え時に伴う新規・変更・削除の更新作業を行うこと。(アカウント作成・削除)
カ ドメインコントローラを複数台用意し,ドメインコントローラに障害が発生した場合でもシステムが正常に稼働するよう冗長構成とすること。
キ 利用者は ActiveDirectory による認証によりログインするものとする。ク プリンター,プリンタースプーラー,スキャナ,複合機などネットワーク
対応機器を接続し利用出来ること。
ケ 職員の異動時に特定の個人用フォルダを異動先でも利用できること。 コ 現在使用している基幹系システム,情報系システム,各課個別システム
等が問題なく利用出来るように業務システムの保守事業者と協力して対応すること。また本業務開始後に導入される新規業務システムについては,新規業務システム導入事業者との連携を行うこと。なお業務システムのシステム改修が必要な場合は,業務システムの保守事業者にて対応する。
⑦ その他サーバー機能
その他,シンクライアント環境サービスと併せて以下のサーバー機能の提供を行うこと。
ア 内部 DNS サーバー
(ア) 現行の内部 DNS サーバーの構成を参考に,適切な設定を行うこと。
イ DHCP サーバー
(ア) IP アドレスの払い出し状況ログを 1 か月間保存できること。 (イ) 各ネットワークのDHCP スコープを適切に作成すること。
ウ プリントサーバー
(ア) 印刷ログが一か月間以上記録されること。
(イ) Active Directory 上の権限に基づいて印刷へのアクセス制御を行うことが可能であること。
エ WSUS サーバー
(ア) Office 製品,WindowsOS に対しての重要パッチ及びセキュリティパッチの更新作業をxx管理できるようにすること。
(イ) クライアントは Microsoft Update の取得元としてWSUS サーバーを利用するように構成すること。
(ウ) 提供される更新プログラムについては検証の上,承認されたものを配布・インストールすること。
(エ) グループポリシー等により更新のスケジュールを指定し自動的にインストール・再起動が行われるように設定すること。
(オ) クライアント・サーバー用のアップデートファイルは全て事前にダウンロードされていること。
(カ) 提供された更新プログラムについては,アプリケーションを提供する事業者による検証後,市の承認を得たものを配布・インストールすること。またアプリケーション事業者の検証作業に協力すること。
オ Web コンテンツフィルタリングサーバー
(ア) URL グループカテゴリに沿って許可・不許可の制限を行えること。 (イ) 3か月間以上のアクセスログ・ブロックログを自動的に記録し保存
できること。
(ウ) 利用者の検索キーワードの記録が行えること。
(エ) URL カテゴリデータベースはメーカーから自動配信されること。
(オ) クライアントのネットワークアドレスレンジ別にポリシーを作成できること。
(カ) SSL デコード機能を実装し HTTPS 通信もログ取得が行えるようにすること。
(キ) 管理者はWeb 閲覧状況のレポートを確認できること。
(ク) シンクライアント利用者のユーザー名を透過的に認識しログ上でユーザー名の識別ができること。
カ メール振り分けサーバー
(ア) インターネット/庁内/LGWAN 等メールの送信宛先によりメール
転送先を振り分ける機能を有すること。
(イ) LGWAN メールドメイン宛,政府共通ネットワークメールドメイン宛に送信される電子メールは,DNS 参照による MX 配送スタティック配送いずれにも対応していること。
(ウ) メールアカウント数及び1日あたりのメールの送受信数
・メールアカウント数・・・約 230 アカウント
・1日あたりのメール送受信数・・・約 1,800 通
※本サービスの提供に合わせて,全職員へ個人メールアドレスを付与する予定にしており,その点も考慮すること
キ ファイルサーバー
(ア) 現在,各部署別等のファイルサーバー(共有フォルダ)を利用している為,設定及び接続に際しては別途打ち合わせを行い,導入後の運用に支障がないよう対応すること。
(イ) ファイルサーバーのリプレース時に,シンクライアントサービスと連携できるファイル共有サービスを提案できるよう対応すること。
(ウ) データのバックアップを最低1日1回実施し,最短で一ヵ月前までのデータから復元できること。
(エ) Active Directory のユーザーの権限,グループによってアクセス制御を設定すること。
(オ) ファイルサーバーの容量については,実際の運用性や拡張性までを含めて提案を行うこと。
ク グループウェアサーバー
(ア) 株式会社ネオジャパン社製 desknet’s NEO パッケージ版をインストールし,必要な設定を行うこと。
(イ) OS 及びデータベースサーバー等については,メーカーによる動作確認済のものを採用すること。
(ウ) 下記要件を満たすライセンスを含めて提供すること。
・310 ユーザー分の本体ライセンス
・初年度分のサポートライセンス
※次年度以降のサポートライセンスについては契約後検討を行う。 (エ) 設置する系統
業務系に設置すること。
ケ ネットワーク間のファイル交換サーバー
(ア) 業務系と情報系の間で安全かつ簡単にファイルの授受が行える仕組みを備えたファイル交換サーバーを構築すること。
(イ) ファイルの中から高リスク要素(マクロやスクリプト)を除去するか,
低リスク要素(プレーンテキスト,画像)のみを抽出して交換できること。
(ウ) 高リスク要素の除去に際しては,リスクの度合いに応じて除去の可否を制御できること。
(エ) 市が取り扱う全てのファイル種別を識別して交換の可否を判別できること。
コ その他サーバー
(ア) 本仕様書に記載された要件を達成するためのサーバーを整備すること。
(2) 非機能要件
① 信頼性要件(壊れにくさ)
対象システムが,市が指定した条件下で利用するとき,指定された達成水準を維持するための要件であり,次の取り組みなどを通じて,信頼性要件を満たすこと。
ア 操作端末や管理用端末での操作ミス等によるシステム障害が発生した場合に速やかに復旧できる対策を講じること。
イ 各サーバーは,システムで求められる運用を考慮し,重要なものについては,負荷分散構成,クラスタ構成等により,信頼性を確保すること。
ウ 磁気ディスク装置等の補助記憶装置は,RAID 構成等により信頼性を確保すること。
② 使用性要件(使いやすさ)
対象システムが,発注者が指定した条件下で利用するとき,理解,習得,利用でき,利用者にとって魅力的なものであるための要件であり,次の取り組みなどを通じて,使用性要件を満たすこと。
ア 利用者がシステムの持つ機能,操作の方法を理解できるような対策を講じること。
イ 利用者が正確かつ安全にシステムが提供する機能を使い,目的を達成できるような対策を講じること。
ウ 利用者に過度な負担を掛けるようなシステム上の仕組みを残置させないこと。
③ 効率性要件(ムダのなさ)
対象システムが,発注者が指定した条件下で,使用する資源の量に対比して適切な性能を提供するものであるための要件であり,次の取り組みなどを通じて,効率性要件を満たすこと。
ア 利用者が市の指定するアプリケーションの利用において,4(4)①ア サ
ービスレベルで示す環境を提供すること。性能に影響があることが想定される場合には,改善提案を実施すること。
イ シンクライアント環境と宇土市役所接続点間のネットワークの使用状況を確認し,性能に影響があることが想定される場合には,改善提案を実施すること。
④ 保守性要件(保全,修繕のしやすさ)
対象システムの機能の是正,向上または要求の変更に対する適応のしやすさに関する要件であり,次の取り組みなどを通じて,保守性要件を満たすこと。
ア スケールアウトを前提として,容易に機器等の拡張が可能なシステム構成とすること。
イ 各部署等の統廃合,将来導入されるシステムとの連携に柔軟かつ低コストで対応できるように考慮すること。
ウ システムを構成するソフトウェア,ハードウェアにある欠陥の診断または故障原因の追求,修正個所の識別を行いやすくするような対策を講じること。
エ シンクライアント環境の設定変更による,予期しない影響を避けられるような対策を講じること。
⑤ 移植性要件(移行のしやすさ)
対象システムを他の環境に移す際に,その作業のしやすさに関する要件であり,次の取り組みなどを通じて,移植性要件を満たすこと。
ア 技術の進展に柔軟かつ低コストで対応できるよう,広く利用されている国際的な標準に基づく技術を採用すること。
(3) セキュリティ要件
対象サービスにおける性能低下,サービス停止を含む機能の停止,破壊,さらに対象サービスで管理するデータの不正更新,破壊などを防ぐために,シンクライアント環境で具備しておくべき要件であり,次の取り組みなどを通じて,セキュリティ要件を満たすこと。
① 受託期間中において端末・サーバーともに適切なセキュリティ対策を施すこと。
② 二要素認証を行い,利用者がログイン出来るようにすること。
③ 不正アクセス・コンピュータウイルス等への適切なセキュリティ対策を講じること。また,不正アクセスやコンピュータウイルス等の攻撃を受けた場合の被害拡大防止や復旧等の対策を備えておくこと。
④ 管理するデータを安全に保全するための機能を備えること。
⑤ 許可された利用者以外がシステムやデータを取り扱えないようにすること。
⑥ 利用者の利用記録を取得し,保存・管理できること。
⑦ USB メモリ等の記憶媒体については,管理者の操作でシンクライアント端末への接続制限やアクセス制限等,セキュリティ対策を施す事が可能なこと。
(4) サービス要件
① サービスレベル
ア サービスレベル
本システムに係るサービスレベル目標値は下表の通りとする。
サービスレベル項目 | 内容 | 目標(基準)値 | |
サービス品質 | 稼働時間 | サービス提供時間 | 24 時間 365 日 (計画停止は稼働時間から除外する) |
稼働率 | サービス提供時間中の 稼働率 | 99.9%(月次) 99.9%(年次) |
イ システムシステム障害時の一次切り分け許容時間
システム障害又はセキュリティ事案発生時における一次切り分けに要する時間は,2時間以内とする。
ウ 問い合わせ対応
問い合わせ対応は,問い合わせから最初の回答までを2時間以内とする。
5 サービス提供における詳細要件
(1) 要件定義・設計
受託者は現状分析,課題分析を行い,システムの概念設計を経て,システムに必要な機能や要件を定義する。要件定義の成果をもとに,システムの基本設計,詳細設計(ネットワーク設計,サーバー設計,RDS 機能設計,Active Directory ポリシー設計,バックアップ設計,信頼性・安全性設計,各種パラメータ設計),運用設計 (運用フロー,保守フロー,復旧手順作成等)を行う。
(2) システム構築
受託者は要件定義・各種設計の成果をもとに機器の設置,設定,単体試験等のシステム構築作業を行う。
(3) 運用試験
受託者は全ての処理において動作を確認すること。具体的な作業内容は次のとお
り。
① 試験要件
ア 4(1) 機能要件で求める事項について正しく機能することを確認するため,段階的に結合した状態で動作確認及び試験を行うこと。
イ 4(2) 非機能要件で求める事項について動作確認及び試験を行うこと。
ウ 4(3) セキュリティ要件で求める事項について動作確認及び試験を行うこと。またシステムの動作環境又は動作前提であるハードウェアについて,既知の脆弱性が存在しないこと,及び既知の攻撃手法に対して脆弱な設定が行われていないことを確認すること。
(4) システム移行
受託者は運用試験を経た成果物を実際の運用環境上に移行させる。併せて既存システム上で稼働するシステム及びソフトウェア,及び既存システムで生成したデータを移行し,発注者にその動作を確認させ承認を受ける。具体的な作業内容は次のとおり。
① データの移行
ア ファイルサーバーデータの移行に係る要件を以下に示す。
(ア) データ移行の対象はファイルサーバー内のデータとする。
(イ) 移行計画書を作成しそれに基づいて市の了承を得ながら作業を進めること。
(ウ) 受託者は,移行後のデータに関する確認作業を実施すること。
(エ) 受託者は,現行システムで利用しているデータを新システムへ移行し,付随する各種作業を実施すること。
イ ユーザー情報のデータの移行に係る要件を以下に示す。
(ア) 既存の Active Directory で管理しているデータとする。
(イ) 移行計画書を作成しそれに基づいて市の了承を得ながら作業を進めること。
(ウ) 受託者は,移行後のデータに関する確認作業を実施すること。
(エ) Active Directory に追加された機能やポリシーの採否について,市と協議すること。
② システム及びソフトウェアの移行
ア 既存システム上で稼働するシステム及びソフトウェア等の移行に係る要件を以下に示す。
(ア) 新システム上にソフトウェアをインストールする等,移行に必要な各種設定作業を行うこと。
(イ) 移行後,起動確認作業を実施すること。
③ 端末の展開
ア 現在市が保有するパソコンにシンクライアント OS をインストールし,設定・動作確認・設置作業を行うこと。
イ その他詳細については,別途協議する。
(5) 職員研修
受託者は対象システムに関する市への教👉・研修の実施に関して適切な計画を立案する。
また,立案した計画に対して市の承認を得たうえで,計画に従い適切に市への教
👉・研修の支援を行う。併せて,システム管理者向け操作マニュアル,利用者向けの操作マニュアル等の整備を行うこと。
(6) 運用・保守
受託者は,次の各項で定める業務を,市の指示により実施するものとし,受託者が業務を行った場合は,その作業内容を記録し,市に報告しなければならない。この方法については,市との協議の上,別途定めるものとする。
また,この業務により,システムの構成が変更された場合は,ドキュメント類及び構成情報を最新の状態に保つものとする。
① システム運用業務
ア システム操作関係業務
受託者は,市の指示に基づき,システム運用に必要なシステム操作及びその操作に直接関連する業務を行う。その業務の内容及び操作手順は,市と受託者で協議し,操作説明書に定める。
イ システム構成管理業務
受託者は,市の指示に基づき,システム運用業務責任者の管理の下,ネットワーク保守業務責任者及びハードウェア保守業務責任者と調整し,ネットワーク又はハードウェア,ソフトウェアの改修等に対応して,システム変更時のシステムの構成管理を行う。その業務の内容及び手順は,市と受託者で協議し,別に定める運用手順書によるものとする。
ウ システム稼働監視業務
受託者は,市の指示に基づき,システムの稼働監視を行う。その業務の内容及び手順は,市と受託者で協議し,別に定める運用手順書によるものとする。
エ ログ管理業務
受託者は,市の指示に基づき,システムにおけるログの収集及びログの解析を行う。その業務の内容及び手順は,市と受託者で協議し,別に定
める運用手順書によるものとする。 オ バージョンアップ及びパッチ適用業務
受託者は,市の指示に基づき,Microsoft 社の Office 製品,windows OS 及びシステムを構成するソフトウェア等のバージョンアップ行う場合は,そのバージョンアップの可否を判断し,バージョンアップ可能と判断し た場合は,バージョンアップ作業を行う。このバージョンアップ作業に は,動作試験等も含まれるものとする。
さらに,バージョンアップ後,動作するシステム環境を整備し,納品作業を行い,その結果を成果物とともに市に報告する。バージョンアップ不能と判断した場合には,その旨を市に報告する。
② 保守業務
保守はハードウェア,ソフトウェアの如何にかかわらず,契約期間中において常にシステムが最適な状態で稼働し続けるために必要な保守を提供すること。ハードウェアの故障について,修繕部材・代替機・再インストール及び再設定費等の追加費用が発生しないこと。またリモート保守,オンサイト保守のいずれの場合においても,費用が発生しないこと。また,障害が発生した場合は平日 2 時間以内で対応を開始すること。休日に障害が発生した場合,随時まちづくり推進課と連絡を取り,対応を実施すること。
契約期間中に提供される本仕様書で定義される全ての範囲における自然故障に対する修理対応,および修理発生時点までの環境復旧作業は全て本契約範囲内として対応を行うこと。
ア システム復旧業務
受託者は,システムに障害が発生した場合は,市の指示に基づき,基本設計書及びネットワーク構成設計書を参照のうえ,バックアップ情報からシステムの復旧を行い,システム復旧の成功を確認する。その確認後,その結果を市に報告する。
また,システム復旧が失敗した場合には,更に一世代前のバックアップ情報からシステムの復旧を行い,バックアップ情報が存在しなくなるまでこれを繰り返す。バックアップ情報が存在しなくなった場合は,システム復旧計画とともにその旨を市に報告する。
イ システム障害対応業務
受託者は,システム障害又はセキュリティ事案が発生した場合の問題の一次切り分けを実行し,市に報告を行う。その対応手順は,セキュリティ実施手順書によるものとする。
ウ 障害等原因調査業務
受託者は,市の指示に基づき,システム障害又はセキュリティ事案発
生による障害等原因調査を指示された場合は調査を行い,その結果を市に報告する。
③ 運用保守付随業務
ア 問い合わせ対応(又はヘルプデスク)
受託者は,市からのシステムに関する問い合わせの対応及び利用者からのシステムに対するヘルプデスク業務を行う。問い合わせは担当課職員が行う。
イ 情報提供
受託者は,市の指示に基づき,システムの運用に関連した技術動向の把握,効果的・効率的なシステム運用の提案,個別依頼事項に基づくシステムの調査を行い,市に報告するなど,当該システムにおける情報提供を行う。
ウ その他の業務
受託者は,必要に応じて現地サポートを実施すること。
(7) 次期システムへの移行
受託者はシステム上のデータを後継システムで利用可能にするためのデータ出力作業を行う。併せて市の資産となるシステム内のデータは全て消去する。
6 サービス提供業務遂行に関する要件
(1) プロジェクト実施体制に関する要件
ア 本業務遂行に当たり,受託者は本業務を確実に履行できる体制を設けること。
イ 実施体制図を提出すること。
ウ 外部組織,協力会社などが存在する場合,その関係,役割,作業分担,責任範囲,指揮系統を明確にすること。
エ 本業務を遂行するために,プロジェクトマネージャーを1名割り当てること。
オ プロジェクト要員を配置すること。その際は要員の情報(役割情報,プロフィール情報,スキル情報,経験情報)を明確にすること。
カ 庁内システム受託事業者等と会議を行う際,本市が出席を要請した場合は出席し,助言,説明を行うこと。
キ 本業務におけるプロジェクト組織の管理方法,組織間,組織内のコミュニケーション管理方法についてあらかじめ市と合意すること。
(2) 報告に関する要件
受託者は,本業務の実施スケジュール等に十分配慮し,適宜,会議等にて本市に説明・報告を行うこと。
7 本業務委託の納品
(1) 本仕様書で示す成果物について,「ドキュメント成果物一覧」の通りとし,それぞれ提出期限までに納品すること。
(2) ドキュメント成果物一覧
成果物 | 内容 | 提出期限(予定) |
要件定義書 | 機能要件及び非機能要件等 | 令和 4 年 8 月 31 日 |
移行手順書 | データ移行手順書 移行計画書 | 令和 5 年 1 月 31 日 |
各種設計書 | システム構成図,ネットワーク設計書, サーバー設計書,パラメータ設計書等 | 令和 5 年 3 月 24 日 |
プロジェクト管理 | スケジュール管理表 プロジェクト実施体制図等 | 令和 5 年 3 月 24 日 |
各種マニュアル | 管理者向け操作マニュアル, 利用者向け操作マニュアル | 令和 5 年 3 月 24 日 |
保守・運用手順書 | 運用手順書 構成管理表操作説明書 | 令和 5 年 3 月 24 日 |
その他 | 各種会議・打合せ資料 | 令和 5 年 3 月 24 日 |
(3) 成果物の内容
成果物は,内容について市から承認を受けたものを納品すること。
(4) 成果物の形式等
紙媒体及び電磁的記録媒体により作成し,紙媒体を 1 部,電磁的記録媒体を 1 部納品すること。
(5) その他
本業務の実施にあたり市が求める資料等については協議を行った上,成果物として納品すること。
8 留意事項
(1) まちづくり推進課からの問合せ等に対応できるように,業務担当者が直接対応可能な専用電話窓口を設置すること。
(2) 対応した業務については,内容や経過等を記録し,まちづくり推進課へ書面にて定期報告を行うこと。また,必要に応じて随時の報告(書面又は口頭)を行うこと。
(3) 業務担当者は,シンクライアント環境利用サービスに関する知識,経験及び資格等を有すること。
9 その他
(1) 業務の再委託
本業務の全部又は一部を再委託することは認めない。但し,あらかじめ市から書面による承諾を得た場合は,この限りではない。
(2) 知的財産権の帰属等
知的財産xxについては,別途協議するものとする。
(3) 機密保持
① 受託者は,本調達に係る作業を実施するに当たり,市から取得した資料(電子媒体,文書,図面等の形態を問わない。)を含め契約上知り得た情報を,第三者に開示又は本調達に係る作業以外の目的で利用しないものとする。但し,次のいずれかに該当する情報は,除くものとする。
ア 取得した時点で,既に公知であるもの
イ 取得後,受託者の責によらず公知となったものウ 法令等に基づき開示されるもの
エ 市から秘密でないと指定されたもの
オ 第三者への開示又は本調達に係る作業以外の目的で利用することにつき,事前に市と協議の上,承認を得たもの
② 受託者は,市の許可なく,取り扱う情報を指定された場所から持ち出し,或いは複製しないものとする。
③ 受託者は,本調達に係る作業に関与した受託者の所属職員が異動した後においても,機密が保持される措置を講じること。
④ 受託者は,本調達に係る検収後,受託者の事業所内部に保有されている本調達
に係る市に関する情報を,裁断等の物理的破壊,消磁その他復元不可能な方法により,速やかに抹消すると共に,市から貸与されたものについては,検収後
1週間以内に市に返却するものとする。
(4) 情報セキュリティに関する受託者の責任
① 情報セキュリティポリシーの遵守
受託者は,xx市情報セキュリティポリシーを遵守すること。
② 情報セキュリティを確保するための体制の整備
受託者は,xx市のセキュリティポリシーに従い,受託者組織全体のセキュリティを確保すると共に,市から求められた当該業務の実施において情報セキュリティを確保するための体制を整備すること。
(5) 法令等の遵守
① 受託者は,民法(明治 29 年法律第89号),刑法(明治 40 年法律第45号),著作xx,不正アクセス行為の禁止等に関する法律(平成11年法律第128号)等の関係法規を遵守すること。
② 受託者は,個人情報の保護に関する法律(平成15年法律第57号)及び受託者が定めた個人情報保護に関するガイドライン等を遵守し,個人情報を適正に取り扱うこと。
(6) 特記事項
本調達案件は,令和5年度~令和9年度予算による実施を前提とするものであり,当該予算の実施承認が遅延する,或いは中断される事態が生じた場合には,市と受託者でその対応策について,別途協議するものとする。
(7) 本仕様書に定めのない事項,又は業務の遂行に当たり疑義が生じた場合は,本市と受託者の協議によりその解決を図るものとする。
別紙 施設一覧
施設名 | 所在地 |
宇土市役所新庁舎 | xxxxxxxxx00 |
宇土市役所仮設庁舎 | xxxxxxxxx00 |
宇土市役所別館 | xxxxxxxxx00 |
網田支所 | 熊本県xx市上網田町297−2 |
網津支所 | 熊本県xx市網津町1991−1 |
教育委員会 | 熊本県xx市新xx町95 |
福祉センター | xxxxxxxxx00 |
中央公民館 | 熊本県xx市新xx町96 |
終末処理場 | 熊本県xx市高xx138 |
保健センター | 熊本県xx市南段原町164−3 |
学校給食センター | 熊本県xx市恵塚町33−1 |
児童センター | 熊本県xx市北段原町27−2 |
宇土市立図書館 | 熊本県宇土市浦田町131−1 |
ecowin宇土アリーナ(宇土市立体育館) | 熊本県xx市旭町504 |
xx市民会館 | 熊本県xx市新xx町123 |
宇土幼稚園 | 熊本県xx市xx町86 |
花園幼稚園 | 熊本県宇土市古xx町990−1 |