Contract
第1章 当会社のてん補責任
第1条(当会社のてん補責任)
当会社は、この普通保険約款に従い、被保険者が特約条項記載の業務(以下「業務」といいます。)につき行った行為(不作為を含みます。以下「行為」といいます。)に起因して、被保険者に対し、保険期間中に日本国内において損害賠償請求がなされたことにより、被保険者が被る損害(以下「損害」といいます。)をてん補します。
第2条(損害の範囲)
当会社が前条の規定によりてん補する損害は、次の①から③までに掲げるものを被保険者が負担することによって生じる損害にかぎります。
① 法律上の損害賠償金
② 争訟費用
③ 求償権保全費用
第3条(用語の定義)
この普通保険約款において、次の①から⑧までに掲げる用語は、それぞれ以下の定義に従います。
① 被保険者
この保険契約により補償を受ける者として保険証券の被保険者欄に記載された者をいいます。また、被保険者が死亡した場合は、その者とその相続人または相続財産法人を、被保険者が破産した場合は、その者とその破産管財人を同一の被保険者とみなします。
② 一連の損害賠償請求
損害賠償請求がなされた時または場所、損害賠償請求権者の数等にかかわらず、同一の行為またはその行為に関連する他の行為に起因するすべての損害賠償請求をいいます。
なお、一連の損害賠償請求は、最初の損害賠償請求がなされた時にすべてなされたものとみなします。
③ 法律上の損害賠償金
法律上の損害賠償責任に基づく賠償金をいいます。ただし、税金、罰金、科料、過料、課徴金および被保険者と他人との間に損害賠償に関する特別の約定(業務の結果を保証することを含みます。)がある場合においてその約定によって加重された損害賠償金を含みません。
④ 争訟費用
被保険者に対する損害賠償請求に関する争訟(訴訟、仲裁、調停、和解等をいいます。)によって生じた費用(被保険者またはその従業員の報酬、賞与、給与等を除きます。)で、必要かつ有益と認められるものをいいます。
⑤ 求償権保全費用
他人から損害の賠償を受けることができる場合において、その権利の保全または行使について必要な手続きをするために必要かつ有益であると認められる費用をいいます。
⑥ 保険契約申込書等
保険契約申込書およびその付属書類をいいます。
⑦ 反社会的勢力
暴力団、暴力団員(暴力団員でなくなった日から5年を経過しない者を含みます。)、
暴力団準構成員、暴力団関係企業その他の反社会的勢力をいいます。
⑧ 無効
保険契約のすべての効力が、契約締結時から生じなかったものとして取り扱うことをいいます。
第4条(保険期間)
(1) 保険期間は、その初日の午後4時(注)に始まり、末日の午後4時(注)に終わります。
(2) (1)の時刻は、日本国の標準時によるものとします。
(3) 当会社は、保険期間が始まった後であっても、当会社所定の保険料領収前になされた損害賠償請求に起因する損害をてん補しません。
(注) 午後4時
保険証券にこれと異なる時刻が記載されている場合は、その時刻をいいます。
第2章 当会社のてん補しない損害
第5条(てん補しない損害-その1)
当会社は、被保険者に対してなされた次の①から④までに掲げる損害賠償請求に起因する損害についてはてん補しません。
なお、①から④までの中で記載されている事由または行為が、実際に生じた、または行われたと認められる場合に本条の規定が適用されるものとします。
① 被保険者の故意または他人に損害を与えることを予見しながら行った行為に起因する損害賠償請求
② 被保険者またはその使用人その他被保険者の業務の補助者の犯罪行為(注1)に起因する損害賠償請求
③ 法令に違反することを被保険者が認識しながら(注2)行った行為に起因する損害賠償請求
④ 被保険者が違法に私的な利益を得た行為または違法に便宜を供与された行為に起因する損害賠償請求
(注1)犯罪行為
刑を科せられるべき違法な行為をいい、時効の完成等によって刑を科せられなかった行為を含みます。ただし、過失犯を除きます。
(注2)認識しながら
認識していたと判断できる合理的な理由がある場合を含みます。
第6条(てん補しない損害-その2)
当会社は、被保険者に対してなされた次の①から⑬までに掲げる損害賠償請求に起因する損害については、てん補しません。なお、①から⑬までの中で記載されている事由または行為については、実際に生じた、または行われたと認められる場合にかぎらず、それらの事由または行為があったとの申し立てに基づいて被保険者に対して損害賠償請求がなされた場合にも、本条の規定は適用されます。
① 次に掲げるものに対する損害賠償請求 ア.身体の障害(注1)および精神的苦痛
イ.財物の滅失、損傷、汚損、紛失および盗難ならびにそれらに起因する財物の使用不能損害
② 遡及日(注2)より前に行われた行為に起因する一連の損害賠償請求
③ 遡及日(注2)より前に、被保険者に対して提起された訴訟およびこれらの訴訟の中で申し立てられた事実と同一または関連する事実に起因する損害賠償請求
④ この保険契約の保険期間の開始日より前に、被保険者に対する損害賠償請求がなされるおそれがある状況を被保険者が知っていた場合(注3)に、その状況の原因となる行為に起因する一連の損害賠償請求
⑤ この保険契約の保険期間の開始日より前に被保険者に対してなされていた損害賠償請求の中で申し立てられていた行為に起因する一連の損害賠償請求
⑥ 直接であると間接であるとを問わず、次の事由に起因する損害賠償請求
ア.汚染物質(注4)の排出、流出、いっ出、漏出またはそれらが発生するおそれがある状態
イ.汚染物質(注4)の検査、監視、清掃、除去、漏出等の防止、処理、無毒化もしくは中和化の指示または要請
⑦ 直接であると間接であるとを問わず、核物質(注5)の危険性(注6)またはあらゆる形態の放射能汚染に起因する損害賠償請求
⑧ 直接であると間接であるとを問わず、戦争、外国の武力行使、革命、政権奪取、内乱、武装反乱その他これらに類似の事変または暴動(注7)に起因する損害賠償請求
⑨ 直接であると間接であるとを問わず、地震、噴火、洪水、高潮または津波に起因する損害賠償請求
⑩ 通常の業務の範囲でない行為に起因する損害賠償請求
⑪ 被保険者と世帯を同じくする親族からの損害賠償請求
⑫ 直接であると間接であるとを問わず、採用、雇用または解雇に関して行われた不当行為に起因する損害賠償請求
⑬ 他の被保険者からなされた損害賠償請求
(注1)身体の障害
身体の傷害および疾病をいい、これらに起因する後遺障害および死亡を含みます。
(注2)遡及日
保険証券記載の遡及日をいいます。
(注3)知っていた場合
知っていたと判断できる合理的な理由がある場合を含みます。
(注4)汚染物質
固体状、液体状もしくは気体状のまたは熱を帯びた有害な物質または汚染もしくは汚濁の原因となる物質をいい、煙、蒸気、すす、臭気、酸、アルカリ、化学物質、石油物質、廃棄物等を含みます。廃棄物には再生利用される物質を含みます。
(注5)核物質
核原料物質、特殊核物質または副生成物をいいます。
(注6)核物質の危険性
放射性、毒性または爆発性を含みます。
(注7)暴動
群衆または多数の者の集団の行動によって、全国または一部の地区において著しく平穏が害され、治安維持xxxな事態と認められる状態をいいます。
第3章 当会社のてん補限度額
第7条(てん補限度額)
(1) 一連の損害賠償請求について当会社がてん補すべき損害の額は、次の算式によって得られた額とします。ただし、保険証券記載の一損害賠償請求てん補限度額を限度とします。
一連の損害賠償請求による 損害の合計額 | - | 保険証券記載の免責 金額 | × | 保険証券記載の縮小てん 補割合 |
(2) 当会社がこの保険契約でてん補する金額は、保険期間を通じて、保険証券記載の期間中てん補限度額を限度とします。また、第19条(損害賠償請求等の通知)(2)の規定に従い、この保険契約の保険期間中になされたものとみなされる損害賠償請求についても、保険証券記載の期間中てん補限度額が適用されるものとします。
第8条(他の保険契約等との関係)
当会社は、前条(1)の規定にかかわらず、他の保険契約等(注)がある場合においては、損害の額が他の保険契約等(注)によりてん補されるべき金額とその免責金額の合計額 またはこの保険契約の保険証券記載の免責金額のいずれか大きい金額を超過する場合に かぎり、その超過額につき保険証券記載の縮小てん補割合を乗じて得た額を、保険証券 記載の一損害賠償請求てん補限度額を限度としててん補します。ただし、他の保険契約 等(注)が、この保険契約のてん補限度額の超過額に対して適用されると明記している 場合は、本条の規定は適用されません。
(注) 他の保険契約等
この保険契約の全部または一部に対しててん補責任が同じである他の保険契約または共済契約をいいます。
第4章 保険契約者または被保険者の義務
第9条(告知義務)
(1) 保険契約者または被保険者になる者は、保険契約締結の際、保険契約申込書等の記載事項について、当会社に事実を正確に告げなければなりません。
(2) 保険契約締結の際、保険契約者または被保険者が、保険契約申込書等の記載事項(注
1)について、故意または重大な過失によって事実を告げなかった場合または事実と異なることを告げた場合は、当会社は、保険契約者に対する書面による通知をもって、この保険契約を解除することができます。
(3) (2)の規定は、次の①から⑤までのいずれかに該当する場合は適用しません。
① (2)の事実がなくなった場合
② 当会社が保険契約締結の際、(2)の事実を知っていた場合または過失によってこれを知らなかった場合。なお、当会社のために保険契約の締結の代理を行う者が、事実を告げることを妨げた場合または事実を告げないこともしくは事実と異なることを告げることを勧めた場合を含みます。
③ 保険契約者または被保険者が、損害賠償請求がなされる前に、保険契約申込書等の記載事項(注1)につき、書面をもって訂正を当会社に申し出て、当会社がこれを承認した場合。なお、当会社は、訂正の申出を受けた場合において、その訂正を申し出た事実が、保険契約締結の際に当会社に告げられていたとしても、当会社が保険契約を締結していたと認めるときにかぎり、これを承認するものとします。
④ 当会社が(2)の規定による解除の原因があることを知った時の翌日から起算して1か月を経過した場合または保険契約締結の時の翌日から起算して5年を経過した場合
⑤ (2)の事実が、当会社が保険契約締結時に交付する書面において定めた危険(注2)に関する重要な事項に関係のないものであった場合。ただし、他の保険契約等に関する事項については(2)の規定を適用します。
(4) 損害賠償請求がなされた後に(2)の規定による解除がなされた場合であっても、第13
条(保険契約解除の効力)の規定にかかわらず、当会社は、損害をてん補しません。この場合において、既に損害をてん補していたときは、当会社は、その返還を請求することができます。
(5) (4)の規定は、(2)の事実に基づかずになされた損害賠償請求による損害については適用しません。
(注1)保険契約申込書等の記載事項
他の保険契約等に関する事項を含みます。
(注2)危険
損害の発生の可能性をいいます。
第10条(通知義務)
(1) 保険契約締結の後、保険契約申込書等の記載事項の内容に変更を生じさせる事実(注
1)が発生した場合は、保険契約者または被保険者は、事実の発生がその責めに帰すべ き事由によるときはあらかじめ、責めに帰すことのできない事由によるときはその発生 を知った後、遅滞なく、その旨を当会社に申し出て、承認を請求しなければなりません。ただし、その事実がなくなった場合は、当会社に申し出る必要はありません。
(2) (1)の事実が発生した場合(注2)は、当会社は、その事実について承認請求書を受領したと否とを問わず、保険契約者に対する書面による通知をもって、この保険契約を解除することができます。
(3) (2)の規定は、当会社が(2)の規定による解除の原因があることを知った時の翌日から起算して1か月を経過した場合または(1)の事実が生じた時の翌日から起算して5年を経過した場合は適用しません。
(4) (1)の手続を怠った場合は、当会社は、事実の発生が保険契約者または被保険者の責めに帰すべき事由によるときは(1)の事実が発生した時、責めに帰すことのできない事由によるときは保険契約者または被保険者がその発生を知った時から当会社が承認請求書を受領するまでの間になされた損害賠償請求による損害については、てん補しません。この場合において、既に損害をてん補していたときは、当会社は、その返還を請求することができます。
(5) (4)の規定は、次の①または②の場合には適用しません。
① (1)の事実が発生した場合において、変更後の保険料が変更前の保険料より高くならなかった場合
② (1)の事実に基づかずになされた損害賠償請求による損害である場合
(注1)保険契約申込書等の記載事項の内容に変更を生じさせる事実他の保険契約等に関する事実については除きます。
(注2)(1)の事実が発生した場合
(5)①の規定に該当する場合を除きます。
第11条(記録の完備)
被保険者は、業務の遂行に関する記録を備えておかなければなりません。
第5章 保険契約の解除または無効・取消しおよび保険料の返還または請求
第12条(保険契約の解除)
(1) 保険契約者は、当会社に対する書面による通知をもって、この保険契約を解除することができます。
(2) 当会社は、次の①から④までのいずれかに該当する事由がある場合は、保険契約者に
対する書面による通知をもって、この保険契約を解除することができます。
① 保険契約者または被保険者が、当会社にこの保険契約に基づく保険金を支払わせることを目的として損害を生じさせ、または生じさせようとしたこと。
② 被保険者が、この保険契約に基づく保険金の請求について、詐欺を行い、または行おうとしたこと。
③ 保険契約者が、次のアからオまでのいずれかに該当すること。ア.反社会的勢力に該当すると認められること。
イ.反社会的勢力に対して資金等を提供し、または便宜を供与する等の関与をしていると認められること。
ウ.反社会的勢力を不当に利用していると認められること。
エ.法人である場合において、反社会的勢力がその法人の経営を支配し、またはその法人の経営に実質的に関与していると認められること。
オ.その他反社会的勢力と社会的に非難されるべき関係を有していると認められること。
④ ①から③までに掲げるもののほか、保険契約者または被保険者が、①から③までの事由がある場合と同程度に当会社のこれらの者に対する信頼を損ない、この保険契約の存続を困難とする重大な事由を生じさせたこと。
(3) 当会社は、被保険者が(2)③アからオまでのいずれかに該当する場合には、保険契約者に対する書面による通知をもって、この保険契約(注)を解除することができます。
(4) (2)または(3)の規定による解除が、損害賠償請求がなされた後に行われた場合であっ ても、当会社は、次条の規定にかかわらず、(2)①から④までの事由または(3)の解除の 原因となる事由が生じた時から解除がなされた時までになされた損害賠償請求による損 害をてん補しません。この場合において、既に損害をてん補していたときは、当会社は、その返還を請求することができます。
(5) 保険契約者または被保険者が(2)③アからオまでのいずれかに該当することにより(2)または(3)の規定による解除がなされた場合には、(4)の規定は、次の損害については適用しません。
① (2)③アからオまでのいずれにも該当しない被保険者に生じた損害
② (2)③アからオまでのいずれかに該当する被保険者に生じた法律上の損害賠償金の損害
(注) この保険契約
被保険者が複数である場合は、その被保険者に係る部分とします。
第13条(保険契約解除の効力)
保険契約の解除は、将来に向かってのみその効力を生じます。
第14条(保険契約の無効・取消し)
(1) 保険契約者が、保険金を不法に取得する目的または第三者に保険金を不法に取得させる目的をもって締結した保険契約は、無効とします。
(2) 保険契約者または被保険者の詐欺または強迫によって当会社が保険契約を締結した場合は、当会社は、保険契約者に対する書面による通知をもって、この保険契約を取り消すことができます。
第15条(保険料の返還または請求-告知・通知事項等の承認の場合)
(1) 当会社が第9条(告知義務)(3)③の承認をする場合において、保険料を変更する必要があるときは、当会社は、変更前の保険料と変更後の保険料との差額を返還し、または追加保険料を請求します。
(2) 当会社が第10条(通知義務)(1)の変更の承認をする場合において、保険料を変更する
必要があるときは、当会社は、次の規定に従い計算した保険料を返還し、または追加保険料を請求します。
① 変更後の保険料が変更前の保険料よりも低くなる場合
変更前の 保険料 | - | 変更後の 保険料 | × | 1 | - | 既経過期間(注1)に対応 する別表に掲げる短期料率 | = | 返還保険料 |
② 変更後の保険料が変更前の保険料よりも高くなる場合
変更後の 保険料 | - | 変更前の 保険料 | × | 未経過期(注2)に対応する 別表に掲げる短期料率 | = | 追加保険料 |
(3) 当会社は、保険契約者が(1)または(2)の規定による追加保険料の支払を怠った場合
(注3)は、保険契約者に対する書面による通知をもって、この保険契約を解除することができます。
(4) 当会社が(1)または(2)の規定による追加保険料を請求する場合において、(3)の規定によりこの保険契約を解除できるときは、当会社は、損害をてん補しません。この場合において、既に損害をてん補していたときは、当会社は、その返還を請求することができます。ただし、第10条(通知義務)(1)の事実が生じた場合における、その事実が生じた時より前になされた損害賠償請求による損害については、この規定を適用しません。
(5) (1)および(2)のほか、保険契約締結の後、保険契約者が書面をもって保険契約条件変更の承認の請求を行い、当会社がこれを承認する場合において、保険料を変更する必要があるときは、当会社は、(2)①または②の規定に従い計算した保険料を返還し、または追加保険料を請求します。
(6) 当会社が(5)の規定により追加保険料を請求する場合において、保険契約者がその追 加保険料の支払を怠った場合(注3)は、当会社は、追加保険料領収前になされた損害 賠償請求による損害については、保険契約条件変更の承認の請求がなかったものとして、この普通保険約款およびこの普通保険約款に付帯される特約条項等の規定に従い、てん 補します。
(注1)既経過期間
第10条(通知義務)(1)の変更の承認をする場合においては、保険契約者または被保険者の申出に基づく同条(1)の事実が生じた時までの期間をいい、1か月に満たない期間は1か月とします。
(注2)未経過期間
第10条(通知義務)(1)の変更の承認をする場合においては、保険契約者または被保険者の申出に基づく同条(1)の事実が生じた時以降の期間をいい、1か月に満たない期間は1か月とします。
(注3)追加保険料の支払を怠った場合
当会社が、保険契約者に対し追加保険料の請求をしたにもかかわらず相当の期間内にその支払がなかった場合にかぎります。
第16条(保険料の返還-保険契約の無効・取消し・失効の場合)
(1) この保険契約が無効となる場合は、当会社は、既に払い込まれた保険料の全額を返還します。ただし、第14条(保険契約の無効・取消し)(1)の規定により、この保険契約が無効となる場合は、当会社は、既に払い込まれた保険料を返還しません。
(2) 第14条(保険契約の無効・取消し)(2)の規定により、当会社がこの保険契約を取り消した場合は、当会社は、既に払い込まれた保険料を返還しません。
(3) この保険契約が失効となる場合は、当会社は、次の算式により計算した保険料を返還
します。
既に払い込まれた保険料×(1-既経過期間(注)に対応する別表に掲げる短期料率)
(注) 既経過期間
1か月に満たない期間は1か月とします。
第17条(保険料の返還-保険契約解除の場合)
(1) 第9条(告知義務)(2)、第10条(通知義務)(2)、第12条(保険契約の解除)(2)、第 15条(保険料の返還または請求-告知・通知事項等の承認の場合(3)または第18条(当会社による調査)(2)の規定により、当会社が保険契約を解除した場合は、当会社は、次の算式により計算した保険料を返還します。
既に払い込まれた保険料 | × | 1 | - | 既経過期間(注)に対応する 別表に掲げる短期料率 | = | 返還保険料 |
(2) 第12条(保険契約の解除)(1)の規定により、保険契約者が保険契約を解除した場合は、当会社は、次の算式により計算した保険料を返還します。
既に払い込まれた保険料 | × | 1 | - | 既経過期間(注)に対応する 別表に掲げる短期料率 | = | 返還保険料 |
(注) 既経過期間
1か月に満たない期間は1か月とします。
第18条(当会社による調査)
(1) 当会社は、保険期間中いつでも、保険契約者または被保険者の同意を得て、保険契約申込書等に記載された事項および第10条(通知義務)(1)の規定により通知された事項に関して必要な調査をすることができます。
(2) 保険契約者または被保険者が、正当な理由がなく、(1)の調査を拒んだ場合は、当会社は、保険契約者に対する書面による通知をもって、この保険契約を解除することができます。
(3) (2)の規定は、(2)に規定する拒否の事実のあった時の翌日から起算して1か月を経過した場合には適用しません。
第6章 保険金の請求
第19条(損害賠償請求等の通知)
(1) 保険契約者または被保険者は、被保険者に対して損害賠償請求がなされた場合は、遅滞なく、当会社に対して書面にて、損害賠償請求者の氏名および被保険者が最初にその損害賠償請求を知った時の状況を含め、申し立てられている行為および原因となる事実に関する情報を通知しなければなりません。
(2) 保険契約者または被保険者が、保険期間中に、被保険者に対して損害賠償請求がなされるおそれのある状況(注)を知った場合は、その状況ならびにその原因となる事実および行為について、発生日および関係者等に関する詳細な内容を添えて、遅滞なく当会社に対し書面により通知しなければなりません。この場合において、通知された事実または行為に起因して、被保険者に対してなされた損害賠償請求は、通知の時をもってなされたものとみなします。
(3) 保険契約者または被保険者が、正当な理由なく(1)または(2)の通知を行わない場合は、当会社は、それによって当会社が被った損害の額を差し引いて、損害をてん補します。
(注) 損害賠償請求がなされるおそれのある状況
損害賠償請求がなされることが合理的に予想される状況にかぎります。
第20条(損害の防止軽減)
(1) 保険契約者または被保険者は、被保険者に対して損害賠償請求がなされた場合または被保険者に対して損害賠償請求がなされるおそれのある状況を知った場合は、次の①および②の事項を履行しなければなりません。
① 被保険者が第三者に対し求償できる場合は、求償権の保全または行使に必要な手続をすること。
② 損害の発生および拡大の防止に努めること。
(2) 保険契約者または被保険者が正当な理由なく(1)の規定に違反した場合は、当会社は、次の金額を差し引いて、損害をてん補します。
① (1)①に違反した場合は、第三者に損害賠償の請求をすることによって取得することができたと認められる額
② (1)②に違反した場合は、発生または拡大を防止することができたと認められる損害の額
第21条(争訟費用、法律上の損害賠償金)
(1) 当会社は、当会社が必要と認めた場合は、損害賠償請求の解決に先立って、あらかじめ争訟費用を支払うことができるものとします。ただし、被保険者は、既に支払われた争訟費用の全額または一部について、この普通保険約款の規定によりてん補が受けられないこととなった場合は、支払われた額を限度として当会社へ返還しなければなりません。
(2) 当会社は、この保険契約による防御の義務を負担しません。
(3) 被保険者は、あらかじめ当会社の書面による同意がないかぎり、損害賠償責任の全部もしくは一部を承認し、または争訟費用の支払を行ってはなりません。この保険契約においては、当会社が同意した法律上の損害賠償金および争訟費用のみが損害としててん補の対象となります。
第22条(損害賠償請求解決のための協力)
(1) 当会社は、当会社が必要と認めた場合は、自己の費用をもって、被保険者に対する損 害賠償請求につき、被保険者に協力することができるものとします。この場合において、被保険者は、当会社の求めに応じ、当会社に協力し、必要な情報を提供しなければなり ません。
(2) 被保険者が正当な理由なく(1)の当会社の求めに応じない場合は、当会社は、それによって当会社が被った損害の額を差し引いて、損害をてん補します。
第23条(保険金の請求)
(1) 当会社に対する保険金請求権は、次の時から発生し、これを行使することができるものとします。
① 第2条(損害の範囲)①の法律上の損害賠償金に係る保険金については、被保険者 が損害に係る損害賠償請求権者に対して負担する法律上の損害賠償責任の額について、被保険者と損害賠償請求権者との間で、判決が確定した時、または裁判上の和解、調 停もしくは書面による合意が成立した時
② 第2条(損害の範囲)②および③の費用に係る保険金については、被保険者が負担すべき費用の額が確定した時
(2) 被保険者が保険金の支払を請求する場合は、次の①から⑤までの書類または証拠のうち、当会社が求めるものを当会社に提出しなければなりません。
① 保険金請求書
② 被保険者が損害賠償責任を負担することを示す判決書、調停調書、和解調書または示談書
③ 被保険者の損害賠償金の支払およびその金額を証明する書類
④ 被保険者が保険金を請求することについて、損害賠償請求権者の承諾があったことおよびその金額を証明する書類
⑤ その他当会社が次条(1)に定める必要な事項の確認を行うために欠くことのできない書類または証拠として保険契約締結の際に当会社が交付する書面等において定めたもの
(3) 当会社は、損害賠償請求の内容、損害の額等に応じ、保険契約者または被保険者に対して、(2)に掲げるもの以外の書類もしくは証拠の提出または当会社が行う調査への協力を求めることがあります。この場合は、当会社が求めた書類または証拠をすみやかに提出し、必要な協力をしなければなりません。
(4) 次の①から③までのいずれかに該当する場合には、当会社は、それによって当会社が被った損害の額を差し引いて損害をてん補します。
① 保険契約者または被保険者が、正当な理由がなく(3)の規定に違反した場合
② 保険契約者または被保険者が、正当な理由がなく(2)または(3)の書類に事実と異なる記載をした場合
③ 保険契約者または被保険者が、正当な理由がなく(2)または(3)の書類または証拠を偽造し、または変造した場合
(5) 保険金請求権は、(1)に定める時の翌日から起算して3年を経過した場合は、時効によって消滅します。
第24条(保険金の支払)
(1) 当会社は、請求完了日(注1)からその日を含めて30日以内に、当会社が保険金を支払うために必要な次の①から⑤までの事項の確認を終え、保険金を支払います。
① 保険金の支払事由発生の有無の確認に必要な事項として、損害賠償請求の原因、損害賠償請求の状況、損害発生の有無および被保険者に該当する事実
② 保険金が支払われない事由の有無の確認に必要な事項として、保険金が支払われない事由としてこの保険契約において定める事由に該当する事実の有無
③ 保険金を算出するための確認に必要な事項として、損害の額および行為と損害との関係
④ 保険契約の効力の有無の確認に必要な事項として、この保険契約において定める解除、無効、失効または取消しの事由に該当する事実の有無
⑤ ①から④までのほか、他の保険契約等の有無および内容、損害について被保険者が有する損害賠償請求権その他の債権および既に取得したものの有無および内容等、当会社が支払うべき保険金の額を確定するために確認が必要な事項
(2) (1)の確認をするため、次の①から⑤までに掲げる特別な照会または調査が不可欠な場合は、(1)の規定にかかわらず、当会社は、請求完了日(注1)からその日を含めて次の
①から⑤までに掲げる日数(注2)を経過する日までに、保険金を支払います。この場合において、当会社は、確認が必要な事項およびその確認を終えるべき時期を被保険者に対して通知するものとします。
特別な照会または調査 | 日数 |
① (1)①から④までの事項を確認するための、警察、検察、消防その他 の公の機関による捜査または調査結果の照会(注3) | 180日 |
② (1)①から④までの事項を確認するための、専門機関による鑑定等の結果の照会 | 90日 |
③ 災害救助法(昭和22年法律第118号)が適用された災害の被災地域に おける(1)①から⑤までの事項の確認のための調査 | 60日 |
④ (1)①から⑤までの事項の確認を日本国内において行うための代替的 な手段がない場合の日本国外における調査 | 180日 |
⑤ 損害賠償請求の内容もしくは根拠が判例もしくは他の事例に鑑み特殊である場合または行為と被保険者に対してなされた損害賠償請求について当事者間に争いがある場合において、(1)①から④までの事項を確認するための、専門機関による鑑定等の結果の照会または関係当事 者への照会 | 180日 |
(3) (2)①から⑤までに掲げる特別な照会または調査を開始した後、(2)①から⑤までに掲げる期間中に保険金を支払う見込みがないことが明らかになった場合は、当会社は、 (2)①から⑤までに掲げる期間内に被保険者との協議による合意に基づき、その期間を延長することができます。
(4) (1)から(3)までに掲げる必要な事項の確認に際し、保険契約者または被保険者が正当な理由なくその確認を妨げ、またはこれに応じなかった場合(注4)は、これにより確認が遅延した期間については、(1)から(3)までの期間に算入しないものとします。
(注1)請求完了日
被保険者が前条(2)の手続を完了した日をいいます。
(注2)①から⑤までに掲げる日数
複数に該当する場合は、そのうち最長の日数をいいます。
(注3)警察、検察、消防その他の公の機関による捜査または調査結果の照会
弁護士法(昭和24年法律第205号)に基づく照会その他法令に基づく照会を含みます。
(注4)その確認を妨げ、またはこれに応じなかった場合必要な協力を行わなかった場合を含みます。
第25条(代位)
(1) 損害が生じたことにより被保険者が損害賠償請求権その他の債権(注)を取得した場合において、当会社がその損害をてん補したときは、その債権は当会社に移転します。ただし、移転するのは、次の①または②のいずれかの額を限度とします。
① 当会社が損害の額の全額をてん補した場合被保険者が取得した債権の全額
② ①以外の場合
被保険者が取得した債権の額から、てん補されていない損害の額を差し引いた額
(2) (1)②の場合において、当会社に移転せずに被保険者が引き続き有する債権は、当会社に移転した債権よりも優先して弁済されるものとします。
(3) 保険契約者および被保険者は、当会社が取得する(1)の債権の保全および行使ならびにそのために当会社が必要とする証拠および書類の入手に協力しなければなりません。この場合において、当会社に協力するために必要な費用は、当会社の負担とします。
(注) 損害賠償請求権その他の債権
共同不法行為等の場合における連帯債務者相互間の求償権を含みます。
第26条(求償権の不行使)
当会社は、前条(1)の規定により移転した債権に係る権利のうち、被保険者の使用人その他被保険者の業務の補助者に対するものにかぎり、これを行使しません。ただし、損害がこれらの者の故意によって生じた場合を除きます。
第27条(先取特権)
(1) 損害賠償請求権者は、被保険者の当会社に対する保険金請求権(注)について、先取特権を有します。
(2) 当会社は、次の①から④までのいずれかに該当する場合に、第2条(損害の範囲)①の損害賠償金について、保険金の支払を行うものとします。
① 被保険者が損害賠償請求権者に対してその損害の賠償をした後に、当会社から被保険者に支払う場合。ただし、被保険者が賠償した金額を限度とします。
② 被保険者が損害賠償請求権者に対してその損害の賠償をする前に、被保険者の指図により、当会社から直接、損害賠償請求権者に支払う場合
③ 被保険者が損害賠償請求権者に対してその損害の賠償をする前に、損害賠償請求権者が(1)の先取特権を行使したことにより、当会社から直接、損害賠償請求権者に支払う場合
④ 被保険者が損害賠償請求権者に対してその損害の賠償をする前に、当会社が被保険者に保険金を支払うことを損害賠償請求権者が承諾したことにより、当会社から被保険者に支払う場合。ただし、損害賠償請求権者が承諾した金額を限度とします。
(3) 保険金請求権(注)は、損害賠償請求権者以外の第三者に譲渡することはできません。また、保険金請求権(注)を質権の目的とし、または(2)③の場合を除いて差し押さえることはできません。ただし、(2)①または④の規定により被保険者が当会社に対して保険金の支払を請求することができる場合を除きます。
(注) 保険金請求権
第2条(損害の範囲)①に対する保険金請求権にかぎります。
第7章 訴訟の提起および準拠法
第28条(訴訟の提起)
この保険契約に関する訴訟については、日本国内における裁判所に提起するものとします。
第29条(準拠法)
この普通保険約款に規定のない事項については、日本国の法令に準拠します。
(別表)
短期料率表
既経過期間または 未経過期間 | 短期料率 | 既経過期間または 未経過期間 | 短期料率 |
1か月まで | 1/12 | 7か月まで | 7/12 |
2か月まで | 2/12 | 8か月まで | 8/12 |
3か月まで | 3/12 | 9か月まで | 9/12 |
4か月まで | 4/12 | 10か月まで | 10/12 |
5か月まで | 5/12 | 11か月まで | 11/12 |
6か月まで | 6/12 | 12か月まで | 12/12 |