Contract
(様式10)
募集要項等に関する質問に対する回答令和6年2月26日
様式10-6設計・工事請負契約書(案)に関する質問への回答
資料名 | 頁 | 条 | 項 | 号 | 目 | 項目名 | 質問事項 | 回答 | 公募書類修正 | ||
14 | (案) | 20 | 43 | 契約不適合責任 | 契約不適合の判断は、業務終了後に判明した施工条件等に対して適合しないことを根拠とて行われることはないと解してよろしいでしょうか。 【以下、技術的対話による追記】 具体的には、本事業期間である建設期間中に判明した施工条件等が、納品済の設計業務の成果品に影響を与える場合を想定しております。 | 契約不適合の判断は、具体的な事象に応じて判断します。 | |||||
18 | (案) | 28 | 別紙 1 | スライド額算定の詳細は、国土交通省による運用マニュアルに準拠するものと考えてよろしいでしょうか。本事業において適用する定めについて、ご教示願います。 | 本事業の特性を考慮しつつ、国土交通省による運用マニュアルに準拠する予定です。(※別紙参照) |
(別紙)
xx市
xx処理場沈砂池ポンプ棟・寺方ポンプ場更新事業
スライド条項について
令和 6 年 2 月
xx市環境下水道部下水道課
目次
1 スライド条項 1
1.1 国土交通省による定義 1
1.2 本事業におけるスライド条項 2
1.3 スライド条項に基づく請負代金額の変更方法 3
1 スライド条項
1.1 国土交通省による定義
国土交通省によると、スライド条項とは、受注者と発注者とは対等との考えのもと、片務性を解消するため、受注者のみに合理的な範囲を超える価格の変動を負担させないことを基本的な考え方としている。また、スライド条項は、「全体スライド」、「単品スライド」、「インフレスライド」に区分されており、各スライドの内容は下記に示すとおりである。
表 1-1 各種スライド条項の違い
出典:工事請負契約書第 26 条第 5 項(単品スライド条項)運用マニュアル(案)令和 4 年 7 月 国土交通省
参考として、単品スライドによる増額変更の場合の計算例を以下に示す。
表 1-2 単品スライドによる変更額計算例
出典:工事請負契約書第 26 条第 5 項(単品スライド条項)運用マニュアル(案)令和 4 年 7 月 国土交通省
1.2 本事業におけるスライド条項
本事業の設計・工事請負契約書では、xx市建設工事請負契約書の標準約款に準拠し、スライド条項を第 25 条に規定している。そのため、本事業においては、「全体スライド」、「単品スライド」、「インフレスライド」の全てを適用する必要がある。
(賃金又は物価の変動に基づく契約金額の変更)
第 25 条 発注者又は受注者は、履行期間内でこの契約締結の日から 12 月を経過した後に日本国内における賃金水準又は物価水準の変動により契約金額が不適当となったと認めたときは、相手方に対して契約金額の変更を請求することができる。
全体スライド
2 発注者又は受注者は、前項の規定による請求があったときは、変動前残契約金額(契約金額から当該請求時の出来形部分に相応する契約金額を控除した額をいう。以下この条において同じ。)と変動後残契約金額(変動後の賃金又は物価を基礎として算出した変動前残契約金額に相応する額をいう。以下この条において同じ。)との差額のうち変動前残契約金額の 1,000 分
の 15 を超える額につき、契約金額の変更に応じなければならない。
3 変動前残契約金額及び変動後残契約金額は、請求のあった日を基準とし、物価指数等に基づき発注者と受注者とが協議して定める。ただし、協議開始の日から 14 日以内に協議が整わない場合にあっては、発注者が定め、受注者に通知する。
単品スライド
4 第1項の規定による請求は、この条の規定により契約金額の変更を行った後再度行うことができる。この場合においては、第1項中「この契約締結の日」とあるのは「直前のこの条に基づく契約金額変更の基準とした日」とするものとする。
5 特別な要因により履行期間内に主要な工事材料の日本国内における価格に著しい変動を生じ、契約金額が不適当となったときは、発注者又は受注者は、前各項の規定によるほか、契約金額の変更を請求することができる。
インフレスライド
6 予期することのできない特別の事情により、履行期間内に日本国内において急激なインフレーション又はデフレーションを生じ、契約金額が著しく不適当となったときは、発注者又は受注者は、前各項の規定にかかわらず、契約金額の変更を請求することができる(詳細は別紙
1に定める)。
7 前2項の場合において、契約金額の変更額については、発注者と受注者とが協議して定める。ただし、協議開始の日から 14 日以内に協議が整わない場合にあっては、発注者が定め、受注者に通知する。
8 第3項及び前項の協議開始の日については、発注者が受注者の意見を聴いて定め、受注者に通知しなければならない。ただし、発注者が第1項、第5項又は第6項の請求を行った日又は受けた日から7日以内に協議開始の日を通知しない場合には、受注者は、協議開始の日を定め、発注者に通知することができる。
出典:xx市xx処理場沈砂池ポンプ棟・寺方ポンプ場更新事業 設計・工事請負契約書
1.3 スライド条項に基づく請負代金額の変更方法
1.3.1 準拠マニュアル
スライド条項に関する国土交通省の運用マニュアルを下記に示す。大阪府や府下自治体も国交省マニュアルを準拠していることから、本事業においても国交省の運用マニュアルに準拠する。
表 1-3 国土交通省による運用マニュアル
①全体スライド | 「工事請負契約書第 25 条※第 1 項~第 4 項(全体スライド条項)運用マニ ュアル(暫定版) 平成 25 年 9 月」 ※現行は第 26 条 |
②インフレスライド | 「賃金等の変動に対する工事請負契約書第 25 条※第 6 項(インフレスライ ド条項)運用マニュアル(暫定版) 平成 26 年 1 月」 ※現行は第 26 条 |
③単品スライド | 「工事請負契約書第 26 条第 5 項(単品スライド条項)運用マニュアル (案) 令和 4 年 7 月」 |
1.3.2 国交省マニュアルに基づく請負代金額の変更方法
国交省マニュアルに基づく請負代金額の変更方法を以下に示す。
①全体スライド
増額スライド額S増=[P2-P1-(P1×15/1000)]減額スライド額S減=[P2-P1+(P1×15/1000)]
P1:請負代金額から基準日における出来形部分に相応する請負代金額を控除した額 P2:変動後(基準日)の賃金又は物価を基礎として算出したP1に相当する額
(P=Σ(α×Z)、α:落札率(単価合意比率又は請負比率)、Z:官積算額)
②インフレスライド
増額スライド額S増=[P2-P1-(P1×1/100)]減額スライド額S減=[P2-P1+(P1×1/100)]
P1:請負代金額から基準日における出来形部分に相応する請負代金額を控除した額 P2:変動後(基準日)の賃金等を基礎として算出したP1に相当する額
(P=Σ(α×Z)、α:落札率(単価合意比率又は請負比率)、Z:官積算額)
③単品スライド
増額スライド額S増 =(M変更鋼 - M当初鋼)+(M変更油 - M当初油)+(M変更材料 - M当初材料)-P×1/100減額スライド額S減 =(M変更鋼 - M当初鋼)+(M変更油 - M当初油)+(M変更材料 - M当初材料)+ P×1/100
M当初鋼 ,M当初油 ,M当初材料 ={ p1×D1 + p2×D2+……+ pm×Dm }×α
M変更鋼 ,M変更油 ,M変更材料 ={ p'1×D1 + p'2×D2+……+ p'm×Dm }×α M変更鋼 ,M変更油 ,M変更材料:価格変動後の各工事材料の金額
M当初鋼 ,M当初油 ,M当初材料:価格変動前の各工事材料の金額 p :設計時点における各工事材料の単価
p':価格変動後における各工事材料の実勢価格 D :各工事材料の数量
α :落札率(単価合意比率又は請負比率) P :請負代金額
1.3.3 本事業における請負代金額の変更方法
国土交通省マニュアルのスライド額の算定では工事請負代金を、「官積算額×落札率(単価合意比率又は請負比率)」としている。本事業における「官積算額」と「落札率」の設定方法を以下に示す。
1) 本事業における官積算額の設定方法
本事業はデザインビルド方式であるため、設計業務(調査業務含む)と工事業務に区分されることから、各業務の官積算額について、設計業務と工事業務それぞれを以下の通りとした。
ZD:設計業務の官積算額=事業者のプロポ―ザル提案額のうち設計業務部分を国土交通省の労務単価で置き換えたもの
ZB:工事業務の官積算額=事業者の詳細設計により作成した工事積算内訳書による工事費
・ZD:設計業務の官積算額
本事業はプロポーザル方式によるデザインビルドであり、事業者が提案する設計業務は、市が当初想定した内容と異なるため、市が当初(プロポ―ザル公募前)に想定した設計業務費を官積算額とすることは適切でないと考える。以上のことから、設計業務の官積算額は、事業者のプロポーザル提案額のうち設計業務部分を基に設定することが適当と考える。但し、設計業務のスライド変更は労務単価の変動に起因することから、本事業の設計業務の官積算額は、国土交通省が公表する労務単価(以下、国交省労務単価)を使用することが適当と考える。そのため、事業者のプロポーザル提案額が国交省労務単価を使用していない場合は、国交省労務単価に置き換えた額を官積算額とする。(既に使用している場合は置き換え不要)
なお、現場条件等の変更が発生し、設計業務内容の変更が生じた場合は、これに応じて ZD
の金額を変更させるものとする。
・ZB:工事業務の官積算額
設計業務と同様に、事業者が提案する工事業務は、市が当初想定した内容と異なるため、市が当初(プロポ―ザル公募前)に想定した工事業務費を官積算額とすることは適切でないと考える。また、工事業務のスライド変更は労務単価、資材単価、損料等の複数の費目変動に起因することから、本事業の工事業務の官積算額は、本事業の詳細設計にて作成される「工事積算内訳書」を使用することが適当と考える。なお、事業者が作成する工事積算内訳書は、本事業の要求水準書において、国や下水道協会等の基準に基づくことを指定している。
※官積算額における積算年度について
スライド条項による対象額の起点は契約年月日となるため、当初の官積算額は契約年月(令
和 6 年 6 月予定)の単価による積算とする必要がある。設計業務は官積算額算定時期(プロポーザル提案時期)と契約時期は同時期のため同一年度の労務単価と想定されるが、工事業務の官積算額算定時期(工事積算内訳書作成時期:令和 7~8 年度)と契約時期(令和 6 年 6 月頃)は 1~2 年の乖離が想定される。そのため、工事積算内訳書作成にあたっては、契約年月に遡った単価を使用する必要がある。但し、見積による単価(物価資料に価格が掲載されていない単価)は、工事積算内訳書作成時において契約年月の見積額へ遡る(1~2 年前に遡る)ことが困難である。そこで、工事積算内訳書作成時の見積額に対して、物価資料に掲載された類似資材の物価変動率もしくは建設工事費デフレータ(国土交通省)等を乗じることで、契約年月の見積単価に換算させるものとする。
プロポ―ザル
提案
契約締結
スライド起点年月
工事積算内訳書
作成
1~2年間程度
提案書作 選定・契約
成期間 交渉期間
設計業務
期間
工事業務
期間
設計業務
提案額
①
工事業務
提案額
工事積算
内訳書
※落札率=①/②
②
※国交省労務単価
に置き換え
※契約年月の単価で作成
契約額設計+工事
設計業務官積算額
工事業務官積算額
図 1-1 スライド条項における官積算額・落札率の算定イメージ
2) 本事業における落札率の設定方法
本事業における「落札率」は、設計業務と工事業務に対して下記のとおりとした。基本的な考え方として、「落札率」は官積算額と契約額の比率に相当する。
αD:設計業務の落札率=
契約額のうち設計業務部分
ZD 設計業務の官積算額
αB:工事業務の落札率=
契約額のうち工事業務部分
ZB 工事業務の官積算額
※契約額のうち工事業務部分の変更について
調査・設計業務において現場条件等の変更が発生し、工事積算内訳書の作成完了までに工事業務内容の変更が生じた場合は、これに応じて「契約額のうち工事業務部分の金額」を変更させるものとする。
※工事業務の官積算額が契約額のうち工事業務部分を下回った場合について
事業者が作成した工事業務の官積算額が、要求水準書や提案書類を満足した内容で適正に作成したにもかかわらず契約額の工事業務部分を下回った場合は、契約額のうち工事業務部分の金額を、工事業務の官積算額に変更したうえで、変更契約を行うものとする。この場合、工事業務の落札率は 1.0(100%)となる。
※単価合意比率について
国土交通省マニュアルでは落札率は請負比率と単価合意比率のいずれかとしている。このうち 単価合意比率は、国土交通省直轄工事において原則採用されている「単価合意方式」に基づくも のである。国土交通省では単価合意方式を、「(a)単価個別合意方式」もしくは「(b)包括的単価個 別合意方式」のいずれかとしており、(a)は各費目個別に設定した単価で合意する方式、(b) は各 費目に請負比率を乗じた単価で合意するものである。単価合意比率は「合意単価÷設計積算単価」の比率となる。国土交通省の運用では、受注者側に(a)か(b)のいずれを採用するかを確認する運 用となっており、受注者側の希望がない場合は(b)を採用となる。
自治体発注業務では単価合意方式の採用事例は少なく、本市の工事請負契約標準約款においても単価合意方式の定めはないことから、本事業においては単価合意比率を適用せず、「落札率=請負比率」とした。
3) 本事業における請負代金額の変更方法
①全体スライド
増額スライド額S増=[P2-P1-(P1×15/1000)]減額スライド額S減=[P2-P1+(P1×15/1000)]
P1:請負代金額から基準日における出来形部分に相応する請負代金額を控除した額 P2:変動後(基準日)の賃金又は物価を基礎として算出したP1に相当する額
(P=αD×ZD+αB×ZB、αD:設計業務の落札率、αB:工事業務の落札率、ZD:設計業務の官積算額、ZB:工事業務の官積算額)
②インフレスライド
増額スライド額S増=[P2-P1-(P1×1/100)]減額スライド額S減=[P2-P1+(P1×1/100)]
P1:請負代金額から基準日における出来形部分に相応する請負代金額を控除した額 P2:変動後(基準日)の賃金等を基礎として算出したP1に相当する額
(P=αD×ZD+αB×ZB、αD:設計業務の落札率、αB:工事業務の落札率、ZD:設計業務の官積算額、ZB:工事業務の官積算額)
③単品スライド
増額スライド額S増 =(M変更鋼 - M当初鋼)+(M変更油 - M当初油)+(M変更材料 - M当初材料)-P×1/100減額スライド額S減 =(M変更鋼 - M当初鋼)+(M変更油 - M当初油)+(M変更材料 - M当初材料)+ P×1/100
M当初鋼 ,M当初油 ,M当初材料 ={ p1×D1 + p2×D2+……+ pm×Dm }×α
M変更鋼 ,M変更油 ,M変更材料 ={ p'1×D1 + p'2×D2+……+ p'm×Dm }×α M変更鋼 ,M変更油 ,M変更材料:価格変動後の各工事材料の金額
M当初鋼 ,M当初油 ,M当初材料:価格変動前の各工事材料の金額 p :設計時点における各工事材料の単価
p':価格変動後における各工事材料の実勢価格 D :各工事材料の数量
αB :工事業務の落札率
P :請負代金額(=αD×ZD+αB×ZB、αD:設計業務の落札率、αB:工事業務の落札率、ZD:設計業務の官積算額、ZB:工事業務の官積算額)