清水銀行(頭取 岩山 靖宏)は、お客様の SDG s の達成をご支援するため、各種サステナブルファイナンスの提供に努めており、その一環としてこのたび、株式会社ティプロ(代表取締役社長 土屋 将寿)と「しみずポジティブ・インパクト・ファイナンス」契約を締結いたしました。
株式会社ティプロ との
「しみずポジティブ・インパクト・ファイナンス」契約締結について
清水銀行(頭取 xx xx)は、お客様の SDG s の達成をご支援するため、各種サステナブルファイナンスの提供に努めており、その一環としてこのたび、株式会社ティプロ(代表取締役社長 xx xx)と「しみずポジティブ・インパクト・ファイナンス」契約を締結いたしました。
本件の取組みにあたっては、関連会社の株式会社xx地域経済研究センター(代表取締役 xx xx)がインパクト分析・特定のうえ評価書を作成し、株式会社日本格付研究所(代表取締役社長 xx xx)がポジティブ・インパクト金融原則との適合性を確認しました。
xx銀行では、2021 年 12 月に「環境方針」「責任ある投融資方針」からなる「xx銀行サステナビリティ方針」を策定し、持続可能な社会の実現や社会的課題の解決に向けた取り組みを加速させてまいりました。今後も社会・環境問題の解決に資する取り組みを一層推進し、持続可能な社会の実現に貢献してまいります。
1.契約概要 2.借入人概要
x 約 日 : 令和 5 年 1 月 30 日(月) 企 業 名 : 株式会社ティプロ
融資金額 : 50 百万円 所 在 地 : 京都府京都市下京区xxx室町東入函谷鉾町
資金使途 : 運転資金 101 番地 アーバンネット四条烏丸ビル6F事業内容 : 廃棄物収集運搬業
3.借入人の主な取組み(詳細は「ポジティブ・インパクト・ファイナンス評価書」をご参照ください)
(1)特定されたインパクト
ポジティブなインパクトの成果が期待できる事項 | ・牽引免許の取得支援 ・女性管理者の登用 ・優良認定事業者として事業拡大 ・協力企業の拡大 |
ネガティブなインパクトの低減が必要となる事項 | ・健康診断・人間ドックの実施 ・事故発生の抑制 ・離職率の改善 ・残業時間の削減 ・グリーン購入率の増加 ・ガソリン・軽油使用量の削減 ・廃棄物のリサイクル率向上 ・CO2排出量削減 ・電気使用量の削減 ・照明設備の LED 化 ・省エネルギー車対応 ・紙マニフェストの削減 ・廃棄物の削減 |
(2)測定する KPI
社会面 | ・2028 年までにドライバー全員が牽引免許を取得する ・2025 年までに牽引免許取得費用制度を制定し、新たに雇用するドライバーについても取得支援を実施する ・2028 年までに女性管理者を 1 名以上登用する ・2028 年までに全従業員に対し健康診断を実施し、幹部社員に対し人間ドックを実施する ・2028 年までに、運行ルールを定め、運行マニュアルに基づく安全教育を実施することにより、重大事故ゼロを継続し、軽微な事故発生を 2021 年度比 20%以上削減する ・2028 年までに離職率を 10%以下とする ・2028 年までに残業時間を 2021 年度比 15%以上削減する |
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環境面 | ・2028 年度までに グリーン購入率を 35%以上とする ・2028 年度までにガソリン使用量、軽油使用量をそれぞれ 2021 年度比 5%以上削減する ・2028 年までに産業廃棄物のリサイクル率を 15%以上とする ・2028 年までに CO2排出量を 2021 年度比5%以上削減する ・2028 年までに電気使用量を年間 8,400kWh 以下とする ・2028 年までに事務所の照明機器を全て LED 化する ・2028 年までに社用車を全て省エネルギー車とする ・2028 年までに紙マニフェスト対応先 5 先以上を電子マニフェスト対応とし、紙マニフェストを削減する ・2028 年までに事務所で発生する廃棄物を年間 100kg 以下とする |
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経済面 | ・2028 年までに女性管理者を 1 名以上登用する ・2028 年までに優良認定事業者の認定を受け、新規顧客を年間 5 先以上獲得する ・2028 年までに協力企業数を 60 社以上とする |
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以 上
<ニュースリリースに関するお問い合せ> xx銀行 支店営業部 xx 054-366-9990
2023 年 1 月 26 日
株式会社xx地域経済研究センター
目次 | |
1.評価の概要••••••••••••••••••••••••••• | 1 |
2.PIF の概要••••••••••••••••••••••••••• | 2 |
3.企業概要•••••••••••••••••••••••••••• | 2 |
4.包括的分析••••••••••••••••••••••••••• | 5 |
5.サステナビリティ経営体制•••••••••••••••••••• | 11 |
6.インパクトの特定•••••••••••••••••••••••• | 16 |
7.KPI の決定••••••••••••••••••••••••••• | 20 |
8.モニタリング•••••••••••••••••••••••••• | 25 |
xx地域経済研究センターは、株式会社日本格付研究所の協力を得て、国連環境計画金融イニシアティブ(UNEP FI)が公表している「ポジティブ•インパクト•ファイナンス金融原則」に則り、株式会社ティプロ(以下、ティプロという)の包括的なインパクト分析を行いました。
xx銀行は、本評価書で特定されたポジティブ•インパクトの拡大とネガティブ•インパクトの低減に向けた取り組みを支援するため、ティプロに対してポジティブ•インパクト•ファイナンス(以下、PIF という)を実行します。
1.評価の概要
(企業概要)
ティプロは、静岡県静岡市にて 2002 年創業の廃棄物収集運搬業者である。47 都道府県の産業廃棄物収集運搬業の許可を取得し、協力企業 51 社と連携して廃棄物の最も適した処理または処分方法を提案し、効率的な収集運搬を行っている。
(インパクト特定)
産業廃棄物収集運搬事業及び一般廃棄物収集運搬事業におけるポジティブ•インパクトとして特定した項目は「教育」「雇用」「包括的で健全な経済」「経済収束」とし、ネガティブ•インパクトとして特定した項目は「健康•衛生」「雇用」「資源効率•安全性」「気候」「廃棄物」とした。
(KPI の決定)
ポジティブなインパクトの成果が期待できる事項として、社会面において、「教育」ではテーマを「ドライバーの牽引免許取得による運搬効率の向上」とし KPI は「ドライバー全員が牽引免許を取得する」「牽引免許取得費用制度を制定し、新たに雇用するドライバーについても取得支援を実施する」とした。社会面•経済面において、「雇用」「包括的で健全な経済」ではテーマを「ダイバーシティ推進」とし KPI は「女性管理者を 1 名以上登用する」とした。経済面において、「経済収束」ではテーマを「社会的地位向上と事業規模拡大」「サプライチェーンの拡大」とし KPI は「優良認定事業者の認定を受け、新規顧客を年間 5 先以上獲得する」「協力企業数を 60 社以上とする」とした。
ネガティブなインパクトの低減が必要となる事項として、社会面において、「健康•衛生」ではテーマを「従業員の健康安全性の確保」とし KPI は「全従業員に対し健康診断を実施し、幹部社員に対し人間ドックを実施する」「運行ルールを定め、運行マニュアルに基づく安全教育を実施することにより、重大事故ゼロを継続し、軽微な事故発生を 2021 年度比 20%以上削減する」とした。「雇用」ではテーマを「ワークライフバランスの推進」とし KPI
は「離職率を 10%以下とする」「残業時間を 2021 年度比 15%以上削減する」とした。環境面において、「資源効率•安全性」ではテーマを「資源の有効活用」とし KPI は「グリーン購入率を 35%以上とする」「ガソリン使用量、軽油使用量をそれぞれ 2021 年度比
5%以上削減する」とした。「資源効率•安全性」「廃棄物」ではテーマを「廃棄物の再資源化」とし KPI は「産業廃棄物のリサイクル率を 15%以上とする」とした。「気候」ではテーマを「二酸化炭素の排出抑制」とし KPI は「CO2 排出量を 2021 年度比 5%以上削減する」「電気使用量を年間 8,400kWh 以下とする」「事務所の照明機器を全て LED 化する」「社用車を全て省エネルギー車とする」とした。「廃棄物」ではテーマを「廃棄物の削減」とし KPI は「紙マニフェスト対応先 5 先以上を電子マニフェスト対応とし、紙マニフェストを削減する」「事務所で発生する廃棄物を年間 100kg 以下とする」とした。
(モニタリング)
モニタリング体制として、統括責任者をxx社長、プロジェクトリーダーをxx総務部長とし、プロジェクトチームを総務部内に組成した。今後少なくとも年 1 回はモニタリングする体制を構築し、進捗状況を確認する。
2.PIF の概要
今回実施予定の融資概要
契約日及び返済期限 | 2023 年 1 月 30 日~2028 年 1 月 30 日 |
金額 | 50,000,000 円 |
資金使途 | 運転資金 |
モニタリング期間 | 5 年 |
3.企業概要
企業名 | 株式会社ティプロ |
事業所 | <本店> xxxxxxxxxxxxxxxxxxxx 000 xxアーバンネット四条烏丸ビル6F <静岡支店> xxxxxxxxxxx 0000 xx |
従業員 | 14 名 |
資本金 | 20 百万円 |
業種 | 廃棄物収集運搬業 |
事業の内容 2021 年度売上実績 | 産業廃棄物収集運搬事業 95% 一般廃棄物収集運搬事業 5% |
沿革 | 2002 年 静岡市において資本金 3 百万円にて有限会社ティプロ設立 2009 年 株式会社ティプロに組織変更、資本金 10 百万円に増資同年 エコアクション 21 認定取得 2021 年 本店を京都市に移転、資本金 20 百万円に増資 2022 年 47 都道府県の産業廃棄物収集運搬業の許可を取得 |
経営理念 | 【企業理念】 私たちは、産業廃棄物収集運搬業を通じて環境保全に努め、人と自然に優しい企業を目指します。 【環境方針】 私たちは、自らの生活や仕事により地球環境に与える影響を認識し、産業廃棄物収集運搬業を通じて環境保全に努め、人と自然に優しい企業を目指します。 1.エコアクション21に基づく環境経営を導入し、自主的•積極的に環境負荷を削減するとともに環境経営を推進し、継続的改善に取り組みます。 2.事業経営における環境負荷•影響を配慮するとともに、安全で環境に優 しい収集運搬に努めます。 3.収集•運搬車輌のエコドライブを実践し、省エネルギーと排気ガスの抑制に取り組みます。 4.環境法規制、当社が同意する取り決め、協定等を遵守いたします。 5.グリーン購入に取り組みます。 6.環境経営レポートの発行など環境コミュニケーションに取り組みます。 7.この方針は、社内外に公表し、特に従業員への周知徹底を図ります。 |
組織図
営業
運輸営業部部長xxxx
ドライバー
環境管理事務担当
xxxx
総務部部長
環境管理責任者xxxx
社長 xxxx
4.包括的分析
(1)業種別インパクトの状況
産業廃棄物収集運搬事業におけるインパクトレーダーの標準値において、ポジティブなインパクトとして発現した項目は「水(入手可能性)」「健康•衛生」「雇用」「水(質)」
「土壌」「生物多様性と生態系サービス」「資源効率•安全性」「廃棄物」「包括的で健全な経済」、ネガティブなインパクトとして発現した項目は「雇用」「水(質)」「大気」
「土壌」「資源効率•安全性」「気候」「廃棄物」となった。
一般廃棄物収集運搬事業におけるインパクトレーダーの標準値において、ポジティブなインパクトとして発現した項目は「水(入手可能性)」「健康•衛生」「雇用」「エネルギー」「水(質)」「土壌」「生物多様性と生態系サービス」「資源効率•安全性」「廃棄物」「包括的で健全な経済」、ネガティブなインパクトとして発現した項目は「健康•衛生」「雇用」「水(質)」「大気」「土壌」「生物多様性と生態系サービス」「資源効率•安全性」「気候」「廃棄物」となった。
(2)サプライチェーン全体におけるインパクトの状況
ⅰ産業廃棄物処理業界の動向(以下の表、グラフは環境省ホームページからの出典)
日本における産業廃棄物処理業界は、経済規模の拡大に伴う大量生産•大量消費による廃棄物量の増大、消費者ニーズの多様化や産業構造の高度化を背景とした廃棄物の多様化により、廃棄物は質•量ともに増加の一途を辿ってきた。しかし、それらの廃棄物を処理する最終処分場の容量は、大都市圏を中心として限界に達しつつある。このため、国や地方自治体と調整を図りつつ、業者間の共同化や協業化等による幅広い社会的ニーズに応えていくことが要請されている。
「産業廃棄物排出•処理状況調査報告書 2022(令和4)年 3 月環境省」によると、1996
(平成8)年の 426 百万 t をピークに増減を繰り返しながら逓減しているが、2018(平成 30)年の 379 百万tをボトムに 2020(令和 2)年は 392 百万tと増加傾向にある。
2020(令和2)年度の廃棄物を排出している業種別内訳では、電気•ガス•熱供給•水道業が 98,758 千tの 25.2%と最も多く、次いで建設業が 83,642 千tの 21.3%、農業、林業が 82,330 千tの 21.0%となっている。
同年度の廃棄物の種類別内訳では、汚泥が 170,429 千tの 43.5%と最も多く、次いで動物のふん尿が 81,855 千tの 20.9%、がれき類が 61,895 千tの 15.8%となっている。
同年度の廃棄物の地域別排出量の内訳では、関東が 100,975 千tの 25.7%と最も多く、次いで中部が 62,134 千tの 15.8%、九州が 54,898 千tの 14.0%となっている。
「産業廃棄物処理施設の設置、産業廃棄物処理業の許可等に関する状況 2022(令和4)年5月環境省」(下表)によると、2020(令和 2)年 4 月 1 日現在における産業廃棄物
処理業の許可件数は合計で対前年比 7.7 千件増加の 243.8 千件となった。産業廃棄物(以下、産廃物という)の排出量が増加傾向にあることに伴い、廃棄物処理業の許可件数も増加したものと推察される。
区分 | 産業廃棄物 処理業 | 特別管理産業 廃棄物処理業 | 合計 | 前年比 | |
収集運搬業 | 208,896件 | 20,908件 | 229,804件 | 7,922件 | |
積替えあり | 8,510件 | 1,225件 | 9,735件 | -153件 | |
積替えなし | 200,386件 | 19,683件 | 220,069件 | 8,075件 | |
処分業 | 13,217件 | 784件 | 14,001件 | -178件 | |
中間処理のみ | 12,431件 | 703件 | 13,134件 | -151件 | |
最終処分のみ | 264件 | 61件 | 325件 | -5件 | |
中間•最終 | 522件 | 20件 | 542件 | -22件 | |
合計 | 222,113件 | 21,692件 | 243,805件 | 7,744件 |
ⅱ産業廃棄物における法規制等
産業廃棄物に関連する主な法規制は以下の通りである。
•廃棄物処理及び清掃に関する法律(以下、廃棄物処理法という)
廃棄物処理法で、産廃物は燃え殻、汚泥、紙ごみ、廃プラスチック類など 20 種類が定められている。その中でも、揮発油類、灯油類、著しい腐食性を有する廃酸など「爆発性、毒性、感染性その他の人の健康または生活環境に係る被害を生ずるおそれがある性状を有する廃棄物」を特別管理産業廃棄物としている。
産業廃棄物処理業者は、業務を行う区域を管轄する都道府県知事及び政令市の許可を受ける必要がある。許可の区分は、①産業廃棄物収集運搬業(積替え保管あり、積替え保管なし)、②産業廃棄物処分業(中間処理、最終処分)、③特別管理産業廃棄物収集運搬業(積替え保管あり、積替え保管なし)、④特別管理産業廃棄物処分業(中間処理、最終処分)の 4 つとなっている。
•循環型社会形成関連法
環境基本法、循環型社会形成促進基本法 等
•産業廃棄物処理関連法
ダイオキシン類対策法、大気汚染防止法 等
•リサイクル関連法
建設リサイクル法、家電リサイクル法、食品リサイクル法 等
ⅲ事業概要
ティプロの事業概要
同社は 2002 年に現代表者であるxxxxxが有限会社ティプロとして静岡市で創業 し、静岡県、山梨県、神奈川県、埼玉県、大阪府等において産業廃棄物収集運搬業の許可を取得し、事業を開始した。2009 年には株式会社へ組織変更した。2023 年現在、
47 都道府県全ての産業廃棄物収集運搬業の許可を取得しており、全国で発生する産廃物の収集運搬に対応できる態勢となっている。また、都市圏における再開発事業や老朽化建物の取り壊し過程で発生する廃石綿の収集運搬ニーズに応えるため、2021 年 12
月にxxxの特別管理産業廃棄物収集運搬業の許可を取得し、2023 年現在において 1
都 1 府 6 県の許可を取得している。
同社の産廃物の収集運搬の内容については、以下の 3 つに大別される。①排出事業者や自治体からの運搬依頼、②xxxxに拠点を置く同業者からの運搬依頼、③再開発や宅地造成等を行う建設業者からの運搬依頼に大別される。
同社では静岡市xx区鳥坂にある静岡営業所を運搬拠点に、産廃物が排出される現場で積み込みを行い、主に産廃物をリサイクル品と非リサイクル品に分別する全国各地の中間処理施設または産廃物の埋め立てを行う最終処分場まで運搬を行っている。
運搬する主な産廃物は、がれき類、廃プラスチック類、汚泥であり、リサイクル率が高いがれき類や廃プラスチック類は中間処理施設へ運搬している。また中間処理施設で産廃物を分別した後、当該施設でリサイクル処理等をしきれなかった破砕物やリサイクル率が低い汚泥は最終処分場へ運搬している。
同社が強みとしているのは、中間処理業者及び最終処分業者との連携が厚く、様々な産廃物の処理または処分が可能であることで、排出事業者に対して産廃物の最も適した処理または処分方法を提示することで受注につなげている。創業以来 20 年に亘るノウハウの蓄積により、産廃物の排出事業者に対して廃棄物収集運搬に係る単価や運搬ルートだけではなく、種類ごとにリサイクルの可否を提示し、中間処理施設または最終処分場を提案するコンサルティング提案により、顧客獲得に結び付けている。また、産廃物の種類や量、解体現場•工場等の排出元となる地域によって、同社を中心とした協力企業 51 社のネットワークを活用して庸車の依頼をするため、運搬に使用するトレーラーの台数確保が可能となり、排出元に近い協力企業に運搬依頼することにより産廃物の素早い搬出につなげている。具体的には 5,000 ㎥の産廃物を同社のトレーラー10 台で運搬した場合には搬出完了まで 10 日間を要するが、協力企業へ庸車を依頼しトレーラー20
台を確保することで 5 日間へ搬出完了の日程短縮が可能となる。
廃棄物処理法に基づく産業廃棄物管理票(以下、マニフェストという)とは、産廃物の処理が適正に実施されたかどうかを確認するために作成する書類であり、排出事業者にはマニフェストを作成して適正に処理されたか否かを確認する義務が課せられている。マニフェストには紙マニフェストと電子マニフェストがあり、同社では電子マニフェストを導入し、法令遵守の徹底及び事務処理の効率化を図っている。電子マニフェストは公益財団法人日本産業廃棄物処理振興センターが運営する「情報処理センター」を介し、排出事業者•収集運搬事業者•処分業者の 3 者が電子上で産廃物が適正に処理されたかを確認するための管理伝票を指す。紙マニフェストと比較して法令違反となる記載漏れやマニフェストの不交付、紛失リスクが無くなる他、紙マニフェストの発行業務、管理業務、報告業務が電子上で可能となり、3 者間でリアルタイムでの処理状況を確認でき
るメリットがある。xx取引先の排出事業者、同業者や最終処分業者は電子マニフェストを導入していることから、同社も電子マニフェストを活用することにより、法令遵守に対する取り組み姿勢を示すことにつなげている。
同社では現在、「SDGS を意識した積替え保管サービスによる運搬コスト及び CO2 削減の提案」をテーマに経済産業省による事業再構築補助金を活用して、産業廃棄物収集運搬「積替え保管あり」の許可取得を目指している。「積替え保管あり」の許可を取得することで、自社施設での産廃物の一時保管と積替え保管が可能になることから、運搬量に見合った積載量のトレーラーを割り当てることで運搬効率の向上が図られ、結果として CO2削減につなげることを計画している。ただし、「積替え保管あり」の場合、適正な保管場所と産廃物の管理が必要になるので、「積替え保管なし」と比べて審査は厳格になっている。
ⅳサプライチェーンの概要
産廃物の収集運搬は、基本的に排出元から中間処理施設または最終処分場へxxするのが一般的である。同社における産廃物の収集運搬は、関東地方、中部地方を中心に産廃物の排出元から主にフルトレーラーアームロール車をメインに使い産廃物を積み込み、産廃物の種類に応じて中間処理施設または最終処分場へ運搬を行っている。関東地方、中部地方以外で排出される産廃物については、協力企業へ庸車依頼をして産廃物の収集運搬を行っている。
同社では産廃物の運搬にあたり、SDGs の取り組みとして、「安心•安全な運転による無事故継続」、「労務管理の徹底」、「エコドライブ推進による CO2 削減」を掲げている。各車両にエコドライブ推奨方法や産廃物の積載方法、運転時間及び休憩時間の確保に関する指針、推奨運搬ルートを記載した道路マップ等を纏めた「運行ルール」を備え付けることで、ドライバーに対し安全運転による業務遂行への意識付けの徹底を図っており、サプライチェーンにおける環境負荷への低減にも取り組んでいる。
産廃物排出元
既 工場
存 (例:大企業の工場等から排
事 出される汚染土•金属)
(
業
積 再開発
替 (首都圏等ビル解体から排出え されるがれき類•石綿含有)保
管
な 造成地
大 中 リ
手 元 間 リ し サ
産 請 処 サ て イ
廃 会 理 イ 再 ク
物 社 施 ク 利 ル
(
収 ( 同 設 ル 用 品
ゼ
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ネ
運 産
搬
廃
ン
業 コ 社 物
協
、
者 の
等 分 同
)
し (工業用団地等造成中に排出 )
される不法投棄物)
中間処理施設
(産廃物の分別、リサイクル新 過程から出る破砕物•端材規 等)
(
事業
積 小規模建設業者
替
え 小規模解体業者
保
管 小規模製造業者
あ
)
り
力 別 社 最
企 依 終
業
頼 処
) 分
場
積替え保管施設
5.サステナビリティ経営体制
(1)サステナビリティ経営方針
同社の企業理念は、「私たちは、産業廃棄物収集運搬業を通じて環境保全に努め、人と自然に優しい企業を目指します。」としている。エコアクション 21 に基づく環境経営を導入することで全従業員が自主的•積極的に環境負荷を削減するとともに、環境法規制等を遵守することで産業廃棄物に対するイメージ改善を図り、従業員一人一人が社会的使命を担っている自覚を認識し業務に取り組んでいる。
また同社では環境方針を以下の通り定めている。
「私たちは自らの生活や仕事により地球環境に与える影響を認識し、産業廃棄物収集運搬業を通じて環境保全に努め、人と自然に優しい企業を目指します。」
「エコアクション 21 に基づく環境経営を導入し、自主的•積極的に環境負荷を削減するとともに環境経営を推進し、継続的改善に取り組みます。」
「事業活動における環境負荷•影響を配慮するとともに、安全で環境に優しい収集運搬に努めます。」
「収集•運搬車輌のエコドライブを実践し、省エネルギーと排気ガスの抑制に取り組みます。」
「環境法規制、当社が同意する取り決め、協定等を遵守いたします。」
「グリーン購入に取り組みます。」
「環境活動レポートの発行など環境コミュニケーションに取り組みます。」
「この方針は、社内外に公表し、特に従業員への周知徹底を図ります。」
同社では、今後とも増加が予想される産廃物の排出に対してリサイクル化による資源の再 利用、安心•安全な産廃物処理を経営方針に定め、持続可能な社会の実現を目指している。
(2)社会面における対応
〈水(入手可能性)に関して取り組んでいる項目、課題等〉
インパクトレーダーにおいて、「水(入手可能性)」が標準値として発現したが、同社は事業遂行において安心•安全な水の運搬、提供等を行う業種ではないことから、「水(入手可能性)」に与える影響は限定的である。
〈健康•衛生に関して取り組んでいる項目、課題等〉
同社では、安全運行の観点からドライバー5 名に対して定期健康診断を実施しているが、重大事故につながる可能性のある症状等の診断結果報告は現状ではない。定期健康診断の実施は、交通事故発生の防止にも寄与しており、バックミラー破損、バンパー擦り傷等の軽微な物損事故は年間 10 件程度発生するものの、人身事故等の重大事故は過去 10 年間
において発生はない。一方で幹部職員である部長職 2 名と事務員 4 名に対する定期健康診断は未実施であったことから、本件を機に従業員の健康維持に対する取り組みを強化する必要性を確認した。
〈教育に関して取り組んでいる項目、課題等〉
インパクトレーダーにおいて、「教育」は標準値として発現していないが、同社はドライバーに対して牽引免許1の取得支援に取り組んでいる。同社のドライバー5 名は全員大型車免許を保有しているが、牽引免許の保有者は 4 名となっている。牽引免許取得により、牽引トレーラー1 台で大型車両 2 台分の運搬が可能となるため、運搬効率向上及び CO2 削減を目指す同社の環境経営を実践していく上でも、ドライバー全員が牽引免許を取得することについて同社として支援する方向性を確認し、新たに雇用するドライバーについても牽引免許の取得を支援する方向性を確認した。
フルトレーラーアームロール車
アームロール12t車
(出典:同社ホームページ)
〈雇用に関して取り組んでいる項目、課題等〉
従業員 14 名の内、みなし残業制度2を取り入れている従業員を除く 4 名の 2021 年度の
合計残業時間は 160 時間/月であり、1人当たり平均残業時間は 40 時間/月となっている。現状の従業員離職率が 13%であることも踏まえ、ワークライフバランスの推進を図り、時間外労働削減による働きやすい職場づくりを目指し、役員•管理者等が従業員の勤務状況等を把握し、面談等により離職率低下につなげていく必要性を確認した。
〈エネルギーに関して取り組んでいる項目、課題等〉
インパクトレーダーにおいて、「エネルギー」が標準値として発現したが、同社は事業遂行においてエネルギーの提供等を行う業種ではないことから、「エネルギー」に与える影響は限定的である。
1牽引免許とは、大型自動車、中型自動車、準中型自動車、普通自動車、大型特殊自動車のいず
れかで、自走しない状態の車両総重量が750 ㎏を超える他の車を牽引する際に必要となる免許。
2みなし残業制度とは、固定残業ともいわれ、企業が一定期間の残業を想定し、あらかじめ月給
に残業代を固定で記載し、残業時間を計算しなくても固定分の残業代を支払う制度。
(3)社会面•経済面における対応
〈雇用、包括的で健全な経済に関して取り組んでいる項目、課題等〉
従業員の状況は以下の通りである。 (単位:名)
種類 | 男性 | 女性 | 合計 |
役員 | 1 | 0 | 1 |
管理者 | 2 | 0 | 2 |
一般 | 5 | 7 | 12 |
(内、ドライバー) | 5 | 0 | 5 |
(内、事務員) | 0 | 7 | 4 |
合計 | 8 | 7 | 15 |
男女比率 | 53% | 47% | 100% |
同社の女性管理者は現状いない状況となっている。今後は、女性管理者の登用により、管理者としての女性の視点から女性従業員の労働環境を見直し、その結果改善が期待でき、また女性従業員の管理者へのモチベーションアップにもつながるものと考え、ダイバーシティ推進の観点からも女性管理者の登用の必要性を確認した。
(4)環境面における対応
〈水(質)に関して取り組んでいる項目、課題等〉
インパクトレーダーにおいて、「水(質)」が標準値として発現したが、同社は事業遂行において水、排水を大量に使用する業種でなく、水の浄化の再生事業等も行っていないことから、「水(質)」に与える影響は限定的である。
〈大気に関して取り組んでいる項目、課題等〉
同社は、産廃物の収集運搬が主業種であり、運搬に使用するトレーラー等の車両は全て「自動車 NOx•PM 法」3適合車両を導入済みであり、ネガティブ•インパクトに対する軽減が十分なされている。今後、車両更新時においても同法適合車両を導入する方向性を確認した。
〈土壌、生物多様性と生態系サービスに関して取り組んでいる項目、課題等〉
同社は、産廃物の収集運搬が主業種であり、有機堆肥等の土壌改良等は行っていない。また建設残土の処分、処理場建設等の土地開発等も行っておらず、産廃物の処理等による土壌汚染等の懸念も低く、「土壌」及び「生物多様性と生態系サービス」に与える影響は限定的である。
3自動車 NOx•PM 法の正式名称は、「自動車から排出される窒素酸化物および粒子状物質の特定地域における総量の削減等に関する特別措置法」である。窒素酸化物(NOx)を抑制することを目的に関東圏及び関西圏を対象に制定された「自動車 NOx法」に、新たに粒子状物質(PM)の抑制も含め中部圏も追加して 2001 年に制定された。
〈資源効率•安全性に関して取り組んでいる項目、課題等〉
同社は、産廃物の収集において、その処理方法の検討により、産廃物のリサイクル可能または不可能を判別している。現状において、収集した産廃物のリサイクル率は 8%であるが、廃棄物の減量化とリサイクル問題は産業界が取り組むべき重要課題として認識されており、循環型社会の実現が要請される状況下で、更にリサイクル率を高める必要性を確認した。
同社は、事務用品•備品等の新規購入品については、エコマーク4等の表示品としており、資源効率の向上に取り組んでいる。同社の 2021 年度のグリーン購入率5は 31%であり、今後もリサイクル商品や詰め替え商品の購入により、無駄な購入•消費を徹底して排除する方向性を確認した。
同社の 2021 年度のガソリン使用量は 2,522ℓ、軽油使用量は 538,714ℓであるが、収集運搬の過程において、エコドライブの推進、効率的な運行ルートの策定に取り組んでおり、更に「積替え保管あり」の許可を取得することで運搬効率の向上が図られることによって、燃料消費の抑制に努めている。毎年、新たに開通する道路があることから各車両に備えている運行ルールを適宜見直すことで、ガソリン•軽油使用量の削減に努めていく必要性を確認した。
〈気候に関して取り組んでいる項目、課題等〉
同社の 2021 年度の CO2 排出量は 1,406,029kg であり、エコドライブ、効率的運行及び「積替え保管あり」の許可の取得に伴う運搬効率の向上により CO2排出量を削減していく方向性を確認した。
事務所で使用する照明機器について LED 化は行っておらず、現状では蛍光灯を使用している。同社の 2021 年度の電気使用量は 8,579kWh であり、電気使用の抑制は CO2 削減にも寄与する取り組みであることから、LED 化及び電気使用量削減の必要性を確認した。 営業用社用車を 3 台保有しているが、省エネルギー車は未対応となっている。省エネルギー車とすることで、燃料消費抑制により CO2 削減にも寄与することから、省エネルギー車を導入する必要性を確認した。
〈廃棄物に関して取り組んでいる項目、課題等〉
同社は電子マニフェストの導入による法令遵守の徹底と紙マニフェストの削減に取り組んでおり、紙マニフェスト発行先から電子マニフェスト発行先へ切り替えていく方向性を確認した。
また同社の 2021 年度の事業所で発生する廃棄物量は 107kg であり、廃棄物排出量を削減する方向性を確認した。
4エコマークとは、生産から廃棄にわたる過程の中で環境への負荷が少なく、環境保全に役立つ
と認められた商品、サービスにつけられる環境ラベル。
5グリーン購入とは、製品やサービスを購入する前に必要性を熟考し、環境負荷ができるだけ小
さい物を優先して購入すること。
(5)経済面における対応
〈経済収束に関して取り組んでいる項目、課題等〉
同社は、産業廃棄物収集運搬業者として社会的地位向上に取り組んでいる。当業界を主管する環境省は「優良産廃処理業者認定制度」を定めており、「遵法性」•「事業の透明性」•
「環境配慮の取組」•「電子マニフェスト」•「財務体質の健全性」の 5 つを認定基準としている。認定を受けた企業は、優良認定業者として、対外的にアピールできる他、産業廃棄物収集運搬業の許可の有効期間が 5 年から 7 年に延長され、また認可申請時に提出す
る添付書類の一部省略が可能となる等、優遇を受けることが可能となる。同社は現在 10県で優良認定業者になっているため、全都道府県で優良認定業者になることで、毎年新規顧客 5 先以上の獲得を目指すことにより、社会的地位向上と企業価値向上を高める方向性を確認した。
産廃物の運搬量によっては、協力企業と連携してトレーラー台数を確保することで、運搬の効率化•迅速化を図っている。今後は産業廃棄物収集運搬業「積替え保管あり」の許可を取得することで、これまで依頼を断っていた少量の産廃物が保管施設で受け入れ可能となるため、協力企業を現状の 51 社から 60 社以上に増やすことで積替え保管施設の稼働
率向上を目指す方向性を確認した。
6.インパクトの特定
(1)インパクトの特定分析
UNEP FI のインパクトレーダーにおける標準値を基に、前記の分析を踏まえ、下記のプレ審査シートにて個社別の状況を考慮して、インパクトと KPI 設定対象を特定した。
(2)インパクト特定
ⅰ産業廃棄物収集運搬事業のインパクトの特定
インパクトレーダーの標準値として発現した項目に、包括的分析を行い、サステナビリティ経営体制において分析した結果、ポジティブでは「教育」「経済収束」を追加し、「水
(入手可能性)」「健康•衛生」「水(質)」「土壌」「生物多様性と生態系サービス」
「資源効率•安全性」「廃棄物」を削除し、ネガティブでは「健康•衛生」を追加し、「水
(質)」「大気」「土壌」を削除してインパクトを特定した。追加理由
「教育」ドライバーの運転可能車両の種類増加が図られ、運搬効率の向上に寄与
「経済収束」同社の社会的地位向上と新規事業による協力企業の拡大
「健康•衛生」従業員の健康管理と事故削減の徹底削除理由
「水(入手可能性)」安心•安全な水の提供•配送を行っていない
「健康•衛生」健康•衛生に資する事業は行っていない
「水(質)」水の浄水、循環に関する事業は行っていない
「大気」運搬する車両は全て「自動車 NOx•PM 法」適合車となっている
「土壌」土壌改良、土地開発、土壌汚染等は発生しない
「生物多様性と生態系サービス」生物•生態系に影響を与える事業は行っていない
「資源効率•安全性」「廃棄物」当該インパクトにおいてポジティブとまではいえない特定したインパクト
ポジティブ:「教育」「雇用」「包括的で健全な経済」「経済収束」
ネガティブ:「健康•衛生」「雇用」「資源効率•安全性」「気候」「廃棄物」
ⅱ一般廃棄物収集運搬事業のインパクトの特定
インパクトレーダーの標準値として発現した項目に、包括的分析を行い、サステナビリティ経営体制において分析した結果、ポジティブでは「教育」「経済収束」を追加し、「水
(入手可能性)」「健康•衛生」「エネルギー」「水(質)」「土壌」「生物多様性と生態系サービス」「資源効率•安全性」「廃棄物」を削除し、ネガティブでは「水(質)」
「大気」「土壌」「生物多様性と生態系サービス」を削除してインパクトを特定した。追加理由
「教育」:ドライバーの運転可能車両の種類増加が図られ、運搬効率の向上に寄与
「経済収束」:同社の社会的地位向上と新規事業による協力企業の拡大削除理由
「水(入手可能性)」:安心•安全な水の提供•配送を行っていない
「健康•衛生」:健康•衛生に資する事業は行っていない
「エネルギー」:エネルギーの提供等は行っていない
「水(質)」:水の浄水、循環に関する事業は行っていない
「大気」:運搬する車両は全て「自動車 NOx•PM 法」適合車となっている
「土壌」:土壌改良、土地開発、土壌汚染等は発生しない
「生物多様性と生態系サービス」:生物•生態系に影響を与える事業は行っていない
「資源効率•安全性」「廃棄物」当該インパクトにおいてポジティブとまではいえない特定したインパクト
ポジティブ:「教育」「雇用」「包括的で健全な経済」「経済収束」
ネガティブ:「健康•衛生」「雇用」「資源効率•安全性」「気候」「廃棄物」
(3)インパクトレーダーにおけるマッピング
特定したインパクトをもとにインパクトレーダーで発現したインパクト•マップは以下の通りとなる。
7.KPI の決定
(1)ポジティブなインパクトの成果が期待できる事項
ⅰ社会面
テーマ | ドライバーの牽引免許取得による運搬効率の向上 |
インパクトレーダー | 教育 |
取組内容 | 牽引免許の取得支援 |
SDGs との関連性 | 4.4:2030 年までに、技術的•職業的スキルなど、雇用、働きがいのある人間らしい仕事及び企業に必要な技能を備えた若者と成人の割合を大幅に増加させる。 |
KPI | 2028 年までにドライバー全員が牽引免許を取得する 2025 年までに牽引免許取得費用制度を制定し、新たに雇用するドライバーについても取得支援を実施する |
ⅱ社会面•経済面
テーマ | ダイバーシティ推進 |
インパクトレーダー | 雇用、包括的で健全な経済 |
取組内容 | 女性管理者の登用 |
SDGs との関連性 | 5.5:政治、経済、公共分野でのあらゆるレベルの意思決定において、完全かつ効果的な女性の参画及び平等なリーダーシップの機会を確保する。 |
KPI | 2028 年までに女性管理者を 1 名以上登用する |
ⅲ経済面
テーマ | 社会的地位向上と事業規模拡大 サプライチェーンの拡大 |
インパクトレーダー | 経済収束 |
取組内容 | 優良認定事業者として事業拡大 協力企業の拡大 |
SDGs との関連性 | 9.1:全ての人々に安価でxxなアクセスに重点を置いた経済発展と人間の福祉を支援するために、地域•越境インフラを含む質の高い、信頼でき、持続可能かつ強靱(レジリエント)なインフラを開発する。 |
KPI | 2028 年までに優良認定事業者の認定を受け、新規顧客を年 間 5 先以上獲得する 2028 年までに協力企業数を 60 社以上とする |
(2)ネガティブなインパクトの低減が必要となる事項
ⅰ社会面
テーマ | 従業員の健康安全性の確保 |
インパクトレーダー | 健康•衛生 |
取組内容 | 健康診断•人間ドックの実施 事故発生の抑制 |
SDGs との関連性 | 3.4:2030 年までに、非感染性疾患による若年死亡率を、予防や治療を通じて3分の1減少させ、精神保健及び福祉を促進する。 |
KPI | 2028 年までに全従業員に対し健康診断を実施し、幹部社員に対し人間ドックを実施する 2028 年までに、運行ルールを定め、運行マニュアルに基づく安全教育を実施することにより、重大事故ゼロを継続し、軽 微な事故発生を 2021 年度比 20%以上削減する |
テーマ | ワークライフバランスの推進 |
インパクトレーダー | 雇用 |
取組内容 | 離職率の改善 残業時間の削減 |
SDGs との関連性 | 8.5:2030 年までに、若者や障害者を含むすべての男性及び女性の、完全かつ生産的な雇用及び働きがいのある人間らしい仕事、ならびに同一価値の労働についての同一賃金を達成する。 |
KPI | 2028 年までに離職率を 10%以下とする 2028 年までに残業時間を 2021 年度比 15%以上削減する |
ⅱ環境面
テーマ | 資源の有効活用 |
インパクトレーダー | 資源効率•安全性 |
取組内容 | グリーン購入率の増加 ガソリン•軽油使用量の削減 |
SDGs との関連性 | 12.2:2030 年までに天然資源の持続可能な管理及び効率的な利用を達成する。 12.5:2030 年までに、廃棄物の発生防止、削減、再生利用及び再利用により、廃棄物の発生を大幅に削減する。 |
KPI | 2028 年度までにグリーン購入率を 35%以上とする 2028 年度までにガソリン使用量、軽油使用量をそれぞれ 2021 年度比 5%以上削減する |
テーマ | 廃棄物の再資源化 |
インパクトレーダー | 資源効率•安全性、廃棄物 |
取組内容 | 廃棄物のリサイクル率向上 |
SDGs との関連性 | 12.5:2030 年までに、廃棄物の発生防止、削減、再生利用及び再利用により、廃棄物の発生を大幅に削減する。 |
KPI | 2028 年までに産業廃棄物のリサイクル率を 15%以上とす る |
テーマ | 二酸化炭素の排出抑制 |
インパクトレーダー | 気候 |
取組内容 | CO2排出量削減電気使用量の削減 照明設備の LED 化 省エネルギー車対応 |
SDGs との関連性 | 13.3:気候変動の緩和、適応、影響軽減及び早期警戒に関する教育、啓発、人的能力及び制度機能を改善する。 |
KPI | 2028 年までに CO2排出量を 2021 年度比5%以上削減する 2028 年までに電気使用量を年間 8,400kWh 以下とする 2028 年までに事務所の照明機器を全て LED 化する 2028 年までに社用車を全て省エネルギー車とする |
テーマ | 廃棄物の削減 |
インパクトレーダー | 廃棄物 |
取組内容 | 紙マニフェストの削減 廃棄物の削減 |
SDGs との関連性 | 12.5:2030 年までに、廃棄物の発生防止、削減、再生利用及び再利用により、廃棄物の発生を大幅に削減する。 |
KPI | 2028 年までに紙マニフェスト対応先 5 先以上を電子マニフェスト対応とし、紙マニフェストを削減する 2028 年までに事務所で発生する廃棄物を年間 100kg 以下 とする |
(3)地域において認識される社会的課題•環境問題への貢献
•同社の取り組みにより、社会面•環境面及び経済面において以下の貢献が見込まれる。
•社会面においては、会社として従業員の健康管理を積極的に行うことにより、肉体面のみならず精神面においての安定性が確保され、ひいては事故発生の抑止にもつながるものと考えられる。また従業員の免許取得支援により、従業員の業務取り扱いの範囲拡大が見込まれ、結果として同社の企業価値向上に資することが想定される。ワークライフバランスの推進を掲げ、残業の削減を図り余暇の拡充につなげ、働きやすい環境づくりを行い、離職率低減に努める。
•環境面においては、エコドライブ、効率的運行を行い、産廃物の「積替え保管あり」の許可の取得に伴う運搬効率の向上により更なるガソリン•軽油の使用量削減に努めている。事務所の LED 化等を含め電気使用量の削減に努め、社用車を省エネルギー車とすることで、CO2 排出量の抑制を図り、気候温暖化の抑制に資する。
•経済面においては、女性の登用を図ることでダイバーシティ経営を推進する。また同社として優良認定を受けることで同社の社会的地位向上を目指し、サプライチェーンを構成する協力企業の連携を拡大し、同社の企業価値向上に資する活動となる。
8.モニタリング
(1)モニタリング体制
同社では、本 PIF の組成にあたり横断的なプロジェクトチームを組成した。統括責任者をxx社長、プロジェクトリーダーをxx総務部長とし、プロジェクトチームを総務部内に組成した。同社の企業理念、環境方針を基に、事業実績、企業活動等の棚卸しを行い、本 PIF のインパクトの特定及び目標と KPI の策定を行った。
本 PIF の実行後においては、決定したインパクトの内容や KPI を営業会議•朝礼等で社員へ周知し、関連するサプライチェーンへも通達し、達成に向けた連携を図り、プロジ
ェクトチームを中心に同社全体で KPI の達成に向けた推進体制を構築していく。
統括責任者
代表取締役社長
プロジェクトリーダー
xx xx x
総務部長 環境管理責任者 xx xx x
プロジェクトチーム総務部
(2)モニタリングの頻度と方法
本 PIF で設定した KPI 及び進捗状況については、同社と清水銀行及び当社の担当者が定期的な場を設け、共有する。会合は少なくとも年に 1 回は実施するほか、日頃の情報交換や営業活動の場等を通じて実施する。
本評価に関する説明
1.本評価書は、xx地域経済研究センターが、xx銀行から委託を受けて実施したもので、xx地域経済研究センターがxx銀行に対して提出するものです。
2.xx地域経済研究センターは、依頼者であるxx銀行及びxx銀行がポジティブ•インパクト•ファイナンスを実行するティプロから供与された情報やティプロへのインタビュー等で収集した情報に基づいて、現時点での状況を評価したものであり、将来における実現可能性、ポジティブな成果•見通し等を保証するものではありません。
3.xx地域経済研究センターが本評価に用いた情報は、信頼できるものと判断したものではあるものの、その正確性等について独自に検証しているわけではありません。xx地域経済研究センターはこれらの情報の正確性、適時性、完全性、適合性その他一切の事項について、何ら表明または保証するものではありません。
4.本評価は、国連環境計画金融イニシアティブ(UNEP FI)が提唱した PIF 原則及び PIF 実施ガイド、ESG 金融ハイレベル•パネルにおいてポジティブインパクトファイナンスタスク
フォースがまとめた「インパクトファイナンスの基本的考え方」に則って行っております。
〈評価書作成者〉
x000-0000
xxxxxxxxxx 0 x 0 x
株式会社xx地域経済研究センター取締役 xx x
Tel 000-000-0000、Fax 000-000-0000
第三者意見書
2023 年 1 月 30 日株式会社 日本格付研究所
評価対象: 株式会社ティプロに対するポジティブ・インパクト・ファイナンス |
貸付人:株式会社xx銀行 |
評価者:株式会社xx地域経済研究センター |
第三者意見提供者:株式会社日本格付研究所(JCR) |
結論:
本ファイナンスは、国連環境計画金融イニシアティブの策定したポジティブ・インパクト・ファイナンス原則に適合している。
また、環境省のESG 金融ハイレベル・パネル設置要綱第 2 項(4)に基づき設置さ
れたポジティブインパクトファイナンスタスクフォースがまとめた「インパクトファイナンスの基本的考え方」と整合的である。
I. JCR の確認事項と留意点
JCR は、xx銀行が株式会社ティプロ(「ティプロ」)に対して実施する中小企業向けのポジティブ・インパクト・ファイナンス(PIF)について、株式会社xx地域経済研究センターによる分析・評価を参照し、国連環境計画金融イニシアティブ(UNEP FI)の策定した PIF 原則に適合していること、および、環境省の ESG 金融ハイレベル・パネル設置要綱第 2 項(4)に基づき設置されたポジティブインパクトファイナンスタスクフォースがまとめた「インパクトファイナンスの基本的考え方」と整合的であることを確認した。
PIF とは、SDGs の目標達成に向けた企業活動を、金融機関が審査・評価することを通じて促進し、以て持続可能な社会の実現に貢献することを狙いとして、当該企業活動が与えるポジティブなインパクトを特定・評価の上、融資等を実行し、モニタリングする運営のことをいう。
PIF 原則は、4 つの原則からなる。すなわち、第 1 原則は、SDGs に資する三つの柱(環境・社会・経済)に対してポジティブな成果を確認できるかまたはネガティブな影響を特定し対処していること、第 2 原則は、PIF 実施に際し、十分なプロセス、手法、評価ツールを含む評価フレームワークを作成すること、第 3 原則は、ポジティブ・インパクトを測るプロジェクト等の詳細、評価・モニタリングプロセス、ポジティブ・インパクトについての透明性を確保すること、第 4 原則は、PIF 商品が内部組織または第三者によって評価されていることである。
UNEP FI は、ポジティブ・インパクト・ファイナンス・イニシアティブ(PIF イニシアティブ)を組成し、PIF 推進のためのモデル・フレームワーク、インパクト・レーダー、インパクト分析ツールを開発した。xx銀行は、中小企業向けの PIF の実施体制整備に際し、xx地域経済研究センターと共同でこれらのツールを参照した分析・評価方法とツールを開発している。ただし、PIF イニシアティブが作成したインパクト分析ツールのいくつかのステップは、国内外で大きなマーケットシェアを有し、インパクトが相対的に大きい大企業を想定した分析・評価項目として設定されている。JCR は、PIF イニシアティブ事務局と協議しながら、中小企業の包括分析・評価においては省略すべき事項を特定し、xx銀行及びxx地域経済研究センターにそれを提示している。なお、xx銀行は、本ファイナンス実施に際し、中小企業の定義を、PIF 原則等で参照している IFC(国際金融公社)の定義に加え、中小企業基本法の定義する中小企業、会社法の定義する大会社以外の企業としている。 JCR は、中小企業のインパクト評価に際しては、以下の特性を考慮したうえでPIF 原則
との適合性を確認した。
① SDGs の三要素のうちの経済、PIF 原則で参照するインパクト領域における「包括的で健全な経済」、「経済収れん」の観点からポジティブな成果が期待できる事業主体である。ソーシャルボンドのプロジェクト分類では、雇用創出や雇用の維持を目的とし
た中小企業向けファイナンスそのものが社会的便益を有すると定義されている。
② 日本における企業数では全体の 99.7%を占めるにもかかわらず、付加価値額では 52.9%にとどまることからもわかるとおり、個別の中小企業のインパクトの発現の仕方や影響度は、その事業規模に従い、大企業ほど大きくはない。1
③ サステナビリティ実施体制や開示の度合いも、上場企業ほどの開示義務を有していないことなどから、大企業に比して未整備である。
II. PIF 原則への適合に係る意見
PIF 原則 1
SDGs に資する三つの柱(環境・社会・経済)に対してポジティブな成果を確認できるかまたはネガティブな影響を特定し対処していること。
SDGs に係る包括的な審査によって、PIF は SDGs に対するファイナンスが抱えている諸問題に直接対応している。
xx銀行及びxx地域経済研究センターは、本ファイナンスを通じ、ティプロの持ちうるインパクトを、UNEP FI の定めるインパクト領域および SDGs の 169 ターゲットについて包括的な分析を行った。
この結果、ティプロがポジティブな成果を発現するインパクト領域を有し、ネガティブな影響を特定しその低減に努めていることを確認している。
SDGs に対する貢献内容も明らかとなっている。
PIF 原則 2
PIF を実行するため、事業主体(銀行・投資家等)には、投融資先の事業活動・プロジェクト・プログラム・事業主体のポジティブ・インパクトを特定しモニターするための、十分なプロセス・方法・ツールが必要である。
JCR は、xx銀行がPIF を実施するために適切な実施体制とプロセス、評価方法及び評価ツールを確立したことを確認した。
(1) xx銀行は、本ファイナンス実施に際し、以下の実施体制を確立した。
1 経済センサス活動調査(2016 年)。中小企業の定義は、中小企業基本法上の定義。業種によって異なり、製造業は資本金 3 億円以下または従業員 300 人以下、サービス業は資本金 5 千万円以下または従業員 100 人以下などだ。小規模事業者は製造業の場合、従業員 20 人以下の企業をさす。
(出所:xx銀行提供資料)
(2) 実施プロセスについて、xx銀行では社内規程を整備している。
(3) インパクト分析・評価の方法とツール開発について、xx銀行からの委託を受けて、xx地域経済研究センターが分析方法及び分析ツールを、UNEP FI が定めた PIF モデル・フレームワーク、インパクト分析ツールを参考に確立している。
PIF 原則 3 透明性
PIF を提供する事業主体は、以下について透明性の確保と情報開示をすべきである。
・本PIF を通じて借入人が意図するポジティブ・インパクト
・インパクトの適格性の決定、モニター、検証するためのプロセス
・借入人による資金調達後のインパクトレポーティング
PIF 原則 3 で求められる情報は、全てxx地域経済研究センターが作成した評価書を通して銀行及び一般に開示される予定であることを確認した。
PIF 原則 4 評価
事業主体(銀行・投資家等)の提供する PIF は、実現するインパクトに基づいて内部の専門性を有した機関または外部の評価機関によって評価されていること。
本ファイナンスでは、xx地域経済研究センターが、JCR の協力を得て、インパクトの包括分析、特定、評価を行った。JCR は、本ファイナンスにおけるポジティブ・ネガティブ両側面のインパクトが適切に特定され、評価されていることを第三者として確認した。
III. 「インパクトファイナンスの基本的考え方」との整合に係る意見
インパクトファイナンスの基本的考え方は、インパクトファイナンスを ESG 金融の発展形として環境・社会・経済へのインパクトを追求するものと位置づけ、大規模な民間資金を巻き込みインパクトファイナンスを主流化することを目的としている。当該目的のため、国内外で発展している様々な投融資におけるインパクトファイナンスの考え方を参照しながら、基本的な考え方をとりまとめているものであり、インパクトファイナンスに係る原則・ガイドライン・規制等ではないため、JCR は本基本的考え方に対する適合性の確認は行わない。ただし、国内でインパクトファイナンスを主流化するための環境省及びESG 金融ハイレベル・パネルの重要なメッセージとして、本ファイナンス実施に際しては本基本的考え方に整合的であるか否かを確認することとした。
本基本的考え方におけるインパクトファイナンスは、以下の 4 要素を満たすものとして
定義されている。本ファイナンスは、以下の 4 要素と基本的には整合している。ただし、要素③について、モニタリング結果は基本的には借入人であるティプロから貸付人であるxx銀行及び評価者であるxx地域経済研究センターに対して開示がなされることとし、可能な範囲で対外公表も検討していくこととしている。
要素① 投融資時に、環境、社会、経済のいずれの側面においても重大なネガティブインパクトを適切に緩和・管理することを前提に、少なくとも一つの側面においてポジティブなインパクトを生み出す意図を持つもの
要素② インパクトの評価及びモニタリングを行うもの
要素③ インパクトの評価結果及びモニタリング結果の情報開示を行うもの
要素④ 中長期的な視点に基づき、個々の金融機関/投資家にとって適切なリスク・リターンを確保しようとするもの
また、本ファイナンスの評価・モニタリングのプロセスは、本基本的考え方で示された評価・モニタリングフローと同等のものを想定しており、特に、企業の多様なインパクトを包括的に把握するものと整合的である。
IV. 結論
以上の確認より、本ファイナンスは、国連環境計画金融イニシアティブの策定したポジティブ・インパクト・ファイナンス原則に適合している。
また、環境省の ESG 金融ハイレベル・パネル設置要綱第 2 項(4)に基づき設置されたポジティブインパクトファイナンスタスクフォースがまとめた「インパクトファイナンスの基本的考え方」と整合的である。
(第三者意見責任者) 株式会社日本格付研究所
サステナブル・ファイナンス評価部長
xx xx
担当xxアナリスト 担当アナリスト
xx xx xx xxx
本第三者意見に関する重要な説明
1. JCR 第三者意見の前提・意義・限界
日本格付研究所(JCR)が提供する第三者意見は、事業主体及び調達主体の、国連環境計画金融イニシアティブの策定したポジティブ・インパクト金融(PIF)原則への適合性及び環境省 ESG 金融ハイレベル・パネル内に設置されたポジティブインパクトファイナンスタスクフォースがまとめた「インパクトファイナンスの基本的考え方」への整合性に関する、JCR の現時点での総合的な意見の表明であり、当該ポジティブ・インパクト金融がもたらすポジティブなインパクトの程度を完全に表示しているものではありません。
本第三者意見は、依頼者である調達主体及び事業主体から供与された情報及び JCR が独自に収集した情報に基づく現時点での計画又は状況に対する意見の表明であり、将来におけるポジティブな成果を保証するものではありません。また、本第三者意見は、PIF によるポジティブな効果を定量的に証明するものではなく、その効果について責任を負うものではありません。本事業により調達される資金が同社の設定するインパクト指標の達成度について、JCR は調達主体または調達主体の依頼する第三者によって定量的・定性的に測定されていることを確認しますが、原則としてこれを直接測定することはありません。
2. 本第三者意見を作成するうえで参照した国際的なイニシアティブ、原則等
本意見作成にあたり、JCR は、以下の原則等を参照しています。
国連環境計画 金融イニシアティブ ポジティブ・インパクト金融原則
環境省 ESG 金融ハイレベル・パネル内ポジティブインパクトファイナンスタスクフォース
「インパクトファイナンスの基本的考え方」
3. 信用格付業にかかる行為との関係
本第三者意見を提供する行為は、JCR が関連業務として行うものであり、信用格付業にかかる行為とは異なります。
4. 信用格付との関係
本件評価は信用格付とは異なり、また、あらかじめ定められた信用格付を提供し、または閲覧に供することを約束するものではありません。
5. JCR の第三者性
本 PIF の事業主体または調達主体と JCR との間に、利益相反を生じる可能性のある資本関係、人的関係等はありません。
■留意事項
本文書に記載された情報は、JCR が、事業主体または調達主体及び正確で信頼すべき情報源から入手したものです。ただし、当該情報には、人為的、機械的、またはその他の事由による誤りが存在する可能性があります。したがって、JCR は、明示的であると黙示的であるとを問わず、当該情報の正確性、結果、的確性、適時性、完全性、市場性、特定の目的への適合性について、一切表明保証するものではなく、また、JCR は、当該情報の誤り、遺漏、または当該情報を使用した結果について、一切責任を負いません。JCRは、いかなる状況においても、当該情報のあらゆる使用から生じうる、機会損失、金銭的損失を含むあらゆる種類の、特別損害、間接損害、付随的損害、派生的損害について、契約責任、不法行為責任、無過失責任その他責任原因のいかんを問わず、また、当該損害が予見可能であると予見不可能であるとを問わず、一切責任を負いません。本第三者意見は、評価の対象であるポジティブ・インパクト・ファイナンスにかかる各種のリスク(信用リスク、価格変動リスク、市場流動性リスク、価格変動リスク等)について、何ら意見を表明するものではありません。また、本第三者意見は JCR の現時点での総合的な意見の表明であって、事実の表明ではなく、リスクの判断や個別の債券、コマーシャルペーパー等の購入、売却、保有の意思決定に関して何らの推奨をするものでもありません。本第三者意見は、情報の変更、情報の不足その他の事由により変更、中断、または撤回されることがあります。本文書に係る一切の権利は、JCR が保有しています。本文書の一部または全部を問わず、JCR に無断で複製、翻案、改変等をすることは禁じられています。
■用語解説
第三者意見:本レポートは、依頼人の求めに応じ、独立・中立・xxな立場から、銀行等が作成したポジティブ・インパクト・ファイナンス評価書の国連環境計画金融イニシアティブのポジティブ・インパクト金融原則への適合性について第三者意見を述べたものです。
事業主体:ポジティブ・インパクト・ファイナンスを実施する金融機関をいいます。
調達主体:ポジティブ・インパクト・ビジネスのためにポジティブ・インパクト・ファイナンスによって借入を行う事業会社等をいいます。
■サステナブル・ファイナンスの外部評価者としての登録状況等
・国連環境計画 金融イニシアティブ ポジティブインパクト作業部会メンバー
・環境省 グリーンボンド外部レビュー者登録
・ICMA (国際資本市場協会に外部評価者としてオブザーバー登録) ソーシャルボンド原則作業部会メンバー
・Climate Bonds Initiative Approved Verifier (気候変動イニシアティブ認定検証機関)
■本件に関するお問い合わせ先
情報サービス部 TEL:00-0000-0000 FAX:00-0000-0000