Contract
【在籍型出向に必要な労務管理等について】
令和4年1月26日(水)
社会保険労務士・採用定着士®xx xxx
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労働者派遣とは
派遣元のみ雇用契約が成立します
派遣元
派遣先
雇用関係
労働者
指揮命令関係
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在籍型出向とは
出向元と出向先の両方に雇用契約が成立する契約です
在籍出向とは、使用者(出向元)との労働契約に基づく社員としての身分を有したまま、別の会社(出向先)に赴き、出向先の指揮命令のもとに労務を提供するものです。
在籍出向の場合、出向元と出向先の両方に労働契約が発生し、二重の雇用関係が成立することになります。
出向元
出向契約
出向先
雇用関係
労働者
雇用関係
3
在籍出向の場合の就業規則の適用は?
出向元と出向先の取り決めでそれぞれが適用されます
出向元と出向先の双方に雇用関係が成立するため、
就業規則の適用についても双方の規則が適用されますが、
実務的には出向契約の中で適用される範囲を取り決めすることになります。
【適用範囲の一般例】
①出向元の就業規則を適用
⇒「解雇、退職、懲戒など」といった身分関係に関する事項
②出向先の就業規則を適用
⇒「労働時間、休日、休憩など」勤務に関する事項
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雇用保険
出向元企業と出向先企業の双方と雇用関係を持つ出向労働者は、その出向労働者が生計を維持するのに必要な
主たる賃金を受けている方の雇用関係についてのみ、雇用保険の被保険者となります。
出向先
出向元
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労働者災害補償保険
出向労働者が出向先企業の組織に組み入れられ、出向先事業主の指揮監督を受けて働く場合は、
出向元企業で支払われている賃金も出向先企業で支払われている賃金に含めて計算し、出向先企業で労働者災害補償保険を適用します
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厚生年金保険・健康保険
出向労働者は、出向元企業か出向先企業のうち、使用関係があり、報酬が支払われている企業で 厚生年金・健康保険の適用を受けます。
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出向契約の締結
出向契約では、以下の事項を定めておくことが考えられます。
・出向期間
・職務内容、職位、勤務場所
・就業時間、休憩時間
・休日、休暇
・出向負担金、通勤手当、時間外手当、その他手当の負担
・出張旅費
・社会保険・労働保険
・福利厚生の取扱い
・勤務状況の報告
・人事考課
・守秘義務
・損害の賠償
・途中解約
・その他(特記事項)
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勤務場所
県外に出向した場合、帰省の補償を決めておく必要があります。
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休日・休暇
【休日】
出向元が1年単位変形労働時間制を導入し、休日が違う場合は、
休日労働の割増賃金についても話し合う必要があります。
【年次有給休暇】
出向元の年次有給休暇日数は、そのまま継続されるという考え方が原則となります。
その年次有給休暇の賃金の支払いをどちらがするのかも話し合う必要があります。
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変形労働時間制の概要
対象 | 労働時間 | 手続 | |
1ヶ月単位変形労働時間制 〔法32条の2〕 | 1ヶ月以内の期間を平均して、法定労働時間を超えない範囲で、特定の日・週で法定労働時間を超えて労働させることができる制度。 | 1ヶ月以内の期間・期間内の総労働時間を定め、その枠内で働く。 | 対象期間における各日・週の労働時間等を定めた労使協定または就業規則による。 (労使協定の場合は労基署へ届出が必要) |
1年単位変形労働時間制 〔法32条の4〕 | 1ヶ月を超え、1年以内の期間を平均して、法定労 働時間を超えない範囲で、特定の日・週で法定労働時間を超えて労働させる ことができる制度。 | 1ヶ月を超え、1年以内の期間・期間内の総労働時間を定め、その枠内で働く。 | 対象期間における労働日、労働日ごとの労働時間数等を定めた労使協定による。 (労使協定は労基署へ届出が必要) |
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変形労働時間制のイメージ
通常の週40時間制
時間外労働
(36協定)
週40時間
4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 | 1月 | 2月 | 3月 |
閑散期 | 繁忙期 | 閑散期 | 繁忙期 |
変形労働時間制の場合
同じ面積
同じ面積
閑散期
繁忙期
閑散期
繁忙期
3月
2月
1月
1ヶ月の所定労働時
間が増加
12月
11月
10月
9月
8月
7月
1ヶ月の所定労働時間が増加
6月
5月
4月
削減
削減
上乗せ
上乗せ
時間外労働
(36協定)
週平均
40時間
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「労働基準法」割増賃金
法定労働時間を超えた労働が
60時間を超えた場合は更に割増が必要(※)です
2023年4月から中小企業も対象です!
当該延長して労働させた時間が1箇月について 60時間を超えた場合においては、その超えた時間の労働については、通常の労働時間の賃金の計算額の5割以上の率で計算した割増賃金を支払わなければならない。
(労働基準法第37条(抜粋))
※ 労使協定を締結すれば、割増賃金の支払に代えて、有給の代替休暇を与えることも可能です。(労働基準法第37条第3項)
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社会保険・労働保険・損賠賠償
(社会保険等)
第6条 丙にかかる出向期間中の雇用保険は甲(出向元)において引き続き適用し、労働者災害補償保険は、乙(出向先)が乙の負担において加入する。
2 丙が乙において業務上または乙への通勤途上負傷し、疾病にかかりまたは
死亡した場合には、乙は乙の規定により補償する。
(社会保険等)
第6x xにかかる出向期間中の健康保険、厚生年金保険、
介護保険及び雇用保険は甲において引き続き適用し、
労働者災害補償保険は、乙が乙の負担において加入する。
2 丙が乙において業務上または乙への通勤途上負傷し、疾病にかかりまたは死亡した場合には、
乙は労働者災害補償保険法に基づき補償する。
補 償
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ご清聴 ありがとうございました
社会保険労務士・採用定着士®
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