Contract
7.4-1-6(2)-10
(基本原則)
株式会社竹中道路取引基本契約約款
第 1 条 元請負人及び協力会社は、各々対等な立場において、本約款に合意し、信義を守り、誠実にこれを履行する。
(個別契約の成立)
第 2 条 個別契約は、元請負人が予め協力会社より提出された見積書を審査したうえ、協力会社に対して所定の注文書を発行し、協力会社が元請負人に対して請書を提出したときに成立する。
(書面の交付)
第 3 条 個別契約が下請代金支払遅延等防止法(以下「下請法」という。)の適用のある製造委託、修理委託、情報成果物作成委託ないし役務提供委託のいずれかの取引に該当する場合(以下「下請法適用取引」という。)には、元請負人は、協力会社に対して、直ちに協力会社の給付の内容、下請代金の額、支払期日及び支払方法その他の事項を記載した所定の書面を交付するものとする。ただし、これらの事項のうち、その内容が定められないことにつき正当な理由があるものについては、その記載を要しないものとし、この場合には、元請負人は、当該事項の内容が定められた後直ちに、当該事項を記載した書面を協力会社に交付するものとする。
(2) 元請負人は、前項の規定による書面の交付に代えて、当該書面に記載すべき事項を電磁的方法その他
の情報通信の技術を利用する方法により提供することができる。この場合において、当該元請負人は、当該書面を交付したものとみなす。但し、元請負人は、協力会社から電磁的方法を受けることができない旨及びその理由を書面により申出があった場合には、書面を交付する方法によるものとする。
(契約の履行)
第 4 条 協力会社は、本約款及び個別契約書または個別の注文書・請書に記載された諸条件に従い、元請負人の指示のもと、元請負人から提示された仕様書及び設計図(以下、まとめて「設計図書」という。)に基づき個別契約を履行する。
(2) 設計図書若しくは注文書に明示されていない事項ないし不明確な事項については、元請負人と協力会社とが協議のうえ決定する。但し、軽微な事項については、協力会社は元請負人の指示に従う。
(売買契約)
第 5 条 個別契約が売買契約である場合、売買の目的物の引渡し期日、引渡し場所は個別契約書若しくは注文書に記載したところにより、その記載がない場合は、元請負人が指示したところに従う。運賃等引渡しに必要な費用は、特別の意思表示がない限り、売主の負担とする。
(2) 売買の目的物の所有権は、買主が目的物の引渡しを受けた時点で売主から買主に移転する。
(関連工事との調整)
第 6 条 元請負人は、元請工事を円滑に完成するために、個別工事と施工上関連ある工事(以下、「関連工事」という。)との調整を図り、協力会社は元請負人の指示に従う。
(2) 協力会社は、関連工事の施工者と緊密に連絡、協調を図り、元請工事の円滑な完成に協力する。
(担保提供)
第 7 条 協力会社は、元請負人からの要求があった場合には、個別契約に基づく協力会社の債務の履行を確保するため、元請負人の承認する物件(以下「担保目的物」という。)を担保として提供する。
(2) 協力会社は、担保目的物について、元請負人から要求があった場合には、登記、登録その他元請負人の権利保全のために必要な一切の手続きに協力する。
(3) 協力会社による担保提供の後に担保目的物の価値が下落した場合、元請負人は協力会社に対して、増担保の請求ができるものとし、協力会社は直ちにこれに応じる。
(4) 協力会社に第 52 条(期限の利益喪失)に該当する事由が生じた場合、元請負人は、法律に定める手続きによらずに担保目的物を任意に処分できることとし、協力会社は必要な手続きを履践して協力しなければならない。
(連帯保証)
第 8 条 協力会社は、元請負人からの要求があった場合には、協力会社が元請負人に対して個別契約に基づき負担する一切の債務の弁済について連帯保証人を立てるものとする。
(2) 前項の場合において、連帯保証人の死亡・破産その他の事由により、連帯保証人が欠けまたは保証能力を喪失したときは、協力会社は直ちに十分な保証能力を有する第三者を連帯保証人に立てなければならない。
(法令等遵守の義務)
第 9 条 元請負人及び協力会社は、個別契約の履行につき、建設業法、その他施工、安全、衛生、労働者の使用等に関する法令及びこれらの法令に基づく監督官公庁の行政指導を遵守する。
(2) 元請負人は、協力会社に対し、前項にいう法令及びこれらの法令に基づく監督官公庁の行政指導に基づき必要な指示、指導を行い、協力会社はこれに従う。
(秘密の保持)
第 10 条 協力会社は、本契約の有効期間中のみならず本契約終了後といえども、個別契約の履行に伴い知り得た元請負人の情報及び施工上の工法、技術に関する情報、知識または営業上の情報一切並びに元請負人の取引先に関する情報一切(以下、「秘密情報」という。)につき、元請負人の事前の承諾なしに第三者に開示ないし漏洩してはならない。但し、次の各号のいずれかに該当する情報を除く。
1. 元請負人から開示を受けた際、既に自ら所有していた情報
2. 元請負人から開示を受けた際、既に公知公用であった情報
3. 元請負人から開示を受けた後に、協力会社の責に帰すべき事由によらず公知公用となった情報
4. 正当な権限を有する第三者から適法に入手した情報
(2) 協力会社は、秘密情報を、善良な管理者の注意義務をもって管理するものとする。
(3) 協力会社は、前項に係らず、法令の根拠に基づき官公庁から要求があった場合、秘密情報を開示できるものとするが、この場合にあっても、事前に元請負人に通知し、元請負人から申出があった場合には協議に応じる。
(4) 協力会社は、その被用者(作業員を含む、以下同じ)及び協力会社の関係請負人(関係請負人が数次に亘る場合、当該関係請負人を含む。以下同じ)またはその被用者に対しても前項の秘密を保持させるものとする。
(5) 協力会社は、前 4 項の違反により発注者等の元請負人の取引先及び元請負人に損害を与えたときは、その損害を賠償する。
(特許権等)
第 11 条 協力会社は、第三者の特許権その他の権利の対象になっている方法、材料、機器などを使用するときは、その使用に関する一切の責を負う。但し、元請負人の指示によって使用するものについてはこの限りではない。
(2) 協力会社は、個別契約の履行に際して知り得た、または元請負人と共同で開発した方法、材料、機器などについて、元請負人の書面による同意を得ないで使用し、または特許権等の産業財産権を申請し、あるいは第三者をして申請させてはならない。
(3) 協力会社が行った産業財産権の使用について、第三者と紛争が生じた場合、協力会社は直ちに元請負人に通知するとともに、速やかに対応等を行うものとする。この場合の費用(元請負人を相手方または被告とする場合に元請負人が依頼する弁護士費用等一切の費用を含む。)は、元請負人に責任がある場合を除き、協力会社が負担するものとする。
(安全・衛生の確保)
第 12 条 協力会社は、個別契約の履行にあたり事業者として工事従事者の災害の防止に万全を期する。
(2) 協力会社は、災害防止のため、元請負人の安全衛生管理の方針並びに元請負人が別に定める「協力会
社安全衛生労務関係基準」を遵守するとともに自ら作業基準を確立し、且つ責任体制を明確にする。
(労働者災害補償)
第 13 条 元請負人は、協力会社の被用者、または協力会社の関係請負人の被用者の業務上の災害補償について、労働者災害補償保険法に基づく補償義務を負う。それ以外の補償及びその他の費用については、別に定める「全国竹互会互助事業運営要領」による。
(2) 協力会社は、個別契約の定めるところにより、労働基準法第 87 条第 2 項の定める使用者として補償引受の責を負う場合がある。
(事業内容の報告)
第 14 条 元請負人または協力会社は、必要があるときは、相手方にその事業経営の内容などについて報告を求めることができる。
(意見の聴取)
第 15 条 元請負人は、施工上の工程の細部、作業方法などを定めるにあたって、予め協力会社の意見を聴取する。
(書面主義)
第 16 条 本約款及び個別契約並びに注文書の各条項に基づく承諾、通知、請求及びこれらの変更並びに記載条項の変更は、書面(電磁的方法を含む。)により行う。
(権利義務の譲渡)
第 17 条 元請負人及び協力会社は、相手方の書面による承諾を得なければ、本約款及び個別契約により生ずる権利または義務を第三者に譲渡し、または承継させることはできない。
(2)元請負人及び協力会社は、相手方の書面による承諾を得なければ、個別請負契約の目的物並びに検査済の工事材料及び建築設備の機器(いずれも製品工場等にある製品を含む。以下同じ)を第三者に譲渡し、若しくは貸与し、または抵当権その他の担保の目的に供することはできない。
(一括委任または一括下請負の禁止)
第 18 条 協力会社は、一括して個別契約の全部または大部分を第三者に委任し、または請け負わせてはならない。但し、個別請負工事のうち公共工事及び共同住宅の新築工事以外の工事で、かつ、予め発注者及び元請負人の書面による承諾を得た場合はこの限りではない。
(関係事項の通知)
第 19 条 協力会社は、元請負人に対して、個別請負契約締結後、遅滞なく、次の各号に掲げる事項を書面をもって通知する。
1. 現場代理人をおくときはその氏名及び主任技術者の氏名
2. 雇用管理責任者、安全衛生責任者及び安全衛生推進者の氏名
3. その他施工上法律で配置が義務づけられた有資格者の氏名
4. 工事計画書(工程表、施工要領書など)
5. 工事現場において使用する作業員に対する賃金支払の方法
6. 「協力会社安全衛生労務関係基準」第 4 項に定める書類
7. その他元請負人が工事の適正な施工を確保するため必要と認めて指示する事項
(2) 前項各号に掲げる事項の内容に変更があったときは、協力会社は、元請負人に対して、遅滞なく書面をもってその旨を通知する。
(再下請負人に関する関係事項の通知)
第 20 条 協力会社が、個別請負契約の全部若しくは一部を第三者に委任し、または請け負わせた場合は、協力会社は、元請負人に対して、その契約(その契約に係る工事が数次の契約によって行われるときは、その全ての契約を含む。)に関し、次の各号に掲げる事項を遅滞なく書面をもって通知する。
1.受任者または再下請負者の氏名及び住所(法人であるときは、名称及び工事を担当する営業所の
所在地)
2.建設業の許可証明書(写)
3.工事の種類、内容及び工期
4.前条第 1 項 2 号に定める各事項
(2) 協力会社は、元請負人に対して、前項各号に掲げる事項について変更があったときは、遅滞なく書面をもってその旨を通知する。
(作業所長)
第 21 条 元請負人は、自己に代わって工事現場を総括し、協力会社を指揮・監督するとともに、関連工事との調整を図って元請工事を円滑に完成するため作業所長をおくものとし、その氏名を協力会社に通知する。
(2) 作業所長は、本約款並びに個別請負契約に基づく指示、検査、立会、承認などを行う。
(3) 作業所長は、前項に定める事項を行うために作業所員にその権限の一部を委任することがある。この場合、作業所長はその氏名及び委任の内容を協力会社に通知する。
(現場代理人及び主任技術者)
第 22 条 協力会社は、自己に代わって工事現場に常駐し、工事現場での一切の事項を処理するために現場代理人をおくものとし、作業所長にその氏名を書面をもって通知する。
(2) 現場代理人は、工事現場の秩序、安全、衛生、災害防止、または就業時間など、工事現場の運営に関する事項については作業所長の指示に従うとともに、その他の事項についても作業所長に協力して元請工事の円滑な完成に努める。
(3) 協力会社は、工事現場における技術上の管理をつかさどる主任技術者を置くときは、作業所長にその氏名を書面をもって通知する。
(4) 現場代理人と主任技術者はこれを兼ねることができる。
(5) 元請負人は、前項の規定にかかわらず、現場代理人の工事現場における運営、取締り及び権限の行使に支障がなく、かつ、元請負人との連絡体制が確保されると認めた場合には、現場代理人について工事現場における常駐を要しないこととすることができる。
(工事関係者に関する措置請求)
第 23 条 元請負人は、協力会社の現場代理人、主任技術者、作業員、関係請負人及びその被用者等で施工または管理につき著しく不適当と認められるときは、協力会社に対して、その理由を明示した書面をもって、必要な措置を取るべきことを求めることができる。
(2) 協力会社は、元請負人の作業所長、作業所員がその職務の執行につき著しく不適当と認められるときは、元請負人に対して、その理由を明示した書面をもって、必要な措置を取るべきことを求めることができる。
(3) 元請負人または協力会社は、前2 項による請求があったときは、その請求に係る事項について決定し、その結果を相手方に通知する。
(工事材料及び工事用機器)
第 24 条 協力会社は、使用前に作業所長の検査に合格した工事材料を使用するものとし、適正な工事用機器をもって施工する。
(2) 協力会社は、工事材料、工事用機器を工事現場へ搬入するとき及び工事現場から搬出するときは、作業所長の承認を得る。
(3) 作業所長の検査により不合格とされた工事材料及び適正でないと認められた工事用機器は、協力会社が自己の負担により直ちに工事現場外へ搬出し、合格品または適正品との交換を行う。
(4) 工事材料のうち設計図書にその品質が明示されていないものについては作業所長の指示により、作業所長の指示がない場合には中等の品質を有するものとする。
(立会及び工事記録の整備)
第 25 条 協力会社は、地中または水中の工事、その他施工後外から見ることのできない工事を施工するときは、作業所長の立会を求める。
(2) 協力会社は、調合を要する工事材料については、作業所長の立会を受けて調合し、または見本検査に合格したものを使用する。
(3) 協力会社は、設計図書において、見本または工事写真等の記録を整備すべきものと指定された工事材料の調合または工事の施工をするときは、設計図書で定めるところにより、その記録を整備し、作業所長の要求があったときは、遅滞なくこれを提出する。
(支給材料及び貸与品)
第 26 条 元請負人から協力会社への支給材料または貸与品は、予め検査または試験に合格したものとする。
(2) 支給材料または貸与品の受渡時期は、元請負人と協力会社とが協議して定めるものとし、受渡場所は原則として工事現場とする。
(3) 協力会社は、支給材料または貸与品を受領したときは、元請負人に受領書を提出する。
(4) 協力会社は、支給材料または貸与品について、善良なる管理者の注意を持って使用または保管の責を負う。
(5) 協力会社は、支給材料(有償のものを除く。)が不要となったとき、または貸与品が使用済みとなったときは、速やかに元請負人に返却する。
(6) 協力会社は、故意または過失により支給材料または貸与品を滅失若しくは毀損したときは、直ちに元請負人に通知するものとし、再調達、修理等に要する費用及び損害金は、協力会社の負担とする。
(不適合施工の改造)
第 27 条 協力会社は、施工が設計図書に適合しない場合において、作業所長がその改造を請求したときは、これに従うものとし、このために工期、請負金額の変更を求めることはできない。但し、その不適合が作業所長の指示によるなど元請負人の責に帰すべき理由によるときは、改造に要する費用は元請負人の負担とし、必要があると認められる時は、元請負人と協力会社とが協議のうえ工期を変更することができる。
(条件変更等)
第 28 条 協力会社は、次の各号の一に該当する事実を発見したときは、直ちに書面をもって作業所長に通知し、その確認を求める。
1.設計図書と工事現場の状態とが一致しないこと。
2.設計図書の表示が明確でないこと(図面と仕様書が交互符合しないこと及び設計図書に誤謬または脱漏があることを含む。)。
3.工事現場の地質、湧水等の状態、施工上の制約など設計図書に示された自然的または人為的な施工条件が実際と相違すること。
4.設計図書で明示されていない施工条件について予期することのできない特別な状態が生じたこと、または生じるおそれがあること。
(2) 作業所長は、前項の確認を求められたとき、または自ら前項各号に掲げる事実を発見したときは、直ちに調査を行い、その結果(これに対してとるべき措置を指示する必要があるときは、その指示を含む。)を書面をもって協力会社に通知する。
(3) 第 1 項各号に掲げる事実が元請負人と協力会社との間において確認された場合、必要があると認められるときは、元請負人は、協力会社と協議したうえ、設計図書の訂正または工事内容、工期若しくは請負金額を変更することができる。
(工事の変更、中止等)
第 29 条 元請負人は、必要があると認めるときは、書面をもって協力会社に通知し、工事内容を変更し、または工事の全部若しくは一部の施工を一時中止させることができる。この場合、元請負人は、協力会社と協議したうえ、工期または請負金額を変更することができる。
(協力会社の請求による工期の延長)
第 30 条 協力会社は、天候の不良など協力会社の責に帰することができない理由、その他の正当な理由により、工期内に工事を完成することができないときは、元請負人に対して、遅滞なくその理由を明
らかにした書面をもって工期の延長を求めることができる。この場合、元請負人は、協力会社と協議したうえ、延長日数を定める。
(2) 前項の規定により工期を延長する場合において、元請負人は、協力会社と協議したうえ、請負金額を変更することができる。
(元請負人の請求による工期の変更等)
第 31 条 元請負人は、工期を変更する必要があるときは、協力会社に対して書面をもって工期の変更を求めることができる。この場合における変更日数は、元請負人と協力会社とが協議のうえ定める。
(2) この約款の他の条項により工期を延長すべき場合であっても、特別の理由があるときは、元請負人と協力会社とが協議のうえ通常必要とされる工期の延長を行わないことができる。
(3) 前 2 項の場合、元請負人は、協力会社と協議したうえ、請負金額を変更することができる。
(賃金または物価の変動に基づく契約金額の変更)
第 32 条 工期内に賃金または物価の著しい変動により、契約金額が明らかに不適当となり、これを変更する必要があると認められるときは、元請負人は、協力会社と協議したうえ、契約金額を変更することができる。
(2) 元請契約において、賃金または物価の変動を理由に当該個別請負契約を含む元請契約の部分について請負金額が変更されたときは、元請負人は、協力会社と協議したうえ、当該個別請負契約の請負金額を変更することができる。
(臨機の措置)
第 33 条 協力会社は、災害防止などのため必要があると認められるときは、元請負人に協力して臨機の措置をとる。
(2) 元請負人が必要と認めて臨機の措置を求めたときは、協力会社は直ちにこれに応じる。
(3) 協力会社が前 2 項により臨機の措置を取った場合、その措置に要した費用のうち、契約金額の範囲内において協力会社が負担することが適当でないと認められる部分については、元請負人がこれを負担する。この場合における元請負人の負担額は、元請負人と協力会社とが協議のうえ定める。
(一般的損害)
第 34 条 第 38 条による完成検査前に、工事目的物または工事材料について生じた損害、その他施工 に関して生じた損害(この約款において別に定める損害を除く。)は、協力会社の負担とする。但し、 その損害のうち元請負人の責に帰すべき理由により生じたものについては、元請負人がこれを負担する。
(第三者に及ぼした損害)
第 35 条 施工について、第三者(他の関連工事の請負人及びその被用者等を含む。)に損害を及ぼしたときは、協力会社がその損害を負担する。但し、その損害のうち元請負人の責に帰すべき理由により生じたものについては、この限りではない。
(2) 前項の規定にかかわらず、施工に伴い通常避けることができない事象(騒音・振動・地盤沈下・地下水の断絶等)により生じたものについては、元請負人がその損害を負担する。但し、その損害のうち施工について協力会社が善良な管理者の注意義務を怠ったことによって生じたものは協力会社の負担とする。
(3) 前項の場合及びその他工事の施工について、第三者との間に紛争を生じたときは、元請負人と協力会社とが協力してその処理解決に当る。
(天災その他不可抗力による損害)
第 36 条 天災その他不可抗力によって、作業所長の確認した工事の出来形部分、工事現場の工事仮設物、工事現場に搬入済みの工事材料または工事用機器に損害を生じたときは、協力会社が善良な管理者の注意を怠ったことに基づく部分を除き、元請負人がこれを負担する。
(危険負担)
第 37 条 個別契約が売買契約である場合、目的物の引渡し前に生じた滅失、毀損、盗難その他の危険
は売主がこれを負担し、引渡後は買主がこれを負担する。
(完成検査)
第 38 条 協力会社は、工事を完成したときは、速やかに作業所長に書面をもって通知するものとし、作業所長は、協力会社の立会のもとに遅滞なく完成確認の検査を行う。
(2) 協力会社は、前項の検査に合格しないときは、工期内または元請負人の指定する期間内にこれを修補し、改めて作業所長に通知して検査を求める。
(3) 検査によって工事の完成が確認された場合、協力会社は直ちに工事目的物を引き渡し、元請負人は受け取りを完了する。
(4) 協力会社は、工期内または元請負人の指定する期間内に元請負人の指示にしたがって、工事仮設物の取り払い、後片付けの処置を行う。
(5) 前3項の処置が遅れているとき、または正当な理由がなく行われない場合に、元請負人は必要と認めたとき、協力会社に代わってこれを行い、その費用を協力会社に請求することができる。
(完成前使用)
第 39 条 元請負人は、協力会社の工事目的物が完成前であっても、その全部または一部を使用することができる。但し、協力会社は、必要があるときは、その使用中止を求めることができる。
(2) 前項の場合、元請負人は、善良な管理者の注意を持ってこれを使用するものとし、その使用によって協力会社に損害を及ぼしたときはこれを補償する。この場合の補償額は元請負人と協力会社とが協議のうえ定める。
(工事出来高の確認)
第 40 条 協力会社は毎月 20 日までの個別工事の出来高を算出し、「出来高明細書」に詳記のうえ作業所長に提出して確認を得る。
(2) 協力会社は、個別工事が第 38 条の完成検査に合格したときは、前項の出来高明細書の提出は要しない。
(前 払 金)
第 41 条 協力会社は、個別契約の定めるところにより、元請負人に対して、契約代金の前払を請求することができる。この場合、元請負人は協力会社に対し、相当の担保提供を求めることができる。
(契約代金の請求)
第 42 条 協力会社は、元請負人が別に定める「請求書」により、第 40 条第 1 項の場合は確認出来高の 90%、同条第 2 項の場合は完成工事に相当する金額を元請負人に請求することができる。但し、前月までの既請求額並びに前払金のうち出来高相当額を控除する。
(2) 個別契約が個別請負工事契約以外の契約である場合、成果物に係る検査及び引渡し並びに協力会社から元請負人に対する代金請求手続は、本約款において別に定めるところによるほか、個別契約の定めまたは元請負人と協力会社の合意に従う。
(契約代金の支払)
第 43 条 元請負人は、前条による協力会社の請求に基づき、個別契約に定める支払条件に従い、これを協力会社に支払う。
(2) 個別契約の支払条件において、据置期間の定めのないものについては、当月請求額の支払日は翌月 20日とするものとし、据置期間の定めのあるものについては、その据置期間の起算日を当月末とし、支払日は期間満了翌月の 20 日とする。
(3) 元請負人が協力会社に支払うに当たって、手形、ファクタリング等による場合には、別途合意する条件等に従い実施するものとする。
(4) 元請負人及び協力会社が、建設業法 24 条の 5 の適用を受ける場合には、元請負人は、支払期日及び支払方法につき、同条の規定に従わなければならない。
(支払条件の変更)
第 44 条 元請負人または協力会社は、やむを得ない場合には、相手方の同意を得て契約代金の支払方法及び支払時期の変更を行うことができる。
(2) 前項の場合、元請負人または協力会社は、相手方の被った損害を負担するものとし、その負担額は元請負人と協力会社とが協議のうえ定める。
(立替払)
第 45 条 協力会社または協力会社の関係請負人が賃金、請負代金、材料代金などの支払を遅延した場合、元請負人は、協力会社の被用者、協力会社の関係請負人及びその被用者、材料会社等からの書面による申出により、協力会社に対する支払債務額の範囲内で直接これを立替払いすることができる。この場合、協力会社への連絡がつかない等特別な事情がない限り、原則として事前に協力会社から事情を聴取するものとする。
(2) 前項の場合において、元請負人が立替払した相手方が、協力会社が直接支払義務を負担するもの以外の第三者であるときは、協力会社は、元請負人が有する立替払求償債権に対応する債務につき債務引受したものとみなす。
(3) 元請負人が第 1 項の立替払をすると同時に、元請負人の協力会社に対する立替払求償債権(第 2 項の協力会社が債務引受したものとみなす債務に対応する立替払求償債権を含む。)と元請負人が協力会社に対して負担する債務とは対当額にて相殺されるものとする。
(相 殺)
第 46 条 個別契約により、損害賠償金、立替金、その他元請負人が協力会社より支払いを受けるべき金銭債権がある場合、元請負人は、協力会社への契約代金支払いの際、これを相殺することができる。
(協力会社の中止権)
第 47 条 協力会社は、次の各号の一に該当するときは、元請負人に対して事前に書面による通知をしたうえ、個別請負契約工事の全部または一部の施工を中止することができる。
1.元請負人が、契約代金の支払を遅延し、協力会社が相当の期間を定めて催告してもなお支払わないとき。
2.天災その他不可抗力により、目的物に損害を生じ、あるいは工事現場の状態が変動したため協力会社が施工できないと認められるとき。
(2) 元請負人は、前項の場合において、協力会社がその工事の続行に備え、工事現場を維持し、または作業員、工事用機器等を保持するための費用その他工事の中止に伴う協力会社の損害を補償する。この場合の補償額は、元請負人と協力会社とが協議のうえ定める。
(かし担保)
第 48 条 元請負人は、目的物にかしがある場合、協力会社に対し、相当の期間を定めてかしの修補を請求し、または修補に代え若しくは修補とともに損害の賠償を請求することができる。
(2) 前項のかし担保期間は、原則として元請負人が発注者に目的物を引渡した日から 2 年間とし、かしが協力会社の故意または重大な過失によって生じた場合は、かし担保期間を 10 年とする。但し、元請契約が 10 年を超えるかし担保期間を定めた場合、元請負人は協力会社にその旨を通知し、協力会社は当該期間第 1 項の責任を負う。
(3) 協力会社は、元請負人からかしの修補を求められたときは速やかに修補するものとする。但し、協力会社が修補を行わないとき元請負人は、自ら修補し、または第三者に修補させ、その費用を協力会社に請求することができる。
(4) 元請負人は、目的物がかしにより滅失または毀損したときは、第 2 項に定める期間内で、且つ滅失または毀損の日から 1 年以内に限り第1項の権利を行使することができる。
(5) 第 1 項の定めは、かしが支給材料の性質、または元請負人の指示により生じたものであるときは、適用しない。
(売買契約におけるかし責任)
第 49 条 個別契約が売買契約である場合、買主は、その売買の目的物を受領したときは、遅滞なく、その物を検査するものとし、検査により売買の目的物にかしがあることまたはその数量に不足があること
を発見したときは、直ちに売主に対しその旨の通知を発しなければ、そのかしまたは数量の不足を理由として契約の解除または代金減額若しくは損害賠償の請求をすることが出来ないものとする。
(2) 売買の目的物に直ちに発見することができないかしがある場合において、買主が 6 ヶ月以内にそのかしを発見したときも同様とする。ただし、売主がそのかしまたは数量の不足につき知っていた場合を除く。
(履行遅滞の損害金)
第 50 条 協力会社の責に帰すべき理由により個別契約期間内に目的物を完成することができない場合において、個別契約期間経過後相当の期間内に完成する見込みのあるとき、元請負人は協力会社から損害金を徴収して個別契約期間を延長することができる。
(2) 前項の損害金の額は、別に特約のない限り、遅延日数 1 日につき、契約金額から履行済み部分(個別 請負契約においては出来形部分)に相当する契約金額を控除した額に年 14.6%を乗じて得た金額とする。
(3) 元請負人は第 1 項の場合において、発注者または関連工事の請負人等から損害金、費用等を請求されたときは、前項の損害金の他、当該請求された金額を協力会社に請求することができる。
(4) 元請負人の責に帰すべき理由により、本約款及び個別契約に定める契約代金の支払が遅れた場合、協力会社は、未受領金額に対して、遅延日数に応じ法定利率で計算した額の遅延損害金の支払いを元請負人に請求することができる。但し、元請負人及び協力会社が、建設業法第 24 条の 5 第 4 項に該当する場合においては、同項に定める割合により計算した額とする。
(遅延利息)
第 51 条 下請法適用取引については、元請負人は、協力会社に対し、元請負人が協力会社の給付を受領した日(役務提供委託の場合は、協力会社がその委託を受けた役務の提供をした日)から起算して 60 日を経過した日から支払をする日までの期間について、その日数に応じ、当該未払い金額に年 14.6%を乗じて得た金額を遅延利息として支払わなければならない。
(元請負人の解除権)
第 52 条 元請負人は、協力会社が次の各号の一に該当するときは、通知催告なくして個別契約の全部または一部を解除することができる。
1.正当な理由がないのに、工事に着手すべき時期を過ぎても、工事に着手しないとき。
2.協力会社の責に期すべき理由により個別契約期間内または個別契約期間経過後相当の期間内に目的物を完成する見込みがないと明らかに認められるとき。
3.協力会社の被用者及び協力会社の関係請負人の被用者(関係請負人が数次に亘るときは、そのすべてを含む。)につき、賃金の支払い遅延あるいは不払いが生じたとき。
4.施工技術、労務管理、安全衛生管理等が不良で、元請負人に重大な迷惑を及ぼしたとき、または及ぼす恐れがあると認められるとき。
5.協力会社の振り出した手形または小切手が1回でも不渡りとなったとき、または差押、仮差押、仮処分、競売、滞納処分等がなされたとき、若しくは破産、民事再生、会社更生、特別清算、特定調停、任意整理等の申立があったとき、その他元請負人が協力会社の債務履行を困難と認めたとき。
6.協力会社または協力会社の代表者の所在が元請負人に不明となり、通知できなくなったとき。
7.前各号に掲げる場合のほか、この約款及び個別契約に違反し、その違反により個別契約の目的を達することができないと認められるとき。
8.第 55 条第 1 項によらないで個別契約の解除を申し出たとき。
(2) 元請負人は、前項により個別契約を解除したときは、工事の出来形部分及び支払の対象となった工事材料の引渡しを受ける。但し、その出来形部分が設計図書に適合しない場合はその引渡しを受けないことができる。
(3) 元請負人は前項の引渡しを受けたときは、その引渡しを受けた出来形部分及び工事材料に相応する契約代金相当額を協力会社に支払う。ただし、前払金の支払いがなされていた場合は、同金額を控除する。
(4) 第1 項に定める事由により元請負人が損害を受けた場合には、個別契約の解除の有無にかかわりなく、元請負人は、協力会社に対して、受けた損害の賠償を求めることができる。
(目的物完成前の元請負人の解除権)
第 53 条 元請負人は、目的物が完成しない間は、前条第 1 項によるほか必要がある時は、個別契約の
全部または一部を解除することができる。
(2) 前項より個別契約を解除した場合、前条第 2 項及び第 3 項を準用する。
(3) 元請負人は、第 1 項により個別契約を解除し、協力会社に損害を及ぼしたときは、その損害を賠償する。この場合の賠償額は、元請負人と協力会社とが協議のうえ定める。
(反社会的勢力排除)
第 54 条 元請負人は、協力会社または協力会社の関係請負人及びその代表者、責任者、実質的に経営権を有する者(関係請負人が数次に亘るときはその全てを含む。)が次の各号に該当する場合には、協力会社に対して何らの通知催告をすることなく本契約及び個別契約を解除することができる。
1.暴力団、暴力団員、暴力団関係企業若しくは団体または関係者、その他の反社会的勢力(以下「暴力団等」という。)である場合、または暴力団等であった場合。
2. 暴力団等が経営に実質的に関与していると認められる場合。
3. 暴力団等に対して資金等を提供し、または便宜を供与するなどの関与をしていると認められた場合。
4. 暴力団等と社会的に非難されるべき関係を有している場合。
5. 自らまたは第三者を利用して、他方当事者に対して、詐術、暴力的行為または脅迫的言辞を用いるなどした場合。
6. 自身が暴力団等である旨を伝え、または、関係団体若しくは関係者が暴力団等である旨を伝えるなどした場合。
7. 自らまたは第三者を利用して、他方当事者の名誉や信用等を毀損し、または、毀損するおそれのある行為をした場合。
8. 自らまたは第三者を利用して、他方当事者の業務を妨害した場合、若しくは、妨害するおそれのある行為をした場合、または、その他の不当行為を行った場合。
(2) 元請負人は、前条により本契約及び個別契約を解除した場合には、協力会社に損害が生じたとしても、これを一切賠償する責任はないものとする。また、かかる解除により元請負人に損害が生じた場合は、協力会社はその損害を賠償するものとする。
(3) 協力会社または協力会社の関係請負人は暴力団等のいずれでもなく、または反社会的勢力が経営に実質的に関与している法人等ではないことを表明し、かつ将来にわたっても該当しないことを確約する。
(協力会社の解除権)
第 55 条 協力会社は、次の各号の一に該当する事由があるときは、個別契約の全部または一部を解除することができる。
1. 協力会社の責に帰すべき理由によらないで、個別契約の中止期間が 6 か月を超えたとき。
2. 元請負人が本約款及び個別契約に違反し、その違反によって目的物を完成することが困難となったとき。
3. 元請負人が契約代金を支払う能力を欠くことが明らかになったとき。
(2) 前項により個別契約を解除したときは、第 52 条第 2 項及び第 3 項を準用する。
(3) 協力会社は、第 1 項に基づいて個別契約を解除し、これにより損害を受けたときは、元請負人に対して、解除により生じた損害の賠償を請求することができる。この場合の賠償額は、元請負人と協力会社とが協議のうえ定める。
(解除後の措置)
第 56 条 個別契約が解除された場合は、協力会社は次の各項に定める措置をとらなければならない。
(2) 第 26 条に定める貸与品があるときは、これを元請負人に返却する。この場合、当該貸与品が協力会社の故意または過失により滅失若しくは毀損したときは、再調達、修理または返却に代えてその損害を賠償しなければならない。
(3) 支給材料(有償のものを除く。)があるときは、使用されたものを除き、これを元請負人に返却する。この場合、当該支給材料が協力会社の故意または過失により滅失若しくは毀損したときは、再調達、修理または返却に代えてその損害を賠償しなければならない。
(4) 工事現場等に、協力会社の所有に属する工事材料、工事用機器、仮設物その他の物件(協力会社の関係請負人等の所有に属するこれらの物件を含む。)があるときは、これを搬出するとともに工事現場等
を原状に復して明け渡さなければならない。
(5) 協力会社が、正当な理由がないのに、遅滞なく前項の処置を行わないときは、元請負人は、協力会社に代わり前項の処置を行うことができる。この場合、協力会社は元請負人の処置について一切の異議を申し立てることができないとともに、元請負人のこれに要した費用を負担しなければならない。
(6) 第 2 項から第 4 項までに規定する協力会社のとるべき措置の方法、期限などについては、元請負人の指示するところによる。
(期限の利益の喪失)
第 57 条 協力会社が、第 52 条第1項ないし第 54 条第 1 項のいずれかの事由に該当した場合、協力会社は、元請負人に対して負担している立替債務、前払返還債務、損害賠償債務、求償債務その他一切の債務について当然に期限の利益を失い、元請負人に対して直ちに一括して債務の弁済をしなければならない。
(情報通信の技術を利用する方法)
第 58 条 本約款において書面により行わなければならないこととされている承諾、通知、請求、要求及び申出は、建設業法その他の法令に違反していない限りにおいて、電磁的方法またはその他の情報通信の技術を利用する方法を用いて行うことができる。ただし、当該方法は、書面の交付に準ずるものでなければならない。
(工事請負契約以外の契約)
第 59 条 個別契約が工事に関連する契約でない場合には、本約款のうち当該取引の性質上当然に適用がない条項については当該個別契約に適用しない。
(基本契約と個別契約)
第 60 条 本約款と個別契約が異なる場合には、当該個別契約が優先する。
(紛争の解決)
第 61 条 この約款の各条項において元請負人と協力会社とが協議して定めるものにつき協議がととのわない場合、その他元請負人と協力会社との間に紛争を生じた場合、元請負人または協力会社は次の各号のいずれかを任意に選択のうえ解決を図る。
1.建設業法による建設工事紛争審査会のあっせん、調停または仲裁による解決。
2. 民事訴訟法に基づく訴訟手続きによる解決。この場合、本契約に基づく当事者間の紛争に関しては、元請負人の本店または支店を管轄する簡易裁判所または地方裁判所を第一審の専属的合意管轄裁判所とする。
(契約の定めのない事項)
第 62 条 この約款及び個別契約に疑義が生じたとき、またはこれらに定めのない事項については、元請負人と協力会社間の取引慣行に従い、双方誠意をもって協議のうえ決定する。
以 上
(附則)
平成 23 年 12 月 1 日 制定・施行