○ 東京水道サービス株式会社は、株式会社 PUC との統合を今年度中に予定しており、特別監察で指摘された内部統制・コンプライアンスの在り方の改善は、東京水道グループにおいて、喫緊の課題であります。
参考資料1
東京水道グループコンプライアンス有識者委員会設置要綱
(目 的)
第1条 水道局所管委託契約に係る談合疑いに関する再発防止策(以下「再発防止策」という。)及び東京水道グループ全体の事業運営を検証する上で、外部の幅広い見地から意見・助言を得ることを目的に、東京水道グループコンプライアンス有識者委員会(以下「委員会」という。)を設置する。
(所掌事項)
第2条 委員会は、次に掲げる事項について意見を述べるとともに、助言を行う。
(1)再発防止策に関すること。
(2)東京水道グループのコンプライアンスに関すること。
(3)その他必要と認める事項に関すること。
(構 成)
第3条 委員会は、4名以内の委員で構成し、委員は、水道局長が委嘱する。
(任 期)
第4条 委員の任期は、2年以内とする。ただし、再任を妨げない。
2 委員の欠員により補充する委員の任期は、前任者の残任期間とする。
(委員長)
第5条 委員会に、委員の互選による委員長を置く。
2 委員長は、委員会を招集し、委員会を主宰する。
3 委員長に事故があるとき又は委員長が欠けたときは、委員長があらかじめ指名する委員がその職務を代理する。
(関係者の出席)
第6条 委員長は必要があると認めるときは、委員会に委員以外の者を出席させ、又は他の方法により意見を聞くことができる。
(調 査)
第7条 第2条に定める所掌事項を検証するに当たり、必要が生じた際は、委員会の指定する者等による調査を行うことができる。
(委員会等の公開)
第8条 委員会及び委員会に係る資料(以下「委員会等」という。)は、原則として公開とする。ただし、委員会の議事にxxx情報公開条例(平成11年xxx条例第5号)第7条第1号から第9号までに掲げられている情報が含まれている場合で、委員長が認めたときは、委員会等の全部又は一部を非公開とすることができる。
2 委員会開催後、議事概要等を公開する。
(議 事)
第9条 議事の進行に当たっては、委員の全会一致を原則とするが、合意に至らない場合は、委員長の決するところによる。
(委員会の庶務)
第 10 条 委員会の庶務は、職員部人事課において処理する。
(補 則)
第 11 条 この要綱に定めるもののほか、委員会の運営に必要な事項は、委員長が別に定める。
附 則
この要綱は、平成31年4月5日から施行する。
附 則
この要綱は、令和2年4月 24 日から施行する。
参考資料2
東京水道グループコンプライアンス有識者委員会 委員名簿
氏 名 | 役 職 等 |
◎ xx xx | 紀尾井町法律事務所 弁護士 |
○ xx x | 明治大学経営学部 教授 |
xx xx | 東京xx法律事務所 弁護士 |
xx xxx | xx公認会計士事務所 公認会計士 |
◎:委員長 ○:委員長代理 (xxxx、敬称略)
参考資料3
第1回東京水道グループコンプライアンス有識者委員会 議事概要
1 日 時 令和元年5月 13 日(月) 午後1時から3時 30 分まで
2 場 所 東京都庁第二本庁舎 10 階 213・214 会議室
3 出席者
【委員】
xx委員長、xx委員長代理、羽根委員、xx委員(xxxx)
【水道局】
水道局長、技監、多摩水道改革推進本部長、理事、
総務部長、経営改革推進担当部長、職員部長、経理部長、浄水部長、
総務課長、調整担当課長、xx課長、経営改革推進担当課長、人事課長、
コンプライアンス監理担当課長、コンプライアンス推進担当課長、契約課長、浄水課長
4 会議の概要
(1)水道局長挨拶
○ このたび、「東京水道グループ コンプライアンス 有識者委員会」を設置するにあたりまして、大変お忙しい中、委員をお引き受けxxx、誠にありがとうございます。
○ 東京の水道は、明治 31 年の近代水道創設以来、約 120 年という歴史があり、今日では、xxx水道局は、局職員約 3,500 名、東京水道グループ全体で約 6,000 名が事業運営を支えている、国内最大規模、世界でも有数の水道事業体でございます。
○ 一方で、東京水道グループはコンプライアンスの面で課題を抱えており、今後、お客さまに信頼され、持続可能な運営をしていくためにも、委員の皆様には活発なご議論をいただきたいと思います。
○ 具体的には、昨年 10 月に浄水場の排水処理施設の業務委託に関して、xx取引委員会から独占禁止法違反の疑いで立入検査を受け、職員1名が受託業者に対し、予定価格を類推できる情報を漏えいしたことを確認しました。
○ その後、11 月には、副知事をトップとする「調査特別チーム」が実施した原因の 究明及び再発防止策の検討結果を取りまとめた中間報告書を公表したところです。
○ 中間報告書では、事故から直接導かれる事項の改善策として排水処理作業委託の見直し等を掲げる一方、局事業の構造的な面から推察される事項の改善策も掲げ
xxx、当局としても局の組織風土や事業の在り方等についても抜本的な見直しを行っていきたいと考えております。
○ また、この間、都に対し、水道局から業務委託を受けている東京水道サービス株式会社において、関係団体や受注工事業者との不適切な関係、書類の改ざんや虚偽報告書の作成指示が行われているとの指摘が寄せられました。
○ これを受け、当局及び東京水道サービス株式会社に対して都による特別監察が実施され、再発防止に向けた提言を受けたところです。
○ 東京水道サービス株式会社は、株式会社 PUC との統合を今年度中に予定しており、特別監察で指摘された内部統制・コンプライアンスの在り方の改善は、東京水道グループにおいて、喫緊の課題であります。
○ 水道事業は、地域独占の事業であり、唯我独尊になってしまうという危険性があります。当局は過去2回の不祥事の都度対応をとってまいりましたが、今回の情報漏えい事故の発生や、特別監察で指摘された東京水道サービス㈱における各種不適正事案の発生を未然に防ぐことができませんでした。
○ そのため、外部の視点から東京水道グループの課題を検証していただくことが必要であり、正に今がその時だと考えております。
○ 皆様方には、東京水道グループが抱えるコンプライアンス上の課題について、専門的な知見から忌憚のないご意見を賜りたいと考えておりますので、よろしくお願い申し上げます。
(2)委員会運営について
ア 委員長の選任
○ 委員の互選により委員長にxx委員を選任
委員長挨拶
○ 昨年度、水道局における情報漏えい事故、政策連携団体の業務における不適正事案などが発覚したことは、非常に残念である。
○ 都民に直結するライフラインを支える組織の職員として、ここに参加されている方々だけでなく、一人ひとりがその責任を重く受け止めてもらいたい。
○ 本委員会では事故対応だけでなく、幅広くコンプライアンスを対象として、外部の目を入れた検証を行うということで、構造的な課題についても検証の対象としており、委員の皆様には自由な発想から忌憚のない意見をいただきたい。
○ 委員会としては、水道局の取り組むスケジュール等を踏まえながら、節目ごとにとりまとめていきたいと思うので、委員の皆様には、活発な意見交換をしていただくとともに、スケジュールへの御協力をお願いしたい。
○ 本委員会での提言を踏まえ、今後、東京水道グループがコンプライアンスの取組で他の公営企業や民間企業に先行する組織へ生まれ変わり、全国の範になるような、また、それを先導するような組織になっていただくことを期待している。
イ 委員長代理の選任
○ xx委員長が委員長代理にxx委員を選任
(3)議事
ア 東京水道グループのコンプライアンスに関する課題イ 政策連携団体に対する特別監察
ウ 調査特別チーム中間報告書で掲げた再発防止策
(4)議事に関する主な意見の内容
ア 東京水道グループのコンプライアンスに関する課題
○ 土木系協力会社や局職員の出向など、政策連携団体との間で人的交流があり、水道事業の特殊性もあるかもしれないが、どのように土木系協力会社との間で独立性を担保していくか、グループの人材体制を作っていくかということが重要
○ 局から政策連携団体へ随意契約が許される理由として、政策連携団体から協力会社への委託についても自治法同様の規制をしっかり守る必要があるのではないか。
○ 事案の発生経緯をみると、人間の弱さという面もあると思うが、何が問題なのかをはっきりさせるとともに、何故問題なのか、どのようにしたら良いかを明確にした上で情報共有し、ICTなども活用しながら(不祥事を)やろうと思ってもできないような仕組み作りを行うことが必要
○ 構造として、(不祥事が)起きないように、内部統制を行っていく手法として、 I CTをどのように活用していくかが重要。また、業務プロセスを可視化させた上で、積算業務を施行管理部門から分離させるなど、権限を分離させていくこと等が必要
イ 政策連携団体に対する特別監察
○ 局が土木系協力会社、政策連携団体といった団体の統制、コントロールをどのように行っていくかを整理するべき。また、契約の中身に何を盛り込むかをよくチェックし、契約内容を守らない場合に厳しい責任をとらせるということもよく検討するべき。
○ こういう業務ができるところへしか委託しない(業務の委託先として該当するのがこの政策連携団体である)など、局が政策連携団体に委託するという理屈づけを明確にすることが重要。また、政策連携団体に対し、定量的な指標(財務状況など)を設定するなどにより、評価(モニタリング)を行うことも検討すべき。
○ 日本の内部統制において、コンプライアンスを見ていく場合には、基本的にはグループ全体という観点になるので、都も水道局が政策連携団体について事前にリスクの評価をした上で、リスクがあれば統制を利かせることが必要
○ 内部統制の体制を敷くに当たり、局と政策連携団体はグループとはいえ別会社なので、リスクがあるところは契約に盛り込む、事後的に監査に入る、研修を受けてもらう、年間で必ず踏んでもらう手続きを整備するなど、一連として整理することが必要
○ グループ企業全体でそれぞれがコンプライアンスの主体であることを認識することが必要であり、政策連携団体のトップマネジメントへ意識を浸透させる取組も重要
○ 重要かつxx的な対応となるのが研修であり、全社員へのコンプライアンス研修について、内容や回数などについても具体化できると良い。
○ 研修については、社員が当事者意識を持てるようにしてほしい。局と団体での傾向の違いや、年齢ごとの傾向の違いなど、研修の効果の変化をデータ化して表すことが必要
ウ 調査特別チーム中間報告書で掲げた再発防止策
(排水処理施設運転管理作業委託契約の見直し)
○ 総合評価方式に見直すのであれば、仕様書も更新し、事業者から何か提案をしてもらえるような、付加価値が付くような内容にした方が良いのではないか。
○ 総合評価方式で進めていくと、仕様書を明確化するということは、業務改革につながる。局として何をやってほしいのか、何に価値があるのかが明確になると思うので、ナレッジとして蓄積するきっかけにしてもらいたい。
○ 受託会社も危機管理への対応をとってもらう必要があると思うので、しっかりとバックアップができるような体制を義務づけることが必要
○ 積算業務は本庁で一括することで、現場業務から分離する取組は重要
参考資料4
第2回東京水道グループコンプライアンス有識者委員会 議事概要
1 日 時 令和元年7月1日(月) 午後2時から午後4時 20 分まで
2 場 所 東京都庁第二本庁舎 10 階 213・214 会議室
3 出席者
【委員】
xx委員長、xx委員長代理、羽根委員、xx委員(xxxx)
【水道局】
水道局長、技監、多摩水道改革推進本部長、理事、
経営改革推進担当部長、職員部長、経理部長、浄水部長、
総務課長、調整担当課長、xx課長、経営改革推進担当課長、人事課長、
コンプライアンス監理担当課長、コンプライアンス推進担当課長、契約課長、浄水課長
【政策連携団体(東京水道サービス株式会社)】特命担当理事、経営管理室長
4 会議の概要
(1)水道局長挨拶
○ 本日は、大変お忙しい中、第2回の東京水道グループコンプライアンス有識者委員会に御出席を賜りまして、まことにありがとうございます。
○ 先日の第1回におきましては、非常に長時間にわたりまして委員の皆様から大変熱心な御議論をいただきました。
○ 特に局が政策連携団体に委託するという理屈づけを明確にしますとともに、政策連携団体に対し、定量的な指標による評価を行うことを検討すべきなどといった貴重な御意見を賜りました。
○ 私どもとしましても、当局と政策連携団体は東京水道グループとして一体的な運営を行っている一方、お互いに受委託の関係にあるということでございまして、そのあり方につきましては非常に問題意識を持っているところでございます。
○ また、東京水道グループにおけるコンプライアンスの取り組みはまだ道半ばでございますけれども、本委員会での議論を踏まえ、引き続きコンプライアンスの強化に取り組んでまいる所存でございます。
○ 本日の第2回委員会では、先日の第1回委員会での御意見を踏まえまして、政策連携団
体に対する特別監察の改善策及び調査特別チームの中間報告書で掲げました再発防止策について御報告を申し上げます。また、東京水道グループが抱える構造的な問題につきましても議論として取り上げさせていただきたいと考えております。
○ 限られた時間ではございますけれども、委員の皆様方にはぜひ忌憚のない率直な御意見を賜りたいと考えておりますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。
(2)議事
ア 政策連携団体に対する特別監察
イ 調査特別チーム中間報告書で掲げた再発防止策ウ 東京水道グループにおける構造的課題
(3)議事に関する主な意見の内容 ア 政策連携団体に対する特別監察
○ 監査室、コンプライアンス推進会議、受託業務委員会、契約監視委員会などチェック体制を強化するとしているが、それぞれの組織の役割、規模やどのような方法でチェックするのかが見えてこない。各組織の役割等を図式化し、誰にでも理解できるような形とするべき。また、各組織によるチェック結果は経営層や現場レベルまで広くフィーバックし、チェック体制が効いていることを明らかにするべき。
○ ガバナンスに関する組織が色々とあるが、どこが内部統制の責任部門なのか、どこが執行部門でどこがモニタリングするのかなど関係性をわかりやすくすることが必要
○ 局が直接担う業務と政策連携団体が担う業務を仕分けし、役割分担を明確にすることが必要。単に政策連携団体へ業務移転していくということだけでは、どのような業務を移転するべきかが明確にならない。人材交流を行う上でも、役割分担を踏まえて進めていくべき。あわせて、局から民間事業者へ発注する業務、政策連携団体から民間事業者へ再委託する業務についても整理することが必要
○ 水道局と政策連携団体が一体的に事業を担う一方で受委託の関係にあることから、ガバナンスのレベルが高い会社でないと連携できないという考え方を整理する必要がある。公共性がある水道事業を担う団体に求める条件を整理し、その条件に当たるからTSS やPUC を活用するという順番に整理するべき。
○ 政策連携団体が水道局と一体となって東京の水道事業を担っていく団体であることを踏まえると、法令等に従い財務・業務に関する事項を適切に開示するという、一般の民間企業の開示義務を果たすのみでは不十分である。公金を使って水道事業を担っているので、お金の流れは全て開示するようにしなければならないと思うので、検討してほしい。
○ 政策連携団体で新たにBCPを策定するに当たっては、そこで働いている人の命を守ることは重要だが、水道というインフラのサービスを継続させるため、水道を飲む方々の命を守る方向で、何をするべきか、何を止めるべきかといった検討をしてほしい。
イ 調査特別チーム中間報告書で掲げた再発防止策
(排水処理施設運転管理作業委託契約の見直し)
○ 仕様書に記載があるとおりに業務が適切に履行されているかを確認する方法を整理した上で、契約事務を進めてほしい。
○ 人員的に無理のある計画で契約を締結している場合に、契約履行期間中に無理が重なって破綻してしまう可能性はあるので、それを回避するためにも、契約前に人員配置体制をチェックすることや、契約期間中の履行状況を様々な形でチェックすることが重要
ウ 東京水道グループにおける構造的課題
○ 内部統制やマネジメントシステムはPDCAサイクルで回すのが原則である。業務のフローを考える際には、業務を履行した上で、正しく行われているかをチェックするフェーズと必要に応じて改善要求するフェーズを検討してほしい。
○ やはり、PDCAサイクルのCとAの部分がどのように進んでいくのかというところが非常に重要で、業務に関するリスクを集めるだけでなく、内部統制を総括する人が話を聞いて議論することが重要
○ 局及び政策連携団体の事業運営を監視する仕組みとして、フランスで行われている市民・団体が参加できる諮問委員会のような、都民が水道事業について監視できる仕組みについても検討してほしい。
○ 内部の状況についてつぶさに、プロセスコンサルテーションチェック的に入ってもらう、他の民間企業や国の状況を比較して、これからこうあるべきだといった提言をもらう、研修の内容とそのフィードバックの仕組みについて提案をもらうなど、コンサルを活用するにしても、それぞれ得意分野があるので、何を調べてもらうか明確にすることが必要
参考資料5
第3回東京水道グループコンプライアンス有識者委員会 議事概要
1 日 時 令和元年7月 29 日(月) 午後1時から午後2時 50 分まで
2 場 所 東京都庁第二本庁舎 10 階 213・214 会議室
3 出席者
【委員】
xx委員長、xx委員長代理、羽根委員、xx委員(xxxx)
【水道局】
水道局長、技監、多摩水道改革推進本部長、理事、
経営改革推進担当部長、職員部長、経理部長、浄水部長、
総務課長、調整担当課長、xx課長、経営改革推進担当課長、人事課長、
コンプライアンス監理担当課長、コンプライアンス推進担当課長、契約課長、浄水課長
【政策連携団体(東京水道サービス株式会社)】特命担当理事、経営管理室長
4 会議の概要
(1)水道局長挨拶
○ 本日は、皆様、大変お忙しい中、また非常に暑い中ではございますが、第3回東京水道グループコンプライアンス有識者委員会に御出席を賜りまして、誠にありがとうございます。
○ 冒頭に先立ちまして、私から一言御報告がございます。既に報道等で御承知かと存じ上げますけれども、浄水場の排水処理委託に関しまして複数の当局職員が情報漏えいを行っていたとして、先日、xx取引委員会から入札談合等関与防止法に基づく改善措置要求等を受けたところでございます。
○ 情報漏えいなどの不正行為は当然ながら決してあってはならないことでございまして、今回このような指摘を受けたことを私どもとしましても大変重く受けとめております。心よりお詫び申し上げたいと思います。
○ 今後は、事実関係を徹底調査の上、関係の職員や事業者に対しましても厳正に対処いたしますとともに、さらなる再発防止策を図るようにしてまいります。また、その内容につきましてはこの委員会でも御報告をさせていただきたいと考えております。
○ 本日の第3回委員会では、ただいま申し上げxxxxx取引委員会からなされました改善措置要求等に関する御報告に加えまして、第2回委員会での御意見を踏まえました政策連携団体に対する特別監察の改善策及び東京水道グループが抱えます構造的な課題につきまして御報告をさせていただきます。
○ 政策連携団体に対する特別監察の改善策につきましては、本日の第3回の議論で一定のまとめをしていただきまして、委員の皆様から賜りました御意見を新会社の内部統制につなげてまいりたいと考えております。また、東京水道グループが抱える構造的な課題につきましては、水道局で実施してまいりましたリスクの洗い出し結果などを今回御報告させていただく予定でございます。
○ 限られた時間ではございますが、委員の皆様にはぜひ忌憚のない御意見、御発言を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。
○ 簡単ではございますが、これで御挨拶とさせていただきます。本日はどうぞよろしくお願いいたします。
(2)議事
ア xx取引委員会からなされた改善措置要求等に関する報告イ 政策連携団体に対する特別監察
ウ 東京水道グループにおける構造的課題
(3)議事に関する主な意見の内容
ア xx取引委員会からなされた改善措置要求等に関する報告
○ xx取引委員会からの改善措置要求等に基づいて、必要な改善措置を講じるための検討を行ってほしい。
イ 政策連携団体に対する特別監察
○ 事業継続計画(BCP)は、計画を策定して終わりというものではなく、内容を社員に知ってもらうことが重要。そのため、机上訓練や実地訓練などを実施し、万が一のときに計画を活かせる体制を構築すべき。
○ 最近大会社でも経営者の不祥事が発生しているので、監査室などが経営者をしっかりと牽制するシステムを検討すべき。
○ 監査室とリスク管理委員会は、両組織の関係が分かりづらいので、社内における
両組織の位置づけや役割を整理すべき。
○ 監査等委員会と監査室の両組織は紐づけておくべき。その上で、リスク管理委員会の位置づけが重要になる。パターンは色々とあると思うので、PUC との統合を見据え、組織をどのように位置づけるか検討が必要
○ 内部統制を構築するに当たっては、業務フローに基づくリスクの洗い出しとその対処方針を策定することが重要となるので、今後しっかりと検討してほしい。
○ 特別監察結果改善報告書については、この内容をベースにとりまとめてほしい。ウ 東京水道グループにおける構造的課題
○ 短期間でリスクを洗い出したことによる反省点もあるようだが、コンプライアンスに関する意識付けという観点では、1回で終わらせるのではなく、継続的に実施してトレンドを見ることが重要。実施に当たっては、できるだけ簡便に参加できる形とし、自分たちが意見した結果がきちんとフィードバックされる、あるいは業務改善に生かせるという全体の仕組みを構築することが必要
○ 例えば契約や情報管理など、1か所で問題が発生したら他部署でも注意し、リスクを低減させるために組織全体に徹底することが重要であり、組織横断的に共通する事項と各部署で固有のものは区分していくことが必要
○ 自治体の場合、引継ぎが非常に重要で、業務を引き継ぐ際に、業務の注意点も引き継がれ、同じミスが起きないようにすることが重要。年度末に業務におけるリスクなどを整理して、内部統制の担当部署がきちんとチェックし、共有する取組は非常に有効。定期的にリスクを認識し、問題が顕在化しないようにすることは重要なので、そういった点について常時取り組める体制、職員の認識を作り上げることが必要
○ 業務フローの作成については、民間企業でもそうだが、全ての部署で作成するというわけではなく、重要な部分について作成することが一般的
○ 東京水道グループの構造的課題は、範囲が広い議題であり、この内容について最終的に何に向けて議論するかが現時点では不明確な状況。局としてどういったことの検証を求めるかについて整理することが必要
参考資料6
第4回東京水道グループコンプライアンス有識者委員会 議事概要
1 日 時 令和元年 10 月2日(水) 午後1時 30 分から午後3時 30 分まで
2 場 所 東京都庁第二本庁舎 22 階 22C会議室
3 出席者
【委員】
幸田委員長、中西委員長代理、羽根委員、矢野委員(五十音順)
【水道局】
水道局長、技監、多摩水道改革推進本部長、理事、
経営改革推進担当部長、職員部長、経理部長、浄水部長、
調整担当課長、主計課長、経営改革推進担当課長、人事課長、
コンプライアンス監理担当課長、コンプライアンス推進担当課長、契約課長、浄水課長
【政策連携団体(東京水道サービス株式会社)】経営管理室長
4 会議の概要
(1)水道局長挨拶
○ 本日は、皆さま大変お忙しい中、第4回東京水道グループコンプライアンス有識者委員会にご出席下さいまして、誠にありがとうございます。
○ 先日の第3回委員会の開催から2ヶ月が経過しましたが、この間局内では、公正取引委員会からなされた改善措置要求等に対する改善策や当局と政策連携団体とのあり方などについて、検討を重ねて参りました。
○ 改善策については、これまでの再発防止策が、結果として事故を防げなかったことを受け、コンプライアンス意識の更なる強化とともに、仕事の進め方や組織の在り方をはじめとした、局の構造的な課題にまで踏み込んだ対策としていく必要があると認識しております。
○ そのため、情報漏えいの事実のみに目を向けるのではなく、事故が起きた原因や背景、更には局の組織風土にも切り込んだ上で検討していく必要があり、そうした視点で今回の改善策を取りまとめております。
○ 今回報告させていただきます改善策につきまして、ぜひ忌憚のない率直なご意見を賜りたいと存じます。
○ 本日は、これらの報告以外に、東京水道グループが抱える構造的な課題につきまして、局が今後取り組む方向性などを報告させていただきます。
○ また、本委員会の中間報告書につきましても、年内を目途にとりまとめていただく予定ですので、こちらの内容についてもご議論いただきたいと存じます。
○ 限られた時間ではありますが、委員の皆様には、ぜひ忌憚のない率直なご意見を賜りたいと存じます。よろしくお願い申し上げます。
○ 以上簡単ではございますが、挨拶とさせていただきます。
(2)議事
ア 公正取引委員会による改善措置要求等を受けて講じる改善措置イ 東京水道グループにおける構造的課題
ウ 水道局の政策連携団体へのガバナンスのあり方
エ 東京水道グループコンプライアンス有識者委員会中間報告書(素案)
(3)議事に関する主な意見の内容
ア 公正取引委員会による改善措置要求等を受けて講じる改善措置
○ 公益通報制度について、今の制度の問題点や改善すべき点を分析することが重要であるが、実際にこれまで通報された案件がどのように処理されていたか、それが適切だったかをチェックすることが大事なので、検討してほしい。
○ トップが組織内部に向けて宣言をして事業所を訪れる、職員との対話を行うことは重要であるが、組織の外に向けて、都民に対してもトップが「コンプライアンスを重視している」などのメッセージを発信していくことが重要
○ 局内のコミュニケーションを活性化させる中で、今困っていることや改善した方 が良いことを現場から本庁へ、あるいは上司に報告しやすくすることが重要なの で、その機会をどう設けるか検討するべき。現場での事故に関係することだと、ヒヤリハットの時点で報告していくと思うが、今回の情報漏えい事故に関しても、きっかけになるようなことがあった時点で報告が上がっていくルートを徹底す ることが必要。現場からの事故報告の仕組みの中に不祥事の報告も入れていく、あるいは同じような形で情報が把握できる仕組みを検討してほしい。
○ 今回の不祥事について対策を講じる視点は色々あると思うが、出発点は動機をつぶすことではないか。何故このようなことをしたかという点を踏まえ、そういっ
た気持ち、状況にならないように対策を立てることも重要
○ 職場における日頃のコミュニケーションが第一だとは思うが、何か気づいた際に、こういうことが起きたら、何を、誰に、いつまでに報告しなければならないかを 明確にするなど、職員が対応に悩み、抱え込まないで済むようにするべき。
○ 改善措置の内容について、局から報告のあった方向性で委員会として了解した。本日の委員会での議論を踏まえ、取りまとめてほしい。
イ 東京水道グループにおける構造的課題
○ 水道事業は都民が供給の対象なので、都民の声を踏まえながら事業を進めることが重要である。都民の声の反映や、都民への発信を行いながら事業を進める仕組みをどのように取り入れるかを検討してほしい。
○ 内部統制体制をどのように構築するかについては、他事例を参考にしながら議論すればよい。モニタリングについては、きちんと行わない場合に責任を取ることが求められる、という意識でやってもらうことが必要
○ 内部統制の構築に向けてコンサルを活用する際には、コンサルに具体的に何をやってほしいか、どのような優先順位で取り組んでほしいかを明確にすることが必要。一つの方法として、確実に対応して欲しいこと、オプション的に可能であれば対応してほしいことなどの形で示す方法もある。
○ 局の内部統制体制構築に向けて、コンサルの支援を受けながら実施していくことを委員会として了解した。本日の委員会での議論を踏まえ、委託内容等を検討してほしい。
ウ 水道局の政策連携団体へのガバナンスのあり方
○ 監査等委員会は、会社法の条文上は、取締役の職務の執行を監査するという権限を有しているので、代表取締役個人ではなく、執行全体を監査する形にした方が良い。
○ 水道局と政策連携団体の組織間ガバナンスについては、水道局がどのように団体を統制するかが重要なので、団体との契約に何を盛り込むかなど、統制するため
の要素を議論することが必要
○ 具体例として、政策連携団体への委託業務の再委託をどのように捉えるか、政策連携団体の目標管理のチェックや、お金の流れの透明性をどのように担保するかなど、どのようなものを統制の要素として盛り込んでいくか検討することが必要
○ 政策連携団体に対して、株主の権利や契約に基づく統制などの議論があったが、グループ統制の手法について、どうあるべきかについて深めていくことが必要
エ 東京水道グループコンプライアンス有識者委員会中間報告書(素案)
○ 既に議論が完了している事項については委員会としての結論を、今後議論が続く事項については中間のまとめとして取りまとめていく。今回議論した素案の内容を文章に落とし込む形で最終的に決めていきたい。
参考資料7
第5回東京水道グループコンプライアンス有識者委員会 議事概要
1 日 時 令和元年 11 月 11 日(月) 午後1時 30 分から午後2時 45 分まで
2 場 所 東京都庁第二本庁舎 22 階 22C会議室
3 出席者
【委員】
幸田委員長、中西委員長代理、羽根委員(五十音順) ※矢野委員は所用により欠席
【水道局】
水道局長、技監、多摩水道改革推進本部長、理事、
経営改革推進担当部長、職員部長、経理部長、浄水部長、
総務課長、調整担当課長、経営改革推進担当課長、人事課長、
コンプライアンス監理担当課長、コンプライアンス推進担当課長、契約課長、浄水課長
【政策連携団体(東京水道サービス株式会社)】経営管理室長
4 会議の概要
(1)水道局長挨拶
○ 先生方におかれましては、大変お忙しい中、第5回の東京水道グループコンプライアンス有識者委員会にご出席賜りまして誠にありがとうございます。
○ 本日ですが、本委員会での今後の検証項目を改めて整理させていただきますとともに、先日の第4回の委員会で御意見賜りました、公正取引委員会からなされた改善措置要求等に関する改善措置につきまして、最終報告をさせていただきます。
○ また、水道局の政策連携団体へのガバナンスにつきましては、局と政策連携団体とのグループ統制に関する契約関係の現在の全体像をお示しさせていただいた上で、水道局が政策連携団体へ業務を委託する透明性をどう確保するか、という点につきまして、前回の議論を踏まえ、改めてご議論賜りたいと考えています。
○ さらに、年内を目途にこの委員会の中間報告書を公表いただく予定でございますが、その内容についても意見交換をいただければと考えております。
○ 限られた時間でございますけれども、委員の皆様には忌憚のない率直な御意見を賜りたいと思いますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。
(2)議事
ア 有識者委員会における今後の検証項目
イ 公正取引委員会による改善措置要求等を受けて講じる改善措置
ウ 東京水道グループにおける構造的課題(内部統制システムの構築)エ 水道局の政策連携団体へのガバナンスのあり方
オ 東京水道グループコンプライアンス有識者委員会中間報告書(案)
(3)議事に関する主な意見の内容
ア 有識者委員会における今後の検証項目
○ 検証項目とスケジュールといった、これまで議論してきたものを改めて整理してもらっているので、整理にしたがって進めてもらいたい。
イ 公正取引委員会による改善措置要求等を受けて講じる改善措置
○ 職員に違反行為の認識を持ってもらう意味で研修は重要であり、研修を実施する際には、受講するだけではなく、アンケートなどで職員がきちんと理解しているかについて点検をすることも検討してほしい。
○ 技術系職員による意見交換の取組は、非常に重要な試みだと思うので、技術系職員の中で完結させず、全体として吸収していくところまで考えてほしい。局として困ったところを吸い上げてくれる、と技術系職員がポジティブに参加できるような仕組みを作ってほしい。
○ 公正取引委員会による改善措置要求等を受けて水道局が講じる改善措置については、委員会として局が提示した内容で承認した。
ウ 東京水道グループにおける構造的課題(内部統制システムの構築)
○ 実際に委託する際には、まずコンサルに支援してもらいたい内容をメインに出し、それから補足的なこと、という順序で業務委託の仕様書に記載するとよい。
○ 内部統制システムの仕組みをどのように実効性あるものにしていくかが重要。実効性を担保する上で、最終的な内部統制のアウトプットをどうするかが重要で、そのような部分を検討する必要があるのではないか。
エ 水道局の政策連携団体へのガバナンスのあり方
○ 政策連携団体が民間業者と契約する際は、局が直接民間業者と契約する際と同等のグリップが利かせられているということが、局が政策連携団体となぜ随意契約をしているかという理由の一つになるのではないか。このため、グリップが利かせられていることが確認できる仕組みを作ることが必要
○ 二社統合に向け、契約内容の差異を整理する際は、内容をどちらかの会社に合せるというのではなく、最も適切な内容となるよう議論して欲しい。
○ 再委託企業で重要な問題が発生したときには、その問題を把握できるようにすることが重要。この観点から、水道局と政策連携団体との契約内容と、政策連携団体と再委託企業との契約内容の違いを検証することが必要
○ 政策連携団体が再委託企業の問題を把握することが契約上行えるようになっているかを検証した上で、政策連携団体と再委託企業との契約内容を水道局と政策連携団体との契約等で規定することが必要ではないか。契約書全体のどこでガバナンスを利かせるのか一度整理した方がよい。
○ 問題が発生した時に、水道局として、また政策連携団体として、どのような説明責任を果たすのかという視点についても検討することが必要ではないか。
○ 政策連携団体、さらに再委託企業も含め全体で水道事業をやっているので、ガバナンスの透明性やアカウンタビリティを説明できるよう、引き続き検討してもらいたい。
オ 東京水道グループコンプライアンス有識者委員会中間報告書(案)
○ 現時点の内容に、今日の意見も踏まえて取りまとめていきたい。
参考資料8
第6回東京水道グループコンプライアンス有識者委員会 議事概要
1 日 時 令和2年1月 17 日(金) 午後1時から午後2時 15 分まで
2 場 所 東京都庁第二本庁舎 22 階 22C会議室
3 出席者
【委員】
幸田委員長、中西委員長代理、羽根委員、矢野委員(五十音順)
【水道局】
水道局長、技監、多摩水道改革推進本部長、理事、経営改革推進担当部長、職員部長、経理部長、
総務課長、主計課長、調整担当課長、経営改革推進担当課長、人事課長、 コンプライアンス監理担当課長、コンプライアンス推進担当課長、契約課長
【政策連携団体(東京水道サービス株式会社)】経営管理室長
4 会議の概要
(1)水道局長挨拶
○ 本日は皆様大変お忙しい中、第6回東京水道グループコンプライアンス有識者委員会にご出席を賜りまして誠にありがとうございます。また本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。
○ 昨年5回にわたりまして、東京都水道局において発生した浄水場排水処理作業委託に係る談合疑いに関する再発防止策や、東京水道サービスに対する特別監察結果を受けて講じる改善策などにつきまして、多岐に渡る鋭いご指摘、ご意見を賜りました。
○ また東京水道グループ全体につきましての様々な問題につきましても幅広くご議論いただいたところでございまして、私どももそれにつきまして、真摯に受けとめまして様々な取組内容に反映してきたところでございます。
○ 今年も、ぜひ忌憚のないご意見を賜りまして、私どもをご指導ご鞭撻いただければと考えておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
○ 開会に先立ちまして、一点御報告がございます。すでにご報告を差し上げておりますが、昨年7月に公正取引委員会から改善措置要求等を受けておりました。先ほど
申し上げました、浄水場排水処理作業委託に関しまして、複数の当局職員が情報漏えいを行っていた件につきまして、都として把握した事故の概要と、その原因及び再発防止策等について取りまとめた調査特別チーム最終報告書を、昨年 11 月に策定・公表させていただきました。
○ 最終報告書の策定に当たりまして、委員の皆様には外部の視点で、局が掲げる再発防止策が十分かということを検証いただきました。この間のご協力、ご尽力いただきまして、重ねて感謝申し上げます。
○ 現在、当該報告書の内容につきまして、局内全職員に周知徹底いたしますとともに、再発防止策として掲げた各種取組を鋭意進めているところでございます。今後この再発防止策の実効性を高めるためにも、取組の実施状況を、本委員会の場で報告をさせていただきたいと考えております。
○ 本日の第6回委員会では、ただいま申し上げました調査特別チーム最終報告書で掲げた再発防止策のうち、契約締結手続きの監視機能の強化に係る内容についてご報告をさせていただきます。
○ また、水道局が所管いたします政策連携団体のガバナンスにつきましても、政策連携団体に委託した業務の再委託など、前回のご議論を踏まえ、局内で検討させていただきました内容をご報告させていただきますので、あわせてご議論いただきたいと思います。
○ 限られた時間でございますけれども、委員の皆様にはぜひ忌憚のない、率直なご意見を賜りたいと存じます。どうぞよろしくお願い申し上げます。以上で簡単でございますがご挨拶をさせていただきます。ありがとうございました。
(2)議事
ア 調査特別チーム最終報告書で掲げた再発防止策の実施状況内容:情報漏えい防止のための対策強化
(ア)契約締結手続きの監視体制の強化
(イ)見積り合わせ等の実態点検
イ 水道局所管政策連携団体へのガバナンスのあり方
(3)議事に係る意見交換の主な内容
ア 調査特別チーム最終報告書で掲げた再発防止策の実施状況
○ 電子調達システムをこれから活用されることは非常に望ましいことだと思う。それによって職員或いは業者の業務の負荷を減らす方向に向かい、もっとより価値の高い業務に移ることが可能になると思うので、ぜひ進めてほしい。
○ 電子調達システムとの関連だが、より公正性の高い、透明性の高い制度を利用されるということで、大いに活用してほしい。ただ、今までもこのシステム自体はあったけれども、利用状況がそこまで多くなかったということなので、その原因はちゃんと除去できているのかについて確認しておくべき。
○ 例えば電子入札を複数回行って価格が決まらないような、応札価格と予定価格に乖離がある案件についても、契約監視委員会で取り上げて、原因分析を行った方がよい。
○ 市場価格と比較してあまりに平均落札単価の割合が低いと、それを続けている業者は耐えられなくなり、談合したくなるというような誘発にもなり得ると感じたので、その点についてはフォローした方がよい。
○ 平均落札単価が市場参考価格より低いことについて、業者が無理な価格で入札すること自体に問題があるわけではないと思うが、価格自身がそれで適正かどうかというのは別の問題なので、ここはやはり検証して、少し上げる必要があるかどうかを確認して、場合によっては変更するということも、合わせて検討することが必要
○ 東京都の業務を受託することが他自治体等で受託する上での実績になるため、低い価格で入札しているケースがあるようだが、その業者に技術力があれば良いが、そうではなく、実績としてカウントするために落札して、業務を履行する上で問題が生じるという事例もあるように思う。水道事業は水を供給するという重要な事業なので、そういった事業者へペナルティーを課すことなども検討してほしい。
○ 調査特別チーム最終報告書で掲げた再発防止策の実施状況について、委員からの意見を踏まえて、引続き検討した上で、着実に取組を進めてもらいたい。
イ 水道局所管政策連携団体へのガバナンスのあり方
○ これまで不統一だった取扱いを基本的には一番厳しいものに合わせる、統一させていくということなので、ぜひ進めていただければと思う。
○ 局として統一していく上では、共通部分は標準化し、各部署で特殊なところはそれぞれの特性に合わせて、という発想で進めていった方がよい。
○ コピーやワープロ等の簡易な業務ついても、すべて情報の宝庫なので、最近他の自治
体で起こった情報漏えいの事案も鑑み、少なくとも機密情報や個人情報、設計図などを取り扱ったような案件については、しっかりと再委託先や再々委託先についても、確認を取っておいた方がよい。
○ 契約書内容の見直しは進めていただきたいが、契約締結はある意味スタートなので、 PDCAサイクルを構築するために、フォローの体制や、例えば5年に1回抜き打ち、年に何回か確認に行くなど、その契約内容と照らしてきちんとやっているかについても確認することが必要
○ 政策連携団体への委託業務に係る再委託、再々委託先との関係について取扱いを統一 することに関して、各部局に通知することになると思うが、その際には、その理念や 考え方を浸透させることが重要。水道局と政策連携団体の職員の方にきちんと理念と か考え方が浸透するように、通知する際の説明用の文言等についても検討してほしい。
○ この件については、第5回の有識者委員会の議論を踏まえて、局内の各部局の状況を検討、調査した上で、方針をまとめたものだと思う。内部統制の一つの要素になってくる面でもあるので、4月の団体統合に向けてしっかりと進めてほしい。
参考資料9
第7回東京水道グループコンプライアンス有識者委員会 議事概要
1 日 時 令和2年4月 28 日(火)~5月 29 日(金)(書面開催)
2 会議の概要
(1)議事
ア 調査特別チーム最終報告書で掲げた再発防止策の実施状況イ 水道局所管政策連携団体のコンプライアンス
ウ 水道局における内部統制システム構築に向けた実施状況
(2)議事に係る局からの説明
ア 調査特別チーム最終報告書で掲げた再発防止策の実施状況
(ア) スライドP2 局内コミュニケーションの活性化(職場相互点検)
○ 職場相互点検は、情報管理や職場環境等からなる局共通のチェックリスト(点検項目)に加えて、事前に各担当単位で作成してもらった各職場の実態に即したチェックリストをもとに、昨年11月に実施
○ 点検の結果は、課長へ報告し、改善すべき点や良い取組について、組織内で共有
○ 昨年度は、設計、起工、契約等を所管している56課(局全体の約半数)で実施
(イ)スライドP3 局内コミュニケーションの活性化(職場相互点検)
○ 実施結果は概ね適正であったが、一部改善を要する事例も見受けられたため、改善を実施し、良い取組については、組織内で共有
○ 今回の点検結果を含めて、各職場で工夫して実施している良い取組については、局全体でとりまとめ、局内各部・所に水平展開を実施
○ 本取組は、職員の意識を高める上で有効であったなど、一定の効果が確認できたので、今年度は対象部署を拡大して実施していく予定
(ウ)スライド P4 局内コミュニケーションの活性化(本庁幹部と事業所との意見交換)
○ 本庁幹部と事業所との意見交換は、昨年5月から今年2月にかけて実施し、局長をはじめとした本庁の幹部が、多摩水道改革推進本部及び全2級事業所を訪問
○ 事業所訪問では、局長が事業所の職員に対して自らの言葉で直接対話するとともに、各職場におけるリスクやその防止のための取組等について自由闊達な意見交換を実施
(エ)スライド P5 局内コミュニケーションの活性化(本庁幹部と事業所との意見交換)
○ 局長からは、局を取り巻く厳しい現状、再発防止の考え方やコンプライアンス推進に向けた日々の心構え等について話
○ 意見交換では、各職場における悩みや独自に工夫している取組など、現場のさまざまな実情について、自由かつ忌憚のない意見を交換
○ 本取組は、本庁と現場のコミュニケーションを活性化するとともに、トップのコミットメントという意味でも非常に重要なので、今後も継続して実施していく予定
イ 水道局所管政策連携団体のコンプライアンス
(ア) スライドP6 水道局所管政策連携団体の統合について(統合の目的及び新団体の概要)
○ 水道業務を包括的に担うことができる体制の構築を目的に、水道局所管政策連携団体である、東京水道サービス株式会社と株式会社 PUC の2社を統合し、「東京水道株式会社」として令和2年4月1日より業務を開始
○ 新会社は、引き続き政策連携団体として指定するとともに、株式の約8割を都が保有
(イ)スライドP7 水道局所管政策連携団体の統合について(役員一覧)
○ 新会社の代表取締役社長として前東京水道サービス株式会社代表取締役社長 野田数 を選任
○ 社外取締役・監査等委員として、中島美砂子(弁護士・公認会計士)、大賀公子(株式会社スカパーJSAT ホールディングス社外取締役)、中島文明(蛇の目ミシン工業株式会社社外取締役)の3名を選任
(ウ)スライド P8 水道局所管政策連携団体の統合について(監査等委員会の設置について)
○ 東京水道株式会社は、会社法上の監査等委員会設置会社であり、東京水道株式会社における監査等委員は、P7のとおり3名全員を外部人材から選任し、監査における経営の客観的視点を重視
(エ)スライド P9~10 政策連携団体(統合後)の内部統制(リスク管理体制及び各機関の役割)
○ 適切なリスク管理を実現するため、リスク管理を担う各種委員会を置き、統括機関としてリスク管理委員会を設置
○ 社外取締役で構成される監査等委員会が、内部統制の運用状況について監査を行うことで、リスク管理の質を担保する体制を構築
(オ)スライドP11 リスク管理行動計画について(策定経過及び行動計画の内容)
○ 令和元年8月に公表した「東京水道サービス株式会社に対する特別監察結果改善報告書」において、内部統制の強化策として、令和2年3月までに「リスク管理行動計画」を策定することを明記
○ 東京水道サービス株式会社においては、リスク管理委員会を設置し、業務上の35
0件のリスクを洗い出し、その中でも重要度の高い17業務についてリスク管理行動計画を策定
○ 株式会社 PUC においても、リスク管理委員会の下で、860件のリスクを洗い出し、その中でも重要度の高い18業務についてリスク管理行動計画を取りまとめ
○ 令和2年4月1日に2社が合併したことに伴い、両社の計画を統合し、新会社として運用を開始
○ リスク管理行動計画は、業務記述書、業務フロー図、リスクコントロールマトリクスの3点で構成され、業務フロー図とリスクコントロールマトリクスを合わせて
「リスク管理行動計画表」として管理・運用
(カ)スライドP12~13 リスク管理行動計画について(行動計画の内容)
○ 図は、リスク管理行動計画を構成する「業務記述書」と「リスク管理行動計画表」の例
○ ここでは、お客さまサービス本部におけるコールセンター業務と営業所業務の「業務記述書」を、そのうち、コールセンター業務のうち各種受付業務の「リスク管理行動計画表」を例示
(キ)スライドP14 リスク管理行動計画について(行動計画の運用)
○ 新会社では、社全体のリスクを網羅的、総括的に管理するリスク管理委員会の監視の下、リスク管理行動計画表に基づき、業務執行部門が定期的に履行状況の自己点検を行い、その結果をリスク管理委員会に報告し、必要に応じて改善指示を受ける。
○ また、リスク管理委員会は各部・委員会のリスク管理・対応行動の実績について監査等委員会、取締役会へ報告
○ 自己点検等による分析結果、リスク管理委員会の指示等を踏まえ、業務執行部門はリスク管理行動計画表を随時改定し、必要に応じて管理対象業務の追加を検討
○ 上記のリスク管理に係る一連のPDCAサイクルを実践し、リスク管理行動計画を継続的に改善
ウ 水道局における内部統制システム構築に向けた実施状況(非公開)
本議事の内容には、内部統制システム構築支援を行っている事業者の事業活動情報等
が含まれるため、委員会資料及び当該情報に係る説明内容は非公開とする。
○ 内部統制システム構築に向けた令和元年度の取組状況、内部統制の基本方針案を局から説明
(3)議事に係る意見交換の内容
書面、電話による意見聴取、意見交換を実施
ア 調査特別チーム最終報告書で掲げた再発防止策の実施状況
(ア) 職場相互点検に係る委員からの質問及び局回答
【幸田委員長】
今年度の職場相互点検の実施時期は決まっているのか。
【水道局】
昨年度と同時期に実施する予定です。
【矢野委員】
チェックリストの項目数は、全職場共通の項目と職場ごとの項目とどの程度あったのか。
【水道局】
全職場共通のチェック項目は 20 項目、職場ごとのチェック項目としては、概ね 10 項目程度ございました。
【矢野委員】
良い取組事例とは、具体的にどのようなものがあったのか。
【水道局】
スライド3ページに記載されている「契約予定案件ごとにスケジュール管理ができるよう、独自のチェック表を作成し、担当内で共有」や「輪番制でコンプライアンス推進担当を設置する」等の取組がございました。
【羽根委員】
職場相互点検の取組は毎年度実施するのか。
【水道局】
継続して取り組むことが重要と考えており、毎年度実施していく予定です。
【羽根委員】
職場相互点検の良い取組の水平展開の方法とは。
【水道局】
局内のコンプライアンスに関する推進会議の中で紹介した後、局の全職員が閲覧できる掲示板に掲載し、展開しております。
(イ) 職場相互点検に係る委員からのご意見及び局回答
【幸田委員長】
特定の日ではなく、ある程度の期間を示して点検をやるというのはいい。
良い取組を水平展開することは大事である。引継ぎが的確に行われる仕組みを作ってはどうか。
【中西委員長代理】
継続的に点検結果を見ていくことと、結果を比較するなどするとより具体的になるのではないか。
相互に不適切な点の指摘のみ(指摘型)では部署間の対立に繋がる恐れもあるので、「自部署ではこうしている」といった良好取組事例の相互共有(助言型・共有型)という点検方針とし、継続的に進めていってほしい。またシステム等を使って対応事例を蓄積していくと良い。
【羽根委員】
効果のある取組であれば、1回限りにせず定期的に実施するとよい。
【水道局】
今年度は対象部署を拡大し、各部署において柔軟に実施できるよう引き続き1か月程度の期間を示しながら継続して取組を進めてまいります。
(ウ) 本庁幹部と事業所との意見交換に係る委員からの質問及び局回答
【矢野委員】
本庁幹部と事業所との意見交換での忌憚のない意見交換とは、具体的にどのような意見があったのか。
【水道局】
東京水道株式会社は、東京水道グループの一員である一方、業務上、受委託の関係でもあるので情報提供の線引きが難しいなどの意見がありました。
(エ) 本庁幹部と事業所との意見交換に係る委員からのご意見及び局回答
【幸田委員長】
意見交換で出た事業所が抱える課題等については、本庁で検討した上で、事業所へフィードバックすることが大事。
意見交換の場では、コンプライアンスだけでなく、事業所が抱える課題について幅広く対象とした方が良いのではないか。
【中西委員長代理】
トップが現場を訪問するということが非常に大事である。
事業所職員が十分な「心理的安全性」を感じられるよう、時間や場所、会議状況(席次等)についても配慮すること。例えば、繁忙時を避ける、休憩室やラウンドテーブルでの開催など。
【矢野委員】
現場とトップが一体となって問題を改善するように取り組んでいただきたい。
【羽根委員】
効果のある取組であれば、1回限りにせず定期的に実施するとよい。
【水道局】
今後とも取組を継続し、事業所の状況にも配慮しつつ活発な意見交換を通じて課題等の共有を進め、業務の見直しや改善につなげてまいります。
イ 水道局所管政策連携団体のコンプライアンス
(ア) リスク管理の仕組みや運用に当たって留意すべき点に関する委員からの質問及び局回答
【幸田委員長】
業務の単位は、業務記述書の小項目で1業務となるか、それとも大項目で1業務となるのか
【水道局】
小項目の単位で1業務となります。
【幸田委員長】
業務として TSS と PUC の業務を統合したものはないということで以前に洗い出した 17業務と 18 業務が対象業務として独立して存在しているということでよいか。
【水道局】
技術系の業務はTSS、営業系の業務は PUC が所管していたので、TSS の 17 業務と PUC の 18 業務、合計 35 業務が東京水道(株)の対象業務となっています。
【幸田委員長】
リスクの対象業務はどの程度の期間で見直していくのか。スクラップ&ビルドなどの方針はどのようになっているのか。
【水道局】
四半期ごとにモニタリングし、問題が発生すれば対象となる業務を見直すという議論になっていくと想定しております。具体的には、リスク管理行動計画を PDCA サイクルで運用する中で、法改正等による業務の見直しや、新たな業務の開始などをきっかけに、リスクの重要度・影響度・発生頻度が変動した場合、または新たなリスクが出現した場合などに、リスク管理委員会が報告を受け、対象業務を見直すことを想定しています。
【幸田委員長】
新たなリスクが追加される仕組みはどうなっているのか
【水道局】
対象業務において、環境の変化等により新たなリスクの発現があれば、当該リスク所管部署がリスク管理行動計画表に反映し、リスク管理委員会へ報告します。リスク管理委員会は、当該リスクやその対応策等について、その妥当性の判断を行い、不十分と判断されたリスクについては、リスク所管部署と連携して、リスクや対応策等の見直しを行います。
【幸田委員長】
リスクの対象業務に、横断的な業務というのはないのか。
【水道局】
他部署との連携が深い業務についても、各業務の担当部署は決まっているので、担当部署がメインとなりリスク管理を行います。
【矢野委員】
リスク管理委員会の下にある委員会は、今後拡張していく予定なのか。
【水道局】
リスク管理委員会の下に位置付けたのは、資料に記載の三つの委員会のほか、業者選定委員会、入札審査委員会、安全管理委員会、工事事故防止対策委員会、個人情報保護委員会、情報セキュリティ委員会、QMS運営委員会があり、今後、委員会の改編などがあれば、必要に応じて、見直しを行います。
【矢野委員】
リスク管理委員会が想定しているリスクとは、どんなリスクを想定しているのか。
【水道局】
業務ごとに生じうるリスクを想定しております。
【矢野委員】
いつ誰がリスクをチェックするのかというような運用計画書は作成されているのか。
【水道局】
リスクの運用については、各部門による自主的なチェックを実施した上で、四半期ごとにリスク管理委員会に報告し、取締役会に報告するとともに、団体と局の間では、コンプライアンス推進会議で随時共有し運用していく予定です。
(イ) リスク管理の仕組みや運用に当たって留意すべき点に関する委員からのご意見及び局回答
【幸田委員長】
リスク回避のために、業務プロセスの見直しの視点を持つことも大事である。それぞれの職位に応じた役割を自覚し、意識の醸成、高揚を図ることが重要。
【中西委員長代理】
リスク管理行動計画をリスク管理だけでなく、業務改善にも使用していただきたい。 14 ページの図に違和感がある。マネジメントシステム上、「チェック」と「モニタリン
グ」は異なる。「モニタリング」とは PDCA サイクル全体を監視するものではないか。そういう意味では、「アクション」や「プラン」についてもレビュー and/or アドバイスをする機能をリスク管理委員会として持つことが必要なのではないか。
【矢野委員】
粘り強く繰り返し続けていくことが重要である。現場にあまり負荷をかけないように、ポイントを絞ってやり続けることを留意していただきたい。
【羽根委員】
人は弱い面などもあり、自発的なものには過度な期待はせず、外部の目を意識して実施するということが基本的に重要であり、職員のやる気や意識にも効果的に作用する。
取組により改善内容が反映され、その過程が可視化されることで、形骸化させないということが基本である。
【水道局】
今後委員の皆さまからいただいたご意見やご助言を政策連携団体と共有し、リスク管理の運用について、局として適切に指導してまいります。
(ウ) 上記以外の委員からのご質問及び局回答
【矢野委員】
東京水道株式会社の非常勤職員数は何名程度になるのか。
【水道局】
常勤 2,055 人、非常勤 571 人です。
【矢野委員】
常勤取締役数が一般民間企業に比べ少ないように思うが、業務は回るのか。
【水道局】
政策連携団体の役員構成は、都の指導により最適化を図っております。また、都派遣部長級の本部長級への配置などグリップに努めております。
【矢野委員】
東京水道株式会社のプロパーの取締役は何名なのか。
【水道局】
プロパーの取締役はおりません。
【矢野委員】
監査室の職員数は何名なのか。
【水道局】
全体で 10 名程度になります。
【羽根委員】
リスク管理委員会と各委員会との関係はどのようになっているか。
【水道局】
リスク管理委員会は社全体の総合的なリスク管理を行い、各委員会はそれぞれの所掌事項に係るリスクの管理について、必要に応じて、リスク管理委員会から提言を受けることになります。
【羽根委員】
リスク管理委員会と各委員会の構成メンバーはどのようになっているか。
【水道局】
リスク管理委員会の構成メンバーは、代表取締役社長(委員長)、常勤取締役、各本部長、各リスク所管委員会委員長です。一方、各委員会の構成メンバーは、代表取締役社長又は所掌事項を担任する常勤取締役(委員長)及び所掌事項を担当する管理職です。
ウ 水道局内部統制システム構築に向けた実施状況
(ア) 内部統制の基本方針に関する委員からのご意見及び局回答
【幸田委員長】
次の事項については、基本方針に明記した方が良い。
・目的に「職員が安心して仕事ができる仕組み」に加え、都民(又はお客さま)への安全
でおいしい水の供給(又は水道事業の安定性及び公益性の維持)を入れる。
・内部統制の具体的な体制(組織)を入れる。
・内部統制の運用状況報告について、都民への公表、議会への報告などを入れる。
【中西委員長代理】
多くの組織で不祥事対応が内部統制強化の発端だが、現場が「締め付け」と感じないよう、ポジティブな説明(きちんと仕事をすることが社会的な義務を果たし、自分と取引先、住民を守ることである、ということ)をする必要がある(締め付けはさらなる問題(隠ぺい・改ざん等)に繋がる危険性があるので注意)。
【羽根委員】
まずは、コンプライアンスに重点を置いて内部統制を始めることは、確実に成果を上げていくために良い考え方であり、将来的に対象を拡大していけばいい。
【水道局】
今後委員の皆さまからいただいたご意見やご助言を踏まえ基本方針を検討してまいりたいと思います。
(イ) 上記以外の委員からのご意見及び局回答
【中西委員長代理】
マニュアル等も、「~してはいけない」というより、「~しよう」という形で正しい行動に誘導することを工夫するとよい。
【矢野委員】
お客さまの声を反映する仕組みとして、事業者アンケートを実施することは、事業者を含め水道局のリスクを抑え込むことにつながり、よりよくなるのでないか。
【羽根委員】
コンプライアンス意識調査を1回限りとしないことは、効果測定に加えて職員の意識への働きかけにも効果的である。
【水道局】
今後内部統制システムを構築していく上で、委員の皆さまからいただいたご意見やご助言を踏まえ検討してまいりたいと思います。
参考資料 10
東京水道グループコンプライアンス有識者委員会(第 8 回)
日時 令和 2 年 7 月 9 日(木) 15:00~16:05場所 東京都庁第二本庁舎 22 階 22C 会議室
1 開会
(石井職員部長) それでは、定刻となりましたので、ただいまから第 8 回東京水道グループコンプライアンス有識者委員会を開催いたします。
本日の委員会ですが、新型コロナウイルス感染症の拡大防止の観点から Web 開催とさせていただきました。委員の皆様には、御多忙のところ、Web 上での御出席、誠にありがとうございます。なお、本日、幸田委員長は御欠席との連絡をいただいております。
2 水道局長挨拶
(石井職員部長) それでは、開会に先立ちまして、局長の中嶋から御挨拶申し上げます。
(中嶋水道局長) 皆さん、こんにちは。本日は、大変お忙しい中、第 8 回の東京水道グループコンプライアンス有識者委員会に御出席賜りまして、誠にありがとうございます。ただいま申し上げましたように、新型コロナウイルスの関係で今日初めてテレビ会議ということでさせていただきますけれども、いろいろと通信の関係でもし不具合がございましたら直ちに直しますが、御容赦いただければと思います。
また、本日の委員会につきましては、Web の会議でございますけれども、局側の人数も出席は最小限にしております。あしからずお願いいたします。
また、第 7 回有識者委員会につきましては Web による開催準備が整わずに書面で行わせていただきましたけれども、皆様からいろいろな御指摘をいただきまして、また、それを踏まえた上で今回資料等を作成して御説明をしております。また、第 7 回有識者委員会を書面で開催
させていただきましたために、本日が令和 2 年度に入りまして初めての開催ということになりますけれども、委員の皆様におかれましては、今年度も引き続きぜひ専門的な御見地から忌憚のない御意見を賜りますようよろしくお願いいたします。
本日でございますけれども、昨年度、調査特別チームの最終報告書で掲げました再発防止策のうち、情報漏えい防止のための対策強化につきまして取組状況をまず御説明をさせていただきます。また、水道局におきます内部統制システムの構築につきまして、第 7 回委員会の議論を踏まえました構築に向けた実施状況を御報告させていただきます。
限られた時間ではございますけれども、委員の皆様にはぜひ忌憚のない率直な御意見を賜りたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
(石井職員部長) ありがとうございました。
次に、4 月の人事異動に伴い新たに出席させていただく局職員を御紹介させていただきます。経理部長の金子光博でございます。
(金子経理部長) 経理部長の金子でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
(石井職員部長) よろしくお願いいたします。
以後、議事に入りますが、本日の委員会は、設置要綱第 8 条にありますとおり、公開ということで進めさせていただきます。
次に、会議資料について説明をさせていただきます。本日の会議資料は委員の皆様には既にメール等でお送りさしあげております。お手元に御用意を願います。資料ですが、委員会次第、委員名簿、座席表、本委員会の設置要綱、前回の議事概要、本日の説明資料の順に一続きとなっております。御確認願います。
3 議事
(石井職員部長) それでは、議事に入りたいと思います。以後の進行は中西委員長代理にお願いしたいと思います。中西委員長代理、どうぞよろしくお願いいたします。
(中西委員長代理) よろしくお願いいたします。ここから私のほうが進行させていただきます。
まず、最初の議題ですけれども、最終報告書に掲げました再発防止策の実施状況につきまして、まずは局側から御説明をお願いいたします。
(金子経理部長) それでは、私から御説明させていただきます。2 ページと上に振ってございますが、再発防止策実施状況の報告ということで、まず 1 点目でございますが、不正行為に対するペナルティー強化ということでございます。実施内容でございますが、水道局では、入札参加者がさぐり行為を行った場合に交付する注意書は 1 年間で 2 回交付されたら指名停止
となってございます。そのことに加えまして、交付 1 回目の場合におきましても 1 年間は指名決定を保留いたしまして、独占禁止法等の法令違反がない旨の誓約書の提出を求めまして、提出がない場合には指名しないこととしているところでございます。図のほうの右側の黄色の色のかかった部分にその旨が記載されているところでございます。
なお、これまでの実績といたしましては、平成 30 年 12 月に本取組の運用を開始いたしまし
て、本年 5 月末現在までに本事例を適用した事例は水道局ではないという状況にございます。引き続きまして、3 ページですけれども、契約事務所管部署における情報漏えい防止という
ことで、まずこれについての経緯でございますが、平成 29 年度の三園浄水場排水処理作業委託の契約書等の書類を契約予定事業者に交付する際に、誤って非公表の予定推定総金額が記載された書類を交付してしまったということで、契約課職員による情報流出の事故がございました。
これに対応する対応策としての実施内容でございますが、契約事務フローの点検を行いまして、厳格管理情報が表示された紙情報の有無を確認することといたしました。また、厳格管理情報が表示された電子調達システムの画面のハードコピーは原則出力を禁止することとしております。それから、業務上の用途で使った場合には、使用後、直ちにシュレッダー等により廃棄することとし、保管は行わないを徹底しているところでございます。また、電子調達システムへの入力内容の確認につきましては、チェックリストを別途作成いたしまして、確認項目及び確認方法を局内で統一し、チェックするようにしております。次に、契約書の受け渡し及び交付の際でございますが、管理簿に対応者を記録いたしまして管理するということを行っております。さらに、資料の混入を防止する取組といたしまして、仕様書については 1 ファイル化を行っております。また、2 通作成する際はコピーの対応を徹底するということで行っているところでございます。
本取組の実施時期といたしましては、令和元年 12 月に全契約所管部署において運用を開始しているところでございます。
次に、4 ページ目でございますが、委託契約情報の事後公表の拡大ということで、目的といたしましては、第三者による入札参加者の応札行動等の事後的な検証を可能とすることで入札参加者への入札談合の抑止力の強化を図っていくというものでございます。具体的な実施内容といたしましては、契約金額が 1,000 万円以上の業務委託につきまして、過去 5 年間の落札額、入札参加者別の応札額等の情報を一覧表にして公表しているところでございます。実施時期につきましては平成 30 年 12 月から運用を開始しているところでございます。
説明につきましては以上でございます。
(中西委員長代理) ありがとうございました。
では、ただいまの局からの説明につきまして御質問、御意見はございますでしょうか。
(矢野委員) では、1 つ。
(中西委員長代理) では、矢野委員、お願いします。
(矢野委員) パワーポイントだと 4 ページですか、このページで、一応事後に公表されることは結構なことなのですが、例えば契約するときに、金額だったりとか 1 社入札にならないようにとか、何かそんな要件で事前にチェックをより強めにするというか確認を取るとか、そういう策は何かありましたか。
(中西委員長代理) 回答を今いただけますでしょうか。
(金子経理部長) 基本的には契約金額については伏せて入札にしていますので、今回この事後公表の拡大というのは、過去このような形で行いましたよということを可視化することで、しかも 5 年間並べて見られるようにすることで、いろいろな方が見て不正行為が行われていないということが明らかになるような形で開示するみたいな形で行っている、そういうものでございます。
(矢野委員) そうですよね。事後になさるのは全然喜ばしいことなのですけれども、それで事前の抑止にもなるというのも分かるのですけれども、具体的に事前でも、例えば 1 社しか応札する会社が来なかったら、よくあるのがアンケートを取って確認する―それは事後になるのか。事前に何らかの違う策で不正、情報漏えいだったりおかしな動きがないかどうかを確認するというのを予防的に事前にするということはないのかなという質問なのですけれども。
(金子経理部長) 事前ということでいいますと、一番最初に申し上げたような形で、さぐり行為みたいなことはペナルティーの強化ということで行えないような形にしていますし、金額自体も伏せていますので、たとえ 1 社で応札してきたとしても、その中身の金額自体はあくまで分からないようになっておりますので、その辺のところの担保というのは、このような形で事前に探られるようなことがないような形で抑止を強化しているという形で対応しているような形です。
(矢野委員) 分かりました。そういう意味だと、最初のページが事前の抑止になるということを回答されたと理解しました。
(金子経理部長) はい。
(中西委員長代理) よろしいでしょうか。
(金子経理部長) はい。
(羽根委員) 羽根でございます。
まず、今もちょっとお話が出てきたのですけれども、パワーポイント 2 ページでございますが、さぐり行為があった場合にはペナルティーを強化するのだと。それは結構なことだと思うのですけれども、その際に、右側の黄色の囲みの部分に誓約書を提出するのだということがありまして、何の誓約かというと、法令遵守と法令違反の契約解除と違約金支出についての誓約
書だと書いておられるのですが、私は個人的には、さぐり行為はしませんというか、もしくはしていませんということが一番重要なのではないかなと思うのですけれども、これは法令違反の中にさぐり行為をしないということも含まれていると理解してよろしいのですか。
(金子経理部長) さぐり行為そのものは、法令にのっとってというよりも、東京都のほうで決めている事項になります。ヒアリングの際にそういったことがないかどうかというのは確認をしますし、あと一般的な法的なものについても違反していないということを書面で誓約書という形で改めて事業者の方に出していただくということで、これは相当事業者の方も責任を持って出されるということになりますので、抑止効果はあるのだろうと考えているところです。
(羽根委員) さぐり行為をそもそもやらないでくれというのは業者のほうにはあらかじめ開示というのか、伝えてあるのでしょうか。
(金子経理部長) このことにつきましては、各契約のその都度、電子調達システムのところにもさぐり行為は禁止していますということは明記しておりますし、あと、従前からそうなのですけれども、事業者の方たちに対してはさぐり行為は駄目ですということで教示はしているところでございます。
(羽根委員) それから、3 ページ、情報漏えい防止策の実施ということで、実施内容に書いていただいていることは大いに結構なことで、あとはこれを完璧に実施できるのかどうかということなのかなと思います。要するに紙には出力しないで画面で事務処理をするということが原則ということについて、実務的にはちょっとやりにくいところもあるかなとは思うのですけれども、万一というか、例外的に紙に出力した場合にはシュレッダーで直ちに廃棄するのだと。これも完璧に実施されれば問題ないとは思うのですけれども、実務上やりにくいというところもあって、原則と例外がいつの間にか逆転しているということがないようにぜひ現実に実施していただければなと思います。
私からはそんなところです。
(金子経理部長) ありがとうございます。
(中西委員長代理) ありがとうございました。お二人の委員がおっしゃられるように、未然防止と申しますか、まずは不正をやらないような形での仕組みや仕掛けを作っていただければなと私からも思います。
それからもう一点、今の 3 ページのところの話なのですけれども、これは質問ですが、なかなか現実には難しいという御意見もありましたけれども、実際に例えばプリンターメーカーといいますか、プリンターシステムとかコピーのほうで IT 的に管理をするということもお考え
なのでしょうか。
(金子経理部長) 原則として紙に出力してしまったものが混入してしまうというのが一番ま ずいので、その紙に出すことは原則やらないような形で、なるべくチェックリストも厳格管理 情報が記載されていないような形で、事項としてなっているかどうかというのを確認するとか、情報そのものが紙として存在しないような形にするような形でなるべく管理していくと。やむ を得ず出力してチェックなり何なりに使わざるを得ないようなときには、それを保管すること がまず危ないのですぐにシュレッダーをするという形で、なるべく紙として存在しないような 状態にはしようとは思っております。また実際そのように取組をしているところです。
(中西委員長代理) ありがとうございます。お聞きしたかったのは、それをプリンターのほうで制御しているとか、あるいは出力した場合にはちゃんと記録を取って、それが破棄されているかということを検証しているかというところなのですけれども。
(金子経理部長) 出力物についてはチェックはちゃんとしております。
(中西委員長代理) 分かりました。できるだけ IT とかに頼れるところは頼ってヒューマンエラーが発生しないようにというのが一つの大きな目的だと思いますので御検討をいただければと思います。
(金子経理部長) はい。
(中西委員長代理) 私からは以上です。ほかの委員の先生方、追加で御質問や御意見などございますでしょうか。
(羽根委員) 特にございません。
(中西委員長代理) ありがとうございます。
それでは、こちら、不正行為に関するペナルティー強化、あるいは契約事務所管部署における情報漏えいの防止、それから委託契約情報の事後公表の拡大を御報告いただきました。では、本日の議論を踏まえまして引き続き着実に実施していっていただければと思います。よろしくお願いいたします。
(金子経理部長) よろしくお願いします。
(中西委員長代理) ありがとうございます。
では、次の議題です。「水道局における内部統制システム構築に向けた実施状況」について御報告をお願いいたします。
(山村コンプライアンス監理担当課長) そうしましたら、事務局より説明をいたします。5ページ目です。内部統制システム構築に向けた実施状況です。これにつきまして報告させていただきます。
まず内部統制です。水道局が導入する内部統制なのですが、その背景です。それを改めて今回確認させていただければと思います。水道局では過去 3 回不祥事が続いてしまったというところがございまして、やはりそういった不祥事予防に向けてしっかりとした PDCA サイクルの仕組みを作っていくことが非常に重要になるのではないかなと考えております。
あわせまして、地方自治法等の改正がございまして内部統制システムを導入している自治体も多数ございます。公営企業につきましては法律の対象にはなっておりませんが、そういった背景を踏まえると、水道局としてもしっかりとした内部統制システムを作らなければならない状況ではないかなと思われるところでございます。
内部統制の定義なのですが、これは非常に多義的な言葉なのですけれども、いわゆる 4 つの目的があると言われております。水道局の場合は、やはり不祥事が続いたということも踏まえると、法令遵守、コンプライアンスの部分を重点化した内部統制システムの導入を検討していきたいと思っているところでございます。
一番下の参考なのですけれども、内部統制は多義的でございますので、各法令によって重点化するところは異なっているという意味で参考に添付させていただいております。
では、次のスライドをお願いします(スライド 6 ページ)。今後、水道局が内部統制システ
ムを導入していくに際して 4 つのステップで整理させていただきました。最初がまず整備の段階でございまして、基本的には基本方針ですとか対応するべきリスク、こういったものを定めるフェーズと考えております。今現在、整備に向けて動いておりまして、今年度中に整備を完了させていきたいと考えております。
次が運用と評価のフェーズでございまして、それが来年度を想定しております。運用につきましては、日々ルールですとかマニュアル、そういったものをしっかりと遵守していくという段階でございます。評価につきましては、内部統制はやはり PDCA の C、チェックの部分が非常に重要であると言われておりますので、ただ運用するだけではなくて、実際ちゃんとルールが守られているかですとかルールに無理がないか、そういったところを評価を行うということも重要であると考えております。
令和 3 年度に、来年度なのですが、1 年間内部統制を運用した後に、令和 4 年度以降にその実施状況を報告書という形でまとめまして公表をしていきたいと考えております。
では、次のスライドをお願いします(スライド 7 ページ)。内部統制のまずイメージなのですけれども、内部統制といっても定義も多義的でございますし、あとどういった体制を取るかについてもバリエーションがあるところでございますが、水道局が考えるイメージを簡単に説
明させていただければと思います。
まず、内部統制の責任者として局長が率先してやっていただくというところと、あと推進部 門と評価部門、ここを分けて内部統制を運用していくことが重要ではないかと考えております。推進部門は、内部統制の基本方針ですとかどういったリスクに対応するのかというところを決 めていくところでございまして、それが PDCA の中の P の部分でございます。実際の内部統 制はルール化されたものを現場等がしっかり回していくというところでございまして、それが Do のところでございます。具体的には、各課でそれぞれの取組もございますし、あるいは局 横断的に行う取組もあろうかと考えております。
ここではモニタリングのところなのですけれども、では、実際そういった Do の形でルールを回していく中でチェックを誰が行うかというところが非常に重要になってきまして、それが内部統制員、課長級職員による日常的なモニタリングを想定しております。これは、それぞれの課の所属長である課長が、きちんと現場レベルでルールが守られているかどうか、ルールに無理がないかどうか、そういったところをしっかりチェックしていくことが重要ではないかと考えております。
そのような日常的なモニタリングの点検の結果につきましては内部統制評価部門に上げられていくことになりまして、評価部門のほうは必要に応じて、書面調査だけではなくて現地調査等も行うことで内部統制上の問題点がないかしっかりとモニタリングをしていくというところを想定しております。
その上で報告書という形でまとめさせていただきまして、さらに、外部評価という形でコンプライアンス有識者委員会に内部統制評価報告書に対する意見をいただきながら、あわせてその結果も含めて公表していきたいと考えております。
では、次のスライドをお願いします(スライド 8 ページ)。次は内部統制の体制、これも今 現在検討中ではございますけれども、体制の役割について説明させていただければと思います。
内部統制の責任者としては局長を想定しておりまして、あと実務的な責任者として職員部長を想定させていただいております。実際実務を回していくのは内部統制推進部門、評価部門になろうかと思っておりますが、これにつきましては、現在、局内に置かれているコンプライアンスラインが内部統制の推進部門、評価部門を担っていくというところを想定しております。
一番下の会議体のところなのですけれども、会議体も、やはり内部統制は局横断的に行う取組ですので、例えば本庁の部長級職員等に参加していただきながら、内部統制がしっかり浸透していくための会議体を設けていきたいと考えております。
では、次のページをお願いします(スライド 9 ページ)。先ほど説明させていただいた体制をより分かりやすく図式化したものでございます。イメージといたしましては、内部統制の責任者に対して内部統制推進会議がしっかり補助をして重要事項を決定していくというところを想定しておりまして、事務局としては、内部統制の推進部門、評価部門が会議体の事務局を担っていくと。場合によっては実務的な周知文等も作成しながら、各部あるいは各事業所に実施事項を周知していくということを想定しております。
では、次のスライドをお願いします(スライド 10 ページ)。次は内部統制のモニタリングというところでございまして、これもどういうモニタリングを行っていくのかにつきましてかなりバリエーションがあるところでございます。今ここでお示しするのは水道局としてこのようなモニタリング体制でやっていきたいというところの説明でございます。
まず、内部統制というときに、日常モニタリングと独立評価の 2 つが重要であると言われておりまして、水道局の場合は、まず日常的なモニタリングとして、現場の課長レベルの職員に日常的な自己点検チェックリストを用いた点検を行っていただくということを想定しております。その結果を内部統制評価部門等が参考にしながら、さらに必要に応じて現地調査も行っていくことになりますが、それを内部統制評価報告書という形でまとめていきたいと考えております。
その上で留意する点が、水道局には内部監査部門が存在しておりまして、既にモニタリング体制は一定程度あるという状況でございます。そういう中で新たに内部統制評価部門を入れていくということになりますと、そことの連携が非常に重要になってくるかと思っておりますので、独立評価を行うに際して、内部統制評価部門と内部監査部門の連携をしっかり行っていきながら評価報告書の作成に行きたいと考えております。報告書につきましては内部統制推進会議で議論した上で独立評価としての流れを一応考えております。
その上で、さらに水道局としてモニタリングを強化したい部分は外部評価を加えていきたいと考えておりまして、このような内部統制評価報告書につきまして東京水道グループコンプライアンス有識者委員会の意見等をいただきながら改善等を図っていきたいと考えております。
では、次のスライドをお願いします(スライド 11 ページ)。内部統制のモニタリングをする
上で 3 線ディフェンスという考え方が重要であると言われておりまして、水道局の場合を整理
いたしますと、日常的なモニタリング、第 1 ライン、この現場部門がしっかりと遵守事項、決められたルールを守っていただくということが重要であると思われますし、あと、現場の日常点検を行う課長級職員がしっかりとルール遵守に向けてモニタリングを行うことが非常に重要ではないかと思っております。
さらに、第 2 ラインである管理部門、典型的にはコンプライアンスを推進する、あるいは内部統制を推進する部門かと思っておりますが、それがしっかり現場部門を管理してモニタリングを行うというところ、そういったところが非常に重要ではないかと思っております。
第 3 ラインとしては、既に存在している内部監査部門ですとか新たに設置する内部統制評価部門が一定程度の独立した立場からモニタリングを行うことが重要ではないかと考えております。
では、次のスライドをお願いします(スライド 12 ページ)。内部統制のモニタリングを行うに際して、先ほどお話しさせていただきましたが、では、内部監査部門とどのような連携を図っていくことが重要であるのかというところを説明させていただければと思います。実際現時点で内部監査部門が行っている監査等を確認いたしますと、監査対象は本庁及び現場です。あと監査手法も実地調査も含めた調査を行っているという現状でございまして、内部統制評価部
門が行うべきことと対象と手法はかなり共通している部分があるのではないかと思っております。
ただ、相違点といたしましては、内部監査部門は比較的一般服務という形で広いコンプライアンスを対象としているところでございますが、内部統制評価部門が行う監査評価項目としては、ある程度内部統制に重点化したようなポイントで見ていきたいと思っております。例えば内部統制というときに、水道局としてはやはり物品調達等について重点的に内部統制をやっていくべきではないかと思われるところでございますので、例えばそういった項目について新たに設けて、コンプライアンス評価部門が内部監査部門とは違った項目で評価することも可能ではないかと思っております。
右側のところなのですが、そうはいっても、やはり留意する、調整すべき内容が出てくるのではないかと思っております。実際、内部統制評価部門の評価と内部監査部門の評価が重複してしまうと、例えば調査が二重に行われたりして現場の負担になってしまう可能性もあろうかと思っておりますので、その辺りの重複が起きないように、内部監査部門と内部統制評価部門がしっかりと情報共有を行って連携を行っていくことが重要ではないかと思っております。場合によっては同日調査を行ったりするような形で現場の負担を軽減させることもできるのではないかと考えております。
では、次のスライドをお願いします(スライド 13 ページ)。そうしますと、評価部門はどのようなモニタリングを行うかというまとめでございます。まず既存のモニタリング体制、内部監査部門が行っている評価項目は従前の内部監査部門が行っていただいて、それとまた違った新しい視点で内部統制評価ラインがしっかりと評価項目を設けて評価を行っていくという方向性を考えております。対象につきましても、本庁だけではなくて、現場部門も含めて、現地調査も含めて実施していきたいと考えているところでございます。
では、次のスライドをお願いします(スライド 14 ページ)。モニタリングなのですけれども、では、実際具体的にどのようなモニタリングを行っていくのかというところでモデルケースをここで説明させていただければと思います。これも PDCA の形で説明させていただきますが、まず P と D の部分なのですけれども、独禁法ですとか入札談合等関与防止法のコンプライアンスプログラム、これが 1 つ内部統制の実施事項として想定されるところでございます。
ここで挙げている例なのですけれども、これもコンプライアンスプログラムもかなりバリエーションに富むものではございますが、あくまでも仮定という形で①から⑥まで設定させていただいております。ここで言われているのは、例えばトップからのメッセージ発信ですとか、懲戒規程の整備、業務マニュアルの周知、徹底、利害関係者に対する複数名対応、相談窓口の設置、研修の受講管理等々のプログラムが考えられるのではないかと思っております。これにつきまして実施を決めれば、現場レベルでしっかりと運用していただくということを想定しております。
次の評価のところなのですけれども、では、どのような評価を行うかというところですが、まずは現場の管理職、課長級職員による日常的なモニタリングが重要ではないかと思っており
ます。それによると、例えば自己点検チェックリスト、そういったツールがあろうかと思っておりまして、そのツールの中で、例えばここでは仮に A 浄水場とさせていただいておりますけれども、研修の受講率が低い、Web のテストの正答率が低いという結果が把握できるという状況でございます。その上で、その結果につきましては内部統制の評価部門に報告されるという日常的なモニタリングを想定しているところでございます。
ここで、先ほども説明させていただきましたが、評価部門と内部監査部門がどういうすみ分けを行っていくかというところでございます。ここから①から⑥まで挙げた項目の中で実は水道局で既に取り組んでいる項目がございまして、それは内部監査部門も実際モニタリングの対象にしている事項でございます。それが懲戒処分の規程、複数名対応、あと③業務マニュアル等の周知、徹底、この部分につきましては内部監査部門が実際に行っているところでございます。それ以外の①、⑤、⑥につきましては内部統制評価部門が今回新たに行う項目でございますので、そこは内部統制評価部門がしっかりとモニタリングを行っていくと。既にモニタリングの対象になっている既存の取組、既存のモニタリング対象になっているものにつきましては内部監査部門が引き続き行っていくという形で、重複が起きないようなすみ分けを行っていきたいと考えております。
では、次のスライドをお願いします(スライド 15 ページ)。では、そういった形で評価部門の評価がどのように行われていくかについて説明させていただければと思います。
まず、日常点検の結果が送られてきまして、それを書面調査という形で調査させていただきます。その後、実際正答率が低いという事実が把握されるのですけれども、それを現地に行きまして、どうして正答率が低いのか、そういったところまで遡って原因究明を行う必要があるのではないかと考えております。実際 Web の正答率が低いだけではその課題ですとか問題点は見えてこない状況でございまして、さらに、受講率が低いというところですとか、さらに遡って、どうして受講率が低いのか、そういった根本原因まで遡って分析を行うことが重要ではないかと思っております。
根本原因につきましては、これも一例ではありますけれども、例えば現場業務を行う職員が研修を受講するための時間が十分に確保できないという問題が想定されるのではないかと思っております。そのような課題、根本原因を内部統制評価報告書を問題の構造化という形でしっかりと反映させていくことで、ルールが守られない根本原因、そこまで遡って考える必要があるのではないかと思っております。
その上で、問題の構造化を行った後は、それを次年度以降の改善のプロセスに生かしていくということでございます。例えば、対面による受講だけではなくて、Web による研修受講ができるような内容の改定を行うですとか、あるいは現場業務の負担という観点から現場業務の分担の見直しを実施するなどの改善策が考えられるのではないかと考えております。
では、次のスライドをお願いします(スライド 16 ページ)。最後は、内部統制、実際運用がスタートした段階でのスケジュールでございまして、これもあくまでも案という段階ではございますが、説明させていただければと思っております。
まず全庁的な動きとしましては、毎年 5 月に東京都コンプライアンス委員会が開催されまして全庁的なコンプライアンスの基本方針が定められるというところでございまして、その方針をしっかりと内部統制推進部門がそういった内容も当該年度の内部統制の実施事項に反映させていくというところを想定しております。外部評価としてコンプライアンス有識者委員会を位置づけていくことになりますので、そういった当該年度の内部統制の実施事項についてはその都度有識者委員会に報告をして議論していただきたいと考えているところでございます。
あと、評価部門の動きのところなのですけれども、評価部門も当該年度から実地調査等を行っていただくことにはなるかとは思っておりますが、その次年度からは内部統制評価部門は 1年間実地調査を行った上で評価報告書の作成をしていくフェーズになるのではないかと思っております。その上で、1 年間内部統制を回した後の 2 年目にはなりますけれども、内部統制評価部門が評価報告書を作成して、コンプライアンス有識者委員会の意見をいただきながら公表を行っていくというサイクルを考えているところでございます。
事務局からの説明は以上でございます。
(中西委員長代理) ありがとうございました。
それでは、ただいまの御説明に対して御質問や御意見、委員の方々からお願いをしたいと思います。いかがでしょうか。
(羽根委員) パワーポイント 8 ページの一番下に内部統制推進会議(仮称)というのが出てくるのですが、この会議が 7 ページの組織図みたいなものには出てこないのですが、会議の位置づけはどのようになっているのでしょうか。常設もしくは定期的に開催するものなのか、相談があったら必要に応じてというものなのか、その辺が分かりにくいと思いました。いかがでしょうか。
(中西委員長代理) お願いします。
(山村コンプライアンス監理担当課長) 内部統制推進会議でございますが、基本的に内部統制が運用してからスタートする会議体になろうかと思っております。内部統制を実施していく上で、当然定期的に方針ですとかリスクの見直しも含めて決めていかなければならない事項が出てくるかなと思っておりますし、あと、例えば内部統制の不備等があれば緊急的に議論しなければならないような状況もあろうかなと思っております。そういった意味で、内部統制推進会議は、定期開催がベースにありつつも、必要に応じて開催できるような体制にしていきたいと思っております。
それと、内部統制推進会議の位置づけなのですけれども、実際公営企業というのは独任制の機関というところがございますので、あくまでも内部統制推進会議というのは局長の補助的な役割になるのではないかなと考えております。
(羽根委員) ありがとうございます。続いて私のほうからよろしいですか。
(中西委員長代理) お願いします。
(羽根委員) パワーポイント 14 ページなのですけれども、下段、内部統制の評価のところで、そちらを見ると、まず現場で課長さんが自己点検チェックリストを記載するところからスタートする形になっていて、あとは 10 ページも同じように、①日常的モニタリングということで自己点検チェックリストというところから、全てはチェックリストから始まるという形になっているかと思うのですが、このチェックリストというのはもうあるのですか。あるいはこれから誰かが作るのかとか、その辺はどうなっているのですか。
(山村コンプライアンス監理担当課長) チェックリストにつきましては基本的にモニタリングのツールであると考えておりまして、どういった項目を見るかにつきましては、今後、内部統制の実施事項の詳細が決まってから各論に入っていくという形になろうかと思いますので、まだツール自体をどのようなものにするかについては検討段階という状況でございます。
(石井職員部長) ただ、先生、昨年御議論いただいたリスク管理の行動の中である程度チェ ックリストを作ったところがありますので、そういうものも参考にしながらなので、全く土台 がないところから始めるわけではないので、職員への負担はそんなに大きくはないと思います。
(羽根委員) 分かりました。何かこのチェックリスト次第なのかなという気がしたものですから。
(石井職員部長) そうですね。これに加えて、先ほど山村課長からもお話をしました、もともと監査部門のところが定例的に事務監査を行っておりますので、実際にはそういう横串も入ってくるという中ではモニタリングしていくという形になってきます。
(羽根委員) 今ちょっとお話が出ていたと思うのですが、既存の監査部門がございますよね。その監査部門と今度新しい内部統制評価部門の役割分担といいますか、既存の内部監査部門は今までやっている仕事があるわけで、その分についてはその部門でやれと。
(石井職員部長) そうですね。
(羽根委員) 今度プラスアルファになった部分を内部統制評価部門のほうでチェックしてい
くと、そんなイメージですよね。
(石井職員部長) ええ、イメージはそんなところです。もともと課でいうと監察指導課とい うところがございまして、そこでは大きく事務監査、服務監査、事故とか事件とかあった場合 なのですが、その事務監査のところは予防監査の意味合いが強くて、その中に庶務経理や営業、工事に関わる監査というのをやっておりまして、契約関係もそこで行っているものがあります。ただし、今回内部統制をしくということで、多分先ほどのお話のように、物品の調達だとかに 関してはより深堀りした形での、いわゆる職員の行動なりマニュアルがどうなっているかとい うのを見るといった部分について内部統制の部門で見ていくというところも出てくると思う ので、これまでのに加えてという形にはなってきます。そこを職員の負担を少ないように、同 じ日にやるですとか、なるべく両方の意見交換をやりながら、質問、ヒアリング項目は簡潔に するとか、そういうことを今考えているところです。
(羽根委員) 分かりました。
(中西委員長代理) よろしいでしょうか。
(羽根委員) はい、以上です。
(中西委員長代理) ありがとうございます。
それでは、矢野委員は何かございますでしょうか。
(矢野委員) 私は、7 ページのパワーポイントがあるのですけれども、そこでは内部統制の推進とか評価部門が局長直下のような感じで書かれていて、そこはすごく納得するのですけれども、実態として、次のページの 8 ページで、職員部の人事課コンプライアンス推進担当と、がくっと位置づけが落ちるところが体制として物すごく違和感があって、これは事前の説明のときにも、ここにしか置けないと言ったら変なのですけれども、事情みたいなものは伺ったのですが、でも、やはり 7 ページのほうがしっくりくるわけで、それと実態の体制が乖離しているというのは、今すぐ職員の部門というか職掌とかを変えるのが大変かもしれないのですけれども、これは変えていただいたほうが実際いいのではないかなと直感的に思うところでございます。
あともう一つ体制で気になるのが、推進と評価が担当レベルで分かれているだけで、推進し ている人を評価する、隣の席の人が隣の人を評価するみたいな感じで、本当に第三者、レベル 3 とか書かれているところに当たるのかというのが心配するところで、いっそのこと日常的な モニタリングとその取りまとめとかマニュアルの改定とかというものは推進という範疇の中 で整理して、本当に内部統制の評価を担ってもらえるかどうかというのは分からないのですが、
ジャストアイデアみたいな感じなのですけれども、むしろ監査部門に全く第三者として内部統制を含めて見てもらう、コンプライアンスを含めて見てもらうという整理をしても、よりしっかりしたモニタリングができるのではないかなと思ったところです。そこが8 ページの体制で、実際に内部統制を実務として担うところが職員部人事課コンプライアンス推進担当になってしまって一緒くたになってしまっているので、そこをいろいろ整理していただいて。監査部門との役割分担のパワーポイントとか作ってもらったりしたのですが、いま一つしっくりこない体制になっているなというところが危惧するところです。ここはできればもうちょっとしっかりした体制にしていただきたいなと思います。
(石井職員部長) 矢野先生、ありがとうございます。おっしゃるとおりで、そこのところは今後詰めていきたいと思っております。監察指導課というところと人事課というところでお互いどう牽制するのか。今の原案のベースでいうと、もともとこれまで内部統制については、どちらかというと、事件、事故とかを取り扱うような監察指導ということではなくて、内部統制部門ということで人事課主導でやってきているわけです。その中で評価と推進を分けるということについては特に違法とかそういうことではなくて、そういう部署もほかの組織だとあるようなのですが、ただ、おっしゃるとおり、その部分をどのように切り分けていくかというのは今後の課題になりますので、先生おっしゃるとおり、あるいは思い切って監察指導課のところにつけるかどうかというところはありますが、これは形を作っていく中で、また先生方にその検討経過、それからこちらとしての案を示しながら御議論いただきたいと思います。
(矢野委員) 分かりました。
あともう一点なのですけれども、やはりこれも 7 ページの下のところに政策連携団体でグループ統制が出ていて、これも事前のときに将来的には検討するというお話ではあったのですけれども、例えばこれだけ局の中での案が固まってきている中で、実際政策連携団体をどう組み込むかというのは目配せしながら検討していかないと、もう一回やり直し、検討し直しになりかねないなというところがあるのですが。例えばここの図だと、本庁各部等から線が出ているわけなのですけれども、でも、日常的モニタリングの中に組み込まれるのかとか、実際問題としてはラインでいったら、11 ページの第 1 ラインの中でいろいろ一緒に組み込むような形で進めていこうとされているのかとか、そういうぼわっとしたようなものでも今あれば教えていただきたいと思ったのですけれども、いかがでしょうか。
(石井職員部長) これは次回の委員会までに整理をしようと思っているところですが、まさに先生おっしゃった御指摘の部分はありまして、ただ、前回のメール開催のときに、ちょうど局内体制イメージの中で東京水道株式会社という政策連携団体については局内体制イメージとは別にあって、ただ、それを全体を見るのが今まさに開かれている東京水道グループのコンプライアンス有識者委員会によるモニタリングだという形になっています。
ここは難しいのは、今も情報提供はやりながらしているのですけれども、4 月 1 日から発足したこの東京水道株式会社のほうには外部取締役 3 名から成る監査等委員会という委員会がありまして、そこは、内在するリスクや内部統制に関して今いろいろとヒアリングをしたり構築をしているところだということもありますので、そことの意見交換をしながら、こちらのほうでのガバナンスのきかせ方は考えていきたいと思っております。
(矢野委員) では、次回何か案というか、素案みたいなものが出てくるということでよろしいのでしょうか。
(石井職員部長) そうですね。次回、東京水道株式会社が今やっているような現状についての御説明というので出てくると思います。
(矢野委員) 分かりました。
レベルが全然違って細かいことになってしまうのですが、7 ページの公益通報窓口というのがあるのですが、これは内部統制の上の局長等を含めた局のところの箱につながっているのですけれども、これはどういう位置づけで、グループも含めて考えておられるのか、よく分からなかったのですが、すみません、どういう構成になっているかというのを教えてください。
(山村コンプライアンス監理担当課長) 公益通報につきましては、今、局ではコンプライアンスの推進担当が公益通報の窓口をやっていまして、コンプライアンス推進ラインが内部統制の推進部門と評価部門を担うことになりますので、位置づけとしてはそこに情報が行くとなっております。
位置づけなのですけれども、内部統制では情報伝達というのが非常に重要と言われておりまして、日常的なモニタリングですとか、そういったところで情報は上がってくることになるのですが、そこでは上がり切れない非常救済手段として公益通報制度を位置づけさせていただきまして、それがしっかりと推進部門、評価部門にそういった情報も伝達されるというところで、さらにその内部統制の責任者である局長にもしっかり伝えるという意味合いで記載させていただいております。
(矢野委員) よくあるのは、内部の人に対するものと外部の例えば弁護士さんとかに電話する、自分の名前を伏せられるとかいうのがそもそもあって、それを今回、内部統制の推進の中に情報の吸い上げのために使おうとされているのか、それとも内部統制のためにこの窓口を作るということになっていましたか?前にもしかしたら議論されたかもしれないのですけれども、どうだったかちょっと忘れてしまったので、その辺を教えてください。
(山村コンプライアンス監理担当課長) 内部統制として新たに公益通報を設置するというわ
けではなくて、既存にある公益通報制度を内部統制の中で改めて位置づけを考えるという意味合いで記載させていただいております。
(矢野委員) なので活用するというイメージで、だから、そこの公益通報の窓口、一番最初の受け皿になってくださる部門から、「これは内部統制に関係するようなものだ」ということであったら、こちらの推進部門なり評価部門なりに情報が来る、そういう扱いでよろしいでしょうか。
(山村コンプライアンス監理担当課長) そうですね。おっしゃるとおりです。
(矢野委員) 分かりました。
(石井職員部長) もともと内部通報の場合にはその内容によって所管部に全部振り分けるようになっていますので、内部統制のものは内部統制のものということでこちらのほうにということで、先生おっしゃるとおり、ビルトインする形になります。公益通報はいろいろな通報がありまして、内部統制に関わるもの以外にもいろいろ事件だ、事故ではないかみたいな話とかいろいろ出てくるので、その真偽を図るためには、匿名、秘匿性があるのですが、その書かれている内容で各所管部にまず調査するのをお願いするとなっています。
(矢野委員) そういう細かいいろいろな手続の中で内部統制を組み込むということですね。
(石井職員部長) そうですね。そういう形です。
先生、すみません、先ほど東京水道のお話で私は「次回」と言ったのですが、ごめんなさい、予定ですと次々回の 11 月に開かれる中でこれを取り扱うという形になっていましたので、すみません、そういう形になっています。
(矢野委員) 分かりました。では、次々回ということで。
(石井職員部長) はい、すみません。
(中西委員長代理) よろしいですか。
それでは、私も 2 人の委員と同じような希望を持ちまして、やはり組織体制とか職務分掌というところ、特に既存の内部監査部門と今後構築する部門、それからそれを局全体の中でどの場所に位置づけるのかということはもう少し議論をしていく必要があるのかなと思いました。多分今すぐにというのは非常に難しいところもあるかと思いますが、今はこのような役割分担だけれども、将来的にどのような形で組織図を作っていき、役割分担を考えていくのかという、
大きく言うとビジョン的なものは考えておく必要があるのかなと。これは感想ですけれども、今後御検討いただければと思います。
(石井職員部長) ありがとうございます。
(中西委員長代理) よろしくお願いします。
それからもう一点は、内部監査員として中間管理職というか、課長級が現場のリーダーになるわけですけれども、ここで忘れてならないのは、結局、監査したりする人とそうではない人という分断を作らないということが大事かなと思っていまして、現場の一人一人が、本当に新入社員でもいろいろなバックヤードの方でも一人一人が自分自身が内部統制をしていく主役なのだという、セルフコントロールというか、セルフモニタリングというか、そういうマインドを植え付けるような手だてを考えていただければと思います。先ほど研修の話とか Web テストの話が出てきましたけれども、教育等によって本当に現場の一番最前線の人にまで内部統制マインド、コンプライアンスマインドが普及するような形をぜひ御検討いただければと思います。
(石井職員部長) ありがとうございます。
(中西委員長代理) 私からは以上です。今後ぜひ御検討をいただければと思います。
(矢野委員) 先生のお話を伺って思ったのですけれども、私も内部統制とかそういう面の仕事をしているときに、悪い人を探しに行くみたいな感じで捉えてしまう人がいらっしゃるのですけれども、そうではなくて、そこはよりよくするための一つのツールと捉えていただいて、そういう意味で、あまり厳しくて、では、悪いことをしたら隠そうとなるので、そうならないようなムード作りが必要で、ほかのいろいろな会社さんに行ったときにもいい例があり、例えばここだと自己点検のリストなんかを作るときに、組織で何かあったときにすぐに上司に相談できるような雰囲気になっているかとか、何かがあったら漏れなくそれを誰かに言えるような風土があるか、制度があるかとかいうようなこととか、課長がそういうことに対して理解があるかとか、確認する人、チェックする人に対して一般の職員の方々がどう考えているかとか感じているかということも一緒にモニタリングしながら、悪いことを隠そうという風土にならないような内部統制であってほしいなと感じました。
(中西委員長代理) ありがとうございます。まさにおっしゃるとおりで、内部統制は警察ではないので、支援型とかアドバイス型とかという言い方をしますけれども、では、今、困っているのだったらどうしたらいいかというアドバイスを含めてできるような形で全体をつくっていっていただければと思います。また、チェックリストのお話が出ましたけれども、ぜひお
互いにチェックできる、それで向上できるというのは大事かなと思います。
すみません、それとプラスで思い出したのですけれども、チェックリストはこれからというお話でしたが、経時的にというか、時系列で追えるように、あるいは部門横断的に、多分これはされると思うのですけれども、ある意味統計データにもなるわけですから、そこから自分たちの強み弱みを見て、それが改善されているのか、よろしくない方向に行っているのかということを探るきっかけにもしていただけるといいかなと思います。
(石井職員部長) ありがとうございます。両先生から今いただいた御意見ですけれども、実は私どもも今ちょうど、これも後日有識者委員会で御議論いただくことになると思いますけれども、今、現場の職員を含めて全体に内部統制のシステムのアンケートをやっているのですけれども、集計中でございますが、この御協力をしていただくに当たってこちらのメッセージの発信は、何で今この内部統制システムをつくるのだというところについては、端的に、職員の皆さんを守るため、そして職場の風通しをよくしてよりよい仕事ができるためのシステムの構築だというところを基点に考えて、そこをよりどころに大きなシステムをつくっていくのですよというお話はさせていただいておりまして、ここが極めて重要だということは私どもも認識をしておりますので、今、先生方からいただいた御意見をもとに、さらにその辺については強くメッセージの発信をやりながら職員の理解を得たいと思います。
(中西委員長代理) ありがとうございます。よろしいですか。矢野先生。
(矢野委員) はい、ありがとうございます。
(中西委員長代理) ありがとうございます。ぜひポジティブな方向で進めていっていただければと思います。ありがとうございました。
それでは、全体を通して何かお話はございますでしょうか。御発言があればお願いいたします。よろしいですか。
(羽根委員) 特にございません。
(中西委員長代理) ありがとうございます。
本日は、一つは最終報告書の再発防止事項の実施状況、それからもう一つは内部統制システムの構築について議論をしてきました。最後の局からの御発言にあったポジティブな姿勢での内部統制システムの構築は非常に重要な観点だと思いますので、ぜひ今後ともしっかりと取り組んでいっていただければと思います。
それでは、事務局に進行をお戻しいたします。よろしくお願いいたします。
4 閉会
(石井職員部長) ありがとうございました。局の皆さん、特に大丈夫ですね。
では、中西委員長代理、委員の皆様、お時間をいただきまして、本当にありがとうございました。皆様からいただいた貴重な御意見、これを早速局内で共有化、展開をして検討していくとともに、必要に応じては知事にも御報告をさせていただきたいと思っております。
また、本日の議事録及び資料につきましては後日公開をさせていただきますので御了承願います。
なお、次回の委員会は 9 月に開催する予定ですが、開催方法につきましては新型コロナウイルス感染症の状況を見ながら判断をさせていただきたいと思います。日程等につきましては追って調整をさせていただきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
では、これで第 8 回有識者委員会を終了させていただきます。どうもありがとうございました。
参考資料 11
東京水道グループコンプライアンス有識者委員会(第 9 回)
日時 令和 2 年 9 月 16 日(水) 14:00~15:35
場所 東京都庁第二本庁舎 22 階 22C 会議室
1 開会
(石井職員部長) それでは、ただいまから第 9 回東京水道グループコンプライアンス有識者委員会を開催いたします。
本日の委員会は、新型コロナウイルス感染症拡大防止の観点から Web 開催とさせていただきました。委員の皆様には、御多忙のところ、Web 上での御出席、誠にありがとうございます。ここで人事異動に伴い、新たに出席させていただく局幹部及び政策連携団体の社員の御紹介
をさせていただきます。
水道局長の浜佳葉子でございます。
東京水道株式会社総務部長の尾関元でございます。
それでは、開会に先立ちまして、局長の浜から御挨拶申し上げます。では、局長、お願いいたします。
2 水道局長挨拶
(浜水道局長) 7 月 13 日日付で水道局長になりました浜でございます。改めましてどうぞよろしくお願いいたします。本来ですと直接お目にかかって御挨拶をすべきところとは思いますが、こういう御時世でございますので、また、こうした会議の機会で御挨拶ということで大変失礼をおわび申し上げます。
本日は、お忙しい中お時間を合わせていただきまして、誠にありがとうございます。前回に続きまして Web 会議という開催で当方も必要最小限の出席とさせていただいておりますが、御了承いただければと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
本日の委員会では、調査特別チーム最終報告書で掲げました再発防止策のうち、昨年度も御議論頂きました排水処理作業委託の抜本的見直し等に係る取組状況につきまして御報告を申し上げます。また、水道局におけます内部統制システムの構築につきましては、職員向けと事業者向けに実施いたしましたコンプライアンス等に係るアンケートの結果分析を中心に御報告を申し上げます。
さらに、この間、局の政策連携団体でございます東京水道株式会社におきまして道路占用許可申請の不適正処理という不祥事が発覚いたしました。本案件につきましては、東京水道グループ全体で業務の適正化に取り組んでいる中で、さらにまたこういった不祥事が起きたということで、大変局としても重く受け止めているところでございます。会社だけではなく、局も一
緒になって原因の振り返りですとか再発防止につきまして検討してまいりましたので、本日はこれにつきましても御報告をさせていただくこととしております。
限られた時間でございますが、委員の皆様方にはぜひ忌憚のない御意見を頂きたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
(石井職員部長) よろしくお願いいたします。
それでは、以後、議事に入りますが、本日の委員会は、設置要綱第 8 条にありますとおり、原則公開で進めております。
次に、会議資料について御説明させていただきます。本日の会議資料は、委員の皆様には既にメール等でお送りさしあげておりますが、お手元に御用意、ありますでしょうか。資料ですが、委員会次第、委員名簿、座席表、本委員会の設置要綱、前回の議事概要、本日の説明資料の順で一続きになっております。よろしいでしょうか。
3 議事
(石井職員部長) それでは、早速議事に入りたいと思います。以後の進行は幸田委員長にお願いしたいと思います。幸田委員長、どうぞよろしくお願いいたします。
(幸田委員長) それでは、進めさせていただきます。
それでは、調査特別チーム最終報告書で掲げた再発防止策の実施状況について、まず局から概要を報告していただきたいと思います。よろしくお願いします。
(柿沼浄水課長) 2 ページ目を開いていただければ。今回の情報漏えい事故の概要について御説明させていただきます。
平成 30 年 10 月、当局発注の浄水場排水処理施設運転管理作業委託の見積り合わせにおいて談合の疑いがあるとして、公正取引委員会による行政調査を受けまして、調査の結果、複数の浄水場で複数の監督職を含む職員が情報漏えいを行っていたこと、これまでの汚職防止の対策が取られていた以降も情報漏えいが起きていたこと、それから複数の職員がさぐり行為を受けていたことが明らかとなりました。調査特別チームによってその後事故の原因分析、再発防止を取られたところでございます。
調査特別チームの最終報告書での原因分析について、かいつまんで御説明させていただきます。
まず機会でございますが、事業者を監督する立場の職員が設計金額を把握できていたといったところです。また、データにアクセスできる職員であれば、設計完了後、いつでも設計金額を把握することができたという状況です。また、排水処理に携わる職員は仕事上他の係員との関係性が低く、受託事業者との関係性が強かったといったことが挙げられております。
動機については、現場責任者に恩義を感じているですとか、あるいは受託事業者に無理を言って仕事をやらせていたという認識でいたというものが挙げられております。
また、正当化の理由としましては、業者が変わると翌年度の排水処理業務が滞るといった不安を感じていたですとか、新規の業者への引継ぎ期間が少ないことなどを考えていたということがあります。また、排水処理を止めることができないということも理由ということも挙げられております。
こういった中で、調査特別チームの最終報告書での再発防止策、上記の原因分析の上、有識 者委員会からの助言を踏まえまして 24 の再発防止策を順次実施してきたところでございます。
次のスライドに移ります。その中で排水処理の作業委託の抜本的見直し、組織の大くくり化を実施してまいりました。取組内容としては、排水処理業務については職員が少ないというお話がありました。受託事業者と 1 対 1 になりやすい状況だったということでございます。このため、排水処理担当と浄水施設担当の統合によって組織の大くくり化を実施しました。これによりまして、職員相互の支援、ジョブローテーションの構築、複数名での受託事業者への対応の徹底、また、職員の専門的ノウハウの共有を図るということの効果を期待したものでございます。
実施期間は平成 31 年から実施済みでございます。
実施状況としましては、受託事業者と毎朝打合せにおいて複数名で対応することを徹底しておりまして、職員間の情報共有を確実に実施されている状況でございます。また、各業務を複数職員で担当することにより、職員相互の支援が図れるといったこととともに、業務のチェック機能も強化されたということが挙げられます。
続きまして、次のスライドです。抜本的見直しの中で新しい総合評価方式の導入ということで 2 枚のスライドを使って御説明させていただきます。
今回の取組として、新規参入を促進しまして適正な競争性を確保するとともに、安定的かつ確実な排水処理の作業が実施されるよう、入札参加条件、発注仕様、契約方法の見直しといった観点で内容を見直してまいりました。
中段の表で御説明させていただきます。平成 30 年までの契約は、契約形態は単価契約、契
約期間が単年度で 1 年、発注単位につきましては各浄水場ごととなっております。
令和 2 年度以降につきましては総価契約で、この総価契約につきましては総合評価方式によ
る競争入札を取り入れました。また、契約期間につきましては複数年契約 5 年とさせていただ
きまして、発注単位も浄水場のバランスを取りまして 3 案件に分けさせていただきました。また、申請要件は、新規参入を促すために格付等級に B 等級を入れる。あるいは取扱品目を
省略する。また、実績要件としまして、加圧脱水機の運転保守管理を経験者を 2 年以上として
いたものを 1 年以上ということで緩和したというものがございます。
また、間口を広げる一方でしっかり履行を確保するということも有識者の方からいろいろアドバイス頂いたということで、履行確認の体制ですとか方法、あるいは定期的な評価をしっかり仕様書に明記するといったことを実施させていただきました。このことにつきまして、昨年
度、総合評価方式で入札を実施させていただきまして、本年度契約が済んでおるところでございます。
次のページでございます。そうした中で、この総合評価方式の入札に当たりまして、昨年度、局職員並びに外部有識者からなる技術審査委員会を設置しまして、総合評価の実施要領に基づいて実施させていただきました。また、その中で落札者決定基準等も決定させていただいて策定をしたところでございます。
総合評価の中での総合評価項目の考え方でございますが、排水処理は、停止すれば浄水場全体の機能停止を招く重要な業務であるということから、履行の確実性、安定性を重視させていただいたところでございます。特に配点を強化したところが人員配置ですとか、バックアップ体制、危機管理計画に高く配点をさせていただいたところでございます。
また、これまで総合評価では過去の契約実績等を評価する項目も設けられていた事例がございますが、今回は既契約業者の優位性に配慮するために、新規参入を阻害させないようにということで、事業者の過去実績は評価しないということで実施させていただきました。
落札結果につきましては以下のとおりでございます。朝霞浄水場ほか 2 か所についてはウォ
ーターエージェンシー、金町浄水場ほか 1 か所につきましてはアイテック、三郷浄水場ほか 1か所につきましてはテスコがそれぞれ契約しております。落札した業者につきましては、確実かつ安定的に現在排水処理を運転していただいております。
続きまして、再発防止の中の積算業務に関することでございます。再発防止としまして積算業務については、本庁で一括することで現場から分離するということで実施させていただいております。これまで、受託事業者を管理監督する立場の事業所の職員が、積算の結果を把握しやすい状況にあったということ、それから、今後、委託積算を本庁で実施するということで分離をさせていただいて切り離すということをさせていただきました。これについては委託の積算部門、それと施行管理部門ということで現場を切り離すということでございます。
また、委託業務の施行管理は従来どおり事業所でやっていただくということで、イメージのところにもございますが、これまで数量計算、それから積算を事業所でやっていたものを分離しまして、数量計算については事業所、積算については本局ということで分離をさせていただきました。これにつきましては平成 30 年 12 月から実施をさせていただいております。
これによりまして、実施状況でございますが、事業所の担当職員が、委託契約の積算の基礎となる数量計算を積み上げて、本局で予定価格を算出するという形で徹底させていただいています。また、事業所の担当者が予定価格などの厳格情報を保持しないという体制が取られているという形になります。
続きまして、今その積算にありました業務について、委託の設計、積算をシステム化して局内の情報管理を徹底する。これまで業務委託の積算に関する資料につきまして、これは汎用性のあるソフトで積算をさせていただいていましたが、それが事業所の職員が誰でもアクセスできて、かつ予定金額を知りやすい環境にあったといったことを踏まえまして、水道施設の現場業務を中心とする委託業務についてはその積算をシステム化するということで取り組ませて
いただきました。これによりまして、セキュリティの強化としまして、システム化することで積算に関する資料の外部への持ち出しができなくなる。あるいはシステムに閲覧制限をかけることで、積算担当者以外が予定価格を類推することを防止できる。あるいは操作履歴の確認が行えるということが強化の効果としてあります。
実施としましては、令和元年度末までに実施ということで、現在運用中でございます。
実施状況でございますが、予定価格の情報流出を防止するため、職員による閲覧制限、それから操作履歴の確認などの機能を持つ業務委託の積算システムを導入させていただきました。これによりまして、積算システムを使うことで、セキュリティの強化が図られているということでございます。
以上です。
(幸田委員長) どうもありがとうございます。本件についてはこれまで当有識者委員会でも何回か議論して、それに沿って進めていただいていることだと思います。今の積算の本庁の一括管理、あるいはシステム化、排水処理作業委託の抜本的見直しなどについて取り組んでいただいているということの御報告であったと思います。本件について委員の方から御質問はございますでしょうか。
(羽根委員) 羽根でございます。確認なのですけれども、対策ということで、対策というのは、原因があって、原因を潰していくというのが基本なのかと思いますけれども、そうであるならば、今回 24 の再発防止策のうちの 4 つ御報告頂いているのですけれども、これまで原因
については資料の 2 ページに調査特別チームが分析されておるのですが、この 4 つの防止策はそれぞれどの原因に続くという関係にあると認識されているのか、その点を確認させていただきたいというのが 1 点。
もう一点、ある程度防止策を実施されて、もしそれで不具合というか、不都合な点が出てくれば、より改善していく必要があると思うのですが、何らかの不都合な点がなかったのかどうかの点についてもお伺いしたいと思います。
(幸田委員長) まず第 1 点については局のほうから説明頂きたいと思います。第 2 点については関連ですけれども、不都合な点があった場合に、あったかどうかという御質問だと思うのですけれども、これはこういった改善を取った場合に、PDCA サイクルというか、それがちゃんと機能しているのかどうか、この辺のフォローアップというものを定期的に行っていくということが必要で、その中で今羽根先生が言われた不都合な点があったというのもそれを改善するということになろうかと思うのですが、全体のそういった今回の見直し措置についてのフォローアップ、PDCA サイクルのチェック、こういったものはどうなっているか、これは私も聞きたかったところで、今の質問と関連があるので指摘させていただきました。よろしくお願いします。
(柿沼浄水課長) こちらの御質問でございますが、まず組織の大くくり化で言いますと、1枚目のスライドで、機会のところに、「携わる職員は、仕事上、他の係員との関係性が低く、受託事業者との関係性が強かった」というのは、排水処理の職員は非常に少数で対応しておりましたので、かなり関わりが高くなりやすい状況だったといったところで、それを改善するために大くくり化という形で、かつ複数の職員で対応することや、そういった方をジョブローテーション化することでバックアップもしていただけるというところでの対応になるかなと考えております。
また、総合評価方式の導入でございますが、例えば 2 枚目、正当化のところでございますが、例えば、「排水処理を止めることができない」ですとか、新規参入の阻害ではないのですが、毎年同じ業者が取っていたというところもあり、例えば、「業者が変わると翌年度の排水処理業務が滞るという不安を感じていた」というところで、そういった部分で総合評価方式で複数年契約を取る。さらに、新規事業者が入っても、その引継ぎ期間をしっかり取るということで、今回 1 月に入札をして、2 か月弱、引継ぎ期間をしっかり設けるといったところで、かつ技術力のしっかりあるところに契約するということで、技術評価を踏まえて競争性を確保したといったところが対応になるかなと考えております。
また、積算の分離のほうでございますが、これについては機会のほう、例えば、「事業者を監督する立場の職員が設計金額を把握できていた」あるいは、「データにアクセスできる職員であれば、設計の完了後、いつでも設計金額を把握することができていた」という状況、これを、積算を本庁で一括してやることでそれを分離する。それとシステム化をすることで厳格管理情報のアクセス権を規制していくということにつながっていると考えております。
(山村コンプライアンス監理担当課長) そうしましたら、2 点目のほうを説明させていただきます。
再発防止のモニタリングという趣旨での御質問かと考えておりますが、まず昨年度策定した 再発防止策、まず今年度はそれを有識者委員会に報告させていただいて、それで実際に機能し ているかどうか、あるいは問題点がないかどうかについて御意見を頂ければと思っております。来年度以降につきましては、従前より議論させていただいております内部統制システムを構築 させていただきまして、その中で今回の再発防止策を内部統制の中に組み込みまして、内部統 制の中でのモニタリング機能を果たしていくということを検討しております。
具体的には、前回の委員会でも少し報告させていただきましたが、まずは現場部門による日常的な点検、チェックを行っていただくということと、もう一つは、内部統制評価部門による現場ヒアリングを中心とした課題のあぶり出しをやらせていただければと思います。さらにその内容をまとめた上で改めて当委員会に報告させていただきまして御意見を頂くというモニタリングを検討しているところでございます。
(幸田委員長) 分かりました。羽根委員、よろしいでしょうか。
(羽根委員) はい。
(幸田委員長) ほかの委員、何かございますか。
(矢野委員) 羽根委員の 1 つ目の質問に関係するのかもしれないのですけれども、動機のと ころに、恩義を感じ、心酔していたとか、正当化で、落札させたい業者に仕事を回すことが係 長の役割だと考えていたと、これは業者の方に依存しているようなところが強いかなと感じら れるところなのですが、そのマインドを変えるというか、リセットしなければならないという のが、その 24 の再発防止策の中に入っているのですか。入っているのであれば、どういうこ とを考えていらっしゃるのかというのをお伺いしたいなと思っていますが、いかがでしょうか。
(幸田委員長) いかがですか。
(山村コンプライアンス監理担当課長) それでは、水道局のほうより回答させていただきます。特にマインドの部分につきましては、やはり組織風土といいますか、例えば業務を遂行する上でコンプライアンスよりも、さらに優先するべき何かがあったということが推察されるのではないかなと考えておりまして、再発防止策の中でも組織風土を抜本的に変えていく、コンプライアンスを重視する組織風土に変える必要があるという取組も幾つか準備といいますか、検討させていただいている状況でございます。
具体的には、例えばコンプライアンス宣言の取組ですとか、あるいはコミュニケーションを活性化させるというところでコンプライアンスについての共通認識を持っていくとか、そういった取組を再発防止策として反映させることを考えているところでございます。
(矢野委員) 現場の方がおいてけぼりにならないような、結局はこういうこと、不正に手を染めてしまうということは現場以外の問題もあるのでそれが現象として出てくると思うので、そこの部分を遠い研修ではなくて、もっと現場の方に近いところでやっていただければなと感じています。
(幸田委員長) それはそのとおりだと思うのですけれども、今の話については前の有識者委 員会でも議論したように思うのですが、任せ切りになっているというか、その業務についての 知識とか技術がないというところに問題があるのです。この不祥事があった後、たしか局の説 明では、その分を直轄に移して、そこの部分を委託業者ではなくて直接職員がやることによっ てそこの重要性とか技術の問題点を認識したという説明がたしかあったと思うのです。だから、そこのことを、排水処理業務の委託は今後も続いていくとした場合に、それを業者任せになら
ないような技術面での知識を高める、この点はどう考えているのでしょうか。
(柿沼浄水課長) 今の御指摘なのですが、御説明のとおり、昨年度、この排水処理の情報漏 えいの問題があって、その翌年度については、大規模浄水場で排水処理の運転については直営 で運転させていただきました。その中で分かってきたこととしては、やはり現場を取り締まる 業務責任者的な役割のところが、かなり任せ切りのところがあったというところもあって、そ この部分をしっかり局としてもコントロールできるように、そこの部分を直営に残しつつ、委 託については、これまでの現場で動いていただく運転管理業務をつかさどる部分を委託化して、直営を残しつつ、委託も進めるという形で掲載させていただきました。
ただ、一方、全部の浄水場をそうしてしまいますと、危機管理的な問題も発生してくるということで、東村山については、引き続き、直営を継続させていただいてノウハウの蓄積等に努めているという状況でございます。
(幸田委員長) そのことは前も聞いたのですけれども、そういった直営で残している技術をほかの実際委託でやっている職員にもきちんと共有する、そういう研修とか、あるいは仕組みを検討したほうがいいのではないかなと思っているのです。
(石井職員部長) 職員部長の石井です。今、幸田先生をはじめ委員の皆さんのおっしゃったことは確かにそのとおりでございます。その上で、このことだけではないのですけれども、今年度人材育成の方針をつくっています。その中では、例えば技術職であれば、土木、設備、環境検査、これは水質ですね。そういったところの職員がどういう技術を継承しなければいけないかというところで、まず業務内容を企画とか、設計とか、施工とか、維持管理といったユニット単位で見て、その中でその職種の方が、もう少し仕事を落とした場合に、では、設備点検はどうあるべきだとか、補修はどうあるべきだとかというところを今落とし込んで、これで各技術職が身に着けなければならないスキルがあって、その人が歩んできたキャリアパスが今どうなっているのかと。足りないところはそこを補完していこうということの人事配置をいま一度見直して、そこで研修もそうなのですが、配置の中で、ジョブローテーションの中でうまくその辺のハウツーというか、ノウハウを身に着けてもらうというものを今期つくり上げていこうということでやっておりますので、この人材育成のほうもまた出来上がりましたら、先生方に御意見を頂ければと思います。
(幸田委員長) ありがとうございます。その点は非常に重要だと思いますので、ぜひ進めていただきたいと思います。
ほかにございますか。
(中西委員長代理) 今の人材育成とか知識、スキルの伝承というところは非常に重要だと思
います。1 つは組織を大ぐくりにすることによって浄、排水全体の流れを見えるようにするというのは 1 つ重要なことかなと思いますので、人材開発、ローテーションと併せて大ぐくりでの仕事の仕方を学んでいっていただきたいというのがもう一つ。
あともう一つは、総合評価方式なのですけれども、実はこちらにも非常に知識が重要であって評価の基準であるとか、あるいは評価自体だとかいうものができる人材を職員の方々の中から育てていただきたい。もちろん有識者が外から入りますけれども、自分たちで評価ができる力をつけていただくというのが非常に重要かと思いますので、これはコメントというか、感想になりますけれども、ぜひお願いしたいと思います。
(石井職員部長) 分かりました。
(幸田委員長) ありがとうございます。
私、ちょっと本筋のお話ではないのですけれども、質問があるのですけれども。5 ページのところで落札結果で日本環境クリアは予定価格を超えたので公表しないと書いてありますよね。これは予定価格を超えていなければ価格点、技術点、合計点は公表するということなのでしょうか。そのように読めますけれども。予定価格を超えた場合にはなぜ公表しないのか。それはどのようなところでその基準、公表するかしないかの基準が決まっているのかということを教えていただければと思います。
(柿沼浄水課長) 公表されていない理由は、今、先生がおっしゃられたとおりなのですが、その根拠を、すみません、今、お答えする準備がございませんので。
(幸田委員長) 予定価格を超えてというのは、この表に予定価格を超えているかどうかという欄を 1 つ設ければ、価格点、技術点、合計点と出せますよね。
(柿沼浄水課長) はい。
(幸田委員長) これはなぜ公表しないのか。そもそもこれは基本的には公表して、きちんとそこの落札者というのが公平に行われたかどうかというのをオープンにするというのが情報公開の考え方ですので、どうして公開しないのかなということです。今分からなければ、予定価格を超えたらなぜ公表しないのか、後で教えていただければ。
(柿沼浄水課長) 今、そういったルールになっているということだけを知らされているもので、その根拠等を確認しまして、別途御説明させていただきます。
(石井職員部長) 契約のルールになっているみたいなのですが、そのなぜというところは…
…。
(幸田委員長) ルールになっているということは、そのルールが本当にいいのかどうかということは、この問題に限らず情報公開を東京都は推進されていると思いますので、後で教えていただければと思います。
(石井職員部長) 契約部署に聞きまして確認をさせていただきたいと思います。
(幸田委員長) よろしいでしょうか。
(矢野委員) あと、ちょっと細かいことなのですけれども、7 ページにある積算システムなのですけれども、これは何台準備して何人でお使いになる予定なのでしょうか。または使っていらっしゃるのでしょうか。
(柿沼浄水課長) 積算システムにつきましては全職員がこれを使えるような状態であります。ただ、アクセスするにはログインパスワード等々ございますので、積算担当者以外はその設計 書を見ることはできません。
(矢野委員) 見ることができる人は何人いらっしゃるのですか。
(柿沼浄水課長) この積算の決裁に関係する方です。
(矢野委員) その方が何人ぐらいいらっしゃって、どういう運用をされているのかというのをもうちょっとイメージしたかったのでお伺いしています。
(中西委員長代理) 実際上司の承認とかいろいろな業務フローがあると思いますので、多分お一人でだと、またそこがいつも一緒になるかと思いますから、どのようなアクセス権限をどのレベルで与えていて、どこでチェックするのかというところが我々は多分知りたいんですよね。
(柿沼浄水課長) 正確な人数はお答えできないので、それは別途御説明させていただきます。
(幸田委員長) それは今答えなくて、また後で説明していただければ。よろしいでしょうか。
(矢野委員) では、後ほど。
(幸田委員長) すみません。それでは、本件については、先ほど説明のあった積算業務の本庁での一括等々に加えて、今、委員から質問があったことで今後取り組んでいくという項目もあったかと思いますので、こういった取組について引き続き着実に取り組むように実施していただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
それでは、次に、内部統制システムの構築の実施状況について、局からまずは御説明頂きたいと思います。
(山村コンプライアンス監理担当課長) それでは、説明を始めさせていただきます。
8 ページ目のスライドでございます。内部統制の構築に向けまして局内でコンプライアンス
アンケートを実施させていただきました。目的としましては、過去 3 回不祥事が続いたということはございますが、次に発生し得るリスクは何なのかというところで、潜在的なリスクを把握するというところが目的の 1 つでございます。2 つ目といたしましては、再発防止を一応やっておりますが、実際組織風土を民間等との比較を交えながらそれを検証していくというところで今回アンケートを実施させていただいております。
実施の概要につきましては、業者に委託をかけまして 6 月中に実施をさせていただいており
ます。質問の内容は、選択肢は 1 つしか答えられない単一回答質問と複数の回答が可能な複数回答質問、あと自由記述欄で主に構成されております。回答率でございますが、本庁各部では 9 割近い回答率があったところでございますが、事業所のほうは 63%という結果でございまし
て、全体としては約 7 割の回答率という状況でございました。
次のスライドをお願いします。回答に際して職位構成比の比較をさせていただいております。左の図が全体の職位構成比で、右の図が回答者の職位構成比ということでございます。一番右 側の事業所の回答率のところで、事業所は管理職、監督職の回答率が高かったのですが、一般 職の回答率が低かったという傾向が見受けられたところでございます。
次のスライドをお願いいたします。水道局全体の回答割合でございますが、まず職位別の回答割合でございます。一般職から監督職、管理職、職位が高くなればなるほど回答率が高かったという傾向が見受けられました。次が職種による回答割合でございますが、これにつきましては特に差はなかったという状況でございます。
次のスライドをお願いいたします。まず質問のうち、単一回答質問についての分析でございます。4 つの選択肢から 1 つの回答を選ぶ質問でございまして、主にコンプライアンスの管理の仕組みであるとか従業員の思考様式等について質問をさせていただいたところでございます。
質問につきましてはスコア化をさせていただきまして、肯定的な質問に対して「そう思う」と答えれば 4 点という配点でございます。これに対して否定的な質問、ネガティブな質問をし
た場合に「そう思う」と答えた場合には、スコアを反転させて 1 点という形で分析をさせていただいております。
では、次のスライドをお願いいたします。この単一回答質問の分析結果でございますが、右
側が高スコアとなった事項、3 点以上というところでございます。真ん中の赤く点線で囲っている部分が低スコアとなった事項でございまして、これが 1 つ課題として見受けられるのではないかと思っております。
具体的に申し上げますと、まず仕組みの整備状況の部分では、人員配置がうまく適正な配置がされていないのではないかというところで、例えばルール、手順に従う時間的な余裕がなくなるのではないかという御指摘等がございました。仕組みの浸透度に関して言いますと、業務に関して内部、外部からのプレッシャーを受けているというところが低スコアな傾向として出てきたところでございまして、3 つ目の組織ムードというところでございますが、残業や休日出勤をする人が多い。外向き志向が弱い。あと改革、革新を奨励する風土ではないというところで低スコアが出てしまったというところでございます。
最後、個人の意識・行動というところでは、業務手順に不備があるのではないかというところでございまして、例えば悪意があれば違反行為が実施できる環境であるというところで低スコアが出てしまったところでございます。これらにつきましては不祥事の発生要因となり得るところもあろうかと思っておりますので、今後こういったところを内部統制等の体制の反映に生かしていくという作業が必要になるのではないかなと考えております。
では、次の 13 ページ目でございますが、まず単一回答質問の総括でございますけれども、平均スコアという点から申し上げますと、他の民間企業と比較して低いという結果にはならなかったところでございます。その理由として考えられるのは、水道局としてこれまで 3 回不祥事が続いてしまいまして再発防止策等を一定程度実施してきたというところがございますので、平均スコアとしては高めに出る傾向があるのではないかなと考えております。ただ、一方で、先ほど申し上げましたように、不祥事の温床となり得る課題も幾つか散見されている状況でございまして、その部分が今後の備えるべき潜在的なリスクにもなり得るところでございますので、その発生要因をしっかりと把握して体制の反映に生かしていくという作業が必要になってくるのではないかなと考えております。
では、次、14 ページをお願いいたします。次は複数回答質問につきまして幾つか御紹介させていただければと思います。
この 14 ページ目の質問は、内部通報制度の窓口の利用をためらうとしたら、その理由はどういうところにあるのかという質問をさせていただいておりまして、傾向として見られましたのは、まず左側、職員アンケートの結果でございますが、通報内容がどのように処理されるのか不明瞭であるという点と、あと自分が通報されたことが特定されてしまうというところがかなり高い割合として見られたところでございます。右側につきましては、参考までに事業者アンケートもさせていただきまして、その中で同じように公益通報制度の利用をためらうとしたらどういう理由があるかという質問をさせていただいたところ、同様に処理が不明瞭であるということですとか、特定のおそれがあるというところについて高い割合で回答を頂いたところでございます。
以上からしますと、この特定されてしまうと、あと処理が不明瞭であるというところで、こ
の制度に対する信頼を高めていくことが公益通報制度の適正な運用につながっていくと考えているところでございます。
具体的にどのように内部統制に反映させていくかというところでございますが、現在検討しているところですと、まず公益通報制度の周知ツールを作成中でございますが、問題はその中身であると考えておりまして、きちんと通報がどのように処理されるのかというところの透明性を高めていくために、事例等も交えながらしっかり説明していきたいと思っております。あと、場合によっては公益通報窓口の担当弁護士を活用するなどして、制度が客観的に運用されているというところをしっかりと周知させていただきたいと思っているところでございます。
では、次の 15 ページ目のスライドをお願いいたします。こちらも複数回答質問の御紹介でございまして、1 つがコンプライアンス体制を強化するためには何が有効かというところでございますが、これにつきましては、上司、管理部門への相談しやすい環境づくりですとか、あと職場内のコミュニケーションというところにつきまして高い割合での回答があったという状況でございます。
あと、ハラスメント防止体制には何が有効かというところにつきましても、上司、管理部門への相談しやすい環境づくり、職場コミュニケーションの活性化というところで、やはりコミュニケーションの重要性が示唆されているところでございます。
3 つ目のそういう違反行為をした場合に誰に報告、相談するのかというところでございますが、やはり直属の上司ですとか同僚ですとか、自分の近いところにいる職員に相談をするという傾向が見受けられているところでございまして、やはりコンプライアンスにとっては、再発防止策でも一応掲げさせていただいておりますが、コミュニケーションの活性化が非常に重要になってくるのではないかなと思っております。
今後、具体的内部統制の反映状況につきましては、コンプライアンスの管理部門がしっかり現場に行って、そこでどういう問題があるかというのを把握することもそうですけれども、やはりコンプライアンスについてしっかり共通認識を持っていく、そういった地道な取組が必要になってくるのではないかなと考えているところでございます。
次、16 ページ目をお願いいたします。先ほど来も指摘させていただきましたが、事業者のアンケートも実施させていただきました。その中で、質問項目としては水道局、政策連携団体はコンプライアンスを重視していると思うかという質問と、あと不正があった場合に東京都の公益通報窓口を利用するか、あるいは利用しないとしたら、その理由を質問させていただいたところですが、まずコンプライアンスを重要視しているかという点につきましては、大多数の事業者の方が思うと答えていただいたところですが、公益通報に関しては若干課題があったと思っておりまして、まずそもそも公益通報制度を知らないという層が非常に多かったというところが問題であると認識しております。その一方で、利用をためらうとした場合、その理由のところなのですけれども、これは先ほど説明させていただきましたが、特定されるおそれですとか、適正に処理されているか不明瞭であるという理由が非常に多く見られたところでございます。
この結果を受けて、内部統制の具体的な反映方法につきましては、公益通報の周知ツールは作成はするのですけれども、まず事業者にもしっかり周知して、局の職員が不正を行っていないかしっかり見ていただくことが非常に重要ではないかなと思っております。さらに、事業者に対して周知する際にも、職員に周知と同様に、手続の正当性や客観性、そういったところの透明性を高めていくための周知ツールを作成していきたいと考えております。
では、次、17 ページ目でございまして、これにつきましては、まず自由記述欄、職員の方に 自由に記載をしていただくというところの説明でございます。この中で今回紹介させていただ きたいのは、日々の業務の中でコンプライアンス違反やハラスメントがやむを得ないとしたら、その理由であるとか、あるいは日々の業務でルールや手順を遵守することが難しいとしたら、その理由を問う質問をさせていただいたところですが、この 2 つの回答を紹介させていただき ます。
この中で特徴的に見られたのが、契約のルールが実際の現場の実態にそぐわない部分があるのではないかという御指摘がございました。例えば、原則どおりではどうしても対応が難しい状況があるのではないかという御指摘ですとか、あるいは上司の命令が結果的にコンプライアンス違反等を助長している部分があるのではないかという点ですとか、あるいは規定、ルール、コンプライアンスのルールは非常に多過ぎるので、本人が問題があるということをそもそも気づいていないというところもあるのではないかという指摘も頂いております。
あと、手順に従っていては例えば納期等が守れないということで業務に支障が出てしまうというところがございました。一方で、複数対応するための人員が確保されていないのではないかということですとか、あるいは他部署からの指示が場合によってはルール違反につながらないというところもあるという御指摘も頂いているところでございます。
こういったところも踏まえまして、実際ルールに形式的に従うということが目的ではないということには当然なりますが、例えば本当にルールが現場の実態にそぐわないという現状があるとすれば、そういったことはしっかりと現場に足を運んで、どういうところが問題になるのか、ルールそのものに無理がないのか、そういったことも踏まえながら検討していきたいと思っているところでございます。
次は 18 ページ目でございまして、こちらも自由記述欄の御紹介でございます。上から 2 つ目の丸の部分につきましては継続的な取組が重要という御趣旨の回答かと思っておりまして、これは従来 PDCA サイクル、特にチェック、アクションの仕組み、この部分をしっかりさせていくということが重要であると認識しておりまして、こういった PDCA サイクルを重視、実践するべきだという発言も局側の取組を後押しするものではないかなと思っております。
ただ、次の 3 つ目と 4 つ目の丸のところなのですけれども、汚職が発生するたびに取組が強
化、追加されというところで、過去 3 回不祥事が続いたということがございますので再発防止策の数が非常に多いという状況がございます。そういった中でコンプライアンス施策全体としての効果が薄くなっているのではないのかという御指摘もございました。取組のための取組になっていないかというところもございまして、真に効果的な取組、的を絞ってやるべきではな
いかという御指摘でございます。
4 つ目のところは同様にターゲットを絞ってやるほうがいいのではないかという御指摘でございます。
5 つ目と 6 つ目のところにつきましては、継続的に取り組むということですとか、あるいはチェックリスト等を用いた確認が必要ではないかという御指摘でございます。
そういったことからしますと、PDCA サイクルを実践していくというところは非常に重要であるということは改めて認識できたところですが、やはりターゲットを絞って実施するということが非常に重要ではないかなと思っております。内部統制というのはどうしても新しい取組がどんどん付加されていくイメージがあるかと思いますが、必ずしもそうではなくて、取組を絞る、あるいは現場の負担も考えるという発想もあるのではないかなと思っておりますので、こういったところも踏まえながら今後の体制の方向性に反映させていきたいと考えているところでございます。
説明は以上でございます。
(幸田委員長) どうもありがとうございます。
それでは、今説明がありました内部統制推進体制、システム構築について委員の方から御意見を頂きたいと思います。よろしくお願いします。
(中西委員長代理) この調査の結果自体は、多分調査実施者からもコメントがあったかと思いますが、よくあるインフラ現場を持っている組織でのありがちな結果かと思います。
1 つ質問をしたいのは、ここで公益通報窓口という言葉を使って質問をされていまして、例えば関連業者さんだとよく分からないとかという御回答、知らないという御回答があったりというのがあります。これは東京都水道局の場合は「公益通報窓口」という言葉を使っているのでしょうか。
なぜこんな質問をするかというと、例えば都民の方々に対するいろいろな窓口には愛称がついていますよね。平仮名でとか分かりやすい。ここに通報すればいいのだということが、例えば都民の場合だったら都民の方々、いろいろな方々に分かる。そのようなすごく柔らかい言葉での窓口の愛称を今はつけておられるのか。もしあれだったら今後そのようなことも検討される可能性はあるのかというのをお伺いしたいと思います。
(幸田委員長) いかがでしょうか。
(山村コンプライアンス監理担当課長) まず公益通報の名称なのですけれども、東京都、水道局も共通なのですが、「公益通報制度」という呼び方をしております。第三者が、職員以外の者が通報する場合には「都民通報」という名称で使われております。先生が御指摘されたように、名称の問題というのも結構我々は問題としてあるのではないかと認識しておりまして、や
はり公益通報制度の敷居が高くなってしまうと、あるべき情報が来なくなるという部分もございます。今、名称は恐らく「公益通報制度」ということにはなろうかと思うのですが、その前段階として、例えばコンプライアンスホットラインという形で設けさせて、まずは相談をしてくださいという形で敷居を下げる取組も考えられるのではないかというところで、改めて今検討中の状況でございます。
(中西委員長代理) ありがとうございます。「通報」という言葉と「相談」という言葉で大分印象は違ってきますし、企業さんによっては「よろず相談窓口」みたいな形でざっくりと受け入れてから振り分けるみたいな形をされている場合もありますので御検討を頂ければと思います。
(石井職員部長) 東京都のほうも、これは生活文化局のほうで持っているのですけれども、
「都民の声総合窓口」という形で、「通報」とかそういう言葉ではない言葉になっていますので、その辺は、今、山村からもありましたけれども、もうちょっと砕けたというと語弊があるのですが、そういうものを考えていますので、よろしくお願いします。
(中西委員長代理) よろしくお願いします。
(幸田委員長) 今の考えているというのは水道局の独自の窓口ということですか。
(石井職員部長) ええ、独自です。そうです。これは水道局とまた知事部局と分かれていますので。
(幸田委員長) それは別々のほうがもちろんいいと思いますので、通報しやすいような名称を考えていただいたらいいと思います。
(石井職員部長) そうですね。局独自で動きたいと思いますので。
(幸田委員長) 分かりました。
(中西委員長代理) よろしくお願いします。
(幸田委員長) ほか、いかがでしょうか。
(矢野委員) 今の通報制度に関連してなのですが、内部も公益もそうなのですけれども、外部の方だったかな、制度を知らない人がすごく多く、43%、とかというのも周知しなければな
らないのですけれども、対応が不明であるとか適切に対処されないという、物すごく不信感を 持たれているというのもあります。客観性とか透明性の保てるようなという説明は頂いたので すが、もうちょっと具体的にどのような流れで考えておられるのか、今の段階で結構なのです けれども。というのは、やはり秘匿性をきちんと確保しようとかとすると、外部の弁護士の方 とかにお願いしていらっしゃるところとかもあるのですが、実際調査して何かしようとすると、調査している段階にいろいろ、平たい言い方をすると「ばれる」というのですかね。そこで結 局自分が特定されてしまうのではないかというのは払拭できないようなところもあると思う のです。その辺をどのようにしてこの制度を再構築して、さらに設置しようとされているのか というのを、概要でも結構なのですけれども、教えていただければと思います。
(山村コンプライアンス監理担当課長) そうしましたら、回答させていただきます。
まず一番効果的といいますか、事例を、具体例をまず挙げるというのが非常に重要ではないかなと思っています。実際今の公益通報制度のページに飛ぶと、制度を文字で一応文章では書いてはあるのですけれども、では、具体的にどうなるのというのが、その制度を御存じない方からするとあまりイメージできない可能性があるので、今考えているのは、実際過去の事例、あるいは過去の事例が差し支えがあるのであれば、若干修正したような事例になるとは思うのですが、例えば A さんがこういう通報をやって、こういう不正を発見して、実際こういう措置につながりましたというところで組織の不祥事が事前に予防できましたですとか、そういった具体例を交えた説明をしていきたいと思っております。それを実際の周知ツールの中に入れられるかどうかというのは今検討している状況でございます。
あと、特定性のところ、秘匿性のところは非常に難しいのですけれども、実際我々のほう、公益通報の実務はかなり厳格に運用はさせていただいているつもりなのですが、外から見るとどうしてもという部分がやはり出てくるのではないかなと思います。ただ、その部分につきましても、通報が特定されてしまうと、そこはもう通報制度の核心部分に関わるので、そういった重要であるということをしっかり理解してもらうことですとか、あるいは場合によっては Q
&A とか用いながら、本当に特定されないのですかとか、そういった質問も交えながら分かりやすく説明していく、そういったツールを今のところ考えております。
(矢野委員) 説明の前段階のところで、どういう手続でこういう調査をされるのですかというときには、「なるほど、では、これだったら信頼できます」と納得できるような制度構築を先にしておくべきかなと思いますので、そこは再度検討していただければと思います。
(石井職員部長) はい。
(幸田委員長) ほか、いかがでしょうか。
(羽根委員) 私も特定されるかどうかという心配が一番この通報制度のハードルを上げていることになると思うので、その辺についての周知をよくしていただければと、そういうおそれはないのだということの周知をしていただければと思います。
(石井職員部長) ありがとうございます。
(幸田委員長) これは内部通報という、特に不祥事とか問題事例を通報したいという場合と、先ほど水道局が言われたように、いろいろな相談事を受け付けるというのと両方あり得るわけです。だから、そういう相談事、知りたいこと、聞きたいことというのも気軽にここに聞けますよというのは何かチラシを作って周知するとか、名称のこともあるのですけれども、あるいは水道ですから水道を皆さん都民は使っていますので、そういうところにお知らせするという方法も幾つかあると思うので、そういうことを少し工夫するといいのかなと。
私が思ったのは、保育の問題だと、保育ホットラインというのを設けている自治体が結構あるのです。そこはやはり知りたいこと、聞きたいこと、あるいは園でこういうことがあったけれども、全然園が聞いてくれない。これは結構きちんと秘密を守る必要があると思うのですけれども、そういう場合にホットラインという名称は分かりやすいですよね。そして、番号も、
「悩み事」でしたか、例えばある自治体のところで「7350」とか、そういう番号も分かりやすいようなものにして、それはかなり周知をされているケースですけれども、工夫をしてみたらどうかなと思います。
(石井職員部長) 私どもも職員部だけでは限界があるので、広報部門も含めて相談しながら連携したいと思います。
(幸田委員長) ほか、いかがでしょうか。
私は事前説明のときに申し上げたのですけれども、今の説明でルール自体の見直しをする、あるいはターゲットを絞る、これは非常に重要なことで、それ自身はぜひそういう視点でやってほしいと思うのですけれども、12 ページのように、適切な人員配置がされていない。あるいは 13 ページで、根本的な問題があればそれを改善する。この辺の取組をきちんとこなしていくということが内部統制が機能する上では非常に重要ですので、きちんと内部統制の中でのコミュニケーションの中に出てきた問題を解決するということによって、内部統制というのは単に手続の負荷が高まるだけではないということでその取組も非常に実質化すると思いますので、こういったものももちろんコミュニケーションを図りながら実質的に成果を上げていく、そういうことをぜひやってほしいと思っています。
あとは、これは事前に申し上げたのですけれども、アンケートの質問が、ルールが理解不足とか、あるいはルールを遵守できない理由は何か、それを徹底するみたいなことがあるのですけれども、このルールというのは、基本的にはなぜそのルールがあるのかという根本のところ
を職員に理解してもらうということが大事であって、ルールだから守らなければいけないから守るのではなくて、このルールはこういうことで必要だから守らなければいけないという考え方をよく理解することが大事と思います。それから業務に支障がある場合はもちろん業務に支障がないようにルールを単純化することも大事ですが、単純化することによってルールの本来の目的が損なわれたのでは何の意味もないわけです。
したがって、これは研修にもつながってくるのですけれども、こういうルールはなぜ必要なのか、そこに遡って職員が理解するということがコンプライアンスあるいは内部統制では非常に重要であるということが少し薄いかなと。このアンケートの項目、もちろんこれは委託先が作っているものなのですけれども、という気がするので、その辺はよく認識していただいたほうがいいのではないかなと思っております。意見ですので、特に回答は結構です。
(石井職員部長) ありがとうございます。
(幸田委員長) ほか、いかがでしょうか。よろしいですか。
それでは、この点についてもぜひ内部統制のシステムの構築、実質的に効果が上がるような形で進めていっていただきたいと思っております。
(石井職員部長) はい、了解しました。
(幸田委員長) それでは、次に、政策連携団体におけるコンプライアンスについて局から説明をお願いいたします。
(鈴木経営改革推進担当部長) それでは、右上 19 ページを御覧ください。水道局所管政策連携団体におけるコンプライアンスについてでございます。
本年 6 月、東京水道株式会社におきまして道路占用許可申請手続に係る不適正処理事案が発覚いたしました。
本事案のまず経過でございます。東京水道サービス株式会社が工事監督を行い、平成 29 年
11 月 21 日に完成した町田市道における配水管新設工事で布設した配水管に漏水の疑いが生じ
ました。このため、受注者(工事事業者)は、調査で判明した漏水箇所について本年 5 月から 瑕疵担保に基づく補修工事を施工いたしました。その工事監督を新設工事に引き続き本事案の 事故者である東京水道株式会社固有社員 20 代男性主事が担当いたしました。補修工事中の 5 月に町田市の住民の方から工事に関する問合せがございまして、町田市で調査しましたところ、本工事の道路占用許可が未申請であったことから町田市のほうで疑念を抱きまして、事故者に 対して漏水補修の経過と道路占用許可申請に係る顛末書の提出を求めたところでございます。ここで事故者は上司に相談することなく、6 月に虚偽の内容を記載した顛末書を町田市に送付 したため、町田市のほうは顛末書の内容に疑義を抱き、水道局及び同社に対して説明を求めた
ところでございます。
これを受けまして同社で事実確認を行いましたところ、事故者は当該補修工事において道路占用許可申請手続を行っていなかったこと、また、受注者が警察に提出します道路使用許可申請書に添付しなければならない道路占用許可書の写しを 4 月に自ら不正に作成し、受注者に交付していたことが判明いたしました。
不適正処理の内容でございます。3 点ございます。事故者は、補修工事に必要な道路占用許可申請書の提出を行わず、再三にわたる上司からの同申請書の提出に関する確認、指示に対しても虚偽の報告を行いました。2 点目、また、パソコン上で町田市の道路占用許可書様式に自ら許可内容を記入し、過去の許可書の写しから市長名及び印影を切り張りして許可書の写しを不正に作成し、これを受注者に交付いたしました。3 つ目、さらに、町田市から求められた道路占用許可申請手続に対する顛末書におきまして受注者に責任があるかのような虚偽の説明を行いました。
続きまして、20 ページを御覧ください。原因分析でございます。今回の不適正処理事案につ きまして、人が不正をする仕組みをモデル化した不正のトライアングル理論に基づきまして、 3 つの不正リスクである機会、動機、正当化の観点から原因を分析し、まとめてございます。まず不正リスクの機会としての原因分析といたしましては、道路占用許可申請手続について
担当者だけで事務処理が完結する体制となっていたことなどが挙げられます。次に、動機とし ての原因分析といたしましては、本件は新設工事に引き続く補修工事であったため、調査及び 工事が長期間にわたっており、事故者は長期間担当していることでモチベーションが低下して いたことなどが挙げられます。最後に、正当化としての原因分析といたしましては、事故者は、 不正が見抜かれず、工事が施工できさえすれば問題ないと考えていたことなどが挙げられます。
次に、改善報告書における改善策が機能しなかった理由でございます。昨年 8 月に策定いたしました TSS に対する特別監察結果改善報告書におきまして、本事案に類似した社員の不適正処理事案に対応した改善策を掲げておりました。このうち 3 つの改善策についてそれが機能しなかった理由を整理してございます。まずミーティング・上司による確認でございますが、ミーティング・上司による確認自体は行われていましたが、報告内容の裏づけの確認が行われていませんでした。次に、チェックシートによる進捗確認につきましては、通常の案件工事においては進捗管理が行われていましたが、今回の瑕疵担保工事に基づく補修工事ということでチェックシートが作成されておりませんでした。3 つ目、コンプライアンス研修でございますが、コンプライアンス研修、e ラーニングによる研修は行われていましたが、2 月に予定しておりました集合研修につきましてはコロナ禍により未実施となっておりました。
続きまして、21 ページを御覧ください。東京水道株式会社に設置いたしました社外取締役 3名で構成する監査等委員会と常勤取締役と本部長から成りますリスク管理委員会から事案や再発防止に向けて指摘、意見がございました。
まず監査等委員会から、事案については、本件が組織的、長期的なものでなかったか、また、組織的な統制がどのように行われていたか。再発防止に向けてということで、事案の内容を社
員一人一人に伝えることが重要、幹部がもっと現場に出て社員と意見交換を行うことが必要などの御意見がございました。
リスク管理委員会からは、事案については瑕疵担保による補修工事の位置づけが不明確、事故者は非常に軽い気持ちで深く考えずに行ってしまったという印象。再発防止に向けては、社員は必ずしも正しいことをするわけではないという前提で考えることが必要。官公庁からの許認可取得の重要な業務を若手 1 人に行わせていいのかなどの御意見がございました。
続きまして、22 ページを御覧ください。これらの意見を踏まえまして東京水道株式会社が策定した再発防止策でございます。この再発防止策は実施可能なものから順次取組を進めておりまして、準備期間を要する取組につきましては準備が整い次第速やかに実施してまいります。
7 つの課題を挙げてございます。まず 1 つ目、モチベーションの低下については、管理監督者が業務の進捗状況を正しく把握するとともに、社員との面談を実施し、課題を速やかに改善するほか、3 点の再発防止策を挙げてございます。続きまして、2 点目、モラル・コンプライアンス意識の欠如の課題につきましては、再掲となりますが、若手の固有社員を対象にワークショップ形式も取り入れた社員教育のための研修を計画的に実施してまいります。3 点目、業務理解の不足につきましては、OJT や事故事例を題材とした職場討議を実施してまいります。
23 ページを御覧ください。進捗管理不足につきましては、管理監督者が日誌や報告内容を裏づける資料を確認することや複数人によるチェックと処理簿への記入、瑕疵担保に基づく補修工事についても組織的な進行管理の位置づけをしてまいります。
続きまして、5 つ目、社員の特性を踏まえた指導の不備については、繰り返しになりますが、管理監督者が社員と面談を実施しまして課題を速やかに改善してまいります。
24 ページを御覧ください。会社業務の重要性・社会的役割に対する認識の欠如につきましては、全管理職会議を開催し、一体的な意識改革を推進してまいります。
最後に、社員の業務量や職場配置の適正性、人材育成等人事制度上の課題につきましては、技術系社員の採用拡大により管理監督者が社員のマネジメントに専念できる環境を整備する。また、キャリアプランの明確化、社内インターンシップの導入などの再発防止策を挙げてございます。
最後に、水道局の指導監督の強化でございます。都は、東京水道株式会社に対して、都が実施する指名競争入札等において本年 8 月 25 日から 11 月 24 日までの 3 か月の指名停止措置を行いました。また、東京水道グループが一丸となって再発防止に取り組むため、再発防止策の実施状況に関しまして進捗管理を徹底して行ってまいります。また、同社のコンプライアンスを徹底するため、リスク管理委員会の下に設置されておりますコンプライアンス推進委員会に局の職員を出席させるなど、同社の業務運営に対する水道局の関与を強めてまいります。さらに、水道局長と監査等委員である社外取締役が定期的に意見交換を行う機会を活用いたしまして、外部の視点による同社のガバナンス体制について御意見を伺うことで同社に対する指導監督に生かしてまいります。加えて、同社が東京水道グループの一員として都民の信頼を得ながら適切に業務を推進していくことができるよう、同社に対する水道局のガバナンスを強化して
いくための仕組みづくりを進めてまいります。説明は以上でございます。
(幸田委員長) どうもありがとうございます。本件は大変重大な事案だと思います。今の局の説明について再発防止策、局の指導監督について御意見を頂きたいと思います。
(中西委員長代理) 道路占用許可については、直截に言ってしまうと面倒くさいということをいろいろな事業者さんから聞いております。ただ、その中でもどのように対応していくか、正しく対応していくかというのは非常に重要なことかと思います。
2 つほどお伺いしたいのですけれども、1 つは、よくやりますけれども、こういう案件が起こったときに他の事例が発生していなかったかどうかの調査はされたのか。その結果はどうだったのかということと、本件は、監査等委員会やリスク管理委員会の中で、中長期的には IT 化等でという意見がどちらも出ていたと思いますけれども、これにつきまして当然法的な問題等もあるかと思いますけれども、どのように取組を計画されているのかというところを教えていただければと思います。
(幸田委員長) いかがでしょうか。
(尾関東京水道株式会社総務部長) それでは、東京水道株式会社の総務部長、尾関のほうからお答え申し上げます。
まず過去事例の調査、同様の不正はなかったかという御質問でございますが、直ちに施工中の同様の配水管工事、また、書類が保存されております過去 7 年間に遡りまして同種の道路占用許可の取得について確認をいたしましたが、不正は発見されてございません。適正であったということを確認してございます。
また、2 番目の御質問であります監査等委員から中長期的に ICT を使った再発防止策という点でございますが、例えば具体的なものとしては、工事の進捗管理を ICT を使って管理監督者が共有化し、容易に監督できる仕組みを構築していくなどの御助言を頂いてございます。
(幸田委員長) ほか、いかがでしょうか。
(矢野委員) 事前の説明のときにも申し上げたと思うのですけれども、確かにこれは故意でいろいろな虚偽の報告をしたりしてちょっと悪質なところがあるので、そういうものを防ぐのは難しいとは思うのですが、22 ページから 24 ページまでいろいろ検討されていてそれはよいのですが、ただ、あまりにだだっ広いと思います。今日は御説明の中で実施可能なものからやっていくという説明があったのですが、一遍に全部やろうとしても、ほとんどお題目のようにしか聞こえないですし、あと「構造的に不正が発生しない仕組みを構築」と 1 行ぺらっと書か
れても、ここをするだけでも結構大変ではないかなと。逆にいろいろなことを検討して本当に今回のような事案を防ぐことができるのかというのが危惧したところであります。
先ほどの内部統制のアンケートのところでも、最後のほうの自由記載のところでもあったと思うのですが、ターゲットも絞ったほうがいいのではないかという声もあったと思います。この 22 ページから 24 ページまでのいろいろな施策の中で取りあえずどれを最優先として都としてはやっていこうとされているのかという辺りをもう少し教えていただければと思います。
(幸田委員長) 大変重要な御指摘だと思います。いかがでしょうか。
(鈴木経営改革推進担当部長) 担当部長の鈴木でございます。今回団体のほうから出されました再発防止策については基本的に全部をやっていただくということに考えてございます。ただ、対象はそれぞれによって変わってくるかなと考えてございます。また、実際には委員からお話がありました不正の起きないシステムということで、仕事のやり方についても見直しをしていく。それは団体だけではなくて、都も踏まえて一緒に見直していくと考えてございます。
(尾関東京水道株式会社総務部長) 東京水道株式会社のほうから補足をさせていただきます。それぞれのセクションセクションでやってまいることがあると思っておりまして、必ずしも 1 人の人間が全部をやるわけではございませんので、それぞれできることをやっていくのですが、一番必要なことは、工事の進捗管理がおろそかであったというところが本件のポイントかと思 っております。工事の位置づけがちょっと曖昧で特殊な工事であったというところがあたかも 監督の空白みたいになってしまって、東京都水道局、または当社の管理監督者の監督が行き届 かなかった。そこに不正が起きたと見ておりますので、そういった空白が空くような工事を生 じさせない、全てをきちっとした工事、通常の工事はきちっと行われておりますので、それと 同様のきちっとした進捗管理のラインに乗せていくということをまず最優先として行ってま いりたいと思っております。
(幸田委員長) 今の監督が届かなかったというのをきちんとチェックする仕組み、あるいは 事故が発生しないための仕組みですね。今回の場合には目が行き届かなかったということですが、これをどのように変えるのかというのは、やはりフローチャートとか実際の改善措置によってそれを防げるのかということは今回の件について言うと非常に重要なところだと思うのです。ICT によって改善するというのはそれももちろん必要ですけれども、そこはやはりきちんと検討して説明していただきたいと、今矢野委員がおっしゃられた点については、思います。あと、もちろん研修を徹底するとか、そして、これもどういう研修をやるかということが非
常に重要で、職員の意識がきちんと変わることですね。ワークショップ方式と書いてありますけれども、前もちょっと申し上げた具体的なケースで行うような研修、参加者が自ら考える研修など、いろいろな方法がありますので、そういうこともよく突っ込んで検討していただいた
らどうかなと思っております。ほか、いかがでしょうか。
(羽根委員) 羽根でございます。これは犯罪ですよね。
(幸田委員長) そうですね。
(羽根委員) 手続のほうは何か進んでいるのでしょうか。
あと、犯罪に当たるようなことが現場で起こっているのに気づかないというのはやはり改善が必要かなと思います。今までお話し頂いたのと同じようになるかと思うのですけれども、その辺はきちっとやっていただければと思います。
(幸田委員長) これは犯罪ですので、それについての処分はどうですかというのは私も事前のときにお聞きしたのですけれども、今検討しているということで、その後局のほうで何かありますか。
(鈴木経営改革推進担当部長) 担当部長の鈴木でございます。当該……。
(尾関東京水道株式会社総務部長) では、当社のほうからお答えさせていただきます。
まず警察の捜査のほうでございますが、現在のところはまだ捜査が始まっていないところでございまして、警察等の事情聴取は始まってございません。会社から事故者のほうへの事情聴取等はおおむね終わりまして、最終的には監査等委員に諮問をいたしまして、その御助言等を頂いた後、9 月中に会社の中で懲戒審査会というのを行いまして、その処分を 9 月中に行っていく予定としてございます。
(幸田委員長) 会社内の処分ですね。
(尾関東京水道株式会社総務部長) はい。
(幸田委員長) ですから、警察はまだ始まっていないということですけれども、刑事告発については検討していますか。
(尾関東京水道株式会社総務部長) 既に 8 月の頭に町田市様のほうから警察のほうに告発が行われてございまして、今のところ重ねて当社からも告発を行うというのは現時点ではまだ検討していないところでございます。
(幸田委員長) 分かりました。
ほか、いかがでしょうか。よろしいですか。
これは先ほど羽根委員からもお話がありましたように大変重大な案件でございますので、しっかりと指導監督をしていただいて、また、東京水道株式会社における再発防止策、委員の方からも幾つか出ていましたように、重点的にやるべきこと、何をどのようにやっていくのか。これについては東京水道株式会社の取組を局のほうでもよく見ていただくということも非常に重要だと思いますので、着実に実施するように取り組んでいただきたいと思っております。
本日予定していた議事は以上ですけれども、最後に何か発言はございますでしょうか。よろしいですか。
それでは、個々の議論を総括する必要はないかなと思いますので、それぞれのところでお話しさせていただきましたので、事務局のほうに進行をお返ししたいと思います。
4 閉会
(石井職員部長) それでは、幸田委員長、そして委員の皆様、長時間にわたりありがとうございました。排水処理のところで落札結果の公表の在り方と積算システムの関与者の人数につきましては、今実際の部署のところに確認を取っているところですので、後日責任を持って御回答したいと思います。
では、そのほかの点について貴重な御意見をいただきました。これを早速局内で共有をさせていただきながら反映をしていきたいと考えております。
また、本日の議事録及び資料につきましては後日公開ということにさせていただきます。なお、次回の委員会ですけれども、11 月に開催する予定ですけれども、開催の方式、方法に
つきましては、この新型コロナウイルスの感染症の状況を見ながら、また判断をさせていただきたいと思います。日程等につきましては追って調整をさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。
では、これをもちまして第 9 回東京水道グループコンプライアンス有識者委員会を終了させていただきます。
皆さん、どうもありがとうございました。
参考資料 12
東京水道グループコンプライアンス有識者委員会(第 10 回)
日時 令和 2 年 12 月 3 日(木) 14:32~16:13
場所 東京都庁第二本庁舎 22 階 22C 会議室
1 開会
(石井職員部長) それでは、定刻となりましたので、ただいまから第 10 回東京水道グループコンプライアンス有識者委員会を開催いたします。
本日の委員会ですけれども、前回同様、新型コロナウイルス感染症拡大防止の観点から Web開催とさせていただきました。委員の皆様には、御多忙のところ、Web 開催ということで御出席をいただき、誠にありがとうございます。
それでは、開会に先立ちまして局長の浜から御挨拶を申し上げます。局長、よろしくお願いします。
2 水道局長挨拶
(浜水道局長) よろしくお願いいたします。本日ちょっと遅れてしまって申し訳ございません。お忙しい中お時間を合わせていただきまして、誠にありがとうございます。
本日の委員会は前回と同様に Web 開催をさせていただいておりまして、局側も最小限の出席とさせていただいておりますので御了承いただけますようお願いいたします。
本日の委員会でございますが、調査特別チーム最終報告書で掲げた再発防止策のうち、独占禁止法及び入札談合等関与行為防止法の周知徹底、公益通報制度の周知徹底等を中心に御報告をさせていただきます。また、昨年度御議論いただきました政策連携団体に対する特別監察結果改善策の取組状況を御報告させていただきますとともに、前回御議論いただきました政策連携団体における道路占用許可申請の不適正処理に係る再発防止策の実施状況につきましても御報告をさせていただきます。さらに、水道局におけます内部統制システムの構築につきましては、この間整備してまいりました内部統制の中で行っているコンプライアンスプログラム、それからグループガバナンスにつきまして御報告をさせていただきます。
限られた時間ではございますが、忌憚のない御意見を賜りたいと存じます。本日もどうぞよろしくお願いいたします。
(石井職員部長) では、次に、今回、新たに出席させていただく局職員を御紹介させていただきます。
多摩水道改革推進本部施設部長の今井滋でございます。
同じく多摩水道改革推進本部施設部工務課長の落合秀光でございます。
御紹介は以上となります。
以後、議事に入りますが、本日の委員会は、設置要綱第 8 条にありますとおり、原則公開ということで進めさせていただいております。
次に、会議資料について御説明させていただきます。本日の会議資料は事前に委員の皆様にはメールで等でお送りいたしておりますが、お手元にございますでしょうか。資料ですが、委員会次第、委員会名簿、座席表、本委員会の設置要綱、前回の議事概要、そして本日の説明資料の順に一続きとなっております。よろしいでしょうか。
3 議事
(石井職員部長) それでは、議事に移ります。以後の進行は幸田委員長にお願いしたいと思います。幸田委員長、よろしくお願いいたします。
(幸田委員長) それでは、議事の進行について私のほうで始めさせていただきます。
まず、調査特別チーム最終報告書で掲げた再発防止策の実施状況につきまして局から概要報告をお願いします。
(山村コンプライアンス監理担当課長) それでは、水道局の山村より説明させていただきます。
まず、本日のテーマの 1 つでございます再発防止策の実施状況の報告でございます。
1 つ目は、独占禁止法及び入札談合等関与行為防止法の周知徹底でございます。この取組につきましては、昨年度、公正取引委員会から改善措置要求等がなされたときに、水道局に対して独占禁止法、入札談合等関与行為防止法を周知徹底するように申入れがございました。そういった経緯もございまして、最終報告書にはこの両法律の周知徹底を今後行っていくと策定したところでございます。
まず実施状況でございますが、昨年度の 7 月に改善措置要求が来た後に、その翌月 8 月に管理職を対象に独禁法の研修を行ったところでございます。中身としては、実際コンプライアンス研修の 1 つとして法律の研修を行ったということでございますが、基本的には、まず独占禁止法がどうして制定されているか、あるいはなぜ入札談合等関与行為防止法が制定されているか、そういった原理原則に遡って説明を行いました。その上で、過去に問題となった入札談合等関与行為の事例を出席した管理職でディスカッションを行ってその法律についての理解を深めたところでございます。その後、その管理職が講師役となってコンプライアンス推進研修を全職員向けに行ったという状況でございます。
では、次のスライドをお願いいたします。その後、この法律はどちらかというと契約事務に携わる職員が重点的に行うべきと考えられておりまして、その後、外部の公正取引協会から講師を招聘しまして、契約事務に携わる課長代理級職員等を対象として改めて研修を実施させて
いただきました。その後さらに e ラーニングといたしまして入札談合等関与行為防止法の事例等を含めた設問を用意させていただきまして、それを各自で解いて理解力の確認を行ったという状況でございます。さらに、メールマガジン等も利用しながら独占禁止法の周知を図ったという状況でございます。この取組につきましては昨年度実施したわけですけれども、今年度もコンプライアンスの研修の中身に取り入れておりまして、継続的に実施していきたいと考えているところでございます。
では、次のスライドをお願いします。次の再発防止策ですが、公益通報制度の周知徹底というところでございます。こちらの取組については最終報告書に記載がございましたが、今年度、全職員を対象にしたコンプライアンスアンケート、その中で特に公益通報制度に対する漠然とした不安感、不信感というものが確認できた状況でございます。そういったこともございまして、今年度は公益通報制度を周知する際に、ここにスライドで表示されておりますようなパンフレットを全職員に配付を行って公益通報制度の周知徹底を図った状況でございます。
中身としましては、職員の方がとっつきやすいようなイラストをかなり使わせていただいているのと、あと実際のどういった流れで公益通報が進むか、そういったフローを分かりやすく記載した状況でございます。あとは、実際に解決に至った事例等も踏まえながら、公益通報制度を利用しやすいような形で周知を行った状況でございます。今後はいろいろな媒体を利用しながら公益通報制度の周知を図っていきますが、実際効果測定というのが非常に重要かと思いますので、どういった媒体に効果があるのか、そういった検証も引き続き行っていきたいと考えております。
では、次のスライドをお願いいたします。次は、コミュニケーションの強化の活性化の取組の 1 つといたしまして、現場のミドルマネジメント層の強化、具体的にはマネジメント研修を実施させていただきました。これにつきましては、外部から講師を招聘しまして、行動分析学というアプローチで、リーダーシップですとかコミュニケーション、そういったことを研修として取り入れた状況でございます。実際のアンケートの結果によりますと、行動分析学というテーマ、これが科学的なマネジメントで非常に重要であるというところですとか、今までにないようなアプローチであって、すぐ現場にも取り入れることができたのではないかという意見もいただいている状況でございます。今年度まだあと 1 回残っておりますが、今年度中に実施をいたしまして、その後、アンケート結果ですとか、そういったものの分析も踏まえながら、来年度以降どういった形でこのマネジメント研修を行っていくかという検討を進めてまいりたいと考えております。
次のスライドでございますが、次は危機管理(不祥事)対応体制の構築でございます。こち らにつきましても昨年度の最終報告書で記載がございました。もともとの問題意識としまして は、昨年度、公取の調査の過程で特に初動調査にちょっと不手際があったという指摘がござい まして、そういったことも踏まえながら、今後は不祥事が起きた場合、あるいはそういう不祥 事の兆候が見られるときに、しっかりと報告ルートですとか、どういった形で調査を行うです とか、そういったことを事前にマニュアルで整備しておくというのが今回の取組でございます。
では、次のスライドをお願いいたします。まず不祥事の定義を明らかにする必要があるのではないかと考えております。その上で、では、現場で不祥事が発生したときにどういったものを報告すればいいのかという形でしっかりと現場に伝えることが重要ではないかと思っております。
不祥事の定義でございますが、いわゆる信用失墜行為が含まれるというところなのですけれども、さらにそれと併せまして、信用を失墜させるおそれのある行為も不祥事に含めたいと考えております。というのは、なかなか現場から情報が上がってこないという現状がございまして、この不祥事の定義を一般よりもやや広めに考えているという状況でございます。
そうはいいましても、どういうものが不祥事に当たるのか、そういった具体的な例示をマニュアルに落とし込むことも重要であると考えておりまして、具体的に官製談合ですとか、収賄ですとか、ハラスメント、情報漏えい、労基法など、どういったものが該当するのか、そういった例示をぜひとも加えたいと考えております。
次は、報告・検知ルートの検証でございまして、では、どういった形で情報を上げてもらうのかというところでございますが、基本的に現場でそういった不祥事に該当するような案件が発生するというところでございます。今までの水道局の状況を見ますと、現場で発生したことについては、現場が担当部署には報告を入れているという現状はございます。そういった中で、現場から直接コンプライアンス推進担当に上げてもらうという形にするのではなくて、情報がふだん上がってきている、そういった担当部署とコンプライアンス推進担当が協議、調整をすることで、コンプライアンス上の問題となり得る情報をコンプライアンス推進担当まで上げてもらうというルートを構築したいと考えております。
では、次のスライドをお願いします。次は、そういった情報が上がってきたときにコンプライアンス推進担当がどこに情報を伝達して、さらにその後どういったフローになるのかという説明でございます。まず推進担当に入ってきた情報で不祥事に該当する可能性のあるものにつきましては、まずは四役に報告を入れるということを想定しております。その後、初動調査という形で、おおむね 1 週間程度を想定しておりますが、事案の概要を把握するような調査を行いたいと思っております。案件によれば直ちに公表する必要があるような案件もございますので、内部的には広報担当のラインと調整をする、あるいは場合によっては対議会への説明等もございますので、局内調整ラインとの調整も行うというところでフローを考えているところでございます。そういった初動調査で把握した情報を基にその後正式調査に移行するというフローを想定しております。
では、次のスライドをお願いいたします。その後、正式調査になった場合にはおおむね 1 か月から半年程度の調査を想定しているところでございます。ここで調査をどういった形で行うのかというところにつきまして、内部調査をするのか、外部調査をするのかというところも意識しながら調査を行っていきたいと思っております。一般的には、組織的な不祥事ですとか、場合によっては管理職の関与が認められるような不祥事案件につきましては、やはり内部より外部機関に委託をかけて調査を行ったほうが客観性が担保されるという状況もございますの
で、まずは内部調査か外部調査を行うのか、そういった基準をマニュアルに落とし込んでいきたいと思っております。
それともう一つ、どういったものが外部調査に当たるのか、その外部調査機関、外部調査委員ということになろうかと思いますけれども、そういった選定基準も含めて改めて整理をしていきたいと思っております。正式調査を経て有識者委員会に結果を報告させていただくというフローも想定しておりまして、その後は公表と実際の再発防止策の実施というフローを想定しております。この正式調査の中でも、当然報道機関への対応ですとか、あるいは対議会への説明等も必要になってくるかと思いますので、それぞれのラインの課長等と連携して行っていきたいと考えているところでございます。
以上が再発防止策の実施状況の説明でございます。
(幸田委員長) どうもありがとうございます。
それでは、今、局から報告のあった内容について質問等を委員の方からお願いしたいと思います。いかがでしょうか。
(矢野委員) 一応事前に質問というか、お願いで研修のアンケートを送っていただいて、そ れも拝見したのですけれども、中にはこのアンケートが研修に対するものという形で、研修の よかった点と悪かった点を書かれていたのですが、できれば、中には時々書かれていましたが、仕事に役立つとか、部下をどのようにしてやる気にさせるのかが分かったという感じで、自分 の仕事に引き寄せて回答を書いてくださっていた方もいらっしゃったように、研修の良し悪し についてのアンケートという形の取り方ではなくて、それを自分の仕事の中でどのように今後 生かしていくのかとフォローアップしていただきたいです。せっかく研修を受けたので、それ を受けっ放しではないように、できるだけ自分の日々の仕事に反映できるような工夫というか、それを研修のアンケートという形がいいのか、終わりにそういうことを講師のほうから言って もらうのがいいのか分からないのですが、フォローアップしていただきたいと思いました。
あと、研修をしてくださるのはいいことなのですけれども、先ほどのアンケートにもつながるのですが、日々のコミュニケーションがやはり大事だと思うので、ちょっとしたことですよね。多分研修の中でも褒めることが大事というフレーズがあったのではないかと推測されるのですけれども、今回よかったねとか、単純に本当に「おはようございます」の 1 つでもいいのですけれども、そういうコミュニケーションを大事にしようという運動というか、動きというか、そういうこともつなげていってほしいと感じました。
(幸田委員長) ありがとうございます。ほかいかがでしょうか。
(中西委員長代理) 本当に全体を通じて様々な取組が一気に進んできている状態が見て取れ
ますけれども、まず矢野委員のおっしゃられるように、現場とのつながりをしっかりやっていただきたいと思います。また、今申し上げましたように、かなり様々な状況が一気に進んでいく中で、先ほど広報の効果測定はありましたけれども、全体の仕組みがどのように進展しているのか、どこかが目詰まりしていないかなどのモニタリング、こちらについて、全体でもいいですし、個々の事案でもいいのですが、考えられていることがあれば教えていただきたいという質問でございます。よろしいでしょうか。
(幸田委員長) 事務局、いかがでしょうか。
(山村コンプライアンス監理担当課長) それでは、水道局、山村より説明させていただきます。今回の再発防止策の実施状況を報告させていただきましたが、こちらの内容を後ほど説明させていただきますコンプライアンスプログラムとして整理をさせていただいております。その後は、それをいわゆる内部統制システムの中身としてこの PDCA サイクルで回していく想定をしております。実際にこの再発防止策が効いているか効いていないか、そういった検討が非常に重要だと思っておりますので、それは来年度以降内部統制がスタートしたときに、コンプライアンスの、私も含めた人間がしっかり現場に行って、この再発防止策が実際に機能しているかどうか、あるいは問題があるかどうかも含めてヒアリング等を行って、その後もし改善の必要があれば改善をしていくと。そういった状況は全て有識者委員会に報告をして意見をもらいながらやっていきたいと考えております。
(中西委員長代理) ありがとうございます。ぜひ PDCA サイクルを回し、モニタリングをしていくというのが多分マネジメントサイクルの基本だと思いますので続けていただきたいというのと、そのときに、この後の話題になるかと思うのですが、では、何をもってよくなったのか悪くなったのかという PI とか KPI というやつですね。パフォーマンスインジケーター、指標をしっかりと検討していくということも大事かなと思います。ぜひよろしくお願いいたします。
(幸田委員長) ありがとうございます。今、PDCA サイクルについては、この有識者委員会でこれまで何回も議論といいますか、指摘されてきたことですので、そういった取組、日常的コミュニケーションも非常に重要ですけれども、PDCA サイクルについてしっかりと取り組んでいただきたいと思います。
(羽根委員) 今のところとも関連するのですけれども、スライドで言うと 3 ページの研修の 2 つ目のコンプライアンス推進研修、e ラーニングでされたものですが、最後に理解力テストを実施されたとあるのですけれども、これはテストというのはどなたが作った問題で、どんな形式、例えばマル・バツとか、記述はないのかなと思うのですけれども、何問くらいなのかと
か、あとは全員同じ問題を解いたのかどうかというのは、その辺はいかがでしょうか。
(山村コンプライアンス監理担当課長) まずこちらの理解力テストでございますけれども、設問につきましてはコンプライアンスのラインで作成させていただきました。何を基に作成したかといいますと、公正取引委員会のほうから入札談合等関与行為防止法、こういったことが禁止されているとか、そういったガイドラインのようなものが一応出ておりまして、それを基に問題を作成させていただいた状況でございます。
(羽根委員) マル・バツ形式の問題なのですか。
(山村コンプライアンス監理担当課長) そうですね。基本的にマル・バツ形式の設問でございます。
(羽根委員) その結果や何かは集計はされていないのでしょうか。
(山村コンプライアンス監理担当課長) これはあくまでも自己採点という形を取っておりまして、基本的に正答率とかは今のところは出していない状況でございます。ただ、おっしゃるように、本当に理解しているかということであれば、きちんとそれぞれの正答率を出して分析を行っていくというのを今後検討すべき課題なのかなと考えております。
(羽根委員) そうですね。せっかくテストをするなら、集計してデータ化すると、弱い点というのですか、その辺なんかも非常にいいきっかけになるのではないかなと思いますので、いろいろ条件はあるのでしょうけれども、検討していただければなとは思います。
(石井職員部長) 羽根先生、ありがとうございます。今の自己採点のやり方はちょっと工夫が必要なのですが、現状では間違えたらもう一回やり直すこともできて、実は解答を見られるようになっているものですから、実際には何回かやり直すと 100 点になるということになっているので、ちょっとその辺の理解度、確かにおっしゃる課題があると思いますので研究させていただければと思います。すみません。
(幸田委員長) コンプライアンスのそういう e ラーニングの研修というのは、いわゆる大学の研究者の科研費でもよくある話で、間違えるとそれをクリアできないので、必ず最後全部クリアできるようにはするんですね。ただ、科研費の場合、正解が出てきてはいなかったと思うのです。その辺どういうやり方が効果があるのかというのは、今お話がありましたように検討していただいたらどうかなと思います。
(石井職員部長) 1 回目のところで何か取るようにできるかとか、そこはちょっと考えてみます。
(幸田委員長) あと、私から事前説明のときに申し上げたのですけれども、4 ページのチラシの最後のところの「通報者にありがとう」というのが、副社長に名前が分かってしまっていて本人に電話が行くというのはちょっとどうかなというのがあるのですけれども、いかがですか。
(山村コンプライアンス監理担当課長) これにつきましては、実際この副社長はこの案件の 調査に携わったと、これは新聞報道を基に作成しているものでございまして、副社長がその調 査に携わってその通報者の名前をもともと知っていたという案件でございますので、何かもと もと調査があって、その通報者の名前を副社長に伝えたという案件ではないとは理解しており ます。ただ、場合によってはこの記載だけからだとちょっと誤解を与えかねないので、今後コ ラムを記載するにしてももうちょっとボリューム、説明が必要ではないかなと考えております。
(幸田委員長) やはり内部通報者の名前の匿名性というのは非常に気になるところなので、そこのところはちょっと注意してチラシを作っていただいたほうがいいかなと思います。
あとマニュアルなのですけれども、6 ページですか、これはいつ策定する予定でしょうか。
(山村コンプライアンス監理担当課長) こちらにつきましては今現時点ではマニュアルの作成作業を進めているところでございまして、内部統制が来年の 4 月からスタートする予定でございますので、今年度中には作成をしたいと考えております。
(幸田委員長) このマニュアルについて、これはかなり重要ですよね。中身がどうかという、先ほど定義をどうするかという話なんかもありましたけれども、有識者委員会に諮っていただくということはできないのですか。
(山村コンプライアンス監理担当課長) あと委員会が 2 回一応計画では予定しておりますので、そのどこかの回で実際のマニュアルを報告したいと考えております。
(幸田委員長) 分かりました。私がちょっと気になっているのは、先ほど説明があった不祥事の検知のところもありますけれども、最後のところで外部調査機関の話もマニュアルでどう切り替えるかということを明記するという話なのですね。これは自治体の場合には外部の第三者調査機関を作る場合は附属機関になって条例で設置する必要があります。これは判決でも幾つか出ているところです。そうすると、外部調査機関をどういう形で条例設置しようとしているのかということ。あと、そのときに条例で作る、いろいろ自治体の外部調査機関ですと、い
じめの検証委員会とか学校事故の第三者機関とか、あるいはほかにも事故調査委員会みたいなものが設置されていますけれども、この辺どのように考えているのかというのがいま一つよく分からない。
(山村コンプライアンス監理担当課長) こちらの外部調査機関の位置づけというところなのですけれども、今これは検討を進めている段階でございます。実際日弁連のほうからいわゆる第三者委員会の基準等のようなガイドラインも出ておりますが、それも参考にさせていただきたいと思っております。
あと、自治体附属機関とするのか、それともいわゆる業務委託という形で出すのか、その辺も含めて今後マニュアルに落とし込んで、それも併せて整理していきたいと考えております。
(幸田委員長) 分かりました。今おっしゃるように、日弁連の出ている、既に公表されているのは企業の不祥事等の第三者機関のガイドラインなのですけれども、それを言っているのですか、
(山村コンプライアンス監理担当課長) そのとおりでございます。
(幸田委員長) であれば、現在日弁連では自治体の第三者調査委員会のガイドラインを検討中なのです。自治体の場合にはどのような形で外部調査、第三者委員会の調査を進めていくかということを議論しているところなのです。これは日弁連の内部の議論ですので現時点で中身を紹介することはできないのですけれども、私の意見で言うと、外部調査機関の今のやり方をマニュアルに書いていくということになると、やはり自治体の場合は企業と違って附属機関たる第三者調査委員会は条例設置になります。ただ、外部調査の場合にはほかにも外部の者に委託調査するという方法もあります。第三者調査委員会を設置する場合には、その調査委員会の権限をどうするかが非常に重要なのです。なので、例えば案件についての調査権限、資料の要求とか関係者の事情聴取とか、そういったこと、あるいはどの程度そこでの議論を公表していくのか。それから、調査報告書を作成した後、それに基づいて自治体が改善措置を取るということになると思うのですけれども、その改善措置を公表するのかなどいろいろあるのです。
今のは一部ですけれども、そういうことをマニュアルでどの程度書くのかということも非常に重要な話になってきて、先ほどおっしゃられた日弁連が現時点で出しているのは企業等不祥事のガイドラインのみなのです。企業と自治体は同じではないということ、あと、もちろん政府が出しているいじめの第三者検証委員会のガイドラインというのは国が出していますけれども、自治体が外部第三者調査委員会を作る、場合にどのような制度設計を念頭に置いているかというのはかなり重要なことになりますので、マニュアルに盛り込まれるという話を今言っておられましたので、やはり有識者委員会で議論させていただきたいと私は思っております。この点、ほかの委員の方はいかがでしょうか。別な意見があればお聞きします。
(矢野委員) 私もここをもう少し知りたいなと思っていたところで、こういうことをしっかりやっていただけるのはありがたいのですが、例えば細かさレベルによっては物すごくきゅうきゅうとしてしまって、ほかの組織でもあるのですけれども、リスクが生じた、不祥事が生じたということでどんどん職員の方々が逆に萎縮してしまうような、ややもすると逆に隠してしまいたいと思うような体質になってしまっては元も子もないので、その辺りの知見のレベルですか、検知して、それを報告してどういう罰則を設けるのかとか含めてですけれども、流れについてもう少し知りたいなと思っていたところでしたので、委員長がおっしゃるように委員会に上げていただけると非常に助かると思います。
(幸田委員長) 今おっしゃった罰則というのは外部調査には基本的には伴わない話で、むしろ中身、調査して実態を明らかにするということが主目的となります。つまり、原因分析ないし調査報告書を外部調査機関でどのように作っていくかというところをきちんと定める必要があるかなと思います。
(矢野委員) 分かりました。
(幸田委員長) ほかいかがですか。この点についてはよろしいですか。ということですけれども、事務局のほうはよろしいでしょうか。
(石井職員部長) これはやはり今いろいろとお伺いしてこちらのほうも詰めなければいけない点があるなと考えております。条例となると、また水道単独でというところが難しいところとか壁にぶつかってしまうところも今だとあるかも分かりませんので、そういうのを含めて先生方に御意見をいただくということが重要だと思いますので、この件については、成案といいますか、案ができ次第かけさせていただきたいと思います。御指導お願いいたします。
(幸田委員長) 分かりました。では、そのように取り扱っていただければと思います。ほかに御質問等ございますか。よろしいですか。
それでは、今、この独占禁止法、入札談合等の再発防止策の実施状況の報告がございましたけれども、着実に取組がかなり進んできていると我々としても評価しているところですけれども、実施を進めていただきたいと思います。
それでは、次に、政策連携団体におけるコンプライアンスの改善状況について、まず局から報告をお願いいたします。
(鈴木経営改革推進担当部長) 水道局、鈴木が御報告させていただきます。
本日、スライド 10 ページから御報告をさせていただきます。政策連携団体に対する特別監
察や道路占用許可申請手続に係る不適正処理につきましては、その後、改善策を出しまして、それで取り組んでいるところでございます。また、今回その取組状況、改善状況を御報告させていただきます。また、東京水道株式会社が実施いたしました全社員調査についても御報告させていただきまして、これらを含めまして東京水道株式会社と水道局による総括について御報告をしたいと思います。
それでは、スライド 10 でございます。政策連携団体に対する特別監察について改めて経緯についてまとめております。特別監察を受けたTSS、東京水道サービスとPUC が統合しまして本年 4 月から業務を開始した東京水道株式会社では、両者の改善策を継続して実施している
ところでございます。改善報告から 1 年がたちまして、社内のコンプライアンス推進委員会が中心となって令和元年度中の各改善策に対する評価、課題抽出を行い、課題解決に向けたさらなる取組を実施しているところでございます。
次のスライドをお願いします。こちらは TSS とPUC に対する指摘事項ごとに、令和元年度末、令和 2 年度中の取組状況を一覧表でまとめております。表中の元年度末対応策の列でございますが、全て指摘事項に対して対応したということで○と記載してございます。そのお隣の 2 年度取組というところでございますが、基本的にこちらも○ということで取組は継続実施しておりますが、◎のものにつきましては、取組の内容について見直しをして、さらなる取組を追加実施しているものになっております。
次のスライドに個別の取組状況について記載した資料を幾つか例として挙げておりますので、御説明をさせていただきたいと思います。
スライドの 12 を御覧ください。スライドの 12 では、例えば、TSS に対する指摘事項ということで、土木系協力会社への再委託方法が複雑で分かりにくいという指摘事項について、右から 2 番目の取組評価というところがございますが、そこの 1 つ目の丸、一般競争入札を導入したことで新規業者の参入、受注に至る成果が出ているが、課題として公平性や効率性の観点から継続的な改善を行う必要があるとしております。一番右側の列を御覧いただきますと、2年度中のさらなる改善策として、2 つ目の丸にございますように、きめ細かい仕様書等を作成する。また、次の 13 ページのスライドをお願いしたいのですが、そちらの一番右側の列に書いておりますように、受発注のマッチングサイトを活用するなど、新規参入しやすい環境作りを推進しているところでございます。
続きまして、スライドの 14 をお願いいたします。スライドの 14 では協力会社からの出向社員の受入れに関する指摘がございまして、こちらにつきましては計画以上の出向社員の削減を行っておりまして、令和 2 年度には人員確保のための採用強化に努めているところでございます。
次のスライドをお願いいたします。左の指摘事項のところに受託業務に係る不適正処理事案というのがございますが、こちらにつきましては、左から 2 番目の取組のところにございます工事のチェックリストの作成であるとか、ショートミーティングによる情報共有、業務の進捗管理に取り組んでおりました。残念なことに今般道路占用許可申請手続に係る不適正処理事案
が発生いたしましたが、その反省を踏まえまして、一番右の欄になりますが、さらなる改善に向けた取組として管理監督者が裏づけとなる資料を直接確認することや、許認可申請などにつきましては重要書類をデジタル化して組織的に共有するなど、さらなる再発防止策に取り組んでいるところでございます。そのほかの取組は参考資料として添付しておりますので、後ほど御覧いただければと思います。
続きまして、スライドの 17 を御覧ください。このスライドの 17 以降につきましては、前回の有識者委員会で御報告させていただきました道路占用許可申請に係る不適正処理事案、公文書偽造、虚偽報告というのがございましたが、その対応状況について御説明をさせていただきます。
このスライドでは、改めましてこれまでの経緯と当局の対応など不適正処理の概要についてまとめてございます。当局の対応ですが、一番下の青で囲んでいるところを御覧ください。東京水道株式会社に対しまして都が実施する指名競争入札において、8 月 25 日から 11 月 24 日
までの 3 か月間指名停止措置が取られたことを受けまして、当局としましてはこの間同社への特命随意契約による発注を原則差し控えまして、同社の改善状況を確認した上で発注を行うこととしたところでございます。
次のスライド 18 を御覧ください。このスライドの 18 では不適正処理事案に対する合計 14項目の改善策の実施状況を一覧にしてございます。各改善策については既に取組を実施したものについて「実施」と記しております。今後取組を本格化する人事上の取組については「取組開始」という記載をさせていただいているところでございます。
次に、スライドの 19 から 22 までですが、これは各再発防止策の取組状況とその取組に対する東京水道株式会社の検証内容をまとめております。
まずスライドの 19 をお願いします。一番上上段、1、管理監督者が社員との面談を実施というのにつきましては、96%の社員と面談を行いまして、社員のモチベーションの向上が期待できると検証されているところでございます。
スライドの 20 を御覧ください。2 段目です。5、課長代理等が日常的な業務推進の知識の伝達を行うほか、ショートミーティングなどを実施ということにつきましては、約 8 割の部署で業務知識の伝達を実施しているところでございます。
スライドの 21 を御覧ください。上段になりますけれども、7-1 という記載がございますが、各種申請手続に関するフローと確認方法の見直し、担当者以外が関与しなくては事務処理が完結しない、不正が起きないフローに変更しているところでございます。今後は定着に向け継続的に管理を実施するとしてございます。
次のスライド 22 を御覧ください。上から 2 段目の 10、全管理職会議の開催を通じた経営理念、コンプライアンスの浸透についてでございますが、全管理職会議におきまして、社長の講話や水道局職員部コンプライアンス監理担当課長による講話を行い、約9 割の管理職が参加し、理解度テストの正答率は 100%だったという結果が出ております。
スライドの 23 を御覧ください。上の段、12、異動基準、キャリアプランを定め、一定期間
経過した社員の担当業務の変更についてでございますが、こちらは管理基準、キャリアマップ等を作成いたしまして、今後本格的な実施に向けて取り組んでいるところでございます。
スライドの 24、25 につきましては、水道局が取り組む再発防止策ということでお示しをさせていただいているところでございます。連絡会による組織コミュニケーションの円滑化や対策会議による瑕疵担保に基づく工事の対応、許可証の確認、管理手続などの策定などに取り組んでいるところでございます。
続きまして、スライド 26 を御覧ください。こちらは、東京水道株式会社が全社員を対象に
11 月 2 日から 11 月 6 日までの間、野村総研に委託しまして実施した調査の結果でございま す。調査は、コンプライアンスとエンゲージメント、それとプラスで社独自の設問で構成され ております。分野別にスコア化しまして他社平均と比較評価するという形になってございます。野村総研による評価結果としては、コンプライアンスの項目では、今回表面化した不正以外の 潜在的な問題が他社と比べて著しく多い環境ではない。近年のコンプライアンス重視の取組が 浸透していることがうかがえるという評価がありました。一方で、親会社からの無理な要求の 回答が他社平均よりも高く、コンプライアンス問題が発生しやすい構造が考えられるとの評価 も受けております。また、エンゲージメントの項目におきましては各スコアが他社平均を下回 っておりまして、特に若手社員に対して会社の魅力の訴求が不足しているなどの評価を受けて いるところでございます。
スライドの 27 を御覧ください。こちらは、東京水道株式会社による総括とそれに対する同社の監査等委員会の主な意見とまとめさせていただいております。
まず東京水道による総括ですが、こちらは、これらの結果を受けて再発防止策が形骸化することのないよう今後も実施していく。また、エンゲージメントの改善については、問題の所在を十分に検討し、社全体で課題解決を図るほか、水道局と協議を行いながら実施していくと総括をしているところでございます。これに対しまして下の段の赤い囲み、監査等委員会からの意見ですが、水道局を含む水道事業全体の業務改革を実現し、IT 活用や DX についての取組や社内調査の結果や現場の声を真摯に受け止め、目標や期限を設定した上で再発防止策を講じていくことが必要であること、また、水道局との関係など組織的、構造的な問題としては東京水道グループ全体として時間と労力をかけて取り組むことが必要であるなどの意見がございました。
続きまして、スライドの 28 でございます。こちらはコンプライアンス改善に関する水道局としての総括を記載してございます。上の段は再発防止に向けた進捗状況でございますが、これはこれまでに御説明したことを改めてまとめているものでございます。
中央より下の段、水道局の評価を御覧ください。水道局の評価といたしましては、東京水道株式会社は、特別監察に対する改善策を適切に見直しているほか、本事案に係る 14 項目の再発防止策に着実に取り組んでいるということで、その結果が表れ始めていることから、コンプライアンスの徹底に向けた改善が図られていると評価をしております。一方で、アンケート調査の結果や監査等委員会の意見からは、同社における IT 活用やエンゲージメントの向上等に
加え、当局の同社に対する関わり方が新たな課題として浮き彫りになりました。今後、東京水 道株式会社が大局的な視点から課題解決を図るとともに、当局は同社に対する関わりについて、問題の所在を明らかにし、その関わりを見直すなど、東京水道グループを挙げて時間と労力を かけて真摯に課題解決に取り組んでまいります。
以上が政策連携団体におけるコンプライアンスの改善状況の御報告でございます。本日は、今後、東京水道株式会社における IT 活用やエンゲージメントの向上に向けた取組、そして、局と同社の関わり方の見直しを進めるに当たって留意する点などがございましたら、ぜひ御助言いただきたいと存じます。どうぞよろしくお願いいたします。
報告は以上です。
(幸田委員長) どうもありがとうございます。今、最後説明がありましたように、アンケート調査結果、これは非常に貴重だと思いますし、それに対する監査等委員会の意見も大変的確な指摘がされているかと思います。それを踏まえて今 28 ページの最後のところについていろいろ意見を出していただければという局からの説明であったと思いますので、委員の皆様からの御意見をいただければと思います。いかがでしょうか。
(中西委員長代理) 監査等委員会からも出た IT 活用、あるいは DX のお話なのですけれども、これは当然設備投資といいますか、コストもかかるところではありますが、現在国のほうで国交省がその占有許可、使用許可のデジタル化を進めていらっしゃることは御存じかと思います。それについて今までフォローされてきたのか、あるいはこれからどのような形で情報収集をし、それを生かしていこうとされているのかをお聞きしたいです。というのは、理由としては、今回の案件はどちらかというと物理的な改ざんだったと記憶しておりますけれども、今後 IT 利用によってそれらが防げる一方で、新たなデジタル改ざんとかデジタル不正みたいなところも起こってくる懸念があるわけです。それについて想定した上で将来の計画を立てられているのかどうかをお聞きしたいです。
以上です。
(幸田委員長) ありがとうございます。 では、局のほうで御説明をお願いします。
(尾関東京水道株式会社総務部長) それでは、東京水道株式会社のほうから今の御質問について御回答申し上げます。
まず 1 点目の道路占用許可申請のデジタル化についてどのようなフォローをしているのかという御質問でございますが、まず現状を申し上げますと、23 区の道路占用許可については既に電子申請となっておりまして、当社につきましても電子での申請という形になってございます。一方で多摩地区の市町における道路占用許可申請につきましては従前どおりの紙での申請
となってございまして、こちらは道路占用許可を発行します道路管理者のほうが対応していただくことによって、それに申請する弊社のほうも対応していくという状況でございます。ですので、先生のおっしゃるようなデジタル改ざんとかという問題もございますけれども、まず何よりそういった不正を防ぐ方策といたしまして、事務フローをまず見直しまして、今回事案が発生したときは、担当者が 1 名で完結して道路占用許可申請を行うという事務フローだったのでございますが、それを見直しまして複数部署が関与して初めて完結するという不正を起こすことができないような事務フローに改めるような対応をしてございます。
以上でございます。
(幸田委員長) ありがとうございます。ほかいかがでしょうか。
(矢野委員) 今回のきっかけというか、とても悪質だなと前回も思ったのが、道路占用許可申請の件などですけれども、それに対して多面的な対応策を取ってくださって、14 項目の再発防止策、それの検証結果もよかったということです。しかし、多くの取組をすると、だんだんと何度も何度も繰り返していくうちに、そうならないように管理職の研修などを行うということなのですが、廃れないようにするということで何かこの策の中で考えておられることがあるかということが 1 つと、あと、たくさん策を考えている中でどこにポイントを置いて、重点的にここだけは絶対に譲れないということで、対応策を、コンプライアンスの改善を進めていこうとされているのかということの 2 点教えていただきたいのですけれども。
(尾関東京水道株式会社総務部長) まず取組策 14 項目を大きく 2 つに分けますと、不正が
起きない仕組み作り、あとは管理者の管理監督体制の見直しという大きく 2 系統に分けられるかと考えてございます。どちらに重点ということもないのですけれども、まず取組の不正が起きない仕組みについては完遂をしていくということで考えてございまして既に対応を図ってございます。一方でモチベーションとか管理監督体制の強化といった部分については、先生の御指摘のとおり、やはり繰り返していきますとどうしても形骸化していくおそれがあるということは会社としても認識してございます。ですので、定期的に実施報告という形で、例えばミーティングルームをすれば、どのようなミーティングだったのとか、例えば日常的な業務知識を付与する取組であればどのようなことをやったのかとか、継続的に報告という形を取ることによって常に形骸化した取組となっていかないようになるべく意識を行き届かせるような取組を考えてございます。
また、監査等委員からの指摘にもございましたが、中長期的にはデジタル投資などを行いまして、より抜本的に不正が起きないような、また業務負荷が少なく、管理監督者が一生懸命配らなくても不正が防げていけるようなデジタル的な対応も図ってまいりたいと考えてございます。
(矢野委員) そうしますと、意識づけをしていくというのがこの改善策、取組の防止策の中での骨子というか、中心になるという理解でよろしいのでしょうか。
(尾関東京水道株式会社総務部長) 今回の不正を抑止できなかった最大の要因といいますのが、管理監督者による担当者の管理が非常に形骸化していて目が行き届かなかった。もうちょっと細部まで目を行き届かせていれば防げたという形で弊社としては考えてございますので、管理監督者の監督体制に魂を入れていくという体制作りが試みとしては重要かなと考えてございます。
(矢野委員) 分かりました。特に、組織ですから人は入れ替わったり異動があったりするので、その都度都度研修なり意識づけなりを継続していっていただければと思いました。ありがとうございます。
(幸田委員長) 研修、意識づけというのもなかなか言葉だけでは本当にそれが実効性がどの程度上がるかという、その辺の工夫ですよね。前から出ているように、事例研修の内容や、コミュニケーションの中でそういった具体的な事例を議論するとか、いろいろ工夫は必要かなという気はいたします。
(矢野委員) そうですね、
(幸田委員長) 羽根委員、いかがですか。
(羽根委員) 私も、形骸化しないように、何のためにこれをやっているのかということを常 に忘れずに実施していく必要があるのかなと。再発防止策なので、再発防止策は、事案の原因 に対してそれを究明してそれを潰す対応策であるということかと思いますので、その目的意識、その目的に向かって忘れずに取り組んでいただければと思います。
あと、今チェックが形骸化しというお話ですけれども、当然認識されているとは思うのですけれども、その前段階の御本人の規範意識が低過ぎるのではないかなという本人の問題が大きいので、公文書偽造の認知度が全社で 77.1%と書いてありますけれども、これは 100%でなければ困ると思いますので、その辺の研修も重要かなと思います。
(幸田委員長) 今のはどこですか。77%というのは。
(羽根委員) 26 ページ、独自設問のところです。
(幸田委員長) 下か。公文書偽造の認知度、これは確かに低いですね。今回の処分というのはまだ決まっていなかったのでしたか。
(尾関東京水道株式会社総務部長) 今回の処分につきましては既に出てございまして、関係者の処分は終えてございます。ちょっと補足でございますが、独自設問の公文書偽造の認知度が 77.1%というその意味でございますが、これは言葉がはしょられておりまして、公文書を偽造してはいけないということの認知度という意味ではございませんで、今回の公文書偽造の事案の再発防止策について知っているかという設問でございますので、それだけ申し添えます。
(幸田委員長) なるほど、そうでしょうね。ただ、それでもやはりそこの周知、認知度は重要だということだと思います。
ほかいかがですか。
(矢野委員) 先ほどの羽根委員ともちょっと通じるのですが、仕事の意義とかやりがいとか、先ほど若い方のアンケートで仕事の閉塞感があるようなニュアンスの回答があったと聞いたと思ったのですが、この仕事がいかに重要で、あなた方はどれだけ大事な仕事をしているのか、その仕事の意義なりやりがいなりを伝えたうえ、それを行うに当たってこういうルールがあるのだ、手続が重要となるのだ、というそもそもの目的のようなものとか意義のようなものももっと伝えていっていただかないと、何となくきゅうきゅうと締めつけるというか、ルールづけをするばかりだと組織としては健全性を失うのではないかというところを感じましたのでコメントさせていただきました。
(幸田委員長) ありがとうございます。これは過去の有識者委員会でも私も申し上げたところで、ルールはこうだから守りなさいよという形式的なルール遵守ではなくて、そのルールは何のためにあるのかというところに遡って、もちろん仕事の意義も含めてですけれども、公文書管理についても何で公文書管理というのが重要なのかというところに立ち戻って研修をするということが非常に重要だと思っておりますので、そういったところの研修の中身、やり方について工夫をして、このようにかなり実効性が上がるようなやり方をしていますということがあれば、また次回以降でも御紹介いただければなと思っております。
ほかよろしいですか。
(中西委員長代理) 今のお話ともちょっと関係するようなところかもしれないのですけれども、これから仕事の意義を伝えるということと絡めまして、今後新しい採用といいますか、専門学校等の方々からも採用されるというのが 1 つあったと思います。このとき、まず採用の段階で、やはり仕事の重要性とコンプライアンス、手続等を守ることの重要性、それらができる人たちを、あるいは認識できる学生さんを求めているのだよということをアピールしていって
いただければ、本当に若い人から少しずつ変わっていくのではないかと思いますので御検討いただければと思います。
以上です。
(幸田委員長) ありがとうございます。今の点もよろしくお願いしたいと思います。よろしいですか。
(鈴木経営改革推進担当部長) いろいろと御意見、御助言ありがとうございました。参考にさせていただきたいと思います。また、水道局としましても、東京水道の取組につきましてはしっかりと水道局も一緒になって改善をしていきたいと考えてございますし、しっかりと関わっていくということで今後もいろいろとやっていきたいと思いますのでよろしくお願いいたします。現在もいろいろな委員会にも参加させていただいて、意見を言うだけではなくて一緒にやっていくということで考えてございますので、そのようにやっていきたいと思います。よろしくお願いいたします。
(幸田委員長) ありがとうございます。よろしくお願いいたします。
それでは、次に、水道局における内部統制システムの構築に向けた実施状況について、まず局から報告をいただきたいと思います。
(山村コンプライアンス監理担当課長) それでは、内部統制システム構築に向けた実施状況について説明させていただきます。
まず前提といたしまして当局の現状について説明させていただければと思います。水道局におきましては、過去の不祥事が起きたというところもありまして、30 年に事故が発生したときに、最終報告書にも記載がございましたとおり、再発防止策が一人一人に浸透していなかったということが課題として指摘されているところでございました。さらに、その再発防止策を実施はするのですけれども、それをフォローできる体制、いわゆる PDCA サイクルのチェック・アクション、この仕組みが不十分ではなかったのかと考えている状況でございます。そうしたことから、最終報告の中では、今後は現場視点に立った職員一人一人が当事者意識を持つことができるという考え方から再発防止策を策定していくことが重要ではないかなと考えられているところでございます。今年度はアンケートを実施した中でも一定程度の浸透は見られたという評価はございましたが、一方で、内外からのプレッシャーですとか縦割り意識、組織外の状況への関心が薄いですとか、不祥事の発生要因となり得る項目が低い評価という点も見受けられたところでございます。先ほども説明がございましたように、本年、道路占用許可申請における不適正処理事案が発生したということがございまして、東京水道グループ全体として考えたときにはまだまだコンプライアンスの取組は引き続き実施していかなければならないという認識を持っているところでございます。