OCTOBER 2019 2019年10月
本資料は(一財)社会変革推進財団との業務委託契約に基づき、SIMIの責任において制作されました。原著の著作権は当該資料を作成した作者にあり、日本語化された資料の著作権は(一財)社会変革推進財団及び(一財)社会的インパクト・マネジメント・イニチアチブにあります。 (xxxxx://xxxx.xx.xx/xxx/)
インパクト・デューデリジェンス・
ガイド
The Impact Due Diligence Guide
OCTOBER 2019 2019年10月
Pacific Community Ventures
Research Partners Impact Management Project
GIIN
xx xxx 抄訳・まとめ
本資料の関連資料として以下も適宜ご参照ください。次ページ以降の抄訳中、以下の資料に詳しいガイダンスがあるものには(*IDD-BP参照)と記しています。
Impact Due Diligence: Emerging Best Practices June 2019
The Impact Due Diligence Guide October 2019
このガイドの活用法
このガイドは誰のためのものか?
本ガイドは、投資によって予想される経済的、社会的、または環境的な影響を体系的に測定・評価することで、ポジティブなインパクトを
⽣み出す可能性を⾼めようとするインパクト投資の実践者を対象としています。
ガイドの内容は?
このガイドは2つのセクション*で構成されています。
・インパクト・デューデリジェンス⼿法の開発: このセクションでは、インパクト・デューデリジェンス⼿法の開発に関する実践的なガイダ ンスを掲載しています。これには、インパクト測定・マネジメント
(IMM)の初⼼者および経験豊富な専⾨家の両⽅に通⽤する推奨事項が含まれています。投資家は、本セクションを検討して、⾃社に最も適 したアプローチを決定し、予想されるインパクトを測定・評価するた めのリソースとプロセスを開発するために推奨事項を利⽤することが できます。
・インパクト・デューデリジェンス・アプローチの導⼊: このセクションでは、投資家が組織内でインパクト・デューデリジェンスの体系的なアプローチを運⽤するための推奨事項を⽰しています。これには、インパクト・デューデリジェンスを既存のプロセスに統合すること、スタッフの配置、投資先との関わり、投資の意思決定への情報提供、より厳格な投資後の評価に関するガイダンスが含まれます。
*本抄訳では、The Impact Due Diligence Guideの1つ⽬セクションの「インパクト・デューデリジェンス⼿法の開発 」を紹介しています。
このガイドには多くの情報が含まれています。どこから始めればいいですか?
このガイドでは、原則とプロセスに焦点を当てたセクションを視覚的に区別しています。主に原理原則に関連するコンテンツには灯りのアイコン(下の図、左)が、主に技術やプロセスに関連するガイダンスを含むセクションには⻭⾞のアイコン(下の図、右)が表⽰されています。 原則とプロセスの両⽅を含むセクションもありますが、どちらの内容が多いかで分類されています。
プロセスのガイダンス
指針となる原則
読者へのメッセージ
このガイドは、インパクト投資家の多様なコミュニティに実⽤的なア ドバイスを提供することを⽬的としています。本ガイドでは、予測さ れるインパクトを体系的に測定・評価するアプローチを開発・実施し ようとしている投資家に対して、ベストプラクティスに基づく推奨事 項を⽰していますが、インパクト・デューデリジェンスに対する組織 のアプローチは、その組織独⾃の優先事項や制約を反映する必要があ ります。例えば、投資家のインパクトテーマ、スタッフの配置モデル、社内の専⾨知識、アセットクラスなどが、投資先の期待されるインパ クトを正確に評価する能⼒に影響を与えます。
社内サポート
の獲得
組織にとって適切な
インパクト・デューデリジェンスの⼿法の特定
期待されるインパク
トについてのナラティブの作成
定量的インパクトの
デューデリジェンス・ツールの構築
インパクト重視のデューデリジェンス
⽤質問書の作成
インパクト⽬標の策定
インパクト・デューデリジェンスの発展のための体系的アプローチ
1.1. 社内サポートの獲得
ステークホルダー STAKEHOLDER (定義)
介⼊によって直接的または間接的に影響を受ける⼈ やグループで、プロジェクトに利害関係を持つ⼈や、ポジティブまたはネガティブに結果に影響を与える 可能性を持つ⼈を含む。
多くの投資家にとって、社内の賛同を得るための最初のステップは、組織内の主要な関係者にインパクト・デューデリジェンスとは何か、なぜそれが重要なのかを伝えることです。
体系的なインパクト・デューデリジェンスの概念は、ほとんどの組織に とってまだ⽐較的新しいものであり、この取り組みの推進者は、社内の 利害関係者を教育することが最⼤の課題の⼀つであることに気づきます。インパクト・デューデリジェンスのアプローチを開発する責任者は、以 下のリソースを同僚と共有することが有⽤です。
• インパクト・デューデリジェンスのツールやプロセスの例(ツールのサンプルなどがある場合はそれも含む )
• 組織や投資先にとっての価値(*IDD-BP参照)
• インパクト・デューデリジェンス・アプローチの策定プロセスの提
案
• 開発・使⽤に伴う予想コスト
• 投資前、投資後のパフォーマンスに関連するインセンティブやパフォーマンスレビューを含む、予想される⼈員配置の影響
1.2. インパクト⽬標の策定
具体的なインパクト⽬標を設定することは、効果的なインパクトマネジメントに不可⽋であり、定性・定量を問わず、インパクト・デューデリジェンスのアプローチを構築する上でも⽋かせません。
組織的な⽀援を得た後、投資家は、いかなるインパクトを意図するかについて⾔語化する作業から始めるべきです。明確なインパクト⽬標は、インパクト・デューデリジェンスの⼿法を開発するための基礎となります。インパクト⽬標を可視化するには、ロジックモデルやセオリーオブチェンジなど、いくつかのフォーマットがあります。
意図したインパクトを明確にし、明⽂化することの価値
投資家は、インパクト・デューデリジェンスの⼿法を開発する前に、意図するインパクトを⾔語化することで、主要なステークホルダーへの影響をより深く理解し、活動の⽬的や存在そのものについて社内のコンセンサスを得ることができます。
主要なステークホルダーへのインパクトをより深く理解するために 投資の予想されるインパクトを理解するためには、投資家が主要なス
テークホルダーを巻き込んで、投資⾏動がいかなる影響を与えるかを理解することが不可⽋です。これは、ロジックモデルやセオリーオブチェンジ、アウトカムマップなどで⽂書化する必要があります。意図した受益者(あるいは最も密接な関係にある⼈々多くの場合、既存の投資先)から意⾒を求め、投資活動のアウトプット、アウトカム、インパクトを特定することができます。(*IDD-BP参照)
コンセンサスの形成
意図するインパクトを明⽂化するプロセスは、投資家が内部の関係者がインパクト⽬標について⼀致していることを確認するのに役⽴ちます。投資家のミッションに全員が同意していたとしても、投資スタッフが⾃社のインパクトについて 様々な⾒解や仮定を持っている可能性があります。例えば、投資家がピラミッドの底辺にいる⼈々のために機会を創出すべきだということにはすべてのスタッフが同意していたとしても、どういった機会が最も重要なのか、またどのような⼈
⼝グループのための機会なのかについては、スタッフによって意⾒が異なる可能性があります。(*IDD-BP参照)
1.2.
インパクト⽬標の策定
以下のステップを踏むことで、投資家はインパクト・
デューデリジェンス・アプローチを開発するための強固な基盤を形成することができます。
IMPでは、インパクト⽬標に関する新たなコンセンサスとして、以下を推奨しています。
• 効果が期待と異なる場合に投資家が取ることのできるリスクを含め、インパクトの5つの基本要素から期待されるインパクトの経験を定義する。
• ⼈々や地球が経験する影響が⼤きいかどうか、またその提供に投資⾏動がどのように貢献する可能性が⾼いかを判断する。
• 実現したいインパクト⽬標を理解する。
• インパクト⽬標が⼗分に包括的であることを確認するために、IMPのインパクトの5つの基本要素(何を、誰が、どれだけ、貢献、リスク)を参照する。(*IDD-BP参照)
• 投資家として、どのようにこのインパクトを⽀援・創出するかを明らかにする。
• 投資先が意図したインパクトを達成するためにどのように振る舞うかに関する期待を記述する。
• インパクトを受けると思われるステークホルダーを⽂書化する。
• 意図しない結果の可能性を検討する。
→Xxxxxxの「Developing an Investment Strategy」では、インパクト⽬標を明確にし、それに対応するセオリー・オブ・チェンジを構築する⽅法について、事例や外
部のケーススタディを含めたガイダンスを提供しています。
→ CERISEは、投資家がインパクト戦略を実⾏する上で重要となる5つの分野を評価する、インパクト重視の投資家評価ツール「CERISE-IDIA」を提供しています。
• ネガティブな影響が⼤きいと判断した場合、それを防ぐための⽬標を
設定する。
• 意図、制約、経済的な⽬標に基づいて、投資家の貢献によって⼤きなプラスの効果が得られるような⽬標を設定するかどうかを決定する。
IMPは、インパクト⽬標の設定に関するガイダンスの⼀環として、インパクトの深度を表すABCフレームワークも開発しました。
A. 特定の⼈や環境に不利益が⽣じるのを避けるための⾏動:例)倫理的な債券ファンド
B. ステークホルダーに利益をもたらす:例)ポジティブスクリーニン
グで選別されたベストインクラスのESGファンド
C. 解決策への貢献:例)プライベート・エクイティ・ファンドが、⼗分なサービスを受けていない⼈々の収⼊や雇⽤に⼤きな影響を与えるビジネスにアンカー投資を⾏う場合など
インパクト⽬標は継続的に改❹されるべき
投資家は、効果的なインパクト・デューデリジェンス⼿法を開発するために、明確なインパクトテーマと⽬標を策定する必要があります。しかし、投資家は⾃らの投資によるインパクトを理解するために継続的に努⼒し、投資やインパクトに関するテーマの前提を疑い、⼊⼿可能な証拠や投資実績から得られた教訓に基づいて⽬標を適宜修正していく必要があります。
1.3. 組織にとって適切なインパクト・デューデリジェンスの⼿法の特定
以下の表は、投資家が⾃分の組織にとってどのようなインパクト・デューデリジェンスのアプローチが適切かを判断する際に考慮すべき点をまとめたものです。インパクト・デューデリジェンスは、継続的な改❹プロセスです。投資家がインパクト・デューデリジェンスの質問票から始めた場合、そのプロセスを再検討し、インパクトを評価する厳密度を増⼤させる定量的なインパクト・デューデリジェンス・ツールの開発に着⼿すべきかを検討すべきです。
アプローチ | 以下の投資家に最適 |
想定される影響の説明 | ・インパクト・デューデリジェンスに⼀貫したアプローチを採⽤し、予想されるインパクトを⽂書化したい。 ・デューデリジェンスのためのアンケートや定量的なツールを構築・実施する能⼒がない。 |
インパクト重視の デューデリジェンス質問票 | ・予想されるインパクトを理解するために、より深く、より体系的なアプローチを開発することに興味がある。 ・各投資先に標準的な質問を⾏い、インパクトを評価するために質問を適宜修正する能⼒を有している。 ・意思決定のために回答を利⽤する⼗分な組織的賛同を得ている。 |
・予想されるインパクトの定量的評価をポートフォリオ全体で体系的に⽐較することに興味がある。 | |
・少なくとも20件の投資ポートフォリオを管理している、または管理する⾒込みがある。 | |
定量的インパクト デューディリジェンスツール | ・ツールを熟考して開発し、⽅法論的にテストし、体系的に実施し、継続的に改良する能⼒がある。 ・ツールの設計と導⼊のために、4ヶ⽉から12ヶ⽉の間、週に5時間以上を費やすことができるプロジェクトリーダーの存在がある。 ・ツールで作成されたスコアを意思決定に利⽤するための⼗分な組織的賛同を得ている。 |
・⾃分のポートフォリオが⻑期的にどの程度の影響を受けるかを知りたい。 | |
・時系列でインパクトを予測する最も強⼒な要因をより深く理解することに興味がある。 |
1.4. 期待されるインパクトについてのナラティブの作成
インパクト・デューデリジェンスの⼊り⼝として、インパクト投資家は、インパクトの5つの基本要素に沿って、投資の予想されるインパクトのナラティブを説明することから始めましょう。
直感やその場限りのインパクト分析 だけでは、投資プロセスの⼀環とし てインパクトを扱うには不⼗分です。予想されるインパクトについて書⾯ で説明することは、デューデリジェ ンスの質問票や定量的なツールのよ うな標準化には⽋けますが、投資家 は業界の慣習に沿って、投資先の予 想されるインパクトの理解を始める ことができます。
期待されるインパクトの説明を作成するた めに、投資担当者に、5つの基本要素に沿って、投資先に期待されるインパクトの概要 を書いてもらいます。これらは通常、投資 メモに、投資の財務的実現可能性に関する 情報と⼀緒に記載されます。これによって、インパクトの定義とそれがどのように意思 決定の⼀部になりうるかについて、現場全 体のコンセンサスが⽣まれます。投資家が より厳密なインパクト・デューデリジェン スを実施する能⼒を⾼めるにつれ、期待さ れるインパクトの書⾯による要約を準備す ることは、質問票や定量的なインパクト・ デューデリジェンス・ツールの開発のため の準備を整えることになります。
投資家は、インパクトに焦点を当てた質問票や定量的なツールを開発した後も、期待されるインパクトについてのナラティブを準備し続けるべきです。多くの投資家は、定量的なインパクト・デューデリジェンス評価が可能であっても、付随するナラティブは、投資先の予想されるインパクトと、そのインパクトをサポートするための資本の役割を包括的に伝えるために不可⽋であると⾔っています。投資メモを作成する際、投資家はインパク ト・デューデリジェンスの分析結果をナラ ティブにまとめ、潜在的な投資先のインパクトに対するアプローチ、予想されるインパクト、独⾃の考慮事項、適⽤されるリスクを説明するようにします。
インパクトに焦点を当てたデューデリジェンス質問書(Due Diligence Questionnaire: DDQ)は、潜在的な投資先に対して⾏われる⼀貫した質問を含んでおり、投資家が潜在的な投資先がどのように期待されるインパクトを⽣み出そうとしているかを理解するのに役⽴ち、それによって投資から期待されるインパクトを評価することができます。DDQの規模と厳格さは、投資家のインパクト⽬標の広さと深さ、およびインパクトリスク(期待されるインパクトが発⽣しない可能性)に対する対応⼒と耐性を反映したものでなければなりません。
DDQの開発プロセス
投資家は、以下の⽅法でデューデリジェンス⽤の質問書を作成します。
インパクトの
優先順位の明確化
質問をする
質問のリストを
繰り返し表⽰する
現在のポートフォリオ
のインパクトに関する フィードバックを募り、インパクトに関する優 先事項とアプローチを 明確化する。
投資先候補に聞くべき
質問を特定する 。
質問リストを繰り返し
て、効率化、標準化を図り、インパクトの5つの基本要素を確実にカバーするようにする。
インパクトの優先順位の明確化
デューデリジェンス⽤の質問票を作成するために、投資家は、⽬標とするインパクト、インパクトの優先順位付けの⽅法、およびそれらを達成するためのアプローチについて、内部のコンセンサスを構築する必要があります。このガイドで詳述されているように、インパクト⽬標を策定することは、投資家が意図するインパクトに関するコンセンサスを得て、それを明確にするのに役⽴ちます。したがって、投資家は、予想されるインパクトに焦点を当てたDDQを作成する前に、これらの基礎となる⽂書を再検討する必要があります。
投資家は、「現在のポートフォリオの中で、最もインパクトのある投資と最もインパクトのない投資はどれだと思いますか?」「なぜですか? 」のような質問でスタッフからのフィードバックを求めることで、⾃分の組織のインパクトの優先順位と投資アプローチについて明確にすることができます。
これらの質問に答えることで、投資スタッフは、ポジティブなインパクトを持つ投資先や企業の側⾯を明らかにすることができます。これらの側⾯は、投資家が優先事項として明確に挙げていないかもしれませんが、投資の予想されるインパクトを検討する際に評価すべき重要な事項を表しています。例えば、その分野が投資家にとって明確な優先事項ではない場合でも、他の条件が同じであれば、コミュニティや都市全体の経済開発イニシアチブに関連している投資先はインパクトを達成する可能性が⾼いという⾒解を投資家として持っていることを確認することができます。さらに、このプロセスを完了することで、投資家は、ポートフォリオが⽣み出す主要なインパクト(ポジティブなものとネガティブなものの両⽅)や、インパクトの⾼い案件と低い案件の最も顕著な特徴を包括的に特定できたという⾃信を持つことができます。
質問をする
投資家は、投資先のビジネス慣⾏や製品・サービスが⼈々や地球にどのような影響を与えているのかを理解するために、投資先、そして理想的には投資先の受益者に直接質問を⾏います。質問は、⼀般的に以下のように分類されます。
重点分野 | 質問の例 | このアプローチを採⽤した投資家の例 | |
投資家 | 投資家と投資先のインパクト⽬標の整合性、投資家が投資先を⽀援する能⼒ | ・投資先候補は、投資家のインパクト⽬標とどの程度合致していますか? ・投資家は⾦融資本や⾮⾦融資本を⽤いて、どのように投資先の事業を⽀援し、改❹し、規模を拡⼤することができますか? | ・McConnell Foundation |
投資先 | 投資先のビジネス慣⾏や製品・サービス、期待される影響、投資先がどのようにインパクトを評価しているか、投資先のビジネスモデルについての理解 | ・投資先はどんな問題を解決しようとしていますか、解決策は何ですか? ・投資先は、この製品やサービスを提供することで、ポジティブ、ネガティブを問わず、どのようなインパクトを期待していますか? ・投資先はこのインパクトをどのように測定していますか?もしあれば、どのような測 定システムを導⼊していますか? | ・McConnell Foundation ・Acumen Fund ・HIP Investor |
・投資先がその⽬標を達成するためにどのようなビジネスプランを持っていますか?イ ンパクトがビジネスモデルに組み込まれていますか? | |||
・製品やサービスについて、ポジティブなものもネガティブなものも含めて、どのよう な経験をされましたか? | ・Charities Aid Foundation ・Acumen Fund | ||
受益者 | 製品やサービスを利⽤した受益者の経験 | ・製品やサービスを利⽤した結果、ポジティブ、ネガティブを問わず、どのような変化 がありましたか? | |
・この製品やサービスがなければ、どうなりますか? |
質問のリストを繰り返し⾒直す
質問票を含むインパクト・デューデリジェンスのアプローチを開発するには、厳密さと効率性のバランスをとるために、時間をかけて何度も繰り返し⾏う必要があります。質問のリストを精査する際には、いくつかの重要な要素があります。
・投資先(および投資家)の負担を軽減するために、リストを更新したり縮⼩したりする:インパクトの評価は本質的に複雑な活動ですが、 投資家は可能な限りアプローチを簡素化するよう努めるべきです。例 えば、投資家は、提供する製品やサービスのインパクトを明確にする ために、すでにどのような指標で報告しているかを投資先に尋ねるこ とができます。また、労⼒の重複を最⼩限に抑えることも重要です。 例えば、財務デューデリジェンスの過程で得られた既存の情報、⼀般 に公開されているデータセットなどを活⽤することができます。
・ポートフォリオ全体への適⽤性の確保:より具体的な質問をまとめて、投資先全体に同じ情報を求める上位レベルの質問にすることができるか検討します。(例えば、⼿頃な価格の住宅、質の⾼い教育、雇
⽤機会の有無について個別に質問するのではなく、「このコミュニ
ティはどの程度機会にアクセスできますか」と質問し、その後、住宅、教育、雇⽤関連のデータを収集して上位の質問に回答する。)これに より、投資スタッフの負担が軽減され、インパクト・デューデリジェ ンス・アプローチの導⼊が促進され、投資活動全体で体系化されたア プローチが実施されることになります。(*IDD-BP参照)
・インパクトの5つの基本要素をカバーするように努める:最終的な質問セットでは、5つの基本要素のインパクトを確実に評価することが重要です。すべてをカバーするためには、質問セットを改良し続ける必要があるでしょう。投資家は、評価がより困難であるとしばしば指摘される要素(「貢献度」と「リスク」)に対応する質問を組み込むよう努めるべきです。
・IRIS+ガイダンスを活⽤する:投資家は、デューデリジェンスの質問を作成するために、戦略⽬標と成果を結びつけるエビデンスに関するリソースや、戦略⽬標に関連するコア・メトリクス・セットを含むIRIS+ガイダンスを活⽤することができます。関連するIRISのメトリクスを検討し、デューデリジェンスの質問に変換することで、インパクト・デューデリジェンスの標準化を促進し、投資の⽐較可能性を実現し、投資前後のIMMのアプローチを調和させることができます。(詳細はGIINのIRIS+ within Due Diligenceを参照)
1.インパクト・デューデリジェンスの発展のための体系的アプローチ
1.6. 定量的インパクトのデューデリジェンス・ツールの構築
定量的インパクト・デューデリジェンス・ツールでは、⼀貫したスコアリング・ガイドラインを⽤いて定性・定量情報を標準化されたスコアに統合し、投資家が予想される投資機会のインパクトを体系的に⽐較できるようにします。
定量的なデューデリジェンス・ツールには、次の効⽤があります。
• 信頼性:投資と望ましい結果との関連性に関する信頼できるエビデンスに基づいている。
• 標準化:異なる種類の投資を⽐較したり、時間的に⽐較したりするのに使⽤できる。
• ⼀貫性:ポートフォリオ全体に同じ基準で⼀貫して適⽤できる。
• 柔軟性:様々なタイプの投資に対応し、セクターやインパクト・テーマを超えて適⽤できる。
• アクセス可能性: スタッフや主要なステークホルダーが理解しやすい。
(*IDD-BP参照)
このセクションでは、定量的インパクト・デュー・デリジェンスツールが最も有⽤な投資家のタイプに関するガイダンスと、上記の基準を満たすデューデリジェンスツールを開発するためのプロセスを概説します。
定量的インパクト・デューデリジェンス・ツール開発のプロセス
インパクト・デューデリジェンス・ツールの開発は、7つの個別の作業フェーズに分けて、それぞれのフェーズが前のフェーズをベースにして⾏われます。
⽬的の明確化
構造の特定
投資スコアをベンチマークするための投資ポートフォリオ
データセットの構築
各指標のスコアリングガイドラインの作成
データセットの構築
テスト&リファイン
各指標のスコアリングガイドラインの作成
各指標に重みをつける
インパクト・デューデリジェンス・ツールの構築
重みをつける
ツールの構築
スコアリング・ガイドライン作成
評価のための構造と指標の特定
組織のインパクト⽬標、インパクトへのアプローチ、優先事項の明確化
インパクトの⽬的、インパクトへのアプローチ、優先順位の明確化
定量的インパクト・デューデリジェンス・ツールは、投資先の特性や活動に価値を与えるものであるため、投資家はインパクト⽬標、インパクト達成のアプローチ、および意図するインパクトの優先順位を明確にする必要があります。
評価の指針となる適切な情報整理の仕⽅と指標セットの特定
投資家は、インパクト・デューデリジェンスで収集した情報を整理するための包括的な情報整理の仕⽅を特定することから始めるべきです。ポートフォリオ全体に適⽤できる⼀貫したアプローチが採⽤できるように、以下の位置付けを検討すべきです
(*IDD-BP参照)。
・ステークホルダー・グループ(例:投資先、顧客、コミュニティ、⽣態系など )
・インパクトの種類(例:環境、社会など)
・プロセスまたはプラクティスの種類(例:社会的⽬標の定義とモニタリング、社会的⽬標に対する取締役会/経営陣/従業員のコミットメント、顧客への責任ある対応、従業員への責任ある対応、財務および社会的パフォーマンスのバランス)。
各ステークホルダーグループに関連する指標や質問が相互に排他的であることを 確認するのが容易であるため、包括的な情報整理の仕⽅としてステークホルダー グループ、またはインパクトの要素の「who」を使⽤することを推奨します。インパクトの種類やプロセス・プラクティスの種類を⽤いて指標や質問を分類するこ とは、作業がより困難になる傾向があります。
評価の指針となる包括的な情報整理の仕⽅について合意した後、評価したい投資特性に合致する指標を特定する必要があります。指標を選択する際、投資家は以下を⾏う必要があります。
・定量的な情報に基づく指標と定性的な情報に基づく指標を混在させる(例:PCVのツールでは、定量的なデータに基づく「従業員数」の指標と、定性的な評価に基づく「仕事の質を向上させるためにPCVと関わりを持ちたいと思うか」の指標が含まれている)。
・投資先のステークホルダーやビジネスモデルとの関連性、データの質などを考慮し、デューデリジェンス時に現実的に収集できる情報を指標としていることを確認する。(例:顧客の属性を理解することはデューデリジェンス中にはできないかもしれないが、投資後に評価することは可能。代理として、投資家は、潜在的な投資先が営業している地域の⼈⼝統計を評価することを望むかもしれません)。
・複雑さを最⼩限にするために、全ての投資対象に適⽤可能な指標を選択し、重複した指標や相関性の⾼い指標を避けて標準的な指標セットを利⽤し、将来の投資対象を差別化するような指標を選択する(例えば、デューデリジェンスの初期段階でミッションとの整合性をスクリーニングする場合、投資家はミッションとの整合性に関する指標を含めるべきではない)。
評価の指針となる適切な情報整理の仕⽅と指標セットの特定 (続き)
・ESG(環境・社会・ガバナンス)をカバーしていることを確認。多 くの場合、インパクト投資家は、投資先のビジネス慣⾏を体系的に考慮することなく投資先の製品やサービスのインパクトを評価しています。ESGプラクティスを評価しなければ、投資家は投資先のビジネスの全体像を把握することができず、意図したものと意図していないものを含め、問題となるすべてのポジティブおよびネガティブな影響を評価することができません。 (*IDD-BP参照)
・IRIS+を利⽤して、インパクト・デューデリジェンスの標準化を進め る。これにより投資先の⽐較を可能にし、投資前後のIMMアプローチ を調和させることができます。デュー・デリジェンスと投資後のモニ タリングでは、同じIRIS指標を使⽤して、インパクトの事前分析と事後分析の調和を図るべきです。しかし、投資家は、投資条件が確定する まで、どの指標を追跡するのが最も適切か分からない可能性があるこ とを認識すべきです。(投資判断のためのIRIS+の選択及び利⽤に関す るガイダンスについては、既存のIRIS+コアメトリクスセットを参照し、
「デューデリジェンスにおけるIRIS+の利⽤」及び「意思決定のための
IRIS+」を参照)
・選定された指標が、5つの基本要素から投資先のインパクトを評価するものであることを確認。(*IDD-BP参照)
投資家は、最初に指標を選択する際には、上記を遵守すべきですが、 テストの過程で指標リストを改❹していく必要があります。多くの投 資家は、最初は⻑めの指標リストを作成し、テスト中にこのリストを 縮⼩する(重複する指標や重要性の低い指標を削除するなど)ことが 有⽤であると考えています。また、投資家の⽬標と最も密接に関連し、多様なポートフォリオに適⽤できる指標に焦点を当てます。(*IDD-BP参照)
これは、投資チームがツールの使⽤⽅法を簡単に習得できるようにするためのもので、チームの急激な成⻑や離職を経験している組織に とっては特に有益です。投資家は、関連する指標を特定することに加えて、収集・評価したい情報の種類を明確にするために、各指標に付随して指針となる質問を作成することを検討すべきです。
各指標のスコアリングガイドラインの作成
スコアリング・ガイドラインにより、投資家は定量的・定性的情報を標準化された数値スコアに変換し、それらを総合してカテゴリー別スコアや総合スコアを作成することができます。スコアリングガイドラインを作成する際、投資家は以下を⽬指すべきです。
・曖昧さを最⼩限に抑える:スコアリングガイドラインは、同じ投資候補案件を異なる投資担当者が同じ点数で採点することができるように、⼗分に具体的なものでなければなりません。
・既存のポートフォリオのスコアの範囲に合わせる:定量的なスコアリングのガイドラインの範囲は、現在のポートフォリオに関連する範囲、または投資家がまだ資本を投⼊していない場合はパイプラインに関連する範囲をベースにすべきです。例えば、⼊居者数を3段階で評価する場合、ポートフォリオの上位3分の1、中位3分の1、下位3分の1の投資対象に合わせて⼊居者数の範囲を設定する必要があります。
・簡潔であること:スコアリングガイドラインを簡潔で使いやすいものにするため、投資家はガイドラインの⽂章量を最⼩限にすべきです。例えば、受益者の特性に着⽬したスコアリングガイドラインの場合、可能な限りの組み合わせを記述するのではなく、特性とそれに対応するポイントを列挙するべきです。
(次項「スコアリングガイドライン実践の良い例悪い例」参照)
・地域の既存データが利⽤可能であれば、それを活⽤する:地域に基づいた データセットをスコアリング・ガイドラインに組み込むことで、投資家の負担を軽減することができます。
スコアリングガイドラインの 実践の良い例と悪い例 | |
良い | スコアは0〜2の範囲で、対象となる受益者がいるかどうかで決まる。 ・⼥性 ・有⾊⼈種 ・低所得 それぞれの特徴に1ポイントの価値がある。 |
悪い | スコアは0〜2の範囲で、対象となる受益者の特性に応じて設定される。 2=対象となる受益者は、⼥性かつ有 ⾊⼈種かつ低所得者 1=対象となる受益者は、⼥性と有⾊ ⼈種、または⼥性と低所得者、または有⾊⼈種と低所得者 0=対象となる受益者は、⼥性、有⾊ ⼈種、低所得者ではない。 |
各指標のスコアリングガイドラインの作成 (続き)
多様なポートフォリオにおいて、投資家は、セクター間で予想されるインパクトをより正確に評価するために、セクター別のガイドラインを使⽤するかどうかを検討する必要があります。
例えば、住宅と教育の両⽅に投資しているある投資家は、各投資の⽬標受益者数を評価する指標に、セクターごとの範囲を設定することが有効であると考えました。その結果、受益者数が少ない傾向にある住宅プロジェクトにペナルティを課すことを回避することができました。なお、このようなセクター固有のガイドラインを取り⼊れるには、各セクターの異なるスコアリング・ガイドラインが同じ指標に対して同じスコアリング・スケールを使⽤している場合が最
も簡単です(例えば、右の例では、すべてのセクターが、⽬標とする受益者数に関する指標に
0〜2点のスコアを使⽤しています)。
したがって、セクターにとらわれない指標では予想される影響が⼗分に反映されない場合や、投資のスコアに差がつかない場合にのみ、これらの指標を含めるべきです。例えば、特定のセクターへの投資は特定の指標で低いスコアを得る傾向があるが、ポートフォリオ全体では同じ指標とスコアリング・ガイドラインが適切であるというケースもあり得ます。(例えば、住宅プロジェクトへの投資は、教育プロジェクトへの投資よりも恩恵を受ける個⼈の数が少ない傾向にあり、投資家は意思決定の⼀環として投資の「到達度」を考慮したいと考えているため、セクター間で期待される影響の違いに基づいてスコアを調整することは望まないでしょう)。
各指標に重みをつける
予想されるインパクトを評価する際に、すべての指標が同じように重要である可能性は⾮常に低いため、投資家は各指標に重み付けをして、定量的なツールが組織の優先事項を正確に反映するようにしなければなりません。重み付けを選択する際に誤った厳密さに固執することを避けるために、投資家は各指標を標準的な重み付けと相関のある幅広いカテゴリーに割り当てるべきです。
重みは相対的な重要性に基づいていることを考慮することが重要です。すべての指標を中程度または⾼程度の重要性に割り当てたいと思うかもしれませんが、重み付けが指標間の差異をもたらす場合にのみ、⽣産的な活動となります。異なる指標の具体的な影響をよりよく理解するために、より差別化された重み付けから始めて、テストの過程で重み付けを改❹することが有⽤です。
重み付けは投資家ごとに異なりますが、投資家の貢献度に関する
指標を最も重視している投資家がいることは注⽬に値します。
(Paul BrestやKelly Bornなどが唱えている、「投資に付加性がなければ、真の意味でインパクトのある投資とは⾔えない」という考え⽅と⼀致する)
ツールの構築
エクセルベースの定量的インパクト・デューデリジェンス・ツールの構築は可能です。⼀部の投資家は、GIIRSやBインパクト・アセスメントなど、デューデリジェンスの情報提供のために堅牢なウェブベースのプラットフォームを活⽤していますが、⼤多数の投資家、特に⼀貫してインターネットにアクセスできない発展途上国で活動する投資家は、オンラインツールよりもエクセルベースのツールを好んでいます。さらに、これは多様なインパクト投資家が独⾃のインパクト・デューデリジェンス・アプローチを構築するのにも適しています。(*IDD-BP参照)
エクセルベースの定量的インパクト・デューデリジェンス・ツールに以下の要素を含めることを検討しましょう。
・チームメンバーがツールの使い⽅を理解するための概要・説明書
・ツールの中で参照される投資情報シート
・スコアリングシート(フレームワークの⼤項⽬ごとに1枚ずつ)。
・スコアリング・サマリー・シート
・追加ガイダンスを記載したシート
1.6. 定量的インパクトのデューデリジェンスツールの構築
ツールの構築 (続き)
エクセルベースの定量的インパクト・デューデリジェンス・ツールによるアウトプットの⼀例
PCV インパクトデューデリジェンスツール
ローンスコア
中央値スコア
顧客及びコミュニティ
企業
所有者及び従業員
1.6. 定量的インパクトのデューデリジェンスツールの構築
投資家は現在のポートフォリオ内の投資案件でテストすることにより、定量的インパクト・デューデリジェンス・ツールを改良する必要があります。既存のポートフォリオの規模が⼩さい、⽐較的新しいファンドのためにツールを開発する場合、投資家は関連データにアクセスできる既存の投資機会のパイプラインでツールをテストする必要があります。ツールを使って投資をテストすることで、投資家は何がうまくいっている
テスト&リファイン
か、どこに改❹の機会があるかを理解することができます。より具体的には、インパクト投資家は、ツールを調整するために、以下に詳述する分野を評価することになるでしょう。
多くの投資家は、5〜10件の投資をまとめてテストし、フィードバックを得て、ツールを改良し、それを繰り
返すという、何度かの反復作業が有効であると考えています。
検討事項 | 主要な質問 |
指標 | ・その指標は、私たちのアプローチをよく知らない⼈にも理解できるものでしょうか? ・重複していると思われる指標はありますか?また、効率化できる部分はありますか? ・不⾜している指標はありますか?ギャップやカバーされていない分野はありますか? |
スコアリング・ガイド ラインの明確さと適切さ | ・スコアリングのガイドラインに混乱や曖昧な点はありませんか? ・組織の意図するインパクトを正確に反映していないスコアリング・ガイドラインはありませんか? |
使いやすさ | ・ツールの中で、わかりにくい、あるいは使いにくい要素はありますか?あるとすれば、それは何ですか? |
スコア | ・スコアが密接に相関している指標のセットはありますか?もしそうなら、統合・調整する機会はありますか? ・すべての投資先、ほぼすべての投資先が同じスコアを得ている指標はありますか?そうであれば、統合・調整する機会はありますか? ・組織が最もインパクトがあると考える投資には、⾼い評価が与えられていますか?そうでない場合、その理由は? ・組織が最もインパクトが⼩さいと考える投資には、低い評価が与えられていますか?そうでない場合、その理由は? |
1.6. 定量的インパクトのデューデリジェンス・ツールの構築
投資スコアをベンチマークするための投資ポートフォリオデータセットの構築
インパクト・デューデリジェンス・ツールが効果的に投資の意思決定を導くためには、⽣成されたスコアを関連するベンチマークと⽐較する必要 があります。⾔い換えれば、強いスコアと弱いスコアを定義する⽅法が必要です。投資家は、組織のインパクト⽬標、インパクトへのアプローチ、優先事項に基づいて独⾃のツールを開発する傾向があり、また、ほとんどのセクターでは関連するインパクト関連のベンチマークが存在しないた め、外部から⼊⼿可能なベンチマークを使⽤することはできないと思われます。そこで投資家は、現在のポートフォリオに含まれる投資先のイン パクト・デューデリジェンスのスコアに基づくベンチマークを使⽤すべきです。投資家が新規にファンドを⽴ち上げ、まだポートフォリオを持っ ていない場合には、代わりにパイプラインの⾒込み投資のデータを使⽤することができます。
関連する現在のポートフォリオ・ベンチマークを確⽴するために、投資家は
• 現在のポートフォリオに含まれるすべての投資案件について、インパクト・デューデリジェンス・ツールを⽤いてスコアリングを⾏う。
• 整理された構造の中で、全体および各カテゴリーのポートフォリオスコアの中央値を算出する。(これらのデータは、現在のポートフォリオと投資対象を⽐較した チャートを作成するために使⽤される。 )
• 採⽤する評価カテゴリーの数を特定し(例:⾼インパクト、中インパクト、低インパクトの3カテゴリーを使⽤)、関連する評価カテゴリーの数に対して、全体および各カテゴリー内のスコアリングカットオフを計算する
投資家は、新たな投資が⾏われた際には、投資ポートフォリオのデータセットとスコアリング・カットオフを継続的に更新する必要があります。スコアリング・カットオフがエクセルツールと投資ポートフォリオ・ファイルの両⽅で更新されていることを確認します。スコアリング・カットオフを継続的に更新することで、将来の投資が関連するポートフォリオ・ベンチマークと⽐較され続けることを保証します。
レーティング | ⾼インパクト | 中インパクト | 低インパクト |
全体 | 60% | 40% | 0% |
投資先 | 70% | 30% | 0% |
顧客 | 55% | 50% | 0% |
コミュニティ | 50% | 40% | 0% |
例:既存のポートフォリオにおける投資の分布に基づく評価
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