Contract
カクイ法律事務所 弁護士報酬基準規定
2014 年 5 月 1 日改訂
第 1 章 総則
第 1 条 目的
この弁護士報酬基準規定(以下「当規定」)は、カクイ法律事務所(以下「当事務所」)及び所属弁護士(以下「弁護士」)が事件や業務を受任するに当たって受任の範囲を明確にし、その費用を明らかにすることによって、依頼者と弁護士との間の認識を共通にして、その後のトラブルが発生することを防止すると共に、相互理解に基づく信頼関係を創設することを目的としています。
第 2 条 個別契約による修正
当規定の定めは、依頼者と弁護士との協議により個別の契約により変更、修正することがあります。変更、修正する場合には、変更、修正後の内容を書面(ファックス、電子ファイル、電子メールを含みます。)により明示するものとします。
第 3 条 弁護士報酬の種類
1 弁護士が依頼者から支払いを受ける報酬としては、(1)法律相談料、(2)書面による鑑定料(意見書作成料)、(3)着手金、(4)報酬金、(5)手数料、(6)時間制(タイムチャージ)による報酬、(7)顧問料、(8)日当、(9)着手前調査費用、及び(10)その他の報酬があります。
2 前項の用語の意義は、次の各号に定めるとおりです。
(1)法律相談料
依頼者に対して行う法律相談(口頭による鑑定、電話・電子メール・ファックスその他書面による相談に対する簡易な回答を含みます。)の対価をいいます。
(2)書面による鑑定料(意見書等作成料)
依頼者に対して行う書面による法律上の判断又は意見の表明の対価をいいます。
(3)着手金
事件又は法律事務(以下「事件等」といいます。)の性質上、委任事務処理の結果に成功、不成功があるものについて、弁護士が依頼を受けて行う業務に対する対価として、依頼を受ける際にいただく金員をいいます。なお、結果の成功、不成功を問わず、返金はいたしません。
(4)報酬金
事件等の性質上、委任事務処理の結果に成功、不成功があるものについて、成功の結果が得られたとき、得られた結果に対して、着手金とは別にいただく金員をいいます。なお、事件等の結果が判明した時点で、成功の程度に応じた金額の報酬が発生します。全く成功の結果が得られなかった場合には発生しません。
(5)手数料
原則として一回程度の手続又は委任事務処理で終了する事件等についての委任事務処理の対価をいいます。
(6)時間制(タイムチャージ)による報酬
依頼者との協議により、1時間あたりの委任事務処理単価にその処理に要した時間(移動に要する時間を含みます。)を乗じた額を、弁護士報酬として受けることができる委任事務処理の対価をいいます。
(7)顧問料
契約によって定める内容の法律事務を、継続的に行うことの対価をいいます。
(8)日当
弁護士が、委任事務処理のために当事務所所在地を離れ、移動によってその事件等のために時間を費やすこと(委任事務処理自体による拘束を除きます。)の対価をいいます。
(9)着手前調査費用
弁護士が、受任前に法律関係や事実関係につき、事前処理を行ったが、受任に至らなかった場合の当該事前処理に対する対価をいいます。
(10)その他の報酬
上記のいずれの項目にも該当しない報酬のことをいいます。
第 4 条 弁護士報酬の支払時期
1 弁護士に対する報酬等の支払時期は次の各号に定めるとおりです。
(1)法律相談料は、法律相談開始前又は法律相談終了後直ちに支払う。
(2)書面による鑑定料は、委任契約締結時に支払う。
(3)着手金は、委任契約締結時に支払う。
(4)報酬金は、事件等の処理が終了し、当事務所又は弁護士から請求を受けた日から 10 日以内に支払う。
(5)手数料は、委任契約締結時に支払う。
(6)時間制による報酬は、委任事務終了の前後を問わず、当事務所又は弁護士からの請求を受けた日から 10 日以内に支払う。
(7)日当は、当事務所又は弁護士からの請求を受けた日から 10 日以内に支払う。
(8)顧問料は、毎月月末までに、翌月分を支払う。
(9)着手前調査費用は、事前処理を終了した日から 10 日以内に支払う。
(10)その他の報酬は、当事務所又は弁護士からの請求を受けた日から 10 日以内に支払う。
2 個別の契約において前項と異なる定めを行ったときは、当該契約の定めによります。
3 着手金その他委任契約等締結時又は委任事務等着手前に報酬等を支払う旨の定めがある場合、弁護士は報酬等が支払われるまで、事件又は委任事務等の処理に着手せず、又は処理を中止することができます。
第 5 条 事件等の個数等
1 弁護士報酬は1件ごとに定めるものとし、裁判上の事件は審級ごとに、裁判外の事件等は当初依頼を受けた事務の範囲をもって、1件とします。ただし、第5章第3節の事件において、同一弁護士が引き続き上訴審を受任したときの報酬金については、特に定めのない限り、最終審の報酬金のみをお支払いいただきます。
2 裁判外の事件等が裁判上の事件に移行したときは、別件となり、それぞれについて弁護士報酬をお支払いいただきます。
第 6 条 複数の弁護士が関与する場合
1 受任した事件の処理について、弁護士の側の事由により、他の弁護士(当事務所以外の弁護士も含みます。)が関与することとなった場合においても、弁護士報酬の算出に当たっては1件の事件として扱います。この場合であっても、時間制による報酬については、すべての弁護士につき、その処理に要した時間に基づいて計算するものとします。
2 受任した事件の処理について、依頼者の意思に基づいて他の弁護士(当事務所以外の弁護士も含みます。)も関与することとなった場合は、それに伴う弁護士費用の増額分については、依頼者が負担するものとします。
3 複数の弁護士によらなければ依頼の目的を達成することが困難であり、かつその事情を依頼者が認めた場合は、それに伴う弁護士費用の増額分については、依頼者が負担するものとします。
第 7 条 消費税に相当する額
1 当規定に定める弁護士報酬等は、消費税を含まない金額です。当規定の弁護士報酬等の額に、消費税法に基づく、弁護士の役務に対して課される消費税の額に相当する額を加算した金額をお支払いいただくことになります。
2 委任契約等を締結後、消費税法の改正により、税率の変更があった場合には、お支払いの時点での税率の定めに従うものとします。
第 8 条 当規定の改定
1 当規定は、改定することがあります。
2 当規定改定前に受任していた案件については、契約で別段の定めをした場合を除き、改定前の規定が適用されます。ただし、弁護士と依頼者との協議により、改定後の規定を適用することもあります。
3 当規定改定前に締結していた顧問契約については、契約で別段の定めをした場合を除き、改定後最初の顧問契約更改までは改定前の規定が、顧問契約更改後は改定後の規定がそれぞれ適用されます。ただし、弁護士と依頼者との協議により、更改前であっても、改定後の規定を適用することもあります。
第 2 章 法律相談料等
第 9 条 法律相談料等
法律相談料は、30 分ごとに 5,000 円以上 30,000 円までの範囲内で定めます。
第 10 条 書面による鑑定
1 書面による鑑定料は、200,000 円以上 500,000 円までの範囲内で定めます。
2 事案が特に複雑又は特殊な事情があるときは、弁護士は依頼者と協議の上、適正妥当な範囲で、前項の額を超える書面による鑑定料を定めるものとします。
第 3 章 時間制
第 11 条 時間制(タイムチャージ)
1 時間制とは、受任する事件等に関し、一定時間あたりの単価にその処理に要した時間(移動に要する時間を含む。)を乗じた額を、弁護士報酬とすることをいいます。
2 前項の一定時間当たりの単価は、1時間あたり 20,000 円から 70,000 円の範囲を基本とし、以下の標準額を参考として、受任事務処理の種類、事案の困難性、重大性、特殊性、新規性及び弁護士の熟練度等を考慮して、契約において定めます。
弁護士登録年数 | 標準額 |
3 年未満 | 20,000 円 |
3 年以上 5 年未満 | 25,000 円 |
5 年以上 10 年未満 | 30,000 円 |
10 年以上 15 年未満 | 35,000 円 |
15 年以上 | 40,000 円以上 |
弁護士登録年数(裁判官経験・検察官経験を有する場合は、それぞれの経験年数を加算します。)に応じた標準額は次表のとおりです。
3 時間制により弁護士報酬を受けるときは、弁護士は、依頼者との協議により、契約で定める相当額を、あらかじめお預かりします。
第 4 章 顧問料
第 12 条 顧問料
1 顧問料は、次のとおりとします。ただし、依頼者の事情に応じ、相当な期間、これを下回る額とすることがあります。
(1)事業者 月額 100,000 円以上で協議により定める額
(2)非事業者 年額 60,000 円(月額 5,000 円)以上で協議により定める額
2 弁護士は、依頼者と協議のうえ、一般的な法律相談、簡易な法律関係調査、簡易な契約書その他の書類の作成、簡易な書面鑑定、契約立会、従業員の法律相談、株主総会の指導又は立会、講演などの業務の内容並びに交通費及び通信費などの実費の支払等につき、顧問契約の内容を決定します。
第 5 章 民事・商事事件、行政事件等
第 1 節 経済的利益の算定
第 13 条 経済的利益~算定可能な場合
弁護士報酬を経済的利益の額に基づいて定める場合、契約において特に定めのない限り、経済的利益の額は次のとおり算定します。
(1)金銭債権は、債権総額(利息及び遅延損害金を含みます。)。
(2)将来の債権は、債権総額から中間利息を控除した額。
(3)継続的給付債権は、債権総額の10分の7の額。ただし、期間不定のものは、7年分の額。
(4)賃料増減額請求事件は、増減額分の7年分の額。
(5)所有権は、対象たる物の時価相当額。
(6)占有権、地上権、永xxx、賃借権及び使用借権は、対象たる物の時価の2分の
1の額。ただし、その権利の時価が対象たる物の時価の2分の1の額を超えるときは、その権利の時価相当額。
(7)建物についての所有権に関する事件は、建物の時価相当額に、その敷地の時価の
3分の1の額を加算した額。建物についての占有権、賃借権及び使用借権に関する事件は、前号の額に、その敷地の時価の3分の1の額を加算した額。
(8)地役権は、承役地の時価の2分の1の額。
(9)担保権は、被担保債権額。ただし、担保物の時価が債権額に達しないときは、担保物の時価相当額。
(10)不動産についての所有権、地上権、永xxx、地役権、賃借権及び担保xxの登記手続請求事件は、第5号、第6号、第8号及び前号に準じた額。
(11)詐害行為取消請求事件は、取消請求債権額。ただし、取消される法律行為の価格が債権額に達しないときは、法律行為の目的の価格。
(12)共有物分割請求事件は、対象となる持分の時価の3分の1の額。ただし、分割の対象となる財産の範囲又は持分に争いのある部分については、争いの対象となる財産又は持分の額。
(13)遺産分割請求事件は、対象となる相続分の時価相当額。ただし、分割の対象となる財産の範囲及び相続分について争いのない部分については、その相続分の時価相当額の3分の1の額。
(14)遺留分減殺請求事件は、対象となる遺留分の時価相当額。ただし、事件の性質に応じ、前号の規定を適用することとし、その場合は、その旨を書面により明示することとします。
(15)金銭債権についての民事執行事件は、請求債権額。ただし、執行対象物件の時価が債権額に達しないときは、執行対象物件の時価相当額(担保権設定、仮差押等の負担があるときは、その負担を考慮した時価相当額)。
(16)雇用契約上の地位の確認を求める事件は、一年分の賃金相当額。
第 14 条 経済的利益算定の特則
1 前条で算定された経済的利益の額が、紛争の実態に比して明らかに大きいときは、経済的利益の額を紛争の実態に相応するまで減額します。
2 前条で算定された経済的利益の額が、次の各号のいずれかに該当するときは、経済的利益の額を、紛争の実態又は依頼者の受ける経済的利益の額に相応するまで増額します。
(1)請求の目的が解決すべき紛争の一部であるため、前条で算定された経済的利益の額が紛争の実態に比して明らかに小さいとき。
(2)紛争の解決により依頼者の受ける実質的な利益が、前条で算定された経済的利益の額に比して明らかに大きいとき。
3 前条により、経済的利益の額を算定することができないときは、弁護士は、依頼者と協議の上、800 万円を標準として、事件等の難易・軽重・手数・時間及び依頼者の受ける利益等を考慮して、適正妥当な範囲で、経済的利益の額を定めるものとします。
第 2 節 裁判上・裁判外の手数料
第 15 条 法律関係調査
1 法律関係調査(事実関係についての調査を含みます。)の手数料は、50,000 円以上 200,000 円までの範囲内で定めます。
2 事案が特に複雑又は特殊な事情があるときは、弁護士は依頼者と協議の上、適正妥当な範囲で、前項の額を超える手数料を定めるものとします。
第 16 条 契約書等の作成・修正等
1 契約書及びこれに準ずる書類の作成及びその案の確認・修正等の手数料は、原則として、以下の範囲で、事案の内容(複雑さ、特殊さ等)、事務処理に要すると考えられる時間等を考慮して、適正妥当な範囲で定めます。
(1) 日本文の契約書等の作成については、20 万円以上
(2) 日本文の契約書等の確認・修正については、10 万円以上。ただし、簡易なものについては6万円以上
(3) 英文の契約書等の作成については、50 万円以上
(4) 英文の契約書等の確認・修正については、20 万円以上。ただし、簡易なものについては 10 万円以上
2 前項(1)で作成した契約書等をxx証書にする場合、前項の手数料に5万円を加算します。
第 17 条 内容証明郵便の作成
1 内容証明郵便の作成手数料は、30,000 円以上 100,000 円までの範囲内で定めます。
2 事案が特に複雑又は特殊な事情があるときは、弁護士は依頼者と協議の上、適正妥当な範囲で、前項の額を超える作成手数料を定めるものとします。
3 本条により作成する内容証明郵便について、弁護士名・当事務所名による送付は行いません。
第18条 会社に関する手続等
会社に関する手続等の手数料は、次表のとおり算定します。
項目 | 分類 | 手数料 | |
会社その他法人の設立 | 基本的なもの | 小規模なもの 200,000円それ以外のもの 300,000円 | |
事案が特に複雑又は特殊な事情があるとき 又は大規模なもの | 上記を参考に、弁護士と依頼者との協議により定めます。 | ||
増減資、合併、分割、組織変更、通常清算 | 基本的なもの | 増減資の場合は増減資額、その他の場合は手続後の資本額若しくは総資産額のうち高い方の額(以下「基準額」といいます。)に応じて以下により算出された額。ただし、合併又は分割については200万円を、通常清算ついては100万円を、その他の手続については200,000円を、 それぞれ最低額とします。 | |
基準額が1000万円以下の部分 | 基準額の4% | ||
同1000万円を超え2000万円 以下の部分 | 基準額の3% | ||
同2000 万円を超え1 億円以 下の部分 | 基準額の2% | ||
同1億円を超え2億円以下の 部分 | 基準額の1% | ||
同2億円を超え20億円以下の部分 | 基準額の0.5% | ||
同20億円を超える部分 | 基準額の0.3% | ||
事案が特に複雑又は特殊な事情があるとき | 上記を参考に、弁護士と依頼者との協議により定めます。 | ||
会社設立等以外の登記等 | 申請手続 | 一件50,000円。ただし、事案に応じて、弁護士と依頼者との協議により、適正妥当な範囲内で増額することがあります。 | |
交付手続 | 登記簿謄抄本、戸籍謄抄本、住民票等の交付手続は、一通につき1,000円とします。 | ||
株主総会等指導 | 500,000円以上で、事案に応じて、弁護士とx x者との協議により定めます。 |
第 19 条 遺言
遺言書作成及び遺言執行の手数料は、次表のとおり算定します。
項目 | 分類 | 手数料 |
遺言書作成 | 定型 | 100,000円以上200,000円以下 |
非定型 | 基本的なもの | 経済的利益の額が 300万円以下の部分 | 200,000円 | |
同 300 万円を超え 3000万円以下の部分 | 経済的利益の額の1 % | |||
同3000 万円を超え3 億円以下の部分 | 経済的利益の額の 0.3% | |||
同3 億円を超える部 分 | 経済的利益の額の 0.1% | |||
事案が特に複雑又は特殊な事情があるとき | 上記を参考に、弁護士と依頼者との協議により定めます。 | |||
xx証書にする場合 | 上記手数料に50,000円を加算します。 | |||
遺言執行 | 基本 | 経済的利益の額が 300万円以下の部分 | 300,000円 | |
同 300 万円を超え 3000万円以下の部分 | 経済的利益の額の2 % | |||
同3000 万円を超え3億円以下の部分 | 経済的利益の額の1 % | |||
同3 億円を超える部 分 | 経済的利益の額の 0.5% | |||
事案が特に複雑又は特殊な事情があるとき | 上記を参考に、弁護士と受遺者との協議により定めます。 | |||
遺言執行に裁判手続を要する場合 | 遺言執行手数料とは別に、裁判手続きに要する弁護士報酬をお支払いいただきます。 |
第 20 条 裁判上の手数料
項目 | 分類 | 手数料 | |
証拠保全(本案事件を併せて受任したときでも本案事件の着手金とは別に受けるものとしま す。) | 基本 | 200,000 円に第 22 条第 1 項の着手金の規定 により算定される額の 10%を加算した額 | |
事案が特に複雑又は特殊な事情があるとき | 上記を参考に、弁護士と依頼者との協議により定めます。 | ||
即決和解(本手数料を受けたときは、契約書その他の文書を作成しても、その手数料を別に請求することはいたしません。) | 示談交渉を要しない場合 | 経済的利益の額が300万円以下の部分 | 150,000 円 |
同300万円を超え3000万円以下の部分 | 経済的利益の額の 1% | ||
同3000万円を超え3億円以下の部分 | 経済的利益の額の 0.5% | ||
同3億円を超える部分 | 経済的利益の額の 0.3% | ||
示談交渉を要する 場合 | 示談交渉事件として、第 23 条又は第 26 条な いし第 28 条の各規定により算定された額 |
裁判上の手数料は、契約に特に定めのない限り、事件等の対象の経済的利益の額を基準として、次表のとおり算定します。
公示催告 | 即決和解の示談交渉を要しない場合と同額 | |
倒産整理事件の債権届出 | 基本 | 50,000 円以上 100,000 円以下 |
事案が特に複雑又は特殊な事情があ るとき | 上記を参考に、弁護士と依頼者との協議により定めます。 | |
簡易な家事審判(家事審判法第9条第 1項甲類に属する家事審判事件で事 案簡明なもの。) | 100,000 円以上 200,000 円以下 |
第 3 節 民事事件等の着手金及び報酬金
第 21 条 民事事件等の着手金及び報酬金の算定基準
1 本節の着手金及び報酬金については、着手金は事件等の対象の経済的利益の額を、報酬金は委任事務処理により確保した経済的利益の額をそれぞれ基準として算出します。
2 経済的利益の額を算定することができないときは、弁護士と依頼者の協議により着手金及び報酬を定めます。
第 22 条 民事事件等
1 訴訟事件、非訟事件、労働審判事件、家事審判事件、行政審判等事件及び仲裁事件
経済的利益の額 | 着手金 | 報酬金 |
300 万円以下の部分 | 経済的利益の額の 8% | 経済的利益の額の 16% |
300 万円を超え 3000 万円以下の部分 | 経済的利益の額の 5% | 経済的利益の額の 10% |
3000 万円を超え 3 億 円以下の部分 | 経済的利益の額の 3% | 経済的利益の額の 6% |
3 億円を超える部分 | 経済的利益の額の 2% | 経済的利益の額の 4% |
(次条に定める仲裁センター事件を除く。)の着手金及び報酬金は、契約に特に定めのない限り、経済的利益の額を基準として、それぞれ次表のとおり算出します。
2 前項の着手金は、依頼者が法人又は個人事業主の事件の場合(ただし、個人事業主の事業と関連しない事件は除く。)は 300,000 円を、それ以外の場合は 150,000 円を最低額とします。
3 民事事件につき引き続き上訴事件を受任するときは、着手金は第 1 項に基づき算出される金額の二分の一とします。ただし、依頼者が法人又は個人事業主の事件の場合
(ただし、個人事業主の事業と関連しない事件は除く。)は 200,000 円を、それ以外の
場合は 100,000 円を最低額とします。
第 23 条 調停事件及び示談交渉事件
1 調停事件、示談交渉(裁判外の和解交渉をいいます。)事件及び弁護士会が主宰する
「仲裁センター」等の紛争機関への申立事件(以下「仲裁センター事件」といいます。)
(離婚事件を除く)の着手金及び報酬金は、契約に特に定めのない限り、前条の各規定を準用します。ただし、事案の難易度等を勘案し、それぞれの規定により算定された額の 3 分の 2 まで減額することがあります。
2 示談交渉事件から引き続き調停事件又は仲裁センター事件を受任するときの着手金は、契約に特に定めのない限り、前条又は第 25 条の各規定により算定された額から、
従前の事件について受け取った着手金の 2 分の 1 に相当する額を差し引いた額とします。
3 示談交渉事件、調停事件又は仲裁センター事件から引き続き訴訟その他の事件を受任するときの着手金は、契約に特に定めのない限り、前条又は第 25 条の各規定により
算定された額から、従前の事件について受け取った着手金の 2 分の 1 に相当する額を差し引いた額とします。
4 前3項の着手金は、依頼者が法人又は個人事業主の事件の場合(ただし、個人事業主の事業と関連しない事件は除く。)は 300,000 円を、それ以外の場合は 150,000 円(第 25 条の規定を準用するときは、それぞれ 150,000 円及び 75,000 円)を最低額とします。
第 24 条 督促手続事件
1 督促手続事件の着手金は、経済的利益の額を基準として、次表の通り算定します。
経済的利益の額 | 着手金 |
300 万円以下の部分 | 経済的利益の額の 2% |
300 万円を超え 3000 万 円以下の部分 | 経済的利益の額の 1% |
3000 万円を超え 3 億円 以下の部分 | 経済的利益の額の 0.5% |
3 億円を超える部分 | 経済的利益の額の 0.3% |
2 前項の着手金は、50,000 円を最低額とします。
3 督促手続事件が訴訟に移行したときの訴訟事件の着手金は、第 22 条又は次条の規定により算定された額と前2項の規定により算定された額との差額とします。
4 督促手続事件の報酬金は、第 22 条又は次条の規定により算定された額の 2 分の1とします。ただし、依頼者が金銭等具体的な回収をしたときでなければ、請求しません。
5 前項ただし書に規定する金銭等の具体的な回収をするため、民事執行事件を受任するときは、前各項の着手金又は報酬金とは別に、民事執行事件の着手金として第 22 条
の規定により算定された額の 3 分の 1 を、報酬として同条の規定により算定された額
の 4 分の 1 を、それぞれお支払いいただきます。
第 25 条 手形、小切手訴訟事件
経済的利益の額 | 着手金 | 報酬金 |
300 万円以下の部分 | 経済的利益の額の 4% | 経済的利益の額の 8% |
300 万円を超え 3000 万 円以下の部分 | 経済的利益の額の 2.5% | 経済的利益の額の 5% |
3000 万円を超え 3 億円 以下の部分 | 経済的利益の額の 1.5% | 経済的利益の額の 3% |
3 億円を超える部分 | 経済的利益の額の 1% | 経済的利益の額の 2% |
1 手形、小切手訴訟事件の着手金及び報酬金は、経済的利益の額を基準として、次表のとおり算定します。
2 前項の着手金は、75,000 円を最低額とします。
3 手形、小切手訴訟事件が通常訴訟に移行したときの着手金は、第 22 条の規定により算定された額と前2項の規定により算定された額との差額とし、その報酬金は、第 22条の規定を準用します。
第 26 条 離婚事件
離婚事件の内容 | 着手金 | 報酬金 |
離婚調停事件、離婚仲裁センター事件又 は離婚交渉事件 | 300,000 円以上 600,000 円以下 | 300,000 円以上600,000 円以下 |
離婚訴訟事件 | 400,000 円以上 800,000 万円以 下 | 400,000 円以上800,000 万円以 下 |
1 離婚事件の着手金及び報酬金は、次表のとおりとします。ただし、事案が特に複雑又は特殊な事情があるときは、弁護士と依頼者の協議により、適正妥当な範囲で増額します。
2 離婚交渉事件から引き続き離婚調停事件又は離婚仲裁センター事件を受任するときの着手金は、前項の規定による離婚調停事件の着手金の額の 2 分の 1 とします。
3 離婚調停事件から引き続き離婚訴訟事件を受任するときの着手金は、第 1 項の規定による離婚訴訟事件の着手金の 2 分の 1 とします。
4 前3項において、財産分与、慰謝料など財産給付を伴うときは、財産給付の実質的な経済的利益の額を基準として、第 22 条の規定により算定された着手金及び報酬金の額を加算してお支払いいただきます。
第 27 条 境界に関する事件
1 境界確定訴訟、境界確定を含む所有権に関する訴訟その他境界に関する訴訟の着手金及び報酬金は、事案の内容に応じて、次の範囲内とします。
(1)着手金 500,000 円以上 750,000 円以下
(2)報酬金 500,000 円以上 750,000 円以下
2 前項の着手金及び報酬金は、第 22 条の規定により算定された着手金及び報酬金の額が前項の額を上回るときは、同条の規定によります。
3 境界に関する調停事件、仲裁センター事件及び示談交渉事件の着手金及び報酬金は、事件の内容により第 1 項の規定による額又は前項の規定により算定された額の、それ
ぞれ 3 分の 2 に減額することがあります。
4 境界に関する示談交渉事件から引き続き調停事件又は仲裁センター事件を受任するときの着手金は、第 1 項の規定による額又は第 2 項の規定により算定された額のそれ
ぞれ 2 分の 1 とします。
5 境界に関する調停事件、仲裁センター事件又は示談交渉事件から引き続き訴訟事件を受任するときの着手金は、第 1 項の規定による額又は第 2 項の規定により算定され
た額から、従前の事件について受け取った着手金の 2 分の 1 に相当する額を差し引いた額とします。
第 28 条 借地非訟事件
1 借地非訟事件の着手金は、借地権の額を基準として、次表のとおりとします。
借地権の額 | 着手金 |
5,000 万円以下の場合 | 300,000 円以上 600,000 円以下(事案の内容 に応じます) |
5,000 万円を超える場合 | 前段の上限額に 5000 万円を超える部分の 0. 5%に相当する額を加算した額 |
2 借地非訟事件の報酬金は、次のとおりとします。
(1)申立人については、申立てが認められたときは借地権の額の 2 分の 1 を、相手方の
介入権が認められたときは財産上の給付額の 2 分の 1 を、それぞれ経済的利益の額
として、第 22 条の規定により算定された額。
(2)相手方については、その申立てが却下されたとき又は介入権が認められたときは、借地権の額の 2 分の 1 を、賃料の増額又は財産上の給付が認められたときは、賃料
増額分の 7 年分又は財産上の給付額をそれぞれ経済的利益として、第 22 条の規定により算定された額。
3 借地非訟に関する調停事件、仲裁センター事件及び示談交渉事件の着手金及び報酬金は、事件の内容により、第 1 項の規定による額又は前項の規定により算定された額
の、それぞれ 3 分の 2 に減額することがあります。
4 借地非訟に関する示談交渉事件から引き続き調停事件又は仲裁センター事件を受任するときの着手金は、第 1 項の規定による額から、従前の事件について受け取った着
手金の 2 分の 1 に相当する額を差し引いた額とします。
5 借地非訟に関する調停事件、仲裁センター事件又は示談交渉事件から引き続き借地非訟事件を受任するときの着手金は、第 1 項の規定による額から、従前の事件につい
て受け取った着手金の 2 分の 1 に相当する額を差し引いた額とします。
第 29 条 保全命令申立事件等
1 仮差押及び仮処分の各命令申立事件(以下「保全命令申立事件」という。)の着手金は、第 22 条の規定により算定された額の2分の1とします。ただし、審尋又は口頭弁論を経たときは、同条の規定により算定された額の3分の2とします。
2 前項の事件が重大又は複雑であるときは、第 22 条の規定により算定された額の4分の1の報酬金をいただきます。ただし、審尋又は口頭弁論を経たときは、同条の規定により算定された額の3分の1の報酬金をいただきます。
3 第1項の手続のみにより本案の目的を達したときは、前項の規定にかかわらず、第 22 条の規定に準じて報酬金をいただきます。
4 保全執行事件は、その執行が重大又は複雑なときに限り、保全命令申立事件とは別に着手金及び報酬金をいただきます。その場合、額については、次条第1項及び第2項の規定を準用します。
5 第1項の着手金及び第2項の報酬金並びに前項の着手金及び報酬金は、本案事件と併せて受任したときでも、本案事件の着手金及び報酬金とは別にいただきます。
6 保全命令申立事件及び保全執行事件の着手金は、100,000 円を最低額とします。
第 30 条 民事執行事件等
1 民事執行事件の着手金は、第 22 条の規定により算定された額の2分の1とします。
2 民事執行事件の報酬金は、第 22 条の規定により算定された額の4分の1とします。
3 民事執行事件の着手金及び報酬金は、本案事件に引き続き受任したときでも、本案事件の着手金及び報酬金とは別にいただきます。ただし、着手金は第 22 条の規定により算定された額の3分の1とします。
4 執行停止事件の着手金は、第 22 条の規定により算定された額の2分の1とします。ただし、本案事件に引き続き受任するときは、同条の規定により算定された額の3分の1とします。
5 前項の事件が重大又は複雑なときは、第 22 条の規定により算定された額の4分の1の報酬金をいただきます。
6 民事執行事件及び執行停止事件の着手金は、50,000 円を最低額とします。
第 31 条 事業者の倒産整理事件
1 事業者の破産、特別清算及び会社更生の各事件の着手金は、資本金、資産及び負債の額、関係人の数等事件の規模並びに事件処理に要する執務量に応じて定め、それぞれ次の額とします。ただし、各事件に関する保全事件の弁護士報酬は着手金に含まれます。
(1)事業者の自己破産事件 500,000 円以上
(2)自己破産以外の破産事件 500,000 円以上
(3)特別清算事件 1,000,000 円以上
(4)会社更生事件 2,000,000 円以上
2 前項の各事件の報酬金は、第 22 条の規定を準用します。この場合の経済的利益の額
は、配当額、配当資産、免除債権額、延払いによる利益及び企業継続による利益等を考慮して算定します。
3 自己破産申立事件を受けないで免責申立事件(免責異議申立事件を含む。)のみを受任した場合の着手金については、第1項第2号の規定により算定された額の2分の1とします。この場合の報酬金については、前項の規定を準用します。
第 32 条 非事業者の倒産整理事件
1 非事業者の自己破産の着手金は、次の額とします。ただし、債権者数が 50 社を超える場合には、前条1項1号の規定を準用します。
(1)債務金額が 1,000 万円以下の場合、債権者数に応じて、次の金額とします。
10 社以下 200,000 円
11 社から 15 社まで 250,000 円
16 社以上 300,000 円
(2)債務金額が 1000 万円を超える場合、400,000 円とします。
(3)夫と妻、親と子等関係ある複数人からの受任で、同一裁判所での同時進行手続の場合
1人当たりの金額は、(1)については、50,000 円を、(2)については 100,000 円を各々減額した金額以内とします。会社と代表者個人の双方から受任する場合の代表者個人についても同様とします。
2 非事業者の自己破産の報酬金は、前項の着手金の金額と同額とします。ただし、債権者数が 50 社を超える場合には、前条2項の規定を準用します。
3 任意整理から自己破産へ移行した場合
(1)任意整理案の提示前に自己破産に移行せざるを得なくなったときは、自己破産の着手金のみ受領し、任意整理の着手金との過不足を清算します。
(2)任意整理案の提示後、任意整理完了前に自己破産に移行せざるを得なくなったときは、任意整理の着手金及び報酬金と別途に自己破産の着手金を受領します。ただし、自己破産に移行せざるを得なくなった事情に応じて、着手金の相当額を減額することがあります。
第 33 条 民事再生事件
1 事業者の民事再生事件の着手金は、資本金、資産及び負債の額、関係人の数等事件の規模並びに事件処理に要する執務量に応じて定め、1,000,000 円以上とします。ただし、民事再生事件に関する保全事件の弁護士報酬は、着手金に含まれます。
2 依頼者が再生手続開始決定を受けた後民事再生手続が終了するまでの執務の対価として、依頼者との協議により、執務量及び既に受けている着手x又は報酬金の額を考慮した上で、月額で定める弁護士報酬を受けることがあります。
3 民事再生事件の報酬金は、第 22 条の規定を準用します。この場合の経済的利益の額は、弁済額、免除債権額、延払いによる利益、及び企業継続による利益等を考慮して算定し、報酬金の具体的な算定にあたっては既に受領している前項の月額で定める弁
護士報酬の額を考慮します。
4 非事業者の民事再生事件(小規模個人再生事件及び給与所得者等再生事件を含む。)の着手金及び報酬金は、資産及び負債の額、関係人の数等事件の規模並びに事件処理に要する執務量に応じて定め、次のとおりとします。ただし、債権者数が 50 名を超え
る場合又は居住用不動産を除く総財産の価額が 3000 万円を超える場合には、前3項の規定を準用します。
(1)着手金
住宅資金特別条項を提出しない場合 300,000 円
住宅資金特別条項を提出する場合 400,000 円
(2)報酬金
債権者数が 15 社までで事案簡明な場合 200,000 円
債権者数が 15 社までの場合 300,000 円
債権者数が 16 社~30 社の場合 400,000 円
債権者数が 31 社以上の場合 500,000 円
債権者数が 31 社以上で事案複雑な場合 600,000 円以上 1,000,000 円以下(債権者数及び事案の複雑さに応じます)
ただし、月額報酬を受領した場合は、上記の報酬金額から月額報酬を控除した残額のみを報酬金とします。
(3)分割弁済金代理送金手数料
金融機関の送金手数料を含め、1件1回 1,000 円を上限とします。
5 民事再生法第 235 条に基づく免責申立事件(免責異議申立事件)の着手金は、200,000円以上とします。この場合の報酬金は、本条第 3 項の規定を準用します。
第 34 条 任意整理事件
1 前3条に該当しない債務整理事件(以下「任意整理事件」という。)のうち、事業者に関する事件の着手金は、資本金、資産及び負債の額並びに関係人の数等事件の規模に応じて、500,000 円以上とします。
2 前項の事件が清算により終了したときの報酬金は、債務の弁済に供すべき金員又は代物弁済に供すべき資産の価額(以下「配当原資額」という。)を基準として、次の各号の表のとおり算定します。
(1)弁護士が債権取立、資産売却等により集めた配当原資額につき
500 万円以下の部分 | 配当原資額の 15% |
500 万円を超え 1000 万円以下の部分 | 配当原資額の 10% |
1000 万円を超え 5000 万円以下の部分 | 配当原資額の 8% |
5000 万円を超え 1 億円以下の部分 | 配当原資額の 6% |
1 億円を超える部分 | 配当原資額の 5% |
(2)依頼者及び依頼者に準ずる者から任意提供を受けた配当原資額につき
5000 万円以下の部分 | 配当原資額の 3% |
5000 万円を超え 1 億円以下の部分 | 配当原資額の 2% |
1 億円を超える部分 | 配当原資額の 1% |
3 第1項の事件が、債務の減免、履行期限の猶予又は企業継続等により終了したときの報酬金は、第 31 条第2項の規定を準用します。
4 第1項の事件の処理について、裁判上の手続を要したときは、前2項に定めるほか、本節の規定により算定された報酬金を受けます。
5 非事業者の任意整理事件の着手金及び報酬金は以下のとおりとします。ただし、債権者数が 50 名以上の場合には、前4項の規定を準用します。
(1)着手金 20,000 円×債権者数。最低 50,000 円。ただし、同一債権者でも別支店の場合は別債権者とします。
(2)報酬金 1債権者について、20,000 円に下記金額を加算した金額を上限とします。ただし、個々の債権者と和解が成立する都度、当該債権者に対する報酬金を請求することがあります。
当該債権者主張の元金と和解金額との差額の 10%相当額
交渉によって過払い金の返還を受けたときは、当該債権者主張の元金の 10%相当額と過払い金の 20%相当額の合計額
(3)分割弁済金代理送金手数料
金融機関の送金手数料を含め、1件1回 1,000 円を上限とします。
(4)任意整理が終了した後、再度支払条件等の変更につき各債権者と交渉せざるを得なくなったときは、当初の委任契約と別契約とします。
第 35 条 倒産処理事件に伴う訴訟
倒産処理事件(任意整理事件を含む)に関して、債務者その他の者に対し、訴訟、民事保全、民事執行事件の申立をする必要がある場合、当該申立に関しては、別途通常の報酬基準に基づく報酬を請求します。
第 36 条 倒産処理事件に伴う日当
倒産整理事件(任意整理事件を含む)の日当については次の各号のとおりとします
(1)債権者からの提訴に応ずるため裁判所への出頭が必要な場合 1回 10,000 円。ただし、2回以上の弁論期日を要し、答弁書以外の準備書面等作成を要する場合には、通常の訴訟報酬基準に準ずる着手金・報酬金を請求し、この場合には日当は請求しません。
(2)債権者との直接の交渉その他の折衝を要する場合 1回 20,000 円。ただし、遠隔地の場合は通常の日当の報酬基準によります。
第 37 条 行政上の不服申立事件
1 行政上の異議申立、審査請求、再審査請求その他の不服申立事件の着手金は、第 22条の規定により算定された額の7割とし、報酬金は、同条の規定により算定された額
の2分の1とします。ただし、審尋又は口頭審理等を経たときは、同条の規定を準用します。
2 前項の着手金は、150,000 円を最低額とします。
第 38 条 契約締結交渉
経済的利益の額 | 着手金 | 報酬金 |
300 万円以下の部分 | 経済的利益の額の 2% | 経済的利益の額の 4% |
300 万円を超え 3000 万 円以下の部分 | 経済的利益の額の 1% | 経済的利益の額の 2% |
3000 万円を超え 3 億円 以下の部分 | 経済的利益の額の 0.5% | 経済的利益の額の 1% |
3 億円を超える部分 | 経済的利益の額の 0.3% | 経済的利益の額の 0.6% |
1 契約締結交渉(示談交渉事件を除きます。)の着手金及び報酬金は、経済的利益の額を基準として、次表のとおり算出します。
2 前項の着手金は、150,000 円を最低額とします。
3 契約締結に至り報酬金を受けたときで、報酬金の額が第 16 条第 1 項に定める契約書等作成手数料の最低額を上回る場合は、事案が特に複雑又は特殊な事情がある場合を除き、契約書その他の文書を作成した場合でも、契約書等作成手数料はいただきません。
第 6 章 刑事事件及び少年事件における着手金及び報酬金
第 39 条 刑事事件の着手x
1 刑事事件の着手xは、次表のとおりとします。
刑事事件の内容 | 着手金 |
起訴前及び起訴後(第xx及び上訴審をい う。以下同じ。)の事案簡明な事件 | 300,000 円以上 500,000 円以下 |
起訴前及び起訴後の前段以外の事件及び再 審事件 | 500,000 円以上 |
再審請求事件 | 500,000 円以上 |
2 前項の事案簡明な事件とは、特段の事件の複雑さ、困難さ又は繁雑さが予想されず、委任事務処理に特段の労力又は時間を要しないと見込まれる事件であって、起訴前については事実関係に争いがない情状事件、起訴後については公判終結までの公判開廷数が2ないし3開廷程度と見込まれる情状事件(上告事件を除く。)、上告審については事実関係に争いがない情状事件をいいます。
第 40 条 刑事事件の報酬金
1 刑事事件の報酬金は、次表のとおりとします。
刑事事件の内容 | 結果 | 報酬金 | |
事案簡明な事件 | 起訴前 | 不起訴 | 300,000 円以上 500,000 円以下 |
求略式命令 | 前段の額を超えない額 | ||
起訴後 | 刑の執行猶予 | 300,000 円以上 500,000 円以下 | |
求刑された刑が軽減さ れた場合 | 前段の額を超えない額 | ||
上記以外の事件 (通常の事件) | 起訴前 | 不起訴 | 500,000 円以上 |
求略式命令 | 500,000 円以上 | ||
起訴後(再審事 件 を 含む。) | 無罪 | 600,000 円以上 | |
刑の執行猶予 | 500,000 円以上 | ||
求刑された刑が軽減さ れた場合 | 軽減の程度による相当な額 | ||
検察官上訴が棄却され た場合 | 500,000 円以上 | ||
再審請求 | 500,000 円以上 |
2 前項の事案簡明な事件とは、前条の事案簡明な事件と見込まれ、かつ結果において予想された委任事務処理量で結論を得た事件をいう。
第 41 条 刑事事件につき同一弁護士が引き続き受任した場合等
1 起訴前に受任した事件が起訴(求略式命令を除く。)され、引き続いて同一弁護士が起訴後の事件を受任するときは、第 39 条に定める着手金を受けます。ただし、事案簡明な事件については、起訴前の事件につき受け取った着手金の2分の1に相当する額を差し引いた額とします。
2 弁護士は、追加して受任する事件が同種であることにより、追加件数の割合に比して一件あたりの執務量が軽減されるときは、追加受任する事件につき、着手金及び報酬金を適正妥当な範囲内で減額することがあります。
第 42 条 検察官の上訴取下げ等
検察官の上訴の取下げ又は免訴、公訴棄却、刑の免除、破棄差戻若しくは破棄移送の言渡しがあったときの報酬金は、それまでに弁護人が費やした時間及び執務量を考慮したうえ、第 40 条の規定を準用します。
第 43 条 保釈等
保釈、勾留の執行停止、抗告、即時抗告、準抗告、特別抗告、勾留理由開示等の申立事件の着手金及び報酬金は、被疑事件又は被告事件の着手金及び報酬金とは別に、
それぞれ 100,000 円以上 300,000 円以下の範囲の額をお支払いいただきます。
第 44 条 告訴、告発等
告訴、告発、検察審査の申立、仮釈放、仮出獄、恩赦等の手続の着手金は、一件につき 100,000 円以上とし、報酬金は、依頼者との協議により定めます。
第 45 条 少年事件の着手金及び報酬金
少年事件の内容 | 着手金 |
家庭裁判所送致前及び送致後 | 300,000 円以上 500,000 円以下 |
抗告、再抗告及び保護処分の取消 | 300,000 円以上 500,000 円以下 |
1 少年事件(少年を被疑者とする捜査中の事件を含む。以下同じ。)の着手金は、次表のとおりとします。
2 少年事件の報酬金は、次表のとおりとする。
少年事件の結果 | 報酬金 |
非行事実なしに基づく審判不開始又は不処分 | 300,000 円以上 |
その他 | 300,000円以上500,000円以下 |
3 弁護士は、着手金及び報酬金の算定につき、家庭裁判所送致前の受任か否か、非行事実の争いの有無、少年の環境調整に要する手数の繁簡、身柄付の観護措置の有無、試験観察の有無等を考慮するものとし、依頼者と協議のうえ、事件の重大性等により、前2項の額を適正妥当な範囲内で増減額することがあります。
第 46 条 少年事件につき同一弁護士が引き続き受任した場合等
1 家庭裁判所送致前に受任した少年事件は、家庭裁判所に送致されても一件の事件とみなします。
2 少年事件につき、同一弁護士が引き続き抗告審等を受任するときは、前条の規定にかかわらず、抗告審等の着手金及び報酬金を、適正妥当な範囲内で減額することがあります。
3 弁護士は、追加して受任する事件が同種であることにより、追加件数の割合に比して1件あたりの執務量が軽減されるときは、追加受任する事件につき、着手金及び報酬金を適正妥当な範囲内で減額することがあります。
4 少年事件が刑事処分相当として家庭裁判所から検察官に送致されたときの刑事事件の弁護士報酬は、第 39 条乃至第 44 条の規定によります。ただし、同一弁護士が引き続き刑事事件を受任するときの着手金は、その送致前の執務量を考慮して、受領済みの少年事件の着手金の額の範囲内で減額することがあります。
第 7 章 日当
第 47 条 日当
1 日当は、次表のとおりとします。
往復 2 時間以下 | 50,000 円以下 |
半日(往復2時間を超え4時間まで) | 30,000 円以上 100,000 円以下 |
1日(往復4時間を超える場合) | 60,000 円以上 200,000 円以下 |
2 弁護士は、依頼者と協議のうえ、前項の日当を概算によりあらかじめ依頼者から預かることがあります。
第 8 章 実費等
第 48 条 実費等の負担
1 依頼者は、弁護士報酬とは別に、収入印紙代、郵便切手代、謄写料、交通通信費、宿泊料、保証金、保管金、供託金、その他委任事務処理に要する実費を負担します。
2 弁護士は、概算により、あらかじめ依頼者から実費等を預かることがあります。
3 事件の内容及び管轄裁判所の場所などにより、通常の範囲の通信費、近距離の交通費などについては、依頼者と協議の上、一定額の実費を受領し、実際額との過不足を精算しないことがあります。
第 49 条 交通機関の利用
弁護士は、出張のための交通機関については、最高運賃の等級(ただし、国際線航空機については原則としてビジネスクラス又はこれに相当するクラス)を利用することができるものとします。
第 9 章 委任契約の清算等
第 50 条 中途終了による清算など
1 事件等の処理が、依頼者による弁護士の解任、弁護士の辞任又は事件処理の継続が不可能になったことにより、中途で終了したときは、弁護士は、事件処理の程度に応じて、受領済の弁護士報酬の全部若しくは一部を返還し、又は弁護士報酬の全部若しくは一部をお支払いいただきます。
2 前項の場合において、事件等の処理の終了につき、弁護士のみに重大な責任があるときは、弁護士は受領済みの弁護士報酬の全部を返還します。ただし、弁護士が既に事件の重要な部分の処理を終了しているときは、弁護士は、その全部又は一部を返還しないことができるものとします。
3 第1項の場合において、委任契約の終了につき、弁護士に責任がないにもかかわらず、依頼者が弁護士の同意なく事件等の処理を終了させたとき、依頼者が故意又は重大な過失により事件等の処理を不能にしたとき、その他依頼者に重大な責任があるときは、弁護士報酬の全部をお支払いいただきます。ただし、弁護士が事件等の処理の重要な部分を終了していないときは、その全部については請求しません。
4 第1項の返還又は請求又は第2項の請求については、弁護士はあらかじめ依頼者と協議します。
第 51 条 事件処理の中止等
依頼者が着手金、手数料又は委任事務処理に要する実費等の支払いを遅滞したときは、弁護士は、事件等に着手せず又はその処理を中止することができるものとします。
第 52 条 弁護士報酬の相殺等
1 依頼者が弁護士報酬又は立替実費等を支払わないときは、弁護士は、依頼者に対する金銭債務と相殺し又は事件等に関して保管中の書類その他のものを依頼者に引き渡さないでおくことができるものとします。
2 前項の場合には、弁護士は、xxxxに依頼者にその旨を通知します。
第 53 条 通知等
弁護士が依頼者に対して通知をする場合、契約に特に定めのない限り、依頼者が弁護士に届けた住所に発すれば足りるものとします。
以 上