箇所 福井県土木部版 福井市版での読み替え - 福井県土木工事共通仕様書 福井市土木工事共通仕様書(条番号については対応する条番号とする。) - 福井県工事請負契約約款 福井市工事請負契約約款(条番号については対応する条番号とする。) p.11 4.概算額は、50万円単位を基本(50万円以下の場合は10万円単位)とする。 -(概算額の単位については規定しない。) p.22 先行承認決裁:重要な事項については所長まで(原則14日以内)...
工事請負契約におけるガイドライン(総合版)
設計変更手続きの明確化
令和元年7月xx市
別添のxx県土木部による「工事請負契約におけるガイドライン(総合版)」を準用する。ただし、
・「Ⅳ 受発注者間の円滑なコミュニケーション」については、「ワンデーレスポンス」のみ適用する。本文中、工事施工調整会議(三者会議)、設計変更審査会に関する箇 所については、当面適用しない。
・「Ⅴ 参考資料」については、xx市版を適用する(xx県土木部版の参考資料は削除)。また、下表のように読み替える。
箇所 | xx県土木部版 | xx市版での読み替え |
- | xx県土木工事共通仕様書 | xx市土木工事共通仕様書 (条番号については対応する条番号とする。) |
- | xx県工事請負契約約款 | xx市工事請負契約約款 (条番号については対応する条番号とする。) |
p.11 | 4.概算額は、50万円単位を基本(50万円以下の場合は10 万円単位)とする。 | - (概算額の単位については規定しない。) |
p.22 | 先行承認決裁:重要な事項については所長まで(原則14日以内) | 先行承認決裁:所属長まで(原則14日以内) (xx市での運用に合わせてこの箇所を変更) |
p.31 | 入札前 <一般競争入札公告共通事項(抜粋)> この入札に参加しようとする者は、入札に係る工事の設計書および図面の全部の写しの閲覧をすることができる。 ⑵ 図面等に関する質問 ア 図面等に関する質問がある場合には、入札執行者に 対し、ふ くe-ねっと電子申請システムによる送信する方法、または、質問事項を記載した書面を3⑷イに規定する場所に提出する方法により行うこと。 | 入札前 <建設工事一般競争入札公告共通事項(抜粋)> |
4 設計図書等の閲覧 | ||
(2)質問書の提出方法 | ||
設計図書等に対する質問がある場合は、入札執行者に質問事 | ||
項を記載した質問書(様式第6号)をイの方法により行うこと。 | ||
(xx市での運用に合わせてこの箇所を変更) |
工事請負契約におけるガイドライン(総合版)
設計変更手続きの明確化
平成28年4月xx県 土木部
( 改 定 履 歴 )
No. | 改定日 | 対象箇所 | 改定内容 |
1 | 平成27年12月 9日 | 全体 | 平成27年12月版作成 |
2 | 平成28年 4月15日 | P51 | 工事一時中止に伴う増加費用等の積算において、「橋梁保全工事」の率を追加 |
1
工事請負契約におけるガイドライン(総合版)の概要
構 成
Ⅰ 設計変更ガイドライン(案)
〇設計変更が可能なケース・不可能なケース、手続きの流れ等について明記
Ⅱ 工事一時中止に係るガイドライン(案)
〇受発注者が工事一時中止について、適正な対応を行うための手続き等について明記
Ⅲ 設計変更事例集(主な事例)
〇設計変更の事例を紹介
Ⅳ 受発注者間のコミュニケーション
〇受発注者間のコミュニケーションの円滑化、生産性の向上を図るため、「三者会議」、
「ワンデーレスポンス」、「設計変更審査会」の取り組みを推進
Ⅴ 参考資料
〇xx県工事請負約款などの参考資料を掲載
主なポイント
本ガイドラインは、設計変更の対象事項や必要な手続きなどを明らかにすることにより、改正品確法の基本理念に基づく必要な設計変更を適切に行い、公共工事の品質確保を図るため策定したものである。
目 的
Ⅰ 設計変更ガイドライン(案)
〇改正品確法の趣旨を記載
・受発注者が対等の立場であると記載
・適切に設計変更を行うことを記載
〇設計変更(指示を書面で行う)
・設計変更について書面で行うことを記載し、明確化を図る
〇設計変更(概算金額の明示)
・参考値であることを記載した上で、概算金額を明示
・概算金額を明示しない場合には、その理由を記載する
・概算金額の算出については、簡易な方法でも可とする
Ⅱ 工事一時中止に係るガイドライン(案)
〇工事の一時中止(受注者からの協議)
・受注者による中止事案の確認請求ができることを記載
〇工事の一時中止(増加費用を明示)
・指示書(発注者)および基本計画書(受注者)に概算額を記載
・概算額については、指示時点の想定で記載
〇工事の一時中止(工期短縮計画の作成)
・工期短縮計画書の作成について記載
・工期短縮計画書に工期短縮に伴う増加費用の概算額を記載
工事請負契約におけるガイドラインの契約図書への位置づけ
※契約の一事項として扱うこととし、特記仕様書へその旨記載する 2
工事請負契約における
ガイドライン(総合版)の構成
Ⅰ 設計変更ガイドライン(案)
[ p 4~35 ]
Ⅱ 工事一時中止に係るガイドライン(案)
[ p36~68 ]
Ⅲ 設計変更事例集(主な事例)
[ p69~87 ]
Ⅳ 受発注者間のコミュニケーション
[ p88~89 ]
Ⅴ 参考資料
[ p90~116 ]
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Ⅰ
設計変更ガイドライン(案)
1.設計変更ガイドライン策定の背景 7. 指定・任意の使い分け
(1)土木請負工事の特性
(2)発注者・受注者の留意事項
(3)設計変更の現状
2.設計変更が不可能なケース
◆基本事項
3.設計変更が可能なケース
◆基本事項及び留意事項
8.入札・契約時における設計図書等の疑義の解決
9.契約変更の手続き 10 .工事打合せ簿
(1)設計図書に誤謬又は脱漏がある場合(契約約款第18条第1項(2))
(2)設計図書の表示が明確でない場合(契約約款第18条第1項(3))
(3)設計図書に示された自然的又は人為的な施工条件と実際の工事現場が一致しない場合(契約約款第18条第1項(4))
(4)工事中止の場合(契約約款第20条)
(5)「設計図書の照査」の範囲を超えるもの
4.設計変更手続きフロー
5.設計変更に関わる資料の作成
6.条件明示について
平成28年4月
xx県 土木部 4
(1)土木請負工事の特性
○当初積算時に予見できない事態、例えば土質・湧水等の変化に備え、その前提条件を明示して設計変更の円滑化を工夫する必要がある。
○土木工事では、個別に設計された極めて多岐にわたる目的物を、多種多様な現地の自然条件・環境条件の下で生産されるという特殊性を有している。
1.設計変更ガイドライン策定の背景
(2)発注者・受注者の留意事項
発注者は
設計積算にあたって、特記仕様書において、「6.条件明 示」を参考に条件明示するよう努めること。
書面でね
受注者は
工事の着手にあたって設計図書を照査し、着手時点における疑義を明らかにするとともに、施工中に疑義が生じた場合には、発注者と「協議」し進めることが重要である。
工事に必要な関係機関との調整、住民合意、用地確保、法定手続などの進捗状況を踏まえ、現場の実態に即した施工条件(自然条件を含む。)の明示等により、適切に設計図書を作成し、積算内容との整合を図るよう努める。
『発注関係事務の運用に関する指針』P4抜粋
(平成27年1月30日 公共工事の品質確保の促進に関する関係省庁連絡会議) 5
(3)設計変更の現状
~次のような業界からの意見がみられる~
<設計成果>
○設計と現場があっていない。現場に即した設計としてほしい。
<発注時の条件整備>
○関係機関との協議が整ってから発注してほしい。
<条件明示>
○施工上影響がある条件については条件明示をしてほしい。
○施工条件を明示し、施工条件に変更が生じたら適切な設計変更をしてほしい。
<照査の範囲外>
○照査の範囲を超える設計変更の業務に対して対価を支払ってほしい。
<設計変更>
○設計変更に伴う増加費用として、一体性のある工事であれば、30%を超える増加費用の変更を認めてほしい。
<一時中止>
○工事中止時の増加費用を適切に見込んでほしい。
○設計変更:契約変更の手続きの前に当該変更の内容をあらかじめ受注者に指示すること
○契約変更:契約内容に変更の必要が生じた場合、当該受注者との間において、既に締結されている契約内容を変更すること
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(4)適切な設計変更の必要性
改正品確法の基本理念に「請負契約の当事者が対等の立場における合意に基づいてxxな契約を適正な額の請負契約代金で締結」が示されているとともに、「設計図書に適切に施工条件を明示するとともに、必要があると認められたときは適切に設計図書の変更及びこれに伴い必要となる請負代金又は工期の変更を行うこと」が規定されている。
また、変更見込金額が請負代金額の30%を超える場合においても、一体施工の必要性から分離発注できないものについては、適切に設計図書の変更及びこれに伴い必要となる請負代金または工期の変更を行うこととする。この場合において、特に、指示等で実施が決定し、施工が進められているにも関わらず、変更見込金額が請負代金額の30%を超えたことのみをもって設計変更に応じない、もしくは、設計変更に伴って必要と認められる請負代金の額や工期の変更を行わないことはあってはならない。
(5)ガイドライン策定の目的
設計変更に係る業務の円滑化を図るためには、発注者と受注者がともに、設計変更が可能なケース・不可能なケース、手続きの流れ等について十分理解しておく必要がある。
(6)設計変更ガイドラインの契約図書への位置づけ
契約の一事項として扱うこととし、特記仕様書へその旨記載する。
7
2.設計変更が不可能なケース
【基本事項】
◆下記のような場合においては、原則として設計変更できない。
1.設計図書に条件明示のない事項において、発注者と「協議」を行わず受注者が独自に判断して施工を実施した場合
2.発注者と「協議」をしているが、協議の回答がない時点で施工を実施した場合
3.「承諾」で施工した場合
4.工事請負契約約款・土木工事共通仕様書に定められている所定の手続きを経ていない場合(契約約款第18条~24条、共通仕様書1-1-13~1-1-15)
5.正式な書面によらない事項(口頭のみの指示・協議等)の場合
※契約約款第26条(臨機の措置)については別途考慮する。
承諾 : 受注者自らの都合により施工方法等について監督職員に同意を得るもの
設計変更不可
協議 : 発注者と書面により対等な立場で合意して発注者の「指示」によるもの
設計変更可能
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1について
受注者は、契約約款第18条第1項の規定により、設計図書と現場および条件の不一致等を発見した場合は、その事実が確認できる資料を工事打合せ簿により監督職員に通知し、確認を求める。
2について
協議の回答は、契約約款第18条第3項の規定により、発注者が調査の終了後14日以内に通知することとなっており、速やかな回答は発注者の責務である。ただし、協議内容によっては、関係機関との調整や設計について、受注者の意見を聴いた上で、回答までの期間を延長する場合もある。そのため、受注者はその事実が判明次第、でき
るだけ早く協議(工事打合せ簿の提出)を行うことが重要である。
3について
ここでいう「承諾」とは、受注者が自らの都合による施工方法等について、監督職員に同意を得るものである。設計図書と現場および条件の不一致等がある場合は、契約約款第18条による確認をすることが必要であり、安易
な承諾による施工は避けるべきである。
4について
契約約款 | 共通仕様書 | |
第18条(条件変更等) | 1-1-1-13 | 工事の一時中止 |
第19条(設計図書の変更) | 1-1-1-14 | 設計図書の変更 |
第20条(工事の中止) | 1-1-1-15 | 工期変更 |
第21条(受注者の請求による工期の延長) | ||
第22条(発注者の請求による工期の短縮等) | ||
第23条(工期の変更方法) | ||
第24条(請負代金額の変更方法等) |
発注者および受注者は、指示、協議、中止、設計図書の変更、工期変更、請負代金額の変更など、所定の手続を行う。
5について
発注者は、書面により、迅速かつ適切な指示・協議等を行う。受注者は、書面による指示・協議等の回答を得て施工する。
ただし、「情報共有システム」による処理は、署名・押印と同等の処理を行うことから、このシステムで処理し
た工事帳票も「書面」とみなすものとする。
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3.設計変更が可能なケース
【基本事項】
◆下記のような場合においては設計変更が可能である。
1.仮設(任意仮設を含む)において、条件明示の有無に係わらず当初発注時点で予期しえなかった土質条件や地下水位等が現地で確認された場合。
(ただし、所定の手続きが必要。)
2.当初発注時点で想定している工事着手時期に、受注者の責によらず、工事着手出来ない場合。
3.所定の手続き(「協議等」)を行い、発注者の「指示」によるもの。
(「協議」の結果として、軽微なものは金額の変更を行わない場合もある。)
4.受注者が行うべき「設計図書の照査」の範囲を超える作業を実施する場合。
5.受注者の責によらない工期の延期・短縮を行う場合で協議により必要があると認められるとき。
【留意事項】
◆設計変更にあたっては下記の事項に留意し受注者へ指示する。
1.当初設計の考え方や設計条件を再確認して、設計変更「協議」にあたる。
2.当該事業(工事)での変更の必要性を明確にし、設計変更は契約約款第19条にもとづき書面で行う。(規格の妥当性、変更対応の妥当性(別途発注ではないか)を明確にする。)
3.設計変更に伴う契約変更の手続きは、その必要が生じた都度、遅滞なく行うものとする。
4.指示書へ概算金額の記載を行う。ただし、以下の事項を条件とする。
①受注者からの協議における変更の場合は、受注者が見積書を提出した場合に、その見積書を参考にして指示書に記載する。
②受注者からの協議によらず発注者の指示による場合は、概算金額を指示書に記載することとし、記載できない場合にはその理由を記載することとする。
③記載する概算金額は、「参考値」であり、契約変更額を拘束するものではない。
※具体的な記載の運用については次頁に記載する。
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■先行指示書等への概算額の記載方法
※先行指示書とは、契約変更に先立って
指示を行うときの工事打合簿のことである。
設計変更を行う為、契約変更に先だって指示を行う場合は、指示書にその内容に伴う増減額の概算額を記載する。
ここで記載する概算額は、「参考値」であり、契約変更額を拘束するものではない。また、緊急的に行う場合または何らかの理由により概算額の算定に時間を要する場合
は、「後日通知する」ことを添えて指示を行うものとする。
1.契約変更手続きを行う前に受注者へ作業を行わせる場合は、必ず書面(指示書等)にて指示を行う。
2.指示書には、変更内容による変更見込み概算額を記載することとし、記載できない場合にはその理由を記載する。
3.概算額については、類似する他工事の事例や設計業務等の成果、協会資料などを参考に記載することも可とする。また、その場合は記載した概算額の出典や算出条件等について明示する。
4.概算額は、50万円単位を基本(50万円以下の場合は10万円単位)とする。
※指示書等による先行指示ではなく、契約変更すべきもの
・主たる工種の大幅な工法変更や追加、道路線形の見直しなど、当初設計から大幅に内容が変更となるようなものは、すみやかに契約変更すべきである。
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(1)設計図書に誤びゅうまたは脱漏がある場合の手続き
(契約約款第18条第1項(2)) <設計変更可能なケース>
○受注者は、xxx上、設計図書が誤っていると思われる点を発注者に確認すべきであり、発注者は、それが本当に誤っている場合には設計図書を訂正する必要がある。また、設計図書に脱漏がある場合には、受注者としては、自分で勝手に補って施工をつづけるのではなく、発注者に確認して、脱漏部分を訂正してもらうべきである。
受注者
発注者
等)第1項(2)」に基づき、その旨を直ちに監督職員に通知
「契約約款第18条(条件変更 発注者は第4項、第5項に基づき、必要に応じて設計図書の訂正・変 更(当初積算の考え方に基づく条 件明示)
受注者および発注者は第23条、第24条に基づき、「協議」により工期および請負代金額を定める
ex. ア.条件明示する必要がある場合にも係わらず、土質に関する一切の条件明示がない場合
イ.条件明示する必要がある場合にも係わらず、地下水位に関する一切の条件明示がない場合ウ.条件明示する必要がある場合にも係わらず、交通整理員についての条件明示がない場合
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(2)設計図書の表示が明確でない場合の手続き
(契約約款第18条第1項(3)) <設計変更可能なケース>
○設計図書の表示が明確でないことは、表示が不十分、不正確、不明確で実際の工事施工にあたってどのように施工してよいか判断がつかない場合などのことである。この場合においても、受注者が勝手に判断して、施工することは不適当である。
受注者
発注者
「契約約款第18条(条件変更等)第1項(3)」に基づき、条件明示が不明確な旨を直ちに監督職員に通知
発注者は第4項、第5項に基づき、必要に応じて設計図書の訂正・変 更(当初積算の考え方に基づく条 件明示)
受注者および発注者は第23条、第24条に基づき、「協議」により工期および請負代金額を定める
ex. ア.土質柱状図は明示されているが、地下水位が不明確な場合
イ.水替工実施の記載はあるが、作業時もしくは常時排水などの運転条件等の明示がない場合
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(3)設計図書に示された自然的または人為的な施工条件と実際の工事現場が一致しない場合の手続き
(契約約款第18条第1項(4)) <設計変更可能なケース>
○自然的条件とは、例えば、掘削する地山の高さ、埋め立てるべき水面の深さ等の地表面の凹凸等の形状、地質、湧水の有無または量、地下水の水位、xxxの除去すべき物の有無。また、人為的な施工条件の例としては、地下埋設物、地下工作物、xx(捨)場、工事用 道路、通行道路、工事に関係する法令等が挙げられる。
受注者
発注者
調査の結果、その事実が確認され
受注者および発注者は第23条、第24条に基づき、「協議」により工期および請
負代金額を定める
た場合、発注者は第4項・第5項に
基づき、必要に応じて設計図書の訂正・変更
等)第1項(4)」に基づき、設
計図書の条件明示(当初積算の考え)と現地条件とが一致しないことを直ちに監督職員に通知
「契約約款第18条(条件変更
ex. ア.設計図書に明示された土質が現地条件と一致しない場合
イ.設計図書に明示された地下水位が現地条件と一致しない場合
ウ.設計図書に明示された交通誘導員の人数等が規制図と一致しない場合
エ.前頁の手続きにより行った設計図書の訂正・変更で、現地条件と一致しない場合オ.その他、新たな制約等が発生した場合
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(4)工事中止の場合の手続き
(契約約款第20条) <設計変更可能なケース>
○受注者の責に帰することができないものにより工事目的物等に損害を生じもしくは工事現場の状態が変動したため、受注者が工事を施工できないと認められる場合の手続き
(工事一時中止に係るガイドライン(案)参照)
発注者
受注者
地元調整や予期しない現場条件等のため、受注者が工事を施工することができない
受注者からの中止事案の確認請求も可。
受注者は、xx工事共通仕様書 1-1-1-13第3項に基づき、基本計画書を作成し、発注者の承諾を得る。
発注者より、一時中止の指示(契約上一時中止をかけることは発注者の義務)
「契約約款第20条(工事の中止)第1項」により、発注者は工事の全部又は一部の施工を原則として一時中止しなければならない。
不承諾の場合は、基本計画書を修正し、再度承諾を得る。
発注者は、現場管理上、最低限必要な施設・人数等を吟味し、基本計画書を承諾
基本計画書に基いた施工の実施
承諾した基本計画書に基づき、施工監督及び設計変更を実施
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ex.
ア.設計図書に工事着工時期が定められた場合、その期日までに受注者の責によらず施工できない場合
イ.警察、河川・鉄道管理者等の管理者間協議が未了の場合 ウ.管理者間協議の結果、施工できない期間が設定された場合
エ.受注者の責によらない何らかのトラブル(地元調整等)が生じた場合
オ.設計図書に定められた期日までに詳細設計が未了のため、施工できない場合カ.予見できない事態が発生した(地中障害物の発見等)場合
キ.工事用地の確保が出来ない等のため工事を施工できない場合
ク 設計図書と実際の施工条件の相違または設計図書の不備が発見されたため施工を続けることが困難な場合
ケ.埋蔵文化財の発掘または調査、その他の事由により工事を施工できない場合
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(5)「設計図書の照査」の範囲をこえるもの
<設計変更可能なケース>
1.現地測量の結果、横断図を新たに作成する必要があるもの。または縦断計画の見直しを伴う横断図の再作成が必要となるもの。
2.施工の段階で判明した推定岩盤線の変更に伴う横断図の再作成が必要となるもの。ただし、当初横断図の推定岩盤線の変更は「設計図書の照査」に含まれる。
横断図の再作成が必要となるものは
「設計図書の照査」の範囲をこえるものなのね!
3.現地測量の結果、排水路計画を新たに作成する必要があるもの。または、土工の縦横断計画の見直しが必要となるもの。
4.構造物の位置や計画高さ、延長が変更となり構造計算の再計算が必要となるもの。
5.構造物の載荷高さが変更となり、構造計算の再計算が必要となるもの。
構造計算の再計算が必要となるものは
「設計図書の照査」の範囲をこえるものだね!
6.現地測量の結果、構造物のタイプが変更となるが標準設計で修正可能なもの。
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7.構造物の構造計算書の計算結果が設計図と違う場合の構造計算の再計算および図面作成が必要となるもの。
8.基礎杭が試験杭等により変更となる場合の構造計算および図面作成。
9.土留め等の構造計算において現地条件や施工条件が異なる場合の構造計算および図面作成。
目的物に変更が生じる図面作成は
「設計図書の照査」の範囲をこえるものね!
10.「設計要領」・「各種示方書」等との対比設計。
構造物の応力計算書のチェックも
「設計図書の照査」の範囲をこえるものだね!
11.構造物の応力計算書の計算入力条件の確認や構造物の応力計算を伴う照査。
12.設計根拠まで遡る見直し、必要とする工費の算出。
13.舗装維持・修繕工事の縦横断設計。(当初の設計図書において縦横断面図が示されており、その修正を行う場合とする。なお、設計図書で縦横断図が示されておらず土木工事共通仕
様書「10-14-4-3路面切削工」「10-14-4-5切削オーバーレイ工」「10-14-4-6オーバーレイ工」等に該当し縦横断設計を行うものは設計照査に含まれる) 。
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14.新たな工種追加や設計変更による構造計算および図面作成。
15.概算(数量)発注工事における構造計算および図面作成。
16.「設計便覧」「各種示方書」等の変更に伴う構造計算および図面作成。
17.照査の結果、必要となった追加調査の実施。
〈例〉・ボーリング調査
・杭打・大型重機による施工を行う際の近隣の家屋調査
・トンネル漏水補修工(裏込め注入工)の施工に際し、周辺地域への影響調査
(注)なお、適正な設計図書に基づく数量の算出及び完成図については、受注者の費用負担によるものとする。
(6)受注者からの請求による工期の延長
(契約約款第21条) <設計変更可能なケース>
○受注者は、天候の不良、関連工事の調整協力、その他受注者の責めに帰すことができない事由により工期内に工事を完成することができない場合は、発注者へその理由を明示した書面により工期延長変更を請求することができる。
受注者
発注者
「契約約款第21条(受注者の請求による工期の延長)第
1項」に基づき、その理由を
明示した書面により監督職員に通知
発注者は第2項に基づき、必要があると認められるときは、工期を延長しなければならない。請負代金についても必要と認められるときは変更を行う。
協議
受注者および発注者は第23条、第24条に基づき、「協議」により工期および請負代金額を定める
ex. ア.天候不良の日が例年に比べ多いと判断でき、工期の延長が生じた場合
イ.設計図書に明示された関連工事との調整に変更があり、工期の延長が生じた場合ウ.その他受注者の責めに帰することができない事由により工期の延長が生じた場合
(7)発注者の請求による工期の短縮
(契約約款第22条) <設計変更可能なケース>
○発注者は、特別な理由により工期を短縮する必要があるときは、工期の短縮変更を受注者に書面にて請求することができる。
受注者
発注者
承諾を得る。
受注者は発注者からの請求に 基づき、工期短縮を図るため の施工計画を発注者に提出し、
発注者は、「契約約款第22条
(発注者の請求による工期の短縮等)第1項」に基づき、特別な理由により工期を短縮する必要があるときは、工期の短縮変更を書面により受注者に請求。
協議
受注者および発注者は第23条、第24条に基づき、「協議」により工期および請負代金額を定める
ex. ア.工事一時中止にともない工期延長が予想され、工期短縮が必要な場合イ.関連工事等の影響により、工期短縮が必要な場合
ウ.その他の事由(地元調整、関係機関調整など)により工期の短縮が必要な場合
4.設計変更手続きフロー
受 注 者
発 注 者
契約約款第18条第1項(1)~(5)に該当する事実を発見
通知し確認を請求
【第18条第1項】
【第18条第3項】
受注者:立会い 発注者:直ちに調査の実施 【第18条第2項】
※受注者からの確認請求を受領後概ね7日以内を目処に調査終了予定日を受注者へ通知
意見
調査結果のとりまとめ
先行承認決裁:重要な事項については所長まで(原則14日以内)
受理
調査終了後14日以内にその結果を通知(とるべき措置がある場合、当該指示を含む)
【第18条第4項】
必要があると認められるときは設計図書の訂正または変更
<発注者が行う>
・設計図書の訂正
・工事目的物の変更を伴う設計図書の変更
必要があると認められるときは設計図書の訂正または変更 <発注者と受注者とが協議して発注者が行う>
・工事目的物の変更を伴わない設計図書の変更
協議が整わない場合など必要に応じ、設計変更審査会を行う
設計変更の妥当性の審議を行う(受発注者の発議により適宜開催)
変更内容・変更根拠の明確化、変更図面、変更数量計算書等の変更設計図書の作成
変更設計決裁
必要があると認められるときは工期または請負代金額を変更【第18条第5項】
協議 ①工期の変更【第23条】 ②請負代金額の変更【第24条】
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5.設計変更に関わる資料の作成
設計変更に関わる資料の作成についての具体的対応方法
1)設計照査に必要な資料作成
受注者は、当初設計等に対して「工事請負契約約款」第18条第1項に該当する事実が発見された場合、監督職員にその事実が確認できる資料を書面により提出し、確認を求めなければならない。なお、これらの資料作成に必要な費用については契約変更の対象としない。
<契約約款第18条第1項>
受注者
発注者
第18条第1項に該当する事実を発見
資料を確認しました。
現地と設計内容の違いについて、
確認できる資料を書面で提出します。
この資料の作成費用は設計変更の対象
としません。
2)設計変更に必要な資料作成
「工事請負契約約款」第18条第1項に基づき設計変更するために必要な資料の作成については、「工事請負契約約款」第18条第4項に基づき発注者が行うものであるが、受注者に行わせる場合は、以下の手続きによるものとする。
① 設計照査に基づき設計変更が必要な内容については、受発注者間で確認する。
② 設計変更するために必要な資料の作成について書面により協議し、合意を図った後、発注者が具体的な指示を行うものとする。
③ 発注者は、書面による指示に基づき受注者が設計変更に関わり作成した資料を確認する。
④ 書面による指示に基づいた設計変更に関わる資料の作成業務については、契約変更の対象とする。
<契約書第18条第4項>
受注者
発注者
設計図書の訂正または変更は発注者が行います。
~ 設計変更するために必要な資料の作成を依頼するときは ~
資料を確認しました。
設計変更に関わる資料を作成し
たので提出します。
この資料の作成費用は
設計変更の対象とします。
設計変更が必要な内容について、受発注者間で確認
必要な資料の作成について協議し、発注者が受注者に具体的な作業を指示
⑤ 増加費用の算定は、設計業務等標準積算基準書を基本とする。
6.条件明示について
施工条件は、契約条件となるものであることから、設計図書の中で明示するものとする。また、明示された条件に変更が生じた場合は、契約図書の関連する条項に基づき、適切に対応するものとする。
明示項目 | 明示事項 |
工程関係 | 1.他の工事の開始又は完了の時期により、当該工事の施工時期、全体工事等に影響がある場合は、影響箇所および他の工事の内容、開始または完了の時期。 2.施工時期、施工時間及び施工方法が制限される場合は、制限される施工内容、施工時期、施工時間および施工方法。 3.当該工事の関係機関等との協議に未成立のものがある場合は、制約を受ける内容およびその協議内容成立見込み時期 4.関係機関、自治体等との協議の結果、特定された条件が付され当該工事の工程に影響がある場合は、その項目および影響範囲。 5.余裕工期を設定して発注する工事については、工事の着手時期。 6.工事着手前に地下埋設物及び埋蔵文化財等の事前調査を必要とする場合は、その項目および調査期間 。また、地下埋設物等の移設が予定されている場合は、その移設期間。 7.設計工程上見込んでいる休日日数等作業不能日数。 |
用地関係 | 1.工事用地等に未処理部分がある場合は、その場所、範囲および処理の見込み時期。 2.工事用地等の使用終了後における復旧内容。 3.工事用仮設道路・資機材置き場用の借地をさせる場合、その場所、範囲、時期、期間、使用条件、復旧方法等。 4.施工者に、消波ブロック、桁製作等の仮設ヤードとして官xxx及び発注者が借り上げた土地を使用させる場合は、その場所、範囲、時期、期間、使用条件、復旧方法等。 |
25
明示項目 | 明示事項 |
公害関係 | 1.工事に伴う公害防止(騒音、振動、粉塵、排出ガス等)のため、施工方法、建設機械・設備、作業時間等を指定する必要がある場合は、その内容。 2.水替・流入防止施設が必要な場合は、その内容、期間。 3.濁水、湧水等の処理で特別の対策を必要とする場合は、その内容(処理施設、処理条件等)。 4.工事の施工に伴って発生する騒音、振動、地盤沈下、地下水の枯渇等、電波障害等に起因する事業損失が懸念される場合は、事前・事後調査の区分とその調査時期、未然に防止するために必要な調査方法 、範囲等。 |
安全対策関係 | 1.交通安全施設等を指定する場合は、その内容、期間。 2.鉄道、ガス、電気、電話、水道等の施設と近接する工事での施工方法、作業時間等に制限がある場合は、その内容。 3.落石、雪崩、土砂崩落等に対する防護施設が必要な場合は、その内容。 4.交通誘導員、警戒船および発破作業等の保全設備、保安要員の配置を指定する場合または発破作業等に制限がある場合は、その内容。 5.有毒ガス及び酸素欠乏等の対策として、換気設備等が必要な場合は、その内容。 |
工事用道路関係 | 1.一般道路を搬入路として使用する場合 (1)工事用資機材等の搬入経路、使用期間、使用時間帯等に制限がある場合はその経路、期間、時間帯等。 (2)搬入路の使用中および使用後の処置が必要である場合は、その処置内容。 2.仮道路を設置する場合 (1)仮道路に関する安全施設等が必要である場合は、その内容、期間。 (2)仮道路の工事終了後の処置(存置又は撤去)。 (3)仮道路の維持補修が必要である場合は、その内容。 |
仮設備関係 | 1.仮土留、仮橋、足場等の仮設物を他の工事に引き渡す場合および引き継いで使用する場合は、その内容、期間、条件等。 2.仮設備の構造およびその施工方法を指定する場合は、その構造およびその施工方法。 3.仮設備の設計条件を指定する場合は、その内容。 |
建設副産物関係 | 1.建設発生土が発生する場合は、残土の受入場所および仮置き場所までの距離、時間等の処分および保管条件。 2.建設副産物の現場内での再利用および減量化が必要な場合は、その内容。 3.建設副産物および建設廃棄物が発生する場合は、その処理方法、処理場等の処理条件。なお、再資源化処理施設又は最終処分場を指定する場合は、その受入場所、距離、時間等の処分条件。 |
明示項目 | 明示事項 |
工事支障物件等 | 1.地上、地下等の占用物件の有無および占用物件等で工事支障物が存在する場合は、支障物件名、管理者、位置、移設時期、工事方法、防護等。 2.地上、地下等の占用物件工事と重複して施工する場合は、その工事内容および期間等。 |
薬液注入関係 | 1.薬液注入を行う場合は、設計条件、工法区分、材料種類、施工範囲、削孔数量、削孔延長および注入量、注入圧等。 2.周辺環境への調査が必要な場合は、その内容。 |
その他 | 1.工事用資機材の保管および仮置きが必要である場合は、その保管および仮置き場所、期間、保管方法等。 2.工事現場発生品がある場合は、その品名、数量、現場内での再使用の有無、引き渡し場所等。 3.支給材料および貸与品がある場合は、その品名、数量、品質、規格又は性能、引渡場所、引渡期間等。 4.関係機関・自治体等との近接協議に係る条件等その内容。 5.架設工法を指定する場合は、その施工方法および施工条件。 6.工事用電力等を指定する場合は、その内容。 7.新技術・新工法・特許工法を指定する場合は、その内容。 8.部分使用を行う必要がある場合は、その箇所および使用時期。 9.給水の必要のある場合は、取水箇所・方法等。 |
7.指定・任意の使い分け
【基本事項】
指定・任意については、工事請負契約約款第1条第3項に定められているとおり、適切に扱う必要がある。
1.任意については、その仮設、施工方法の一切の手段の選択は受注者の責任で行う。
2.任意については、その仮設、施工方法に変更があっても原則として設計変更の対象としない。
3.ただし、指定・任意ともに当初積算時の想定と現地条件が異なることによる変更は行う。
【留意事項】
◆指定・任意の使い分けにおいては下記の事項に留意する。
1.仮設、施工方法等には、指定と任意があり、発注においては、指定と任意の部分を明確にする必要がある。
2.発注者(監督者)は、任意の趣旨を踏まえ、適切な対応をするように注意が必要。
※任意における下記のような対応は不適切
・○○工法で積算しているので、「○○工法以外での施工は不可」との対応。
・標準歩掛かりではバックホウで施工となっているので、「クラムシェルでの施工は不可」との対応。
・新技術の活用について受注者から申し出があった場合に、「積算上の工法で施工」するよう対応。
ただし、任意であっても、当初積算時の条件と現地条件に変更がある場合は、設計変更を行う。
◎ 発注者の指定事項以外は受注者の裁量の範囲
■自主施工の原則
契約約款第1条第3項により、設計図書に指定されていなければ、工事実施の手段、仮設物等は受注者の裁量の範囲
契約約款第1条第3項
仮設および施工の方法その他工事目的物を完成するために必要な一切の手段について、この約款お よび設計図書に特別の定めがない場合には、受注者は、その責任において工事を施工するものとする。
【指定と任意の考え方】
x x | 任 意 | |
設計図書 | 施工方法等について具体的に指定する | 施工方法等について具体的には指定しない |
施工方法等の変更 | 発注者の指示又は承諾が必要 | 受注者の任意(施工計画書等の修正、提出は必要) |
施工方法の変更がある場合の設計変更 | 設計変更の対象とする | 設計変更の対象としない。 |
条件明示の変更に対 応した設計変更 | 設計変更の対象とする | 設計変更の対象とする。 |
その他 | <指定仮設とすべき事項> ・河川堤防と同等の機能を有する仮締切のある場合 ・仮設構造物を一般交通に供する場合 ・関係官公署との協議により制約条件のある場合 ・特許工法又は特殊工法を採用する場合 ・その他、第三者に特に配慮する必要がある場合 ・他工事等に使用するため、工事完成後も存置される必要のある仮設 |
(その他留意事項)
1.指定仮設と任意仮設の区分は、「発注者が設計図書で、仮設工法を図面等で指定する場合または構造、性能、規模、施工方法等の基本的な仕様について特記仕様書に明示する」か、それとも「これらを決定するために必要な設計上の条件のみを明示する」かの契約上の違いだけである。
2.工事の発注にあたって、発注者が必要と判断したものは、契約条件として仮設工の構造、性能、規模等について、あらかじめ指定し、「指定仮設」とすべきである。
【指定仮設の内容の目安】
仮設構造物 | 指定内容 |
供用中の道路ならびに第三者に配慮する必要がある土留め | 構造・性能・規模・位置・施工方法等 |
締切り堤 | 構造・性能・河川条件・施工方法等 |
締切り(小規模なものは除く) | 河川条件等 |
路面覆工 | 構造・性能・規模・位置・施工方法等 |
一般用仮橋 | 構造・性能・規模・河川条件・施工方法等 |
工事用仮橋、仮桟橋 | 河川条件等 |
第三者に配慮する必要がある支保工等 | 性能・交差条件・河川条件等 |
仮設道路(一般用) | 構造・性能・規模等 |
供用中の道路ならびに第三者に配慮する必要がある仮設防護柵 | 性能・規模・道路条件等 |
3.発注者は、指定仮設として扱う仮設構造物については、指定する内容を設計図書に明記し、受注者に明示しなければ
ならない。また、任意仮設として扱う仮設構造物については、積算上使用した図面があれば設計図書に添付する。
参考図
のマークを付け
4.指定仮設の場合、受注者の都合で当初設計と違う仮設を行いたい旨、申し出があった場合には、受注者は設計計算書
ならびに施工詳細図を作成し、発注者は当初設計と同等以上の指定内容であることを確認の上、承諾してもよい。ただし、施工段階で当初設計に対し地盤条件等の設計上の条件(設計図書に明示)に変更が生じた場合は、双方協議の上、設計変 更の対象とする。
5.任意仮設の場合であっても設計上の条件については設計図書に明示することとし、施工段階で変更が生じた場合は、
双方協議の上、設計変更の対象とする。また、受注者は十分安全に工事目的物が施工可能な施工計画書を発注者に提出し、発注者は提出された施工計画書を受理(承諾行為ではない)すること。なお、このとき任意の趣旨を十分に踏まえ、
不必要な指導を行わないよう、注意すること。
30
8.入札・契約時における設計図書等の疑義の解決
【基本事項】
◆設計図書に関する疑義については、入札前の段階および照査段階で解決しておくことが、円滑な施工や設計変更に必要なことである。
入札前 <一般競争入札公告共通事項(抜粋)>
この入札に参加しようとする者は、入札に係る工事の設計書および図面の全部の写しの閲覧をすることができる。
⑵ 図面等に関する質問
ア 図面等に関する質問がある場合には、入札執行者に対し、ふくe-ねっと電子申請システムによる送信する方法、または、質問事項を記載した書面を3⑷イに規定する場所に提出する方法により行うこと。
契約後 <xx県土木工事共通仕様書(抜粋)> 1-1-1-3 設計図書の照査等 2.設計図書の照査
受注者は、施工前及び施工途中において、自らの負担により契約書第18条第1項第1号から第5号に係る設計図書の照査を行い、該当する事実がある場合は、監督職員にその事実が確認できる資料を書面により提出し、確認を求めなければならない。
31
9.契約変更の手続き
【基本事項】
◆工期・請負代金額の変更は、発注者と受注者とが協議して定める。
ただし、協議開始の日から14日以内に協議が整わない場合には発注者が定め、受注者に通知する。
xx県工事請負契約約款
第23条(工期の変更方法)
この約款の規定による変更後の工期については、発注者と受注者とが協議して定める。ただし、協議開始の日から14日以内に協議が整わない場合には 発注者が定め 受注者に通知する
第24条(請負代金額の変更方法)
この約款の規定による変更後の請負代金額については、次条の規定によるほか、発注者と受注者と が協議して定める。ただし、協議開始の日から14日以内に協議が整わない場合には、発注者が定め、受注者に通知する。
32
【詳細事項1】
◆協議開始の日については、発注者が受注者の意見を聴いて定め、受注者に通知
xx県工事請負契約約款
第23条(工期の変更方法) 第24条(請負代金額の変更方法)
2 前項の協議開始の日については、発注者が受注者の意見を聴いて定め、受注者に通知するものとする。(後略)
ただし、発注者が協議開始の日を通知しない場合には、受注者が協議開始の日を定め、
発注者に通知することができる。(第23・24条第2項ただし書き)
(変更事由が生じた日から、7日(工期の場合)・14日(請負代金額の場合)以内に発注者が協議開始の日を通知しない場合)
【詳細事項2】
◆受注者の責によらない一時中止・工期の変更や設計図書の訂正・変更等によって、受注者が増加費用を必要とし、または損害を受けた場合については、
発注者と受注者とが協議して定める。
xx県工事請負契約約款
第24条(請負代金額の変更方法)
3 この約款の規定により、受注者が増加費用を必要とし、または損害を受けた場合に発注者が負担する費用の額については、発注者と受注者とが協議して定める。
※受注者が必要とする増加費用・損害賠償費用については、以下が想定される。
・目的物の手戻り費用、または改造費用
・不要となった材料の売却損、労働者の賃金・帰郷費用
・不要となった建設機械の損料・回送費、仮設物の賃料 等
※発注者は、受注者に不必要な増加費用・損害を与えないよう、下記に留意する。
・設計段階から設計図書を照査・確認
・発注前に関係機関との協議調整を完了
・設計積算ミスをしない
・受注者との協議をすみやかに実施(ワンデーレスポンスに努める) 等 33
10.工事打合せ簿
【基本事項】
◆発注者(監督職員)と受注者(現場代理人)との間で行われる、指示・承諾・協議・提出・通知等は「書面」による。「書面」とは「工事打合せ簿」等をいう。「工事打合せ簿」は、発 行年月日を記載し、署名または押印したものが有効となる。
なお、「情報共有システム」による処理は、署名・押印と同等の処理を行うことから、このシステムで処理した工事帳票も「書面」とみなすものとする。
(記載例は、参考資料に掲載)
xx県土木工事共通仕様書
第1編 第1章 第1節 総則 1-1-1-2 用語の定義
15.指示 指示とは、契約図書の定めに基づき、監督職員が受注者に対し、工事の施工上必要な事項について書面により示し、実施させることをいう。
16.xx xxとは、契約図書で明示した事項について、発注者若しくは監督職員または受注者が書面により同意することをいう。
17.協議 協議とは、書面により契約図書の協議事項について、発注者または監督職員と受注者が対等の立場で合議し、結論を得ることをいう。
18.提出 提出とは、監督職員が受注者に対し、または受注者が監督職員に対し工事に係わる書面またはその他の資料を説明し、差し出すことをいう。
21.通知 通知とは、発注者または監督職員と受注者または現場代理人の間で、監督職員が受注者に対し、また は受注者が監督職員に対し、工事の施工に関する事項について、書面により互いに知らせることをいう。
25.書面 書面とは、手書き、印刷物等による工事打合せ簿等の工事帳票をいい、発行年月日を記載し、署名または押印したものを有効とする。
【詳細事項(発注者の対応1)】
◆受注者(現場代理人)との協議・指示・承諾・通知等は必ず書面で行う。
(緊急を要し口頭で指示等を行った場合は、後日書面で両者が内容等を確認する)
xx県工事請負約款 第9条(監督職員)
2 監督職員は、この約款の他の条項に定めるものおよびこの約款に基づく発注者の権限とされる事項のうち発注者が必要と認めて監督職員に委任したもののほか、設計図書に定めるところにより、次に掲げる権限を有する。
4 第2項の規定による監督職員の指示または承諾は、原則として、書面により行わなければならない。
xx県土木工事共通仕様書 1-1-1-6 監督職員 2.監督職員の権限の行使
【詳細事項(発注者の対応2)】
◆設計図書の変更の指示等は、書面により明確に行う。
【明確にする事項】
1 「承諾(同意)」行為か、「指示」行為か。
2 「設計図書の変更」とするのか、しないのか。
「設計図書を変更する内容」はどの部分か。
3 「請負代金額を変更」するのか、しないのか。
「変更金額」の概算額はいくらか。
なお、監督職員は、内容を問わず所属内決裁を得るものとする。
(受注者に対する円滑な対応の観点から、所属においてあらかじめ、内容(重要度)に応じた決裁区分を定めておくこととする。)
監督職員がその権限を行使する時は、書面により行うものとする。ただし、緊急を要する場合は監督職員が、受注者に対し口頭による指示等を行えるものとする。口頭による指示等が行われた場合には、後日書面により監督職員と受注者の両者が指示内容等を確認するものとする。
Ⅱ
工事一時中止に係るガイドライン(案)
Ⅱ-1 工事一時中止に係るガイドライン(案)
Ⅱ-2 工事一時中止に伴う増加費用の取扱いについて
平成28年4月
福井県 土木部 36
Ⅱ-1 工事一時中止に係るガイドライン(案)
1.ガイドライン策定の背景
2.工事の一時中止に係わる基本フロー
3.発注者の中止指示義務
4.工事を中止すべき場合
5.中止の指示・通知
6.基本計画書の作成
7.工期短縮計画書の作成
8.請負代金額又は工期の変更
・請負代金額の変更
・工期の変更
9.増加費用の考え方
(1)本工事施工中に中止した場合
(2)工期短縮を行った場合
(3)契約後準備工着手前に中止した場合
(4)準備工期間に中止した場合
10.増加費用の設計書及び事務処理上の扱い
・設計書における扱い
・事務処理上の扱い
1.ガイドライン策定の背景
◆工事発注の基本的考え方
○工事の発注に際しては、地元設計協議、工事用地の確保、占用事業者等協議、関係機関協議を整え、適正な工期を確保し、発注を行うことが基本となる。
◆工事発注の現状
○円滑かつ効率的な事業執行を図るため、工事の発注時期の平準化に努めているところであるが、一部の工事で各種協議や工事用地の確保が未完了な場合においてもやむを得ず条件明示を行い、発注を行っている。
○各種協議や工事用地の確保が未完了な状態で発注を行った工事や工事の施工途中で受注者の責に帰することができない事由により施工ができなくなった工事については、工事の一時中止の指示を行わなければならない。
○しかし、一部の工事において一時中止の指示を行っていない工事も見受けられ、受注者の現場管理費等の増加や配置技術者の専任への支障が生じているといった指摘があるところである。
◆ガイドライン(案)の策定
○これらの課題を踏まえ、受発注者が工事一時中止について、適正な対応を行うためにガイドライン(案)を策定するものである。
2.工事の一時中止に係る基本フロー
受注者 発注者
工事施工不可要因の発見
※必要に応じて工事一時中止「協議」
工事発注
工事施工不可要因の発生
工事の一時中止を検討
【発注者の中止指示義務】
中止の対象となる工事内容、工事区域、中止期間の見通しおよび工事現場を適正に維持管理するために、最小限必要な管理体制等の基本的事項を指示する
中止の必要有り
【工事を中止すべき場合】
【基本計画書の作成】
基本計画書の提出
・工事中止に伴う増加費用※
・必要工期
「協議」
中止の指示・通知
【工事中止の通知】
工期短縮が可能であるか
工期短縮が可能
【工期短縮計画書の作成】
工期短縮計画書の提出
工期短縮の要請「協議」
工期短縮不可の場合、その旨を「回答」
「協議」
工期短縮必要
工事再開通知
・工期短縮の必要性判断
工期短縮不要
・工期短縮に伴う増減費用※
【増加費用の考え方】
変更が
請負代金・工期の変更 必要
工事請負代金・工期変更の検討
【請負代金額又は工期の変更】
中止期間
3ヶ月以内
中止期間が3ヶ月を超えるなど、標準積算によりがたい
変更は不要
標準積算によりがたい場合は、別途、見積による積上げ積算とする。
標準積算 見積積算
増加費用は、一時中止にかかる費用計上の他、工期短縮を行った場合は、それに必要な費用を適切に計上する。
受 発 注 者 間 協 議
契 約 変 更
※概算費用は、参考値であり契約時点の費用を拘束するものではない。
工事完成 39
3.発注者の中止指示義務
◆受注者の責に帰することができない事由により工事を施工できないと認められる場合には、発注者が工事の全部または一部の中止を速やかに書面にて命じなければならない。
◇受注者は、工事施工不可要因を発見した場合、速やかに発注者と協議を行う。発注者は、必要があれば速やかに工事中止を指示する。
【関係法令:契約約款第20条】
※以降の一時中止に係る事項については、全部または一部中止とも同様の考えとする。
◇受注者の帰責事由によらずに工事の施工ができないと認められる場合
◇発注者は、工事の中止を受注者に命じ、工期または請負代金額等を適正に確保する必要がある
◇受注者は、工事を施工する意志があっても施工することができず、工事が中止状態となる
◇このような場合に発注者が工事を中止させなければ、中止に伴い必要とされる工期または請負代金額の変更は行われず、負担を受注者が負うこととなる
◇工事請負契約約款第16条に規定する発注者の工事用地等確保の義務、第18条に規定する施工条件の変化等における手続と関連する
◇このことから、発注者および受注者の十分な理解のもとに適切に運営されることが望まれる
注)1 工事の一時中止期間における、主任技術者および監理技術者の取り扱いについては以下のとおり。
・工事を全面的に一時中止している期間は、専任を要しない期間である。
・受注者の責によらない理由により工事中止または工事内容の変更が発生し、大幅な工期延期※となった場合は、技術者の途中交代が認められる。 【監理技術者制度運用マニュアル:国土交通省総合政策局】
※大幅な工期延期とは、工事請負契約約款(受注者の解除権)第48条1項(2)を準拠して、「延期期間が当初工期の10分の5
(工期の10分の5が6月を超えるときは、6月)を超える場合」を目安とする。 40
4.工事を中止すべき場合
◆受注者の責に帰すことができない事由により工事を施工できないと認められる場合は、
「①工事用地等の確保ができないこと等のため受注者が工事を施工できないと認められるとき」と「②暴風、豪雨、洪水、高潮、地震、地すべり、落盤、火災、騒乱、暴動その他の自然的又は人為的な事象であって受注者の責に帰すことができないものにより工事目的物等に損害を生じ、もしくは工事現場の状態が変動したため、受注者が工事を施工できないと認められるとき」の2つが規定されている。 【関係法令:契約約款第20条】
◆上記の2つの規定以外にも、発注者が必要があると認めるときは、工事の全部または一部の施工を一時中止することができる。
※一時中止を指示する場合は、「施工できないと認められる状態」にまで達していること が必要であり、「施工できないと認められる状態」は客観的に認められる場合を意味する。
①工事用地等の確保ができない等のため
工事を施工できない場合
○発注者の義務である工事用地等の確保が
行われないため(工事請負契約約款第16条)施工できない場合
○設計図書と実際の施工条件の相違または設計図書の不備が発見されたため(工事請負契約約款第18条)施工を続けること
が不可能な場合・・・等
②自然的または人為的な事象のため工事を
施工できない場合
○「自然的または人為的事象」は、埋蔵文
化財の発掘又は調査、反対運動等の妨害活動も含まれる
○「工事現場の状態の変動」は、地形等の物理的な変動だけでなく、妨害活動を行う者による工事現場の占拠や著しい威嚇
行為も含まれる
5.中止の指示・通知
◆発注者は、工事を中止するにあたっては、中止対象となる工事の内容、工事区域、中止期間の見通し等の中止内容を受注者に通知しなければならない。
【関係法令:契約約款第20条】
また、工事現場を適正に維持管理するために、最小限必要な管理体制等の基本事項を指示することとする。
発注者の中止権
◇発注者は、「必要があると認められる」ときは、任意に工事を中止することができる。
※ 「必要があると認められる」か否か、中止すべき工事の範囲、中止期間については発注者の判断
◇発注者が工事を中止させることができるのは
工事の完成前に限られる。
受注者による中止事案の確認請求
◇受注者は、受注者の責に帰すことができない工事施工不可要因を発見した場合は、工事の
中止について発注者と協議することができる。
工事の中止期間
◇受注者は、中止期間が満了したときは、工事を再開することとなるが、通常、中止の通知時点では中止期間が確定的でないことが多い。
◇このような場合、工事中止の原因となっている事案の解決にどのくらい時間を要するか実現可能な計画を立て、工事を再開できる時期を通知する必要がある。
◇そして発注者は、施工一時中止している工事について施工可能と認めたときに工事の再開を指示しなければならない。
◇このことから、中止期間は、一時中止を指示したときから一時中止の事象が終了し、受注者が工事現場に入り作業を開始できると認められる状態になったときまでとなる。
6.基本計画書の作成
◆工事を中止した場合において、受注者は中止期間中の工事現場の維持・管理に関する基本計画書を発注者に提出し協議のうえ、承諾を得るものとする。
【土木工事共通仕様書第1編1-1-13】
※実際に施工着手する前の施工計画作成中および測量等の準備期間中であっても、現場の維持・管理は必要であることから基本計画書を提出し、受発注者間で協議する。
◆基本計画書の作成にあたっては、再開に備えての方策や一時中止に伴い発生する増加費用等について、受発注者間で確認し、双方の認識に相違が生じないようにする。
◆一時中止期間の変更や工事内容の変更など基本計画書の内容に変更が生じる場合受注者は変更計画書を作成し、受発注者間で協議する。
◇基本計画書作成の目的
◇中止時点における工事の出来形、職員の体制、労働者数、搬入材料および建設機械器具等の確認に関すること
◇中止に伴う工事現場の体制の縮小と再開に関すること
◇工事現場の維持・管理に関する基本的事項
◇工事再開に向けた方策
◇工事一時中止に伴う増加費用※および算定根拠
◇基本計画書に変更が生じた場合の手続き
※指示時点で想定している中止期間における概算金額を記載する。一部一時中止の場合には、概算費用の記載は省略できる。
管理責任
◇中止した工事現場の管理責任は、受注者に属するものとする。
◇受注者は、基本計画書において管理責任に係る旨を明らかにする。
43
7.工期短縮計画書の作成
◆発注者は一時中止期間の解除にあたり工期短縮を行う必要があると判断した場合は、受注者と工期短縮について協議し合意を図る。
◆受注者は、発注者からの協議に基づき、工期短縮を行う場合はその方策に関する工期短縮計画書を作成し、発注者と協議を行う。
◆協議にあたっては、工期短縮に伴う増加費用等について、受発注者間で確認し、双方の
認識の相違が生じないようにする。
記載内容
◇工期短縮に必要となる施工計画、安全衛生計画等に関すること
◇短縮に伴う施工体制と短縮期間に関すること
◇工期短縮に伴い、新たに発生する費用につい
て、必要性や数量等の根拠を明確にした増加費用を記載
工期の変更
◇受注者は、発注者からの承諾を受けた工期短
縮計画にのっとり施工を実施し、受発注者間で協議した工程の遵守に努める
◇工期短縮に伴う増加費用については、工期短
縮計画書に基づき設計変更を行う
44
8.請負代金額又は工期の変更
◆工事を中止した場合において、「必要があると認められる」ときは、請負代金額または工期が変更されなければならない。
※「必要があると認められるとき」とは、客観的に認める場合を意味する。
◇中止がごく短期間である場合、中止が部分的で全体工事の施工に影響がない等例外的な場合を除き、請負代金額および工期の変更を行う。
請負代金額の変更 工期の変更
◇工期の変更期間は 原則 工事を中止した期
◇発注者は、工事の施工を中止させた場合に請負
代金額の変更では補填し得ない受注者の増加費用、損害を負担しなければならない。
◇増加費用
○工事用地等を確保しなかった場合
○暴風雨の場合など契約の基礎条件の事情変更により生じたもの
◇損害の負担
○発注者に過失がある場合に生じたもの
○事情変更により生じたもの
※増加費用と損害は区別しないものとする
間が妥当である。
◇地震、災害等の場合は、取片付け期間や復興期間に長期を要す場合もある。
◇このことから、取片付け期間や復興に要した 期間を含めて工期延期することも可能である。
45
9.増加費用の考え方
(1)本工事施工中に中止した場合
■増加費用の範囲
◆増加費用等の適用は、発注者が工事の一時中止(部分中止により工期延期となった場合を含む)を指示し、それに伴う増加費用等について受注者から請求があった場合に適用する。
◆増加費用として積算する範囲は、工事現場の維持に要する費用、工事体制の縮小に要する費用、工事の再開準備に要する費用とする。
工事現場の維持に要する費用
◇中止期間中において工事現場を維持しまたは工事の続行に備えて機械器具、労務者または技術職員を保持するために必要とされる費用等
◇中止に係る工事現場の維持等のために必要な受注者の本支店における費用
工事の再開準備に要する費用
◇工事の再開予告後、工事を再開できる体制にするため、工事現場に再投入される機械機器具、労務者、技術職員の転入に要する費用等
工事体制の縮小に要する費用
◇中止時点における工事体制から中止した工事現場の維持体制にまで体制を縮小するため、不要となった機械機器具、労務者、技術職員の配置転換に要する費用等
※本工事とは、工事目的物又は仮設に係る工事
46
(2)工期短縮を行った場合(当初設計から施工条件の変更がない場合)
■増加費用の考え方
①工期短縮の要因が発注者に起因するもの ・・・・・・・・・・【増加費用を見込む】
ex. ・工種を追加したが工期延期せず当初工期のままとした場合
②工期短縮の要因が受注者に起因するもの ・・・・・・・・・・【増加費用は見込まない】
ex. ・工程の段取りにミスがあり、当初工程を短縮せざるを得ない場合
③工期短縮の要因が自然条件(災害等含む)に起因するもの・・・【増加費用を見込む】
ex. ・想定以上の悪天候により、当初予定の作業日数の確保が見込めず工期延期が必要であるが、何らかの事情により、工期延期ができない場合
・自然災害で被災※を受け、一時作業ができなくなったが、工期延期をせず、当初工期のまま施工する場合
※災害による損害については、工事請負契約書第29条(不可抗力による損害)に基づき対応
■増加費用を見込む場合の主な項目の事例
◇当初昼間施工であったが、工種追加により夜間施工を追加した場合は、夜間施工の手間に要する費用。
◇パーティー数を増加せざるを得ず、建設機械等の台数を増加させた場合に要する費用。
◇その他、必要と思われる費用。
※増加費用の内訳については、発注者と受注者で協議を行うものとする。
47
■中止に伴う増加費用の算定
◆増加費用の算定は、受注者が基本計画書に従って実施した結果、必要とされた工事現場の維持等の費用の明細書に基づき、費用の必要性・数量など受発注者間で協議して行う。
◆増加費用の各構成費目は、原則として、中止期間中に要した費目の内容について積算する。再開以降の工事にかかる増加費用は、従来どおり設計変更で処理する。
◆一時中止に伴い発注者が新たに受け取り対象とした材料、直接労務費及び直接経費に係る費用は、該当する工種に追加計上し、設計変更により処理する。
増加費用等の構成
◇中止期間中の現場維持等に要する費用は、工事原価内の間接工事費の中で計上し、一般管理費等の対象とする。
直接工事費
純工事費
工事原価
共通仮設費
工事価格
間接工事費
現場管理費
※
請負工事費 一般管理費等
消費税相当額
中止期間中の現場維持
等の費用
+
工期短縮により増加する費用
※一時中止に伴う本支店における増加費用を含む
48
標準積算により算定する場合、中止期間中の現場維持等に関する費用として積算する内容は、積上げ項目及び率項目とする。
積上げ項目
◇直接工事費、仮設費及び事業損失防止施設 費における材料費、労務費、水道光熱電力 等料金、機械経費で現場維持等に要する費用
○直接工事費に計上された材料(期間要素を考慮した材料)および仮設費に計上された仮設材等の中止期間中に係る損料額および補修費用
○直接工事費(仮設費を含む)および事業損失防止費における項目で現場維持等に要する費用
率で計上する項目
◇運搬費の増加費用
○現場搬入済みの建設機械の工事現場への搬出または工事現場への再搬入に要する費用
○大型機械類等の現場内小運搬
◇安全費の増加費用
○工事現場の維持に関する費用
※保安施設、保安要員の費用及び火薬庫、火工品庫の保安管理に要する費用
◇役務費の増加費用
○仮設費に係る土地の借り上げ等に要する費用、電力および用水等の基本料金
◇営繕費の増加費用
○現場事務所、労務者宿舎、監督員詰所および火薬庫等の営繕損料に要する費用
◇現場管理費の増加費用
○現場維持のために現場へ常駐する社員等従業員給料手当および労務管理費等に要する費用
注)・標準積算は工事全体の一時中止(主たる工種の部分中止により工期が延期となった場合を含む) に適用し、道路維持工事または河川維持工事のうち経常的な工事である場合、および一時中止期間が
3ヶ月を超える場合は適用不可
・標準積算によりがたい場合は、別途、見積による積上積算とする。
49
■増加費用の積算
◆増加費用は、原則、工事目的物又は仮設に係る工事の施工着手後を対象注)に算定することとし、算定方法は下記のとおりとする。
ただし、中止期間3ヶ月※以内は標準積算により算定し、中止期間が3ヶ月を超える場合、道路維持工事または河川維持工事のうち経常的な工事である場合など、標準積算によりがたい場合は、受注者から増加費用に係る見積を求め、受発注者間で協議を行い増加費用を算定する。
※標準積算の適用範囲は、積算基準策定時に検証したケースが3ヶ月程度までであることから、「中止期間3ヶ月以内」としている。
※見積を求める場合、中止期間全体にかかる見積(例えば中止期間4ヶ月の場合、4ヶ月分の見積)を徴収する。
注)増加費用の算定(請負代金額の変更)は、施工着手後を原則とし、施工着手前の増加費用に関する受発注者間のトラブルを回 避するため、契約図書に適切な条件明示(用地確保の状況、関係機関との協議状況など、工事着手に関する条件)を行うとともに、施工計画打合せ時に、現場事務所の設置時期などを確認し、十分な調整を行うこと。
工事一時中止に伴う積算方法(標準積算による場合)
◇中止期間中の現場維持等の費用(単位円 1,000円未満切り捨て) G = dg × J + α
dg:一時中止に係る現場経費率(単位 % 少数第4位四捨五入3位止め)
J :対象額(一時中止時点の契約上の純工事費)(単位 円 1,000円未満切り捨て) α :積上げ費用(単位 円 1,000円未満切り捨て)
一時中止に係る現場経費率(dg)
dg=A{(J/(a×Jb+N))Bー(J/(a×Jb))B}+(N×R×100)/J N:一時中止日数(日)ただし、部分中止の場合は、部分中止に伴う工期延期日数 R:公共工事設計労務単価(土木一般世話役)、A・B・a・b:各工種毎に決まる係数(別表ー1)
◇土木工事標準積算基準書における入力項目
○J:一時中止時点の契約上の純工事費 ○N:一時中止日数 ○α:積上げ費用
50
別表-1
※地域補正: 地方部(一般交通等の影響なし)
地方部(一般交通等の影響有)、山間僻地離島 51
市街地(DID地区・準ずる地区)
(3)契約後準備工着手前に中止した場合
◆契約後準備工着手前とは、契約締結後で、現場事務所・工事看板が未設置、材料等が未搬入の状態で測量等の準備工に着手するまでの期間をいう。
◆発注者は、上記の期間中に、準備工又は本工事の施工に着手することが不可能と判断した場合は、工事の一時中止を受注者に通知する。
契約締結
当初契約工期
施工計画作成期間
準備工期間
本工事施工期間
後片付け期間
契約締結
変更契約工期
施工計画作成期間
中止期間
準備工期間
本工事施工期間
後片付け期間
◇基本計画書の作成
○工事請負契約約款の工事用地の確保等第16条2項に「受注者は、確保された工事用地等を善良な管理者の注意をもって管理しなければならない」とある。
○このことから、受注者は必要に応じて、「工事現場の維持・管理に関する基本的事項」を記載した基本計画書を発注者に提出し、承諾を得る。
◇増加費用
○一時中止に伴う増加費用は計上しない。
52
(4)準備工期間に中止した場合
◆準備工期間とは、契約締結後で、現場事務所・工事看板を設置し、測量等の本工事施工前の準備期間をいう。
◆発注者は、上記の期間中に、本体工事に着手することが不可能と判断した場合は、工事の一時中止を受注者に通知する。
契約締結
当初契約工期
施工計画作成期間
準備工期間
本工事施工期間
後片付け期間
契約締結
変更契約工期
施工計画作成期間 準備工期間
中止期間
準備工期間
本工事施工期間
後片付け期間
◇基本計画書の作成
○受注者は、「工事現場の維持・管理に関する基本的事項」を記載した基本計画書に必要に応じて概算費用を記載※した上で、その内容について発注者と協議し同意を得る。
※概算費用は、請求する場合のみ記載する。
※概算費用は、参考値であり契約時点の費用を拘束するものではない。
◇増加費用
○増加費用の適用は、受注者から請求があった場合に適用する。
○増加費用は、安全費(工事看板の損料)、営繕費(現場事務所の維持費、土地の借地料)および現場管理費(監理技術者もしくは主任技術者、現場代理人等の現場従業員手当)等が想定される。
○増加費用の算定は、受注者が「基本計画書」に基づき実施した結果、必要とされた工事 現場の維持等の費用の「明細書」に基づき、費用の必要性・数量など受発注者が協議して
決定する。(積算は受注者から見積を求め行う。) 53
10.増加費用の設計書及び事務処理上の扱い
■増加費用の設計書における取扱い
◆増し分費用は、中止した工事の設計書の中に「中止期間中の現場維持等の費用」として原契約の請負工事費とは別計上する。
◆ただし、設計書上では、原契約に係る請負工事費と増し分費用の合算額を請負工事費とみなす。
■増加費用の事務処理上の取扱い
◆増し分費用は、原契約と同一の予算費目をもって、設計変更の例にならい、更改契約するものとする。
◆増し分費用は、受注者の請求があった場合に負担する
◆増し分費用の積算は、工事再開後速やかに受発注者が協議して行う。
Ⅱ-2 工事一時中止に伴う増加費用の取扱いについて
1.増加費用に関する基本事項
2.工事一時中止の区分
3.全体中止と部分中止の積算内容の違い
4.請求の流れ及び適用範囲
5.工事一時中止に伴う積算方法(標準積算による場合)
6.工事一時中止に伴う増加費用等の積み上げ例(3ヶ月超える場合)
7.基本計画書の作成例
8.工事請負代金変更請求の作成例(1)
9.工事請負代金変更請求の作成例(2)
10.工事請負代金変更請求の作成例(3)
11.工事請負代金変更請求の作成例(4)
12.工事請負代金の構成(1)
13.工事請負代金の構成(2)
1.増加費用に関する基本事項
増加費用に関する基本事項
対象工事 | 発注者が、契約約款20条の3項の負担額を負担する工事は下記条件を満たす工事とする。 ○予測し難い理由により中止した工事 ○施工途中にある工事の主要部分を長期にわたって(指示した期間)中止した工事 ○著しい増し分費用が生じた工事 |
増加費用として積算する範囲 | ○工事現場の維持に要する費用 ○工事体制の縮小に要する費用 ○工事の再開準備に要する費用 |
増加費用の算定 | ○増加費用の算定は、受注者が基本計画書に従って実施した結果、必要とされた工事現場の維持等の費用の明細書に基づき、費用の必要性・数量など発注者と受注者が協議して行う。 ○各構成費目は、原則として中止期間中に要した費用の内容について積算する。 ※再開以降の工事にかかる増加費用は従来どおり設計変更で処理する。 |
2.工事一時中止の区分
全部中止と一部一時中止の違い
「一時中止」と「一部一時中止」
工事請負契約書
工事請負契約約款(第20条)では、工事用地等の確保ができない等のため又は暴風、豪雨等、自然的又は人為的な事象であって、乙の責に帰すことができないものにより、乙が工事を施工できないと認められるときは、甲は、工事の中止内容を直ちに乙に通知することとされている。
工事の一時中止には、①工事の全部を中止する場合(一時中止)、②工事の一部を中止する場合(一部一時中止)があり、契約上の取扱いや、増し分費用の計上方法が異なる。
工事一時中止 ①工事全体の一時中止 標準積算
(契約書
②一部一時中止(主たる工種の一時中止)
・維持工事のうち経常的な工事である場合
・中止期間が3箇月を超える場合
標準積算外(見積りによる積上げ積算)
一部一時中止の場合の増し分費用について
中止がごく短期間である場合、中止が部分的で全体工事の施工に影響がない等例外的な場合を除き、
請負金額及び工期の変更を行う。(主たる工種は工事費構成比率が最大の工種のみを指すものではない)
一時中止 (工事全体の中止) | 一部一時中止 (主たる工種の中止) | |
中止の範囲 | 工事範囲全体 | 工事範囲において工事が施工できない部分 (中止の通知の際に図面に中止箇所を図示) |
技術者の専任 | 工事を全面的に一時中止している期間は専任を要しない。 | 工事施工期間は専任が必要。 |
契約解除できる時期 (契約約款第48条) | 中止期間が工期の10分の5を超えるとき。 (工期の10分の5が6ヶ月を超えるときは6ヶ月) | 中止部分を除いた他の部分の工事が完了した後 3月を経過しても、なおその中止が解除されないとき。 |
工期変更 | 原則として、中止期間分を 工期延期することが考えられる | 一部一時中止に伴う影響期間について工期延期する |
増し分費用の算定方法 | 中止期間が3ヶ月以内の場合は標準積算(率式)による G = dg × J + α dg:一時中止に係る現場経費率(単位:% 少数第4位四捨五入3位止め) J :対象額(一時中止時点の契約上の純工事費)(単位:円 1,000円未満切り捨て) α :積上げ費用(単位:円 1,000円未満切り捨て) 一時中止に係る現場経費率(dg) dg=A{(J/(a×J^b+N ))^B-(J/(a×J^b))^B}+{(N×R×100)/J} N :一時中止日数 R:公共工事設計労務単価(土木一般世話役) A・B・a・b:各工種毎に決まる係数 | |
Nは一時中止日数 | Nは一部一時中止に伴う工期延期日数 |
3.全体中止と部分中止の積算内容の違い
算定方法の違い
中止期間が3ヶ月以内の場合 →標準積算 中止期間が3ヶ月を超える場合 →全て積上げ積算
○率計上項目は、標準積算(率計上)とする。(社員等給与、現場事務所費用等)
※標準積算の率計上項目の対象日数は「中止期間のN」を用いる。
○率計上項目以外は積上げ積算する。(材料の保管費用、仮設諸機材の損料等)
(
※積上げ積算の対象期間は「中止期間」とする。
工一事
一時中止 | 変更 | |||
一時中止 | 変更 | |||
中止期間における現場維持のための社員等 |
時全
中体 工種A(主たる工種)
が
止中 工種B(その他工種)
止
○全ての増加費用を積上げ積算する。
(社員等給与、現場事務所費用等 + 材料の保管費用、仮設諸機材の損料等)
※積上げ積算の対象期間は「中止期間」とする。
)
中止期間:N(日)
①率計上項目は、標準積算(率計上)する。(社員等給与、現場事務所費用等)
※標準積算の率計上項目の対象日数は「工事延期期間N’」を用いる。
②率計上項目以外は積上げ積算する。(材料の保管費用、仮設諸機材の損料等)
(
※積上げ積算の対象期間は「中止期間」とする。
一時中止 | 変更 | |||
現場代理人・管理技術者 (中止期間における現場維持のための社員等) |
主一た部る
一工 工種A(主たる工種)
時種
中が 工種B(その他工種)
止中
)
止
中止期間
標準積算:② 標準積算以外:③
③全ての増加費用を積上げ積算する。
(社員等給与、現場事務所費用等 + 材料の保管費用、仮設諸機材の損料等)
※積上げ積算の対象期間は「中止期間」とする。
N’(日):一部中止に伴う工期延期期間
※数量増による工期延期日数は除く
標準積算①の率計算に用いる日数
※工期延期により工期が出水期にかかってしまった場合:出水期間における現場維持
等に必要な費用(仮設費用、運搬費用、現場巡視等)は設計変更により計上する。 58
4.請求の流れ及び適用範囲
工事一時中止の増し分費用について
発注者は、中止の対象となる工事内容、工事区域、中止期間の見通し等の中止内容を通知する。また、工事現場を適正に維持管理するために、最小限必要な管理体制等の基本的事項を指示する。
★「中止の時期」の確認
★中止期間の見通しの確認 →特に常駐させる技術者等の取扱いに留意
基本計画書の提出・承諾(受注者→発注者)
工事中止の通知・指示(発注者→受注者)
★は留意事項
増加費用の範囲
(1)現場維持に要する費用
イ.工事現場の維持に要する費用ロ.工事体制の縮小に要する費用ハ.工事の再開・準備に要する費用
(2)本支店における増し分費用・・・・・・・・一般管理費として率計上される
★実施内容を明記(→積算に反映される)
工事再開の通知(発注者→受注者)
基本計画書に基づく工事現場の維持・管理(受注者が実施)
★管理責任の所在を明記
★実施内容の証明(増加費用の明細書、作業報告等)
中止期間中の現場維持等に要する費用
は、本工事施工中において3ヶ月以内の一時中止の場合の率計上項目
イ 材料費 | ① 材料の保管費用 |
② 他の工事現場へ転用する材料の運搬費 | |
③ 直接工事費に計上された材料の損料等 | |
ロ 労務費 | ① 工事現場の維持等に必要な労務費 中止後の労務費は、トンネル、潜函等を除き、原則として計上しない。 |
② 他職種に転用した場合の労務費差額 | |
ハ 水道光熱 電力等料金 | 現場に設置済の施設を維持等のために指示あるいは協議により中止期間中稼働させるために要する水道光熱電力等費用 |
ニ 機械経費 | ① 工事現場に存置する機械の存置費用、運転費用 |
ホ 運搬費 | ① 工事現場外への搬出又は工事現場への再搬入に要する費用 |
② 大型機械類等の現場内運搬 | |
ヘ 準備費 | 通常の準備作業を超える跡かたづけ、再開準備に要する費用で指示あるいは協議により必要と認めたものは、別途積上げにより計上する |
ト 仮設費 | ① 仮設諸機材の損料 |
② 新たに必要となった工事現場の維持等に要する費用 | |
チ 事業損失防止施設費 | |
仮設費に準じて積算した費用 | |
リ 安全費 | ① 既存の安全設備に係る費用 |
② 新たな工事現場の維持等に要する安全費 | |
ヌ 役務費 | ① プラント敷地、材料置場等の敷地の借上げ料 |
② 電力・水道等の基本料 | |
ル 技術管理費 原則として増し分費用は計上しない。 | |
ヲ 営繕費 | 現場に設置済の営繕施設のうち元設計に計上されたものと同等と認められる営繕施設の中止期間に係る維持費、補修費及び損料額 等 |
ワ 労務者輸送費 | 元設計が、営繕費、労務者輸送費を区分して積算している場合において、受発注者協議により認められた労務者を一括通勤させる場合の通勤費用 |
カ 社員等従業員給料手当 | |
中止期間中の工事現場の維持等のために、受発注者協議により定めた費用 | |
ヨ 労務管理費 | ① 他の工事現場へ転出入する労務者の転出入に要する費用 |
② 解雇・休業手当を払う場合の費用 | |
タ 地代 | 現場管理費の内、営繕費に係る敷地の借上げに要する費用等として現場管理費率の中に計上されている地代の中止期間中の費用 |
レ 福利厚生費等 | 現場管理費の内、現場従業員に係る退職金、法定福利費、福利厚生費、通信交通費として現場管理費率の中に計上されている費用の中止期間中の費用 |
※H4.3.19 「工事の一時中止に伴う増加費用等の積算上の取扱いについて」より抜粋
★中止期間の確定(部分中止の場合は、部分中止に伴う工期延期日数)
★増し分費用の協議
工事請負代金・工期変更の請求(受注者→発注者)
★増加費用の適用は受注者からの請求があった場合に適用
標準積算(増加費用G=dg×J +α)または積上げ積算
59
※増加費用の算定は、受注者が作成する「基本計画書」に従って実施した結果、実際に要した工事現場の維持費用の「明細書」に基づき、官積算をするものとする。
なお、費用の必要性・数量などは発注者・受注者が協議して決定するものとする。
積上げ積算
※右表項目について費用の明細書に基づき受発注者協議
3ヶ月を超える
α:積上げ積算
※右表項目(率分除く)について
費用の明細書に基づき受発注者協議
率(dg)×対象額(J)で計上 dg:一時中止に係る現場経費率 J:中止時点の純工事費
注1)全部中止の場合に適用(主たる工種の部分中止により工期延期になった場合を含む)
注2)経常的な維持工事等は全て積上げ
積上げ積算
※右表項目について費用の
明細書に基づき受発注者協議
【積算例】
○安全費
・工事看板損料
○営繕費
・現場事務所の維持費
・土地の借地料
○現場管理費
・現場従業員手当等が想定される
増加費用は計上しない。
※全部中止の場合は技術者の専任の解除
※中止期間が工期の 1/2(6ヶ月)を超えた場合等は契約の解除権が発生
~3ヶ月以内
中止期間
本工事施工中
準備工期間
現場事務所・工事看板を設置し、測量等の本工事前の準備期間
契約後準備工着手前契約締結後で、現場事務所・工事看板が未設置、材料等が未手配の状態で測量等の準備工に着手するまでの期間
中止の時期
5.工事一時中止に伴う積算方法(標準積算による場合)
◆中止期間中の現場維持等の費用(単位 円 1000円未満切り捨て) G=dg×J+α
dg:一時中止に係る現場経費率(単位 % 少数第4位四捨五入3位止め)
J:対象額(一時中止時点の契約上の純工事費)(単位 円 1000円未満切り捨て) α:積み上げ費用(単位 円 1000円未満切り捨て)
dg=A{(J/(a×J^b+N))^B-(J/(a×J^b))^B}+{(N×R×100)/J} N:一時中止日数(日)ただし、部分中止の場合は、部分中止に伴う工期延期日数 R:公共工事設計労務単価(土木一般世話役)
A・B・a・b:各工種毎に決まる係数(別表ー1)
A= | 河川・道路構造物 180.4 | (地方部(一般交通等の影響なし)) |
B= | -0.1562 | |
a= | 0.8251 | |
b= | 0.3075 | |
J= | 1,000,000,000 | 一時中止時点の契約上の純工事費 |
N= | 90 | 一時中止日数 |
R= | 23,000 | 公共工事設計労務単価(土木一般世話役)(例:東京) |
α= | 0 | 積み上げ費用 |
純工事費 | dg | G |
100,000,000 | 3.297 | 3,297,000 |
300,000,000 | 1.496 | 4,488,000 |
500,000,000 | 1.075 | 5,375,000 |
1,000,000,000 | 0.710 | 7,100,000 |
dg=A{(J/(a×J^b+N))^B-(J/(a×J^b))^B}+{(N×R×100)/J}
dg= 0.710240909
0.710 %
G=dg×J+α
G= 7,100,000
少数第4位四捨五入
3位止め
1000円未満切り捨て
中止90日、積み上げ分0円の場合の “G(中止期間中の現場維持等の費用)”
7,100,000
60
6.工事一時中止に伴う増加費用等の積み上げ例(3ヶ月超える場合)
工 事 名:○○○電線共同溝工事
当 初 工 期:平成○○年○○月○○日~平成○○年○○月○○日(○○○日間)当初契約金額:¥○○○,○○○,○○○-
一時中止内容:現地調査の結果、特殊部・管路の施工不能箇所の調整及び支障物件移設等に占用企業との調整に時間を要するため工事を一時中止する
一時中止期間:平成○○年○○月○○日~平成○○年○○月○○日(○○○日間)
受注者 発注者
中止の対象となる工事内容、工事区域、中止期間の見通しおよび工事現場を適正に維持管理するために、最小限必要な管理体制等の基本的事項を指示する
中止の必要有り
【発注者の中止指示義務】
【工事を中止すべき場合】
【基本計画書の作成】
基本計画書の提出
中止の指示・通知
【工事中止の通知】
承諾
工事再開通知
工事請負代金・工期変更の請求
【増加費用の考え方】
請負代金・工期の変更
変更が必要
工事請負代金・工期変更の検討
【請負代金額または工期の変更】
中止期間
3ヶ月以内
中止期間が3ヶ月を超える場合
変更は不要
標準積算 基本計画書に
基づく実費精算 61
7.基本計画書の作成例
準備工期間中に工事中止となった場合の基本計画書及び請求資料の作成例
○○○電線共同溝工事
2.中止期間中の業務
1)現場点検の実施
一般者及び歩行者が円滑に通行できるよう、1日1回以上の現場点
検を実施する。不具合発生時には、○○○出張所に報告するとともに、緊急処置のできる体制を整えておく。
常 駐非専任
現場作業が無い、又は、非専任の場合は、給与等の請求はできない
平成○○年○○月○○日
○○○株式会社 ○○支店
2)緊急時の対応
震度4以上の地震発生時及び台風や積雪等による警報発令時には、現場点検を実施するとともに、別紙による緊急時の体制を築き、災害に対する対応・災害防止のための処置をとるものとする。
3)中止期間中の実施作業
中止解除(現場着工)時に円滑に工事が実施できるように、下記業務を実施する。
・現地調査
工事区間内の現状について、測量及び地下埋設物件等の調 査を行い、変更の必要が生じた場合は、監督職員と協議する。
・試掘の立会
企業者の試掘に対し、すべて立会い埋設箇所の確認を行う。
代理人及び監理技術者が対応できない業務が発生した場合、 ○○○出張所と協議のうえ、社員を増員します。
・施工計画書の作成
現場着工に向けた施工計画書の作成を行い、監督職員の承認を得る。
・道路調整会議の出席
・道路工事等協議書の作成
現場着工に向けた道路工事等協議書を作成する。
中止期間中の業務内容を明記 中止期間中の現場体制を明記
一時中止に伴う増し分費用の基礎資料
62
8.工事請負代金変更請求の作成例(1)
平成○○年○○月○○日
○○事務所長
○○ ○○
○○株式会社 ○○支店
○○○役員
支店長 ○○
○○
印
平成○○年○○月○○日付けで契約を締結しました標記工事について、平成○○年○月○
日から工事の一時中止を受け、平成○○年○○月○○日に工事の一時中止の解除通知を受けましたので、一時中止に伴い現場維持等に要した費用を請求します。
(○○○日間)
平成○○年○○月○○日から平成○○年○○月○○日まで
(○○○電線共同溝工事)
平成○○年○○月○○日
○○事務所長
○○ ○○
○○株式会社 ○○支店
○○○役員
支店長 ○○
○○
印
別紙資料①~②
資料1
(平成○○年○○月~平成○○年○○月)
資料2
(平成○○年○○月~平成○○年○○月)
(○○○電線共同溝工事)
◎増加費用の請求書例
9.工事請負代金変更請求の作成例(2)
工事一時中止に伴う増加費用等の見積もり
当初契約金額 ¥○○○,○○○,○○○
税抜契約金額 ¥○○○,○○○,○○○
増加金額 ¥ 3,629,624
税抜増加金額 ¥ 3,456,785
○○○○株式会社 ○○支店
工 事 名 | ○○○○○電線共同溝工事 | ||
工事場所 | 自)○○県○○市○○ | ||
至)○○県○○市○○ | |||
当初工期 | 自)平成○○年○○月○○日 | 一時中止期間 | 自)平成○○年○○月○○日 |
至)平成○○年○○月○○日 | 至)平成○○年○○月○○日 | ||
(750日間) | (129日間) |
◎増加費用の見積もり書例
例えば)
(1)現場代理人等の給料について
①当該現場での作業内容
②給与等の内訳書
③給与明細等の資料
妥当性の確認ができた項目を積み上げる
(例では、全て確認出来た場合、1,000円未満を切り捨てた3,456,000円を増加費用として計上)
(2)福利厚生費、通信交通費、営繕費について
①経費別支払調書
②事務用品の証明書類の提出
③経費支払い集計調書
工事一時中止に伴う増加費用等の見積もり
※見積もりに対する妥当性の確認が出来る証明書類の提出が必要
工事名 | ○○○○○電線共同溝工事 | |||||
規格 | 単位 | 数量 | 単価 | 金額 | 摘要 | |
一時中止に伴う増し分費用 | 式 | 1 | 3,456,785 | |||
(1)現場管理費 | 式 | 1 | 3,456,785 | |||
・従業員給料手当 | 式 | 1 | 3,094,485 | |||
現場代理人 | 月 | 4.3 | 506,809 | 2,179,279 | ||
監理技術者 | 月 | 1.3 | 704,005 | 915,207 | ||
・福利厚生費 | 式 | 1 | 35,498 | |||
・事務用品費 | 式 | 1 | 50,935 | |||
・通信交通費 | 式 | 1 | 112,835 | |||
・現場事務所費 | 式 | 1 | 163,032 | |||
合計 | 3,456,785 | |||||
10.工事請負代金変更請求の作成例(3)
◎増加費用の見積もり根拠資料例
(1)現場代理人等給料について【資料1】
現場代理人 | 監理技術者 |
①当該現場での作業内容
現場着手の目処が
立ったことから、
○月に変更基本計画書を提出し、監理技術者を専任に
【監理技術者 ○○ ○○】
③給与明細等の資料(各月の給与明細書、前年の源泉徴収票等)
○○○㈱ ○○支店
65
変更した
中止期間中報告書 ○月 総括表
②給与等の内訳書
※工事中止に伴い、監理技術者の専任を解除。工事再開の約1ヶ月前から専任を再開。
(別途変更基本計画書を提出 )
月別給与支給明細書
給与 | 超勤手当 | 賞与配賦金 | 給与手当小計 | |
○月 | 369,900 | 110,147 | 102,825 | 582,872 |
○月 | 369,900 | 0 | 102,825 | 472,725 |
○月 | 369,900 | 23,725 | 102,825 | 496,450 |
○月 | 369,900 | 5,932 | 102,825 | 478,657 |
○月(9日分) | 109,103 | 753 | 38,717 | 148,573 |
合 計 | 1,588,703 | 140,557 | 450,017 | 2,179,277 |
対象期間平均 | 369,466 | 32,688 | 104,655 | 506,809 |
【現場代理人 ○○ ○○】
月 | 日 | 曜日 | 作業の内容 |
○年 ○月 | 1 | 金 | 工事の一次中止指示 |
2 | 土 | ||
3 | 日 | ||
4 | 月 | 現地調査(現地測量) | |
5 | 火 | 現地調査(現地測量) | |
6 | 水 | 現地調査(現地測量) | |
7 | 木 | 現地調査(現地測量) | |
8 | 金 | 現地調査(現地測量) | |
9 | 土 | ||
10 | 日 | ||
11 | 月 | 現地調査(現地測量) | |
12 | 火 | 現地調査(現地測量) | |
13 | 水 | 現地調査(支障物等の確認) | |
14 | 木 | 現地調査(支障物等の確認) | |
15 | 金 | 現地調査(支障物等の確認) | |
16 | 土 | ||
17 | 日 | ||
18 | 月 | 現地調査(支障物等の確認) | |
19 | 火 | 現地調査(支障物等の確認) | |
20 | 水 | 現地調査(支障物等の確認) | |
21 | 木 | 現地調査(試掘の立会) | |
22 | 金 | 現地調査(試掘の立会) | |
23 | 土 | ||
24 | 日 | ||
25 | 月 | 特殊部位置の確認(現地照査) | |
26 | 火 | 特殊部位置の確認(現地照査) | |
27 | 水 | 道路調整会議(占用企業者) | |
28 | 木 | 現地調査(試掘の立会) | |
29 | 金 | 特殊部位置の確認(現地照査) | |
30 | 土 | ||
31 | 日 |
給与 | 超勤手当 | 賞与配賦金 | 給与手当小計 | |
○月 | ||||
○月 | ||||
○月 | ||||
○月 | 523,600 | 0 | 180,937 | 704,537 |
○月(9日分) | 158,139 | 0 | 52,530 | 210,669 |
合 計 | 681,739 | 0 | 233,467 | 915,206 |
対象期間平均 | 524,415 | 0 | 179,590 | 704,005 |
11.工事請負代金変更請求の作成例(4)
◎増加費用の見積もり根拠資料例
(2)福利厚生費、通信交通費、営繕費について【資料2】
②事務用品費の証明書類の提出(請求書の例)
○○○株式会社
平成○○年○月○日
○○県○○市○○
○○○電線共同溝工事
○○○株式会社 印
012-345-6789
※○○株式会社使用欄
※○○株式会社使用欄(記入しないでください)
① 経費別支払調書(平成○○年 ○月分)
税抜き金額
項目 | 細別 | 支払先 | 金額 | 備考 | |
事務用品費 | |||||
コピー代 | ○○○○㈱ | 37,000 | |||
通信交通費 | |||||
連絡車 | ㈱○○○○ | 26,300 | |||
現場事務所 | |||||
レンタルハウス | ○○○○㈱ | 38,000 | |||
合 計 | 101,300 |
③ 経費支払い 集計調書
福利厚生費 | 事務用品費 | 通信交信費 | 現場事務所 | |
○月 | 7,850 | 26,300 | 38,000 | |
○月 | 26,300 | 38,000 | ||
○月 | 27,648 | 26,300 | 38,000 | |
○月 | 37,000 | 26,300 | 38,000 | |
○月(9日分) | 13,935 | 7,635 | 11,032 | |
合計 | 35,498 | 50,935 | 112,835 | 163,032 |
12.工事請負代金の構成(1)
増加費用等の構成
◇中止期間中の現場維持等に要する費用は工事原価に含めて計上し、一般管理費等の対象とする。
◇積み上げ計上費用には、請負比率及び合意比率は考慮しないものする。
◇増加費用等についての変更契約は、工事再開後に行う。
【増額費用の計算例】
中止期間が3ヶ月を超える場合 赤字は増額金額
+4,147,200
35,661,600
請負工事費
+3,840,000
33,020,000
工事価格
+307,200
2,641,600
+3,456,000
29,398,802
工事原価
+384,000
3,621,198
一般管理費等
19,590,000
直接工事費
+3,456,000
9,808,802
間接工事費
2,464,125
共通仮設費
7,344,677
現場管理費
+3,456,000
22,054,125
純工事費
消費税相当額
中止期間中の現場維持等の費用
13.工事請負代金の構成(2)
設 計 内 訳 書
工事名 | ○○○○○電線共同溝工事 ( 1 回変更) (包括合意) | 事業区分 | 共同溝・電線共同溝 | |||||
工事区分 | 共同溝 | |||||||
工事区分・工種・種別・細別 | 規格 | 単位 | 数量 | 単価 | 金額 | 数量増減 | 金額増減 | 摘要 |
共同溝 | 式 | 1 1 | 19,590,000 19,590,000 | 0 | 0 | |||
開削土工 | 式 | 1 1 | 19,590,000 19,590,000 | 0 | 0 | |||
掘削工 | 式 | 1 1 | 19,590,000 19,590,000 | 0 | 0 | |||
開削掘削 | m3 | 10,000 10,000 | 1,959 1,959 | 19,590,000 19,590,000 | 0 | 0 | ||
直接工事費 | 式 | 1 1 | 19,590,000 19,590,000 | 0 | 0 | |||
共通仮設費 | 式 | 1 1 | 2,464,125 2,464,125 | 0 | 0 | |||
共通仮設費(率計上) | 式 | 1 1 | 2,464,125 2,464,125 | 0 | 0 | |||
純工事費 | 式 | 1 1 | 22,054,125 22,054,125 | 0 | 0 | |||
現場管理費 | 式 | 1 1 | 7,344,677 7,344,677 | 0 | 0 | |||
中止期間中の現場維持費 | 式 | 0 1 | 0 3,456,000 | 1 | 3,456,000 | ※1 | ||
工事原価 | 式 | 1 1 | 29,398,802 32,854,802 | 1 | 3,456,000 | |||
一般管理費等 | 式 | 1 1 | 3,621,198 4,005,198 | 1 | 384,000 | |||
工事価格 | 式 | 1 1 | 33,020,000 36,860,000 | 1 | 3,840,000 | |||
消費税相当額 | 式 | 1 1 | 2,641,600 2,948,800 | 1 | 307,200 | |||
工事費計 | 式 | 1 1 | 35,661,600 39,808,800 | 1 | 4,147,200 |
※ 1.『中止期間中の現場維持費』には、請負比率及び合意比率を考慮しない。
Ⅲ
設計変更事例集(主な事例)
◆事例の分類
1.工事目的物の形状・寸法や仕様の変更
2.工事目的物の追加
3.施工数量の増減
4.施工方法等(施工場所、施工時期、工法)の変更
5.工事の中止、工事着手時期の変更、工期の変更
※引用文献:「公共土木工事 設計変更事例集」山海堂
1ー1 工事目的物の形状・寸法や仕様の変更
変更事例
用地取得を前提として工事契約した一部分について用地交渉が不調となったため、その区間では設計通りの構造で施工が不可能なことから、用地取得範囲内ですりつけ構造として変更した。
当初設計
・工事用地に関する施工条件として用地取得時期を明示
・予定どおり処理出来ない場合は、監督職員と協議する。
と示されていた。
設計での仕様・施工条件
・一部分について用地交渉が不調。
設計通りの構造での施工は不可能だなあ。
変更設計
・用地取得範囲内ですりつけるよう暫定構造とする。
・変更した設計図書に 基づき変更設計とする。
【契約約款19条(設計図書の変更)】
Point
契約約款第19条(設計図書の変更)では発注者は必要があると認める時は自らの意志で設計図書を変更できるとされており、工事目的物の変更を受注者に通知し、工期または請負代金の変更を行う。
1ー2 工事目的物の形状・寸法や仕様の変更
変更事例
当初想定していた支持地盤が試験杭の施工やボーリング調査結果から強度不足が判明したので、基礎工の構造を変更した。
設計での仕様・施工条件
当初設計
・設計図書には土質柱状図及び支持地盤となる岩盤線が示されていた。
・試験杭の施工や ボーリング調査結果
から強度不足が判明。
支持地盤の強度が不足しているなあ。
変更設計
・試験杭の施工結果より工事一時中止を指示
・ボーリング調査を追加
・土質変更に伴う基礎杭長、基礎杭径等の変更について設計図書に明示
・一時中止の増加費用、ボーリング調査費用および変更設計図書に基づく基礎構造の費用計上
Point
岩盤線推定のためのボーリングはジャストポイントで行われているとは限らないので試験杭で確認することは有効。
71
1ー3 工事目的物の形状・寸法や仕様の変更
変更事例
土質条件が現場と設計で一致せず、薬液注入率を変更した。
設計での仕様・施工条件
当初設計
・当該箇所の土質条件は、設計図書に「土質柱状図」及び「薬液注入工法」が示されていた。
・土質条件が現場と設計で一致しなかった。
土質条件が設計と異なっているので、薬液注入率を見直さなければ。
変更設計
・土質条件の変更を設計図書に明示
・変更後の薬液注入率で費用を計上
Point
設計図書の変更内容は施工条件である「土質柱状図の変更」であり、これに伴う薬液注入率の変更は設
計図書の変更ではなく、単に積算の変更となる。(※)この場合、薬液注入率の変更を必要に応じ、設計変更審査会等を通じて明確に伝える必要がある。
※通常、注入量、注入率等については、特記仕様書で「条件明示」している7。2
2ー1 工事目的物の追加
変更事例
埋設管が工事の支障となるため、既設管を一部撤去し、埋設管の切り し工事を追加した。
当初設計
・既設管は、設計図書には示されておらず、その対処方法については監督職員が別途指示する。
と示されていた。
設計での仕様・施工条件
・埋設管が工事の支障となる。
ここに埋設管があるね!
変更設計
・既設埋設管を一部撤去し、新規に切り しする埋設管の位置、規格、数量等を設計図書に明示。
・既設埋設管の一部撤去費用と新規切り し埋設管の敷設費用を計上。
Point
工事に影響する可能性が大きいため特記仕様書又は図面には「存在」を記しておき、設計変更の対象とする可能性を示唆しておき、施工過程での調査内容については速やかに監督員に通知し、その確認を請求すること。【契約約款第18条(条件変更等)】
3ー1 施工数量の増減
変更事例
一部用地において所有者との交渉が難航して、契約工期内に工事が完成出来ない見通しとなり、当該施工箇所の一部工事を取りやめた。
設計での仕様・施工条件
当初設計 変更設計
・工事用地に関する施 工条件として用地取得 時期が明示されていた。
また、予定どおり処理出来ない場合は、監督職員と協議する。
と示されていた。
・一部用地において所有者との交渉が難航。
・工事の一時中止を指 示し、工期延長を行う。
・用地未取得箇所の工事数量を減じ積算すると共に工事一時中止に伴う増加費用を計上。
Point
やむを得ず工事を一部一時中止しなければならない場合は、数量増減に伴う設計図書の変更を行う。【契約約款第19条(設計図書の変更)】
設計での仕様・施工条件
当初設計
変更設計
・用地未取得地の範囲、
確保見込み時期が設計図書に示されていな かった。
・当初想定した移転時
期より遅れた。
・工事の一部中止を指
示すると共に設計図書の変更を行う。
・変更した設計図書に
基づき変更設計とする。
【契約約款第19条(設計図書の変更)】
Point
用地の確保時期は施工計画に影響を与えるため、移転未了の見込み時期等も明示しておく必要がある。
3ー2 施工数量の増減
変更事例
工事施工箇所に家屋移転補償済みの家屋があるが、当初想定していた時期より移転が遅れたため、当該施工箇所の一部工事を取りやめた。
4ー1 施工方法等の変更
変更事例
排水基準を満足する水質で排水したところ、渇水のために水質汚濁が危惧されたため、濁水処理設備を追加した。
設計での仕様・施工条件
当初設計 変更設計
・当初設計図書には水質汚濁に関する特別な事項は示されていな かった。
・渇水のために水質汚濁が危惧された。
・水質管理に伴う処理剤及び濁水処理設備の機能、稼働時間について明示。
・変更積算は濁水処理設備等について計上。
Point
本来ならば、濁水処理設備の必要性の有無も含めて受注者が自主的に施工する範囲であるが、渇水という状況下においてその必要性が検討されたもの。
4ー2 施工方法等の変更
変更事例
地元要望により、振動発生の懸念があるとして発注者に工法変更の申し入れがあり、工法変更をした。
当初設計
・仮締め切りの施工については、打ち込みを高周波バイブロハンマ、引き抜きを電動式バイブロハンマ方式により施工方法を指定している。また、現地の状況によりがたい場合は、監督職員と協議する。
と示されていた。
設計での仕様・施工条件
・地元要望により、振動発生の懸念があるとして発注者に工法変更の申し入れがあった。
変更設計
・受注者と協議のうえ、鋼矢板の打ち込み、引 き抜き工法を変更する。
・特記仕様書に工法変更を明示した。
Point
契約時点では、最も合理的な工法として指定したものであるが、地元から要望を寄せられた時点で、発注者は苦情内容を調査し、「周辺住民に振動による悪影響を及ぼさない施工方法を採用すること」という施工の制約を変更特記仕様書に示し、設計変更の対象とする必要がある。
4ー3 施工方法等の変更
変更事例
工事用道路の振動抑制対策について地元要望があり、調査の結果、砕石による補修だけでは解決しないため敷鉄板の敷設を追加した。
設計での仕様・施工条件
当初設計 変更設計
・工事用道路に関しては「既設のものを使 用」することとしており、補修に関しては補修材の材質、数量の明示がされていた。
・工事用道路の振動抑制対策について地元要望があった。
・工事用道路の整備に ついて補修材料及び敷 鉄板の敷設数量を明示。
・敷鉄板の敷設費用及び損料を計上。
Point
施工手段や仮設は本来任意であるが、重要な仮設物や特別に地元と約束がある場合などの仮設については指定仮設として設計図書に示す事になる。この場合、地元要望に基づき施工条件の変更となったため設計変更の対象とする。
4ー4 施工方法等の変更
変更事例
現道切り し作業を夜間とすることを警察協議により条件に付された。これにより、昼間とは別に夜間作業に伴う交通整理員の配置が必要となった。
設計での仕様・施工条件
当初設計
・「全作業は昼間作 業」という施工時間帯が施工条件として示されている。また、車両出入り口の箇所数と交通整理員の人数が示されていた。
・現道切り し作業を夜間とすることを警察協議により条件に付された。
現道切り し作業は夜間にしてください。
変更設計
・以下の3点について設計図書に条件明示する。
①夜間作業の区分
②交通整理員の夜間作業時間帯および員数
③夜間作業の変更に伴う工期の延長
・夜間作業に伴う積算の変更と交通整理員の費用を計上。
Point
当初の特記仕様書では作業が昼間を前提としており、交通整理員の配置も昼間のみであった。しかし、警察協議により夜間作業に条件変更となったため設計変更の対象とする。
79
4ー5 施工方法等の変更
変更事例
当初見込んだ道路使用が許可されず、クレーン及び仮設プラントの設置用に仮桟橋を設けることとした。
設計での仕様・施工条件
当初設計 変更設計
・当初見込んだ道路使
・当初の特記仕様書で
は仮設備の設置方法についての指定が示されており、設置箇所は車道の1車線規制が可能である旨の施工条件が示されていた。
用が許可されなかった。
・施工ヤードとして仮桟橋工を設計図書に明示し、変更設計図書に従い仮桟橋工を計上。
Point
道路使用が許可されず施工ヤードを変更せざるを得なかった。条件明示に先だって、道路使用が可能であるか事前の調査・検討が必要であった。
80
4ー6 施工方法等の変更
変更事例
当初設計では、掘削にあたり水替えポンプを想定していたが、予想以上に湧水が多く、ウェルポイント工法を追加した。
設計での仕様・施工条件
当初設計 変更設計
・当初設計図書には水替ポンプの規模と数量が示されていた。 Φ○○×台数を想定しているが、これによりがたい場合は、監督員と協議。
と示されてた。
・予想以上に湧水が多く、ウェルポイント工法を追加した。
・ウェルポイントの追 加に伴って水替工のポ ンプ台数を減じて積算。
・ウェルポイント工法の費用を計上。
Point
一般に工事の施工条件は、たとえ常識的な範囲であっても、具体的な数値等を設計図書に明示しておくことが望ましい。
81
5ー1 工事の中止、工事着手時期の変更、工期の変更
変更事例
用地取得交渉に不測の日数を要したため一時中止し、工期延期を行った。
設計での仕様・施工条件
当初設計
・工事用地に関する施 工条件として用地取得 時期が明示されていた。また、予定どおり処理 出来ない場合は、監督 職員と協議。
と示されていた。
・用地取得交渉に不測の日数を要した
工期が足りないよ
変更設計
・工事の一時中止を指 示し、工期延長を行う。変更費用については工 事一時中止に伴う増加 費用を計上。
【契約書第20条(工事の中止)】
Point
発注者は、施工条件として用地未処理部分がある場合は、処理の見込み時期を明らかにすると共に事実上施工が不可能な時は、時機を逸せず工事の一時中止を速やかに指示する必要がある。
82
5ー2 工事の中止、工事着手時期の変更、工期の変更
変更事例
地元漁業関係者より漁業への影響があるとして工事計画(工事に伴う排水計画)の再検討について要望が出されたため地元合意が成立するまで工事一時中止を 行った。
当初設計
・当初、特記仕様書には排水計画を作成し監督員と協議する。
と示されていた。
設計での仕様・施工条件
・地元漁業関係者より漁業への影響があるとして工事計画の再検討について要望が出された。
変更設計
・速やかに工事の「工事 一時中止」の指示を行い、ガイドラインに基づき
「基本計画書」の作成を行う。
・工事一時中止に伴う増加費用を計上。
【契約約款第20条(工事の中止)】
Point
地元からの計画見直しの要望により、発注者が工事の中止を認めたものであり、工事の全部又は一部の施工を中止させることが出来る。このとき一時中止に伴う増加費用について受注者と協議して費用を見込まなければならない。
83
5ー3 工事の中止、工事着手時期の変更、工期の変更
変更事例
予期せぬ河川の増水により護岸基礎の施工ができず、その後の法覆工施工を含めると当初工期内で完了出来ないため、工期延長を行った。
設計での仕様・施工条件
当初設計
・当初設計では現況河川の平水位が示されていた。
・予期せぬ河川の増水
により護岸基礎の施工
ができず、その後の法覆工施工を含めると当初工期内で完了出来なくなった。
変更設計
・受注者から河川の増水により基礎工の施工が不可能である旨を明示。(工事期間中の水位観測、天気調査結果、写真、工程表)
・工期の延長
【契約約款第21条(受注者の請求による工期の延長)
第23条(工期の変更方法)】
Point
河川の増水が予期できないものか否かの判断がポイント。例年とは異なる水位の状況であり、施工出来ない水位であることを示さなければならない。
84
5ー4 工期短縮に伴う変更
変更事例
当初設計時点の現場条件に違いがあり○○工を追加したが、供用日が決まっており、追加工種分の工期延期ができず、当初工期のままで施工を指示した。
設計での仕様・施工条件
当初設計
・○○工種はなかった
・○○工種を追加したが、供用日が決まっていたた め、当初工期のまま施工 することになった。
変更設計
・受発注者間で○○工種追加に伴う工程上の影響を確認し、合意した内容に基づき、必要な費用を追加する。(受注者都合による超勤などは対象 外)
ex.
・施工時間の延長
・建設機械の増
Point
工種追加により、作業が増えているが工期を延期しない場合は、その影響が作業段取り等に出てくる可能性があり、その影響について必要性を確認の上、費用を見込まなければならない。
85
5ー5 工期短縮に伴う変更
変更事例
工事一時中止により2ヵ月の工期延期になるところ、供用日が決まっているため、工期延期を1ヵ月とし、1ヶ月間の工期短縮するための施工を指示した。
設計での仕様・施工条件
当初設計
•設計工程:○ヵ月
・工事一時中止が発生し、工期延期になるところ、 供用日が決まっているた め、1ヵ月工期短縮する 施工方法を計画し、実施 することになった
変更設計
•受発注者間で1ヵ月工期短縮する方策について確認し、合意した内容に基づき、必 要な費用を追加する。
ex.
•プレキャスト導入に伴う増
•建設機械の増
•夜間施工に伴う増
Point
工事数量に変動はないが、工程短縮するために作業時間や機械セット数を増やす必要がある場合、その必要性を確認の上、費用を見込まなければならない。
86
5ー6 工期短縮に伴う変更
変更事例
工事一時中止により○ヵ月の工期延期になるところ、供用日が決まっているため、
〇ヵ月工期を短縮するための施工を指示した。
設計での仕様・施工条件
•設計工程:○ヵ月
•受発注者間で〇ヵ月工期短
縮する方策について確認し、合意した内容に基づき、必 要な費用を追加する。
ex.
•プレキャスト導入に伴う増
•建設機械の増
•夜間施工に伴う増
当初設計
・工事一時中止が発生し、工期延期になるところ、 供用日が決まっているた め、〇ヵ月工期短縮する 施工方法を計画し、実施 することになった
変更設計
Point
工事数量に変動はないが、工程短縮するために作業時間や機械セット数を増やす必要がある場合、突貫作業で生じる作業ロスも含めて、その必要性を確認の上、費用を見込まなければならない。
87
Ⅳ
受発注者間の円滑なコミュニケーション
【基本事項】
1 工事着手時:工事施工調整会議(三者会議)
発注者、設計者、受注者(施工者)の三者が、事業目的、設計意図、条件等の情報の共有および施工上の課題または新たな技術提案に対する意見交換等を行う。
対象工事:(1) 工期が1年以上にわたる大規模な工事
(2) 新技術・新工法を採用している工事
(3) 特殊な工法を採用している工事
(4) 構造計算を伴う構造物を主体とする工事でかつ工期が概ね6ヶ月以上である工事
(5) 上記のほか、地形・地質等工事現場の特殊性により三者会議が必要な工事
2 施工中:ワンデーレスポンス
受注者(施工者)からの質問等に対して、迅速な回答を実施し受注者(施工者)の待ち時間を解消。
・質問があった当日の回答を原則とする。(遅くても翌日には回答する。)
・回答に時間を要する場合は、「回答予定日」を当日に回答する。
対象工事:すべての工事
3 設計変更時:設計変更審査会
受発注者の担当者の協議が整わない場合など必要に応じて開催する。発注者側と受注者側(施工者)の双方の関係者が一堂に会して、協議を行い、原則その場で結論を出す。
対象工事 (1)受発注者の担当者の協議が整わない場合
(2)三者会議の対象工事で、施工方法や仮設工法が大幅に変更となる可能性がある場合
(3)第三者に影響を及ぼす可能性があるため、緊急に対応する必要がある場合 等
※ただし、他の委員会等で代替えができるものとする(例:トンネル工事の場合、地山区分判定会など)
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三者会議・ワンデーレスポンス・設計変更審査会
工事着手時
施工中
設計変更
工事施工調整会議(三者会議) 受注者(施工者)情報共有 (事業目的、設計意図、条件等) 意見交換 (施工上の課題、技術提案等) 発注者 設計者 | ワンデーレスポンス 協議等 発注者 受注者 (施工者) 原則当日回答 | 設計変更審査会 発注者 受注者 (施工者) 発注者受注者 の関係者が一堂に会す 迅速かつ適正な 設計変更 |
対象工事 ・大規模な工事 ・新技術・新工法 ・特殊工法 ・重要構造物工事 等 | 対象工事 ・すべての工事 | 対象工事 ・受発注者の担当者の協議が整わない場合 ・三者会議の対象工事で、 大幅な設計変更となる場合 ・第三者に影響を及ぼすため 緊急に対応が必要な場合 等 |
89
Ⅴ
参考資料
(令和元年7月
福井市)
・福井市工事請負契約約款(平成30年4月19日改正版)
※最新の約款を参照のこと。
・工事打合簿の記載例
参考-1
福井市工事請負契約約款
( 総則)
第1 条 発注者及び受注者は、この約款( 契約書を含む。以下同じ。) に基づき、設計図書( 別冊の図面、仕様書、現場説明書及び現場説明に対する質問回答書をいう。以下同じ。) に従い、日本国の法令を遵守し、この契約( この約款及び設計図書を内容とする工事の請負契約をいう。以下同じ。) を履行しなければならない。
2 受注者は、契約書記載の工事を契約書記載の工期内に完成し、工事目的物を発注者に引き渡すものとし、発注者は、その請負代金を支払うものとする。
3 仮設、施工方法その他工事目的物を完成するために必要な一切の手段( 以下「施工方法等」という。)については、この約款及び設計図書に特別の定めがない場合には、受注者がその責任において工事を施工するものとする。
4 受注者は、この契約の履行に関して知り得た秘密を漏らしてはならない。
5 この約款に定める請求、通知、報告、申出、承諾及び解除は、書面により行わなければならない。
6 この契約の履行に関して発注者と受注者との間で用いる言語は、日本語とする。
7 この約款に定める金銭の支払に用いる通貨は、日本円とする。
8 この契約の履行に関して発注者と受注者との間で用いる計量単位は、設計図書に特別の定めがある場合を除き、計量法( 平成4年法律第5 1号) に定めるとおりとする。
9 この約款及び設計図書における期間の定めについては、民法( 明治2 9 年法律第8 9 号) 及び商法( 明治32年法律第48号) の定めるところによるものとする。
10 この契約は、日本国の法令に準拠するものとする。
11 この契約につき訴訟の必要が生じた場合には、福井市に所在する裁判所を第1審の専属的合意管轄裁判所とする。
12 受注者が共同企業体を結成している場合においては、発注者は、この契約に基づく全ての行為を共同企業体の代表者に対して行うものとし、発注者が当該代表者に対して行ったこの契約に基づく全ての行為は、当該共同企業体の全ての構成員に対して行ったものとみなす。また、受注者は、発注者に対して行うこの契約に基づく全ての行為について当該代表者を通じて行わなければならない。
( 関連工事の調整)
第2 条 発注者は、受注者の施工する工事及び発注者の発注に係る第三者の施工する他の工事が施工上密接に関連する場合において、必要があるときは、その施工につき、調整を行うものとする。この場合においては、受注者は、発注者の調整に従い、当該第三者の行う工事の円滑な施工に協力しなければならない。 (工程表の提出)
第3 条 受注者は、設計図書に基づいて工程表を作成し、契約締結後7 日以内に発注者に提出しなければならない。ただし、請負代金額が2 00 万円以下の場合において、発注者が指示しないときは、この限りでない。
2 工程表は、発注者及び受注者を拘束するものではない。
( 契約の保証)
第4 条 受注者は、この契約の締結と同時に、次の各号のいずれかに掲げる保証を付さなければならない。ただし、随意契約を締結する場合において、受注者が契約を履行しないこととなるおそれがないと発注者が認めたときは、この限りでない。
(1) 契約保証金の納付
(2) 契約保証金に代わる担保となる有価証券等の提供
(3) この契約による債務の不履行により生ずる損害金の支払を保証する銀行、その他の発注者が確実と認める金融機関又は保証事業会社( 公共工事の前払金保証事業に関する法律( 昭和2 7年法律第1 84号)第2条第4項に規定する保証事業会社をいう。以下同じ。) の保証
(4) この契約による債務の履行を保証する公共工事履行保証証券による保証( 金銭的保証に限る。)
(5) この契約による債務の不履行により生ずる損害を填補する履行保証保険契約の締結及び当該保険証券の発注者への寄託
2 前項各号に掲げる保証に係る契約保証金の額、有価証券等の価額、保証金額又は保険金額( 第4 項において「保証の額」という。) は、請負代金額の1 0分の1以上としなければならない。
3 第1項の規定により、受注者が同項第2 号又は第3 号に掲げる保証を付したときは、当該保証は契約保証金に代わる担保の提供として行われたものとし、同項第4 号又は第5 号に掲げる保証を付したときは、契約保証金の納付を免除する。
4 発注者は、請負代金額が増額された場合には、保証の額が増額後の請負代金額の1 0分の1に達するまで、保証の額の増額を受注者に請求することができ、受注者は、請負代金額が減額された場合には、保証の額が減額後の請負代金額の10分の1に達するまで、保証の額の減額を発注者に請求することができる。
( 権利義務の譲渡等)
第5 条 受注者は、この契約により生ずる権利又は義務を第三者に譲渡し、又は承継させてはならない。ただし、あらかじめ発注者の承諾を得た場合は、この限りでない。
2 受注者は、工事目的物並びに工事材料( 工事製品を含む。以下同じ。) のうち第1 3条第2項の検査に合格したもの及び第37 条第3 項の規定による部分払のための確認を受けたものを第三者に譲渡し、貸与し、又は抵当権その他の担保の目的に供してはならない。ただし、あらかじめ、発注者の承諾を得た場合は、この限りでない。
( 一括委任又は一括下請負の禁止)
第6 条 受注者は、工事の全部若しくはその主たる部分又は他の部分から独立してその機能を発揮する工作物の工事を一括して第三者に委任し、又は請け負わせてはならない。
( 下請負人の通知)
第7 条 受注者は、発注者に対して、下請負人の商号又は名称その他必要な事項を、工事に着手しようとするときまでに届け出なければならない。
2 受注者は、前項の規定により届け出た事項を変更しようとするときは、あらかじめ、発注者に届け出なければならない。
( 下請負人の社会保険等加入義務等)
第7 条の2 受注者は、次に掲げる届出をしていない建設業者( 建設業法( 昭和2 4 年法律第10 0 号) 第
2 条第3 項に規定する建設業者をいい、当該届出の義務がない者を除く。以下「社会保険等未加入建設業者」という。) を下請契約( 受注者が直接締結する下請契約に限る。以下この条において同じ。) の相手方としてはならない。
(1) 健康保険法( 大正11 年法律第70 号) 第48条の規定による届出
(2) 厚生年金保険法( 昭和29年法律第115 号) 第27条の規定による届出 (3) 雇用保険法( 昭和49 年法律第11 6号) 第7条の規定による届出
2 前項の規定にかかわらず、受注者は、社会保険等未加入建設業者と下請契約を締結しなければ工事の施工が困難となる場合その他の特別の事情があると発注者が認める場合は、当該社会保険等未加入建設業者を下請契約の相手方とすることができる。この場合において、受注者は、発注者の指定する期間内に、当
該社会保険等未加入建設業者が前項各号に掲げる届出をした事実を確認することのできる書類を発注者に提出しなければならない。
( 特許権等の使用)
第8 条 受注者は、特許権、実用新案権、意匠権、商標権その他日本国の法令に基づき保護される第三者の権利( 以下「特許権等」という。) の対象となっている工事材料、施工方法等を使用するときは、その使用に関する一切の責任を負わなければならない。ただし、発注者がその工事材料、施工方法等を指定した場合において、設計図書に特許権等の対象である旨の明示がなく、かつ、受注者がその存在を知らなかったときは、発注者は、受注者がその使用に関して要した費用を負担しなければならない。
( 監督職員)
第9 条 発注者は、監督職員を置いたときは、その氏名を受注者に通知しなければならない。監督職員を変更したときも同様とする。
2 監督職員は、この約款の他の条項に定めるもの及びこの約款に基づく発注者の権限とされる事項のうち発注者が必要と認めて監督職員に委任したもののほか、設計図書に定めるところにより、次に掲げる権限を有する。
(1) この契約の履行についての受注者若しくは受注者の現場代理人に対する指示若しくは承諾又は受注者若しくは受注者の現場代理人との協議
(2) 工事の施工のための設計図書に基づく詳細図等の作成及び交付又は受注者が作成した詳細図等の承諾
(3) 設計図書に基づく工程の管理、立会い、工事の施工状況の検査又は工事材料の試験若しくは検査( 確認を含む。第1 3条において同じ。)
3 発注者は、2 名以上の監督職員を置き、前項の権限を分担させたときにあってはそれぞれの監督職員の有する権限の内容を、監督職員にこの約款に基づく発注者の権限の一部を委任したときにあっては当該委任した権限の内容を受注者に通知しなければならない。
4 第2 項の規定による監督職員の指示又は承諾は、原則として、書面により行わなければならない。
5 発注者が監督職員を置いたときは、この約款に定める請求、通知、報告、申出、承諾及び解除については、設計図書に別段の定めがあるものを除き、監督職員を経由して行うものとする。この場合においては、監督職員に到達した日をもって発注者に到達したものとみなす。
6 発注者が監督職員を置かないときは、この条及びこの約款の他の条項に定める監督職員の権限は、発注者に帰属する。
( 現場代理人及び主任技術者等)
第1 0 条 受注者は、次に掲げる者を定めて工事現場に設置し、設計図書に定めるところにより、その氏名その他必要な事項を発注者に通知しなければならない。これらの者を変更したときも、同様とする。
(1) 現場代理人
(2) 主任技術者( 建設業法第26条第1項に規定する主任技術者をいう。以下同じ。)又は監理技術者( 同条第2 項に規定する監理技術者をいう。以下同じ。)( 当該工事現場に係る工事が建設業法施行令( 昭和3 1 年政令第27 3 号) 第2 7 条第1 項に規定する建設工事である場合は、当該工事現場ごとに置かれる専任の主任技術者又は監理技術者)
(3) 専門技術者( 建設業法第26条の2に規定する技術者をいう。以下同じ。)
2 現場代理人は、この契約の履行に関し、工事現場に常駐し、その運営及び取締りを行うほか、請負代金額の変更、請負代金の請求及び受領、第1 2 条第1 項の規定による請求の受理、同条第3 項の規定による決定及び通知並びにこの契約の解除に係る権限を除き、この契約に基づく受注者の一切の権限を行使することができる。
3 発注者は、前項の規定にかかわらず、次の各号のいずれかに該当するときは、現場代理人について工事現場における常駐を要しないこととすることができる。
(1) 1件の予定価格の額が1 30万円以下の工事
(2) 現場代理人の工事現場における運営、取締り及び権限の行使に支障がなく、かつ、発注者との連絡体制が確保されると認められる工事で発注者の承認を得たもの
(3) その他発注者が特に認めた工事
4 受注者は、第2 項の規定にかかわらず、自己の有する権限のうち現場代理人に委任せず自ら行使しようとするものがあるときは、あらかじめ、当該権限の内容を発注者に通知しなければならない。
5 現場代理人、主任技術者又は監理技術者及び専門技術者は、これを兼ねることができる。
( 履行報告)
第1 1 条 受注者は、設計図書に定めるところにより、この契約の履行について発注者に報告しなければならない。
( 工事関係者に関する措置請求)
第1 2 条 発注者は、現場代理人がその職務( 主任技術者若しくは監理技術者又は専門技術者と兼任する現場代理人にあっては、それらの者の職務を含む。) の執行につき著しく不適当と認められるときは、受注者に対して、その理由を明示した書面により、必要な措置をとるべきことを請求することができる。
2 発注者又は監督職員は、主任技術者若しくは監理技術者又は専門技術者( これらの者と現場代理人を兼任する者を除く。) その他受注者が工事を施工するために使用している下請負人、労働者等で工事の施工又は管理につき著しく不適当と認められるものがあるときは、受注者に対して、その理由を明示した書面により、必要な措置をとるべきことを請求することができる。
3 受注者は、前2 項の規定による請求があったときは、当該請求に係る事項について必要な措置を決定し、その結果を請求を受けた日から10 日以内に発注者に通知しなければならない。
4 受注者は、監督職員がその職務の執行につき著しく不適当と認めるときは、発注者に対して、その理由を明示した書面により、必要な措置をとるべきことを請求することができる。
5 発注者は、前項の規定による請求があったときは、当該請求に係る事項について必要な措置を決定し、その結果を請求を受けた日から10 日以内に受注者に通知しなければならない。
( 工事材料の品質及び検査等)
第1 3 条 工事材料の品質については、設計図書に定めるところによる。ただし、設計図書にその品質が明示されていない場合にあっては、中等の品質を有するものとする。
2 受注者は、設計図書において監督職員の検査を受けて使用すべきものと指定された工事材料については、当該検査に合格したものを使用しなければならない。この場合において、当該検査に直接要する費用は、受注者の負担とする。
3 監督職員は、受注者から前項の検査を請求されたときは、請求を受けた日から7 日以内に応じなければならない。
4 受注者は、工事現場内に搬入した工事材料( 次項の工事材料を除く。) を監督職員の承諾を受けないで工事現場外に搬出してはならない。
5 受注者は、第2 項の検査の結果、不合格と決定された工事材料については、当該決定を受けた日から7日以内に工事現場外に搬出しなければならない。
( 監督職員の立会い及び工事記録の整備等)
第1 4 条 受注者は、設計図書において監督職員の立会いの上調合し、又は調合について見本検査を受けるものと指定された工事材料については、当該立会いを受けて調合し、又は当該見本検査に合格したものを
使用しなければならない。
2 受注者は、設計図書において監督職員の立会いの上施工するものと指定された工事については、当該立会いを受けて施工しなければならない。
3 受注者は、前2 項に規定するもののほか、発注者が特に必要があると認めて設計図書において見本又は工事写真等( 以下この条において「見本等」という。) の記録を整備すべきものと指定した工事材料の調合又は工事の施工をするときは、設計図書に定めるところにより、見本等を整備し、監督職員の請求があったときは、請求を受けた日から7 日以内に提出しなければならない。
4 監督職員は、受注者から第1 項の立会い若しくは見本検査又は第2 項の立会い( 次項において「立会い等」という。) を請求されたときは、請求を受けた日から7日以内に応じなければならない。
5 前項の場合において、監督職員が正当な理由なく受注者の請求に応じないため、その後の工程に支障を来すときは、受注者は、監督職員に通知した上、立会い等を受けることなく、工事材料を調合して使用し、又は工事を施工することができる。この場合において、受注者は、工事材料の調合又は工事の施工を適切に行ったことを証する見本等を整備し、監督職員の請求があったときは、当該請求を受けた日から7 日以内に提出しなければならない。
6 第1項、第3 項又は前項の場合において、見本検査又は見本等の整備に直接要する費用は、受注者の負担とする。
( 支給材料及び貸与品)
第15条 発注者が受注者に支給する工事材料( 以下「支給材料」という。)及び貸与する建設機械器具( 以下「貸与品」という。) の品名、数量、品質、規格又は性能、引渡場所及び引渡時期は、設計図書に定めるところによる。
2 監督職員は、支給材料又は貸与品の引渡しに当たっては、受注者の立会いの上、発注者の負担において、当該支給材料又は貸与品を検査しなければならない。この場合において、受注者は、当該検査の結果、その品名、数量、品質又は規格若しくは性能が設計図書の定めと異なると認めたとき、又はその使用が適当でないと認めたときは、その旨を直ちに発注者に通知しなければならない。
3 受注者は、支給材料又は貸与品の引渡しを受けたときは、引渡しの日から7日以内に、発注者に受領書又は借用書を提出しなければならない。
4 受注者は、支給材料又は貸与品の引渡しを受けた後、当該支給材料又は貸与品に第2 項の検査により発
か し
見することが困難であった隠れた瑕疵があり使用に適当でないと認めたときは、その旨を直ちに発注者に通知しなければならない。
5 発注者は、受注者から第2 項後段又は前項の規定による通知を受けた場合において、必要があると認めるときは、当該通知に係る支給材料若しくは貸与品に代えて他の支給材料若しくは貸与品を引き渡し、又は支給材料若しくは貸与品の品名、数量、品質若しくは規格若しくは性能を変更しなければならない。この場合において、発注者は、当該通知にかかわらず、他の支給材料若しくは貸与品の引渡し又は支給材料若しくは貸与品の品名等の変更を行なわず、その理由を明示した書面により、当該通知に係る支給材料若しくは貸与品を使用すべきことを受注者に請求することができる。
6 発注者は、前項に規定する場合のほか、必要があると認めるときは、支給材料又は貸与品の品名、数量、品質、規格若しくは性能、引渡場所又は引渡時期を変更することができる。
7 発注者は、前2 項の場合において、必要があると認めるときは工期又は請負代金額を変更し、受注者に損害を及ぼしたときは必要な費用を負担しなければならない。
8 受注者は、支給材料及び貸与品を善良な管理者の注意をもって管理しなければならない。
9 受注者は、設計図書に定めるところにより、工事の完成、設計図書の変更等によって不用となった支給