Contract
胆振東部地域森林計画変 更 計 画 書
(胆振東部森林計画区)
計画期間
自 令和 3年4月 1日至 令和13年3月31日
(令和3年12月27日変更)
(令和4年12月27日変更)
(令和5年12月26日変更)
北 海 道
計画変更の理由と始期
1 変更理由
次の理由により地域森林計画を変更する。
(1) 全国森林計画の策定(令和5年10月13日閣議決定)に伴う、内容見直しによる。
(2) 計画の対象とする森林の区域の異動による。
2 変更始期
令和6年4月1日から適用する。
Ⅰ 計画の大綱
2 森林の持つ機能とその区域について
(1)森林の機能(森林のはたらき)について
(略)
かん
~清らかな水を供給する(水源涵養機能)~
(略)
~土砂崩れを防ぐ(山地災害防止機能/土壌保全機能)~
(略)
~快適な生活環境をつくる(快適環境形成機能)~
(略)
~森林とふれあう(保健・レクリエーション機能)~
(略)
~優れた自然景観と文化にふれあう(文化機能)~
(略)
~野生生物のすみか(生物多様性保全機能)~
森林は野生生物のすみかであり、多様な生物が共存しながら生育・生息しています。
(野生生物等、生物多様性の保全)
~暮らしに活かす木の文化(木材等生産機能)~
(略)
- 1 -
Ⅱ 計画事項
第1 計画の対象とする森林の区域
地域森林計画の対象とする森林は、森林計画図において表示する区域内の民有林とし、市町村別の面積は、次表のとおりです。
なお、当該区域の森林は、森林法第10条の2第1項の開発行為の許可(保安林及び保安施設地区の区域内の森林並びに海岸法第3条の規定により指定された海岸保全区域内に存する森林を除く。)、森林法第10条の7の2第1項の森林の土地の所有者となった旨の届出及び同法第10条の8第1項の伐採及び伐採後の造林の届出(保安林及び保安施設地区の区域内の森林を除く。)の対象となります。
単位 面積:ha | ||||||||
区 分 | ||||||||
一般民有林 | 道 有 林 | |||||||
総 数 | 98,876 | 71,010 | 27,865 | |||||
胆 振 | 白 | 老 | 町 | 11,213 | 11,213 | - | ||
安 | 平 | 町 | 9,501 | 6,405 | 3,096 | |||
厚 | 真 | 町 | 28,360 | 16,524 | 11,835 | |||
む | か | わ | 町 | 36,222 | 23,288 | 12,934 | ||
苫 | 小 | 牧 | 市 | 13,579 | 13,579 | - |
民 有 林
(注 1)四捨五入により各項目の数値と合計があわないことがあります。
(注2)一般民有林の森林計画図は、北海道水産林務部林務局森林計画課並びに当該市町村を所管する総合振興局・振興局産業振興部林務課及び森林室に備え置き、道有林の森林計画図は、所管する森林室に備え置きます。
第2 森林の整備及び保全に関する基本的な事項
1 森林の整備及び保全の目標その他森林の整備及び保全に関する基本的な事項
(1)森林の整備及び保全の目標並びに基本方針
森林の整備及び保全にあたっては、森林の有する多面的機能を総合的かつ高度に発揮させるた め、適正な森林施業の面的な実施や森林の保全の確保により健全な森林資源の維持造成を推進します。
その際、生物多様性の保全や地球温暖化の防止に果たす役割はもとより、豪雨の増加等の自然環境の変化、急速な少子高齢化と人口減少、所有者不明森林や整備の行き届いていない森林の存在等の社会的情勢の変化にも配慮します。
また、近年の森林に対する道民の要請を踏まえ、流域治水とも連携した国土強靱化対策を推進するとともに、航空レーザ測量等のリモートセンシングによる高精度な森林資源情報や詳細な地形情報の整備により、現地調査の省力化や適切な伐採区域の設定、林道等の路網整備の効率化、崩壊リスクが高い箇所における効果的な治山施設の配置等を推進することとします。あわせて、シカ等による森林被害も含めた森林の状況を適確に把握するための森林資源のモニタリングの継続的な実施や森林GISの効果的な活用を図ることとします。
このため、森林を地域の特性、森林資源の状況並びに森林に関する自然条件及び社会的要請を総合的に勘案し、それぞれの森林が特に発揮することを期待されている機能に応じて森林の有する公益的機能の維持増進を図るべき森林としての公益的機能別施業森林と、木材の生産機能の維持増進
を図るための森林整備を推進すべき森林(以下「木材等生産林」という。)の区域を設定するととも
かん
に、公益的機能別施業森林については、水源の涵養の機能の維持増進を図るための森林整備及び保
かん
全を推進すべき森林について「水源涵養林」、山地災害の防備及び土壌の保全の機能の維持増進を図
るための森林整備及び保全を推進すべき森林について「山地災害防止林」、快適な環境の形成の機能の維持増進を図るための森林整備及び保全を推進すべき森林について「生活環境保全林」及び保健文化の機能の維持増進を図るための森林整備及び保全を推進すべき森林について「保健・文化機能
等維持林」の区域(以下「森林の区域」という。)を設定します。
かん
さらに、「水源涵養林」においては、水道取水施設上流部に位置し、水資源の安定供給のために特
に保全が求められる森林について「水資源保全ゾーン」、「保健・文化機能等維持林」においては、河川や湖沼周辺に位置し生物多様性保全の機能の発揮のために特に保全が求められる森林について
「生物多様性ゾーン(水辺林タイプ)」及び貴重な森林生態系を維持し特に保全が求められる森林について「生物多様性ゾーン(保護地域タイプ)」を、また、「木材等生産林」においては、森林資源の保続に配慮しつつ、多様な木材需要に応じた持続的、安定的な木材生産を可能とするため、伐採後に原則、植栽による更新を行う森林について「特に効率的な施業が可能な森林」をそれぞれの区域の中で重ねて設定します。
この森林の区域に応じた望ましい森林の姿へ誘導するため、育成単層林における適確な更新や保育及び間伐の積極的な推進、広葉樹林化・針広混交林化を含め、人為と天然力を適切に組み合わせた多様性に富む育成複層林の計画的な整備、天然生林の的確な保全及び管理等に加え、保安林制度の適切な運用、山地災害や野生鳥獣被害等の防止対策の推進等により、発揮を期待する機能に応じた多様な森林の整備及び保全を図ることとします。
また、林道等の林内路網は、効率的な森林施業や森林の適正な管理経営に必要不可欠であり、農山村地域の振興にも資することから、計画的な路網整備を推進することとします。
なお、森林の区域ごとの望ましい森林の姿並びに森林の整備及び保全の基本方針は次表のとおり
とします。
発揮を期待する機能 | 森林の区域 | 望ましい森林の姿 | 森林の整備及び保全の基本方針 | ||
か ん 水源涵養機能 | (略) | (略) | (略) | ||
水資源保全ゾーン | (略) | (略) | |||
山地災害防止機能 / 土壌保全機能 | (略) | (略) | (略) | ||
快適環境形成機能 | (略) | (略) | (略) | ||
保健・レ | 保健・文化機 | ||||
クリエー | 能等維持林 | ||||
ション | |||||
機能 | |||||
/ | |||||
文化機能 | |||||
/ 生物多様 | (略) | (略) | |||
性保全機 | |||||
能 | |||||
生物多様性ゾーン | 水辺林 | ||||
タイプ | (略) | (略) | |||
保護地域 | 希少な野生生物の生育・生息地確保の観点から、原生的な森林の保全や希少種の保全に配慮した施業を推進するとともに、野生生物のための回廊の確保にも配慮し、生態系として重要な森林の適切な保全を 推進する。 | ||||
タイプ | (略) |
【森林の区域と森林の整備及び保全の基本方針】公益的機能別施業森林
(略)
2 その他必要な事項
(2)森林の有する公益的機能が重視される森林で風害の受けやすい地域においては、風害に強い多様な樹種・樹冠層により形成される森林へ誘導するため、人工造林や天然更新(地表処理等)を適切に組み合わせ、樹種や林齢の異なる林分構造とすることを基本とします。
第3 森林の整備に関する事項
1 森林の立木竹の伐採に関する事項(間伐に関する事項を除く。)
(略)
(1)立木の伐採(主伐)の標準的な方法に関する指針
次のとおり、立木の伐採(主伐)の標準的な方法に関する指針を示します。なお、立木の伐採・搬出にあたっては、国が示す「主伐時における伐採・搬出指針の制定について」(令和3年3月1
6日付け2林整整第 1157 号林野庁長官通知)に即した方法により伐採するとともに、第3の5
(5)林産物の搬出方法等及び第4の1(2)森林の土地の保全のため林産物の搬出方法を特定する必要のある森林及びその搬出方法と整合して伐採を行うこととします。
ア 立木の伐採のうち主伐については、更新を伴う伐採であり、その伐採方法別の留意点については次によることとします。
(ア)皆伐
皆伐については、主伐のうち(イ)の択伐以外のものとします。
皆伐にあたっては、気候、地形、地質、土壌等の自然条件のほか車道等や集落からの距離といった社会的条件及び森林の有する公益的機能の確保の必要性を踏まえ、伐採跡地が連続することがないよう特に留意しつつ、適切な伐採区域の形状、一箇所当たりの伐採面積の規模及び伐採区域のモザイク的配置や景観への影響に配慮します。
なお、一箇所当たりの伐採面積は、原則として20ヘクタールを超えないよう、伐採面積の縮小及び伐採箇所の分散に努めることとします。
伐採の時期については、地域の森林の齢級構成等を踏まえ、森林の有する多面的機能の発揮との調和に配慮することとします。
(イ)択伐
択伐は、主伐のうち伐採区域の森林を構成する立木の一部を伐採する方法であって、単木・帯状又は樹群を単位として伐採区域全体ではおおむね均等な割合で行うこととし、原則として材積にかかる伐採率が30%以下(伐採後の造林が植栽による場合にあっては40%以下)とします。
なお、択伐にあたっては、森林の有する多面的機能の維持増進が図られる適正な林分構造となるよう、適切な伐採率により一定の立木材積を維持することとします。
イ 主伐にあたっては、森林の有する公益的機能の発揮と森林生産力の維持増進に配慮して行うこととし、伐採跡地が連続することがないよう、伐採跡地間には少なくとも周辺森林の成木の樹高程度の林帯幅を確保します。
また、伐採作業に伴う林業機械の走行等に必要な集材路の作設等にあたっては、伐採する区域の地形や地質等を十分に確認した上で配置の計画や施工等を行い、森林の更新及び森林の土地の保全への影響を極力抑えることとします。
伐採の対象とする立木については、標準伐期齢以上を目安として選定することとします。ウ (略)
エ (略)
(3)その他必要な事項
ア (略)
イ (略)
ウ 伐採作業等に伴う立木への損傷は、将来的に腐朽菌被害の発生につながるおそれが高いことから、伐採等にあたっては、必要に応じて保護板(あて木)を設置するほか、機械の林内走行の範囲を森林作業道・集材路に限定するなどにより、伐採しない立木への損傷をできる限り減らす作業に努めることとします。
エ 伐採等の実施にあたっては、降雨等による土砂や汚濁水の流出防止に努めるとともに、伐採作業の途中であっても大雨が予想される場合等は、必要に応じて集材路等に排水路を作設するなど、浸食防止に努めることとします。
なお、水道取水施設の上流で造材を行う場合等で、降雨等により河川の汚濁が懸念される場合は、伐採・搬出を土壌が凍結する冬季間に行うなど時期や方法に配慮することとしま す。
また、特に河川周辺で造材を行う場合は、増水時に枝条や残材等が流出して流木被害の一要因とならないよう、十分に留意することとします。
オ (略)
2 造林に関する事項
(略)
(1)人工造林に関する指針
人工造林については、植栽によらなければ適確な更新が困難な森林や森林の有する公益的機能の発揮の必要性から植栽を行うことが適当である森林のほか、木材等生産機能の発揮が期待され、将来にわたり育成単層林として維持する森林において行うこととし、効率的な森林整備を行うため、将来の保育コストを抑える観点から、高性能林業機械の導入を見据えた施業プランの下で検討することとします。
なお、人工造林の対象樹種及び標準的な方法(樹種別及び仕立ての方法別の標準的な植栽本数を含む。)、伐採跡地の人工造林を実施すべき期間は、市町村森林整備計画において定められ、森林所有者等が人工造林を行う際の規範となります。
ア 人工造林の対象樹種に関する指針
次のとおり、人工造林の対象樹種に関する指針を示します。
(ア)人工造林の対象樹種は、気候、地形、地質、土壌等の自然条件への適合、それぞれの樹種の特質、既往の成林状況など適地適木を基本として、地域における造林種苗の需給動向及び木材需給等にも配慮することとし、苗木の選定については、成長に優れた特定苗木等の積極的な使用に努めることとします。
(イ)(略)
(ウ)(略)
イ 人工造林の標準的な方法に関する指針
次のとおり、人工造林の標準的な方法に関する指針を示します。
(ア)育成単層林を導入又は維持する森林
a 寒風害等の気象害及び病虫害等に考慮し、保護木・保護樹帯の配置、同一樹種の大面積造林の回避など、多様な森林の整備に配慮して行うこととし、適確な更新により裸地状態を早急に解消するため、気候、地形、地質、土壌等の自然条件に適合した樹種を早期に植栽す
かん
ることとします。特に、水源涵養林、山地災害防止林にあっては、林地の安定化を目的とし
た無立木地への植栽を積極的に行うこととします。
b 効率的な施業実施の観点から、技術的合理性に基づき、コンテナ苗の活用や伐採と造林の一貫作業についても努めることとします。
c 地拵えは、それぞれの地域の自然条件、植生及び過去の野ねずみ被害の状況等を考慮したうえで、全刈り又は筋刈りにより行うこととします。
なお、土砂の流出が懸念される急傾斜地等の場合は、全刈りを避け、刈払いの方向や枝条等の置き場に十分に留意することとします。
d 植栽時期は春又は秋植えとしますが、乾燥時期を避け、必要に応じて植え穴を大きくして植え付けるなど、その後の苗木の活着と成長が十分図られるように行うこととします。
e コンテナ苗は、裸苗に比べ植栽が可能となる期間が長いことから、必ずしも第3の2の
(1)のイの(ア)の d の時期によらないものとしますが、自然・立地条件等を十分に考慮し、確実な成林が期待できるよう植え付け時期の配慮に努めることとします。
f 植栽本数は、次表の主要樹種の植栽本数を基礎として、既往の植栽本数及び個々の樹種特性を勘案して仕立ての方法別に定めることとし、多様な森林の整備を図る観点から、様々な施業体系や生産目標を想定した植栽本数について検討することとします。
なお、周囲の人工林の生育状況、気象災害の発生状況等を勘案し、森林の有する多面的機能の発揮や植栽コストの低減を図る場合には、次表に関わらず本数の低減を積極的に検討することとします。特に、初期成長が早く、通直性や耐そ性に優れたクリーンラーチ等を植栽する場合は、植栽本数の低減に努めることとします。植栽本数の低減にあたっては、将来の保育コストを抑える観点から、高性能林業機械の導入を見据えた植栽設計を検討することとします。
また、周囲に樹冠が十分発達した母樹があり、天然更新も期待できる林分にあっては、天然更新木の積極的な活用を検討することとします。
【植栽本数】 単位 本/ha
仕立ての方法 | 樹 種 | ||||
カラマツ | トドマツ | アカエゾマツ | その他針 | 広葉樹 | |
密仕立て | (略) | (略) | (略) | (略) | (略) |
中庸仕立て | (略) | (略) | (略) | (略) | (略) |
疎仕立て | (略) | (略) | (略) | (略) | (略) |
ウ 伐採跡地の人工造林をすべき期間に関する指針
皆伐による伐採跡地については、林地の荒廃を防止し、裸地状態を早急に解消するため、伐採が終了した日を含む年度の翌年度の初日から起算して2年以内に人工造林を実施し、更新を図ることとします。
択伐による部分的な伐採跡地については、伐採が終了した日を含む年度の翌年度の初日から起算して5年以内に人工造林を実施し、更新を図ることとします。
(2)天然更新に関する指針
天然更新は、前生稚樹の生育状況、母樹の存在等の対象森林の現況はもとより、気候、地形、地質、土壌等の自然条件、林業技術体系等からみて、主として天然力を活用することにより適
確な更新が図られる森林において行うこととします。
なお、天然更新の対象樹種及び標準的な方法、伐採跡地の天然更新を実施すべき期間は、市町村森林整備計画において定められ、森林所有者等が天然更新を行う際の規範となります。
ア 天然更新の対象樹種に関する指針
(略)
イ 天然更新の標準的な方法に関する指針
(ア)(略)
(イ)天然更新補助作業の標準的な方法
天然下種により更新を行う場合には、ササや粗腐植の堆積等により更新が阻害されている箇所については、かき起こしや枝条整理等を行うこととし、ササなどの競合植物により天然に発生した稚幼樹の生育が阻害されている箇所については、刈出し等を行うこととします。
また、ぼう芽により更新を行う場合には、樹液の流動期(6~8月)を避けて伐採するとともに、ぼう芽の発生状況等を考慮し、必要に応じ、芽かき又は植込み等を行うこととします。
いずれの箇所も定期的に更新の状況等を確認し、必要に応じ補植等を行い、更新を確保することとします。
なお、かき起こしの実施にあたっては、林地の保全に十分留意することとし、更新が不十分な箇所については、補植等を行って更新を確保することとします。
ウ 伐採跡地の天然更新をすべき期間に関する指針
(略)
(3)植栽によらなければ適確な更新が困難な森林に関する指針
主伐後の適確な更新を図るため、次の森林については原則として植栽によらなければ適確な更新が困難な森林とし、植栽により更新を図ることとします。
なお、植栽によらなければ適確な更新が困難な森林の基準及び区域は、自然条件や森林の有する機能の早期回復に対する地域住民等からの社会的要請などを勘案し、市町村森林整備計画において定められます。
① 気候、地形、地質、土壌等の自然条件及び植生等により天然更新が期待できない森林
かん
② 水源涵養機能の早期回復が特に求められる水資源保全ゾーンの森林
なお、天然更新が期待できない森林を指定する場合は、ぼう芽更新に適した立木や天然下種更新に必要な母樹の賦存状況、天然更新に必要な稚幼樹や後継樹の生育状況、林床や地表の状況、病虫獣などの被害の発生状況、当該森林及び近隣における主伐箇所の天然更新の状況などを勘案することとします。
また、次の箇所は、植栽によらなければ適確な更新が困難な森林の区域には含めないこととします。
① 保安林等の制限林内で施業方法が定められている森林
② 保健機能森林の区域内における森林保健施設の設置が見込まれる森林
③ 公益的機能別施業森林の区域で別途更新の方法が定められている森林
④ 湿地、風衝地、岩石地等で更新が著しく困難な森林
⑤ ぼう芽性の強い広葉樹で構成される人工林
(4) その他必要な事項
伐採跡地等が放置されないようにするため、森林組合等と連携して森林経営に意欲的な者に伐採跡地等の取得を促すなど林地流動化の取組を通じて、伐採跡地等の更新を確保します。
3 間伐及び保育に関する基本的事項
(略)
(1)間伐を実施すべき標準的な林齢及び間伐の標準的な方法に関する指針
次のとおり、間伐を実施すべき標準的な林齢及び間伐の標準的な方法に関する指針を示します。ア (略)
イ 間伐にあたっては、森林資源の質的向上を図るとともに、適度な下層植生を有する適正な林分構造が維持され、根の発達が促されるよう、適切な伐採率により繰り返し行うこととします。特に、高齢級の森林における間伐にあたっては、立木の成長力に留意することとします。
なお、主要樹種ごとの標準的な間伐時期等の目安については、次表のとおりとします。
樹 種 (生産目標) | 施業方法 | 間伐の時期(林齢) | 間伐の方法 | ||||
初回 | 2回 | 3回 | 4回 | 5回 | |||
カラマツ 【グイマツとの交配種を含む】 (一般材) | (略) | (略) | (略) | ||||
トドマツ (一般材) | (略) | (略) | (略) | ||||
アカエゾマツ (一般材) | (略) | (略) | (略) |
(注1)「カラマツ間伐施業指針」、「トドマツ人工林間伐の手引き」及び「アカエゾマツ人工林施業の手引き」((地独)北海道立総合研究機構林業試験場発行)などを参考とした。
(注2)植栽本数、主伐時の生産目標及び仕立て方法、主伐後の施業方針等により、間伐時期が異なることに留意すること。
ウ (略)
(2)保育の標準的な方法に関する指針
次のとおり、保育の標準的な方法に関する指針を示します。
ア 下刈り
(略)
イ 除伐
下刈りの終了後、林冠がうっ閉する前の森林において、侵入木や通常の成長が見込めない若しくは形質の悪い植栽樹種などを除去し、植栽樹種の健全な成長を図るため、森林の状況に応じて適時適切に行うこととします。植栽樹種以外であっても、その生育状況、森林の有する多面的機能の発揮及び将来の利用価値等を勘案し、有用なものは保残し育成することとします。
ウ つる切り
(略)
4 公益的機能別施業森林等の整備に関する事項
(略)
(1)公益的機能別施業森林の区域の基準及び当該区域内における施業の方法に関する指針
森林は単一の機能のみでなく、複数の機能を有していますが、その中でも土砂の流出を抑え、山地災害を防止する機能の発揮を期待する森林については、人々の生命・財産を守る最も重要な機能の発揮を期待する森林として位置付け、山地災害防止林等の公益的機能別施業森林として設定することを基本とします。
保安林や様々な法律等による指定区域内の森林については、指定目的に応じた森林の有する公益的機能の維持増進が不可欠であるため、公益的機能別施業森林の区域とします。ただし、期待する機能の発揮に向けた最も適切な施業方法が異なる場合は、複数の機能の発揮を期待する森林として取り扱うことも可能とします。
区域の設定の基準及び森林施業の方法に関する指針
【共通ゾーニング】
森林の区域 | 区域の設定の基準 | 施業の方法に関する指針 |
か ん 水源涵養林 | (略) | (略) |
山地災害防止林 | (略) | (略) |
生活環境保全林 | (略) | (略) |
保健・文化機能等維持林 | 保健・レクリエーション機能、文化機能及び生物多様性保全機能の高度発揮が求められている森林を基本とし、保健保安林及び風致保安林、都市緑地法に規定する緑地保全地域及び特別緑地保全地区、都市計画法に規定する風致地区、文化財保護法に規定する史跡名勝天然記念物に係る森林、キャンプ場・森林公園等の施設を伴う森林などの道民の保健・教育的利用等に適した森林、史跡等と一体となり優れた自然景観等を形成する森林など、保健・レクリエーション、文化、生物多様性保全機能の評価区分が高い森林について、それぞれの森林に関する自然条件及び社会的条件、林況、地域の要請を踏まえ、林小班単位で定める。 | (略) |
(注)「長伐期施業」とは、標準伐期齢のおおむね2倍に相当する林齢を超える林齢において主伐を行う森林施業をいいます。
【上乗せゾーニング(注1)】
森林の区域 | 区域の設定の基準 | 施業の方法に関する指針 | |
水資源保全ゾーン | (略) | (略) | |
生物多様性ゾーン | 水辺林タイプ | (略) | 伐採方法は択伐とし、作業路・集材路は極力既設路線の使用に努め、集材路や重機の使用にあたっては土砂流出等を最小限に抑えるようきめ細かな配慮を行うなど、伐採及び造材に伴う地表かく乱を最小限に抑えることとする。 |
保護地域タイプ | (略) | (略) |
(注1)「上乗せゾーニング」とは、北海道の森林・林業の現状や課題、地域の特性やニーズ等により、目指す姿や施業の方法などをよりきめ細かく定めるために共通ゾーニングの中において上乗せして設定されたゾーニングです。
(注 2)皆伐を行う場合の面積は、原則として10ヘクタールを上限として市町村森林整備計画で定めることとします。
(2)木材の生産機能の維持増進を図るための施業を推進すべき森林の区域の基準及び当該区域内における施業の方法に関する指針
木材等生産機能の維持増進を図る森林の区域については、林木の生育が良好な森林で地形、地利などから効率的な森林施業が可能な森林の区域について設定することとします。このうち、林地生産力や傾斜等の自然条件、林道等や集落からの距離等の社会的条件を勘案し、森林の一体性を踏まえつつ、特に効率的な森林施業が可能な森林の区域を定めることとします。
なお、公益的機能別施業森林及び木材等生産機能の維持増進を図る森林の区域については、重複を認めるものとし、森林の有する公益的機能の発揮に支障が生じないよう定めるものとします。
また、木材等生産機能の維持増進を図る森林については、森林の有する公益的機能の発揮に留意しつつ、路網整備、森林施業の集約化・機械化等を通じた効率的な森林整備を推進することとし、多様な木材需要に応じた持続的・安定的な木材などの生産が可能となる資源構成となるよう、計画的な主伐と植栽による確実な更新に努め、特に効率的な森林施業が可能な森林の区域のうち人工林においては、原則として植栽による更新を行うこととします。
区域の設定の基準及び施業の方法に関する指針
森林の区域 | 区域の設定の基準 | 施業の方法に関する指針 | |
木材等生産林 | (略) | (略) | |
特に効率的な施業が可能な森林 | (略) | (略) |
樹 種 | 主 伐 時 期 | 仕立て方法 | (参考)主伐時期の 平均直径 |
カラマツ (グイマツとの交配種を含む) | (略) | (略) | (略) |
トドマツ | (略) | (略) | (略) |
アカエゾマツ | (略) | (略) | (略) |
なお、木材等生産林においては、製材等の一般材生産を目標とし、主伐時期については、木材等資源の効率的な循環・利用を考慮して伐採時期の多様化を図るなど木材の利用目的に応じた時期で伐採することとし、人工林の主要な樹種の標準的な主伐時期については次表を目安として定めることとします。
5 林道等の開設その他林産物の搬出に関する事項
(1)林道等の開設及び改良に関する基本的な考え方
林道、林業専用道及び森林作業道(以下、「林道等」という。)は、国土の保全、地球温暖化防止等
の多面的機能を有する森林の適切な整備及び保全の推進、効率的かつ安定的な林業経営の確立のため必要不可欠であるとともに、山村の生活環境の維持、都市との交流や連携、地域の振興等に重要な役割を果たしています。
林道等路網については、一般車両の走行を想定する「林道」、主として森林施業用の車両を想定する「林業専用道」、集材や造材等の作業を行う林業機械の走行を想定する「森林作業道」からなるものとします。その開設については、森林の整備及び保全、木材の生産及び流通を効果的かつ効率的に実施するため、森林に関する気象、地形、地質、土壌等の自然条件、当該林道等に係る集落からの距離等の社会的条件、事業量のまとまり等地域の特性に応じて、環境負荷の低減に配慮しつつ推進することとします。
その際、高性能林業機械開発の進展状況等も考慮しながら、傾斜区分と搬出に係る作業システムに応じた目指すべき路網整備の水準を踏まえつつ、基幹路網(林道、林業専用道)及び森林作業道を適切に組み合わせて整備することとします。
また、林道の整備については、自然条件や社会的条件が良く、将来にわたり育成単層林として維持する森林などを主体に、効率的な森林施業や木材の大量輸送への対応の視点を踏まえて推進することとします。
特に、林道の開設にあたっては、災害の激甚化や走行車両の大型化、未利用材の収穫運搬の効率化に対応し、河川沿いを避けた尾根寄りの線形選択、余裕のある幅員や土場等の適切な設置、排水施設の適切な設置等を推進することとします。
なお、既設林道の改築改良にあたっては、走行車両の大型化等に対応できるよう、曲線部の拡幅や排水施設の機能強化など質的な向上を図るものとします。
基幹路網(注)の現状(令和2年3月現在)
単位 延長:km
区 分 | 路線数 | 延 長 | |||
うち 林業専用道 | うち 林業専用道 | ||||
民 有 林 | (略) | (略) | (略) | (略) | |
一般民有林 | (略) | (略) | (略) | (略) | |
道 有 林 | (略) | (略) | (略) | (略) |
(注)「基幹路網」とは、林道及び林業専用道をいいます。
(2)効率的な森林施業を推進するための路網密度の水準及び作業システムに関する基本的な考え方
ア 路網密度の水準
(略)
イ 作業システムに関する基本的な考え方
間伐等の素材生産の低コスト化、高効率化を図るためには、高性能林業機械の性能を最大限に発揮させることを主眼とした労働生産性の向上が不可欠となります。このためには、機械の性能に応じ一定規模以上の事業量の安定的な確保や、機械作業に適合した高密度の路網、工程全体を通じて生産性が高まるような人員や機械の配置など、地域においてそれらを総合的に組み合わせた低コスト作業システムを構築していく必要があります。特に作業全体の効率性を左右する木寄せ・集材工程の効率化を図ることが重要であることから、主にグラップル、フォワーダ等の車両系林業機械に適合させる形で、輸送距離や輸送量を勘案し、路網をそれぞれの役割に応じて組み合わせ、傾斜等
に応じた密度により適切に配置することとします。
(4)路網の規格・構造についての基本的な考え方
適切な規格・構造の路網の整備を図る観点から、林道、林業専用道及び森林作業道の整備にあたっては、それぞれ林道規程(昭和48年4月1日付け48林野道第107号林野庁長官通知)、北海道林業専用道作設指針(平成23年3月31日付け森計第1280号北海道水産林務部長通知)及び北海道森林作業道作設指針(平成23年3月31日付け森整第1219号北海道水産林務部長通知)に則り開設することとします。
(6)その他必要な事項
ア 土場、作業施設その他の森林整備に必要な施設の整備にあたっては、地形・傾斜等地域の特性に応じ、集約化施業や高性能林業機械による低コスト作業に対応するなど、木材等の合理的な搬出を行うために必要な施設として整備し、適切に管理することとします。
イ (略)
ウ 林道の開設等にあたっては、開設現場周辺の確認や必要に応じて専門家等への相談を行うなど、希少鳥類(オジロワシ、オオワシ、タンチョウ、シマフクロウ等)に配慮することとします。
6 委託を受けて行う森林の施業又は経営の実施、森林施業の共同化その他森林施業の合理化に関する事項
小規模な森林所有形態や林業従事者の高齢化等の課題を克服し、低コストで効率的な森林整備を進めるとともに、安定的、効率的に木材を供給できる体制を整備するため、森林所有者、森林組合、市町村、国有林等の流域を単位とした関係者の合意形成を図りながら、委託を受けて行う森林の施業又は経営の実施、森林施業の共同化、林業従事者の養成及び確保、地域材の流通・加工体制の整備等について、計画的かつ総合的に推進することとします。
なお、森林施業の合理化に関する事項の推進にあたっては、地域の関係者が連携し、森林施業や林業経営の合理化・効率化、地域のエネルギー資源としての木質バイオマス利用の可能性等を含めた木材需給の動向と見通しなど、効率的な森林整備や安定的な木材供給を図るうえでの課題や目標等を明確にしつつ取り組むこととします。
(1)森林の経営の受委託等による森林の経営規模の拡大及び森林施業の共同化に関する方針
委託を受けて行う森林の施業又は経営の実施等を図るため、施業集約化と長期施業受委託等に必要な森林情報の提供及び助言・あっせんなどを推進し、長期にわたり持続的な経営を実現できる林業経営体への委託を進めることとします。その際、長期の施業等の委託が円滑に進むよう、森林の土地の所有者届出制度の運用や固定資産税情報の適切な利用を通じて、得られた情報を林地台帳に反映するなどして、森林所有者情報の精度向上を図るとともに、その情報提供を促進することとします。あわせて、航空レーザ測量等により整備した森林資源情報の公開を促進し、面的な集約化を進めることとします。このほか、施業集約化等を担う森林施業プランナーの育成を進めることとします。
また、森林施業の共同化を促進するためには、森林所有者間の合意形成を図ることが必要です。このため、市町村及び森林組合等による地域協議会等を開催するとともに、普及啓発活動を展開することにより、合意形成を図るとともに、森林施業の共同実施及び作業路網の維持管理等を内容と
する施業実施協定の締結等により森林所有者等の共同による施業の確実な実施を促進することとします。
あわせて、森林の適切な整備及び保全を推進するための条件整備として、境界の整備など森林管理の適正化を図ることとします。
(3)林業に従事する者の養成及び確保に関する方針
林業に従事する者の養成及び確保を図るため、就業相談会の開催、北海道立北の森づくり専門学院(北森カレッジ)等で学ぶ生徒や新規就業者、現場技能者に対する知識・技術の習得等により、段階的かつ体系的な人材育成を促進するとともに、地域の実態に応じた林業への新規参入・起業など林業従事者の裾野の拡大、女性等の活躍・定着に取り組むこととします。
また、林業従事者の通年雇用化、社会保険の加入促進などによる雇用関係の明確化と雇用の安定化、技能などの客観的な評価の促進等により、他産業並の所得水準の確保に向けて取り組むとともに、労働安全対策を強化し労働環境の改善を図ることとします。
これらと合わせ、林業経営体の法人化・協業化等の促進や森林組合との事業連携等を通じた経営基盤及び経営力の強化等により、長期にわたり持続的な経営を実現できる林業経営体を育成し、林家等に対する経営手法・技術の普及指導に積極的に取り組むとともに、適切な森林施業を行い、労働安全管理に努める林業事業体を活用し、森林所有者の施業の円滑化を推進することとします。
ア 人材の育成・確保
(略)
イ 林業事業体の経営体質強化
年間を通じた林業従事者の就労を確保するため、林業事業体における森林整備事業の掘り起こしや林業経営コンサルタントなど、経営の多角化や協業化、合併等による広域化を進め経営の体質強化、高度化を促進することとします。特に、地域の森林における森林整備の中心的な担い手や山村地域の雇用の受け皿として、重要な役割を担う森林組合の経営基盤の強化が必要であるため、組織体制の充実や事業活動の強化、組合間の事業連携等の促進を図り、持続的な森林経営を担う森林組合の育成に努めることとします。
また、未利用材を有効活用した製品の提供や森林見学ツアー等の森林空間を活用した森林関連ビジネスを支援することとします。
さらに、林業事業体の基本的情報等を登録し、公表する「北海道林業事業体登録制度」により、森林所有者等が客観的情報に基づき森林整備等の受託者を選択することができるようにするとともに、適切な森林施業の実施や労働安全衛生管理に努める健全な林業事業体の育成に取り組むこととします。
(4)作業システムの高度化に資する林業機械の導入の促進に関する方針
木材の生産供給体制の整備と森林施業の効率化、作業の省力化・軽労化を図るため、ハーベスタ等による伐倒や、枝払い・玉切り作業、フォワーダ等による集材作業によるシステムを採用するなど、高性能林業機械による作業システムを促進します。
また、ICT 等の先進技術を幅広く活用したスマート林業を展開し、安全で効率的な森林施業の定着を推進します。
(5)林産物の利用の促進に関する方針
地域の森林・林業、木材産業等の活性化及び木材自給率の向上を図るためには、地域で生産され
た木材を地域で消費する「地材地消」の推進や、森林資源の保続を確保する取組の実施が重要で す。このため、地域材の利用に向けた道民への普及啓発活動や、工務店・設計会社等との連携による特色のある取組、一般消費者への周知を徹底し、需要促進を図るよう努めることとします。
また、脱炭素社会の実現に資する等のための建築物等における木材の利用の促進に関する法律
(平成 22 年法律第 36 号)に基づき、北海道が策定した「北海道地域材利用推進方針」(平成 23
年 3 月策定)に即して建築物等において積極的に木材、木製品を利用するほか、建築材をはじめ、木質バイオマスエネルギーへの活用など、幅広い用途での地域材の利用の促進と、地域材を低コストで安定的に供給するため、木材流通の合理化や木材産業の体質強化を推進するとともに、国内市場で最初に木材の譲受け等をする木材関連事業者の取り扱う全ての木材が合法性確認木材となるよう、令和5年に改正された合法伐採木材等の流通及び利用の促進に関する法律(平成 28 年法律第
48 号)に基づき、木材関連事業者による合法性の確認等の実施及び合法性確認木材等の取扱数量の増加等の取組を着実に進めることとします。
ア 木材流通の合理化
(略)
イ 木材産業の体質強化
(略)
ウ 木質バイオマスの利用促進
(略)
(6)その他必要な事項
森林の有する多面的機能の発揮に重要な役割を果たしている山村の振興の観点から、林業及び木材産業の成長発展や森林空間の活用による就業機会の創出、生活環境の整備により山村における定住を促進することとします。
また、山村地域と多様に関わる関係人口の拡大を図るため、レクリエーションや環境教育等の場としての森林空間の活用の推進により、都市と山村の交流を促進することとします。さらに、自伐林家をはじめ、地域住民やNPO 等の多様な主体による森林資源の利活用等を進めることとしま す。
第4 森林の保全に関する事項
1 森林の土地の保全に関する事項
(1)樹根及び表土の保全その他森林の土地の保全に特に留意すべき森林の地区
地形、地質、土壌等を勘案し、森林の施業及び土地の形質変更にあたって特に森林の土地の保全に留意すべき森林を次のとおり定めます。
単位 面積:ha
区 分 | 面 積 | |
民 有 林 | (略) | |
一般民有林 | (略) | |
道 有 林 | (略) |
(注)( )は普通林で内数
〈内 訳〉
ア 一般民有林
(略)
イ 道有林
(略)
(3)土地の形質の変更に当たって留意すべき事項
ア (略)
イ (略)
ウ 太陽光発電設備を設置する場合は、小規模な林地開発でも土砂流出の発生割合が高いこと、太陽光パネルによる地表面の被覆により雨水の浸透能や景観に及ぼす影響が大きいことなどの特殊性を踏まえ、許可が必要とされる面積規模の引下げや適切な防災施設の設置、森林の適正な配置など改正された開発行為の許可基準を適正に運用するほか、地域住民の理解を得る取組を実施することとします。
加えて、盛土等に伴う災害を防止するため、宅地造成及び特定盛土等規制法(昭和 36 年法律
第 191 号)に基づき、知事等が指定する規制区域の森林の土地においては、谷部等の集水性の高い場所における盛土等は極力避けるとともに、盛土等の工事を行う際の技術的基準を遵守させるなど、制度を厳正に運用することとします。
エ その他土地の形質の変更にあたっては、その態様に応じて土砂の流出又は崩壊などの防止に必要な施設を設けるなど、適切な保全上の措置を講ずることとします。
2 保安施設に関する事項
(1)保安林の整備に関する方針
山地災害の危険性が高い地区の的確な把握や、流域保全の観点から各種被害の防止に各関係機関が連携して取り組むとともに、地域における避難体制の整備などのソフト対策と連携した減災に効果的な事業を推進することとします。
また、これらの事業の実施にあたっては、環境との調和に努めるとともに総合的なコスト縮減を図ることとします。
(3)治山事業の実施に関する方針
治山事業は、保安林を守り育てることによって、山崩れなどの山地災害から住民の生命・財産を
かん
守り、森林の有する水源涵養機能を高めるなど緑豊かな生活環境の保全・形成等をめざしている事
業で、事業の実施にあたっては、流域治水の取組と連携しながら、次のとおり対策に努めることとします。
ア (略)
イ (略)
ウ (略)
エ (略)
(4)特定保安林の整備に関する事項
特定保安林は、指定の目的に即して機能していないと認められる保安林です。
その整備にあたっては、間伐等の必要な施業を積極的かつ計画的に推進し、当該目的に即した機能の確保を図ることとします。
特に、造林、保育、伐採その他の施業を早急に実施する必要がある森林については、「要整備森林」とし、森林の現況等に応じて、必要な施業の方法及び時期等を明らかにしたうえで、その実施の確保を図ることとします。
(5)その他必要な事項
保安施設等の整備にあたっては、第3の1の(3)のオにおける森林施業と同様の取扱いに努めることとします。
3 鳥獣害の防止に関する事項
(2)その他必要な事項
鳥獣害防止森林区域においては、エゾシカの被害防止対策が適切に実施されているかどうかを必要に応じて現地調査や各種会議での情報交換、林業事業体や森林所有者等からの情報収集を行うこと等により確認することとします。
食害のおそれがある地域については、造林樹種の選定にあたりアカエゾマツ等の嗜好性の低い樹種を検討することとします。
4 森林病害虫の駆除及び予防その他の森林の保護に関する事項
(2)鳥獣害対策の方針(3に掲げる事項を除く。)
ア (略)
イ (略)
ウ 森林の保護にあたっては、市町村、森林組合等の関係機関及び地域住民との一層の協力のもとに、地域の実情に応じて、針広混交の育成複層林や天然生林に誘導する等、野生生物との共存に配慮した対策を適切に推進することとします。
(4)その他必要な事項
ア (略)
イ 森林の巡視にあたっては、民有林の中で、森林レクリエーションのための利活用者が特に多く、山火事等の森林被害が多発するおそれのある地域を重点的に実施することとし、特に、森林法違反行為の未然防止、山火事の防止、森林の産物の盗採等の防止、森林被害の早期発見等を重点的な点検事項とします。
また、自然公園や自然環境保全地域、鳥獣保護区等の区域、希少な野生生物の生育・生息地 域、盗採等の違反行為のおそれがある地域、主要な展望地や園地など利用者の入り込みが多い地域、山火事等の発生が懸念される地域等においては、自然公園指導員、自然保護監視員、鳥獣保護管理員、生物多様性保護監視員、林業関係者等が相互に連携して、巡視活動並びに利用者への指導を行うこととします。
第5 保健機能森林の区域の基準その他保健機能森林の整備に関する事項
(1)保健機能森林の区域の基準
保健文化機能を高度に発揮させることが必要であると認められる森林のうち、森林の現況、森林所有者の意向、地域の実情、利用者の動向、交通手段等基盤整備の状況及び整備の見通し、森林施業の担い手となる森林組合等の存在等からみて、適切な配置となるよう区域を設定することとします。
また、区域を設定するときは、森林の施業と森林保健施設の整備を一体的かつ計画的に行うことができるよう、流域又は地形界等を考慮して一体的なまとまりのある森林について設定することとします。
なお、保健機能森林の区域の設定にあたっては、保健保安林及び同保安林指定予定地を優先し、区域の設定後は、保健保安林予定地を当該保安林に指定するよう努めることとします。
また、次の森林については、保健機能森林の区域には含めないこととします。
① 原生自然環境保全地域、自然環境保全地域及び道自然環境保全地域特別地区内の森林
② 森林保健施設に該当しない施設の設置が見込まれる森林
③ 既存の開発行為に係る事業区域内に森林として残置又は造成された森林
(2)その他保健機能森林の整備に関する事項
ア 保健機能森林の区域内の森林における施業の方法に関する指針
(略)
イ 保健機能森林の区域内における森林保健施設の整備に関する指針
施設の整備にあたっては、自然環境の保全、地域環境の保全及び文化財の保護に配慮しつつ、地域の実情、利用者の意向等を踏まえて多様な施設の整備を行うこととします。
(略)
ウ その他必要な事項
保健機能森林の管理及び運営にあたっては、自然環境の保全に配慮しつつ、森林の保全と両立した森林の保健機能の増進が図られるよう、森林及び施設の適切な管理並びに防火体制及び防火施設の整備並びに利用者の安全及び交通の安全等の確保に留意することとします。
なお、保健機能森林の設定・整備等にあたっては、当該森林によって確保されてきた自然環境及び地域環境の保全に適切な配慮を行うこととします。
第6 計画量等
5 保安林整備及び治山事業に関する計画
(3)実施すべき治山事業の数量
道民の安全・安心の確保を図る観点から、第 2 の1に定める「森林の整備及び保全の目標その他森林の整備及び保全に関する基本的な事項」に即し、災害に強い地域づくりや水源地域の機能強化を図るため、緊急かつ計画的な実施を必要とする荒廃地等を対象として、植栽及び本数調整伐等の保安林の整備及び渓間工、山腹工等の治山施設の整備を、流域特性等に応じた形で計画的に推進することとし、治山事業の計画量を次のとおり計画します。
単位 地区
区 分 | 治山事業施行地区数 | ||
合 計 | |||
前半5ヵ年の 計画地区 | |||
民 有 林 | (略) | (略) | |
一般民有林 | (略) | (略) | |
道 有 林 | (略) | (略) |
《内訳》
ア 一般民有林修正なし
イ 道有林修正なし
第7 その他必要な事項
1 保安林その他制限林の施業方法
(3)砂防指定地内の森林
砂防指定地内の森林の施業は、砂防法第4条、砂防法施行条例第3条及び砂防法施行細則第 2 条の制限の範囲内で行うこととします。
立木の伐採にあたっては、治水砂防上影響を及ぼさないよう、原則、択伐とし、皆伐を行う場合は、 面積が1ヘクタール未満となるよう留意することとします。
(4)鳥獣保護区特別保護地区内の森林
鳥獣保護区特別保護地区内の森林の施業は、鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律第29条第7項の制限の範囲内で行うこととします。
立木の伐採にあたっての一般的な取扱いは次のとおりです。ア (略)
イ (略)
ウ (略)
2 その他必要な事項
(2)国有林と民有林が一体となった森林づくり
北海道森林管理局と連携して、森林資源の循環利用の推進による地域産業の活性化や雇用の創 出、森林の整備・保全の推進による森林の有する公益的機能の持続的な発揮、木育の理念をもととした道民との協働による森林づくりに向けた取組を実施します。