具体的に申し上げると、例えば、互助会の掛金については、給与控除ができなくなるため、互助会が職員ごとの納付書を発行し、それを職員課を通じて各所属に配り、各所属で はそれを職員ごとに仕分けを行い配布してもらうことになる。納付書を受け取った各職員は期限までにその納付書を指定金融期限である公金4行(みずほ、りそな、三井住友、 三菱東京 UFJ 銀行)の各支店の窓口に営業時間内に行ってもらって、そこで納付書によって納付してもらうこととなる。
「労働関係の基本に関する協約」、「賃金の一部控除に関する協定」、「労働協約書」の改訂 について(平成 24 年 3 月 29 日)
(交渉内容)
【局】
前回、3 月 22 日の団体交渉において、大阪市立病院職員労働組合と締結している「労働関係の基本に関する協約」、「賃金の一部控除に関する協定」及び大阪市従業員労働組合と締結している「労働協約書」における、組合費のチェック・オフの部分について廃止させていただくことおよび組合費以外の控除については、新たな協約書、協定書をそれぞれ締結並びに組合費のチェック・オフについては、平成 25 年 3 月末までの 1 年間に限り、控除を可能とする覚書等の締結を別途行う内容でのご提案を申し上げたところである。
前回の交渉において、大阪市立病院職員労働組合と大阪市従業員労働組合より、「労働関係の基本に関する協約」、「賃金の一部控除に関する協定」及び「労働協約書」の締結並びに平成 25 年 3 月 31 日までを有効期間とする覚書等の締結について、組合費控除を廃止することそのものがご理解、ご納得いただけず再考を求められ、病院局として、この間、慎重に検討を重ねてきたものである。
前回の交渉でも繰り返し申し上げたが、大阪市において職員団体である大阪市職員労働組合に対して、平成 20 年 3 月に、議員提案により給与条例の一部改正が行われ、1 年後の
平成 21 年 4 月よりチェック・オフが廃止された状況にある。
平成 21 年 4 月より公営企業として新たにスタートした病院局においては、大阪市職員労
働組合において平成 20 年 9 月に訴訟を提起されたことや、他任命権者部局の状況を鑑みチェック・オフを行う協約・協定の締結を行ってきたところである。
しかしながら、昨年 8 月、大阪市職員労働組合のチェック・オフ廃止訴訟の1審判決が出され、大阪市の主張が認められたことを踏まえ、病院局としても全市的な方針として組合費の控除について廃止する改定内容での申し入れを行ったものである。
前回の団体交渉以降、ご指摘の点も踏まえ様々な状況などを勘案し、慎重に検討してきたところであるが、最終的には、前回に申し入れを行った内容のまま、修正しない内容とさせていただく結論に至ったものである。
最後に、前回も申し上げたが、新たな協定がなければ組合費以外の控除についても控除不能となり、そのような事態に陥れば、組合員の皆様をはじめ、重大な影響が出るものと局としても認識している。
何卒ご理解いただき、合意を賜りますよう、重ねてお願い申し上げる。
【組合】
前回の団体交渉でも指摘したが、私たちはどちらも労働組合法に基づく労働組合であり、
組合費のチェック・オフ制度は、これまで労使双方で確認し実施してきたものである。憲法第 28 条で保障されている労働者の団結権の保障、労働基準法第 24 条や労働組合法第 7条においても認められている合法的な制度である。
今回提案されている組合費のチェック・オフのみを廃止することは、労働組合の組織運営に影響を及ぼし、組織の弱体化はもとより、団結権を侵害する不当労働行為に繋がるものであると考えている。
病院局から組合費のチェック・オフを廃止する理由として、昨年 8 月に大阪市職員労働
組合における訴訟の 1 審判決が出され、大阪地裁は大阪市職員労働組合の訴えを退け、大阪市の主張が認められたことと、組合費のチェック・オフについては、すでに大阪市職員労働組合において廃止されており、市民に対して廃止された組合があるのに他の組合が継続されているということの説明が困難であると述べられた。
大阪市職員労働組合のxxxx・xxは、2008 年 3 月に条例改正し 2009 年 4 月に廃止された。病院局は大阪市職員労働組合と同様の対応とする考えを示しているが、その時期からすでに協約・協定は、2 回にわたって自動更新されており、何ら問題なく継続されてきたにもかかわらず、なぜ、今回改訂提案するのか理解ができない。
病院局として再度協約、協定の改定を行う正当な理由を示していただきたい。
【局】
先ほど、局長からも説明したが、今回のチェック・オフ廃止提案は、繰り返しになるが、職員団体がチェック・オフを廃止した平成 21 年 4 月に本来であれば全市的な取り扱いとして対応すべきであったが、大阪市職員労働組合において訴訟提起されたことや、他任命権者部局の状況を鑑みチェック・オフすることとしてきたところである。
しかし、昨年、裁判所の一定の判断が出されたこともあり、この時期に見直しとなったところである。
また、他任命権者部局とはいえ、同じ市の職員の組合で廃止しているところとそうでないところがあることを市民に説得することは難しいと考えており、病院局においても全市的な方針として、ご提案申しあげているところである。
【組合】
組合費のチェック・オフの廃止については、組織にとって極めて重要な事項であるにも関わらず、病院局から私たち労働組合に対して事務折衝も十分な事前説明も行わないまま 1カ月前に提案し、限られた時間で交渉を強いるなど、全く交渉の余地のない結果ありきの交渉手法であり、不誠実交渉と言わざるを得ず、納得できない。極めて問題があり、労使対等の交渉になっていない。
このままでは、合意しがたい内容である。協約・協定を締結しなかった場合どのような影響が出るのか局の考え方を示されたい。
【局】
万一、新たな協定書が締結できなかった場合には、労基法による給与からの一部控除が一切できなくなるため、組合費以外の控除項目についても控除ができなくなる。
具体的に申し上げると、例えば、互助会の掛金については、給与控除ができなくなるため、互助会が職員ごとの納付書を発行し、それを職員課を通じて各所属に配り、各所属ではそれを職員ごとに仕分けを行い配布してもらうことになる。納付書を受け取った各職員は期限までにその納付書を指定金融期限である公金4行(みずほ、りそな、三井住友、三菱東京 UFJ 銀行)の各支店の窓口に営業時間内に行ってもらって、そこで納付書によって納付してもらうこととなる。
また、共済組合の団体信用生命保険の特約保険料については、共済の住宅貸付金と合算した金額で控除しているため、この場合も同様に、共済組合が発行した職員ごとの納付書を、各職員に配布して、職員が指定金融機関の公金4行の銀行窓口まで出向き納付することとなる。
また互助会の貯金については、給与からの天引きが規定に要件とされているため、天引きができないと貯金そのものもできなくなると聞いている。
財形貯蓄も給与天引きが前提となっており、積立ができなくなるだけではなく、解約若しくは中断の手続きを行っていただかなくてはならず、場合によっては、住宅や年金財形は貯蓄された金額のxxに過去5年間の課税が課されることも想定される。
その他公舎賃貸料なども、それぞれ各職員のほうで、それぞれ納付書等により納めていただくことになると聞いている。
このように、協定書の締結がなくなると、現在職員課において給与から天引きし、一括して処理させていただいているそれぞれの控除項目がすべて各職員、自ら納付する等の行為が必要となり、おおきな影響があるものと考えている。
【組合】
病院局は協定を締結しなければ、全職員に対し、おおきな影響を与えると、分かっていながら労働組合として到底認めることができない、提案をする事自体が極めて問題であると考えている。管理監督する立場の方々が、職員に大きな影響が出る事が分かっていて、なぜ提案するのか、またその事がすでに労使対等となっていないと考えるが、病院局の認識を伺いたい。
【局】
繰り返しになるが、大阪市の方針として提案させていただいているので、何卒理解の程お願いする。
【組合】
前回の団体交渉より、私たち労働組合は組合費のチェック・オフの廃止について再考するよう求めてきたが、本日の提案内容は、前回の提案内容と全く変わっておらず、納得できる説明となっていない。労使対等の立場で交渉しているにもかかわらず、この間の病院局の交渉姿勢は誠意のない不誠実交渉であると再度指摘しておく。
ここで確認をしたい。
このまま、労使交渉が継続すると、組合費のチェック・オフ及び組合費以外の項目について、いつ、控除不可能となるのか。
【局】
大阪市立病院職員労働組合と締結しております、「賃金の一部控除に関する協定」を根拠といたしますと、平成 24 年 5 月末日までとなる。
【組合】
私たちは組合費のチェック・オフに関わって協約を締結している。この協約には「協約を改定する場合、新協約が発効するまではこの協約を有効とする」とある。
今回提案の協約・協定が締結できなければ、本年 6 月以降のチェック・オフはどうなるのか。私たちは組合費のチェック・オフに関して、協約で定めているため、協定が締結されなくとも協約で組合費のチェック・オフが行えるのではないかと考えているが、病院局の考え方を伺いたい。
【局】
局としては、協約・協定両方が締結できなければ、組合費だけではなく、すべての法定控除以外のものが控除できなくなり、組合員の皆様をはじめ職員に、多大な負担が生ずるものと考えている。
【組合】
前回の団体交渉でも申し上げたが、病院職場は交替制勤務や夜勤等を行っており、組合費のチェック・オフができなければ、組合費の徴収は困難を極め、組織の弱体化に繋がる。私たちとしては不当労働行為にあたるのではないかと考える。また、職場・職員に混乱をもたらす事態を避けなければならないとも考えている。今一度、再考する意思があるのかどうか確認したい。
【局】
局として前回の団体交渉以降、慎重に検討してきが、局長の方より、伝えた通り、2 月 29 日に大阪市立病院職員労働組合へ、3 月 1 日に大阪市従業員労働組合に申し入れを行った内容のとおりお願いしたいと考えている。繰り返しになるが、病院職場の特質はあるも
のの、局としても組合側の準備期間が必要であると十分認識しており、当局提案としても覚書によりチェック・オフを1年間、継続することとしており、決して組合の弱体化を意図して提案したものではないことをご理解いただき、チェック・オフの廃止について何卒ご理解賜わるようお願いする。
【組合】
先ほどの局の説明によると、まだ少し時間があるので、我々としては、引き続き検討を重ねたい。再度持ち帰りたいと考えており、本日の交渉については、これで終了したいと考えるがいかがか。
【局】
それでは、改めて協議をよろしくお願いする。