Contract
山梨県司法書士会調停センター調停手続実施規程
第1章 総 則
(趣 旨)
第1条 本規程は、山梨県司法書士会調停センター設置規則(以下「設置規則」という。)第15条及び第24条の規定に基づき、山梨県司法書士会調停センター(以下「本センター」という。)が実施する調停手続(本センターが実施する民間紛争解決手続きの業務をいう。以下同じ。)についてその実施体制・運用方法等に関して必要な事項を定める。
(目 的)
第2条 本センターは、手続実施者(第3条第5号に定める手続実施者をいう。以下同じ。)の有する能力を活用し、かつ、紛争事件の当事者の自主性を尊重して紛争の実情に即して適切な法の適用及び解釈のもと、公正かつ適正な終局的解決を図り、もって市民の権利利益の実現に資することを目的とする。
(用 語)
第3条 本規程において使用する用語の意義は、次の各号に定めるところによるほか、設置規則、山梨県司法書士会調停センター運営規程(以下「運営規程」という。)及び裁判外紛争解決手続の促進に関する法律に定めるところによる。
(1)申込予定者 調停手続の申込みをしようとする者
(2)申込人 調停手続の申込みをした者
(3)相手方 申込人から相手方として指定された者
(4)当事者 申込人及び相手方
(5)手続実施者 本規程に基づく調停手続の実施者として選任された者
(6)手続実施者候補者 手続実施者の候補者として運営規程第13条に定める手続実施者名簿に登載された者
(7)事件管理者 手続実施者候補者の中から選任され、調停手続の実施に関し、当事者への説明及び事務連絡、調停手続への出席の勧誘その他調停手続を円滑に実施するために必要な当事者の支援を行う者
(8)書記 調停期日において調停の経緯を記録する者
(紛争の範囲)
第4条 本センターは、司法書士法第3条第1項第7号に規定する紛争について、調停手続を実施する。
(守秘義務)
第5条 本センターの管理者、運営委員、手続実施者候補者(手続実施者及び事件管理者を含む。)、書記並びに本会の役員及び事務局職員(臨時的に雇用された者を含む。以下同じ。)は、正当な理由なく、本センターの業務遂行上知り得た事実(当事者を特定する各種情報を含む。)について他に漏らしてはならない。その職を辞した後も同様とする。
2 前項に規定する者は、その職に就任後、速やかに本会との間で秘密保持契約を締結しなければならない。
3 第1項の守秘義務に違反した場合は、本会の理事会は、本センターによる調査を経た上で、解職又は手続実施者名簿の登載取消等の処分を行う。
(手続の非公開性)
第6条 本センターが実施する調停手続は、非公開とする。ただし、手続実施者は、次の各号のいずれかに該当する者(以下「関係者」という。)を、調停の期日に同席させ、必要があると認められるときは、意見を述べさせることができる。
(1) 当事者の同意を得た者
(2) 当事者の一方の同意を得た者であって、調停手続の実施に支障がないと手続実施者が認めた者
2 手続実施者は、前項の定めにかかわらず調停手続の実施に支障があると認められる場合は、関係者を退席させることができる。
3 本センターは、本センターの事業に関する研究又は研修に活用するため、当事者の同意を得て、終了した調停手続の概要(当事者及び関係者の氏名又は名称並びに事案の内容が特定されないよう措置を講じたものに限る。)を利用することができる。
4 当事者は、調停手続において他方の当事者が示した和解及びその内容に関する意向並びに手続実施者が示した申込みに係る紛争についての結果及び和解に関する提案を、訴訟手続、仲裁手続その他の紛争処理の手続において事実を立証するための証拠として提出することはできない。ただし、他方の当事者が証拠とすることに同意した場合その他正当な理由があるときは、この限りでない。
5 当事者は、別段の合意がない限り、当該調停手続に関与した手続実施者、事件管理者及び書記を訴訟手続、仲裁手続その他の紛争処理の手続の証人として申請してはならない。
(不当な影響の排除)
第7条 本会の役員は、手続実施者に対し、法令、設置規則、本規程その他の定めを遵守させる場合を除き、手続実施者が独立して行う職務に関し、直接又は間接にいかなる命令又は指示を行ってはならない。
2 手続実施者は、調停手続に関し、法令、設置規則、本規程その他の定めを遵守し、調停手続の実施に当たっては、何人からも命令又は指示を受けず、中立性を保持しつつ公正にその職務を行わなければならない。
3 手続実施者は、調停の実施に当たり、本会の役員及び当事者から不当な影響を受けた場合には、速やかにセンター長に報告しなければならない。
4 センター長は、前項に規定する報告を受けたときは、速やかに不当な影響を排除するために必要な措置を講じなければならない。
5 センター長は、前項に規定する措置を講じるに際し、運営委員会に意見を求めることができる。
6 会長は、手続実施者候補者との間で、当該手続実施者候補者を手続実施者名簿に登
載された後、速やかに第1項及び第2項の規定を遵守することを約する確認書を取り交わすものとする。
(代理人)
第8条 本センターにおいて実施される調停手続は、次の各号に掲げる者でなければ代理人となることができない。
(1) 弁護士、認定司法書士、その他法令により調停手続の代理人となることができる者
(2) 当事者の権利利益の保護及び調停手続の円滑な進行のため、センター長(手続実施者を選任した後は当該手続実施者。以下この条において同じ。)が相当と認め許可した者
2 センター長は、前項第2号の規定により許可した代理人が、当事者の権利利益を害し、又は調停手続の円滑な進行を妨げるおそれがあると認めるときは、その許可を取り消すことができる。
3 センター長は、第1項第2号の規定により代理人を許可し、又は前項の規定によりその許可を取り消すときは、運営委員会に意見を求めることができる。
4 当事者は、代理人を選任したときは、速やかにその代理権を証する書類を本センターに提出しなければならない。
(通知)
第9条 調停手続に関する書類の送付は、当事者へ直接交付する場合のほか、第14
条第6項、第16条第1項、第18条第3項、第28条第6項、第29条第6項(第30条第6項、第31条第2項、第32条第4項で準用する場合を含む)の規定を除き、普通郵便による方法にて行うことができる。
2 第16条第1項、第31条第2項において準用する第29条第6項の規定による送付は配達証明郵便によるものとし、第14条第6項、第18条第3項、第28条第6項、第29条第6項(第30条第6項、第32条第4項で準用する場合を含む)の規定による送付は、配達証明郵便又はこれに準ずる方法による。
3 前項に規定する書類の送付について、当該書類の送付を受けるべき者が正当な理由なくこれを受けることを拒んだときは、普通郵便により送付することとし、第35条第1項に規定する手続実施記録に、その旨(書類が返送された場合にはその旨及び年月日を含む。)及び普通郵便を発送した年月日を記録する。
4 書類の送付以外の方法による通知は、電話、ファクシミリ、電子メールその他通知
すべき内容の性質に応じて適宜の方法により行うこととし、その事実を第35条第1
項に規定する手続実施記録に記録する。また、第1項による書類の送付についても同様とする。
第2章 手続実施者の選任等
第1節 調停手続の申込み等
(利用希望)
第10条 申込予定者は、本センターに対し、口頭又は書類により次の各号に掲げる事項を明示して調停手続の利用を申し出なければならない。
(1) 申込予定者の氏名又は名称(法人である場合には代表者の氏名を含む。)、住所又は居所及び連絡先(電話番号、ファクシミリ番号及び電子メールアドレスをいう。以下同じ。)
(2) 調停手続の利用を希望する旨
2 前項に規定する申し出があったときは、申し出を受けた者は速やかに同項各号に掲げる事項をセンター長に報告しなければならない。
(事件管理者の選任等)
第11条 センター長は、前条第1項に規定する申し出又は前条第2項に規定する報告を受けたときは、直ちに手続実施者候補者の中から前条第1項の申し出があった事案を担当する事件管理者を1人以上選任するものとする。
2 事件管理者は、前項の規定により選任された後、速やかに申込予定者に連絡し、次条第1項の説明をする日時及び場所を決定しなければならない。
(申込予定者に対する説明)
第12条 事件管理者は、次の各号に掲げる事項について、これを記載した書類を交付して申込予定者に説明しなければならない。
(1) 手続実施者の選任に関する事項
(2) 山梨県司法書士会調停センター手数料規程に規定する事項
(3) 調停手続の開始から終了に至るまでの標準的な手続の進行
(4) 調停手続において明らかにされた当事者及び第三者の秘密又は手続実施記録に記載されている当事者又は第三者の秘密の取扱いの方法
(5) 当事者が調停手続を終了させるための要件及び方式
(6) 手続実施者が調停手続によって当事者間に和解が成立する見込みがないと判断したときは、速やかに当該調停手続を終了し、その旨を当事者に通知すること
(7) 当事者間に和解が成立したときは、第28条第4項に規定する調停合意書を作成すること、その作成者、通数その他調停合意書の作成に係る概要
(8) 裁判外紛争解決手続の利用の促進に関する法律第2条第5号に規定する特定和解(以下「特定和解」という。)の成立により認証紛争解決手続が終了した場合における当該手続に係る手続実施記録の保存期間並びに当該手続実施記録の閲覧及び謄写又は複写に関する手続の有無及びその概要
2 事件管理者は、前項の説明をしたときは、申込予定者から当該説明を受けた旨を記載した書類を受け取るものとする。ただし、申込予定者が申込みを希望しない場合はこの限りではない。
3 事件管理者は、第1項に規定する説明を終えたときは、速やかにその旨及びその結果をセンター長に報告しなければならない。
(申込みの方法)
第13条 調停手続の申込みを行うには、申込予定者が次の各号に掲げる事項を記載した調停申込書(以下「申込書」という。)を、本センターに提出してしなければならない。
(1) 当事者の氏名又は名称(当事者が法人である場合には代表者の氏名を含む。)、住所又は居所及び連絡先、当事者が自然人の場合は生年月日、職業、性別
(2) 代理人を選任した場合には、当該代理人の資格(代理人が弁護士、認定司法書士その他法令により調停手続の代理人となることができる者でないときは、申込予定者と当該代理人との関係を含む。)、氏名、住所又は居所及び連絡先
(3) 事案の概要
(4) 事案の価格(事案の解決により得られる利益の額)
(5) 請求の要旨
(6) 当事者のほか、調停に同席させたい者(第6条第1項にいう関係者となり得る者)がいる場合には、その氏名又は名称(法人である場合には代表者の氏名を含む。)、住所又は居所及び連絡先
2 事件管理者は、申込予定者が申込書を作成するにあたり相当と認めるときは、前項第3号、第5号及び第6号の事項を申込予定者から聞き取り、当該申込書に記載することができる。
3 事件管理者は、申込予定者が第1項に規定する申込書を作成する過程において、調停手続の利用を希望する事案が次の各号に定める事項のいずれかに該当すると判断した場合には、センター長に報告しなければならない。
(1) 司法書士法第3条第1項第7号に規定する紛争ではないとき
(2) その性質上調停手続を行うのに適さないとき
4 事件管理者は、前項の規定に基づきセンター長に報告した後、申込予定者に対し前項各号に定める事項のいずれかに該当する旨を説明しなければならない。この場合において前項各号に該当するときは、その説明の際、事件管理者は、他の紛争解決機関の紹介をすることができる。
5 申込書には、次の各号に掲げる書類を添付しなければならない。
(1) 当事者が法人であるときはその代表者の資格を証明する書類
(2) 代理人を選任した場合は、その権限を証する書類
(3) 運転免許証の写し、旅券の写しその他申込予定者の本人確認ができる書類
(受理又は不受理)
第14条 センター長は、本センターが前条の申込みを受けたときは、当該申込書を速やかに審査し、次の各号に該当する場合を除き、当該申込みの受理の決定をする。
(1) 申込人が、第12条第1項で定める説明を受けていないこと
(2) 申込書の記載事項に遺漏があること
(3) 前条第3項各号のいずれかに該当すること
2 前項第1号・第2号の場合においては、センター長は事件管理者に対し、不備が補正されるよう相当の処置を命ずることができる。
3 センター長は、第1項第3号に該当するとき、または前項の処置をしてもなお、第1項第1号・第2号に該当するときは、不受理の決定をするものとする。
4 センター長は、前2項の規定により申込みを受理し、又は不受理とする決定をするに当たり、運営委員会に意見を求めることができる。
5 センター長は、第1項又は第2項の規定により申込みを受理し、又は不受理とする決定をしたときは、事件管理者に決定の内容を電話その他適宜の方法により通知しなければならない。
6 事件管理者は、受理又は不受理の旨を記載した書類を速やかに申込人に送付するものとする。
(調停手続の開始)
第15条 調停手続は、前条第1項の規定により申込みの受理を決定した時に開始する。
(相手方への通知)
第16条 事件管理者は、第14条第5項の規定によりセンター長より申込みの受理の通知を受けたときは、速やかに次の各号に掲げる事項を記載した書類を作成し、申込書の写しとともに相手方に送付しなければならない。ただし、申込人の申し出がある場合は第1号に掲げる事項のうち、氏名又は名称及び住所又は居所の記載は省略することができ、申込書の写しは、申込人が求める調停手続の概要を記載した書類に代えることができる。
申込人の氏名又は名称及び住所又は居所並びに申込人から調停手続の申込みがあった旨
(2) 本センターの実施する調停手続の実施に応じるかどうかの回答を求める旨及びその期限
(3) 事件管理者の氏名及び連絡先
2 事件管理者は、前項に規定する書類に第12条第1項に規定する書類を添付しなければならない。
3 事件管理者は、前2項に規定する書類が相手方に到達したことを確認した後、速やかに第12条第1項各号に規定する事項を電話その他適宜の方法で説明するものとする。
4 事件管理者は、前項の説明をしたときは、相手方から当該説明を受けた旨を記載した書類を受け取るものとする。ただし、相手方が応諾しない場合はこの限りではない。
5 相手方は、第3項に規定する説明を受けなければ調停手続の実施を依頼することはできない。
(相手方の応諾)
第17条 相手方が調停手続の実施に応じるときは、次の各号に掲げる事項を記載した回答書(以下「回答書」という。)を本センターに提出しなければならない。
(1) 調停手続の実施に応じる旨
(2) 相手方の氏名又は名称(相手方が法人である場合には代表者の氏名を含む。)、住所又は居所及び連絡先、自然人の場合は生年月日、職業、性別
(3) 代理人を選任したときは、代理人の資格(代理人が弁護士、認定司法書士その他法令により調停手続の代理人となることができる者でないときは、相手方と当該代理人との関係を含む。)、氏名、住所又は居所及び連絡先
当事者のほか、調停に同席させたい者(第6条第1項にいう関係者となり得る者)がいる場合には、その氏名又は名称(当事者が法人である場合には代表者の氏名を含む。)、住所又は居所及び連絡先
2 事件管理者は、前項の規定により相手方が応諾したときは、速やかにその旨を電話その他適宜の方法により申込人及びセンター長に通知しなければならない。
3 事件管理者は、第1項の規定により相手方が応諾したときは、相手方に第1回目の期日までに次の各号に掲げる書類の提出を求めるものとする。
(1) 代理人を選任した場合は、その権限を証する書類
(2) 運転免許証の写し、旅券の写しその他相手方の本人確認ができる書類
(相手方の拒絶)
第18条 事件管理者は、相手方が第16条第1項に規定する書類に記載した期限までに調停手続の実施に応じるかどうかの意思を明らかにしない場合は、電話その他の適宜の方法により相手方にその意思を確認するものとする。
2 事件管理者は、相手方が調停手続の実施の依頼をしないことを明確にしたとき又は前項の規定により確認したにもかかわらずその意思が確認できないときは、調停手続の終了を決定するものとし、センター長にその旨及び理由を報告しなければならない。
3 事件管理者は、調停手続の終了を決定した旨、その理由及び年月日を記載した書類を当事者に送付しなければならない。
第2節 手続実施者の選任
(手続実施者の選任)
第19条 センター長は、第17条第1項の規定により相手方が応諾したときは、速やかに手続実施者候補者のうちから、次条第1項各号に規定する事由に該当しない者1人又は2人以上を、当該事案を担当する手続実施者として選任しなければならない。
2 センター長は、前項の規定により手続実施者を選任するときは、事案の内容、候補者の業務歴、調停手続実施経歴、その他事情を考慮して当該事案の担当にふさわしいと思料する者を選任するものとする。
3 第1項の規定により選任された手続実施者は、当該事案に係る調停手続において、和解の仲介を行う。
4 センター長が、手続実施者を2人以上選任するときは、そのうち1人を主任手続実施者として選任しなければならない。
5 手続実施者が2人以上選任された場合における当該手続実施者間の意思決定は過半数により行う。ただし、可否同数のときは、主任手続実施者の決するところによる。
6 センター長は、手続実施者を選任した後、速やかに当該手続実施者を選任した旨及びその氏名を事件管理者に電話その他適宜の方法で通知しなければならない。
7 事件管理者は、前項に規定する通知を受けたときは、遅滞なく、選任された手続実施者の氏名を当事者に普通郵便にて通知するものとする。
8 センター長は、手続実施者となることができない。
(手続実施者の排除)
第20条 センター長は、手続実施者候補者が、次の各号に掲げる事由のいずれかに該当するときは、申込みに係る事案を担当する手続実施者に選任してはならない。
(1) 手続実施者候補者が当事者(法人の社員又は使用人であるときを含む。)又はその配偶者であるとき、又は当該事案について当事者と共同権利者、共同義務者若しくは償還義務者の関係にあるとき
(2) 手続実施者候補者が当事者の四親等内の血族、三親等内の姻族若しくは同居の親族であるとき、又はあったとき
(3) 手続実施者候補者が当事者の後見人、任意後見人、後見監督人、任意後見監督人、保佐人、保佐監督人、補助人又は補助監督人であるとき、又はあったとき
(4) 手続実施者候補者が当該事案について証人又は鑑定人となったとき
(5) 手続実施者候補者が当該事案について当事者の代理人又は補佐人であるとき、又はあったとき
(6) 手続実施者候補者が当該事案について当事者から司法書士法第3条第1項第5号及び第7号に規定する相談を受けたことがあるとき
(7) 事件管理者として関与したとき
(8) 手続実施者候補者が当事者と任意後見契約を締結しているとき、又はしていた
ことがあるとき
(9) 手続実施者候補者が当該事案について仲裁判断に関与したとき
2 センター長は、選任しようとする手続実施者候補者に対し、あらかじめ前項各号に規定する事由がないことを確認しなければならない。
3 センター長は、手続実施者が第1項各号のいずれかに該当することが明らかになったときは、当該手続実施者を解任しなければならない。
4 センター長は、前項の規定により手続実施者を解任したときは、後任者を選任するとともに、その旨及び当該後任者の氏名を事件管理者に電話その他適宜の方法により通知しなければならない。
5 事件管理者は、前項に規定する通知を受けたときは、手続実施者を解任して後任者を選任したこと及び当該後任者の氏名を当事者に普通郵便その他適宜の方法により通知しなければならない。
(手続実施者の忌避)
第21条 当事者は、手続実施者に調停手続の公正な実施を妨げる恐れがある事由があるときは、当該手続実施者の忌避を本センターに申立てることができる。
2 忌避の申立ては、当事者が前項の事由があることを知った日から15日以内に次の各号に掲げる事項を記載した忌避申立書を事件管理者に提出してしなければならない。
(1) 忌避を申立てる者の氏名
(2) 忌避の申立ての対象となった手続実施者の氏名
(3) 忌避を申立てる理由
3 事件管理者は、前項に規定する忌避申立書の提出を受けたときは、速やかにその旨 を当事者(忌避を申立てた者を除く。)に電話その他適宜の方法により通知し、かつ、センター長に報告しなければならない。
4 センター長は、前項に規定する報告を受けたときは、速やかに当事者及び手続実施者の意見を聴くことその他の方法により事実関係を調査し、忌避の申立てを認めるか否かの決定をしなければならない。この場合において、センター長は、当該決定をするに際し、運営委員会に意見を求めることができる。
5 センター長は、前項に規定する決定をしたときは、速やかにその旨を事件管理者を通して当事者に普通郵便その他適宜の方法により通知しなければならない。
6 センター長は、忌避の申立てを認める決定をしたときは、直ちに忌避の申立ての対象となった手続実施者を解任しなければならない。
7 前条4項及び第5項の規定は、前項の規定により手続実施者を解任した場合について準用する。
(手続実施者の回避)
第22条 手続実施者候補者は、次の各号に掲げるときには、手続実施者となることを回避しなければならない。
(1) 第20条第1項各号に規定する排除事由に該当する恐れがあるとき
(2) 調停手続の公正な実施を妨げる恐れがあると自ら判断したとき
(3) 手続実施者となることが不適当であると自ら判断したとき
2 手続実施者候補者が、回避をしようとするときは、センター長に対し、前項各号に規定する事由に該当すると判断するに至った理由を明らかにしなければならない。
(手続実施者の辞任)
第23条 手続実施者は、正当な理由があるときは、センター長の承認を得て辞任することができる。
2 前項の規定により辞任しようとする手続実施者は、センター長にその理由を明らかにしなければならない。
3 第20条第4項及び第5項の規定は、第1項の規定により手続実施者が辞任した場合について準用する。
第3節 書記
(書記の選任)
第24条 センター長は、調停の経緯を記録するため、書記1人以上を司法書士の中から選任することができる。
2 書記は、調停期日において発言をしてはならない。ただし、手続実施者の求めがあった場合に、記録した内容に限り発言をすることができる。
3 書記は、調停期日において、調停の進行及び公平を妨げるような行動をしてはならない。
4 調停期日において、書記は手続実施者の指示に従うものとする。
第4節 調停手続
(調停の期日)
第25条 調停の期日は、事件管理者が、当事者及び手続実施者の日程を調整して決定する。ただし、第2回以降の期日は手続実施者が期日内において当事者の日程を調整して決定することができる。
2 事件管理者は、当事者に対しては普通郵便で、手続実施者及び書記に対しては電話その他適宜の方法により速やかに前項の実施期日を通知する。
3 期日の開催場所は、本センター所在地又はセンター長が指定した場所とする。ただし、一方又は双方の当事者が希望する場所(山梨県内に限る。)がある場合であって、センター長が当該場所で期日を開催することを相当と認める場合は、当該場所で開催することを妨げない。
4 事件管理者は、期日が設定された後に、当事者の一方又は双方から期日を変更したい旨の連絡を受けたときは、当該期日を延期し、新たな期日を決定することができる。この場合の実施期日の通知は、第2項の規定を準用する。
(期日の回数等)
第26条 当事者及び手続実施者は、3回以内の期日で和解が成立するように努めなければならない。
2 調停の開始から6か月を経過しても和解が成立しないときには、事件管理者又は手続実施者は、当事者に対し本センターによる調停手続の利用を継続するか否かにつき確認することができる。
(調停の進行)
第27条 手続実施者は、当事者の自発的参加及び自己決定権を尊重して、調停を進行しなければならない。
2 当事者の主張は、期日において口頭により行う。ただし、手続実施者が相当と認めるときは、書類の提示若しくは提出による主張を行うことができる。
3 手続実施者は、一方若しくは双方の当事者の要請があるとき又は相当と認めるときには、事案の内容を勘案し、当事者に対し、法律若しくは慣行に関する情報を提供し、又は諾否の自由を示した上で、和解案を提示することができる。
4 調停は、原則として期日に双方の当事者が出席して行う。ただし、当事者の一方が欠席した場合でも期日を開催することができる。
5 前項ただし書きの場合においては、手続実施者は、事件管理者を介して、欠席した当事者に対して、当該期日内容の概略を報告するものとする。
6 第4項の規定により調停の期日を双方の当事者が出席して行うときには、手続実施者は、一方又は双方の当事者の要請があるとき又は相当と認めるときは、当事者の同意を得て、一方の当事者を離席させた状態で、他方の当事者から主張及び意見を聴き、次いで、他方の当事者を離席させた状態で、一方の当事者の主張及び意見を聴くことを必要な範囲で繰り返す方法により行うことができる。
7 手続実施者は、前項の規定により一方の当事者から主張及び意見を聴いたときは、当該一方の当事者の同意があるときを除き、当該主張及び意見の内容を他方の当事者に伝えてはならない。他方の当事者から主張及び意見を聴いたときも同様とする。
第5節 調停手続の終了
(和解の成立)
第28条 和解は、期日において手続実施者が合意の成立を宣言したときに成立する。
2 和解が成立したときは、手続実施者は、合意成立の宣言をした年月日及び合意事項を記載した調停合意書の案を作成する。ただし、特定和解でない和解の場合で、双方の当事者が調停合意書の作成を望まないときは、この限りではない。
3 手続実施者は、前項ただし書の規定により調停合意書を作成しない場合は、期日において、合意成立の宣言をした年月日及び合意事項を当事者に読み聞かせ、同意を得なければならない。
4 調停合意書は、第2項に規定する調停合意書の案に当事者が署名捺印することにより作成する。この場合において、全ての手続実施者は、立会人として当該調停合意書に署名捺印する。
5 調停合意書の作成通数は、当事者の数に1を加えた数とし、本センターに1通を保管する。
6 調停合意書は、期日においては手続実施者が当事者に各1通を手交し、期日外においては事件管理者が当事者に各1通を送付する。
7 調停合意書の保管については、山梨県司法書士会調停センター文書管理規程において定める。
8 調停手続は、調停合意書を当事者に手交し、若しくは送付したとき又は第3項に規定する期日が終了したときに終了する。
(申込人の取下げ)
第29条 申込人は、理由を開示することなく、いつでも調停手続の取下げをすることができる。
2 調停手続の取下げは、次に掲げる事項を記載した取下書を本センターに提出してしなければならない。
(1) 当事者の氏名又は名称及び事件番号
(2) 調停手続の取下げをする旨
(3) 代理人が取下書を提出する場合にあっては、代理人の資格(代理人が弁護士、認定司法書士その他法令により調停手続の代理人となることができる者でないときは、申込人と当該代理人との関係を含む。)、氏名、住所又は居所及び連絡先
3 前項の規定に基づき取下書を受領した者は、直ちに手続実施者及び事件管理者にその旨を報告しなければならない。
4 手続実施者は、取下書を受領したとき又は前項に規定する報告を受けたときは、速やかに調停手続の終了を決定しなければならない。
5 手続実施者は、前項に規定する調停手続の終了の決定をしたときは、直ちにその旨をセンター長及び事件管理者に報告しなければならない。
6 事件管理者は前項に規定する、報告を受けたときには速やかに次に掲げる事項を記載した書類を作成し、当事者に通知しなければならない。
(1) 当事者の氏名又は名称及び事件番号
(2) 調停手続の終了を決定した旨
(3) 調停手続の終了の事由
(4) 調停手続を終了した年月日
(相手方の離脱)
第30条 相手方は、理由を開示することなく、いつでも調停手続から離脱することができる。
2 調停手続の離脱をするには、次に掲げる事項を記載した離脱書を本センターに提出してしなければならない。
(1) 当事者の氏名又は名称及び事件番号
(2) 調停手続の離脱をする旨
(3) 代理人が離脱書を提出する場合にあっては、代理人の資格(代理人が弁護士、認定司法書士その他法令により調停手続の代理人となることができる者でないときは、相手方と当該代理人との関係を含む。)、氏名、住所又は居所及び連絡先
3 前項の規定に基づき離脱書を受領した者は、直ちに手続実施者及び事件管理者にその旨を報告しなければならない。
4 手続実施者は、相手方が本センターに離脱書を提出した場合であっても、当該事案について、なお和解が成立する見込みがあると判断したときは、相手方に調停手続の継続についての意思を再確認することができる。この場合において、相手方が調停手続の継続を希望した場合には調停手続を継続するものとし、調停手続の継続を希望しないときは次条第1項第1号の規定により調停手続を終了するものとする。
5 手続実施者は、離脱書を受領したとき又は第3項に規定する報告を受けたときは、前項の規定による場合を除き、速やかに調停手続の終了を決定しなければならない。
6 前条第5項及び第6項の規定は、前項の規定により調停手続の終了を決定した場合について準用する。
(和解が成立する見込みがない場合)
第31条 手続実施者は、次の各号のいずれかに該当する場合には、当事者間に和解が成立する見込みがないものとして、速やかに調停手続の終了を決定しなければならない。
(1) 当事者の双方又は一方が調停手続の継続を望まないとき
(2) 当事者の双方又は一方が和解をする意思がないことを明確にしたとき
(3) 当事者の双方又は一方が正当な理由なく、3回以上又は連続して2回以上期日に欠席したとき
(4) 現時点で直ちに和解が成立する見込みがなく、かつ、事案の性質や当事者の置かれた事情に鑑みて、調停手続を継続することが、当事者に対し、和解の成立により獲得することが期待される利益を上回る不利益を与える蓋然性があるとき
(5) 前各号に掲げるもののほか、当事者間に和解が成立する見込みがないと手続実施者が判断したとき
2 第29条第5項及び第6項の規定は、前項の規定により調停手続の終了を決定した場合について準用する。
(その他の終了)
第32条 調停手続は、第18条第2項及び前4条(第28条乃至第31条)の規定による場合のほか、次の各号のいずれかに該当するときに終了する。
(1) 紛争解決の目的が公序良俗に反するおそれがあるとき
(2) 司法書士法第3条第1項第7号に規定する紛争ではないことが判明したとき
(3) 双方又は一方の当事者が手続実施者の指揮に従わないため、調停手続の実施が困難であるとき
(4) 第7条第4項に規定する措置を講じたにもかかわらず、なお手続実施者が不当な影響を受けていると認められ、中立性を保持した公正な調停手続の実施が困難であるとき
2 手続実施者は、前項各号に掲げる事由があると認められるときは、直ちに調停手続の終了を決定しなければならない。この場合において、手続実施者は、当該決定をするに際し、センター長及び事件管理者に意見を求めることができる。
3 手続実施者は、第1項第2号の規定により調停手続を終了したときは、他の紛争解決機関の紹介その他当事者の適正かつ円滑な紛争の解決に配慮した措置を講ずるよう努めなければならない。
4 第29条第5項及び第6項の規定は、第2項の規定により調停手続の終了を決定した場合について準用する。
(業務の受任禁止)
第33条 事件管理者は、第12条第1項の説明の後は、当事者の一方からの依頼による当該調停手続に関する事件については、業務を行ってはならない。
2 手続実施者及び書記は、担当した調停手続終了後、当事者の一方からの依頼による当該調停手続に関する事件については、業務を行ってはならない。
第3章 調停調書等
(調停調書)
第34条 手続実施者は、期日ごとに、次の各号に掲げる事項を記載した調停調書(以下「調停調書」という。)を作成し、期日終了後、遅滞なく、本センターに提出しなければならない。
(1) 期日の日時及び場所
(2) 当事者の氏名又は名称(代理人が期日に出席したときは、当該代理人の資格(代理人が弁護士、認定司法書士その他法令により調停手続の代理人となることができる者でないときは、申込人と当該代理人との関係を含む。)及び氏名を含む。)
(3) 当事者以外の者が期日に同席したときは、その者の氏名
(4) 手続実施者及び書記の氏名
(5) 期日における調停手続の概要
(6) 和解が成立した場合は、その和解の内容
2 調停調書は、次条第1項に規定する手続実施記録に編綴して保管するものとする。
3 手続実施者は、書記が選任されている場合、調停調書の作成を書記に行わせることができる。
(手続実施記録)
第35条 事件管理者は、調停手続に関し、運営委員会の定めるところに従い、次の各号に掲げる事項を記載した手続実施記録(以下「手続実施記録」という。)を作成し、当該手続終了後120年間保管するものとする。
(1) 申込書の受理年月日及び相手方が調停手続の実施に応諾した年月日
(2) 当事者の氏名又は名称(代理人を選任したときは、当該代理人の資格(代理人が弁護士、認定司法書士その他法令により調停手続の代理人となることができる者でないときは、当事者と当該代理人との関係を含む。)及び氏名を含む。)
(3) 事件管理者、手続実施者及び書記の氏名
(4) 調停手続の実施の経緯
(5) 調停手続の結果(調停手続の終了の事由及びその年月日を含む。)
(6) 調停手続において請求がされた年月日及び当該請求の内容(当事者が送付を受けた年月日を含む。)
(7) 調停手続によって和解が成立した場合は、その和解の内容
(8) 前各号に掲げるもののほか、運営委員会が別に定める事項
2 事件管理者は、本センターにおける調停手続の円滑な実施を図るために必要と認めるときは、事務局職員に手続実施記録のうち、一部の作成を担当させることができる。尚、この場合においては前項各号に加え、担当した事務局職員の氏名を手続実施記録の余白に記載しなければならない。
3 手続実施記録の保管については、山梨県司法書士会調停センター文書管理規程において定める。
(資料等の取扱い)
第36条 当事者又は関係者から資料が提出されたときは、その写しを作成した上で、手続実施記録の一部として保管し、当該資料を当事者又は関係者に返還する。
2 本センターは、当事者又は関係者から提出された書類(前項に規定する資料の写しを含む。)を当該手続終了後120年間保管するものとする。
(記録等の公開等)
第37条 センター長は、調停調書、手続実施記録及び前条第2項に規定する書類を公開しないものとする。ただし、第6条第3項の規定により利用する場合及び次条の規定により証明書を発行する場合はこの限りでない。
2 当事者又は当事者であった者(以下「当事者等」という。)は、調停合意書を紛失したときは、調停合意書の謄写を本センターが定める書類によりセンター長に請求することができる。
(証明書)
第38条 当事者等は、次の各号に掲げる事実を記載した証明書の発行を本センターが定める書類によりセンター長に請求することができる。
(1) 手続実施者が第31条第1項各号の規定により和解が成立する見込みがないとして調停手続を終了したこと、終了した年月日及びその旨を記載した書類を当事者に送付した年月日(当事者が送付を受けた年月日を含む。)
(2) 当事者から本センターの調停手続において請求があった年月日及びその内容
(3) 本センターにおいて調停手続が継続中であること及び調停手続を開始した年月日
(4) 前3号に掲げるもののほか、センター長が相当と認めるもの
2 センター長は、前項の請求があった場合には、当事者等が裁判所に提出する必要があることその他相当の理由があると認められるときに限り、当該証明書を発行することができる。
第4章 苦情の取扱い
(苦情の取扱い)
第39条 本センターが行う業務に関する苦情を申し立てる者は、本センターに対し苦情の概要を記載した書類を提出しなければならない。
2 前項の申立てを受けた場合は、運営委員会の合議により苦情の申立ての内容の調査及び検討を行い、苦情の対応方法について決定する。
3 センター長は、前項の決定により、申し立てられた苦情に対して措置を講じ、苦情を申し立てた者に対して調査内容及び苦情対応の結果を書類で通知する。
第5章 その他
(本規程の改廃)
第40条 本規程を改正し、又は廃止するときは、理事会の議決を経なければならない。
附則
(施行期日)
本規程は、「裁判外紛争解決手続の利用の促進に関する法律」による認証日から施行する。
附則
(施行期日)
この改定は、令和6年4月1日から施行する。
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