Contract
9 乙は、別段の合意のある場合を除き、本契約が解除された後、第3項の引継ぎが終了するまで、運営業務等を継続しなければならない。
10 本契約が解除され、第3項の引継ぎ終了後、乙は、運営業務等を終了し、運営業務等に係る費用相当分の未払い期間についての業務報告書を速やかに甲に提出し、その確認を受けるものとする。甲は、モニタリング実施計画書に従いモニタリングを行い、必要な場合は運営業務等に係る費用相当分の減額を行ったうえで、乙の請求に基づき、未払い部分の運営業務等に係る費用相当分を支払うものとする。
削除: 12 |
11 本契約解除後、乙に運営業務等に係る費用が生じた場合は、実際の運営業務等が実施された期間に応じた日割り額を別紙[(サービス対価に関する別紙の番号を記載)]に規定された支払のスケジュールに従って乙に支払うものとする。
12 運営業務の一部が解除された場合、「運営業務等」を「当該運営業務」と読み替えて、第4項ないし第7項、第9項ないし前項を適用する。
200
10-7 違約金(契約GL:5-5)
1.概要
・選定事業者の義務の履行を確保するために、選定事業者の帰責事由によりPFI事業契約が解除となった場合、①選定事業者が管理者等に対して違約金を支払うこと、支払うべき違約金の額、②違約金と損害賠償額との関係、履行保証保険と違約金との調整、管理者等の金銭債務と違約金との対等額の相殺決済の可否等について規定される。
2.関係法令の規定
・会計法等において、債務不履行の場合における損害金等を契約書にて定めることとされている(会計法第29条の8第1項、予決令第100条第1項第4号及び支払遅延防止法第4条第1項第3号 )。
3.違約金の支払い額
(施設の完工前)
削除: 標準約款 |
・施設完工前の選定事業者の帰責事由による解除時に、選定事業者が管理者等に支払う違約金の額の設定については、公共工事標準請負契約約款第47条第2項の規定における
〔注〕を参考として、建設工事費相当の対価の額の100分の10(場合によっては1
00分の20)に相当する額とする考え方などがある。
(施設の完工後)
・施設完工後の選定事業者の帰責事由による解除時に、選定事業者が管理者等に支払う違約金の額については以下に示す例などがある。
1)選定事業者が負担した建設工事費のうちの残額及びこれにかかる支払利息相当の合計額のうち100分の10(場合によっては100分の20)に相当する額等、建設工事費のうちの残額の一定割合を違約金とする考え方。
2)残存契約期間に対応する維持・管理費及び運営費の相当の対価の100分の10(場合によっては100分の20)に相当する額、解除された事業年度1年間分の維持・管理費及び運営費相当の対価の100分の10(場合によっては100分の20)に相当する額等、選定事業者に支払われる予定であった維持・管理費及び運営費の一定割合を違約金とする考え方。
・違約金の額の設定にあたっては、①選定事業の内容等により解除によって管理者等が被る損害額の見込み額が異なること、②額が過小な場合には選定事業者に対する事業継続への経済的動機付けが小さくなる一方、額が過大な場合には選定事業の資金調達費用が高まり、これが契約金額に転嫁される結果ともなり得ること等にも留意して、適正な額を設定する必要がある。
201
・また、違約金の額の設定について、解除時の残存契約期間に応じて設定するという考え方においては、上記2)前段のように残存契約期間に応じて違約金の額を低減させる場合、契約期間の初期の段階により高い違約金の額が設定されるため、一般に利益を生みにくい初期の段階に選定事業者に対して契約上の義務の履行に相対的に強い経済的動機付けを与えることができる一方、融資金融機関等による融資の範囲を狭める可能性があることに留意が必要である。
4.違約金と損害賠償額との関係
・違約金と損害賠償額との関係について規定される。違約金が損害賠償額の予定ではない旨が契約書上明確にされない場合、違約金は損害賠償額の予定であると推定され(民法第420条第3項)、裁判所は違約金以上の金額を管理者等が被った損害額として認定することはない(同条1項)。したがって、この場合における法的効果は、管理者等が被った実損害額が違約金の額を超えたことを挙証しても裁判所がその超過額を損害として認定することはないが、逆に、損害の発生及びその額を証明せずに予定賠償額を請求することができるので、管理者等は損害賠償請求の困難を排除することができることである。また、場合によっては多額になりうる賠償を限定することは、選定事業者のリスク計算を容易にし、これが、選定事業者の事業に要する費用に影響を与え、ひいては契約価格にも影響を与える可能性がある点に留意が必要である。
・もっとも、違約金を損害賠償額の予定としない旨をPFI事業契約書上明確にしたうえで、管理者等が被った実損害額が違約金の額を超える場合、管理者等は、別途超過額について選定事業者に追徴することができる旨の規定を置くこともできる。(関連:10-
6 解除の効力)
5.履行保証保険と違約金との調整
・施設の建設工事について管理者等を被保険者とする履行保証保険契約が締結されているときは、管理者等は、当該履行保証保険契約の保険金を受領した場合、これをもって違約金に充当する規定を設ける。これは、管理者等を被保険者とする履行保証保険をxxする場合に、管理者等が違約金と保険金を二重に受け取ることがなきよう、履行保証保険金と違約金とを調整する規定である。(関連:1-6 履行保証)
・なお、選定事業者を被保険者とした履行保証保険をxxさせる場合、違約金の支払いを担保するため、選定事業者がxxする履行保証保険の保険金支払い請求権に対して選定事業者の費用をもって管理者等を質権者とする質権を設定し、かつ、かかる質権設定に対して第三者の対抗要件を具備させる規定を設ける。
6.管理者等の金銭債務と違約金との相殺決済
・選定事業者の債務不履行により管理者等が損害を被った場合、管理者等は、選定事業者
202
に対して損害の賠償を求めることとなる。しかし、BTO方式の選定事業の維持・管理、運営段階においては、管理者等が損害賠償を有効に担保できる選定事業者の資産はない事態も想定される。この場合、管理者等が契約保証金の納付を免除し、その代替として、履行保証保険のxxを義務付けることが考えられる。(関連:1-6 履行保証)
・なお、管理者等が契約保証金の納付を免除し、かつ、維持・管理、運営業務について履行保証保険がxxされていない場合においても、管理者等が損害の賠償を受けることができるように、別途選定事業者に対し負担する「サービス対価」の支払債務と選定事業者が負担する損害賠償債務を対当額につき相殺することにより、損害の賠償を確実に受けることが考えられる(民法第505条第1項)。
・しかしながら、サービス対価請求債権には、融資金融機関等が質権又は譲渡担保権を設定することが通例である。サービス対価請求債権に質権又は譲渡担保権が設定されている場合、管理者等は相殺の手段によることが困難となる。すなわち、債権(サービス対価請求債権)が譲渡された場合、債務者(管理者等)が異議を留める承諾をした場合であっても、債務者が債権の譲受人(融資金融機関等)に対抗できるのは管理者等が承諾をする時点までに譲渡人(選定事業者)に対抗できる事由のみであり、管理者等が承諾をした時点以降に生じた事由を融資金融機関等に対抗することはできない(民法第46
7条及び第468条)。したがって、例えば、サービス対価請求債権の融資金融機関等への譲渡を管理者等が異議を留めて承諾した場合であっても、この承諾の時点以降に選定事業者の債務不履行が発生した場合、管理者等は、かかる選定事業者の債務不履行により発生した損害賠償債権と、サービス対価支払債務とを対当額で相殺することができないこととなる。ここで、サービス対価請求債権が融資金融機関等に対し担保に供されている場合にも、管理者等が相殺により損害の賠償を受けるためには、サービス対価請求債権の譲渡担保等の後であっても、「サービス対価」の支払債務と選定事業者が負担する損害賠償債務を対当額につき相殺できるとし、その協議の手続きをあらかじめ定めておくことなどが考えられる。
・また、管理者等が確実に自らの債権を回収するためには、契約保証金の納付、又は、維持・管理、運営業務について履行保証保険のxxを求めるなどの措置を講じることが必要になると考えられる。
・一方で、かかる措置は、選定事業者の資金調達の可能性や資金調達費用に影響を与える点にも留意が必要である。
7.条文例
条文例 10.7 [条文例 10.3(ただし、同条第1項第3号を除く。)]の規定により本契約
が解除された場合、乙は、次の各号に従い、当該各号に定める額を違約金として、甲の
(違約金)
削除: (第 95 条) |
削除: (第 92 条) |
203
(1)本件工事対象施設引渡終了日前に解除された場合
指定する期限までに支払わなければならない。
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当額を控除した額の[ ]分の[ ]に相当する金額。
(2)本件工事対象施設の引渡終了日後に解除された場合
○○に相当する額に[ ]分の[ ]を乗じた金額
2 甲は、前項の場合において、第○条の契約保証金をもって違約金に充当することができるものとする。
3 第1項の場合において、乙は、解除に起因して甲が被った損害額が違約金の額を上回るときは、その差額を甲の請求に基づき支払わなければならない。
4 条文例 10.4 の規定により本契約が解除された場合、乙は、甲に対して、条文例 10.5第2項以下に従い、当該終了により被った合理的な損害の賠償を請求することができるものとする。
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削除: (第 93 条)又は第 94 条 |
削除: (第 94 条) |
書式変更: フォント : MS 明 朝, 斜体 |
施設整備業務費相当額から本件工事対象施設の設計業務費相当額及び工事監理業務費相
204
10-8 契約期間終了前の検査(契約GL:3-7)
1.概要
・契約期間終了に伴う事業実施主体の交替等に備えて、管理者等が契約期間終了前に施設の状態を検査する旨規定される。
・選定事業者は、契約期間が終了する一定期間前までに施設の状態を検査し、その結果を管理者等に報告する義務を負う旨規定される(関連:3-11 完工検査、3-15 施設の引渡し(BTO方式))。
2.趣旨
・BOT方式の選定事業においては、契約期間の終了とともに対象施設の所有権が管理者等に移転するため、対象施設があらかじめPFI事業契約で定められた状態にあるかを確認する必要がある。このため、BOT方式の選定事業は、BTO方式のものと比べて相対的に詳細な検査が行われる。
・本検査の実施ための管理者等の立入り権と管理者等による検査に対する選定事業者の協力義務が規定される必要がある。
3.施設の所有形式ごとの検査内容等
(BOT方式の場合)
・管理者等が契約期間終了後に施設を業務のために継続して使用することを予定している場合には、管理者等が引渡しを受ける施設の状態が、業務のために継続して使用するに支障のない状態にて引渡しを受けること、施設がその状態にあることを契約終了前に管理者等が検査することが規定される。当事者間のリスク分担をあらかじめ明確にする観点から、引渡し前に実施する検査項目及びかかる項目ごとに要求する状態を具体的に取り決めておくことが望ましい。また、施設の状態について管理者等が要求した水準が満たされていない場合で、かつ、選定事業者が瑕疵担保責任を負う場合又は選定事業者が PFI事業契約に従った適正な維持・管理業務を履行しなかったと認められる場合には、管理者等はこれを選定事業者に通知し、選定事業者はこの通知に従い速やかに当該箇所を修繕すべき義務を負う旨規定される。(関連:3―17 施設の瑕疵担保)
・引渡し時に施設に制限物権が設定されていない状態とする旨、確認的に規定することも考えられる。
・PFI事業契約の終了に伴い施設の所有権を管理者等が有償で譲り受ける場合は、その代金の額と支払方法について規定される。
(BTO方式の場合)
・契約終了に伴う管理者等への維持・管理業務の引継ぎの一環として、契約期間終了前に、
205
施設に毀損等のないことを確認するため、管理者等は施設の状態を検査する旨規定される。
4.瑕疵担保責任との関係
・BOT方式、BTO方式ともに、管理者等への引渡し後の施設の隠れたる瑕疵については、瑕疵担保責任の問題となる(関連:3-17 施設の瑕疵担保)。
5.条文例
削除: (第 98 条) |
削除: (第 91 条) |
削除: 14 |
(期間満了による契約の終了)
条文例 10.8 乙は、本契約が期間満了により終了する場合は、[条文例 10.2.1]に規定する
契約期間終了予定日の[ ]日前までに、本件施設等の現況を検査し、その結果を甲に報告する。この場合において、本件施設等に乙の責めに帰すべき事由による損傷が認め
られたときは、甲は、乙に対し、その修補を求めることができる。
削除: 10 |
2 乙は、前項の規定により甲から修補を求められたときは、必要な修補を実施した後速やかに、甲に対し、修補が完了した旨を通知しなければならない。甲は、前項の通知を受領後[ ]日以内に修補の完了の検査を行わなければならない。
(以下略)
206
10-9 契約終了時の事務(契約GL:5-6)
1.概要
・管理者等が、PFI事業契約期間の満了や解除によるPFI事業契約終了後も施設の継続使用を予定する場合には、①施設から選定事業者が所有する物件の撤去と管理者等によるその確認、②選定事業者から事業を継承する者に対する業務の引継ぎ、業務の実施に必要な書類一切の引渡し等について規定される。一方、管理者等が事業そのものの終了を予定する場合には、当該施設の撤去と原状復帰義務等について規定される。
2.物件撤去とその確認
・事業用地の原状回復の処分と同様に、相当な期間以内に選定事業者が正当な理由なく物
件撤去を行わない場合には管理者等が代わって自らこれを行うことができ、その費用を選定事業者に請求する旨規定される場合もある。一方、管理者等と選定事業者間の協議により、選定事業者等が所有する物件を購入することができる旨定める場合もある。
3.業務の引継ぎと必要な書類一切の引渡し
・PFI事業契約終了後、円滑に事業を継承するため、選定事業者から管理者等又は管理者等の指示する者に対し維持・管理、運営業務の引継ぎを行うことが規定される。維持・管理、運営業務の比重が重いため、申し送りやマニュアル等必要な書類の引渡しにとどまらず、新たな職員の訓練等を行う必要がある場合には、PFI事業終了前にそのための期間を設けることも検討を要する。
・また、通例、選定事業者から管理者等又は管理者等の指示する者に対し設計図書、竣工図書等、施設の建設工事及び補修に係る書類一切その他維持・管理及び保守点検に必要な書類一切の引渡しが規定される。円滑な事業継承の観点から、この引渡しの対象とな
る書類の詳細について定めておくこともxxである。
4.条文例
(期間満了による契約の終了時の事務)
条文例 10.9.1 本契約が期間満了により終了する場合、乙は、甲又は甲の指定する者に対し
・事業終了後に管理者等又は管理者等の指示する者による施設の継続使用に支障なきよう、選定事業終了時に施設内に選定事業者が所有する用具、機器その他の物件(「受託・請負企業」等の所有するこれらの物件を含む。)があるときの当該物件の撤去と、管理者等によるその確認が規定される。この物件撤去に係る費用及び3.の業務の引継ぎに要する費用などに関する負担(選定事業者が負担することが通例である。)も規定されることがある。
削除: (第 98 条) 乙は、本契約が期間満了により終了する場合は第 91 条に規定する契約期間終了 予定日の 14 日前までに、本件施設等の現況を検査し、その結果を甲に報告する。この場合において、本件施設等に乙の責めに帰すべき事由による損傷が認められたときは、甲は、乙に対し、その修補を求めることができる。 2 乙は、前項の規定により甲から修補を求められたときは、必要な修補を実施した後速やかに、甲に対し、修補が完了した旨を通知しなければならない。甲は、前項の通知を受領後 10 日以内に修補の完了の検査を行わなければならない。 3 |
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削除: 4 |
て、本件施設等の運営ができるよう運営業務等に関して必要な事項を説明し、かつ、乙が用いた運営業務等の業務仕様書、業務マニュアル、申し送り事項その他の資料を提供するほか、必要な引継ぎを行わなければならない。
2 乙は、別段の合意のある場合を除き、運営業務等の終了に際し、自らの費用で整備し
削除: 5 |
削除: 73 |
た備品、情報システム、什器等を撤去しなければならない。
3 乙は、第○条により甲から提供を受けていた場所を運営業務等開始前の原状に復して
甲に返還しなければならない。ただし、甲の承諾を受けた部分についてはこの限りでは
4 乙は、運営業務等の終了に際し、甲の指示に従い、自己の保有する[(運営に関する情
報を記載)]に係るデータを[甲が管理するデータベース等を記載)]に移行しなければならない。
5 乙は、運営業務等の終了に際し、甲から貸与を受けた備品等がある場合には、当該備品等を甲に返還しなければならない。この場合において、当該備品等が乙の故意若しくは過失により滅失若しくは毀損した場合には、代品を納め、若しくは原状に回復して返還し、又は返還に変えてその損害を賠償しなければならない。
6 乙は、本契約終了日までに[条文例 10.8]及び前5項の業務をすべて終了したうえで、最終支払対象期間に係る報告書を作成して甲に提出し、甲の確認を受けるものとする。
ない。
削除: 6 |
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削除: 医療情報及び物品管理情報 |
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削除: 医療情報システム |
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削除: 8 |
削除: 7 |
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削除: |
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第11章 損害賠償等
11-1 遅延損害金(契約GL:6-3)
1.概要
・管理者等又は選定事業者は、PFI事業契約に基づいて履行すべき支払いを遅延した場合に、未払金につき遅延日数に応じ一定の割合で計算した額を遅延損害金として相手方に支払うことが規定される。
2.関係法令の規定
・会計法令等において、各当事者の債務不履行の場合における遅延利息等を契約書にて定めることと規定している(予決令第100条第1項第4号及び支払遅延防止法第4条第
1項第3号 )。したがって、管理者等が選定事業者に対して及び選定事業者が管理者等に対して支払う遅延損害金の額等について、PFI事業契約書に規定される。
・管理者等が選定事業者に対して支払う遅延損害金の額は、支払遅延防止法第8条に基づき財務大臣が決定する率(平成20年4月現在、年率3.7%)で計算した金額を下回るものであってはならないと定められている(支払遅延防止法第8条、政府契約の支払遅延に対する遅延利息の率を定める告示(平成20年3月7日財務省告示第66号))。
・国の債権の管理等に関する法律において、国の金銭債権の履行の遅延にかかる賠償金その他の徴収金を延滞金という。選定事業者が管理者等に対して支払う延滞金の額は、国の債権の管理等に関する法律施行令第37条第1項に規定する財務大臣が定める率(平成20年4月現在、年率5%)で算出した額を下回ってはならないと定められている(国の債権の管理等に関する法律施行令第36条、国の債権の管理等に関する法律施行令第
29条第1項本文に規定する財務大臣が定める率を定める件及び国の債権の管理等に関する法律施行令第37条第1項に規定する財務大臣が定める率を定める件の一部改正について(平成15年3月25日財務省告示第129号))。
3.条文例
条文例 11.1 甲又は乙が本契約に基づいて履行すべきサービスの対価その他の金銭の支払
(遅延利息)
削除: (第 101 条) |
を遅延した場合、当該遅延した金額につき、履行すべき日(以下、本条において「履行期日」という。)の翌日(同日を含む。)から当該金銭債務の支払が完了した日(同日を含む。)までの期間の日数に応じ、甲については、政府契約の支払遅延に対する遅延利息の率(昭和 24 年大蔵省告示第 991 号)に定める履行期日時点における率を乗じて計算し
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た額の遅延利息を、乙については、国の債権に関する遅延利息の率(昭和 32 年大蔵省告
示第 8 号)に定める履行期日時点における率を乗じて計算した額の遅延利息をそれぞれ
削除: 100 |
削除: 100 |
相手方に支払わなければならない。これらの場合の遅延利息の計算方法は、年 365 日の日割計算とする。
2 前項の規定により計算した遅延利息の額が、[ ]円未満であるときは、甲及び乙は、遅延利息を支払うことを要せず、その額に[ ]円未満の端数があるときは、その端数を切り捨てるものとする。
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11-2 損害賠償(新設)
1.概要
・管理者等又は選定事業者の不履行により相手方に発生した損害に関する賠償請求について定めるものである。
2.趣旨
・債務不履行による損害賠償は民法上契約一般に認められるものであるが、契約書上も損害賠償請求できる旨規定するのが一般である。ただし、具体的適用においては、民法上の一般原則によったのでは曖昧になる部分が出てくる可能性もあるため、より具体的にどのような場合に損害賠償請求権が発生するか、どのように損害額を算定するかなどについて規定することも考えられる。
削除: 望ましい |
・債務不履行が生じた場合には、損害賠償の規定の他にも、サービス対価の減額規定、瑕疵担保責任の規定など、その他の条項にも抵触する可能性がある。これらの規定の間の関係が不明確にならないよう配慮することが必要である。
・一定の事項についてサービス対価の減額が行われた場合には、原則として同一事項について損害賠償の請求は行わないことにすることも考えられる。ただし、この場合には、損害賠償の請求を別途行うことを想定している場合に比べて、減額幅は大きくなる。
・損害賠償の規定は、一方当事者に生じた損害を填補するという役割に加えて、各当事者に適切な履行を促すという役割もある。他方では、例えば損害賠償の規定の内容が選定事業者にとってあまりに不合理であると、PFIへの参加意欲を減退させることになる。したがって、適切なバランスを図ることが重要である。
3.条文例
条文例 11.2 前条に定める場合のほか、甲が本契約上の義務に違反した場合、乙は、甲に
(損害賠償)
削除: (第 102 条) |
対し、当該違反により被った損害の賠償を請求することができる。
2 本契約に別段の定めがある場合を除き、乙が本契約上の義務に違反した場合は、甲は乙に対し当該違反により被った損害の賠償を請求することができる。
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第12章 法令変更
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12-1 法令変更(契約GL:5-3)
1.概要
PFI 事業期間中に生じる法令変更に伴う費用の増加等の負担者と手続について規定される。この際、基本となる考え方は、リスクを最もよく管理することができる者が当該リスクを分担するということであり、これに従って様々な規定がなされることになる。ただし、将来の法令変更は様々なものがありえるため、あらかじめ完全に決めることは不可能である点にも留意する必要がある。
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2.問題状況
現在、PFI で用いられている事業契約においては、「本事業に直接影響を与える法令の変更」(特に本事業及び本事業類似のサービスを提供する事業に関する事項を直接的に規定することを目的とした法令で事業者の費用に影響があるもの)についてのみ管理者等の負担と規定されていることが多い。この基準は基本的には維持されるべきものと考えられるが、具体的に適用する際に明確な基準といえるのか、一方の当事者に酷となる結論が生じることがないかなどの課題があり、基準を明確かつxxなものとするよう工夫をする必要がある。
例:入札段階では、建築基準法の改正が具体化されていなかったが、事業契約締結後改正に基づく基準が施行され、例えば建築物の満たすべき基準が変化したことによる増加費用
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(例:基準の変更に伴い、より多くの鋼材が必要となった場合などの費用)の位置づけなど、明確に「本事業に直接影響を与える法令の変更」と位置づけていない限り、どちらに該当するのかが不明確となる場合があり、これについて適切に対応する必要がある。この
際、たとえ法令変更事由が生じたとしても、その対象、適用範囲(財並びに工事、単
価と量、及び影響度など)に関しては、予め、費用の明細などを了解しておかない限 り、単純に評価判断できない側面があることにも注意が必要である。
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3.基本的な考え方
(1)法令変更への対処の困難性
法令変更に関する対処の方法ついては、法令の属性に着目し、因果関係の明確性や影響に応じて類型化することや、法令への効果に着目して、定義を詳細化していくこと
212
などが考えられる。ただし、法令変更に関する規定については、その対象、範囲、影響度を予め定義することが難しいという側面があり、具体的な条項の在り方については、様々な考え方があるところであるため、容易に標準化できる部分ではない。3で示す考え方は、現実のPFI契約をベースにしつつ修正を加えたものであるが、法令変更への対処の方法については様々な考え方があることに留意する必要がある64。
(2)リスク分担の明確化の必要性
リスク分担の明確化というPFIの基本理念からは、法令変更の際の増加費用の負担の規定についても、基準をできる限り明確化すべきである。そこで、それぞれの事業の特性に応じて、将来行われる可能性のある変更で重要なものについては、予め取り扱いを明記することが望ましい。ただし、実際には予想できない変更が生じる可能性が高く、明記できる場合は限定される。
(3)リスク分担に関する考え方
リスクを最もよく管理することができる者が当該リスクを分担する、というPFIの基本理念からは、法令変更規定は民間に管理できないリスクを負わせないようにする必要がある。法令変更は民間がリスクを管理できないという考え方を前提にすれば、
①法令変更の対象者が広く一般的である場合、②民間の創意工夫により費用の増加の影響を抑えることができる場合、③(民間収益事業など)法令変更によるコストの増加を一般利用者等に転嫁しうる場合を除いては、基本的には公共がリスクをとるべきであると考えられる。
①一般的法令変更:法令変更のうち、その影響がxxに及ぶものについては(一般的法令変更)、法令変更の対象者が広く一般的であり、選定事業者もその効果を受忍すべきである。この場合、間接的には物価指数等に影響を与え、サービス対価の物価スライド条項その他指標に応じた調整条項、ベンチマーキングの規定、マーケットテスティングの規定など、価格調整に関する条項により最終的には一定部分費用の増加を吸収できるため、この観点からも選定事業者の負担とすべきである。(たとえば法人税率の変更があった場合、全国の全ての企業にとって内部コスト増になるので、コスト増が各企業の商品の価格に上乗せされ、物価指数に反映される等)。
②選定事業者の努力により軽減できる場合:(後述(3)参照)。
③利用者に転嫁できる場合:利用料金の値上等によって、法令変更によるコストの増加を一
64 <参考>において英国の例を示した。また、後述する一般的法令変更の場合や、民間収益事業の場合でも、民間では対応できるリスクではないのではないかとの考えもある。
213
般利用者等に転嫁しうる場合は、選定事業者の負担とする。
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④通常の民間の事業との差異:民間企業においては、法令変更による事業の増加費用を、その分野において事業活動を行わないとすることにより影響を一定の範囲内に抑えることができる。これに対して、選定事業者の場合は、公目的達成のために契約xxx行動が制限されるという選定事業者の義務の特異性から、一般の企業活動に比べて収益や支出の枠組みが固定しており、法令変更に伴う費用増を、収益を増大して吸収できる手段が限定される場合もあることに配慮することも考えられる。
(4)軽減義務
選定事業者は、法令変更によって費用の増加が見込まれる場合、その影響を軽減するために合理的な努力を行うものとする。
(5)コミュニケーションの重要性
法令変更への対処法(費用を増加を抑える方法など)について、早い段階(法令変更についての具体的情報が入手した段階)から官民のコミュニケーションを密に図ることにより、可能な限り、円滑に解決することが望ましい。
4.具体的な規定の内容
(1)プロセス
法令変更については、早い段階から当事者間の密度の高いコミュニケーションを行うことにより、増加費用等を軽減できる場合も少なくない。そこで、法令変更が予想される場合には、早い段階で他方の当事者に通知をした上で協議を開始し十分な時間をかけて議論することにより、双方で情報を共有して、協力しながら、正確な影響を評価し、増加費用の軽減に努力することが重要である。これによっても軽減できなかった増加費用については、(2)以降の原則に従ってどちらが費用を分担するかを決定することになる。
(2)費用の分担方法
①直接法令変更及び一般法令変更
「本事業に直接影響を与える法令の変更」(特に本事業及び本事業類似のサービスを提供する事業に関する事項を直接的に規定することを目的とした法令で事業者
214
の費用に影響があるもの)とそれ以外の法令変更(一般的法令変更)に分類し、後者については選定事業者とする(理由については3(3)①参照)。
②資本的支出
資本的支出については、個別性が高く物価スライド等で吸収することは困難と考えられることから、法令の種類に関わらず管理者等の負担とすることが考えられる。
資本的支出の内容:建設費の増額や、運営開始以降の新たな設備の導入、大規模修繕等が該当する。解体費についても、これと同様に扱うことも考えられる。
③民間収益事業等の場合
上記 2(2)③記載のとおり、民間収益事業等選定事業者が利用者からの利用料金を 収受するスキームの場合は、費用の増加を利用料等に反映させることができること、また、他の民間事業者とのxxを図ることから、原則として選定事業者の負担とす る。ただし、費用の利用料への転嫁については、一定の限界があることに留意すべ きである。65
費用の利用料への転嫁の限界
書式変更: 蛍光ペン (なし) |
1)選定事業者が利用者からの利用料金を収受するスキームの場合でも、例えば指定管理者制度が採用されている場合のように、利用料金の設定について制約がある場合が多い。この場合、法令変更の場合は利用料金の変更に管理者等が同意する旨規定するか、管理者等が増加費用を負担するなどの方法により、選定事業者に過大なリスクを負わせないようにすべきである。
2)利用料金の値上げが可能である場合でも、値上げにより、利用者が減少し、リスクプロファイルが変わる可能性がある。従って、利用料金値上げが可能である場合でも、利用者にこれを転嫁することを前提に選定事業者が増加費用を負担することが常に妥当であるとは限らない点に留意する必要がある。
④税制変更
税制の変更に起因する増加費用の負担割合については、「サービス対価」の外税とした消費税率の変更による増加費用を管理者等の負担とすることが通例である。加えて、資産所有にかかる税率の変更及び新税設立による増加費用を管理者等の負担とすることもあり得る。なお、法人税率の変更等、選定事業者の利益に課される税制度の変更による増加費用は、選定事業者の負担とすることが通例である。
65 選定事業者に事業継続事務があるのであれば、むしろ管理者等がリスクを負担すべきではないかという考え方もあり、この点についてはさらに検討を要する。
215
(3)軽減義務
上記 2(2)②記載のとおり、選定事業者の努力により法令変更による影響を押さえることができる部分については、管理者等は増加費用を負担すべきではない。したがって、管理者等が法令変更リスクを負担する場合については、選定事業者に費用の増加を押さえるために合理的な範囲内での努力を行う義務を負わせることが適切である。
軽減義務の規定方法
書式変更: 蛍光ペン (なし) |
1)包括的に軽減義務を規定する方法:事業者は増加費用を軽減するために合理的な範囲内で努力を行うものとする旨規定する66。
2)軽減のための協議内容を規定する方法:軽減するための努力を行ったことを示す証拠や類似の事業に与えた影響に関する証拠の提出など、協議の内容を予め規定する(詳細は<参考>英国における法令変更 参照)
(4)特定の法令の変更に関する規定
特に当該事業において将来問題になる可能性があると予想される変更については、
「本事業に直接影響を与える法令の変更」「一般的法令変更」のどちらに分類するか、あるいは両者とも別の扱いにするかについて契約書に明記するなど、例示によって扱いを明確化することが考えられる。
1)法令変更とはいえないが法令の運用が変わった場合についても(例えば、建築確認の運用手続が変更になった結果、費用が増加した場合)、予測可能であるものがあれば特定の上対処方針を規定しておくことが望ましい。
2)一つの法令の中でも、規定によって、管理者等のリスクとすべきところ、選定事業者のリスクとすべきところが分かれる可能性もあるため、必要があれば規定ごとにリスク分担を記載するものとする。
3)費用の増加については、選定事業者が立証責任を負うべきである。
5.留意点
(1)費用を両当事者で分担する方法
66 実際には、何をもって「合理的努力」を行ったといえるかについては、判断が難しい点に留意する必要がある。
216
資本的支出相当分の費用負担に関しては、管理者等が増加費用を負担することを原則としつつ、選定事業者の努力により増加費用を抑えることができる場合が考えられることや、手続き負担の観点(比較的少額の変更について対価の変更のための手続を行うことは煩雑である)から、選定事業者も一部負担することも考えられる。
例:○○万円までは民間負担67、○○万円以上○○万円までは公共○%、民間○%を負担、
○千万円以上は全額公共負担とするなどの方法が考えられる68。これにより、民間が負担する最大額を示すことができ、その結果金融機関も法令変更についてどの程度のリスクを見ればよいのかが明確になるというメリットもある。
(2)費用の減少への対処
運営段階において、規制緩和によって要求水準を変更し選定事業者の義務を軽減できる場合のサービス対価の変更についても、可能である限り対応方法を規定しておくことが望ましい。
(3)債務負担行為との関係
管理者等は、法令の変更に基づく増加費用に備えて、債務負担行為の設定額には一定の余裕を持たせることが望ましい。ただし、増加費用の額が大きい場合には債務負担行為を修正することが必要と考えられ、どこまで余裕を持たせることを認めるかについては、更に検討を要する。
67 民間が負担する金額の設定方法としては、契約金額の一定割合として示す方法もありうる。
68 選定事業者の努力により押さえることのできる増加費用の範囲については慎重に検討する必要がある。また、金額の設定方法によっては、民間が入札の際に予備費を積むことにより VFMを逆に低下させる可能性があることに留意すべきである。
217
<参考>英国における法令変更(概要)
書式変更: 模様 : なし |
1.法令変更の定義
「法令変更」とは、契約締結日以降に、次のいずれかが効力を生じることをいう。
(a) 法令(契約締結日以前に以下により公表されていたものを除く)
書式変更: インデント : 左 : 6 字, ぶら下げインデント : 5.4 字, 模様 : なし |
書式変更: 模様 : なし |
書式変更: 模様 : なし, タブ : 8.57 字, 左揃え |
書式変更: 模様 : なし |
(i) 各省庁諮問書(Government Departmental Consultation Paper)の一部としての法令草案。
(ii) 法案
(iii) 政省令の草案。
(iv) EC 官報掲載の草案。
(b) ガイダンス
(c) 関係する裁判所の適用可能性のある判決で、拘束力のある判例を変更するもの。
「法令」とは、英国における 1978 年の法令解釈に関する法律第 21 条(1)の
規定の範囲内の国会制定法又は下位の法令、国王大権の行使並びに 1972 年ヨ
ーロッパ共同体法第 2 章に規定された強制可能な共同体権利を意味する。
表の書式変更 |
法令変更の内容 | 負担者 | |
差別的法令変更 「差別的法令変更」とは、下記の対象に適用される旨明示した法令変更を意味する。 (a) 当該事業のみに適用され、PFI に基づく他の同種の事業には適用されないもの。 (b) 当該受注者にのみ適用され、他の者には適用されないもの。 (c) PFI 事業の受注者に適用され、他の者には適用されないもの。 | 発注者 | |
「特定法令変更」とは、[当該サービスと同一若しくは類似のもの]の提供、又は[当該サービスと同一若しくは類似のサービス]の提供が主たる業務となっている会社の株式保有に関する法令変更を 意味する。 | ||
「一般法令変更」(差別的法令変更および特定法令変更以外) | サービス期間中に発効し、資本的支出の支出を伴うもの | 発注者及び受注者が分担 |
その他 | 受注者 |
書式変更: 模様 : なし |
2.差別的/特別法令変更及び一般法令変更
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3.法令変更の手続
書式変更: 模様 : なし |
(a) 法令変更が行われる又は直近に変更が行われる場合、当事者は相手方に対し、想定される影響に関する意見を送付する。この意見には以下の詳細が含まれる。
書式変更: インデント : 左 : 6 字, ぶら下げインデント : 5.4 字, 模様 : なし |
書式変更: 模様 : なし |
(i) 必要なサービス変更。
(ii) 適格法令変更に対して本契約の条件変更が必要となる可能性。
(iii)受注者が予定されたサービス提供開始日までにサービス提供を開始すること、及び/又は適格法令変更の実施期間中にパフォーマンス規定を達成することなどについて、契約上の義務の履行の免除が必要であるか。
(iv)適格法令変更から生じた収益の損失
(v) 適格法令変更により直接生じるプロジェクト費用の変更見積
(vi)事業期間中の適格法令変更により新たに必要となった、又は必要なくなった資本的支出。いずれの場合でもサービス内容の変更の実施に関する詳細手続を含むものとする
実施費用(及びユニタリーチャージの変更)については、下記(b)~(f)に従うものとする。
4.軽減義務に関する規定
書式変更: 模様 : なし |
書式変更: インデント : 左 5.99 字, 模様 : なし |
(b) (a)項の通知を当事者の相手方から受領した場合はできる限り速やかに、両当事者は(a)項に規定された問題及び受注者が適格法令変更による影響を少なくする方法について協議を行いかつ合意するものとする。これには以下の内容が含まれる。
(i) 受注者が、合理的に努力して下請業者に発生する費用増加を最小化し、費用削減を最大化するための合理的な努力を行った(相見積もりの取得(可能である場合)を含む)ことの証拠の提供。
(ii)資本的支出が発生した場合又は発生すると予想される場合に、予見できる当該法令変更を受注者が考慮したことを示すことを含め、費用削減に効果的な方法で資本的支出の発生又は発生回避が算定されているかについての説明。
(iii)当該事業会社の株主又は関係会社が運営している事業も含めて、法令変更が当該事業と類似した事業の料金水準に与えた影響の証拠の提供。
(iv)当該適格法令変更によって必要となった資産の取替え又は維持管理のために発生すると予想される費用で発生が回避できる費用の説明。これには上記(a)(5)又は(6)の結果発生する又は要求される金額を含む。
219
5.支払についての規定
書式変更: 模様 : なし |
(c) 受注者が適格法令変更を原因とする追加の資本的支出分を負担する旨両当事者が合意した場合又は第 28 章「紛争解決」によりその旨決定された場合(本項に定める一般的法令変更の結果資本的支出を受注者が負担する旨合意した場合又は決定された場合は除く)、受注者及び優先貸出人が満足する条件により、受注者は資本的支出のために必要な資金を調達するため、合理的な努力をしなければならない。
(d) 受注者分担分は受注者のみの負担とする。
(e) 受注者が資本的支出のための資金調達を行うにあたって合理的な努力をしたにもかかわらず、上記(c)の合意又は決定のなされた後[60]日間経っても資金調達できなかった場合、発注者は資本的支出の発生した日から 30 日以内に、受注者に当該資本的支出と同額を支払わなければならない。
(f) 本規定に基づく補償で、ユニタリーチャージの調整又は減額によるものについては、[5.2.3 項「補償金額の算出」を参照。]
220
書式変更: フォント : (英) MS 明朝, (日) MS 明朝 |
6.条文例(サービス購入型)
(定義)
「法令」とは、法律、政令、規則又は条例その他これに類するものをいい、国又は地方公共団体の権限ある官庁の通達、ガイドライン又は公的な解釈等を含む。
条文例 12.1.1 甲又は乙は、法令の変更又は新設(以下「法令変更等」という。)により本
(通知等)
削除: 第○条 |
書式変更: 蛍光ペン (なし) |
契約上の義務の履行が不能となる場合、本契約若しくは要求水準の変更が必要になる場合、履行に要する費用が増加する場合には、又は、これらの事象が起こりうると合理的に想定される場合には、速やかにその内容を本契約の相手方当事者に対して通知する。
条文例 12.1.2 前条第1項の通知が送付された場合、甲及び乙は、本契約に別段の定めが
(協議及び増加費用の負担等)
削除: 第○条 |
ある場合を除き、法令変更等に対応するため速やかに本件施設の設計・施工(改修及び解体を含む。)、本契約又は要求水準書の変更並びに増加費用の負担、増加費用の軽減方法等について協議しなければならない。乙は、法令変更又はこれに伴う要求水準の変更により増減する費用の詳細(増加費用の軽減方法の検討に関する資料を含む)について、甲に提出しなければならない。
2 前項の協議にかかわらず、当該法令変更等の公布日から[ ]日以内に甲及び乙が合意に至らない場合、甲は当該法令変更等に対する合理的な範囲の対応方法を乙に対して通知し、乙は、これに従い本事業を継続するものとする。この場合における増加費用の負担は、別紙○に定める負担割合によるものとする。
3 法令変更等により乙が運営業務等の一部を履行できなかった場合、甲は、乙が当該業務を実施しなかったことにより免れた費用に相当する金額をサービス対価から減額することができるものとする。
4 甲又は乙は、前3項の場合において、サービス対価の減額を目的とした要求水準の変更又は業務遂行方法の採用が可能であると認めたときは、相手方当事者に対してサービス対価の減額等について協議を行うことを求めることができる。
5 法令変更等に起因して、本件工事対象施設の引渡しの遅延が見込まれる場合、甲及び乙は協議のうえ、本件工事対象施設の引渡予定日を変更することができる。
6 前条の場合において、本契約上の義務の履行が不能となる旨の通知を行った者は、当該法令変更等が発生した日以降、当該法令変更等により履行不能となった義務について、本契約に基づく履行義務を免れる69。但し、本条に定める手続により本契約上の義務が変
69 本項では、履行不能になった場合に履行義務を免れる旨規定しているが、効力の発生日は法
221
更され、履行不能でなくなった場合を除く。
条文例 12.1.3 前条の規定にかかわらず、本契約の締結後における法令変更等により、甲
(法令変更等による契約の終了)
削除: 第○条 |
が本事業の継続が困難と判断した場合又は本契約の履行のために多大な費用を要すると判断した場合、甲は、乙と協議のうえ、本契約の全部又は一部を解除により終了させることができる。
削除: 第[96]条ないし第[97]条 |
2 前項に基づき本契約の全部又は一部が終了した場合の措置は、[条文例 10.6.1]ないし
[条文例 10.6.2]の規定に従う。
3 第1項の規定に基づき本契約の全部又は一部が終了した場合において発生した増加費用の甲と乙の負担割合は、別紙○のとおりとする。
削除: 第○条 |
条文例 12.1.4 前3条の規定に関して甲乙間に紛争が生じた場合には、第○条に規定する
紛争処理の規定を適用するものとする。
別紙○ 法令変更等による増加費用の負担割合
1 第[ ]条に規定する法令変更等に基づいて増加費用が発生する場合の費用負担の割合は以下のとおりとする。
甲負担割合
① ② | 本事業に直接影響を与える法令の変更の場合 ①以外の法令の変更の場合 | 100% 0% | |
<別案> | |||
甲負担割合 | |||
① 本事業に直接影響を与える法令の変更の場合のうち[項目を特定] | |||
○○円以下(1事業年度)の部分 | 0% | ||
○○円を超え○○円未満 | の部分 | [ ]% | |
○○円を超え○○円未満 | の部分 | [ ]% | |
○○円を超える部分 | 100% |
② | 本事業に直接影響を与える法令の変更の場合のうち①以外 | 100% |
③ | ①②以外の法令の変更の場合 | 0% |
2 本別紙において「本事業に直接影響を与える法令の変更」とは、特に本事業及び本事
令改正の施行日としている。
222
業類似のサービスを提供する事業に関する事項を直接的に規定することを目的とした法
令で事業者の費用に影響があるものを意味することとし、以下の場合を含むものとする。
①消費税率の変更
②[施設所有に係る税率の変更]
③乙が本契約上の義務を遂行するために必要な資本的支出の額の増加を生じさせる変更
④・・・・・
3 以下の場合は「本事業に直接影響を与える法令の変更」に含まれないものとする。
①法人税その他の税制変更及び営利法人に一般的に適用される法令の変更
②・・・・・
③・・・・・
4 本別紙の規定により甲が増加費用を負担する場合、乙は増加費用を軽減するために合
理的な範囲内で努力を行うものとする。
【法令変更に関する実務上のポイント】
法令変更の取り扱いについては、変更対象となる法令の属性や事業に与える影響等に応じて類型化して規定することが望ましいが、予め全てを明確に規定することは難しい。事業契約への規定のみならず、その背景にある以下の考え方を理解した上で運用することが必要である。
①法令変更は民間に管理できないリスクであるから原則として管理者等の負担とする。
②ただし、法令変更の影響がxxに及ぶものについては、法令変更の対象者が広く一般的であり、選定事業者もその効果を受忍すべきであること、また物価スライドにより最終的にサービス対価に反映されうることから、民間負担とする。
③資本的支出については、個別性が高く物価スライド等で吸収することは困難と考えられることから、法令の種類に関わらず管理者等の負担とする。
④いずれの場合も選定事業者に費用の軽減義務を負わせることが妥当である。
⑤法令変更に関する通知、協議(費用の軽減方法を含む)等のプロセスについても、契約書に規定する必要がある。
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書式変更: フォント : (英) MS 明朝, (日) MS 明朝 |
第13章 不可抗力
書式変更: フォント : MS 明朝 |
書式変更: フォント : (英) MS 明朝, (日) MS 明朝 |
書式変更: フォント : MS 明 朝 |
書式変更: フォント : (英) MS 明朝, (日) MS 明朝 |
書式変更: フォント : MS 明 朝 |
13-1 不可抗力による損害への対応(契約GL:6-8)
1.不可抗力の定義の考え方
められる注意や予防方法を尽くしてもなお防止し得ないものと考えられる。管理者等及
・不可抗力とは、協定等の当事者の行為とは無関係に外部から生じる障害で通常必要と認
削除: 建設段階 |
書式変更: フォント : (英) MS 明朝, (日) MS 明朝 |
書式変更: フォント : MS 明 朝 |
削除: 建設段階 |
び選定事業者のいずれの責めにも帰しがたい天災等、具体的には、暴風、豪雨、洪水、高潮、地滑り、落盤、落雷、地震、火災、有毒ガスの発生等の自然災害に属するものと、騒乱、暴動、戦争、テロ行為等の人為災害に属するものとに分類できる。最終的には当事者間の合意するところに委ねられる(参考:リスクガイドライン二6(1))。
2.概要(設計、施工段階)
・施設の設計、施工段階において、不可抗力の発生により、PFI事業契約等に従った設計、建設業務の履行が不能になった場合の規定である。不可抗力事由の発生時における債務の取扱い、履行不能発生時の選定事業者による管理者等への通知等の手続き、不可
抗力に起因する損害等の分担、施設の引渡し(又は運営開始)予定日の変更などについて規定される。
(1)不可抗力発生時の手続き等
・不可抗力事由の発生により、PFI事業契約等に従った設計又は建設工事業務の全部又は一部の履行が不能となった場合、選定事業者はその履行不能の内容の詳細及びその理由について書面をもって直ちに管理者等に通知することが規定される。選定事業者は、この履行不能通知の発出後、履行不能状況が継続する期間中、選定事業者の履行期日におけるPFI事業契約等に基づく自己の債務について当該不可抗力による影響を受ける範囲において業務履行義務が免除される。但し、選定事業者は損害を最小限にする義務を負う。
・管理者等は選定事業者から履行不能通知の受領後、速やかに当該不可抗力による損害状況の確認のための調査を行い、その結果を選定事業者に通知する義務が規定される。また、管理者等は、設計や建設工事等の内容の変更、引渡し(又は運営開始)の遅延、当該不可抗力事由による合理的な損害又は増加費用の分担等対応方法につき選定事業者と協議を行うことが規定される。
・上述の当事者間による協議において一定期間以内に合意が成立しない場合、管理者等は、事業継続に向けた対応方法を選定事業者に通知し、選定事業者は、かかる対応方法に従い選定事業を継続する義務を負うことが規定される。また、選定事業者の履行不能の状
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