Contract
海外投資(株式等) 保険約款
平成29年4月1日 17‐制度‐00009沿革 令和2年2月28日 一部改正令和2年12月24日 一部改正
令和3年3月18日 一部改正令和4年3月30日 一部改正令和4年4月11日 一部改正令和5年1月30日 一部改正令和5年10月16日 一部改正
第1章 総則
( この約款の内容)
第1条 この約款は、貿易保険法( 昭和25年法律第67号。以下「法」という。) の規定に基づく海外投資保険のうち、法第2条第17項第1号の海外投資を行った者が受ける損失をてん補する海外投資保険の保険約款とする。
( 定義)
第1条の2 この約款における用語の定義は、次の各号に定めるところによるもののほか、海外投資保険運用規程( 平成29年4月1日 17‐制度‐00052。以下「運用規程」という。)別表に定めるところによる。
一 「日本貿易保険」とは、法第3条に規定する株式会社日本貿易保険をいう。二 「株式等」とは、株式その他の持分をいう。
三 「被保険投資」とは、被保険者によるこの証券記載の投資先企業に係る株式等の直接的な取得をいう。
四 「被保険投資の相手方」とは、被保険者による直接の投資先企業であって、この証券記載の投資先企業をいう。
五 「再投資」とは、被保険投資の相手方による直接又は間接の投資をいう。
六 「再投資先企業」とは、被保険投資の相手方による直接又は間接の投資先企業をいう。
七 「てん補対象企業」とは、被保険投資の相手方をいう。ただし、再投資先企業が存在する場合においては、被保険投資の相手方及び再投資先企業のうち、この証券においててん補対象として定めるものをいう。
八 「中間企業」とは再投資先企業であって、てん補対象企業に対して直接又は間接に投資するものをいう。
九 「主要な事業資産等」とは、不動産、設備、原材料その他の物に関する権利、鉱業権、工業所有権その他の権利又は利益であって事業の遂行上特に重要なものをいい、再投資先企業の株式等及び再投資先企業向け貸付金債権その他の債権( 以下「貸付金債権等」という。) を含む。
十 「取得のための対価の額」とは、被保険者による被保険投資の相手方の株式等の取得に要した額又はその評価額としてこの証券に記載された金額をいう。なお、株式等の取得後に、この約款に定めるところに従い当該株式等を評価した場合にあっては、その直近の評価額としてこの証券に記載された金額をいう。
十一 「対象株式等」とは、株式等( ただし、てん補対象企業のものであって、被保険者持分( 日本貿易保険が合理的に算出する被保険者の直接又は間接の投資割合をいう。以下同じ。) に相当する部分に限る。) をいう。
十二 「配当金請求権」とは、対象株式等に対する配当金の支払請求権をいう。
十三 「対象株式等喪失支払金等」とは、対象株式等又は主要な事業資産等としててん補する再投資先企業の株式等の喪失( 第2条第1項第1号から第4号まで及び第6号に掲げる事由によるものを除く。) に伴い支払われた金額又は当該株式等に対する被保険者、被保険投資の相手方若しくは再投資先企業( 当該株式等を直接又は間接に保有する企業に限る。) への配当金をいう。
十四 「取得金」とは、非常事故対象株式等( 第3条第1項第1号で定めるものをいう。)、非常事故配当金請求権( 第3条第1項第2号で定めるものをいう。)、信用事故対象株式等( 第3条第3項で定めるものをいう。)又は信用事故配当金請求権( 第3条第3項で定めるものをいう。)に係る、第2条第1 項第1号から第4号まで又は第6号のいずれかに該当する事由の発生により被保険者、被保険投資の相手方又は再投資先企業が取得した金額( ただし、被保険投資の相手方又は再投資先企業の金額については、被保険者持分に相当する金額に限る。)をいう。取得金を国債、公債その他これらに準ずる有価証券を含む金銭以外のもので取得した場合、当該取得金の額は、保険金の支払の請求をした日におけるその取得金の価額( 当該請求の日の前日までに取得金を処分したときはその処分価額、当該請求の日の前日までに第7条の規定により取得金を金銭で取得したものとみなされたときは、そのみなされた日の価額) とする。
十五 「取得可能金」とは、前号で定める株式等又は配当金請求権に係る、第2条第1項第1号から第4号まで又は第6号のいずれかに該当する事由の発生により被保険者、被保険投資の相手方又は再投資先企業が取得し得べき金額( ただし、被保険投資の相手方又は再投資先企業の金額については、被保険者持分に相当する金額に限る。)をいう。取得可能金を国債、公債その他これらに準ずる有価証券の引渡請求権を含む金銭債権以外のもので取得した場合、当該取得可能金の額は、保険金の支払の請求をした日におけるその取得可能金の価額とする。
十六 「送金不能日」とは、第2条第1項第5号イからホまでのいずれかに該当する事由により対象株式等喪失支払金等をこの約款で定める国又は地域に送金することができなかった日をいう。
十七 「送金不能額」とは、対象株式等喪失支払金等のうち、送金不能日から2月以上の期間にわたりこの約款で定める国又は地域に送金することができなかった金額であって、第2条第1項第5号イからホまでのいずれかに該当する事由の発生前に送金し得べきであった金額を除いた額( ただし、被保険者持分に相当する金額に限る。)をいう。
十八 「監査済財務諸表等」とは、貸借対照表その他決算関係書類又はこれに準ずる書類であって、その適正性について公認会計士又はこれに準ずる者( 以下「公認会計士等」という。) による保証があるものをいう。
十九 「未監査財務諸表等」とは、貸借対照表その他決算関係書類又はこれに準ずる書類であって、その適正性について公認会計士等による保証がないものをいう。
二十 「財務諸表等」とは、監査済財務諸表等及び未監査財務諸表等を個別に又は総称していう。
二十一 「被保険者等」とは、保険契約者、被保険者若しくは保険金を受け取るべき者又はこれらの者の役員、代理人若しくは使用人をいう。
二十二 「外国政府等」とは、外国の政府又は地方公共団体若しくはこれらに準ずる者をいう。
二十三 「てん補対象企業の所在国等」とは、各々のてん補対象企業の所在する国又は地域をいう。
二十四 「事業地国等」とは、事業地の国又は地域をいう。
第2章 てん補の範囲及びてん補責任額
( てん補危険)
第2条 日本貿易保険は、てん補対象企業に係る次の各号のいずれかに該当する事由により被保険者が受ける損失を、この約款( 別に特約を締結したときは当該特約を含む。以下同じ。) の定めるところに従い、てん補する責めに任ずる。
一 対象株式等又は配当金請求権を外国政府等により奪われたこと。
二 てん補対象企業が戦争、革命、テロ行為その他の内乱、暴動又は騒乱により損害を受けて当該てん補対象企業について次のイからニまでのいずれかに該当する事由( 以下「事業不能等」という。) が生じたこと。
イ 事業の継続の不能
ロ 破産手続開始の決定その他これに準ずる事由
ハ 銀行による取引の停止その他これに準ずる事由( 著しい債務超過となっている場合に限る。)
ニ 1月以上の事業の休止
三 前号で定めるもののほか、てん補対象企業が本邦外において生じた以下に掲げる事由により損害を受けて当該てん補対象企業について事業不能等が生じたこと。
イ 暴風、豪雨、洪水、高潮、地震、津波その他の異常な自然現象により生じる災害ロ 国際連合その他の国際機関又はてん補対象企業の所在国等及び事業地国等以外の
国等による経済制裁 ハ ゼネラルストライキ
ニ ストライキによる輸送施設の機能の停止ホ 原子力事故
四 てん補対象企業が主要な事業資産等を外国政府等によって侵害されたことにより損害を受けて当該てん補対象企業について事業不能等が生じたこと。
ただし、当該てん補対象企業等又は被保険者が、当該てん補対象企業等が行う事業に関する、又は投資契約を含む事業を行うにあたり必要となる権利・義務関係を規定する契約を外国政府等と締結する場合に、外国政府等による当該契約の義務の不履行又はこれに反する行為の結果として損害を受けた場合については別に特約が付されているものに限る。
五 対象株式等喪失支払金等を次のイからホまでのいずれかに該当する事由により2月以上の期間本邦( 再投資の場合は本邦又は被保険投資の相手方若しくは再投資先企業
( 対象株式等又は主要な事業資産等としててん補する再投資先企業の株式等を直接又は間接に保有する企業に限る。) の所在する国若しくは地域) に送金することができなかったこと。
イ 外国において実施される為替取引( 外貨交換及び外貨送金を含む。以下同じ。)の制限又は禁止
ロ 外国における戦争、革命又はテロ行為その他の内乱による為替取引の途絶ハ 外国政府等による当該対象株式等喪失支払金等の管理
ニ 当該対象株式等喪失支払金等の送金の許可の取消し又は外国政府等がその許可をすべきことをあらかじめ約していた場合においてその許可をしなかったこと
ホ イからニまでに掲げる事由の発生後における外国政府等による当該対象株式等喪失支払金等の没収
六 てん補対象企業に以下のいずれかに該当する事由が生じたこと( 第2号から第4号
までに掲げる事由を除き、被保険者( 再投資の場合は被保険者、被保険投資の相手方又は中間企業) の責めに帰することができないものに限る。)。ただし、別に特約を付した場合に限りてん補する責めに任ずる。また、ロに該当する事由による損失については、公的機関による当該手続が終結するまでに当該事由に係る対象株式等が処分された場合又はてん補対象企業が解散された場合その他日本貿易保険が特に認めたこれらに準ずる場合に限る。
イ 破産手続開始の決定( 破産手続開始の決定の事実が公的機関により明らかにされた場合に限る。)
ロ イに準ずる事由( 当該事由が公的機関により明らかにされた場合に限る。)
2 日本貿易保険は、てん補対象企業が当該てん補対象企業の所在する国又は地域以外の国又は地域において直接又は間接に保有する主要な事業資産等に係る前項第2号から第
5号までのいずれかに該当する事由により受ける損失にあっては、当該主要な事業資産等の所在する国又は地域がこの証券に記載されている場合に限りてん補する責めに任ずる。
3 日本貿易保険は、第1項第2号から第4号までのいずれかに掲げる事由により受ける損失のうち同項第2号イ又はニの事由がてん補対象企業に係る事業における一の事業拠点等において生じたことにより受けるものについては、別に特約を付した場合に限りてん補する責めに任ずる。
4 日本貿易保険は、被保険投資の相手方又は中間企業が再投資先企業( てん補対象企業に限る。) に対して貸付金債権等を有している場合において、当該再投資先企業について第1項第2号から第4号まで若しくは第6号のいずれかに該当する事由が生じたことを原因として当該貸付金債権等が毀損し、それにより被保険者が受ける損失、又は当該貸付金債権等について支払われた金額が第1項第5号イからホに定めるいずれかの事由によって本邦若しくは被保険投資の相手方若しくは中間企業の所在する国若しくは地域に2月以上の期間送金ができないことを原因として被保険者が受ける損失については、別に特約を付した場合に限りてん補する責めに任ずる。
5 日本貿易保険は、てん補対象企業が直接又は間接に保有する主要な事業資産等( 主要な事業資産等としててん補する場合であって、再投資先企業向け貸付金債権等を含むが、再投資先企業の株式等は含まない。) について支払われた金額が第1項第5号イからホに定めるいずれかの事由によって本邦又は被保険投資の相手方若しくは再投資先企業
( 当該主要な事業資産等を直接又は間接に保有する企業に限る。) の所在する国若しくは地域に2月以上の期間送金ができないことを原因として被保険者が受ける損失については、別に特約を付した場合に限りてん補する責めに任ずる。
( てん補責任額)
第3条 前条第1項第1号から第4号までのいずれかの事由により受けた損失について日本貿易保険がてん補すべき額は、以下のとおり計算する。
一 前条第1項第1号から第4号までのいずれかの事由に係る対象株式等( 以下「非常事故対象株式等」という。) の損失においては、下表の①から②、④及び⑤を控除した残額( 再投資の場合は、①から②を控除した額と③のいずれか少ない額から④及び
非常事故対象株式等について同項第1号の事由又は同項第2号、第3号若しくは第
4号の損害の発生の直前に評価した額
①
⑤を控除した残額と⑥のいずれか少ない額。なお、別に特約で定める場合はこの限りではない。) に100分の95を乗じて得た金額とする。ただし、保険金額を限度とする。
② | 非常事故対象株式等について当該事由の発生直後に評価した額( ただし、当該事由の発生直後において当該事由に起因して受けた損失に係る評価の算定が困難な場合にあっては、当該評価の算定にあたり合理的に可能となった時点において評価した額とする。) |
③ | 被保険投資の相手方及び中間企業に係る損害の発生の直前の各財務諸表等における簿価純資産額のうち被保険者持分に相当する各金額のうち最も少ない金額 |
④ | 取得金又は取得可能金 |
⑤ | 非常事故対象株式等について、被保険者、被保険投資の相手方又は再投資先企業が 損失を軽減するために必要な措置を講じて回収した金額( ただし、被保険投資の相手方又は再投資先企業の金額については、被保険者持分に相当する金額に限る。) |
⑥ | 取得のための対価の額 |
二 前条第1項第1号から第4号までのいずれかの事由に係る配当金請求権( 支払期日の到来したもの又は第27条第1項の規定により日本貿易保険が損失の発生を確認したものに限る。以下「非常事故配当金請求権」という。) の損失においては、下表の①から② 、③ 及び④を控除した残額に100分の95を乗じて得た金額とする。ただし、保険金額を限度とする。
① | 非常事故配当金請求権について、同項第1号の事由又は同項第2号、第3号若しくは第4号の損害の発生の直前に評価した額 |
② | 非常事故配当金請求権について、当該事由の発生直後に評価した額( ただし、当該事由の発生直後において当該事由に起因して受けた損失に係る評価の算定が困難な場合にあっては、当該評価の算定にあたり合理的に可能となった時点において評価した額とする。) |
③ | 取得金又は取得可能金 |
④ | 非常事故配当金請求権について、被保険者、被保険投資の相手方又は再投資先企業が損失を軽減するために必要な措置を講じて回収した金額( ただし、被保険投資の相手方又は再投資先企業の金額については、被保険者持分に相当する金額に 限る。) |
2 前条第1項第5号の事由により受けた損失について日本貿易保険がてん補すべき額は、対象株式等又は主要な事業資産等としててん補する再投資先企業の株式等の喪失に伴い支払われた金額に係る損失にあっては本邦への送金不能額と取得のための対価の額とのいずれか少ない金額( 再投資の場合は、本邦又は被保険投資の相手方若しくは再投資先企業( 当該株式等を直接又は間接に保有する企業に限る。以下本項において同じ。)の所在する国若しくは地域への送金不能額、取得のための対価の額、並びに送金不能日の直前の被保険投資の相手方及び再投資先企業に係る財務諸表等における簿価純資産額のうち被保険者持分に相当する金額のいずれか少ない金額) から、次の各号に掲げる金
額を控除した残額に、当該株式等に対する配当金に係る損失にあっては本邦( 再投資の場合は、本邦又は被保険投資の相手方若しくは再投資先企業の所在する国若しくは地域)への送金不能額から次の各号に掲げる金額を控除した残額に、100分の95を乗じて得た金額とする。ただし、保険金額を限度とする。
一 当該事由の発生により被保険者、被保険投資の相手方又は再投資先企業が支出を要しなくなった金額( ただし、被保険投資の相手方又は再投資先企業の金額については、被保険者持分に相当する金額に限る。以下第2号及び第3号において同じ。)
二 当該送金不能額をもって被保険者、被保険投資の相手方又は再投資先企業が支出した金額
三 被保険者、被保険投資の相手方又は再投資先企業が損失を軽減するために必要な措置を講じて回収した金額
3 前条第1項第6号の事由により受けた損失について日本貿易保険がてん補すべき額は、対象株式等に係る損失にあっては当該事由に係る対象株式等( 以下「信用事故対象株式等」という。) の取得のための対価の額( ただし、再投資の場合は別に特約に定めるものとする。以下、本項において同じ。) から、配当金請求権に係る損失にあっては当該事由に係る配当金請求権( 支払期日の到来したもの又は第27条第1項の規定により日本貿易保険が損失の発生を確認したものに限る。以下「信用事故配当金請求権」という。)に基づき取得し得べき配当金の額から、次の各号に掲げる金額を控除した残額に、 100分の95を乗じて得た金額とする。ただし、保険金額を限度とする。
一 取得金又は取得可能金
二 被保険者、被保険投資の相手方又は再投資先企業が損失を軽減するために必要な措置を講じて回収した金額( ただし、被保険投資の相手方又は再投資先企業の金額については、被保険者持分に相当する金額に限る。)
4 被保険者が中小企業基本法( 昭和38年法律第154号)第2条第1項に定める中小企業者又は資本金の額若しくは出資の総額が10億円未満の会社( 中小企業者を除く。) であって、事業の休止( てん補対象企業である被保険投資の相手方に係るものに限る。以下、本項及び第4条第4項において同じ。) の日以降3月以内に受けた損失について保険金の支払を請求するにあたり、日本貿易保険が次条第3項各号に定める書類の提出が困難であると認めたときは、第1項中の非常事故対象株式等について日本貿易保険がてん補すべき額は、以下のとおりとする。
「前条第1項第2号から第4号までのいずれかの事由により受けた損失について日本貿易保険がてん補すべき額は、事業の休止の日以降3月以内に発生した費用( 通常、損益計算書において営業費用に該当する費用のうち、従業員の給与、地代家賃、水道光熱費、通信費等の費用をいい、財務費用や臨時的に発生した費用は含まない。)について、日本貿易保険が次条第4項に定める書類を基礎として確認することができた額( 以下「休止期間営業費用」という。)、前条第1項第2号から第4号までのいずれかの事由による損害の発生の直前に評価した額から、次の各号に掲げる金額を控除した残額に100分の95を乗じて得た金額とする。ただし、保険金額を限度とする。
一 取得金又は取得可能金
二 被保険者が損失を軽減するために必要な措置を講じて回収した金額」
5 日本貿易保険は、第1項から第3項の規定にかかわらず、被保険者及び被保険投資の相手方を同じくする同種の保険契約( 以下「別同種保険契約」という。)を締結している場合において、別同種保険契約において既に保険金の支払が生じている場合又は支払が予定されている場合にあっては、第1項から第3項に規定する「取得のための対価の額」を、「取得のための対価の額から当該別同種保険契約における保険金の支払に係る損失
額を控除した額」と読み替えて適用する。ただし、別に特約で定める場合はこの限りではない。また、当該取得のための対価の額について、既に当該別同種保険契約における保険金の支払に係る毀損を反映した額に評価額が変更されている場合については、本項は適用しない。
6 第1項から第4項までに規定する「100分の95」について、この証券記載の付保率を 100% として保険契約を締結するときは、「100分の100」と読み替えて適用する。
( 評価額の基礎とする書類)
第4条 前条第1項の非常事故対象株式等について第2条第1項第1号の事由又は同項第
2号、第3号若しくは第4号の損害の発生の直前に評価した額は、次の各号に定めるいずれかの書類におけるてん補対象企業の対象株式等の評価額( 以下「直前評価額」という。) を基礎とするものとする。なお、本項及び第3項において、運用規程第7条第1項第3号又は第2項に基づき評価額を設定した場合にあっては、日本貿易保険が認めた場合を除き、当該設定に用いた財務諸表等に係る直近のものを用いることとする。
一 被保険投資の相手方に係る事由をてん補する場合にあっては、被保険者又は被保険投資の相手方の直近の監査済財務諸表等
二 再投資先企業に係る事由をてん補する場合にあって、被保険投資の相手方の対象株式等を評価するときは前号に定める監査済財務諸表等、再投資先企業の対象株式等を評価するときは、当該再投資先企業、被保険投資の相手方又は中間企業の直近の監査済財務諸表等
三 前二号の書類の提出が困難な場合は、直近の未監査財務諸表等( ただし、当該未監査財務諸表等を作成した企業の出資者の監査済財務諸表等の作成にあたり基礎となったものに限る。)
四 前各号の書類の提出が困難な場合は、日本貿易保険が特に認めた書類
2 前条第1項の非常事故配当金請求権について第2条第1項第1号の事由又は同項第2号、第3号若しくは第4号の損害の発生の直前に評価した額及び第3項の信用事故配当金請求権に基づき取得し得べき配当金の額は、てん補対象企業の取締役会等において配当として支払が決定され法的に支払義務が確定した金額とする。
3 前条第1項第1号の非常事故対象株式等について当該事由の発生直後に評価した額は、次の各号に定めるいずれかの書類における当該非常事故対象株式等に係る評価額( 以下「直後評価額」という。) を基礎とするものとする。
一 被保険投資の相手方に係る事由をてん補する場合にあっては、当該事由の発生後に評価された、被保険者又は被保険投資の相手方の監査済財務諸表等
二 再投資先企業に係る事由をてん補する場合にあって、被保険投資の相手方の対象株式等を評価するときは前号に定める監査済財務諸表等、再投資先企業の対象株式等を評価するときは、当該再投資先企業、被保険投資の相手方又は中間企業の直近の監査済財務諸表等
三 前二号の書類の提出が困難な場合は、当該事由の発生直後に作成された未監査財務諸表等( ただし、当該未監査財務諸表等を作成した企業の出資者の監査済財務諸表等の作成にあたり基礎となったものに限る。)
四 前各号の書類の提出が困難な場合は、日本貿易保険が特に認めた書類
4 前条第4項の非常事故対象株式等について、休止期間営業費用の額は、事業の休止期間中( 事業の休止の日以降3月以内に限る。) に発生した当該費用を日本貿易保険が確認することができる帳票、当該費用が発生したことを証する書類、事業休止直前においても当該費用が営業費用とされていたことがわかる書類、当該費用につき事業休止直前から変更が発生している場合はその内容がわかる書類、その他日本貿易保険が求めた書
類を基礎とするものとする。
( 取得のための対価の額に係る制限)
第5条 対象株式等( 第3条第2項において主要な事業資産等としててん補する再投資先企業を含む。以下本項において同じ。) について第3条第1項から第4項の規定により算定した日本貿易保険がてん補すべき額又はその累計額が取得のための対価の額から次の各号に掲げる金額を控除した残額を超えるときは、日本貿易保険がてん補すべき額は、これらの規定にかかわらず、その残額とする。
一 当該事由発生前における当該対象株式等の喪失( 第2条第1項第1号から第4号まで又は第6号のいずれかに該当する事由によるものを除く。) により被保険者、被保険投資の相手方又は再投資先企業が取得した金額又は取得し得べき金額( 被保険投資の相手方又は再投資先企業の金額については、いずれも被保険者持分に相当する金額とし、送金不能額が含まれる場合にあっては、これらの金額から当該送金不能額を控除した残額) とその喪失した対象株式等の取得のための対価の額( 再投資の場合にあっては、この証券記載の保険金額( 証券に当該対象株式等の保険金額の記載がない場合は、その直近の評価額)) とのいずれか多い金額
二 当該事由発生前における取得金又は取得可能金
三 第3条第1項第1号④、⑤、若しくは第2号③、④、又は第2項から第4項の各号に規定する金額
( 取得金の送金不能に係る取扱い)
第6条 日本貿易保険は、第3条第1項、第3項及び第4項並びに前条の規定にかかわらず、取得金又は取得可能金のうち次の各号のいずれかに該当する事由により本邦又は被保険投資の相手方若しくは再投資先企業の所在する国若しくは地域に送金することができない金額( その事由の発生前に送金し得べきであった金額を除く。以下「送金不能取得額」という。) が生じたときは、第3条第1項、第3項及び第4項並びに前条の規定により算定した日本貿易保険がてん補すべき額のほか、その額と第3条第1項第1号④、第2号③、第3項第1号若しくは第4項第1号又は前条第2号に規定する金額から送金不能取得額を控除した残額をそれぞれ第3条第1項第1号④、第2号③、第3項第1号若しくは第4項第1号又は前条第2号に規定する金額とみなして第3条第1項、第3項及び第4項並びに前条の規定を適用して算出した日本貿易保険がてん補すべき額との差額をてん補するものとする。
一 外国政府等による没収
二 外国政府等による管理( 2月以上の期間継続して行われたものに限る。)
三 外国において実施される為替取引の制限又は禁止( 2月以上の期間継続して行われたものに限る。)
四 外国における戦争、革命又はテロ行為その他の内乱による為替取引の途絶( 2月以上の期間継続したものに限る。)
五 取得金が譲渡を禁止された国債、公債その他これらに準ずる有価証券で取得したものである場合において、戦争、革命、テロ行為その他の内乱又は外国政府等の行為により当該有価証券の償還が行われなくなったこと。
六 前号に規定する場合を除くほか、戦争、革命、テロ行為その他の内乱又は外国政府等の行為により取得金( 金銭で取得したものを除く。) 又は取得可能金を金銭で取得することができなくなったこと。
( みなし取得金)
第7条 前条の適用に関しては、被保険者、被保険投資の相手方又は再投資先企業が譲渡することができる取得金( 金銭で取得したものを除く。) をその取得の日から2月以内
に金銭で取得しなかったときは、その期間を経過した日に金銭で取得したものとみなす。ただし、日本貿易保険が特に認めた場合はこの限りでない。
( 免責)
第8条 日本貿易保険は、第20条第3項に規定するもののほか、次の損失をてん補する責めに任じない。
一 第2条第1項第1号から第5号までのいずれかの事由により受けた損失であって、被保険者等又は被保険投資の相手方若しくは再投資先企業の故意又は重大な過失により生じたもの
二 第2条第1項第6号の事由により受けた損失であって、被保険者等又は被保険投資の相手方若しくは再投資先企業( 被保険者等が直接又は間接の投資その他の方法によりその経営を実質的に支配しているものに限る。) の故意又は重大な過失により生じたもの
三 保険契約者又は被保険者が法令( 外国の法令を含む。) 違反によって取得した対象株式等、配当金請求権又は取得金等について生じた損失
四 被保険者等が不正競争防止法( 平成5年法律第47号) 又は刑法( 明治40年法律第45号) の贈賄に関する規定違反によって取得した対象株式等、配当金請求権又は取得金等について生じた損失
五 第10条に規定する保険期間の開始日前に生じた事由による損失
( 保険金不払、保険金返還、保険契約の解除)
第9条 日本貿易保険は、次の各号のいずれかに該当するときは、当該保険金の全部若しくは一部を支払わず又は当該保険金の全部若しくは一部を返還させることができる。 一 第2条第1項第1号から第5号までのいずれかの事由により受けた損失が、被保険
者等又は被保険投資の相手方若しくは再投資先企業の過失( 重大な過失を除く。) により生じたとき
二 第2条第1項第6号の事由により受けた損失が、被保険者等又は被保険投資の相手方若しくは再投資先企業( 被保険者等が直接又は間接の投資その他の方法によりその経営を実質的に支配しているものに限る。) の過失( 重大な過失を除く。) により生じたとき
三 保険契約者又は被保険者が故意又は過失により事実を告げず、又は真実でないことを告げたとき
四 保険契約者又は被保険者がこの約款の条項に違反したとき
五 被保険者等が、暴力団、暴力団員( 暴力団員でなくなった日から5年を経過しない者を含む。)、暴力団準構成員、暴力団関係企業その他の反社会的勢力に該当し、又は反社会的勢力若しくはこれと密接な関係にある者( 以下「反社会的勢力等」という。)による経営の支配若しくは実質的関与、反社会的勢力等に対する資金等の提供若しくは便宜の供与、その他反社会的勢力等と社会的に非難されるべき関係にあると認められるとき
2 日本貿易保険は、第20条第1項、第21条第2項、第3項及び第22条第4項に規定するもののほか、次の各号のいずれかに該当するときは、保険契約を解除することができる。一 保険契約者又は被保険者がこの約款の条項に違反したとき
二 貿易保険における環境社会配慮のためのガイドライン( 平成29年4月1日 17‐制度‐00091。以下「環境ガイドライン」という。)に基づき、保険契約者又は被保険者が日本貿易保険に提出したスクリーニングフォーム( 環境ガイドラインで定めるスクリーニングフォームをいう。) の内容の全部又は一部が、被保険者等の故意又は過失により事実に反しているか、又は記載すべき事項を記載していないため、環境ガイド
ラインに定めるカテゴリA又はBに分類されるべき当該プロジェクトがカテゴリCに分類されたとき
三 被保険者等が、対象株式等、配当金請求権又は取得金等の取得に関して不正競争防止法又は刑法の贈賄に関する規定に違反したとき
四 被保険者等が、反社会的勢力等による経営の支配若しくは実質的関与、反社会的勢力等に対する資金等の提供若しくは便宜の供与、その他反社会的勢力等と社会的に非難されるべき関係にあると認められるとき
3 この約款に特別の定めがない限り、前項の規定による解除その他の保険契約の解除は、将来に向かってのみその効力を生じる。
( 保険期間)
第10条 日本貿易保険の保険責任の開始日及び終了日は、運用規程に定める日とする。
第3章 保険契約者又は被保険者の義務
( 他の保険契約の通知義務)
第11条 保険契約者又は被保険者は、てん補対象企業に対する投資について、この約款による保険契約に基づきてん補する危険と同種の危険をてん補する保険契約が存在することを知ったときは、当該事実を知った日から1月以内に当該保険契約について日本貿易保険に書面で通知しなければならない。
( 書類の保管義務等)
第12条 被保険者は、事業年度ごとの被保険投資の相手方及び再投資先企業の監査済財務諸表等及び運用規程に定める書類を取得し、整理保管しなければならない。
2 被保険者は、前項の規定により保管してある書類について日本貿易保険が提出を求めたときは、遅滞なく、これに応じなければならない。
( 損失を受けるおそれが高まる事情発生の通知義務)
第13条 被保険者は、損失を受けるおそれが高まる事情の発生を知ったときは、当該事情の発生を知った日から1月以内にその旨を日本貿易保険に書面で通知しなければならない。ただし、日本貿易保険が認めた場合はこの限りでない。
( 損失発生の通知義務)
第14条 被保険者は、この約款による保険契約に基づきてん補されるべき損失の発生を知ったときは、当該損失の発生を知った日から1月以内にその旨を日本貿易保険に書面で通知( 以下「損失発生通知」という。) しなければならない。
( 損失の防止軽減等の義務)
第15条 被保険者は、損失を防止軽減するため、他の債権における注意と同様の注意をもって一切の合理的措置を講じなければならない。
2 被保険者は、損失の全部又は一部の賠償、補償その他これに準じるものを受けることができる場合は、自ら及び被保険投資の相手方又は再投資先企業を通じた、当該権利の行使又は保存に必要な手続を怠ってはならない。
3 日本貿易保険は、被保険者が前2項の規定による義務の履行のために要した合理的費用をその義務の履行によって取得した金額を限度として負担する。ただし、日本貿易保険が必要と認めたときは、その限度を超えて負担することがある。
4 被保険者が第1項又は第2項の規定による義務の履行を怠った場合には、日本貿易保険は、被保険者がその義務を履行すれば防止軽減することができたと認められる金額又は賠償を受けることができたと認められる金額を、第3条各項各号に掲げる控除すべき額に加えて算出した残額を基礎として、第3条から第7条までの規定によりてん補額を決定する。
( 入金の通知義務)
第16条 被保険者は、損失発生通知を行った後、保険金の支払を請求する以前に回収した金額があるときは、当該金額の入金のあった日から1月以内にその旨を日本貿易保険に書面で通知しなければならない。
( 送金不能額等の管理義務)
第17条 被保険者は、自ら並びに被保険投資の相手方又は再投資先企業を通じて、送金不能額又は送金不能取得額が生じたときは、日本貿易保険の指示するところに従い、当該送金不能額( 第2条第1項第5号ハ又はホに該当する事由によるものを除く。) 又は送金不能取得額( 第6条第1号又は第2号に該当する事由によるものを除く。) を善良なる管理者の注意をもって管理しなければならない。
( 調査に応ずる義務)
第18条 保険契約者又は被保険者は、日本貿易保険が被保険投資及び再投資に関し、調査、報告若しくは資料の提出を求めた場合又は海外投資保険に関する事務を取り扱う日本貿易保険の職員が被保険投資及び再投資に関する帳簿書類その他の物件を調査しようとした場合には、これに応じなければならない。
2 被保険者は、第31条第8項の規定により納付すべき金額に係る対象株式等、配当金請求権又は取得金等の保全上の必要に基づいて、日本貿易保険が業務若しくは資産の状況に関し報告若しくは資料の提出を求めた場合又は海外投資保険に関する事務を取り扱う日本貿易保険の職員が帳簿書類その他の物件を調査しようとした場合には、これに応じなければならない。
第4章 保険契約の無効、失効、解除又は解約
( 保険契約者又は被保険者による保険契約の解約)
第19条 保険契約者又は被保険者は、保険期間中は保険契約を解約することはできない。ただし、日本貿易保険に対して、残りの保険期間に対応する保険料全額を支払うとき又は別に定める場合はこの限りではない。
( 告知義務違反)
第20条 保険契約の申込の当時、保険契約者又は被保険者が損失を受けるおそれのある重要な事実のあることについて、故意又は過失によって、日本貿易保険にこれを告げず、又は真実でないことを告げたときは、日本貿易保険は、保険契約を解除することができる。
2 前項の規定による解除権は、日本貿易保険が解除の原因を知った日から2月間行使しないときは、消滅する。
3 被保険者に損失が発生した後に日本貿易保険が第1項に基づいて保険契約を解除した場合においても、日本貿易保険は当該損失をてん補する責めに任じない。ただし、当該損失が、第1項に規定する損失を受けるおそれのある重要な事実に基づいて発生したものではない場合は、この限りでない。
( 重大な変更)
第21条 被保険者がてん補対象企業に対する直接又は間接の投資に関し、海外投資保険手続細則( 平成29年4月1日 17‐制度‐00043。以下「手続細則」という。)第4条及び別表2に定める重大な変更を行ったときは、当該変更の日から1月以内かつ保険期間内にその旨を日本貿易保険に書面で通知しなければならない。
2 日本貿易保険は、前項に規定する通知を受けたときには、保険契約を解除することができる。ただし、日本貿易保険が書面で承認したときは、この限りでない。
3 前項の承認に条件を付けた場合であって、当該条件が成就されないときには、日本貿
易保険は、保険契約を解除することができる。
4 前2項の規定に基づく解除は、重大な変更があった時から将来にわたってのみ効力を生じる。
5 日本貿易保険は、被保険者が第1項に規定する通知を怠った場合、重大な変更があった時から、保険契約は効力を失ったものとみなすことができる。
( 贈賄行為に関与しない旨の宣誓義務等)
第21条の2 保険契約者及び被保険者は、不正競争防止法及び刑法の規定に違反する贈賄行為にかかわっていないこと及び今後ともかかわらないことを日本貿易保険に対して誓約しなければならない。
2 被保険者等が対象株式等、配当金請求権又は取得金等の取得に関して不正競争防止法又は刑法の贈賄に関する規定に違反した罪により起訴された場合、保険契約者又は被保険者は、日本貿易保険に対して速やかに報告しなければならない。
第5章 保険料
( 保険料の納付等)
第22条 保険契約者は、保険契約を新規に締結した際において保険料を納付すべき場合、分割送金による保険金額の増額において保険料を納付すべき場合、海外投資保険の各約款に定める重大な変更の承認若しくは取得のための対価の額等の変更の承認により保険料を納付すべき場合又は、保険契約者が保険期間の1年又はその端数に係る保険料を納付すべき場合において、日本貿易保険の指定する日までに貿易保険の保険料率等に関する規程( 平成29年4月1日 17‐制度‐00070。以下「保険料率等規程」という。)に従って日本貿易保険の指定する額の保険料の全額を日本貿易保険に納付しなければならない。
2 保険契約者が日本貿易保険の指定する日又は第6項の規定に基づき保険料を支払うべき日までに前項に規定する保険料の全額を納付しなかったときは、保険契約者は、保険料及び当該保険料について日本貿易保険の指定する日又は第6項の規定に基づき保険料を支払うべき日の翌日から保険契約者の納付すべき保険料が納付される日までの日数に応じて年10.95% の割合で計算した延滞金を日本貿易保険の請求に従い納付しなければならない。ただし、第4項の規定に基づき保険契約が解除された場合は、この限りでない。
3 前項の規定により延滞金を納付しなければならない場合において、保険契約者が納付すべき保険料及び延滞金の全額に満たない額を納付した場合には、日本貿易保険は納付された金額を保険料、延滞金の順に充当する。
4 保険契約者が、日本貿易保険の指定する日又は第6項の規定に基づき保険料を支払うべき日までに日本貿易保険の指定する額の保険料の全額又は延滞金の全額を納付しなかったときは、日本貿易保険は保険契約の全部又は一部を解除することができる。
5 前項の規定による解除は、保険期間の1年若しくはその端数に係る保険料又は延滞金を納付すべきものであるときは当該保険期間の開始日から、被保険者が重大な変更を行った場合において納付すべきものであるときは重大な変更があった日から、効力を生ずる。
6 保険契約者について、破産手続開始、民事再生手続開始、会社更生手続開始若しくは特別清算手続開始の各決定又は外国の法令に基づく制度上これに準ずる手続があった場合には、第1項の規定にかかわらず、日本貿易保険からの通知等を要さずに、保険契約者は、日本貿易保険に対する第1項に定める保険料の支払債務( 保険契約者が保険期間の1年又はその端数に係る保険料を納付すべき場合については、当該手続開始決定があ
った日の属する保険年度( 保険料率等規程に規定する保険年度をいう。以下同じ。) における保険料の支払債務) について当然に期限の利益を失い、直ちに当該保険料の全額を支払うものとする。ただし、当該期限の利益の喪失後、日本貿易保険は、新たに支払期日を指定することができる。
( 保険料の返還)
第23条 日本貿易保険は、保険料の納付が日本貿易保険の指定する日の翌日以後になされた場合であって日本貿易保険が前条第4項の規定に基づき保険契約を解除したとき又は日本貿易保険が同項の規定に基づき保険契約を解除した日以後に保険料の納付がなされた場合は、当該納付に係る保険料に100分の90を乗じて得た金額を返還する。
2 前項に定める場合のほか、保険契約の無効、失効、解除若しくは解約の場合又は日本貿易保険が損失をてん補する責めに任じない場合においても、日本貿易保険は保険料を返還しない。ただし、保険料率等規程に定める場合は、保険料の一部を返還する。
第6章 保険金の支払
( 保険金受取人)
第24条 被保険者は、保険金請求事務を被保険者の代わりに行い、被保険者のために保険金を受領する者として保険金受取人を定めることができる。
2 保険金受取人は、1名とする。ただし、日本貿易保険が特に認めた場合はこの限りではない。
3 被保険者は、保険契約を締結した後において、保険金受取人を指定、変更又は廃止( 以下「指定等」という。) した場合には、当該指定等の日から1月以内( ただし、1月以内に保険金の支払を請求する場合には、保険金の請求日前) にその旨を日本貿易保険に書面で通知しなければならない。
4 保険金受取人を定めた場合、被保険者は、この証券記載の保険金受取人を通じてのみ保険金の支払を請求することができる。
5 日本貿易保険は、この証券記載の保険金受取人が保険金の支払を請求してきた場合には、当該保険金受取人に対して保険金を支払うものとし、この場合、日本貿易保険は被保険者に対して保険金を支払ったものとし、当該保険金支払債務は消滅したものとみなす。
( 保険金の請求)
第25条 被保険者又はその他の保険金の支払を請求しようとする者( 以下「保険金請求人」という。) は、自己の費用をもって損失の計算を行い、保険金請求書に損失計算書、証拠書類その他必要な書類を添えて日本貿易保険に提出しなければならない。
2 前項の請求は、損失発生通知を行った日以降、対象株式等又は対象株式等喪失支払金等( 配当金に係るものを除く。) については損失の発生日から、配当金請求権については支払期日から9月以内に行うものとする。ただし、日本貿易保険が、特に猶予期間を定めた場合は、この限りでない。
3 保険金請求人が正当な理由なく前項に規定する期間内又は日本貿易保険が定めた猶予期間内に保険金の支払の請求を行わない場合には、日本貿易保険は、保険金を支払わない。
4 保険金の支払を請求した者は、日本貿易保険がてん補責任の有無又はてん補額の決定のため必要と認める書類の提出を求めたときは、遅滞なく、これに応じなければならない。
5 保険金請求人は、日本貿易保険が特に必要と認めた場合には、自己の費用をもって日本貿易保険が指定する公認会計士又は弁護士等による書類審査又は実地調査を受けなけ
ればならないものとする。
6 保険金請求人は、第22条第1項及び第2項の規定にかかわらず、保険金の支払を請求するまでに、同条第1項及び第2項に規定する保険料( 保険契約者が保険期間の1年又はその端数に係る保険料を納付すべき場合については、この約款による保険契約に基づきてん補されるべき損失の発生した日の属する保険年度以前の保険年度における保険料) 及び延滞金の全部が支払われない限り、保険金の支払請求をすることが認められないものとする。
( 保険金請求権の消滅時効)
第26条 保険金請求権は、対象株式等又は対象株式等喪失支払金等( 配当金に係るものを除く。) については損失の発生日から、配当金請求権については支払期日から3年を経過した場合、時効により消滅するものとする。
2 前条第6項の規定は、前項に基づく消滅時効の成立を妨げない。
( 支払期日前の請求)
第27条 被保険者は、支払期日前において、第2条第1項第1号から第4号まで又は第6号のいずれかに該当する事由の発生により将来にわたって配当金請求権に関する権利を行使することができないことが確実であるときは、損失の発生について日本貿易保険の確認を求めることができる。
2 前項の規定により日本貿易保険が損失の発生を書面で確認したときは、保険金の支払の請求は、第25条第2項の規定にかかわらず、当該確認のあった日から9月以内の間に行うことができる。
3 前項の場合における損失額は、次の式により算出した額とする。ただし、確認日から支払期日までの日数が365を超える場合には、日本貿易保険が別に定める式により算出した額とする。
1
1 + 5.84%
確認日から支払期
× 日までの日数
365
第3 条第1 項 第 1 項 の 規 定
又は第3 項の - に よ り 確 認 さ × 1 -
規定により算
出した残額
( 保険金の支払)
れ た 配 当 金 請
求権の評価額
第28条 日本貿易保険は、第25条第1項に定める手続による請求を受けた日から2月以内に保険金を支払う。ただし、調査のため特に時日を要するときは、この限りでない。
2 第2条第1項第1号から第4号までのいずれかの事由により受けた損失につき保険金を支払う場合、日本貿易保険は、保険金支払に際し、条件を付すことができる。
( 他の保険契約等との関係)
第29条 被保険投資及び再投資について、同種の保険が存在するときは、当該同種の保険契約のてん補すべき額と第3条のてん補すべき額( 以下「てん補責任額」という。) の合計額に対するてん補責任額の割合をてん補責任額に乗じて得た額を支払保険金額とする。ただし、日本貿易保険が特に認めた場合は、この限りでない。
第7章 債権の回収
( 保険代位)
第30条 日本貿易保険は、保険金を支払ったときは、法第42条の規定に基づき保険金の支払のときに保険契約者又は被保険者の有していた非常事故配当金請求権、信用事故配当金請求権、送金不能額又は送金不能取得額に係る債権その他の第三者に対する権利を支払った保険金の額の第3条各項に規定する残額に対する割合をもって取得する。
( 回収金の納付)
第31条 被保険者は、保険金の支払の請求がなされた後においても、非常事故対象株式等、信用事故対象株式等、非常事故配当金請求権、信用事故配当金請求権又は送金不能額若しくは送金不能取得額に関する権利を善良なる管理者の注意をもって、自ら及び被保険投資の相手方又は再投資先企業を通じて管理しなければならない。
2 被保険者は、前条の規定にかかわらず、保険金の支払の請求がなされた後においても、自己又は日本貿易保険のために非常事故対象株式等又は信用事故対象株式等に係る権利、非常事故配当金請求権、信用事故配当金請求権、送金不能額又は送金不能取得額に係る権利その他の被保険者又は被保険投資の相手方又は再投資先企業が有する第三者に対する権利について、直接または被保険投資の相手方及び再投資先企業を通じその行使に努めなければならない。ただし、当該権利の行使の相手方についての破産手続開始の決定がなされたことその他やむをえない事由により当該権利を行使することが困難であることについて日本貿易保険の認定を受けたとき又は第5項若しくは次条第3項の規定に基づき権利行使等の委任を行ったときは、この限りではない。
3 被保険者は、前2項に規定する義務の履行の状況について、日本貿易保険に書面で報告しなければならない。ただし、前項ただし書の規定により日本貿易保険の認定を受けたとき又は権利行使等の委任を行ったときは、この限りでない。
4 被保険者は、前条に規定する日本貿易保険の保険代位を当該権利の行使の相手方の住所地法において当該相手方その他の第三者に対抗することができるために必要な手続を行うことを日本貿易保険が指示したときは、これに従わなければならない。
5 被保険者は、前項による義務を履行したときは、被保険者が有している保険事故に係る債権について日本貿易保険に権利行使等の委任を行わなければならない。
6 被保険者は、前項の委任に当たり、権利の行使による回収金の配分方法、その他手続的な事項について、貿易保険共通運用規程( 平成29年4月1日 17‐制度‐00069。以下
「共通運用規程」という。) に従わなければならない。
7 日本貿易保険は、第1項又は第2項による義務の履行のために要した合理的費用( 被保険投資の相手方及び再投資先企業が要した合理的費用のうち被保険者の持分に相当する金額を含む。ただし、日本貿易保険が認めた金額に限る。) を取得した金額を限度として負担する。ただし、日本貿易保険が必要と認めたときは、その限度を超えて負担することがある。
8 被保険者は、保険金の支払の請求がなされた後、自ら又は被保険投資の相手方若しくは再投資先企業が回収した金額( 被保険投資の相手方又は再投資先企業が回収した金額については、当該回収した金額のうち被保険者の持分に相当する金額。ただし、日本貿易保険が認めた金額とする。) があるときは、回収のあった日( 回収のあった日が保険金の支払を受けた日以前であるときは、保険金の支払を受けた日) から1月以内にその旨を日本貿易保険に通知し、かつ、日本貿易保険が指定する次の金額を日本貿易保険が指定する日までに日本貿易保険に自ら納付し、又は被保険投資の相手方をして納付させなければならない。
( 回収金額- A) ×
支払保険金額
第3条各項に規定する残額
( 送金不能取得額が生じたときは、残額にその額を加えた額)
Aは、第2項による義務の履行のために要した合理的費用( 被保険投資の相手方又は再投資先企業が要した合理的費用のうち被保険者の持分に相当する金額を含む。ただし、日本貿易保険が認めた金額に限る。)
9 被保険者、被保険投資の相手方又は再投資先企業が保険金の支払の請求後に送金不能額又は送金不能取得額の全額又は一部を支出したときは、当該支出に係る金額を回収したものとみなす。
10 第8項に規定する期間内に同項の通知をすることを怠った被保険者は、同項の規定により納付すべき金額( 以下「回収納付金額」という。) について回収のあった日( 回収のあった日が、保険金の支払を受けた日以前であるときは、保険金の支払を受けた日)の翌日から当該通知をした日までの日数に応じて年10.95% の割合を乗じて得た違約金を日本貿易保険の指定する日までに日本貿易保険に納付しなければならない。
11 被保険者は、第8項又は前項の規定に基づき日本貿易保険に納付すべき金額を日本貿易保険の指定する日までに納付しなかったときは、当該金額及び当該金額について日本貿易保険の指定する日の翌日から納付される日までの日数に応じて年10.95% の割合で計算した延滞金を日本貿易保険の請求に従い納付しなければならない。
12 前2項の規定により違約金及び延滞金を納付すべき場合において、被保険者が回収納付金額、違約金及び延滞金の全額に満たない額を納付した場合には、日本貿易保険は納付された金額を回収納付金額、違約金、延滞金の順に充当する。
13 被保険者は正当な事由がある場合にはすでに納付した回収納付金の返還を日本貿易保険に対して請求できる。日本貿易保険は正当な事由があると認めた場合には、納付された回収納付金を返還する。ただし、回収納付金に利息は付さないものとする。
( 日本貿易保険による権利の行使)
第32条 日本貿易保険は、保険金支払前に保険事故に係る債権の行使を自ら行う必要を認めたときは、被保険者から当該債権に係る権利行使等の委任を受けることを申し込むことができる。
2 日本貿易保険は、第30条の規定に基づき保険代位を行った後に保険事故に係る債権の行使を自ら行う必要を認めたときは、当該債権のうち被保険者が有している部分について被保険者から権利行使等の委任を受けることを申し込むことができる。
3 被保険者は、日本貿易保険から前2項の申込みを受けた場合は、合理的な理由のあるときを除き、これに応じなければならない。
4 前項の委任に当たり、権利の行使による回収金の配分方法、その他手続的な事項については、前条第6項を準用する。
5 日本貿易保険は、第3項又は前条第5項の規定により権利行使等の委任を受けた保険事故に係る債権の行使を第三者に委任することができる。
第8章 雑則
( 換算率)
第33条 この約款において、外貨を邦貨に、邦貨を外貨に、又は一の外貨を他の外貨に換算する場合に適用する外国為替相場は、次の各号のとおりとする。
一 外貨を邦貨に換算する場合にあっては、銀行( 銀行法( 昭和56年法律第59号) 第2条第1項に規定する銀行をいう。以下同じ。) が提示する対顧客直物電信買相場の始値( 日本貿易保険が認めたものをいう。)
二 邦貨を外貨に換算する場合にあっては、銀行が提示する対顧客直物電信売相場の始値( 日本貿易保険が認めたものをいう。)
三 一の外貨を他の外貨に換算する場合にあっては、銀行が提示する当該外貨間の換算率の始値( 日本貿易保険が認めたものをいう。)
2 次の各号の金額が外貨建てのときは、当該金額は、次の各号の規定に基づき邦貨に換算するものとする。ただし、運用規程に定めた場合は、この限りでない( 以下第3項及
び第4項において同じ。)。
一 次のイとロの各金額は、それぞれに定める日( ただし、イ及びロの双方の額を保険の対象とする場合は、イに定める日) における前項第1号の外国為替相場により邦貨に換算して証券に記載する。
イ 取得のための対価の額 送金日
ロ 配当金請求権の額 配当計画等により額を定めた日
二 第3条第1項の損失の算定は、算定に用いる、同項中の各金額、第5条第1項に定める各金額又は第6条に規定する送金不能取得額の通貨が、第2条第1項第1号の事由又は同項第2号、第3号若しくは第4号の損害の発生の直前( 以下「事由又は損害発生直前」という。) に評価した額の通貨と異なる場合は、下表に定める日において事由又は損害発生直前に評価した額の通貨に換算して行い、算定された額を事由又は損害発生直前の日における前項第1号の外国為替相場により邦貨に換算する。
( 非常事故対象株式等の場合)
① | 事由又は損害発生直前に評価した額 | - |
② | 事由の発生直後に評価した額( ただし、当該事由の発生直後において当該事由に起因して受けた損失に係る評価の算定が困難な場合にあっては、当該評価の算定にあたり合理的に可能となった時点において評価した額とする。) | 事由又は損害発生直前の日 |
③ | 被保険投資の相手方及び中間企業に係る損害の発生の直前の各財務諸表等における簿価純資産額のうち被保険者持分に相当する各金額のうちもっとも少ない金額 | 事由又は損害発生直前の日 |
④ | 取得金又は取得可能金 | 額が確定した日 |
⑤ | 被保険者、被保険投資の相手方又は再投資先企業が損失を軽減するために必要な措置を講じて回収した金額( ただし、被保険投資の相手方又は再投資先企業の金額については、被保険者 持分に相当する金額に限る。) | 回収した日 |
⑥ | 取得のための対価の額 | 払込日( 当該日の認定が難 しい場合は送金日) |
⑦ | 第5 条第1 項第1 号及び第2 号に定める各金額 | 額が確定した日 |
⑧ | 第5条第1項第3号に定める金額 | 本項に規定した日 |
( 非常事故配当金請求権の場合)
① | 事由又は損害発生直前に評価した額 | - |
② | 事由の発生直後に評価した額( ただし、当該事由の発生直後において当該事由に起因して受けた損失に係る評価の算定が困難な場合にあっては、当該評価の算定にあたり合理的に可能となった時点において評価した額とする。) | 事由又は損害発生直前の日 |
③ | 取得金又は取得可能金 | 額が確定した日 |
④ | 被保険者、被保険投資の相手方又は再投資先企業が損失を軽減するために必要な措置を講じて回収した金額( ただし、被保険投資の相手方又は再投資先企業の金額については、被保険者 持分に相当する金額に限る。) | 回収した日 |
⑤ | 第5 条第1 項第1 号及び第2 号に定める各金額 | 額が確定した日 |
⑥ | 第5条第1項第3号に定める金額 | 本項に規定した日 |
三 第3条第2項の損失の算定は、算定に用いる、同項中の各金額又は第5条第1項に定める各金額の通貨が送金不能額の通貨と異なる場合は、下表に定める日において送金不能額の通貨に換算して行い、送金不能日( ただし、取得のための対価の額と送金不能額を比較すべき場合であって、送金不能額の通貨において前者の額が後者の額を下回る場合は第1号イに定める日) の前項第1号の外国為替相場により邦貨に換算する。
① | 取得のための対価の額 | 払込日( 当該日の認定が難 しい場合は送金日) |
② | 被保険投資の相手方及び中間企業に係る損害 の発生の直前の各財務諸表等における簿価純資産額のうち被保険者持分に相当する各金額のうちもっとも少ない金額 | 送金不能日 |
③ | 当該送金不能額をもって支出した金額 | 支出した日 |
④ | 回収した金額 | 回収した日 |
⑤ | 第5条第1項第3号に定める金額 | 本項に規定した日 |
⑥ | その他の額 | 額が確定した日 |
四 第3条第3項の損失の算定は、算定に用いる、
① | 回収した金額 | 回収した日 |
同項中の各金額、第5条第2項に定める各金額又は第6条に定める送金不能取得額の通貨が取得のための対価の額の通貨又は信用事故配当金請求権に基づき取得し得べき配当金の額の通貨と異なる場合は、下表に定める日において取得のための対価の額の通貨又は信用事故配当金請求権に基づき取得し得べき配当金の額の通貨に換算して行い、算定された額を第1号イに定める日又は信用事故配当金請求権に基づき取得し得べき配当金の額が確定した日における前項第1号の外国為替相場により邦貨に換算する。
② | 第5条第2項第3号に定める金額 | 本項に規定した日 |
③ | その他の額 | 額が確定した日 |
五 第3条第4項の損失の算定は、算定に用いる、同項中の各金額、第5条第1項に定める各金額又は第6条に規定する送金不能取得額の通貨が、損害の発生の直前に評価した額の通貨と異なる場合は、下表に定める日において同損害の発生の直前に評価した額の通貨に換算して行い、算定された額を損害の発生の直前の日における前項第1号の外国為替相場により邦貨に換算する。
① | 休止期間営業費用 | 損害の発生の直前の日 |
② | 回収した金額 | 回収した日 |
③ | 第5条第1項第3号に定める金額 | 本項に規定した日 |
④ | その他の額 | 額が確定した日 |
3 第31条第8項の規定に基づき回収した金額( 同条第9項の規定により回収したものとみなされる金額を含む。) を納付する場合において、回収した金額が対象株式等に表示された通貨( 以下「表示通貨」という。) と異なる通貨建てのときは、当該金額は、回収を確認した日( 同条第9項の場合にあっては、回収したものとみなされる日) における第1項各号の外国為替相場により表示通貨に換算するものとする。
4 第15条第3項又は第31条第7項に規定する日本貿易保険の負担する合理的費用は、次の各号の規定により換算する。
一 第31条第8項の規定に基づき日本貿易保険の負担する合理的費用を回収した金額から除く場合において、当該費用が表示通貨と異なる通貨建てのときは、当該費用は、その額が確定した日における第1項各号の外国為替相場により表示通貨に換算するものとする。ただし、当該費用について、当該費用に係る通貨を表示通貨で買い取って支払った場合は、当該買取に使用された換算率を適用する。
二 第31条第8項の規定によらない方法で日本貿易保険の負担する合理的費用を請求する場合において、当該費用が外貨建てのときは、当該費用は、その額が確定した日における第1項第1号の外国為替相場により邦貨に換算するものとする。ただし、当該費用について、当該費用に係る通貨を邦貨で買い取って支払った場合は、当該買取に使用された換算率を適用する。
5 第2項から第4項において定める日に第1項各号の外国為替相場がない場合は、その日の直前の第1項各号の外国為替相場のある日における当該外国為替相場を適用する。
6 第1項各号の外国為替相場が提示されていない外貨の場合には、他の通貨を媒体とした換算率を適用する。
7 日本貿易保険が特に認めた場合には、第2項から第6項までの規定にかかわらず、日本貿易保険の指定した換算率を適用する。
( 保険契約の内容の変更等)
第34条 保険契約者は、てん補対象企業に対する直接又は間接の投資の内容の変更( 第21条第1項の重大な変更を除く。) がある場合には、保険契約の内容の変更を請求できる。
2 保険契約者は、この約款に基づく保険契約のうち被保険投資の相手方が同一であるものについて、一の保険契約とすることを請求できる。ただし、日本貿易保険と保険契約者が協議の上、合意した場合に限る。
( 保険の目的又は保険金請求権の譲渡)
第35条 被保険者は、この約款に基づく保険契約について、保険の目的又は保険金請求権を譲渡しようとするときは、譲受予定者と連名で事前に日本貿易保険の承認を受けなければならない。
2 日本貿易保険は、前項の承認に当たっては、条件を付けることができる。
( 保険金支払後の譲渡)
第36条 保険金支払日以後において、被保険者が自ら直接に保有する非常事故対象株式等、信用事故対象株式等、非常事故配当金請求権又は信用事故配当金請求権を譲渡しようとするときは、譲受予定者と連名で事前に日本貿易保険の承認を受けなければならない。
2 日本貿易保険は、前項の承認に当たっては、条件を付けることができる。
( 質権又は譲渡担保の設定)
第37条 被保険者は、この約款に基づく保険契約について、保険の目的又は保険金請求権について質権又は譲渡担保を設定しようとするときは、当該質権又は譲渡担保権の取得予定者と連名で事前に日本貿易保険の承諾を得なければならない。ただし、保険の目的のみについて質権又は譲渡担保を設定しようとするときであって、日本貿易保険が認めた場合は、当該質権又は譲渡担保権の取得予定者との連名での承諾の取得は不要とし、被保険者が単名にて承諾を得ればよいものとする。
2 再投資の場合、被保険者は、再投資先企業( 中間企業、てん補対象企業、又は主要な事業資産等としててん補する企業に限る。) の株式等又は被保険投資の相手方が再投資先企業( てん補対象企業である場合又は主要な事業資産等としててん補する場合に限る。) に対して保有する、若しくは再投資先企業が他の再投資先企業( てん補対象企業である場合又は主要な事業資産等としててん補する場合に限る。) に対して保有する貸付金債権等について質権又は譲渡担保を設定しようとするときは、事前に日本貿易保険の承諾を得なければならない。
3 日本貿易保険は、前2項の承諾に当たっては、条件を付けることができる。
( 取得のための対価の額等の変更)
第38条 保険契約者は、てん補対象企業に対する直接又は間接の投資の内容の変更その他合理的事由がある場合には、保険期間の開始の日の毎年の応当日の1月前までに日本貿易保険に書面で申請することにより、当該応当日以降の当該事由に係る取得のための対価の額若しくは配当金の額又は再投資に係るてん補対象企業の対象株式等の取得に要した額若しくは評価額の変更に関する日本貿易保険の承認の請求を行うことができる。
( 手続事項)
第39条 この約款に規定するもののほか、保険契約に関する手続的な事項は、手続細則に定める。
( 約款等の改正時の取扱い)
第40条 この約款による保険契約の保険期間内に、約款、運用規程、共通運用規程又は保険料率等規程( 以下「約款等」という。) が改正された場合であって、当該改正の内容に保険契約者又は被保険者の権利を制限し、又は義務を付加するものが含まれないときは、日本貿易保険は、被保険者に対して通知を行うことにより、当該改正後の約款等の規定が適用されるものとすることができる。
2 前項にかかわらず、日本貿易保険は、法令の改正、社会情勢の変動、その他相当の事由がある場合に、この約款を改正することができる。
( 準拠法令)
第41条 この約款に定めていない事項については、法及びこれに基づく命令その他日本国の法令の定めるところによる。
附 則
この約款は、平成29年4月1日から実施する。附 則
この改正は、令和2年4月1日から実施する。附 則
この改正は、令和3年1月18日から実施する。附 則
この改正は、令和3年4月1日から実施する。附 則
この改正は、令和4年4月11日から実施する。附 則
この改正は、令和4年4月11日から実施する。附 則
この改正は、令和5年3月20日から実施する。附 則
この改正は、令和5年10月31日から実施する。