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6.条文例42
(甲=管理者等、乙=SPC)
削除: 94
(甲の任意による契約解除)
削除: 6
第○x xは、本契約の終了前はいつでも、[ ]月以上前に乙に対して通知することにより本契約の全部又は一部を解除することができる。
(案1)
2 前項により本契約が解除された場合、乙は、甲に対して、当該終了により被った合理的な損失の補償を請求することができるものとする。
(案2)
2 前項により本契約の全部解除された場合、乙は、甲に対して、以下の損失補償を請求できるものとする。43
(1) 別紙○に記載された契約条件に基づき、乙が優先貸付人に支払う必要がある額
(2) 別紙○に記載された契約条件に基づき、乙が[運営協力企業]に対して支払う必要がある額
(3) [株主劣後貸付人、株主への支払について記載]
(4) [その他必要な調整項目を記載]
3 [損失補償及び未払いの施設整備費相当分等の支払方法について規定]
4 第1項により本契約の一部が解除された場合において、以下に従うものとする。
(1) 解除された業務の内容に応じて、サービス対価を減額するものとする。減額幅を算定する際には、複数の業務を一括して請け負うことによる費用が削減されている場合の効果についても配慮する。
(2) [特段の事情44がある場合を除き、統括マネジメント業務の対価相当分については、減額しないものとする。]45
(3) [特段の事情がある場合を除き、[株主への利益相当分]46については、減額しないものとする。]
(4) 甲は、別紙○に記載された契約条件に基づき、乙が[運営協力企業]に支払う必要のある額を乙に補償するものとする。
(5) [その他必要な調整項目を記載]
書式変更: インデント : 左 : 0 mm, ぶら下げインデント :
1.16 字, 最初の行 : -1.16 字
43 案2は、契約の締結時点までに、ファイナンス関係の諸契約及び SPC と運営協力企業との契約のうち、重要な事項で解除に関係するものの内容を別紙として添付する方法を想定している。
削除: (タームシートに記載されるような事項)
44 特段の事情としては、例えば統括マネジメント業務に必要である人員を削減できる場合を想定している。
この部分については、予め特定できる事由については、特定することも考えられる(第 3 号も同様)。
45 統括マネジメント業務がない場合には、本号を削除するか、修正する必要がある。
46 株主の利益分を明示した財務モデル等をあらかじめ合意していることを前提としている。
41
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削除: 契約 |
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削除: 管理者等の債務不履行時の 補償額と同額とすべきである |
【任意解除に関する実務上のポイント】
PFI事業契約には、管理者等による契約の任意解除権及びその際の選定事業者への損失補償について明確に規定する。本規定のポイントは以下のとおり。
①PFI事業契約の全ての当事者は、期間満了まで契約を解除することなく、契約上の義務を全て履行する意図をもって契約締結を行い、契約関係に入るべきである。
②管理者等は、一定期間以上前に通知することで契約を解除できる。
③任意解除時の選定事業者に対する損失補償額は、管理者等に責めが帰される債務不履行事由に伴う契約解除の賠償額算定と同じ考え方に立脚して算定されるべきである。
④補償金額の算定を客観的に行うことを可能にするため、例えば財務モデルや委託先との主要な
契約条件について予め合意しておくなど、基準の明確化を図ることが望ましい。
42
第Ⅲ章 「紛争解決」に関する標準契約書モデル及びその解説(案)
1.概要
削除: 官民の真のパートナーシッ
プに基づき当事者間の合意により解決することが期待される。但し、
PFI事業契約締結時には想定し得ないリスクの顕在化などPFI事業契約に定めのない事項、その他PFI事業契約の実施にあたって生じた疑義について解決しなければならないことも起 こり得る。こうした場合に備えて、当事者間の協議の在り方について規定し、さらに当事者間での協議が整わないこともあるため、紛争が生じる場合に備え、中立的第三者が関与した紛争の処理方法を規定する47。
2.問題状況
(1)両当事者間の協議、関係者協議会の規定及び裁判管轄の規定のみとしている場合が多い。さらに、関係協議会の構成については、紛争解決のための仕組みとして十分ではないことも少なくない。したがって、実効的な協議を行う仕組みを構築する必要がある。
(2)協議によって解決しなかった場合でも、良好な関係を継続したまま、迅速に解決することが必要である。さらにPFIをめぐる紛争は高度な専門知識を要求されることが多いと予想される。したがって、紛争が生じた場合に、裁判よりも迅速かつ専門的事項に十分対応できる紛争解決の枠組みを迅速に設定できるような契約条項が求められる。
47支払遅延防止法第4条第4号及び予決令第100条第1項第7号。地方公共団体が管理者等となる場合は、
当該規定は支払遅延防止法第14条の規定により準用される。
43
3.基本的な考え方
削除: 対処に関わる
(1)コミュニケーションの場の設定:両当事者間の不断のコミュニケーションをとっておくことにより、相互の信頼関係を醸成しておくことが、紛争を予防する観点からは重要である。そこで、両当事者の間のコミュニケーションの場を設定し、フェイストゥフェイスでコミュニケーションを行う機会を設けて信頼関係の構築に当たるべきである。
削除: 調整会議の設置
削除: PFIの基本理念は官民のパートナーシップであり、相互の信頼が大切であるから、まずは両当事者間の協議によって解決でき
なお、当事者のコミュニケーションを図るためには、以下の点に留意することが必要である48。
・ 官民双方の見解を理解し、また尊重すること
・ 知識と目的を共有すること
・ 契約及び契約関係書類を正確に理解すること
・ 情報の流通をスムーズに行い、またコミュニケーションのチャンネルをオープンにしておくこと
・ 両方の組織内に存在する課題を解決する意欲を有すること
・ 効果的な意思決定プロセスが設定されていること
・ 事業を成功させようという強い意欲を有すること
ることが望ましい。そのためには、
... [15]
削除: が
削除: 必要がある。
削除: するために、関係者協議会の一部として(又は関係者協議会とは別に)紛争予防、解決にふさわしい構成員で「調整会議」を設
置し、定期的に
... [16]
削除: の会議
(2)紛争調整会議:紛争が生じた際には、まずは両当事者間で協議することが考えられる。そこで、紛争が生じた際に、いずれかの当事者の要求により会議を招集し、解決を図る紛争調整会議について規定する。
削除: 開催して紛争の予防、
削除: とともに 但し、枠組みを作成すれば紛争を防止できるとい
(3)中立的第三者の関与:官民が対等の立場というPFIの基本原理からすれば、協議が整わない場合に一方が他方に結論を押しつけることは厳に慎まなければならない。そこで中立的な専門家が関与して、紛争を迅速に解決する仕組みが必要である。
うものではなく、あくまでも両当事者の担当者が紛争防止のために意欲的に行動することが前提であ
ることに留意する必要がある。
... [17]
削除: の内容調整会議の内容:以
下の点に留意すべきである
書式変更: フォント : (英) MS ゴシック, (日) MS ゴシック, 10.5 pt
削除: a. 契約書に規定があるに
もかかわらず設置がなされないま
まになってしまうことがないよう
... [18]
削除: 、
削除: 迅速に協議できる体制を整
えておく必要がある
48 英国では両当事者の継続的コミュニケーションの重要性が強調されており、定期的なコミュニケーションの場を確保するべきとされ、ここに記載した留意点はこれを参考に作成している。(英国財務省 Operational Taskforce Note2: Project transition guidance(2007 年 3 月)参照)。
44
削除:削除: 2
4.具体的な規定の内容
紛争解決のための場として紛争調整会議(仮称)を設ける。なお、このような機能を果たす場が既に存在している場合には、いたずらに屋上屋を架す趣旨ではないことに留意する必要があ る。メンバーについては両当事者により構成することとする。 | 削除: 予防、 |
削除: 機関 | |
削除: 両当事者間の良好なコミュ ニケーションを図るため、定期的に会議を開催するほか、紛争予防、解決という観点から必要がある場 合には随時会議を開催する。 | |
2)中立的専門家による裁定手続創設 紛争調整会議と、裁判による解決の中間に、中立的専門家(裁定人)による紛争解決手続を規定することが考えられる。この際、裁定手続きになじまない紛争も考えられるため、あらかじ |
(1)紛争調整会議
(
め裁定手続きの対象となる事項(又は対象とならない事項)を契約書で特定しておくことも考 慮すべきである。中立的専門家の判断に拘束力を持たせるか否かについては、拘束力があるとすると、中立的専門家の選任が困難になり、手続自体が使用されなくなる可能性があるため、当面は、中立的専門家の判断に拘束力を持たせない手続(一種の調停手続)とすることが考えられる。中立的専門家の選任方法は、両当事者の合意によることとし、選任時点については、紛争が生じた際に選任することが考えられる。
裁定人の人数:仲裁として行う場合(すなわち裁定人の判断に拘束力を持たせる場合)については、他分野の国際的な契約では3名と規定されることが多い(またUNCITRAL国際商事仲裁モデル法では、別途当事者間で合意がない限り3名とされている)49。一方、調停の場合は、UNCI TRAL国際商事調停モデル法では別途当事者間で合意がない限り1名とされているが、場合により3名とすることも考えられる。
削除:
裁定手続の対象:裁定手続きになじまない紛争も考えられるため、あらかじめ裁定手続きの対象となる事項(又は対象とならない事項)を契約書で特定しておくことも考
えられる。
調停に関する規定を設ける場合において、調停の場で合意できなかったとき、又は調停の対象 外の事項に関する紛争が生じたときについては、裁判又は仲裁(調停と異なり裁定人の判断が両当事者を拘束する)によって解決されることになる。
49 人数の決め方は仲裁規則により異なる。国際商工会議所(ICC)の仲裁規則第 8 条では、1名か3名かを当事者の合意により定める(当事者が人数に合意できない場合には、原則1名だが、ICC Court of Arbitrationが3名が妥当だと判断した場合には3名とすることができるとされる)。ロンドン国際仲裁裁判所(LICA)の仲裁規則第5条も類似の内容になっている。
45
裁定人選定方法:
1)選定時点:裁定人の選定方法については、裁定人(又は裁定人を選任するためのパネル)は、
①内容に応じて、事業契約締結後に予め両当事者で合意しておき、欠員が出た場合には、速やかに共同で選任する方法50、②紛争が生じた際に両当事者間の合意により裁定人を選定する方法がある51。日本では、中立的な専門家を関与させる枠組みが定着していないこと等を考慮すると、
②の方法が当面は現実的であると考えられる。これらの方法のメリット、デメリットを整理すると以下のようになる。
(ア)紛争が生じた際に裁定人を選定する方法:人選について合意できないリスクが高まる(実際に紛争が生じている場合両当事者がより慎重になる)。人選について合意できない場合、迅速な解決は期待できない。しかし、紛争となっている分野にあわせて専門家を選ぶことができるというメリットがある。
ことなどの問題がある。しかし、実際に裁定人による紛争解決が必要になった場合は、迅
削除: い
(イ)裁定人をあらかじめ決める方法:事業契約締結後の手続負担は重いこと、また選任した段 階から裁定人に報酬を払わなければならなくなること、利益相反の問題がより複雑になる
速な解決が期待できるというメリットがある。なお、この方法でも複数の分野の専門家を 選任することは可能であるが、当初段階での両当事者の手続的な負担がさらに重くなる52。この方法は、現時点では課題も多いため、以下の条文例では採用していない。
2)中立的第三者の候補者:中立的第三者の候補者としては、受任することについて利益相反がないことに加えて、紛争の分野に応じて必要な専門的知識を有していること、両当事者が納得できるだけの中立性を有していること、その専門家にとって過大な負担とならないことなどが必要になる。裁定人が両当事者との間で信頼関係を築けることが重要であるため、選任に関する規定はあくまでも両当事者が平等である必要がある。したがって、一方の当事者のみが「中立的」裁定人を選ぶ権利を有するという規定は適切でない。あくまで、両当事者が了解した方法で裁定人を選定することが重要である。
3)選任について合意できない場合:選任について意見が一致しない場合の手続の規定が必要である。
※例えば英国では両者が合意できない場合には、「公認仲裁人協会長」(the President for the time being of the Chartered Institute of Arbitrators)への選任の依頼が挙げられている。今後PFIの専門家を選任できる体制が整うことが前提であるが、例えば、日本商事仲裁協会、国際商工会議所などに選任を依頼することが考えられる。この点については、実務的に問題になる可能性が高い部分であるので、選任候補者のリストの作成方法・手続
50 この場合は、複数の分野の専門家について合意しておき、紛争の内容に応じて適切な専門家を選任できるようにすることが望ましい。
51 3名とした場合には、各当事者が1名ずつを選任し、選任された2人の裁定人が第三の裁定人を選任するという方法が考えられる。1人とした場合は、両当事者が共同で選任する。
52 英国 SoPC4 中の条文例では、契約締結後に両当事者があらかじめ紛争が生じた場合に備えて中立的な専門家のリストについて合意し(建設パネルと運営パネルからなり、それぞれたとえば 3 名の専門家から構成される)、紛争が生じた場合に当該リストから機械的に裁定人を指名し、当該裁定人に判断してもらうという仕組みが採用されている。(28 章)
46
なども含めて、今後議論が必要である。
削除: 民間機関によって行なわれ る調停 |
削除: (1)紛争予防のための枠組み 紛争を生じさせないためには、協議の枠組みのみ作成しておけば足りるということではないことに留意する必要がある。紛争予防のためには、例えば以下のことが大切である。 1) 事業者選定段階において、管理者等や利用者の意向に沿った提案によい点数がつくようにすること(外部審査委員会で採点がなされるため、採点基準を作成する段階から、管理者等の意向が反映されるように配慮するとともに、採点の際も重要な点が曖昧なまま採点されたりすることのないような仕組みを作る必要がある)。 2) 契約(要求水準等を含む)の作成の際には曖昧な表現を避け、解釈が分かれないようにすること 3) 問題の先送りを避け、契約締結前に枠組みの基本を取り決めること。 4) 「信頼関係の構築」とは日常的な関係の中で創出されるべきもので、かかる会議の枠組みを形式上創るのみで満足すべきでないこ と。 |
削除: 2 |
削除: 3 |
裁定手続の内容:両当事者の意見及び証拠の提出期限、裁定人の判断の期限等の手続を定める。裁定人の判断の拘束力:以下の案が考えられる。
①完全に両当事者を拘束する(裁判所は覆すことはできない)。
②裁判所が覆さない限り両当事者を拘束する(裁判所により覆される可能性がある)(英国 SoPC4 はこの立場に近い)。
③判断がなされた後、不服のある当事者が一定期間内に裁判を提起しなかった場合、両当事者を拘束(裁判が提起された場合は両当事者を拘束しない)。
④参考意見として取り扱う(調停:条文例はこれを前提としている)。
※我が国のPFIでは中立的第三者に関与させて紛争を解決するという慣行は存在していないため選任が困難になる可能性があり、その結果中立的第三者を関与させる手続きが実務から敬遠されてしまう可能性があることから、以下の条文例は「調停」(調停人の判断に拘束力を持たせない)としている。今後、第三者を用いる手法に対する信頼の向上、中立的な第三者機関の設立(または既存の機関の活用)、紛争解決のための基準の明確化などによって、徐々に拘束力を持たせる方法が採用されるようになることが期待される。
調停
・紛争解決にあたる第三者の判断に拘束力がある場合は仲裁、拘束力がない場合は調停になる。調停には、簡易裁判所等で行なわれる法定の調停と、民間機関(又は民間人)によって行われる任意の調停がある。
・民間機関によって行われる調停については、ADR法(裁判外紛争解決手続の利用の促進に関する法律)による認証制度がある。この認証制度については弁護士以外の調停人の活用、時効の中断等でメリットがある。PFI事業契約に中立的な専門家による判断を盛り込む場合も、弁護士法との関係で問題が生じないようにするため、認証された調停機関・手続を利用することも考えられる。なお、仲裁には適用されない。
費用分担:紛争解決に要する費用分担は、予めxxにこれを取り決めておく必要がある。
議会対策、予算との関係などについても配慮が必要である。また、和解、調停、仲裁などに
ついては、地方自治法第 96 条第1項第 12 号に定める地方公共団体の議会の議決事項に含まれている点その他地方自治法等との関係について整理する必要がある。
(2)費用
1) 裁定人の報酬水準及び負担者についても予め合意しておくことが必要である。現実的には、
5.留意点 (1)議会との関係
47
両当事者が共同で裁定人を探し、三者間で報酬水準について合意しておくことが考えられる。53
2) 調停人や弁護士への報酬などについて必要な予算を確保できるようにすることも重要である。
(3)サービスの継続
削除: 4
紛争解決の手続の期間中、建設やサービスの提供が中断されることのないよう、原則として54建設及びサービスの提供を中断してはならない旨を規定する必要がある。
英国 SoPC4 では、受注者は紛争が生じたことのみを理由として「仕事を中断する」ことは認められず、紛争解決期間中、受注者は発注者の希望に従ってサービスを提供する義務を負うが、紛争が受注者に有利に決着した場合、適切な補償が支払われるべきとされている。一方、公共は、業務の一部について紛争が生じている場合に、サービスの提供がなされている部分についてまで支払をとめるようなことはすべきではなく、この旨の契約規定を取り決めておく必要がある。
(4)契約に携わった弁護士の関与の有効性
削除: 5
第三者が入る手続に先立ち、契約締結の際と同じ弁護士又はこの分野に知見を有する弁護士を当事者のアドバイザーとして関与させて協議を行うことも有効である。
特に契約締結に携わった弁護士の場合、契約の交渉過程、文言の変更、覚書の締結など、一貫して担当している場合が多いため、契約書の条項と当該紛争の関係が整理され、当事者が納得して紛争が解決する場合もありうる。ただし、この場合弁護士は当事者のアドバイザーとして関与するのであり、中立的な第三者とは役割が異なる点に留意する必要がある。
53 なお、裁定人の報酬は、組織などの場合には、一定の水準が決まっていることが多く、自由な交渉の対象とはなりにくい事情もあることに留意する必要がある。
54不可抗力事由等により義務履行ができない場合は例外となる。
48
<参考>英国SoPC4 に示されている紛争解決方法
英国 SoPC4 では、①まず当事者間で解決を試みる、②合意できない場合には中立的な第三者(専門家)による迅速な判断を求める、③第三者による判断に対して合意できない場合については、より時間をかけて仲裁を実施する、という流れの紛争処理規定が採用されている。具体的には以下のようになっている。
①当事者間での協議
②中立的な第三者(専門家)による判断
あらかじめ紛争がおこった場合に備えて中立的な専門家の指定方法を決定しておき、紛争が生じた場合に、当該専門家が迅速に判断できるようにしている。専門家の判断には、拘束力がある場合(いわば仲裁型55)と、拘束力がない場合(いわば調停型)の双方があるが、SoPC4 に付されている条項例では、仲裁などで否定されるまでは拘束力があるとしている。
SoPC4 では、判断までの期間は 28 日と短く、不服申立てが可能だが(仲裁に移行)、仲裁などで否定されるまでは拘束力があるとすることで業務の中断を防いでいる。
③仲裁
仲裁は、当事者の合意(仲裁合意)に基づいて、仲裁人で構成される仲裁xが事案の内容を調べた上で判断(仲裁判断)を示す手続である。仲裁判断が両当事者を拘束する点で調停とは異なる(通常、裁判所への不服申立てもできない)。非公開というメリットに加え、一審制であるので時間、費用を節約できるが、中立性、専門性の高い仲裁人を選任することが重要となる。
SoPC4 では、両当事者が共同で弁護士又は仲裁人協会認定の仲裁人の中から仲裁人を選任する(合意できない場合は弁護士会会長が選任)。
55 第三者による決定に拘束力があっても「仲裁」とは呼ばれないことがあり、SoPC4 でもこの手続は「仲裁」とは位置づけられていない。
49
当事者間での協議
紛争調整会議
における協議
裁定人選任請求
調停申立て
予め同意した名簿の
順番に従って裁定人を選任
○○日以内
調停人の意見
28 日以内
○○日以内
裁定人による判断
合意or 不合意
28 日以内
仲裁開始請求
仲裁・裁判
仲裁人の選任
3 ヶ月以内仲裁判断
削除:
削除:
削除:
削除:
条文例
SoPC 4
当事者間での解決
紛争解決手続の概要
中立的第三者の判断
仲裁・裁判
※紛争解決手続は、その内容によって適切な手続が異なる。したがって、紛争の性質に応じて(例えば、事実認定のみが問題なのか、契約書の解釈が争いになっているのか、金額で合意ができていないのかなど)、別の手続の流れを規定することも考えられる。
50