JFS 監査及び適合証明に係る監査会社に対する定期審査及び臨時審査の手順に関する規程
JFS 監査及び適合証明に係る監査会社に対する定期審査及び臨時審査の手順に関する規程
1. 目的
この文書は、JFS 監査及び適合証明プログラム文書 ver. 2.1(以下、「プログラム文書」という。)に基づき、一般財団法人食品安全マネジメント協会(以下、「協会」という。)が監査会社に対して行う承認の維持のための定期審査及び臨時審査(以下、総称して「審査」という。プログラム文書 3.5.1)の手順について規定するものである。
2. 責任及び権限
(1) 理事長は、監査会社の承認の維持、一時停止及び取り消しについて責任を負う。
(2) 事務局長は、審査員の選任及び審査の結果について責任を負う。事務局は、事務局長の当該業務を補佐する。
(3) 監査会社・研修コース承認委員会(以下、「承認委員会」という。)は、プログラム文書 3.5.1、3.5.2
及び 3.5.3 に基づき、監査会社の承認の維持、一時停止及び取り消しについて判断する権限を有する。
(4) 審査リーダー及び審査員(以下、「審査員」という。)は、この文書の定めに従って審査を実施する権限を有し、その審査内容に対する責任を負う。
(5) 監査会社は、審査の実施にあたって協会に協力し、必要な文書を開示する責務を負う。
3. 適用
3.1 審査員の選任
(1) 審査員の要件
協会は、次の要件を満たした者を審査員として選任する。
a) 業務経験
① 食品安全、認証または監査業務に関わる実務経験が 5 年以上あること。
② マネジメントシステムに係る内部監査、二者監査又は第三者審査の監査経験があること。
b) 力量要件(知識)
① ISO 19011:2018、JFS-A/B 規格、JFS 規格(フードサービス)セクター:G〔組織に対する要求事項〕(以下、JFS フードサービス規格という)、JFS 規格(フードサービス・マルチサイト)セクター:GM〔組織に対する要求事項〕(以下、JFS フードサービス・マルチサイト規格という)及びプログラム文書、JFS 規格(フードサービス)セクター:G 監査及び適合証明プログラム規程(以下、フードサービスプログラム規程という)、および JFS 規格(フードサービス・マルチサイト)セクター:GM 監査及び適合証明プログラム規程(以下、フードサービス・マルチサイトプログラム規程という)のうち該当する文書に関する知識を有していること。
② 監査会社又は監査会社の実務(業務プロセスを含む)に関する知識を有していること。
③ ISO19011:2018 が定める審査の原則、審査に関する知識及び技能を有していること。
c) 力量要件(技能)
① 審査実施能力(課題発見能力、分析能力、文章表現能力、時間管理能力)を有すること。
② 十分なコミュニケーション能力を有すること。
(2) 教育訓練
協会は、審査員に対し、JFS 規格及び JFS 基準文書に関する最新の情報を提供し、審査を適切に実施するために必要な教育訓練を行う。
3.2 定期審査の準備
(1) 審査員の決定
協会は、監査会社に対する定期審査の実施に先立ち、その定期審査を担当する審査員を決定する。審査員は、審査の対象となる監査会社との間に利害関係のない者でなければならない。
(2) 審査方法の決定
協会は、審査の対象となる監査会社(以下、「対象監査会社」という。)が以下のいずれかの要件に該当する場合には、審査を書類審査により実施する。以下の要件に該当しない場合には、事務所審査を実施する。
① 契約締結日または前年の定期審査日から1年の間に初回監査、更新監査、臨時監査又は定期監査の実績が一件もない場合。
② 契約締結日または前年の定期審査日から1年の間に実施した監査が定期監査のみであり、かつ、前年の承認委員会において指摘された改善事項がないか、または改善事項について既に文書等により対応されていることが明らかである場合。
JFS フードサービス規格および JFS フードサービス・マルチサイト規格については、原則としてそ れぞれの最初の監査から1年 の間に事務所審査を行う。以降、前年の定期審査日から1年の間に初回監 査、更新監査、臨時監査又は定期監査の実績が一件以上ある場合には、監査会社への事務所審査を行う。
JFS フードサービス規格については、監査実績がない場合は、事務所審査、書面審査を行わない。 JFS フードサービス・マルチサイト規格についても、監査実績がない場合は、事務所審査、書面審査を行わない。
(3) 定期事務所審査内容、時間設定
①JFS-A/B 規格の定期事務所審査は、原則として 1.0 日とする 」
②フードサービス規格の監査会社で JFS-A/B 規格の監査会社である場合、監査会社の内部監査やマネジメントレビューは JFS-A/B 規格の定期事務所審査で確認されるので、定期事務所審査でのフードサービス規格の審査は、監査内容、判定内容など監査に関する内容について実施する。この場合の JFS フードサービス規格の事務所審査は、原則として 0.5 日とする。
③フードサービスの監査会社で JFS-A/B 規格の監査会社ではない場合、内部監査、マネジメントレビューの確認を含め 1 日の審査とする
④JFS フードサービス規格と JFS フードサービス・マルチサイト規格の定期事務所審査は、同日審
査が出来る。フードサービスの監査会社で JFS-A/B 規格の監査会社である場合の審査は原則として JFS フードサービス規格と JFS フードサービス・マルチサイト規格を合わせて 1 日の審査となる。
⑤JFS フードサービス規格と JFS フードサービス・マルチサイト規格の定期事務所審査は、フードサービス規格の監査会社で JFS-A/B 規格の監査会社ではない場合の審査は原則として 1.5 日の審査となる。
(4) 監査実績のサンプリング
協会は、対象監査会社が契約締結日または前年の定期審査日から1年の間に監査を実施している場合、原則として次の基準に基づいて監査実績のサンプリングをし、審査対象を決定する。ただし、サンプリ ングにあたっては、初回監査、定期監査、更新監査及び臨時監査の均衡、前年の定期監査の結果、監査 員の構成その他の事情を考慮する。
監査件数※ | 1 - 10 | 11 以上 |
サンプリング数 | 全件 | 10 件 |
※対象監査会社が契約締結日または前年の定期審査日から1年の間に実施したセクターごと(セクターE/L、セクターG)の監査件数をいう。
※JFS フードサービス・マルチサイト監査に関する監査実績のサンプリング数は、JFS フードサービス・マルチサイト監査事務所審査手順に定める。
(5) 監査実績に係る文書または記録の提出
監査会社は、定期審査に先立ち、協会が指定する日までに以下の文書または記録を提出しなければならない。
・年間活動報告書(内部監査に関する記録、マネジメントレビューに関する記録、及び監査員・判定員の力量の維持に関する記録を含む)
・前回の定期審査以降に重大な文書の改定または組織変更があった場合、その文書または記録
・契約締結日または前年の定期審査日から1年の間に監査実績がある場合、前項に基づきサンプリングされた監査実績に関する記録(監査計画書、監査報告書、是正処置報告書、判定記録その他監査に係る記録)
・契約締結日または前年の定期審査日から1年の間に監査会社が監査を実施していない場合、今後の監査事業の見込みに関する文書
・その他協会が求める文書
(6) 監査実績の確認
協会は、前項で提出された監査実績に関する文書及び記録を確認し、あらかじめ監査実態をさらに確認する必要があると判断した場合には、対象監査会社に対して、追加の文書または記録の提出を求めることができる。
3.3 書面審査
協会は、書面審査を実施する場合、3.2(5)に基づき対象監査会社から入手した文書及び記録を確認し、対象監査会社がプログラム文書 3.1 に定める要件を満たしていること、及び監査事業を継続する見込み があることを検証する。検証にあたって、協会は、対象監査会社に対し、追加での書類または記録の提 出、或いは説明を求めることができる。
協会は、検証の結果を承認委員会に報告し、承認の維持に関する判断を求める。協会は、承認委員会の判断に基づき、承認を維持するか否かを決定し、その結果を対象監査会社に報告する。
3.4 事務所審査
(1) 事務所審査の準備
協会は、あらかじめ審査計画書を対象監査会社に提出する。
(2) 事務所審査の実施
事務所審査における審査の場所については、ISO19011:2018 付属書 A「A.15 被監査者の場所の訪問」を考慮して決定する。対象監査会社との合意により、リモート審査(遠隔アクセスxxxxxによる監査)も可能とする。リモート審査については ISO19011:2018 付属書 A「A.15 被監査者の場所の訪問 c)仮想監査活動」および「A.16 仮想活動及び場所の監査」に基づき実施する。
審査チームリーダーは、審査の開始にあたって、対象監査会社に対し、審査計画書に従って審査内容及び必要事項の説明を行う。
対象監査会社は、事務所審査中、JFS 規格の監査業務、JFSM データベース、その他関連する業務 の各管理者(やむを得ない場合は担当者)の出席を確保し、監査業務及びそれに関連する業務のマ ネジメントシステム及び業務プロセスについて審査チームに説明できるようにしなければならない。対象監査会社の出席者は、年間活動報告書および文書一般の内容、並びに監査報告書の内容を理解 し、審査チームの質問に対して答えられるものでなければならない。
審査チームは、収集した客観的証拠に基づき、対象監査会社のパフォーマンスの適合状況を確認する。適合状況は以下の 2 分類のいずれかとする。
・不適合(プログラム文書もしくはフードサービスプログラム規程もしくはフードサービス・マルチサイトプログラム規程の要求事項を満たしていない場合)
・適合(プログラム文書もしくはフードサービスプログラム規程もしくはフードサービス・マルチサイトプログラム規程の要求事項を満たしている場合)
審査チームは、審査のクロージング会議の際に、適合状況に関する所見を対象監査会社に説明し、不適合があった場合には、不適合の是正期限を定めるとともに不適合の是正を要請する文書を対象監査会社に交付する。審査チームは、適合状態であっても、改善の余地のある場合には観察事項を指摘することができる。不適合状態への対応については、本規程 3.6 に定める。
(3) 承認の維持の判断
審査チームは、不適合状態が是正されたことを検証した上で、審査結果に基づき審査報告書を作成する。協会は、審査報告書に基づき、承認委員会に承認の維持に関する判断を求める。協会は、承
認委員会の判断に基づき、承認を維持するか否かを決定し、その結果を対象監査会社に報告する。
3.5 臨時審査
(1) 臨時審査の実施要件
協会は、次のいずれかに該当する場合に、監査会社に対する臨時審査を実施することができる。
a) 監査会社の監査活動がプログラム文書の定める要求事項を満たしていないおそれがあり、臨時に審査を行う必要がある場合
b) プログラム文書 3.5.2 に基づき監査会社の承認が一時停止された後、是正処置が完了したこと、並びにその適合性及び有効性を確認するために、臨時に審査を行う必要がある場合
c) 苦情又はその他の情報の分析結果から、臨時に審査を行う必要がある場合
d) 監査会社の地位又は運営の側面における重要な変更があり、臨時に審査を行う必要がある場合
e) 承認委員会の判断として時期を定めて臨時に審査を行うことを求められた場合
f) 監査会社に対する要求事項を変更した場合に、変更した要求事項に監査会社が適合していることを検証するため、臨時に審査を行う必要がある場合
g) その他、協会が審査を実施する必要があると判断した場合
原則として、この臨時審査にあたっては、監査会社に対して、あらかじめ書面により、調査日時、 調査場所、調査対象等を通知するものとする。ただし、臨時審査の適正な遂行に支障を及ぼすおそれ があると認められる場合には、事前に通知をした上で、日程を定めずに臨時審査を行うことができる。
臨時審査の場所に関しては、監査会社にて対面で行うことを原則とするが、臨時審査の内容、重要性、緊急性等を判断してリモート審査も可能とする。リモート審査に関しては本規定「3.4 事務所審査(2)事務所審査の実施」に準ずる。
(2) 承認の維持の判断
協会は、臨時審査の結果を承認委員会に報告し、承認委員会に承認の維持に関する判断を求める。協会は、承認委員会の判断に基づき、承認を維持するか否かを決定し、その結果を対象監査会社に報告する。
3.6 不適合への対応
(1) 是正処置の計画
審査チームは、3.3 及び 3.4 に定める定期審査または 3.5 に定める臨時審査の結果、不適合が発見された場合、不適合の内容について監査会社と合意した上で、監査会社に対し、修正及び/又は是正処置を要請する。監査会社は、この合意の日から原則として 30 日以内に、是正処置計画を協会に提出しなければならない。協会は、上記の是正処置計画の妥当性を確認する。
(2) 是正処置の完了
監査会社は、上記1)の合意の日から原則として60 日以内に、是正処置を完了しなければならない。ただし、不適合の内容に鑑みて、この期間内に是正処置を完了することが難しいと協会が判断した場合、協会は、監査会社と協議の上、この期限を延長することができる。審査チームが定めた期限
内に是正処置を完了できなかった監査会社は、承認を一時停止する。
(3) 再審査
協会は、必要な場合に、再審査を実施し、是正処置が完了したこと、並びにその適合性及び有効性を確認することができる。再審査に係る費用(交通費及び人件費相当分を含む)は監査会社の負担となる場合がある。
(4) 承認の維持の判断
協会は、再審査の結果を承認委員会に報告し、承認委員会に承認の維持に関する判断を求める。協会は、承認委員会の判断に基づき、承認を維持するか否かを決定し、その結果を対象監査会社に報告する。
以上
附則
改定履歴
文書番号 | 制定日 | 改定日 | 改定内容 | |||||
PR | _ | 101 | _ | 03 | R00 | 2020-03- 26 | - | 「JFS 監査及び適合証明に係る監査会社に 対する定期審査及び臨時審査の手順に関する規程」の制定 |
PR | _ | 101 | _ | 03 | R01 | - | 2020-07- 07 | オンライン監査の規程を追加 |
PR | _ | 101 | _ | 03 | R02 | - | 2022-02- 14 | フードサービス、フードサービス・マルチサイト規格の事務所審査を追加。事務所審査のサンプリングおよび料金体系の変更。 |
付属書
監査会社 事務所審査、書面審査費用
1回あたりの審査料 (すべて税込) | (書面審査のみ) 1回あたり110,000円 ---------------------------------------------------------------------------------------- (定期事務所審査及び臨時事務所審査) 【JFS-A/B規格登録監査会社】 A/B規格審査料(基本料220,000円+サンプリング1件につき 11,000円(10件が上限)) 【JFS-A/B規格+フードサービス登録監査会社】 A/B規格審査料(基本料220,000円+サンプリング1件につき 11,000円(10件が上限))+フードサービス審査料(サンプリング1件につき11,000円(10件が上限) 【JFS-A/B規格+フードサービス+マルチサイト登録監査会社】 A/B規格審査料(基本料220,000円+サンプリング1件につき 11,000円(10件が上限))+フードサービス審査料(サンプリング1件につき11,000円(10件が上限))+マルチサイト審査料 (サンプリング1件につき11,000円(10件が上限)) 【フードサービス登録監査会社】 フードサービス審査料(基本料220,000円+サンプリング1件につき11,000円(10件が上限)) 【フードサービス+マルチサイト登録監査会社】 フードサービス審査料(基本料220,000円+サンプリング1件につき11,000円(10件が上限))+マルチサイト審査料(サンプリング1件につき11,000円(10件が上限)) |