Contract
工事保険普通保険約款第 1 章 補償条項
第1条(保険金を支払う場合)
当会社は、保険証券記載の工事現場(以下「工事現場」といいます。)において、不測かつ突発的な事故によって保険の対象について生じた損害に対して、この約款に従い、保険金を支払います。
第2条(保険金を支払わない場合)
(1) 当会社は、次のいずれかに該当する損害または費用に対しては、保険金を支払いません。
① 保険契約者、被保険者(保険契約者または被保険者が法人である場合は、その理事、取締役または法人の業務を執行するその他の機関)もしくはこれらの者の法定代理人または工事現場責任者の故意もしくは重大な過失または法令違反によって生じた損害
② 保険契約者、被保険者または工事現場責任者が工事仕様書記載の仕様または施工方法に著しく違反したことによって生じた損害
③ 保険の対象が保険証券記載の工事以外の用途に使用された場合において、その使用によってその使用部分に生じた損害
④ 保険の対象の施工、材質または製作の欠陥の修理・取替・補強に要した費用またはその他の追加費用。ただし、これらの欠陥によって保険の対象の他の部分について生じた損害に対しては、この規定を適用しません。
⑤ 保険の対象の性質もしくは瑕疵またはその自然の消耗もしくは劣化
⑥ 寒気、霜、氷(雹を除きます。)またはxによって生じた損害
⑦ 残材調査の際に発見された紛失または不足の損害
損害発生後30日以内に知ることができなかった盗難の損害
(2) 当会社は、次のいずれかに該当する事由によって生じた損害(これらの事由によって発生した第1条(保険金を支払う場合)の事故が延焼または拡大して生じた損害、および発生原因がいかなる場合でも同条の事故がこれらの事由によって延焼または拡大して生じた損害を含みます。)に対しては、保険金を支払いません。
① 戦争、外国の武力行使、革命、政権奪取、内乱、武装反乱その他これらに類似の事変または暴動(群衆または多数の者の集団の行動によって、全国または一部の地区において著しく平穏が害され、治安維持xxxな事態と認められる状態をいいます。)
② 騒じょう(群集または多数の者の集団の行動によって数世帯以上またはこれに準ずる規模にわたり平穏が害される状態または被害を生ずる状態であって、暴動に至らないものをいいます。)
③ 不発爆弾または機雷
④ 官公庁による差押え、収用、没収または破壊。ただし、火災の延焼防止のために行われる場合を除きます。
⑤ 地震もしくは噴火またはこれらによる津波
⑥ 核燃料物質(使用済燃料を含みます。以下⑥において同様とします。)もしくは核燃料物質によって汚染された物(原子核分裂生成物を含みます。)の放射性、爆発性その他の有害な特性またはこれらの特性による事故
⑦ ⑥に規定した以外の放射線照射または放射能汚染
(3) 被保険者が保険の対象の工事に関する契約につき、完成期限または納期の遅延、能力不足その他の債務不覆行により、損害賠償責任を負担することにより被った損害については、当会社は、保険金を支払いません。
第3条(保険の対象の範囲)
(1) この保険契約における保険の対象は、工事現場における次に掲げる物(ただし、(2)および(3)に掲げる物を除きます。)に限ります。
① 保険証券記載の工事の目的物
② ①に付随する支保工、型枠工、支持枠工、足場工、土留工、防護工その他の仮工事の目的物
③ ①または②の工事のために仮設される電気配線、配管、電話・伝令設備、照明設備および保安設備(以下「工事用仮設物」といいます。)
④ 現場事務所、宿舎、倉庫その他の工事用仮設建物およびこれらに収容されている什器・備品(家具、衣類、寝具、事務用具および非常用具に限ります。)
⑤ 工事用材料および工事用仮設材
(2) (1)③から⑤までに掲げる物は、保険証券記載の工事専用でない場合には、特別の約定がない限り、保険の対象に含まれません。
(3) 次に掲げる物は、保険の対象に含まれません。
① 据付機械設備等の工事用仮設備(据付費および付帯設備工事費を含みます。)および工事用機械器具ならびにこれらの部品
② 航空機、船舶、xx運搬用具、機関車または自動車その他の車両
③ 設計図書、証書、帳簿、通貨、有価証券その他これらに類する物
第4条(保険金額)
保険金額は、保険証券記載の工事にかかわる請負契約金額(支給材料の金額が算入されていない場合はその金額を加算し、保険の対象に含まれない工事の金額が算入されている場合はその金額を差し引きます。以下「請負金額」といいます。)であることを要します。
第5条(損害の額の算定)
(1) 当会社が、第1条(保険金を支払う場合)の保険金として支払うべき損害の額は、損害の生じた保険の対象を損害発生直前の状態に復旧するのに直接要する再築、再取得または修理の費用(以下「復旧費」といいます。)とします。
(2) (1)の復旧費は、請負金額の内訳書を基礎として算出します。ただし、内訳書に損料または償却費を計上した工事用仮設材、工事用仮設物、工事用仮設建物および工事用仮設建物に収容されている什器・備品については、これらの物の損害が生じた地およびときにおける価額によって定めます。
(3) 次のいずれかに該当する費用は復旧費に含まないものとします。
① 工事内容の変更または改良による増加費用
② 保険の対象の損傷復旧方法の研究費用または調査費用
③ 保険の対象の復旧作業の休止または手待ち期間の手待ち費用
④ 仮復旧費、排土または排水費用(湧水の排水費用を含みます)。ただし、当会社は、被保険者との協議による合意に基づき本復旧の一部をなすと認められる排土または排水費用を、復旧費に含めるものとします。
(4) 保険契約者または被保険者が損害の発生の防止のために支出した費用は、損害の額に算入しません。
(5) 損害の生じた保険の対象につき残存物がある場合は、損害が生じた地およびときにおけるその残存物の価額を(1)から(4)までの規定による損害の額から差し引いた残額をもって損害の額とします。
第6条(保険金の支払額)
(1) 当会社は、第1条(保険金を支払う場合)の損害に対して、1回の事故につき、保険金額を限度とし、第5条(損害の額の算定)の規定による損害の額から保険証券記載の免責金額(以下「免責金額」といいます。)を差し引いた残額を保険金として、支払います。
(2) 保険金額が請負金額より低い場合は、当会社は、次の算式によって算出した額を保険金として、支払います。ただし、1回の事故につき、保険金額をもって限度とします。
⎛第5条(損害の額の算定)の規定
⎞ 保険金額
保険金の額
⎝ による損害の額 -免責金額⎠ × 請負金額 =
第7条(他の保険契約等がある場合の保険金の支払額)
(1) 他の保険契約等(この保険契約における保険の対象と同一のものについて締結された第1条(保険金を支払う場合)の損害または費用を補償する他の保険契約または共済契約をいいます。以下同様とします。)がある場合において、それぞれの保険契約または共済契約につき他の保険契約等がないものとして算出した支払うべき保険金または共済金の額(以下「支払責任額」といいます。)の合計額が、第5条(損害の額の算定)の規定による損害の額から免責金額(他の保険契約等の免責金額に、この保険契約の免責金額よりも低いものがある場合は、これらのうち最も低い額とします。この条において以下同様とします。)を差し引いた額を超えるときは、当会社は、次に定める額を保険金として支払います。
① 他の保険契約等から保険金または共済金が支払われていない場合この保険契約の支払責任額
② 他の保険契約等から保険金または共済金が支払われた場合
第5条の規定による損害の額から免責金額を控除した額から他の保険契約等から支払われた保険金または共済金の合計額を差し引いた残額。ただし、この保険契約の支払責任額を限度とします。
(2) (1)の場合において、他の保険契約等にその支払責任額を再調達価額(保険の対象と同一の構造、質、用途、規模、型、能力のものを再築または再取得するのに要する額をいいます。)から使用による減価を差し引いた額または損害が生じた地およびときにおける
保険の対象の価額を基準として算出する旨の約定があるときは、(1)の規定にかかわらず、当会社は、次の算式によって算出した額を保険金として、支払います。ただし、第6条
(保険金の支払額)の規定により算出された保険金の額を限度とします。
第5条(損害の額の算定)
他の保険契約等
の規定による損害の額 - 免責金額 - によって支払われるべき = 保険金の額
支払責任額の合計額
第 2 章 基本条項
第8条(保険責任の始期および終期)
(1) 当会社の保険責任は、保険証券記載の保険期間(以下「保険期間」といいます。)の初日の午後4時(保険証券にこれと異なる時刻が記載されている場合は、その時刻)に始まります。ただし、保険期間が始まった後でも、工事用材料および工事用仮設材については、工事現場において輸送用具からその荷卸しが完了したときに始まります。
(2) 当会社の保険責任は、保険期間の末日の午後4時(保険証券にこれと異なる時刻が記載されている場合は、その時刻)に終わります。ただし、保険期間中であっても、工事の目的物の引渡しのとき(工事の目的物の引渡しを要しない場合は、その工事が完成した
とき。以下同様とします。)に終わります。
(3) (1)および(2)の時刻は、日本国の標準時によるものとします。
(4) 保険期間が始まった後でも、当会社は、保険料領収前に生じた事故による損害に対しては、保険金を支払いません。
第9条(保険期間の延長)
(1) 工事の目的物の引渡しのときが保険期間の終了後となることが明らかになった場合は、保険契約者は、保険期間満了前に、書面をもってその旨を当会社に申し出て、保険期間
の延長につき承認を請求することができます。
(2) (1)の承認をする場合には、当会社は、変更前の危険(損害の発生の可能性をいいます。以下同様とします。)と変更後の危険に基づき計算した追加保険料を請求することができ ます。
(3) 当会社は、延長前の保険期間の終了後、(2)の規定による追加保険料が払い込まれる前に生じた事故による損害に対しては、保険金を支払いません。
第10条(告知義務)
(1) 保険契約者または被保険者になる者は、保険契約締結の際、危険に関する重要な事項のうち、保険契約申込書その他の書類の記載事項とすることによって当会社が告知を求めたもの(他の保険契約等に関する事項を含みます。以下「告知事項」といいます)について、当会社に事実を正確に告げなければなりません。
(2) 当会社は、保険契約締結の際、保険契約者または被保険者が、告知事項について、故意または重大な過失によって事実を告げなかった場合または事実と異なることを告げた場合は、保険契約者に対する書面による通知をもって、この保険契約を解除することができます。
(3) (2)の規定は、次のいずれかに該当する場合には適用しません。
① (2)に規定する事実がなくなった場合
② 当会社が保険契約締結の際、(2)に規定する事実を知っていた場合または過失によってこれを知らなかった場合(当会社のために保険契約の締結の代理を行う者が、事実を告げることを妨げた場合または事実を告げないこともしくは事実と異なることを告げることを勧めた場合を含みます。)
③ 保険契約者または被保険者が、第1条(保険金を支払う場合)の事故による損害の発生前に、告知事項につき、書面をもって訂正を当会社に申し出て、当会社がこれを承認した場合。なお、当会社が、訂正の申出を受けた場合において、その訂正を申し出た事実が、保険契約締結の際に当会社に告げられていたとしても、当会社が保険契約を締結していたと認めるときに限り、これを承認するものとします。
④ 当会社が、(2)の規定による解除の原因があることを知ったときから1か月を経過した場合または保険契約締結時から5年を経過した場合
(4) (2)の規定による解除が第1条の事故による損害の発生した後になされた場合であっても、第19条(保険契約解除の効力)の規定にかかわらず、当会社は、保険金を支払いません。この場合において、既に保険金を支払っていたときは、当会社は、その返還を請求することができます。
(5) (4)の規定は、(2)に規定する事実に基づかずに発生した第1条の事故による損害については適用しません。
第11条(通知義務)
(1) 保険契約締結の後、次のいずれかに該当する事実が発生した場合には、保険契約者または被保険者は、事実の発生がその責めに帰すべき事由によるときはあらかじめ、責め
に帰すことのできない事由によるときはその発生を知った後、遅滞なく、その旨を当会社に申し出て、承認を請求しなければなりません。ただし、その事実がなくなった場合には、当会社に申し出る必要はありません。
① 工事を追加、変更、中断、再開または放棄すること。
② 設計、仕様または施工方法を著しく変更すること。
③ ①または②のほか、保険契約申込書その他の書類の記載事項の内容に変更を生じさせる事実(保険契約申込書その他の書類の記載事項のうち、保険契約締結の際に当会社が交付する書面等においてこの条の適用がある事項として定めたものに関する事実に限ります。)が発生すること。
(2) (1)の事実がある場合((4)ただし書の規定に該当する場合を除きます。)には、当会社は、その事実について変更確認書を受領したと否とを問わず、保険契約者に対する書面による通知をもって、この保険契約を解除することができます。
(3) (2)の規定は、当会社が、(2)の規定による解除の原因があることを知ったときから1か月を経過した場合または(1)の事実が生じたときから5年を経過した場合には適用しません。
(4) (1)に規定する手続を怠った場合には、当会社は、(1)の事実が発生したときまたは保険契約者もしくは被保険者がその発生を知ったときから当会社が変更確認書を受領するまでの間に生じた第1条(保険金を支払う場合)の事故による損害に対しては、保険金を支払いません。ただし、(1)①から③に規定する事実が発生した場合において、変更後の保険料率が変更前の保険料率より高くならなかったときは除きます。
(5) (4)の規定は、(1)の事実に基づかずに発生した第1条の事故による損害については適用しません。
第12条(保険契約者の住所変更)
保険契約者が保険証券記載の住所または通知先を変更した場合は、保険契約者は、遅滞なく、その旨を当会社に通知しなければなりません。
第13条(保険の対象の調査)
(1) 当会社は、いつでも保険の対象または工事現場を調査することができます。
(2) (1)の調査の際、事故発生のおそれが大きいと認めた場合は、当会社は、保険契約者または被保険者が自己の費用をもってその発生を防止するために必要な措置をとることを請求することができます。
(3) 保険契約者、被保険者または工事現場責任者(以下この条において保険契約者等といいます。)が、正当な理由がなく(1)の調査を拒んだ場合は、当会社は、保険契約者に対する書面による通知をもって、この保険契約を解除することができます。
(4) 保険契約者等が、正当な理由がなく(2)の請求に応じない場合は、当会社は、保険契約者等が(2)の請求に応じていたならば防止することができたと認められる額を差し引いて保険金を支払います。
(5) (3)の規定は、(3)に規定する拒否の事実があったときから1か月を経過した場合には適用しません。
第14条(保険契約の無効)
保険契約者が、保険金を不法に取得する目的または第三者に保険金を不法に取得させる目的をもって締結した保険契約は、無効とします。
第15条(保険契約の取消し)
保険契約者または被保険者の詐欺または強迫によって当会社が保険契約を締結した場
合には、当会社は、保険契約者に対する書面による通知をもって、この保険契約を取り消すことができます。
第16条(保険金額の調整)
(1) 保険契約締結の際、保険金額が請負金額を超えていた場合であっても、保険契約者は、その超過部分について、この保険契約を取り消すことはできません。
(2) 保険契約締結の後、請負金額が著しく減少した場合には、保険契約者は、当会社に対する通知をもって、将来に向かって、保険金額について、減少後の請負金額に至るまでの減額を請求することができます。
第17条(保険契約者による保険契約の解除)
保険契約者は、当会社に対する書面による通知をもって、この保険契約を解除することができます。ただし、保険金請求権の上に質権または譲渡担保権が設定されている場合は、この解除権は、質権者または譲渡担保権者の書面による同意を得た後でなければ行使できません。
第18条(重大事由による解除)
(1) 当会社は、次のいずれかに該当する事由がある場合には、保険契約者に対する書面による通知をもって、この保険契約を解除することができます。
① 保険契約者または被保険者が、当会社にこの保険契約に基づく保険金を支払わせることを目的として損害を生じさせ、または生じさせようとしたこと。
② 被保険者が、この保険契約に基づく保険金の請求について、詐欺を行い、または行おうとしたこと。
③ 保険契約者が、次のいずれかに該当すること。
ア.反社会的勢力(注)に該当すると認められること。
イ.反社会的勢力(注)に対して資金等を提供し、または便宜を供与する等の関与をしていると認められること。
ウ.反社会的勢力(注)を不当に利用していると認められること。
エ.法人である場合において、反社会的勢力(注)がその法人の経営を支配し、またはその法人の経営に実質的に関与していると認められること。
オ.その他反社会的勢力(注)と社会的に非難されるべき関係を有していると認められること。
④ ①から③までに掲げるもののほか、保険契約者または被保険者が、①から③までの事由がある場合と同程度に当会社のこれらの者に対する信頼を損ない、この保険契約の存続を困難とする重大な事由を生じさせたこと。
(注)暴力団、暴力団員(暴力団員でなくなった日から5年を経過しない者を含みます。)、暴力団準構成員、暴力団関係企業その他の反社会的勢力をいいます。
(2) 当会社は、被保険者が(1)③アからオまでのいずれかに該当する場合には、保険契約者に対する書面による通知をもって、この保険契約(注)を解除することができます。
(注)被保険者が複数である場合は、その被保険者に係る部分とします。
(3) (1)または(2)の規定による解除が第1条(保険金を支払う場合)の事故による損害の発生した後になされた場合であっても、第 19 条(保険契約解除の効力)の規定にかかわらず、(1)①から④までの事由または(2)の解除の原因となる事由が生じた時から解除がなされた時までに発生した第1条の事故による損害に対しては、当会社は、保険金を支払いません。この場合において、既に保険金を支払っていたときは、当会社は、その返還を請求することができます。
(4) 保険契約者または被保険者が(1)③アからオまでのいずれかに該当することにより(1)
または(2)の規定による解除がなされた場合には、(3)の規定は、(1)③アからオまでのいずれにも該当しない被保険者に生じた損害については適用しません。
第19条(保険契約解除の効力)
保険契約の解除は、将来に向かってのみその効力を生じます。
第20条(保険料の返還または請求-告知義務・通知義務等の場合)
(1) 第10条(告知義務)(1)により告げられた内容が事実と異なる場合において、保険料率を変更する必要があるときは、当会社は、変更前の保険料率と変更後の保険料率との差に基づき計算した保険料を返還または請求します。
(2) 第11条(通知義務)(1)の事実が生じた場合において、保険料率を変更する必要があるときは、当会社は、変更前の保険料率と変更後の保険料率との差に基づき計算した保険料を返還または請求します。
(3) 当会社は、保険契約者が(1)または(2)の規定による追加保険料の支払を怠った場合
(当会社が、保険契約者に対し追加保険料の請求をしたにもかかわらず、相当の期間内にその支払がなかった場合に限ります。)は、保険契約者に対する書面による通知をもって、この保険契約を解除することができます。
(4) (1)または(2)の規定による追加保険料を請求する場合において、(3)の規定によりこの保険契約を解除できるときは、当会社は、保険金を支払いません。この場合において、既に保険金を支払っていたときは、当会社は、その返還を請求することができます。
(5) (4)の規定は、第11条(1)の事実が生じた場合における、その事実が生じたときより前に発生した第1条(保険金を支払う場合)の事故による損害については適用しません。
(6) (1)および(2)のほか、保険契約締結の後、保険契約者が書面をもって保険契約の条件の変更を当会社に通知し、承認の請求を行い、当会社がこれを承認する場合において、保険料を変更する必要があるときは、当会社は、変更前の保険料と変更後の保険料との差に基づき計算した保険料を返還または請求します。
(7) (6)の規定による追加保険料を請求する場合において、当会社の請求に対して、保険契約者がその支払を怠ったときは、当会社は、追加保険料領収前に生じた事故による損害に対しては、保険契約条件の変更の承認の請求がなかったものとして、この保険契約に適用される普通保険約款および特約条項に従い、保険金を支払います。
第21条(保険料の返還-無効または失効の場合)
(1) 第14条(保険契約の無効)の規定により保険契約が無効となる場合には、当会社は、保険料を返還しません。
(2) 保険契約が失効となる場合には、当会社は、未経過期間に対し日割をもって計算した保険料を返還します。
第22条(保険料の返還-取消しの場合)
第15条(保険契約の取消し)の規定により、当会社が保険契約を取り消した場合には、当会社は、保険料を返還しません。
第23条(保険料の返還-保険金額の調整の場合)
第16条(保険金額の調整)(2)の規定により、保険契約者が保険金額の減額を請求した場合には、当会社は、減額前の保険金額と減額後の保険金額との差に基づき計算した保険料を返還します。
第24条(保険料の返還-解除の場合)
(1) 第10条(告知義務)(2)、第11条(通知義務)(2)、第13条(保険の対象の調査)(3)、 第18条(重大事由による解除)(1)または第20条(保険料の返還または請求-告知義務・ 通知義務等の場合)(3)の規定により、当会社が保険契約を解除した場合には、当会社は、未経過期間に対し日割をもって計算した保険料を返還します。
(2) 第17条(保険契約者による保険契約の解除)の規定により、保険契約者が保険契約を解除した場合には、当会社は、保険料から既経過期間中の危険に基づき計算した保険料を差し引いて、その残額を返還します。
第25条(事故の通知)
(1) 保険契約者または被保険者は、保険の対象について損害が生じたことを知った場合は、損害の発生ならびに他の保険契約等の有無および内容(既に他の保険契約等から保険金
または共済金の支払を受けた場合には、その事実を含みます。)を当会社に遅滞なく通知しなければなりません。
(2) 保険の対象について損害が生じた場合は、当会社は、事故が生じた保険の対象または工事現場を調査することができます。
(3) 保険契約者、被保険者または工事現場責任者は、(2)の調査の前に、損害の拡大を防止するために必要な限度を超えて保険の対象を修理しまたはその状態を変更してはなりません。ただし、保険契約者または被保険者が(1)の通知を行った後、当会社が7日以内に調査を行わない場合または保安上必要と認められる場合は、この規定は適用しません。
(4) 保険契約者または被保険者が、正当な理由がなく(1)または(3)の規定に違反した場合
第26条(損害防止義務および損害防止費用)
(1) 保険契約者、被保険者または工事現場責任者は、第1条(保険金を支払う場合)の事故が発生したことを知った場合は、損害の発生および拡大の防止に努めなければなりません。
(2) (1)の場合において、保険契約者または被保険者が第1条の損害の拡大の防止において必要または有益な費用を支出したときにおいて、第2条(保険金を支払わない場合)に掲げる事由に該当しないときおよび第8条(保険金の始期および終期)(4)、第9条(保険期間の延長)(3)または第20条(保険料の返還または請求-告知義務・通知義務等の場合) (4)の規定が適用されないときは、当会社は、被保険者との協議による合意に基づき、第 5条(損害額の算定)の規定による損害の額に含めるものとします。
(3) (1)の場合において、保険契約者または被保険者が、第1条の損害の発生の防止のために支出した費用については、当会社は、これを負担しません。
(4) 保険契約者、被保険者または工事現場責任者が正当な理由がなく(1)に規定する義務を履行しなかった場合は、当会社は、次の算式によって算出した額を損害の額とみなします。
第1条(保険金を支払う場合)の
損害の発生および
事故による損害の額 - 拡大を防止することができたと = 損害の額
認められる額
第27条(残存物)
当会社が第1条(保険金を支払う場合)の保険金を支払った場合でも、保険の対象の残存物について被保険者が有する所有権その他の物権は、当会社がこれを取得する旨の意思を表示しない限り、当会社に移転しません。ただし、第5条(損害の額の算定)(5)の規定が適用された残存物については、被保険者の所有に属するものとします。
第28条(保険金の請求)
(1) 当会社に対する保険金請求権は、第1条(保険金を支払う場合)の事故による損害が発生したときから発生し、これを行使することができるものとします。
(2) 被保険者が保険金の支払を請求する場合は、保険証券に添えて次の書類または証拠のうち、当会社が求めるものを当会社に提出しなければなりません。
① 保険金の請求書
② 損害の額を証明する書類
③ 請負金額および請負金額の内訳を証明する書類
④ 事故原因を確認する書類
⑤ その他当会社が第29条(保険金の支払時期)(1)に定める必要な事項の確認を行うために欠くことのできない書類または証拠として保険契約締結の際に当会社が交付する書面等において定めたもの
(3) 当会社は、事故の内容または損害の額等に応じ、保険契約者または被保険者に対して、 (2)に掲げるもの以外の書類もしくは証拠の提出または当会社が行う調査への協力を求め ることがあります。この場合には、当会社が求めた書類または証拠を速やかに提出し、
必要な協力をしなければなりません。
(4) 保険契約者または被保険者が、正当な理由がなく(3)の規定に違反した場合または(2)もしくは(3)の書類に事実と異なる記載をし、もしくはその書類もしくは証拠を偽造しもしくは変造した場合は、当会社は、それによって当会社が被った損害の額を差し引いて保険金を支払います。
第29条(保険金の支払時期)
(1) 当会社は、被保険者が第28条(保険金の請求)(2)の手続を完了した日(以下この条において「請求完了日」といいます。)からその日を含めて30日以内に、当会社が保険金を支払うために必要な次の事項の確認を終え、保険金を支払います。
① 保険金の支払事由発生の有無の確認に必要な事項として、事故の原因、事故発生の状況、損害発生の有無および被保険者に該当する事実
② 保険金が支払われない事由の有無の確認に必要な事項として、保険金が支払われない事由としてこの保険契約において定める事由に該当する事実の有無
③ 保険金を算出するための確認に必要な事項として、損害の額(請負金額を含みます。)および事故と損害との関係
④ 保険契約の効力の有無の確認に必要な事項として、この保険契約において定める解除、無効、失効または取消しの事由に該当する事実の有無
⑤ ①から④までのほか、他の保険契約等の有無および内容、損害について被保険者が有する損害賠償請求権その他の債権および既に取得したものの有無および内容等、当会社が支払うべき保険金の額を確定するために確認が必要な事項
(2) (1)の確認をするため、次に掲げる特別な照会または調査が不可欠な場合には、(1)の規定にかかわらず、当会社は、請求完了日からその日を含めて次に掲げる日数(複数に該当する場合は、そのうち最長の日数)を経過する日までに、保険金を支払います。この場合において、当会社は、確認が必要な事項およびその確認を終えるべき時期を被保険者に対して通知するものとします。
① (1)①から④までの事項を確認するための、警察、検察、消防その他の公の機関による捜査・調査結果の照会(弁護士法(昭和24年法律第205号)に基づく照会その他法令に基づく照会を含みます。)180日
② (1)①から④までの事項を確認するための、専門機関による鑑定等の結果の照会 90日
③ 災害救助法(昭和22年法律第118号)が適用された災害の被災地域における(1)①から
⑤までの事項の確認のための調査 60日
④ (1)①から⑤までの事項の確認を日本国内において行うための代替的な手段がない場合の日本国外における調査180日
⑤ 保険の対象となる工事において使用されている材料・技術・工法等もしくは事故発生の原因となる事由が特殊である場合または工事現場内に所在する多数の保険の対象が同一事故により損害を受けた場合において、(1)①から④までの事項を確認するための、専門機関による鑑定等の結果の照会 180日
(3) (2)①から⑤までに掲げる特別な照会または調査を開始した後、(2)①から⑤までに掲げる期間中に保険金を支払う見込みがないことが明らかになった場合には、当会社は、 (2)①から⑤までに掲げる期間内に被保険者との協議による合意に基づきその期間を延長することができます。
(4) (1)から(3)までに掲げる必要な事項の確認に際し、保険契約者または被保険者が正当な理由なくその確認を妨げ、またはこれに応じなかった場合(必要な協力を行わなかった場合を含みます。)には、これにより確認が遅延した期間については、(1)から(3)までの期間に算入しないものとします。
第30条(時効)
保険金請求権は、第28条(保険金の請求)(1)に定めるときの翌日から起算して3年を経過した場合は、時効によって消滅します。
第31条(代位)
(1) 損害が生じたことにより被保険者が損害賠償請求権その他の債権を取得した場合において、当会社がその損害に対して保険金を支払ったときは、その債権は、当会社に移転します。ただし、移転するのは、次の額を限度とします。
① 当会社が損害の額の全額を保険金として支払った場合被保険者が取得した債権の全額
② ①以外の場合
被保険者が取得した債権の額から、保険金が支払われていない損害の額を差し引いた額
(2) (1)②の場合において、当会社に移転せずに被保険者が引き続き有する債権は、当会社に移転した債権よりも優先して弁済されるものとします。
(3) 保険契約者および被保険者は、当会社が取得する(1)または(2)の債権の保全および行使ならびにそのために当会社が必要とする証拠および書類の入手に協力しなければなりません。この場合において、当会社に協力するために必要な費用は、当会社の負担とします。
第32条(保険金支払後の保険契約)
当会社が保険金を支払った場合においても、この保険契約の保険金額は、減額することはありません。
第33条(保険契約者または被保険者が複数の場合の取扱い)
(1) この保険契約について、保険契約者または被保険者が2名以上である場合は、当会社は、代表者1名を定めることを求めることができます。この場合において、代表者は、他の保 険契約者または被保険者を代理するものとします。
(2) (1)の代表者が定まらない場合またはその所在が明らかでない場合には、保険契約者または被保険者の中の1名に対して行う当会社の行為は、他の保険契約者または被保険者に対しても効力を有するものとします。
(3) 保険契約者または被保険者が2名以上である場合には、各保険契約者または被保険者は
連帯してこの保険契約に適用される普通保険約款および特約条項に関する義務を負うものとします。
第34条(訴訟の提起)
この保険契約に関する訴訟については、日本国内における裁判所に提起するものとします。
第35条(準拠法)
この約款に規定のない事項については、日本国の法令に準拠します。