Contract
(総 則)
第 1 条 発注者及び受注者は、契約書及びこの約款(以下「契約書」という。)に基づき、設計図書(別添の図面及び仕様書(この契約の締結時において効力を有する工事標準仕様書が別に存在する場合は、これを含む。)をいう。以下同じ。)に従い、日本国の法令を遵守し、この契約(この契約書及び設計図書を内容とする工事の請負契約をいう。以下同じ。)を履行しなければならない。
2 受注者は、契約書記載の工事を契約書記載の工期内に完成し、工事目的物を発注者に引き渡すものとし、発注者は、その請負代金を支払うものとする。この場合において、工期が日数で定められているときは、国民の祝日に関する法律(昭和23年法律第178号)に定める休日、12月29日から同月3
1日までの期間、1月2日、同月3日、日曜日及び土曜日は、この日数に算入しない。
3 仮設、施工方法その他工事目的物を完成するために必要な一切の手段(以下「施工方法等」という。)については、この契約書及び設計図書に特別の定めがある場合を除き、受注者がその責任において定める。
4 受注者は、この契約の履行に関して知り得た秘密を漏らしてはならない。
5 この契約書に定める催告、請求、通知、報告、申出、承諾及び解除は、書面により行わなければならない。
6 この契約の履行に関して発注者と受注者との間で用いる言語は日本語とする。
7 この契約書に定める金銭の支払に用いる通貨は、日本円とする。
8 この契約の履行に関して発注者と受注者との間で用いる計量単位は、設計図書に特別の定めがある場合を除き、計量法(平成4年法律第51号)に定めるものとする。
9 この契約書及び設計図書における期間の定めについては、この契約書又は設計図書に特別の定めがある場合を除き、民法(明治29年法律第89号)及び商法(明治32年法律第48号)の定めるところによるものとする。
10 この契約は、日本国の法令に準拠するものとする。
11 この契約に係る訴訟については、発注者の事務所の所在地を管轄する日本国の裁判所をもって合意による専属的管轄裁判所とする。
12 受注者が共同企業体を結成している場合においては、発注者は、この契約に基づくすべての行為を共同企業体の代表者に対して行うものとし、発注者が当該代表者に対して行ったこの契約に基づくすべての行為は、当該企業体のすべての構成員に対して行ったものとみなし、また、受注者は、発注者に対して行うこの契約に基づくすべての行為について当該代表者を通じて行わなければならない。
(関連工事の調整)
第 2 条 発注者は、受注者の施工する工事及び発注者の発注に係る第三者の施工する他の工事が施工上密接に関連する場合において、必要があるときは、その施工につき、調整を行うものとする。この場合において、受注者は、発注者の調整に従い、当該第三者の行う工事の円滑な施工に協力しなければならない。
(工程表)
第 3 条 受注者は、設計図書に基づき、速やかに工程表を作成し、発注者に提出しなければならない。
(権利義務の譲渡等)
第 4 条 受注者は、この契約により生ずる権利又は義務を第三者に譲渡し、承継させ、又は担保の目的に供することができない。ただし、あらかじめ、発注者の承諾を得た場合は、この限りでない。
2 受注者は、工事目的物並びに工事材料で第12条第2項の検査に合格したもの及び製作品で第38条第1項の検査に合格したものを第三者に譲渡し、貸与し、又は抵当権その他の担保の目的に供してはならない。ただし、あらかじめ、発注者の承諾を得た場合は、この限りでない。
(一括委任又は一括下請負の禁止)
第 5 条 受注者は、工事の全部又は大部分を一括して第三者に委任し、又は請け負わせてはならない。
(下請負人等の選定)
第 6 条 受注者は下請け契約を締結する場合には、当該契約の相手方を足立区内に本店(建設業法(昭和24年法律第 100号)に規定する主たる営業所を含む。)を有する者の中から選定するよう努めなければならない。
2 受注者は、工事材料に係る納入契約を締結する場合には、当該契約の相手方を足立区内に本店を有する者の中から選定するよう努めなければならない。
(下請負人の通知)
第 6 条の2 発注者は、受注者に対して、下請負人の商号又は名称その他必要な事項の通知を請求することができる。
(特許権等の使用)
第 7 条 受注者は、特許権、実用新案権、意匠権、商標権その他日本国の法令に基づき保護される第三者の権利(以下「特許権等」という。)の対象となっている施工方法を使用するときは、その使用に関する一切の責任を負わなければならない。ただし、発注者がその施工方法を指定した場合において、設計図書に特許権等の対象である旨の明示がなく、かつ、受注者がその存在を知らなかったときは、発注者は、受注者がその使用に関して要した費用を負担しなければならない。
(監 督 員)
第 8 条 発注者は、監督員を定めたときは、その氏名を受注者に通知しなければならない。監督員を変更したときも同様とする。
2 監督員は、この契約書の他の条項に定めるもの及びこの契約書に基づく発注者の権限とされる事項のうち発注者が必要と認めて監督員に委任したもののほか、設計図書に定めるところにより、次に掲げる権限を有する。
(1) 工事の施工についての受注者又は受注者の現場代理人に対する指示、承諾又は協議
(2) 設計図書に基づく工事の施工のための詳細図等の作成及び交付又は受注者が作成した詳細図等の承諾
(3) 設計図書に基づく工程の管理、立会い、工事の施工状況の確認又は工事材料の試験若しくは検査
3 発注者は、2名以上の監督員を置き、前項の権限を分担させたときは、それぞれの監督員の有する権限の内容を、監督員にこの契約書に基づく発注者の権限の一部を委任したときは当該委任した権限の内容を、受注者に通知しなければならない。
4 第2項の規定に基づく監督員の指示又は承諾は、原則として、書面により行わなければならない。
(現場代理人及び主任技術者等)
第 9 条 受注者は、次の各号に掲げる者を定め、その氏名その他必要な事項を発注者に通知しなければならない。これらの者を変更したときも同様とする。
(1) 現場代理人
(2) 主任技術者(建設業法第26条第2項の規定に該当する場合は「監理技術者」とし、同条第3項
の規定に該当する場合は「専任の主任技術者」又は「専任の監理技術者」とする。ただし、工事が同条第4項の規定にも該当する場合は、「監理技術者資格者証の交付を受けた専任の監理技術者」とする。以下同じ。)
(3) 専門技術者(建設業法第26条の2に規定する技術者をいう。以下同じ。)
2 現場代理人は、工事現場に常駐し、その運営及び取締りを行うほか、工事の施工に関し、この契約書に基づく受注者の一切の権限を行使することができる。
3 発注者は前項の規定にかかわらず、現場代理人の工事現場における運営、取締り及び権限の行使に支障がなく、かつ、発注者との連絡体制が確保されると認められる場合には、現場代理人について工事現場における常駐を要しないこととすることができる。
4 第2項の規定にかかわらず、受注者は、自己の有する権限のうち現場代理人に委任せず自ら行使しようとするものがあるときは、あらかじめ、当該権限の内容を発注者に通知しなければならない。
5 現場代理人、主任技術者及び専門技術者は、これを兼ねることができる。
(履行報告)
第 10 条 受注者は、設計図書に定めるところにより、契約の履行について発注者に報告しなければならない。
(工事関係者に関する措置請求)
第 11 条 発注者又は監督員は、現場代理人がその職務(第9条第5項の規定により主任技術者、監理技術者又は専門技術者を兼任する現場代理人にあっては、それらの者の職務を含む。)の執行につき著しく不適当と認められるときは、受注者に対して、その理由を示して、必要な措置をとることを請求することができる。
2 発注者又は監督員は、主任技術者、監理技術者又は専門技術者(これらの者と現場代理人を兼任する者を除く。)その他受注者が工事を施工するために使用している下請負人、労働者等で工事の施工又は管理につき著しく不適当と認められる者があるときは、受注者に対して、その理由を明示して必要な措置をとることを請求することができる。
3 受注者は、前2項の規定による請求があったときは、速やかに、当該請求に係る事項について決定し、その結果を発注者に通知しなければならない。
4 受注者は、監督員がその職務の執行につき著しく不適当と認められるときは、発注者に対して、その理由を明示して、必要な措置をとることを請求することができる。
5 発注者は、前項の規定による請求があったときは、速やかに、当該請求に係る事項について決定し、その結果を受注者に通知しなければならない。
(工事材料の品質及び検査等)
第 12 条 工事材料の品質については、設計図書に定めるところによる。設計図書にその品質が明示されていない場合は、中等の品質を有するものとする。
2 受注者は、設計図書において発注者又は監督員の検査を受けて使用するものと指定された工事材料については、当該検査に合格したものを使用しなければならない。この場合において、検査に直接要する費用は、受注者の負担とする。
3 発注者又は監督員は、受注者から前項の検査を求められたときは、遅滞なくこれに応じなければならない。
4 受注者は、工事現場内に搬入した工事材料を監督員の承諾を受けないで工事現場外に搬出してはなら
ない。
5 前項の規定にかかわらず、受注者は、第2項の検査の結果不合格と決定された工事材料については、遅滞なく工事現場外に搬出しなければならない。
(監督員の立会及び工事記録の整備等)
第 13 条 受注者は、設計図書において監督員の立会いを受けて調合し、又は調合について見本検査を受けるものと指定された工事材料については、当該立会いを受けて調合し、又は当該検査に合格したものを使用しなければならない。
2 受注者は、設計図書において監督員の立会いを受けて施工するものと指定された工事については、当該立会いを受けて施工しなければならない。
3 受注者は、前2項の規定により必要とされる監督員の立会い又は見本検査を受けるほか、発注者が特に必要があると認めて設計図書において見本又は工事写真等の記録を整備するものと指定した工事材料の調合又は工事の施工をするときは、設計図書に定めるところにより、当該見本又は工事写真等の記録を整備し、監督員の請求があったときは、遅滞なくこれを提出しなければならない。
4 監督員は、受注者から第1項又は第2項の立会い若しくは見本検査を請求されたときは、遅滞なくこれに応じなければならない。
5 第1項又は第3項の場合において、見本検査又は見本若しくは工事写真等の記録の整備に直接要する費用は、受注者の負担とする。
(支給材料、貸与品及び発生品)
第 14 条 発注者が受注者に支給する工事材料(以下「支給材料」という。)並びに貸与する建設機械器具及び工事材料(以下「貸与品」という。)の品名、数量、品質、規格又は性能、引渡場所及び引渡時期は、設計図書に定めるところによる。
2 発注者又は監督員は、支給材料又は貸与品の引渡しに当たっては、受注者の立会いの上、発注者の負担において、当該支給材料又は貸与品を確認しなければならない。この場合において、受注者は、当該確認の結果、その品名、数量、品質又は規格若しくは性能が設計図書の定めと異なり、又は使用に適当でないと認めたときは、その旨を直ちに発注者に通知しなければならない。
3 受注者は、支給材料又は貸与品の引渡しを受けたときは、遅滞なく発注者に受領書又は借用書を提出しなければならない。
4 発注者は、受注者から第2項の通知を受けた場合においても、当該支給材料又は貸与品について交換その他の措置をとる必要がないと認めるときは、受注者に対して、その理由を明示して、当該支給材料又は貸与品の使用を請求することができる。
5 発注者は、前項の請求を行うことが適当でないと認めるときは、当該支給材料若しくは貸与品に代えて他の支給材料若しくは貸与品を引渡し、又は次項の規定により支給材料若しくは貸与品の品名、数量、品質、規格若しくは性能を変更しなければならない。
6 発注者は、必要があると認めるときは、支給材料又は貸与品の品名、数量、品質、規格若しくは性能、引渡場所又は引渡時期を変更することができる。
7 発注者は、前2項の場合において、必要があると認めるときは、工期若しくは契約金額を変更し、又は受注者に損害を及ぼしたときは必要な費用を負担しなければならない。
8 受注者は、支給材料又は貸与品の引渡しを受けた後、当該支給材料又は貸与品に種類、品質又は数量に関しこの契約の内容に適合しないこと(第2項の確認により発見することが困難であったものに限
る。)などがあり使用に適当でないと認めたときは、その旨を直ちに発注者に通知しなければならない。この場合においては、第4項及び第5項並びに第7項の規定を準用する。
9 受注者は、支給材料又は貸与品若しくは工事の施工に伴い生じた発生品を善良な管理者の注意をもって管理しなければならない。
10 受注者は、設計図書に定めるところにより、工事の完了、設計図書の変更等によって不用となった支給材料又は使用目的が終了した貸与品及び発生品を発注者に返還しなければならない。この場合において、貸与品は、修理清掃の後、発注者又は監督員の確認を受けて引き渡さなければならない。
11 受注者は、故意又は過失により支給材料又は貸与品若しくは発生品が滅失若しくは毀損し、又は返還が不可能となったときは、発注者の指定した期間内に代品を納め、若しくは原状に復して返還し、又はこれらに代えて損害を賠償しなければならない。
12 受注者は、支給材料又は貸与品の使用方法が設計図書に明示されていないときは、監督員の指示に従わなければならない。
(工事用地の確保等)
第 15 条 発注者は、工事用地その他設計図書において発注者が提供するものと定められた工事の施工上必要な用地(以下「工事用地等」という。)を受注者が工事の施工上必要とする日(設計図書に特別の定めがあるときは、その定められた日)までに確保しなければならない。
2 受注者は、確保された工事用地等を善良な管理者の注意をもって管理しなければならない。
3 工事の完了、設計図書の変更等によって工事用地等が不用となった場合において、当該工事用地等に受注者が所有又は管理する工事材料、建設機械器具、仮設物その他の物件(下請負人の所有又は管理するこれらの物件並びに支給材料、貸与品及び発生品を含む。以下本条において同じ。)があるときは、受注者は当該物件を撤去(発注者に返還する支給材料、貸与品及び発生品については、発注者の指定する場所へ搬出。以下本条において同じ。)するとともに、当該工事用地等を原状に復して、発注者に明け渡さなければならない。
4 前項の場合において、受注者が正当な理由なく、相当の期間内に当該物件を撤去せず、又は工事用地等の原状回復を行わないときは、発注者は、受注者に代わって当該物件を処分し、工事用地等の原状回復を行うことができる。この場合においては、受注者は、発注者の処分又は原状回復について異議を申し出ることができず、また、発注者の処分又は原状回復に要した費用を負担しなければならない。
5 第3項に規定する受注者のとるべき措置の期限、方法等については、発注者が受注者の意見を聴いて定める。
(設計図書不適合の場合の改造義務、破壊検査等)
第 16 条 受注者は、工事の施工が設計図書に適合しない場合において、監督員がその改造を請求したときは、当該請求に従わなければならない。この場合において、当該不適合が監督員の指示によるときその他発注者の責に帰すべき事由によるときは、発注者は、必要があると認められるときは工期若しくは契約金額を変更し、又は受注者に損害を及ぼしたときは必要な費用の負担をしなければならない。
2 発注者又は監督員は、受注者が第12条第2項又は第13条第1項から第3項までの規定に違反した場合において、必要があると認められるときは、工事の施工部分を破壊して検査し、又は確認することができる。
3 前項に規定するほか、発注者又は監督員は、工事の施工部分が設計図書に適合しないと認められる相当の理由がある場合において、必要があると認められるときは、当該相当の理由を受注者に通知して、
工事の施工部分を最小限度破壊して検査し、又は確認することができる。
4 前2項の場合において、検査等及び復旧に直接要する費用は受注者の負担とする。
(条件変更等)
第 17 条 受注者は、工事の施工に当たり、次の各号のいずれかに該当する事実を発見したときは、その旨を直ちに監督員に通知し、その確認を請求しなければならない。
(1) 図面と仕様書が一致しないこと(これらの優先順位が定められている場合を除く。)。 (2) 設計図書に誤びゅう又は脱漏があること。
(3) 設計図書の表示が明確でないこと。
(4) 工事現場の形状、地質、湧水等の状態、施工上の制約等設計図書に示された自然的又は人為的な施工条件と実際の工事現場が相違すること。
(5) 設計図書で明示されていない施工条件について予期することのできない特別な状態が生じたこと。
2 監督員は、前項の規定による確認を請求されたとき、又は自ら前項各号に掲げる事実を発見したときは、受注者の立会いの上、直ちに調査を行わなければならない。ただし、受注者が立会いに応じない場合には、受注者の立会いを得ずに行うことができる。
3 発注者は、調査の結果(これに対してとるべき措置を指示する必要があるときは、当該指示を含む。)をとりまとめ、調査の終了後速やかに、その結果を受注者に通知しなければならない。
4 前項の調査の結果、第1項の事実が発注者と受注者との間において確認された場合は、発注者は、必要があると認められるときは、設計図書の訂正又は変更を行わなければならない。
5 前項の規定により設計図書の訂正又は変更が行われた場合において、発注者は、必要があると認められるときは工期若しくは契約金額を変更し、又は受注者に損害を及ぼしたときは必要な費用を負担しなければならない。
(設計図書の変更)
第 18 条 発注者は、必要があると認めるときは、設計図書の変更内容を受注者に通知して、設計図書を変更することができる。この場合において、発注者は、必要があると認められるときは、工期若しくは契約金額を変更し、又は受注者に損害を及ぼしたときは必要な費用を負担しなければならない。
(工事の中止)
第 19 条 工事用地等の確保ができない等のため又は暴風、豪雨、洪水、高潮、地震、地すべり、落盤、火災、騒乱、暴動その他の自然的又は人為的な事象(以下「天災等」という。)であって、受注者の責に帰すことができないものにより工事目的物等に損害を生じ若しくは工事現場の状態が変動したため、受注者が工事を施工できないと認められるとき又は第17条第1項の事実についての確認が、発注者と受注者との間で一致しない場合において、受注者が工事を施工することができないと認められるときは、発注者は、工事の中止について直ちに受注者に通知して、工事の全部又は一部の施工を一時中止させなければならない。
2 発注者は、前項の規定によるほか、必要があると認めるときは、工事の中止について受注者に通知して、工事の全部又は一部の施工を一時中止させることができる。
3 発注者は、前2項の規定により工事の施工を一時中止させた場合において、必要があると認められるときは工期若しくは契約金額を変更し、又は受注者が工事の続行に備え工事現場等を維持するために増加費用を必要としたとき若しくは受注者に損害を及ぼしたときは、必要な費用を負担しなければならな
い。
(受注者の請求による工期の延長)
第 20 条 受注者は、自己の責めに帰すことができない事由により工期内に工事を完了することができないときは、その理由を明示して、発注者に工期の延長を請求することができる。
2 発注者は、前項の規定による請求があった場合において、必要があると認められるときは、工期を延長しなければならない。発注者は、その工期の延長が発注者の責めに帰すべき事由による場合においては、契約金額について必要と認められる変更を行い、又は受注者に損害を及ぼしたときは必要な費用を負担しなければならない。
(発注者の請求による工期の短縮等)
第 21 条 発注者は、特別の理由により工期を短縮する必要があるときは、工期の短縮を受注者に請求することができる。
2 発注者は、前項の場合において、必要があると認められるときは契約金額を変更し、又は受注者に損害を及ぼしたときは必要な費用を負担しなければならない。
(工期の変更等)
第 22 条 工期の変更については、発注者と受注者とが協議して定める。ただし、協議が整わない場合には、発注者が定め、受注者に通知する。
(契約金額の変更方法等)
第 23 条 契約金額の変更については、発注者と受注者とが協議して定める。
2 この契約書の規定により、受注者が増加費用を必要とした場合又は損害を受けた場合に発注者が負担する必要な費用の額については、発注者と受注者とが協議して定める。
3 前2項の協議が整わない場合には、発注者が定め、受注者に通知する。
(賃金又は物価の変動に基づく契約金額の変更)
第 24 条 発注者又は受注者は、工期内で契約締結の日から12月を経過した後に日本国内における賃金水準又は物価水準の変動により契約金額が不適当となったと認めたときは、相手方に対して契約金額の変更を請求することができる。
2 発注者又は受注者は、前項の規定による請求があったときは、変動前残工事金額(契約金額から当該請求時の既済部分に相応する契約金額を控除した額をいう。以下同じ。)と変動後残工事金額(変動後の賃金又は物価を基礎として算出した変動前残工事金額に相応する額をいう。以下同じ。)との差額のうち変動前残工事金額の1,000分の15を超える額につき、契約金額の変更に応じなければならない。
3 変動前残工事金額及び変動後残工事金額は、請求のあった日を基準とし、物価指数等に基づき発注者と受注者とが協議して定める。ただし、協議が整わない場合にあっては、発注者が定め、受注者に通知する。
4 第1項の規定による請求は、本条の規定により契約金額の変更を行った後再度行うことができる。この場合においては、第1項中「契約締結の日」とあるのは「直前の本条に基づく契約金額変更の基準とした日」とするものとする。
5 特別な要因により工期内に主要な工事材料の日本国内における価格に著しい変動を生じ、契約金額が不適当となったときは、発注者又は受注者は、前各項の規定によるほか、契約金額の変更を請求することができる。
6 予期することのできない特別の事情により、工期内に日本国内において急激なインフレーション又はデフレーションを生じ、契約金額が著しく不適当となったときは、発注者又は受注者は、前各項の規定にかかわらず、契約金額の変更を請求することができる。
7 前2項の場合において、契約金額の変更額については、発注者と受注者とが協議して定める。ただし、協議が整わない場合にあっては、発注者が定め、受注者に通知する。
(臨機の措置)
第 25 条 受注者は、災害防止等のため必要があると認めるときは、臨機の措置をとらなければならない。この場合において、受注者は、あらかじめ発注者の意見を聴かなければならない。ただし、緊急やむを得ない事情があるときは、この限りでない。
2 前項の場合においては、受注者は、そのとった措置の内容を発注者に直ちに通知しなければならない。
3 発注者は、災害防止その他工事の施工上特に必要があると認めるときは、受注者に対して臨機の措置をとることを請求することができる。
4 受注者が第1項又は前項の規定により臨機の措置をとった場合において、当該措置に要した費用のうち受注者が契約金額の範囲内において負担することが適当でないと認められる部分については、発注者が負担する。
(一般的損害)
第 26 条 工事目的物の引渡し前に、工事の既済部分、検査済持込工事材料、支給材料、貸与品又は発生品について生じた損害その他工事の施工に関して生じた損害については、受注者がその費用を負担する。ただし、その損害(火災保険その他の保険等によりてん補された部分を除く。)のうち発注者の責に帰すべき事由により生じたものについては、発注者が負担する。
(第三者に及ぼした損害)
第 27 条 工事の施工に伴い第三者に損害を及ぼしたときは、受注者がその損害を賠償しなければならない。ただし、その損害(火災保険その他の保険等によりてん補された部分を除く。以下本条において同じ。)のうち発注者の責に帰すべき事由により生じたものについては、発注者が負担する。
2 前項の規定にかかわらず、工事の施工に伴い通常避けることができない地盤沈下、地下水の断絶等の理由により第三者に損害を及ぼしたときは、発注者がその損害を負担しなければならない。ただし、その損害のうち工事の施工について受注者が善良な管理者の注意義務を怠ったことにより生じたものについては、受注者が負担する。
3 前2項の場合その他工事の施工について第三者との間に紛争を生じた場合においては、発注者及び受注者は協力してその処理解決に当たるものとする。
(天災その他の不可抗力による損害)
第 28 条 工事目的物の引渡し前に、天災等(設計図書で基準を定めたものにあっては、当該基準を超えるものに限る。)で発注者と受注者いずれの責めにも帰すことができないもの(以下「不可抗力」という。)により、工事の既済部分、仮設物、検査済持込材料、支給材料、貸与品、発生品又は建設機械器具(以下この条において「工事目的物等」という。)に損害が生じたときは、受注者は、その事実の発生後直ちにその状況を発注者に通知しなければならない。
2 発注者は、前項の規定による通知を受けたときは、直ちに調査を行い、前項の損害(受注者が善良な管理者の注意義務を怠ったことに基づくもの及び火災保険その他の保険等によりてん補された部分を除く。以下本条において「損害」という。)の状況を確認し、その結果を受注者に通知しなければなら
ない。
3 受注者は、前項の規定により損害の状況が確認されたときは、損害による費用の負担を発注者に請求することができる。
4 発注者は、前項の規定により受注者から損害による費用の負担の請求があったときは、当該損害の額
(工事目的物等であって検査又は立会いその他工事に関する記録等により確認することができるものに係る損害の額に限る。)及び当該損害の取片付けに要する費用の額の合計額(以下この条において「損害合計額」という。)のうち契約金額の100分の1を超える額を負担しなければならない。ただし、災害応急対策又は災害復旧に関する工事における損害については、発注者が損害合計額を負担するものとする。
5 損害の額は、次の各号に掲げる損害につき、それぞれ当該各号に定めるところにより、発注者と受注者とが協議して定める。
(1) 工事の既済部分に関する損害
損害を受けた既済部分に相応する契約金額相当とし、残存価値がある場合にはその評価額を差し引いた額とする。
(2) 検査済持込材料、支給材料、貸与品又は発生品に関する損害
損害を受けた検査済持込材料、支給材料、貸与品又は発生品に相応する契約金額相当額とし、残存価値がある場合にはその評価額を差し引いた額とする。
(3) 仮設物又は建設機械器具に関する損害
損害を受けた仮設物又は建設機械器具で通常妥当と認められるものについて、当該工事で償却することとしている償却費の額から損害を受けた時点における既済部分に相応する償却費の額を差し引いた額とする。ただし、修繕によりその機能を回復することができ、かつ、修繕費の額が上記の額より少額であるものについては、その修繕費の額とする。
6 数次にわたる不可抗力により損害合計額が累積した場合における第2次以降の不可抗力による損害合計額の負担については、第4項中「当該損害の額」とあるのは「損害の額の累計」と、「当該損害の取片付けに要する費用の額」とあるのは「損害の取片付けに要する費用の額の累計」と、「契約金額の10
0分の1を超える額」とあるのは「契約金額の100分の1を超える額から既に負担した額を差し引いた額」と、「損害合計額を」とあるのは「損害合計額から既に負担した額を差し引いた額を」として同項を適用する。
(契約金額の変更に代える設計図書の変更)
第 29 条 発注者は、第7条、第14条、第16条から第19条まで、第21条、第24条から第2
6条まで、前条及び第32条の規定により契約金額を増額すべき場合又は費用を負担すべき場合において、特別の理由があるときは、契約金額の増額又は負担額の全部又は一部に代えて設計図書を変更することができる。この場合において、設計図書の変更内容は、発注者と受注者とが協議して定める。ただし、協議が整わない場合には、発注者が定め、受注者に通知する。
(検査及び引渡し)
第 30 条 受注者は、次の各号のいずれかに該当するときは、直ちに発注者に対して、検査の請求をしなければならない。
(1) 工事が完了したとき。
(2) 工事の施工中でなければその検査が不可能なとき又は著しく困難なとき。
(3) その他必要があるとき。
2 発注者は、前項第1号の検査(以下「完了検査」という。)の請求を受けたときは、その日から起算して14日以内に、前項第2号及び第3号に係る検査の請求を受け、その請求を相当と認めたときは、遅滞なく、それぞれ受注者の立会いを求め、検査を完了しなければならない。この場合において、発注者は、必要があると認められるときは、その理由を通知して、工事目的物を最小限度破壊して検査することができる。
3 第1項の規定にかかわらず、発注者は、必要があると認めるときは、受注者に通知の上、その立会いを求め、検査を行うことができる。この場合において、発注者は、必要があると認められるときは、その理由を通知して、工事目的物を最小限度破壊して検査することができる。
4 受注者は、前2項の検査に立ち会わなかったときは、検査の結果について異議を申し立てることができない。
5 検査に要する費用及び検査のため変質、変形、消耗又はき損したものを原状に復する費用は、すべて受注者の負担とする。
6 第2項の完了検査に合格したときをもって、工事目的物の引渡しを完了したものとする。この場合において、工事目的物が受注者の所有に属するときは、その所有権は、引渡しにより発注者に移転する。
7 受注者は、第2項の完了検査に合格しない場合で、発注者が特に1回に限り改造又は補修を認めたときは、直ちにこれを完了しなければならない。この場合において、改造又は補修が完了したときは、第
2項及び前3項の規定を準用する。
8 前項の改造又は補修が直ちに完了しないとき、又はその検査に合格しないときは、発注者は、工期経過後の日数に応じ、受注者から遅延違約金を徴収する。この場合においては、第42条第1項及び第2項の規定を準用する。
(契約代金の支払)
第 31 条 受注者は、前条第2項又は第7項の完了検査に合格したときは、契約代金の支払を請求することができる。
2 発注者は、前項の規定による請求を受けたときは、その日から起算して40日以内に契約代金を支払わなければならない。
3 発注者がその責めに帰すべき事由により前条第2項の期間内に検査をしないときは、その期限を経過した日から検査をした日までの期間の日数(以下「遅延日数」という。)は、前項の期間(以下「約定期間」という。)の日数から差し引くものとする。この場合において、その遅延日数が約定期間の日数を超えるときは、約定期間は、遅延日数が約定期間の日数を超えた日において満了したものとみなす。
(部分使用)
第 32 条 発注者は、第30条第6項の規定による引渡し前においても、工事目的物の全部又は一部を受注者の承諾を得て使用することができる。
2 前項の場合においては、発注者は、その使用部分を善良な管理者の注意をもって使用しなければならない。
3 発注者は、第1項の使用により受注者に損害を及ぼし、または受注者の費用が増加したときは、その損害を賠償し、または増加費用を負担しなければならない。この場合における賠償額または負担額は、発注者と受注者とが協議して定める。
(前 金 払)
第 33 条 発注者は、契約書で前払金の支払を約した場合において、受注者が公共工事の前払金保証事業に関する法律(昭和27年法律第184号)第2条第4項に規定する保証事業会社(以下「保証事業会社」という。)と契約書記載の工期を保証期限とする同条第5項に規定する保証契約(以下「前払金保証契約」という。)を締結したときは、4億円を限度とし、受注者の請求により、契約金額の40パーセントの額(10万円未満の端数は切り捨てる。)を前払金として支払う。ただし、契約金額が20億円を超える場合にあっては、当該契約金額の20パーセントの額(10万円未満の端数は切り捨てる。)を前払金として支払う。
2 受注者は、前項の前払金の支払を受けようとするときは、この契約締結後(発注者が別に前払金の請求時期を定めたときは、その時期)に、保証事業会社と締結した前払金保証契約を証する書面(以下「前払金保証証書」という。)を発注者に提出した上で前払金の請求をしなければならない。
3 発注者は、前項の請求を受けたときは、遅滞なく第1項の前払金を支払う。
(中間前払金)
第 34 条 発注者は、受注者が中間前払金に係る認定を受け、かつ、前払金保証契約とは別に保証事業会社と中間前払金に関し契約書記載の工期を保証期限とする保証契約(以下「中間前払金保証契約」という。)を締結したときは、2億円を限度とし、受注者の請求により、契約金額の20パーセントの額
(10万円未満の端数は切り捨てる。)を中間前払金として支払う。ただし、第38条の規定による部分払を行う場合は、この限りではない。
2 受注者は、前項に規定する中間前払金の認定を受けようとするときは、あらかじめ発注者に対して書面により認定の請求をしなければならない。
3 発注者は、受注者から前項の規定による認定の請求があったときは、遅滞なく審査を行い、結果を受注者に通知しなければならない。
4 受注者は、第1項の中間前払金の支払を受けようとするときは、前項に定める認定の結果の通知を受けた後(発注者が別に中間前払金の請求時期を定めたときは、その時期)に、中間前払金保証契約を証する書面を発注者に提出した上で中間前払金の請求をしなければならない。
5 発注者は、前項の請求を受けたときは、遅滞なく第1項に定める中間前払金を受注者に支払わなければならない。
6 次条から第37条までの規定は、発注者が中間前払金を支払った場合について準用する。この場合において、次条から第37条までの規定中「前払金」とあるのは「中間前払金」と読み替えるものとする。
(契約金額の増減による前払金の追加払又は返還)
第 35 条 発注者は、第33条第1項の規定により前金払をした後、設計図書の変更その他の理由により契約金額を変更した場合において、その増減額が著しいため、前払金の額が不適当と認められるに至ったときは、発注者の定めるところにより、前払金を追加払いし、又は返還させることがある。
2 受注者は、前項の規定により、発注者が前払金の追加払を認めた場合は、前払金の追加払を請求することができる。
3 受注者は、発注者から第1項の規定による前払金の返還請求を受けたときは、当該契約変更の日以後、発注者が指定する日までに返還しなければならない。
4 前項の場合において、受注者が返還期限までに前払金を返還しないときは、返還期限の翌日から返還の日までの日数に応じ、未返還額に政府契約の支払遅延防止等に関する法律(昭和24年法律第256号)第8条第1項の規定に基づき、財務大臣が決定する率(年当たりの割合は、閏(じゅん)年の日を
含む期間についても、365日の割合とする。)を乗じて得た金額(100円未満の端数があるとき又は
100円未満であるときは、その端数額又はその全額を切り捨てる。)を遅延利息として支払わなければならない。
(保証契約の変更)
第 36 条 受注者は、前条第1項の規定による前払金の返還請求を受けた場合において、保証契約を変更したときは、直ちに変更後の保証証書を発注者に提出しなければならない。
2 受注者は、前条第2項の規定により、前払金の追加払を受けようとするときは、当該契約変更の日以後、保証契約を変更し、変更後の保証証書を発注者に提出した上で、請求しなければならない。
3 受注者は、前払金額の変更を伴わない工期の変更が行われた場合には、発注者に代わりその旨を保証事業会社に直ちに通知するものとする。
(前払金の使途制限及び返還)
第 37 条 受注者は、前払金をこの工事に必要な経費以外の経費に充ててはならない。
2 受注者は、前項の規定に違反した場合又は保証契約が解約された場合は、既に支払われた前払金を、直ちに発注者に返還しなければならない。
3 受注者は、前項の規定により前払金を返還する場合は、前払金の支払の日から返還の日までの日数に応じ、当該返還額に政府契約の支払遅延防止等に関する法律第8条第1項の規定に基づき、財務大臣が決定する率(年当たりの割合は、閏(じゅん)年の日を含む期間についても、365日の割合とする。)を乗じて得た金額(100円未満の端数があるとき又は100円未満であるときは、その端数額又はその全額を切り捨てる。)を利息として支払わなければならない。
(部 分 払)
第 38 条 発注者は、工事の完了前において、受注者の部分払請求を相当と認めるとき(入札心得等において、受注者の部分払請求回数について制限を定めた場合は、その回数の範囲内で相当と認めるとき)は、検査に合格した既済部分に相応する契約金額相当額(以下「既済部分の代価」という。)の1
0分の9以内で発注者が定める金額を支払うことができる。製作及びすえ付けその他の工事に関し、完成した製作品で検査に合格して現場に持込みを終わったもの又は発注者の都合により現場持込みが困難と認められる製作品で、検査に合格して発注者の指定する場所へ持込みが終わったものについては、発注者は、工事完了前において、受注者の部分払請求を相当と認めるときは、その製作品に相応する契約金額相当額(以下「製作代価」という。)の10分の9以内で発注者が定める金額を支払うことができる。この場合においては、第31条第1項及び第2項の規定を準用する。
2 前項の既済部分の代価(製作代価を含む。以下同じ。)は、発注者が認定する。
9 前払金額
10 契約金額
3 第33条の規定により前払金が支払われている場合の部分払の額は、前2項の規定により算定した部分払の額から、当該前払金の額に契約金額に対する既済部分の代価の割合を乗じて得た額を控除した額の範囲内とし、次の式により算定する。
― ―
部分払いの額≦既済部分の代価×
4 第1項の規定による支払の対象となった既済部分又は製作品が受注者の所有に属するときは、その所有権は、支払により受注者から発注者に移転する。ただし、目的物全部の引渡しが完了するまでの保管は、受注者の責任とし、目的物全部の引渡しまでに生じた損害については、第26条から第28条まで
の規定を準用する。
(一部しゅん功)
第 39 条 工事目的物について、発注者が設計図書において、工事の完了に先立って引渡しを受けるべきことを指定した部分(以下「指定部分」という。)がある場合において、指定部分の工事が完了したときは、第30条中「工事」とあるのは「指定部分に係る工事」と、「工事目的物」とあるのは「指定部分に係る工事目的物」と、第31条中「契約代金」とあるのは、「指定部分に相応する契約代金」と読み替えて、これらの規定を準用する。
(前払金の不払に対する工事中止)
第 40 条 受注者は、発注者が第33条の規定に基づく支払若しくは第34条の規定に基づく支払又は前条において準用される第31条の規定に基づく支払を遅延し、相当の期間を定めてその支払を請求したにもかかわらず支払をしないときは、工事の全部又は一部の施工を一時中止することができる。この場合において、受注者は、その理由を明示してその旨を直ちに発注者に通知しなければならない。
2 発注者は、前項の規定により受注者が工事の施工を中止した場合において、必要があると認められるときは工期若しくは契約金額を変更し、又は受注者が工事の続行に備え工事現場等を維持するために増加費用を必要とし若しくは受注者に損害を及ぼしたときは必要な費用を負担しなければならない。
(契約不適合責任)
第 41 条 発注者は、引き渡された工事目的物が種類又は品質に関して契約の内容に適合しないもの
(以下「契約不適合」という。)であるときは、受注者に対し、目的物の修補又は代替物の引渡しによる履行の追完を請求することができる。ただし、その履行の追完に過分の費用を要するときは、発注者は、履行の追完を請求することができない。
2 前項の場合において、受注者は、発注者に不相当な負担を課するものでないときは、発注者が請求した方法と異なる方法による履行の追完をすることができる。
3 第1項の場合において、発注者が相当の期間を定めて履行の追完の催告をし、その期間内に履行の追完がないときは、発注者は、その不適合の程度に応じて代金の減額を請求することができる。ただし、次の各号のいずれかに該当する場合は、催告をすることなく、直ちに代金の減額を請求することができる。
(1) 履行の追完が不能であるとき。
(2) 受注者が履行の追完を拒絶する意思を明確に表示したとき。
(3) 工事目的物の性質又は当事者の意思表示により、特定の日時又は一定の期間内に履行しなければ契約をした目的を達することができない場合において、受注者が履行の追完をしないでその時期を経過したとき。
(4) 前3号に掲げる場合のほか、発注者がこの項の規定による催告をしても履行の追完を受ける見込みがないことが明らかであるとき。
4 受注者が契約不適合の履行の追完に応じないときは、発注者は、受注者の負担でこれを修補することができる。なお、このために受注者に損害が生じても、発注者は、その賠償の責めを負わない。
(履行遅滞の場合における違約金等)
第 42 条 受注者の責に帰すべき事由により工期内に工事を完了することができない場合において、工期経過後相当の期間内に完了する見込みのあるときは、発注者は受注者から遅延違約金を徴収して工
期を延長することができる。
2 前項の遅延違約金の額は、契約金額につき遅延日数に応じ、政府契約の支払遅延防止等に関する法律第8条第1項の規定に基づき、財務大臣が決定する率(年当たりの割合は、閏(じゅん)年の日を含む期間についても、365日の割合とする。)を乗じて得た金額(100円未満の端数があるとき又は10
0円未満であるときは、その端数額又はその全額を切り捨てる。)とする。この場合において、検査に合格した指定部分(他の部分と明確に区分できるため、分割して引渡しを受けても支障がないと発注者が認める履行部分を含む。)があるときは、これに相応する契約金額相当額を遅延違約金の算定に当たり契約金額から控除する。
(契約の保証)
第 43 条 受注者は、発注者が当該契約を履行しないこととなるおそれがないと認める場合を除いて、この契約の締結と同時に、次の各号のいずれかに掲げる保証を付さなければならない。ただし、第
6号の場合においては、履行保証保険契約の締結後、直ちにその保証証券を発注者に寄託しなければならない。
(1) 契約保証金の納付
(2) 契約保証金に代わる担保となる有価証券等の提供
(3) この契約による債務の不履行により生ずる損害金の支払を保証する銀行又は発注者が確実と認める金融機関の保証
(4) この契約による債務の不履行により生ずる損害金の支払を保証する保証事業会社の保証 (5) この契約による債務の履行を保証する公共工事履行保証証券による保証
(6) この契約による債務の不履行により生ずる損害をてん補する履行保証保険契約の締結
2 前項の保証に係る契約保証金の額、保証金額又は保険金額(第3項において「保証の額」という。)は、請負代金額の10分の1以上としなければならない。
3 請負代金額の変更があった場合には、保証の額が変更後の請負代金額の10分の1に達するまで、発注者は、保証の額の増額を請求することができ、受注者は、保証の額の減額を請求することができる。
4 第1項の規定により、受注者が、同項第2号から第4号までに掲げる保証を付したときは、当該保証は契約保証金に代わる担保の提供として行われたものとし、第5号又は第6号に掲げる保証を付したときは、契約保証金の納付を免除する。
5 発注者は、第30条第2項又は第7項の完了検査に合格したとき又は第46条第1項、第47条若しくは第47条の2第1項の規定により契約が解除されたときは、受注者の請求により、40日以内に契約保証金を返還する。
6 発注者は、契約保証金について、利息を付さない。
(公共工事履行保証証券による保証の請求)
第 44 条 前条第1項の規定によりこの契約による債務の履行を保証する公共工事履行保証証券による保証が付された場合において、受注者が次条第1項各号、同条第2項各号、第45条の2第1項各号又は第45条の3第1項各号のいずれかに該当するときは、発注者は、当該公共工事履行保証証券の規定に基づき、保証人に対して、他の建設業者を選定し、工事を完成させるよう請求することができる。
2 受注者は、前項の規定により保証人が選定し発注者が適当と認めた建設業者(以下「代替履行業者」という。)から発注者に対して、この契約に基づく次の各号に定める受注者の権利及び義務を承継する
旨の通知が行われた場合には、代替履行業者に対して当該権利及び義務を承継させる。
(1) 請負代金債権(前払金、中間前払金、部分払金又は部分引渡しに係る請負代金として受注者に既に支払われたものを除く。)
(2) 工事完成債務
(3) 契約不適合を保証する債務(受注者が施工した出来形部分の契約不適合に係るものを除く。) (4) 解除権
(5) その他この契約に係る一切の権利及び義務(受注者が施工した工事に関して生じた第三者への損害賠償債務を除く。)
3 発注者は、前項の通知を代替履行業者から受けた場合には、代替履行業者が前項各号に規定する受注者の権利及び義務を承継することを承諾する。
4 第1項の規定による発注者の請求があった場合において、当該公共工事履行保証証券の規定に基づき、保証人から保証金が支払われたときは、この契約に基づいて発注者に対して受注者が負担する損害賠償 債務その他の費用の負担に係る債務(当該保証金の支払われた後に生じる違約金等を含む。)は、当該 保証金の額を限度として、消滅する。
(発注者の解除権)
第 45 条 発注者は、受注者が次の各号のいずれかに該当するときは、相当の期間を定めてその履行の催告をし、その期間内に履行がないときは、この契約を解除することができる。ただし、その期間を経過した時における債務の不履行がこの契約及び取引上の社会通念に照らして軽微であるときは、この限りでない。
(1) 正当な理由なく、工事に着手すべき期日を過ぎても工事に着手しないとき。
(2) 工期内に完了しないとき、又は工期経過後相当の期間内に工事を完了する見込みがないと認められるとき。
(3) 第9条第1項第2号に掲げる者を設置しなかったとき。
(4) 正当な理由なく、第41条第1項の履行の追完がなされないとき。 (5) 前各号に掲げる場合のほか、この契約に違反したとき。
2 発注者は、受注者が次の各号のいずれかに該当するときは、直ちにこの契約を解除することができるこの場合には、何ら催告を要しないものとする。
(1) 第4条第1項の規定に違反し、契約代金債権を譲渡したとき。
(2) この契約の目的物を完成させることができないことが明らかであるとき。
(3) 引き渡された工事目的物に契約不適合がある場合において、その不適合が目的物を除却した上で再び建設しなければ、契約の目的を達成することができないものであるとき。
(4) 受注者がこの契約の目的物の完成の債務の履行を拒絶する意思を明確に表示したとき。
(5) 受注者の債務の一部の履行が不能である場合又は受注者がその債務の一部の履行を拒絶する意思を明確に表示した場合において、残存する部分のみでは契約をした目的を達することができないとき。
(6) 契約の目的物の性質や当事者の意思表示により、特定の日時又は一定の期間内に履行しなければ契約をした目的を達することができない場合において、受注者が履行をしないでその時期を経過したとき。
(7) 前各号に掲げる場合のほか、受注者がその債務の履行をせず、発注者が前項の催告をしても契約
をした目的を達するのに足りる履行がされる見込みがないことが明らかであるとき。 (8) 第47条又は第47条の2の規定によらないでこの契約の解除を申し出たとき。
(9) 地方自治法施行令(昭和22年政令第16号)第167条の4第1項の規定に該当すると判明したとき。
(10) 破産手続開始、民事再生手続開始又は会社更生手続開始その他これらに類する手続開始の申立ての事実が判明したとき。
3 前項の規定により契約を解除したときは、契約保証金は発注者に帰属する。
(談合その他不正行為による発注者の解除権)
第 45条の2 発注者は、受注者がこの契約に関して次の各号のいずれかに該当するときは、契約を解除することができる。この場合には、何ら催告を要しないものとする。
(1) 公正取引委員会が、受注者に違反行為があったとして私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律(昭和22年法律第54号。以下「独占禁止法」という。)第7条若しくは第8条の2に規定する排除措置命に規定する排除措置命令(排除措置命令がなされなかった場合にあっては、同法
7条の2(同法8条の3において準用する場合を含む。)に規定する納付命令)が確定したとき(当該排除措置命令又は納付命令に対する処分の取消しの訴えが提起されたときを除く。)。
(2) 受注者が、公正取引委員会が受注者に違反行為があったとして行った排除措置命令又は納付命令に対し、処分の取消しの訴えを提起し、当該訴えについて請求棄却若しくは訴え却下の判決が確定したとき、又は受注者が当該訴えを取り下げたとき。
(3) 受注者(受注者が法人の場合にあっては、その代表者又は代理人、使用人その他の従業者)が刑法(明治40年法律第45号)第96条の6又は同法第198条の規定による刑が確定したとき。
2 前項の規定により契約を解除したときは、契約保証金は発注者に帰属する。 (暴力団等反社会的団体排除に関する発注者の解除権)
第 45条の3 発注者は、受注者(受注者が共同企業体であるときは、その構成員のいずれかの者。以下本条において同じ。)が次の各号のいずれかに該当するときは、契約を解除することができる。この場合には、何ら催告を要しないものとする。
(1) ア 法人の役員等(受注者が個人である場合にはその者を、受注者が法人である場合にはその役 員又はその支店若しくは営業所の代表者をいう。以下この号において同じ。)若しくは使用人が、暴力団員等(暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律(平成3年法律第77号)第2条 第6号に規定する暴力団員又は暴力団員でなくなった日から5年を経過しない者)であるとき、又は暴力団員が経営に実質的に関与していると認められるとき。
イ 法人の役員等が、無差別大量殺人行為を行った団体の規制に関する法律(平成11年法律第1
47号)に定める無差別大量殺人を行った団体又はこれら団体の支配若しくは影響の下に活動しているものと認められる団体の構成員及び関係者であるとき。
ウ 法人の役員等が、日本国憲法施行の日以後において、日本国憲法又は日本国憲法の下に成立した政府を暴力で破壊することを主張する政党その他の団体の構成員及び関係者であるとき。
エ 上記各号に該当する者に、契約代金債権を譲渡したとき。
(2) 役員等(受注者が個人である場合にはその者その他経営に実質的に関与している者を、受注者が法人である場合にはその役員、その支店又はその支店若しくは営業所の代表者その他経営に実質的に関与している者をいう。以下3号から5号において同じ。)が自社、自己若しくは第三者の不正
の利益を図り、又は第三者に損害を加える目的をもって、反社会的団体(暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律第2 条第2号に規定する団体、日本国憲法施行の日以後において、日本国憲法又は日本国憲法の下に成立した政府を暴力で破壊することを主張する政党その他の団体及び無差別大量殺人行為を行った団体の規制に関する法律に定める無差別大量殺人を行った団体をいう。以下同じ。)の威力又は関係者を利用するなどしているとき。
(3) 役員等が反社会的団体の関係者に対して資金等を供給し、又は便宜を供与するなど積極的に反社会的団体の維持、運営等に協力し、若しくは関与しているとき。
(4) 役員等が反社会的団体又はその関係者との交際や会合に同席するなど社会的に非難されるべき関係を有しているとき。
(5) 役員等が反社会的団体又はその関係者であることを知りながら、これを不当に利用したり、実際には反社会的団体と関係ないがその威を借りるために反社会的団体の名を騙るなどしているとき。 (6) 下請契約又は資材、原材料の購入契約その他の契約に当たり、その相手方が前各号のいずれかに
該当することを知りながら、当該者と契約を締結したと認められるとき。
(7) 受注者が、第1号から第5号までのいずれかに該当する者を下請契約又は資材、原材料の購入契約その他の契約の相手方としていた場合(前号に該当する場合を除く。)に、発注者が受注者に対して当該契約の解除を求め、受注者がこれに従わないとき。
2 発注者は前項の規定により契約を解除したときは、これによって受注者に損害が生じても、その責めを負わないものとする。
3 第1項の規定により契約を解除したときは、契約保証金は発注者に帰属する。
4 第1項1号から6号までに該当するおそれがあると認めるときは、受注者は、発注者が受注者の役職員の個人情報について、警視庁等に対して情報提供又は照会することに関して同意するものとする。
(発注者の責めに帰すべき事由による場合の解除の制限)
第 45条の4 前3条の規定による解除が、発注者の責めに帰すべき事由によるものであるときは、発注者は契約の解除をすることができない。
(協議解除)
第 46 条 発注者は、工事が完了するまでの間は、第45条第1項若しくは第2項、第45条の2第
1項又は第45条の3第1項の規定によるほか、必要があるときは、受注者と協議の上、契約を解除することができる。
2 発注者は前項の規定により契約を解除したことにより受注者に損害を及ぼしたときは、その損害を賠償しなければならない。
(受注者の催告による解除権)
第 47 条 受注者は、発注者がこの契約に違反したときは、相当の期間を定めてその履行の催促をし、その期間内に履行がないときは、この契約を解除することができる。ただし、その期間を経過した時における債務の不履行がこの契約及び取引上の社会通念に照らして軽微であるときは、この限りでない。
(受注者の催告によらない解除権)
第 47条の2 受注者は、次の各号のいずれかに該当するときは、直ちにこの契約を解除することができる。
(1) 第18条の規定により設計図書を変更したため契約金額が3分の2以上減少したとき。
(2) 第19条の規定による工事の施工の中止期間が当初の工期の10分の5(工期の10分の5が1
80日を超えるときは、180日)を超えたとき。ただし、中止が工事の一部のみの場合は、その一部を除いた他の部分の工事が完了した後90日を経過しても、その中止が解除されないとき。
2 前項第2号の場合において、日数の計算は、第1条第2項の規定を準用する。
(受注者の責めに帰すべき事由による場合の解除の制限)
第 47条の3 受注者の責めに帰すべき事由により第47条本文又は前条第1項各号に定める場合に該当するに至ったときは、受注者は、前2条の規定による契約の解除をすることができない。
(解除等に伴う措置)
第 48 条 発注者は、工事の完了前にこの契約が解除され、受注者がその債務の履行を拒否し、又は、受注者の債務について履行不能となった場合(以下「契約が解除された場合等」という。)においては、既済部分を検査の上、当該検査に合格した部分及び必要と認める持込工事材料に対して、相当と認める金額(第38条の規定による部分払をしているときは、既支払の部分払金額を控除した額)を支払い、その引渡しを受けるものとする。この場合において、発注者は、必要があると認められるときは、その理由を受注者に通知して、既済部分を最小限度破壊して検査することができる。
2 前項の場合において、検査又は復旧に直接要する費用は、受注者の負担とする。
3 第1項の場合において、第33条の規定による前払金又は第34条の規定による中間前払金の支払いをしたきは、当該前払金の額(第38条の規定による部分払をしたときは、その部分払において償却した前払金の額を控除した額)及び当該中間前払金の額を、第1項の規定による支払額から控除する。なお、受注者は、受領済みの前払金の額及び中間前払金の額に余剰があるときは、発注者の指定する日までに発注者に返還しなければならない。この場合においては、第35条第4項の規定を準用する。
4 受注者は、契約が解除された場合において、第14条の規定による貸与品又は発生品があるときは、当該貸与品又は発生品を発注者に返還しなければならない。この場合において、当該貸与品又は発生品が受注者の故意又は過失により滅失又はき損したときは、代品を納め、若しくは原状に復して返還し、又はこれらに代えてその損害を賠償しなければならない。
5 受注者は、契約が解除された場合において、第14条の規定による支給材料があるときは、第1項の既済部分の検査に合格した部分に使用されているものを除き、発注者に返還しなければならない。この場合において、当該支給材料が受注者の故意若しくは過失により滅失若しくはき損したとき、又は既済部分の検査に合格しなかった部分に使用されているときは、代品を納め、若しくは原状に復して返還し、又はこれらに代えてその損害を賠償しなければならない。
6 受注者は、契約が解除された場合において、工事用地等に受注者が所有又は管理する工事材料、建設機械器具、仮設物その他の物件(下請負人の所有又は管理するこれらの物件並びに支給材料、貸与品及び発生品を含む。以下本条において同じ。)があるときは、受注者は、当該物件を撤去(発注者に返還する支給材料、貸与品及び発生品については、発注者の指定する場所へ搬出。以下本条において同じ。)するとともに、工事用地等を原状に復して、発注者に明け渡さなければならない。
7 前項の場合において、受注者が正当な理由なく、相当の期間内に当該物件を撤去せず、又は工事用地等の原状回復を行わないときは、発注者は、受注者に代わって当該物件を処分し、工事用地等の原状回復を行うことができる。この場合においては、受注者は、発注者の処分又は原状回復について異議を申し出ることができず、また、発注者の処分又は原状回復に要した費用を負担しなければならない。
8 第4項から第6項までに規定する受注者のとるべき措置の期限、方法等については、契約の解除が第
45条第1項若しくは同条第2項、第45条の2又は第45条の3の規定によるときは発注者が定め、
第46条、第47条又は第47条の2の規定によるときは、発注者と受注者とが協議して定めるものとする。
9 工事の完了後にこの契約が解除された場合は、解除に伴い生じる事項の処理については発注者及び受注者が民法の規定に従って協議して決める。
(発注者の損害賠償請求等)
第 48条の2 発注者は、受注者が次の各号のいずれかに該当するときは、これによって生じた損害の賠償を請求することができる。
(1) この工事目的物に契約不適合があるとき。
(2) 第45条第1項又は同条第2項の規定により、工事目的物の完成後にこの契約が解除されたとき。 (3) 前2号に掲げる場合のほか、債務の本旨に従った履行をしないとき又は債務の履行が不能である
とき。
2 次の各号のいずれかに該当するときは、前項の損害賠償に代えて、受注者は、契約金額の10分の1に相当する額を違約金として発注者の指定する期間内に支払わなければならない。この場合において、検査に合格した指定部分及び検査に合格した既済部分があるときは、これに相応する契約金額相当額を違約金の算定に当たり契約金額から控除する。
(1) 第45条第1項又は同条第2項の規定により工事目的物の完成前にこの契約が解除されたとき。 (2) 第45条の2第1項の規定により工事目的物の完成前にこの契約が解除された場合
(3) 第45条の3第1項の規定により工事目的物の完成前にこの契約が解除された場合
(4) 工事目的物の完成前に、受注者がその債務の履行を拒否し、又は受注者の責めに帰すべき事由によって受注者の債務について履行不能となったとき。
3 次の各号に掲げる者がこの契約を解除した場合は、前項第2号に該当する場合とみなす。
(1) 受注者について破産手続開始の決定があった場合において、破産法(平成16年法律第75号)の規定により選任された破産管財人
(2) 受注者について更生手続開始の決定があった場合において、会社更生法(平成14年法律第15
4号)の規定により選任された管財人
(3) 受注者について再生手続開始の決定があった場合において、民事再生法(平成11年法律第22
5号)の規定により選任された再生債務者等
4 第1項各号及び第2項各号に定める場合(前項の規定により第2項第4号に該当する場合とみなされる場合を除く。)がこの契約及び取引上の社会通念に照らして受注者の責めに帰することができない事由によるものであるときは、第1項及び第2項の規定は適用しない。
5 第2項に該当する場合において、契約保証金の納付、契約保証金に代わる履行保証保険契約の締結又は契約保証金に代わる担保の提供が行われているときは、発注者は、当該契約保証金、契約保証金に代わる履行保証保険契約又は契約保証金に代わる担保をもって同項の違約金に充当することができる。ただし、契約保証金に代わる履行保証保険契約の締結又は契約保証金に代わる担保の提供が行われている場合であって、この契約の解除が、第45条の2第1項及び第45条の3第1項の規定によるときはこの限りではない。
(受注者の損害賠償請求等)
第 48条の3 受注者は、発注者が次の各号のいずれかに該当する場合はこれによって生じた損害の賠償を請求することができる。ただし、当該各号に定める場合がこの契約及び取引上の社会通念に照らし
て発注者の責めに帰することができない事由によるものであるときは、この限りでない。 (1) 第47条又は第47条の2の規定によりこの契約が解除されたとき。
(2) 前号に掲げる場合のほか、債務の本旨に従った履行をしないとき又は債務の履行が不能であるとき。
2 第31条第2項(第39条において準用する場合を含む。)の規定による契約代金の支払が遅れた場合においては、受注者は、未受領金額につき遅延日数に応じ、政府契約の支払遅延防止等に関する法律第8条第1項の規定により財務大臣が決定する率(年当たりの割合は、閏(じゅん)年の日を含む期間についても365日の割合とする。)で計算した額(100円未満の端数があるとき、又は100円未満であるときは、その端数額又はその全額を切り捨てる。)の支払を発注者に請求することができる。
(契約不適合責任期間等)
第 48条の4 発注者は、引き渡された工事目的物に関し、第30条第6項又は第7項(第39条においてこれらの規定を準用する場合を含む。)の規定による引渡し(以下この条において単に「引渡し」という。)を受けた日から2年以内でなければ、契約不適合を理由とした履行の追完の請求、損害賠償の請求又は契約の解除(以下この条において「請求等」という。)をすることができない。
2 前項の規定にかかわらず、設備機器本体等の契約不適合については、引渡しの時、発注者が検査して直ちにその履行の追完を請求しなければ、受注者は、その責任を負わない。ただし、当該検査において一般的な注意の下で発見できなかった契約不適合については、引渡しを受けた日から1年が経過する日まで請求等をすることができる。
3 前2項の請求等は、具体的な契約不適合の内容、請求する損害額の算定の根拠等当該請求等の根拠を示して、発注者の契約不適合責任を問う意思を明確に告げることで行う。
4 発注者が第1項又は第2項に規定する契約不適合に係る請求等が可能な期間(以下この項及び第7項において「契約不適合責任期間」という。)の内に契約不適合を知り、その旨を受注者に通知した場合において、発注者が通知から1年が経過する日までに前項に規定する方法による請求等をしたときは、契約不適合責任期間の内に請求等をしたものとみなす。
5 発注者は、第1項又は第2項の請求等を行ったときは、当該請求等の根拠となる契約不適合に関し、民法の消滅時効の範囲で、当該請求等以外に必要と認められる請求等をすることができる。
6 前各項の規定は、契約不適合が受注者の故意又は重過失により生じたものであるときには適用せず、契約不適合に関する受注者の責任については、民法の定めるところによる。
7 民法第637条第1項の規定は、契約不適合責任期間については適用しない。
8 発注者は、工事目的物の引渡しの際に契約不適合があることを知ったときは、第1項の規定にかかわらず、その旨を直ちに受注者に通知しなければ、当該契約不適合に関する請求等をすることはできない。ただし、受注者がその契約不適合があることを知っていたときは、この限りでない。
9 引き渡された工事目的物の契約不適合が支給材料の性質又は発注者若しくは監督員の指図により生じたものであるときは、発注者は当該契約不適合を理由として、請求等をすることができない。ただし、受注者がその材料又は指図の不適当であることを知りながらこれを通知しなかったときは、この限りでない。
(賠償の予定)
第 49 条 受注者は、この契約に関して第45条の2第1項各号のいずれかに該当するときは、発注者が契約を解除するか否かを問わず、かつ、発注者が損害の発生及び損害額を立証することを要するこ
となく、賠償金として、契約金額の10分の1に相当する額を発注者の指定する期間内に支払わなければならない。工事が完了した後においても、同様とする。ただし、次の各号に掲げる場合は、この限りでない。
(1) 第45条の2第1項第1号及び第2号のうち、排除措置命令又は納付命令の対象となる行為が、独占禁止法第2条第9項に基づく不公正な取引方法(昭和57年6月18日公正取引委員会告示第
15号)第6項で規定する不当廉売の場合。
(2) 前号に掲げるもののほか、第45条の2第1項第1号及び第2号のうち、排除措置命令又は納付命令の対象となる行為が発注者に金銭的な損害を生じさせるものでないことを受注者が立証し、発注者において特に認める場合。
(3) 第45条の2第1項第3号のうち、受注者が刑法第198条の規定による刑が確定した場合(受注者について刑法第96条の6の規定にも該当するとして刑が確定した場合を除く。)。
2 前項に規定する場合において、受注者が共同企業体であり、既に解散しているときは、発注者は、受注者の代表であった者又は構成員であった者に賠償金の支払いを請求することができる。この場合において、受注者の代表者であった者及び構成員であった者は、共同連帯して同項の額を発注者に支払わなければならない。
3 第1項の規定は、発注者に生じた実際の損害額が同項に規定する賠償金の額を超える場合においては、超過分につき賠償を請求することを妨げるものではない。
(相 殺)
第 50 条 発注者は、受注者に対して有する金銭債権があるときは、受注者が発注者に対して有する保証金返還請求権、契約代金請求権及びその他の債権と相殺し、不足があるときは、これを追徴する。
(紛争の解決)
第 51 条 この契約書の各条項において発注者と受注者とが協議して定めるものにつき協議が整わない場合又は協議が整わなかったときに発注者が定めたものに受注者が不服がある場合その他この契約に関して発注者と受注者との間に紛争を生じた場合には、発注者及び受注者は、建設業法に定める建設工事紛争審査会(以下「審査会」という。)のあっせん又は調停によりその解決を図る。
2 前項の規定にかかわらず、現場代理人の職務の執行に関する紛争、主任技術者(監理技術者)、専門技術者その他受注者が工事を施工するために使用している下請負人、労働者等の工事の施工又は管理に関する紛争及び監督員の職務の執行に関する紛争については、第11条第3項若しくは第11条5項の規定により、発注者若しくは受注者が決定を行った後又は発注者若しくは受注者が遅滞なく決定を行わない場合でなければ、発注者及び受注者は、前項のあっせん又は調停を請求することができない。
(仲 裁)
第 52 条 発注者及び受注者は、前条の審査会のあっせん又は調停により紛争を解決する見込みがないと認めたときは、前条の規定にかかわらず、発注者と受注者とが合意のうえ、審査会の仲裁に付し、その仲裁判断に服する。
(情報通信の技術を利用する方法)
第 53 条 この契約書において書面により行われなければならないこととされている催告、請求、通知、報告、申出、承諾及び解除は、建設業法その他の法令に違反しない限りにおいて、電子情報処理組織を使用する方法その他の情報通信の技術を利用する方法を用いて行うことができる。ただし、当該方法は書面の交付に準ずるものでなければならない。
(電磁的記録の廃棄)
第 54 条 発注者は、この契約が締結された日が属する年度の末日から10年を経過した後は、この契約に係る足立区契約事務規則(昭和39年足立区規則第5号)第42条第4項の電磁的記録を廃棄することができる。
(補 則)
第 55 条 この契約書に定めのない事項については、必要に応じて発注者と受注者とが協議して定める。
(20240408)