Contract
日本テントシート工業組合連合会
テントシート工事標準請負契約約款 (2020 年版)
(適用範囲)
この約款は、シートを材料として用いる民間工事の請負契約についての標準約款である。加えて、発注者及び受注者が同意する場合においては、シートを材料として用いるその
他の請負契約において準用されることを妨げない。
(総則)
第一条 発注者及び受注者は、互いに協力し、xxを守り、この約款(契約書を含む。 以下同じ)に基づき、設計図書(添付の設計図、仕様書、現場説明書などを含む。以下同じ)に従い、この契約(この約款及び設計図書を内容とする請負契約をいい、その内容を変更した場合も含む。以下同じ)を履行するものとする。
2 受注者は、この契約に基づき、工事を完成し、この契約の目的物を発注者に引き渡すものとし、発注者は、その請負代金の支払いを完了する。
(委任又は下請負)
第二条 受注者は、工事の任意の部分を第三者に委任し、又は請け負わせることができる。この場合、発注者は、受注者が第三者に委任し、又は請け負わせる工事の範囲、及び当該第三者の属性について報告を求め、不適当と認めるときは変更を求めることができる。
(権利義務の承継等)
第三条 発注者及び受注者は、相手方の書面による承諾を得なければ、この契約により生ずる権利又は義務を第三者に譲渡し、又は承継させることはできない。
2 発注者及び受注者は、相手方の書面による承諾を得なければ、この契約の目的物並びに検査済の工事材料を第三者に譲渡し、若しくは貸与し、又は抵当権その他の担保の目的に供することはできない。
(設計、施工条件の疑義、相違等)
第四条 発注者は、工事用地に地中障害物が存在するなど施工の支障となるものがある場合、事前に受注者に通知する。この通知がない場合には、受注者は、施工によって地中障害物を損壊したとしても、その責を負わない。
2 受注者は、次の各号のいずれかに該当することを発見したときは、直ちに発注者に通知する。
一 図面若しくは仕様書の表示が明確でないこと又は図面と仕様書に矛盾、誤謬又は脱漏があること。
二 図面若しくは仕様書の表示と実際の工事現場の状態が相違すること。
三 工事現場において、土壌汚染、地中障害物の発見、埋蔵文化財の発掘その他施工の支障となる予期することのできない事態が発生したこと。
3 受注者は、図面若しくは仕様書によって施工することが適当でないと認めたときは、直ちに発注者に通知する。
4 発注者は、前二項の通知を受けたとき又は自ら第二項各号のいずれかに該当することを発見したときは、直ちに書面をもって受注者に対して指示する。
5 前項の場合、発注者又は受注者は、相手方に対し、必要と認められる、工期の変更又は請負代金額の変更を求めることができる。
(損害の防止)
第五条 受注者は、工事の完成引渡しまで、自己の費用で、この契約の目的物、工事材料又は近接する工作物若しくは第三者に対する損害の防止のため、工事と環境に相応した必要な処置をする。
2 この契約の目的物に近接する工作物の保護又はこれに関連する処置で、発注者及び受注者が協議して、前項の処置の範囲を超え、請負代金額に含むことが適当でないと認めたものの費用は発注者の負担とする。
3 受注者は、災害防止などのため特に必要と認めたときは、あらかじめ発注者の意見を求めて臨機の処置を取る。ただし、急を要するときは、処置をした後、発注者に通知する。
4 発注者が必要と認めて臨機の処置を求めたときは、受注者は、直ちにこれに応ずる。
5 前二項の処置に要した費用のうち、請負代金額に含むことが適当でないと認められるものの費用は発注者の負担とする。
(第三者の損害)
第六条 施工のため、第三者の生命、身体に危害を及ぼし、財産などに損害を与えたとき又は第三者との間に紛争を生じたときは、受注者はその処理解決をおこなう。ただし、発注者の責めに帰すべき事由によるときは、この限りでない。
2 前項に要した費用は受注者の負担とする。ただし、発注者の責めに帰すべき事由によって生じたときは、その費用は発注者の負担とする。
(施工一般の損害)
第七条 工事の完成引渡しまでに、この契約の目的物、工事材料、支給材料、貸与品その他施工一般について生じた損害は、受注者の負担とする。
2 前項の損害のうち、次の各号のいずれかの場合に生じたものは、発注者の負担とし、受注者は、発注者に対してその理由を明示して必要と認められる工期の延長を求めることができる。
一 発注者の都合によって、受注者が着手期日までに工事に着手できなかったとき又は発注者が工事を繰延べ若しくは中止したとき。
二 前払又は部分払が遅れたため、受注者が工事に着手せず、又は工事を中止したとき。
三 その他発注者の責めに帰すべき事由によるとき。
(危険負担)
第八条 天災その他自然的又は人為的な事象であって、発注者又は受注者のいずれにもその責めを帰することのできない事由(以下「不可抗力」という。)によって、工事の出来形部分、工事仮設物、又は工事現場に搬入した工事材料について損害が生じたときは、受注者は、事実発生後速やかにその状況を発注者に通知する。
2 前項の損害について、発注者及び受注者が協議して重大なものと認め、かつ、受注者が善良な管理者としての注意をしたと認められるものは、発注者がこれを負担する。
(完成及び検査)
第九条 受注者は、工事を完了したときは、発注者に対し、検査を求める。
2 検査に合格しないときは、受注者は、工期内又は発注者の指定する期間内に、修補し、又は改造して発注者に対し、検査を求める。
3 受注者は、発注者の指定する期間内に、仮設物の取払い、後片付け等の処置を行う。ただし、処置の方法について発注者の指示があるときは、当該指示に従って処置する。
(請求、支払い)
第十条 工事完成後、検査に合格したとき、受注者は発注者に請負代金の支払いを求め、発注者は契約の目的物の引渡しを受けると同時に、受注者に請負代金の支払いを完了する。
2 発注者が前項の引渡しを受けることを拒み、又は引渡しを受けることができない場合において、受注者は、引渡しを申し出たときからその引渡しをするまで、自己の財産に対するのと同一の注意をもって、その物を保存すれば足りる。
3 前項の場合において、受注者が自己の財産に対するのと同一の注意をもって管理したにもかかわらずこの契約の目的物に生じた損害及び受注者が管理のために特に要した費用は、発注者の負担とする。
(工事の変更)
第十一条 発注者は、必要によって工事を追加し、若しくは変更し、又は工事を一時中止することができる。
2 前項の場合において、請負代金額又は工期を変更する必要があるときは、発注者と受注者とが協議して定める。
(工期の変更)
第十二条 不可抗力によるとき又は正当な理由があるとき(強風、降雨等があり、受注者が安全上施工できないと判断したときを含む。)は、受注者は、速やかにその事由を示して、
発注者に工期の延長を求めることができる。この場合において、工期の延長日数は、受注者及び発注者が協議して定める。
(請負代金の変更)
第十三条 発注者又は受注者は、次の各号のいずれかに該当するときは、相手方に対して、その理由を明示して必要と認められる請負代金額の変更を求めることができる。
一 工事の追加又は変更があったとき。二 工期の変更があったとき。
三 契約期間内に予期することのできない法令の制定若しくは改廃又は経済事情の激変等によって、請負代金額が明らかに適当でないと認められるとき。
四 中止した工事又は災害を受けた工事を続行する場合において、請負代金額が明らかに適当でないと認められるとき。
2 請負代金額を変更するときは、発注者及び受注者が協議してその金額を定める。
(契約不適合責任)
第十四条 発注者は、引き渡された工事目的物が種類又は品質に関して契約の内容に適合しないもの(以下「契約不適合」という。)であるときは、受注者に対し、書面をもって、目的物の修補又は代替物の引渡しによる履行の追完を請求することができる。ただし、その履行の追完に過分の費用を要するときは、発注者は履行の追完を請求することができない。
2 前項の場合において、受注者は、契約の内容に照らして発注者に不相当な負担を課するものでないときは、発注者が請求した方法と異なる方法による履行の追完をすることができる。
3 第一項の場合において、発注者が相当の期間を定めて、書面をもって、履行の追完を催告し、その期間内に履行の追完がないときは、発注者は、その不適合の程度に応じて、書面をもって、代金の減額を請求することができる。ただし、次の各号のいずれかに該当する場合は、催告をすることなく、直ちに代金の減額を請求することができる。
一 履行の追完が不能であるとき。
二 受注者が履行の追完を拒絶する意思を明確に表示したとき。
三 工事目的物の性質又は当事者の意思表示により、特定の日時又は一定の期間内に履行しなければ契約をした目的を達することができない場合において、受注者が履行の追完をしないでその時期を経過したとき。
四 前三号に掲げる場合のほか、発注者がこの項の規定による催告をしても履行の追完を受ける見込みがないことが明らかであるとき。
(発注者の中止権及び任意解除権)
第十五条 発注者は、工事が完成するまでの間は、必要があると認めるときは、書面をも
って受注者に通知して工事を中止し、又はこの契約を解除することができる。この場合において、発注者はこれによって生じる受注者の損害を賠償する。
(発注者の中止権及び催告による解除権)
第十六条 発注者は、次の各号のいずれかに該当するときは、書面をもって受注者に通知して工事を中止し、又は相当の期間を定めてその履行の催告を書面をもって受注者に通知しその期間内に履行がないときはこの契約を解除することができる。ただし、その期間を経過した時における債務の不履行がこの契約及び取引上の社会通念に照らして軽微であるときは、この限りでない。
一 受注者が正当な理由なく、着手期日を過ぎても工事に着手しないとき。
二 工事が正当な理由なく工程表より著しく遅れ、工期内又は期限後相当期間内に、受注者が工事を完成する見込みがないと認められるとき。
三 受注者が正当な理由なく、第十四条第一項の履行の追完を行わないとき。四 前各号に掲げる場合のほか、受注者がこの契約に違反したとき。
(発注者の催告によらない解除権)
第十七条 発注者は、次の各号のいずれかに該当するときは、書面をもって受注者に通知し、直ちにこの契約を解除することができる。
一 受注者が第三条第一項の規定に違反して、請負代金債権を譲渡したとき。
二 受注者がこの契約の目的物を完成させることができないことが明らかであるとき。
三 受注者がこの契約の目的物の完成の債務の履行を拒絶する意思を明確に表示したとき。
四 受注者の債務の一部の履行が不能である場合又は受注者がその債務の一部の履行を拒絶する意思を明確に表示した場合において、残存する部分のみでは契約をした目的を達することができないとき。
五 契約の目的物の性質や当事者の意思表示により、特定の日時又は一定の期間内に履行しなければ契約をした目的を達することができない場合において、受注者が履行をしないでその時期を経過したとき。
六 前各号に掲げる場合のほか、受注者がその債務の履行をせず、発注者が前条の催告をしても契約をした目的を達するのに足りる履行がされる見込みがないことが明らかであるとき。
(発注者の責めに帰すべき事由による場合の解除の制限)
第十八条 第十六条第一項各号又は前条第一項各号に定める場合が発注者の責めに帰すべき事由によるものであるときは、発注者は、第十六条第一項及び前条第一項の規定による契約の解除をすることができない。
(受注者の中止権)
第十九条 受注者は、発注者が前払又は部分払の支払いを遅滞し、相当の期間を定めて、書面をもって催告してもなお支払いをしないときは、発注者に書面をもって通知し、工事を中止することができる。
(受注者の催告による解除権)
第二十条 受注者は、発注者がこの契約に違反したときは、相当の期間を定めてその履行の催告をし、その期間内に履行がないときは、この契約を解除することができる。ただし、その期間を経過した時における債務の不履行がこの契約及び取引上の社会通念に照らして軽微であるときは、この限りでない。
(受注者の催告によらない解除権)
第二十一条 受注者は、次の各号のいずれかに該当するときは、書面をもって発注者に通知し、直ちにこの契約を解除することができる。
一 発注者が請負代金の支払い能力を欠くと認められるとき。
(受注者の責めに帰すべき事由による場合の解除の制限)
第二十二条 第二十条又は前条第一項各号に定める場合が受注者の責めに帰すべき事由によるものであるときは、受注者は、第二十条又は前条第一項の規定による契約の解除をすることができない。
(解除に伴う措置)
第二十三条 工事の完成前にこの契約が解除されたときは、発注者が工事の出来形部分並びに検査済の工事材料及び建築設備の機器(有償支給材料を含む。)を引き受けるものとし、受ける利益の割合に応じて受注者に請負代金を支払わなければならない。
2 前項の場合において、前払金額に残額のあるときは、受注者はその残額を発注者に返さなければならない。
(発注者の損害賠償請求等)
第二十四条 発注者は、次の各号のいずれかに該当する場合は、これによって生じた損害の賠償を請求することができる。ただし、当該各号に定める場合がこの契約及び取引上の社会通念に照らして受注者の責めに帰することができない事由によるものであるときは、この限りでない。
一 受注者が契約期間内にこの契約の目的物を引き渡すことができないとき。
二 この工事目的物に契約不適合があるとき。
三 第十六条第一項又は第十七条第一項の規定によりこの契約が解除されたとき。四 前三号に掲げる場合のほか、受注者が債務の本旨に従った履行をしないとき
又は債務の履行が不能であるとき。
2 受注者が履行の遅滞にあるときは、この契約の目的物に生じた損害は受注者の負担とし、不可抗力の理由によってその責めを免れることはできない。
3 第一項第二号による損害賠償の範囲は、契約の目的物の修補・修繕費用を限度とし、目的物内の収納物、設備等に生じた損害、補修・修繕のために必要な目的物内の収容物、設備等の移動費用及び一時保管費用は含まないものとする。
(受注者の損害賠償請求等)
第二十五条 受注者は、次の各号のいずれかに該当する場合は、これによって生じた損害の賠償を請求することが出来る。ただし、当該各号に定める場合がこの契約及び取引上の社会通念に照らして発注者の責めに帰することができない事由によるものであるときは、この限りでない。
一 第十九条第一項の規定によりこの工事が中止されたとき。
二 第二十条又は第二十一条第一項の規定によりこの契約が解除されたとき。
三 前二号に掲げる場合のほか、発注者が債務の本旨に従った履行をしないとき又は債務の履行が不能であるとき。
2 発注者が第十条第二項の遅滞にあるときは、受注者は、この契約の目的物の引渡しを拒むことができる。
3 第十条第二項及び第三項の規定は、前項の規定による引渡しの拒否について準用する。
(契約不適合責任期間等)
第二十六条 発注者は、引き渡された工事目的物に関し、第十条第一項に規定する引渡し
(以下この条において単に「引渡し」という。)を受けた日から一年以内でなければ、契約不適合を理由とした履行の追完の請求、損害賠償の請求、代金の減額の請求又は契約の解除(以下この条において「請求等」という。)をすることができない。
2 前項の規定にかかわらず、クレーン、シャッター、ラックなど附属設備の本体、シート、鉄骨の仕上げ(塗装色を含む)、照明の配置等の契約不適合については、引渡しの時、発注者が検査して直ちにその履行の追完を請求しなければ、受注者は、その責任を負わない。ただし、当該検査において一般的な注意の下で発見できなかった契約不適合については、引渡しを受けた日から一年が経過する日まで請求等をすることができる。
3 前二項の請求等は、具体的な契約不適合の内容、請求する損害額の算定の根拠等当該請求等の根拠を示して、受注者の契約不適合責任を問う意思を明確に告げることで行う。
4 引き渡された工事目的物の契約不適合が発注者の責めに帰すべき事由によるとき(発注者の指図による場合、発注者からの支給材料、貸与品による場合、又は発注者の指定し
た材料の性質若しくは指定した施工方法による場合を含む。)は、発注者は当該契約不適合を理由として、請求等をすることができない。ただし、受注者がその材料又は指図の不適当であることを知りながらこれを通知しなかったときは、この限りでない。
(紛争の解決)
第二十七条 この契約について発注者と受注者との間に紛争が生じたときは、発注者及び受注者が合意の上あらかじめ定めた調停人にその解決を依頼するか、又は建設業法による建設工事紛争審査会(以下「審査会」という。)のあっせん又は調停によってその解決を図る。
(反社会的勢力の排除)
第二十八条 発注者及び受注者は、個人であると団体であるとを問わず、自ら(役員、実質的に経営権を有する者、重要な地位の使用人又はこれに準ずる顧問等を含む)が、暴力団、暴力団員、暴力団関係企業・団体、総会屋、その他の反社会的勢力(以下、総称して
「反社会的勢力」という。)に該当しないこと、またかかる反社会的勢力との関係をもたないことを、表明し保証する。
2 発注者及び受注者は、この契約の履行に関連して、自ら又は第三者をして、下記に該当する行為を行なわないことを、表明し保証する。
一 暴力的な要求行為
二 法的な責任を超えた不当な要求行為
三 詐術、脅迫的な言動をし、又は暴力を用いる行為
四 風説を流布し、偽計を用い、又は威力を用いて相手方の信用を毀損し、又は相手方の業務を妨害する行為
3 発注者及び受注者は、相手方が前各項の表明・保証に反したときは、この契約の解除ができるものとし、これによって発生した損害の賠償を相手方に請求できるものとする。
(補則)
第二十九条 この契約に定めのない事項については、必要に応じて発注者及び受注者が協議して定める。