注4:清掃工場の排熱、CCU(二酸化炭素分離回収装置)の二酸化炭素、高品質バイオ燃料(HiBD)など
佐賀市地域エネルギー循環モデル構築検討業務委託 仕様書
令和5年4月
佐賀市
第1章 総 x
x仕様書は、佐賀市(以下、「本市」という。)が発注する「佐賀市地域エネルギー循環モデル構築検討業務」(以下、「本業務」という。)に適用する。
1 業務の目的
本市では、脱炭素社会の実現に向けて、2050年までに本市の二酸化炭素排出量を実質ゼロとする「ゼロカーボンシティさがし」を表明し、電力の地産地消、再生可能エネルギーの普及等を推進しながら、環境と産業の統合的向上を目指している。
現在、佐賀市清掃工場(廃棄物発電)の余剰電力を市内の小中学校や公民館等へ供給する電力の地産地消事業を行っているが、今後は地産地消率の更なる向上など効果的な活用を図っていく必要がある。
また、地域内の再生可能エネルギーを地域内で消費することにより、脱炭素化と域内資金・資源の好循環を生み出すことも重要な課題となっている。
このような状況の中、「ゼロカーボンシティさがし」に資する仕組みとして「エネルギー事業体(地域新電力会社)」の設立を検討しており、本業務では、エネルギー事業体の実現可能性について、多角的に調査し、客観的かつ現実的な評価・検討を行うことを目的とする。
2 業務の概要
本業務の概要は、以下のとおりとする。
1)業 務 名 :佐賀市エネルギー循環モデル構築検討業務
2)実 施 場 所 :佐賀県佐賀市
3)実 施 期 間 : <着 手> 契約締結日
<完 了> 令和6年2月16日
3 業務内容
本仕様書で定める業務の範囲は次のとおりとする。
1 電力需給の現状調査、整理及び分析
事業スキーム作成の前段となる電力供給量、需要量、需給バランスの現状について調査し、内容の整理、分析を行う。
(1)清掃工場ごみ発電のポテンシャル
供給可能量(余剰電力量)、供給量(日週月単位)の特性把握、将来予測など
(2)市内再生可能エネルギーのポテンシャル(賦存量、調達可能量、将来予測)
xxx発電を主とした市内の再生可能エネルギーの賦存量、供給電源としての調達可能量、将来予測など
(3)需要量の把握
本市が所有する施設(公共施設)を需要場所と想定した需要電力量、需要量(日週月単位)の特性、将来予測など
現在の契約状況は下表のとおり。
公共施設種類 | 高圧受電施設 | 低圧受電施設 | 特別高圧施設 |
市役所庁舎等 | 24 | 4 | 0 |
小学校 | 35 | 0 | 0 |
中学校 | 16 | 0 | 0 |
公民館 | 2 | 28 | 0 |
保育所・幼稚園 | 1 | 4 | 0 |
清掃工場 | 0 | 0 | 1 |
合計 | 78 | 36 | 1 |
(4)需給バランスの状況
(1)~(3)を踏まえた整理、地産地消率(注 1)及び自給率(注2)の特性など
注 1)地産地消率:対象需要場所において消費された清掃工場の余剰電力量÷清掃工場の余剰電力総量注2)自給率:対象需要場所において消費された清掃工場の余剰電力量÷対象需要場所における消費電
力総量
2 地域エネルギー事業体の実現可能性調査
1の結果を受け、小売電気事業を中心としたエネルギー事業体の実現可能性について調査する。
(1)需給シュミュレーションの実施
電力の需要と供給のバランスの把握、アンバランス改善策の検討、評価
(2)事業性評価
収支シュミュレーション(供給量や需要量の変動等を考慮して複数パターンで実施)、キャッシュフロー計算書、波及効果の簡易試算
(3)事業スキームの検討
市域内リソース(電源、資源、事業者、人材等)の最大活用と進展を基本とした検討
(4)事業リスクの抽出、分析、評価
事業化する上でリスク要因を分析、対策の検討、損益分岐点の条件整理等
(5)先行事例の把握
事業特性や経営状況等を踏まえた類型の整理等
3 地域エネルギー事業体設立案の可能性検討
2の結果を受け、小売り電気事業を行うエネルギー事業体の設立可能性の検討を行う。
(1)事業方針
地域エネルギー事業体の目指すべき姿、実現するための具体的な方策
(2)参画事業者(本市及び市内企業等)の関与方法、出資比率、運営体制、事業に関心ある市内企業等との役割分担、人材確保、必要なスキル等
(3)資金調達、事業収支計画
地域エネルギー事業体の設立・運営に必要な資金及び調達方法の検討
(4)設立に向けたスケジュール
設立の判断、参画事業者間の協議、設立に係る関係法令上の手続き・制約条件等の整理
(5)事業展開のロードマップ
電源調達・需要先の拡大、関連事業(注3)やその他の資源エネルギー(注4)の活用を意識した成長シナリオの検討、作成
注 3:xxx発電のPPAモデル、VPP(バーチャルパワープラント)、環境価値取引など
注4:清掃工場の排熱、CCU(二酸化炭素分離回収装置)の二酸化炭素、高品質バイオ燃料(HiBD)など
4 マスタープランの作成検討
本業務は総務省「分散型エネルギーインフラプロジェクト(マスタープラン策定事業)」の活用を想定していることから、マスタープランの作成についても考慮すること。
5 協議・打合せ
本市担当部署と適宜打合せを行い、業務の進捗報告や情報共有、合意形成を図ること。なお、打合せ回数は毎月2回(web と対面の各1回/月)を基本とする。
6 業務管理
本業務の遂行に当たっては、業務工程表に沿って遅滞なく業務を行うこと。 なお、業務工程に変更が生じた場合は、本市、受注者の協議の上実施すること。
7 提出書類
本仕様書に基づき本市の指定する期日までに、次に示す書類を提出すること(様式は任意)。
1)業務の実施体制
2)業務の実施内容
3)業務のスケジュール
4)その他本市の指示する必要書類
8 成果品(報告書)
1)受注者は業務完了に際し、次の成果品を提出するものとする。
なお、成果品の作成に当たっては、事前に本市と十分協議のうえ、作成するものとする。
① 佐賀市地域エネルギー循環モデル構築検討業務報告書 A4版(カラー) 50 部
② 佐賀市地域エネルギー循環モデル構築検討業務概要版報告書 (カラー) 200 部
③ 上記計画書を収納した電子データ (PDF形式、ほか) 一式
2)受注者は、9月末までに中間報告書を提出すること。
3)成果品(報告書)は、すべて発注者の所有とし、受注者は、本市の承諾を得ないで業務の成果を他に公表、貸与又は使用してはならない。
9 雑 則 等
1)適用範囲
本仕様書は、本業務の基本的内容について定めるもので、業務の遂行にあたっては、本市の求める基本的な計画内容、範囲を十分に把握した上で、必要かつ十分な業務内容とす
る。
2)疑 義
受注者は、本仕様書に不備や疑義が生じた場合は、本市と十分協議のうえ、遺漏のないよう業務を行うこと。
3)実施方法
業務に先立ち提出する計画書および業務スケジュールに沿って、遅滞なく業務を遂行すること。
本市との連絡を密にし、不明な点については適時指示を求めること。
4)完 了
本業務は、本市の検査合格をもって完了とする。
10 法令等の遵守
本業務の実施にあたっては、「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」、その他関係法令等を遵守するものとする。
11 機密の保持
本業務の遂行において、知り得た情報・秘密を他人に漏らしてはならない。また、中立性を厳守し、本業務の実施に努めなければならない。
12 資料の貸し出し
1)本業務実施のために必要な図書、関係資料等は受注者の要望があれば、本市が受注者に貸与する。
2)受注者は資料等の貸与を受ける場合は、そのリスト等を作成し、本市の承認を受けること。また、貸与された資料は業務完了時に全て返却すること。
13 報 告
業務実施期間中、受注者は本市から業務進捗状況の報告を求められた時は、速やかに報告すること。