イギリスは,長い間,国家の労使関係に対する消極的介入または集団的自由放任(コレクティヴ·レッセフェール)にもとづくシステムによって特徴づけられてきた。このこと は,事実上,労働条件の規整が労働協約に補強された個別契約によって果たされてきたということを意味する。ところが,団体交渉の衰退とともに,労働立法がその空白領域を 埋めるようになってきた。但し,この二つの現象は必ずしも関連し合うものではない。労働立法の歴史は 19 世紀半ばの工場法にまで遡るが,保守党政権(1979-97...