AV出演被害防止・救済のための取組の概要
資料1
AV出演被害防止・救済のための取組の概要
1. AV出演被害防止・救済法のルールによる被害の防止
<基本原則>(3条)
• AV事業者等は、AV出演被害の重大性を自覚し、性をめぐる個人の尊厳が重んぜられるようにすること
• 撮影における性交等の強要は禁止
• 公序良俗に反する契約は無効
• 売春等は許容されない
<出演契約等の特則> ※主なもの
[締結に関する特則] (4~6条)
• 出演契約は、AVごとに締結しなければならない
• 契約書等の交付義務(罰則で担保)
[履行等に関する特則] (7~9条)
• 撮影まで1か月、公表まで4か月の時期の規制
• 意に反する性行為は拒絶できる
• 出演者の安全等に配慮する義務
• 事前確認の機会の付与
[無効、取消、解除等に関する特則] (10~14条)
• AVを特定しないで出演義務を課す契約条項 ⇒無効
• 契約書等交付義務、説明義務違反 ⇒契約を取り消せる
• 履行等に関する特則(7条~9条)違反 ⇒無催告で解除できる
• 任意解除(全てのAV出演契約⇒公表後1年間(施行後2年間は「2年間」)、無条件で解除可能)
※ 任意解除を妨げる不実告知又は威迫・困惑行為の禁止
(罰則で担保)
<差止請求権> (15条)
• 出演者は、出演契約に基づくことなくAVの制作公表がされた、又は出演契約の取 消し・解除をしたときは、制作公表の停止・予防及びこれに必要な行為を請求できる
<プロバイダ責任制限法の特例> (16条)
• プロバイダ等から情報発信者に対する削除同意照会期間を通常の
「7日」から「2日」に短縮
⇒ 法の趣旨・内容の周知(ウェブサイトに法の解説、任意解除・差止請求等の通知の様式、英語訳等を掲載等)【内閣府】
⇒ 施行後の状況把握(調査、支援団体等からの聞き取り)【内閣府】
<教育・啓発> (19条)
⇒ 被害の未然防止のための教育・啓発活動を実施
・ SNSの活用等による情報発信
・ 政府広報の活用(バナー広告、啓発動画等)
・ 若年層の性暴力被害予防月間の実施 等 【内閣府】
<出演者等からの相談体制の整備> (17・18条)
⇒ 性犯罪・性暴力被害者のためのワンストップ支援センター(全ての都道府県が設置)を相談機関と位置付け、出演者等からの相談を受ける体制を整備
(相談員等への説明会の開催、交付金による支援等、#8891の運用等)
⇒ 相談内容に応じて、法的支援、同行支援、情報提供等の支援を行った 【内閣府】
※施行後1年4カ月の相談件数 285件
2. 相談体制の整備・充実 3.被害を防ぐための広報・啓発
(その他の相談先)
〇 性暴力に関するSNS相談 ・ Curetime(キュアタイム)【内閣府】
〇 プロバイダ等への削除請求等に関する相談先
・ 違法・有害情報相談センター 【総務省】 ・ 人権相談(法務局) 【法務省】
4.厳正な取締りの推進
啓発動画 バナー広告
AV出演被害に対し、各種法令の適用を視野に入れた取締りを推進するよう通達し、各都道府県警察において、AV出演被害防止・救済法の罰則規定の適用も含め、厳正な取締りが推進されている 【警察庁】
<AV出演被害の防止・被害者保護に係るその他の関係法令>
民法、プロバイダ責任制限法、刑法、職業安定法、労働者派遣法、労働基準法、私事性的画像被害防止法、売春防止法、著作権法、児童福祉法、児童ポルノ禁止法、風営適正化法
別添 参考資料
AV出演被害に関するワンストップ支援センターへの相談状況
0
「若年女性の性暴力被害等に関するインターネット調査」報告書<概要> AV出演被害防止・救済法の施行後の状況について(1) AV出演被害防止・救済法の施行後の状況について(2)
別添1
AV出演被害に関するワンストップ支援センターへの相談状況
1 集計期間
令和4年7月~令和5年10月
(AV出演被害防止・救済法施行後の1年4か月間注)
2 相談件数
285件(合計)
ワンストップ支援センターは全ての都道府県
に設置。うち、16都道府県で相談あり。
(相談者について)
・相談者の年代は20代が最も多く、6割を占めた。その他の年代からも幅広く相談があった。
・相談者の性別は女性が約8割、男性が約2割であった。
(相談内容について)
・法の施行日前(令和4年6月22日以前)に締結された 契約に関する相談が116件、法施行後(令和4年6月 23日以降)に締結された契約に関する相談が126件であった。(令和5年7月以降に限れば、8割以上が
法施行後に締結された契約に関する相談)
・出演したAVの公表後の相談が184件、公表前の相談
が43件であった。
3
支援の内容について
※複数回答、10件以上のもの
(法律等に関する支援)
・法的支援(弁護士相談、弁護士紹介等)が提供できることについて 説明した:83件
・差止請求等について説明した:59件
・任意解除について説明した:45
・法的支援(弁護士相談、弁護士紹介等)を行うことになった:30件
・弁護士に法律相談をした:15件
・任意解除の通知の書き方について説明した:14件
・出演に係るリスクについて説明した:13件
(その他の支援)
・精神的な不調や問題に係る支援、情報提供を行った:50件
・身体の不調や問題に係る支援、情報提供を行った:18件
・家族や人間関係に関する問題に対する支援、情報提供を行った:17件
・経済的な問題に係る支援、情報提供を行った:14件
注)都道府県等から報告のあった件数について、令和4年7月1日~令和5年10月31日までの1年4か月間を対象として、令和5年1月末時点で取りまとめたものである。
「若年女性の性暴力被害等に関するインターネット調査」別添2
報告書<概要>
令和4年度
内閣府委託調査
近年、モデルやアイドル等の勧誘を装った声かけ等をきっかけに若年層の女性が性的な被害を受ける問題や、AV出演被害といった問題が生じていることをふまえ、若年層の性暴力被害の状況を把握し、施策を検討することを目的にオンラインアンケートを実施した。
1. 実施概要
・15歳(中学生を除く)から39歳までの女性(事前調査(スクリーニング調査):20,000人、本調査:2,678人)に対するインターネット調査
※本調査対象者:事前調査において、モデル・アイドル等の勧誘をされ、これに応じた、又は募集広告に応募した経験があると回答した者
※本調査の結果は、任意で調査に協力した回答者の回答内容に基づいた結果であり、疫学的遭遇率を示すものではない。
・調査実施時期:令和5年2月
2.調査結果の概要
1. 勧誘・応募等の状況(事前調査(スクリーニング調査))
○事前調査回答者20,000人のうち、19.3%(3,850人/約5人に1人)がモデル・アイドル等の勧誘をされたことがあり(図1)、そのうち25.1%(968人/約4人に1人)が勧誘に応じている(図2)。
○モデル・アイドル等の募集広告を見て応募した人は10.4%(2,075人/約10人に1人)(図3)。
図1. モデル・アイドル等の勧誘の有無
(報告書図1-1)
図2. 勧誘をされた際の対応
(報告書図1-2-1)
図3. モデル・アイドル等のアルバイトの募集広告を見て応募した経験(報告書図1-3)
ここ半年以内
にある
5.4%
ここ半年以内で
はないが、ある
13.9%
(n=20,000)
ない
80.8%
ある・計
19.3%
ここ半年以内に応じた ここ半年以内ではないが、
ここ半年以内にある
ここ半年以内では
7.6%
応じたことがある
17.6%
4.2%
ないが、ある
6.2%
応募した経験がある・計 10.4%
勧誘に応じたことがある・計
25.1%
応じなかった/断った
74.9%
ない
89.6%
(n=3,850) (n=20,000)
2. 問題や法律の認知度(事前調査(スクリーニング調査) )
○モデル・アイドル等の勧誘やアルバイト等をきっかけに、同意していない性的な行為等の写真や動画の撮影に応じるよう求められるといった問題に ついて、「知っている」と答えた人は22.8%(4,550人/約4人に1人)であった(図4)。
○また、そういった撮影に応じる契約をなかったことにしたり、撮影した動画の公表を差し止めたりできる法律(AV出演被害防止・救済法)につ いて「知っている」と答えた人は11.9%(2,382人/約8人に1人)であった(図5) 。
図4. 問題の認知度(報告書図1-5) 図5. 法律の認知度(報告書図1-6 )
聞いたことはあるが、
内容はよく知らない
26.9%
(n=20,000)
知らない
50.3%
知っている
22.8%
聞いたことはあるが、
内容はよく知らない
24.5%
(n=20,000)
知らない
63.6%
知っている
11.9%
3. 聞いていない・同意していない性的な行為等の要求や撮影の状況(本調査)
○モデル・アイドル等の勧誘に応じた、又は募集広告に応募した経験がある2,575人のうち、聞いていない・同意していない性的な行為等を求 められた経験がある人は、15.6%(402人/約6人に1人)であった(図6)。そのうち27.9%(112人/約4人に1人)が望まないまま、求められた行為を実際に行っており(図7)、これは一般全体(2,575人)の4.3%(約23人に1人)に相当する(図8)。
○また、望まないまま、求められた行為を実際に行った112人のうち、5.4%(6人/約20人に1人)がここ半年以内に経験している。
図6. 聞いていない・同意していない性的な行為等を要求された経験(契約有無不問)(報告書図2-9-1)
ある
一般全体 (2,575)
10代
(515)
年代
別
20代
(1,030)
30代 (1,030)
81.7
18.3
84.8
15.2
88.9
11.1
84.4
15.6
n= 0% 20%
40%
ない
60% 80% 100%
図7. 聞いていない・同意していない性的な行為等を要求された際の対応(契約有無不問)(報告書図2-9-2)
理解・同意したうえで、求められた行為を実際に行ったことがある
望まないまま、求められた行為を実際に行ったことがある
あとから求められた行為は断ったが、事前に聞いていた・同意していた範囲でのみ性的な行為の撮影を行ったことがある
性的な行為の撮影を行ったことはない
n= 0% 20% 40% 60% 80% 100% 行った・計
一般全体 | (402) | 32.1 | 27.9 | 12.9 | 27.1 | ||
年代別 | 10代 | (57) | 28.1 | 29.8 | 12.3 | 29.8 | |
20代 | (157) | 33.1 | 29.3 | 15.3 | 22.3 | ||
30代 | (188) | 32.4 | 26.1 | 11.2 | 30.3 | ||
半年以内経験者 | (36) | 36.1 | 22.2 | 13.9 | 27.8 |
60.0 |
57.9 |
62.4 |
58.5 |
58.3 |
※行った・計:「理解・同意したうえで、求められた行為を実際に行ったことがある」+「望まないまま、求められた行為を実際に行ったことがある」
図8.一般全体における要求・撮影状況(契約有無不問)(報告書図2-11-1)
理解・同意したうえで、求められた行為を実際に行ったことがある
望まないまま、求められた行為を実際に行ったことがある
あとから求められた行為は断ったが、事前に聞いていた・同意していた範囲でのみ性的な行為の撮影を行ったことがある
あとから求められた行為は断り、性的な行為の撮影も行ったことがない
あとから求められたことはないが、事前に聞いていた・同意していた範囲でのみ性的な行為の撮影を行ったことがある
いずれも経験なし
n= 0% 20% 40% 60% 80% 100%
4.3
4.2
2.0
5.0
80.8
3.6
(2,575)
一般全体
○性的な行為等の撮影を行った386人※のうち、「契約書を受け取り、詳細な説明を受けた」人は31.3%(121人/約3人に1人)であった。詳細な説明はなかった人を含めると、契約書を受け取っていた人は59.8%(231人/2人に1人以上)であった(図9)。
※聞いていない・同意していない性的な行為を求められ、実際に行った人及び事前に聞いていた・同意していた範囲で撮影を行った人
図9. 性的な撮影をする前の契約・説明の状況(報告書図2-12)
契約書を受け取り、詳細な説明を受けた
契約書を受け取ったが、詳細な説明はなかった
n= 0% 20% 40% 60% 80% 100%
一般全体 | (386) | |||||
31.3 | 28.5 | 18.9 | 21.2 | |||
半年以内経験者 | (31) | 32.3 | 22.6 | 35.5 | 9.7 | |
契約書は受け取らなかったが、詳細な説明を受けた契約書は受け取らず、詳細な説明もなかった
5. 求められた行為を断れなかった理由(本調査)
○望まないまま、求められた行為を実際に行った人が、求められた行為を断れなかった理由としては、
⚫ 断ってもしつこく要求され、とにかくこの状況を終わりにしたいと
思ったから
(34.8%/39人)
⚫ 断ることができると思わなかったから(30.4%/34人)
⚫ 撮影しても家族や友人・知人に知られることはないと言われたから/思ったから
(25.0%/28人)
が上位にあがる(図10)。
60%
図10. 撮影を断らなかった・断れなかった理由(報告書図2-15)
50.0
一般全体
半年以内経験者
37.5
37.5
37.5
30.4
34.8
20.5
23.2
25.0
25.0
25.0 25.0
17.9
17.0
17.9
18.8
16.1
12.5 12.5
12.5
9.8 12.5
12.5
7.1
- -
言 契 う 興 言 知 撮わ 約 味 わ 人 影れ 上 や が れ に した あ た 知 てか 違 て か ら もら 約 み た ら れ 家金 た か / る 族 が い ら 思 こ や か な と 友 か ど 面 た は 人
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と そ ら い
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言 事わ 務れ 所た なか どら に迷 惑 が か か
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と
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た に
人
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親 画
像
と く も か ら 報 ど 学 を
思 こ し ら ど を と 校 ば
の つた 状 こか 況 くら を 要終 求
わ さり れ
に
う 知 言
ら
な ら わ 会 まる れ れ 社 くの て た な か お か ど
不 り ら に
安
伝
え
複数の人に説得されたか
ら
て ま 出逃 れ 口げ る をら ・ ふれ 押 さな さ がか え れ
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か る 体ら な を
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たか
ら
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40%
20%
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、
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(
(一般全体:n=112)
、
、
)
(半年以内経験者: n=8)
○望まないまま、求められた行為を実際に行った
図11. 望まないまま性的な行為等の撮影を行った人について、相談の有無(報告書図2-16)
80%
人のうち、28.6%(32人/約3人に1人) が性的な行為等の撮影を求められたことにつ
いて相談したことはない状況(図11)。
60%
40%
一般全体 半年以内経験者
62.5
○相談をした人の中では、
⚫ 匿名で相談できるインターネット掲
20%
0%
9.8
-
23.2
25.0
16.1
12.5
26.8
-
25.0
12.5
16.1
8.0
12.5 11.6 12.5 12.5 9.812.5
6.3
-
3.6 4.5
- -
28.6
- -
示板やSNS等
(26.8%/30人)
家 友 交
族 人 際
や ・ 相
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ッ
名 ル
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学 警 日
(
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関 の テ 司
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(
ン 犯 警 的 療
ス 罪 察 な 機
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間 の 談
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⚫ 友人・知人(交際相手を除く)
(23.2%/26人)
に相談する割合が高い(図11)。 (一般全体:n=112) (半年以内経験者: n=8)
7. 相談しなかった・できなかった理由(本調査)
親 知 手 掲 相 イ戚 人 示 談 ト板 で 先
(
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めの
図12.望まないまま性的な行為等の撮影を行った人について、相談しなかった理由(報告書図2-17)
80.0
一般全体
半年以内経験者
59.4 62.5 60.0
60.0
40.0
40.0 40.0
40.0
34.4
20.0
20.018.8
21.9 20.0
12.5
12.5
15.6
9.4
9.4
12.5
3.1
-
分 ど か 説 困 よ 相か こ 明 く 談
ら た す て 分 しな だ か れ は か たか れ ら ば い ら 後
よ る ず のいが 支
の 不 援
か そ 安 の
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ら
分 れ だ 流か を れ
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ら
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た り 友か 人ら 悲 ・
し 知
ま 人せ 等た にり 迷し 惑た を
く
な 学か 校や
た 職か 場ら に知
られた
く
守 プら ラれ イる バか シ心 配 がだ き
ち た んか と
ら
捕 相 仕 事
ま 談 返 業
る し し 者
か た さ 等
も ら れ か
し 自 そ ら
れ 分 う 何
な が で か
い警 怖
と 察 か
思 に
たか
ら
たか
ら
-
当 そな の時 出間 来が 事経 が過 あし
て てし かま らす た で
か に
ら 相
-
-
-
-
3.1
-
相談するのが恥ずかしか
し 自な 分く のて 責は 任い なけのな でい
と 自思 分で
た 何か と
ら か
相 相手 談に しさ てれ もな どい うと せ思 解決
た しか な
ら い
今 相は 談決 に心 行が くつかか どな ういかか 迷ら
てお
り
が 特な にい困か
ら ておら
ず
その
他
た にか 相ら 談し
てよいの
か
相談する必
要
100%
○性的な行為等の撮影を求められたことについて相談しなかった・できなかった理由としては、
⚫ 自分の責任なので、自分で何とかし なくてはいけないと思ったから
(62.5%/20人)
⚫ 相談するのが恥ずかしかったから
(59.4%/19人)
⚫ どこ(だれ)に相談してよいのか分 からなかったから
(34.4%/11人)
が上位にあがる(図12)。
80%
60%
40%
20%
っ
っ
、
、
っ
っ
っ
(
0%
、
っ
っ
っ
ー
っ
、
っ
、
)
っ
っ
、
(一般全体:n=32)
、
っ
っ
、
っ
っ
(半年以内経験者: n=5)
8.性的な行為等の撮影による影響で、現在、困っていること(本調査)
○性的な行為等の撮影を行った386人※が、性的な行為等の撮影による影響で現在困っていることとしては、
⚫ 性的な行為等の画像や動画がインターネット等に流出するのではないかとおびえている(33.9%/131人)
⚫ 「こうした行為について家族や友人に知られ、人間関係に支障をきたしている/支障をきたすのではないかとおびえている」
(27.2%/105人)
が上位にあがる(図13)。
※聞いていない・同意していない性的な行為を求められ、実際に行った人及び事前に聞いていた・同意していた範囲で撮影を行った人
図13.性的な行為等の撮影による影響で困っていること(報告書図2-21)
一般全体
半年以内経験者
54.8
32.3
33.9
32.3
25.8
27.2
28.0 29.0
17.9
23.1
22.6
17.1
16.1
9.3
6.5
9.3
0.3 -
困 求 現
め 在て ら もいれ 意る 続 に
け反て しい たる 撮こ 影と を
に
困 削 イ 性除 ン 的
て ・ タ な
の イ 性で ン 的
は タ な
行
な
行
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い ネ 為
で き 人 こは た に うな し 知 しい て ら た
か いれ 行
心身に不調をきたしてい
る
変 休 学え ん 校た だ や
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事
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その
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現
在
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が
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20%
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、
、
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ッ
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っ
0%
、
、
(一般全体:n= 386)
(半年以内経験者:n= 31)
詳細分析結果
1.性的な行為の撮影に関する問題の認知状況と被害の有無の関係
性的な行為の撮影に関する問題についてより知っているほど、
⚫ 望まないまま、求められた行為を行う割合が低かった。
⚫ 望まないまま、求められた行為を実際に行った人において、聞いていない・同意していない性的な行為の撮影を求められたことについて相談する割合が高かった。
2.AV出演被害防止・救済法の認知状況と被害の有無の関係
法律についてより知っているほど、
⚫ 望まないまま、求められた行為を行う割合が低かった。
⚫ 性的な行為等の撮影を求められたことや、撮影を求められて困っていることについて、相談する割合が高かった。
3.公的機関の相談窓口の認知状況と相談の有無の関係
本問題における公的機関の相談窓口について知っているほど、性的な行為等の撮影を求められたことや、撮影を求められて困っていることについて、相談する割合が高かった。
4.要求された内容の影響について
「性交の撮影やチャット等への出演」を求められた人は、他の内容※を求められた人よりも、
⚫ 「性的な行為等の画像や動画がインターネット等に流出するのではないかとおびえている」「外出したり、人と会うのが怖い」といった悩みを抱える人の割合が高かった。
⚫ 撮影の影響で困っていることについて相談する割合が低かった。
※ 「水着・下着・肌を多く出した衣類等を着た状態での撮影・チャット等への出演」「水着・下着・衣類の一部またはすべてを脱いだ状態での撮影・チャット等への出演」「胸、性器、おしり、足などを触られる様子の撮影・チャット等への出演」
5.望まないまま、求められた行為を実際に行った人の、経験した出来事の特徴
一般全体で見た場合と比較して、望まないまま、求められた行為を実際に行った人の方が高くなった項目としては、「家族との離別」、
「生活困窮・貧困」、「金銭による重大なトラブル」があった。
「若年女性の性暴力被害等に関するインターネット調査」報告書<参考>
事前調査(スクリーニング調査) 回答者属性 (n=20,000)
【対象者】 15歳(中学生を除く)から39歳までの女性(調査委託業者のインターネットアンケートモニタ会員)
【有効サンプル】 計40,770人の回答を回収し、そのうち年代別人口構成比に合わせてランダムに抽出した20,000人の結果を分析
【年代別サンプル数】 10代:3,552人、20代:7,620人、30代:8,828人
【地域別比❹】 東京都11.5%、大阪府8.1%、神奈川県7.8%、愛知県7.2%、埼玉県5.6%、千葉県4.7%、兵庫県4.6%、福岡県4.4%、北海道4.3%、広島県2.8%、静岡県2.6%、京都府2.2%、宮城県2.2%、他
本調査 回答者属性 (n=2,678人)
1.一般概況把握のためのサンプル (一般概況サンプル)
【対象者】 事前調査において、モデル・アイドル等の勧誘に応じた、又は募集広告に応募した経験があると回答した者
【有効サンプル】 2,575人
【年代別サンプル数】 10代:515人、20代:1,030人、30代:1,030人
【地域別比❹】 東京都16.7%、大阪府9.0%、神奈川県8.1%、埼玉県6.6%、愛知県6.4%、千葉県4.9%、兵庫県4.6%、福岡県4.3%、北海道3.4%、静岡県2.3%、広島県2.2%、宮城県2.1%、京都府2.0%、他
2.ここ半年の概況把握のため、半年以内の経験者として追加回収したサンプル(追加回収サンプル)
【対象者】 事前調査において、半年以内に、モデル・アイドル等の勧誘に応じた、又は募集広告に応募した経験があると回答した者
【有効サンプル】 103人
【年代別サンプル数】 10代:66人、20代:37人、30代:0人
(注)本調査における分析の分母について
⚫ 本調査の分析において、「一般全体」と記載がある場合は、特筆なき限り、上記1.一般概況サンプル」の2,575人を分母としている。
⚫ 一方、「半年以内経験者」と記載がある場合には、 一般概況サンプル内の条件合致者と、追加回収サンプルの両方を含む。
⚫ 以上により、「半年以内経験者」の値は、「一般全体」の値の内数となっていない。
AV出演被害防止・救済法の施行後の状況について(1)
本資料は、AV出演被害防止・救済法(以下「法」という。)の施行後の出演被害の防止及び被害者の救済等に係る状況の把握のため、被害者支援等の活動を行う以下の団体から聴取した主な内容(令5年 10 月末時点)を取りまとめたものである。
1. AV出演に関連する被害相談の状況及び支援上の課題について
(1) AV出演に関連する被害相談は、継続的に増加傾向にある。撮影から相談までの期間が、法施行前に比べ、短くなってきた。
(2) 相談内容は、法施行前の契約に関する相談が大半だが、法施行後の契約に関する相談も徐々に増えている。具体的には、公表後に配信の差止めを求めるものが多い。ただし、酔わされて撮影された、モデルに応募したらAV出演だったなど、出演自体にかかる被害の相談もある。
(3) 法施行後の契約に関する相談事例では、契約書が交付されなかったケースや、撮影・公表の時期の規制が守られなかったケースがあり、法が定めるルール の徹底が必要だと考える。また、法の趣旨に照らし、契約書に記載された性 行為に係る姿態の相手方の特定の程度が不十分と感じる例がある。
(4) ファンクラブサイトを使って公表するケースの被害相談がある。今後、増え
るのではないか。
(5) 加害者の特定が難しい場合があり、支援をする上での課題となっている。一方、同一加害者による複数名の被害者から相談を受ける場合もある。
(6) 特に法的支援については、相談者が弁護士に依頼する費用を負担できないことが課題である。
1 団体の活動内容:アダルトビデオ出演被害を含め、性的搾取や性暴力の相談支援、実態調査、事業者への不当行為の是正申入れを通じて被害者の救済を図ることを目的に活動している。
2 団体の活動内容:法律家、研究者、ジャーナリスト、市民など、人権分野のプロフェッショナルたちを中心として設立され、アダルトビデオ出演被害を含め、国内外の人権問題について実態調査、政策提言、エンパワメント支援等の活動を行っている。なお、個別のケース支援は法人としては実施しておらず、メンバーである個人として行っている場合がある。
2. 公表の差止め等について
(1) 法施行後、削除されやすくなっている。法の趣旨を伝えることにより、事業者による停止申請の仕組みで、一部の事業者において、オムニバス版の公表停止にも応じる場合も出てきた。
(2) 事業者によっては、法に基づく請求をしても、対応しないことがある。法の趣旨からは、出演者が自分で請求する場合も含め、すぐに応じるべき。販売前に任意解除・差止請求をしたにもかかわらず、直ちに差止めの措置がとられず、公表された場合もある。
(3) 海外法人であることを理由として法に基づく請求に応じない事業者もおり、対応に苦慮している。
3. 関係機関との連携等について
(1) 性犯罪・性暴力被害者のためのワンストップ支援センターと連携して対応することもある。
(2) 法施行後、警察が積極的に対応している。
AV出演被害防止・救済法の施行後の状況について(2)
本資料は、AV出演被害防止・救済法(以下「法」という。)の施行後の出演被害の防止及び被害者の救済に係る状況等の把握のため、業界の適正化の推進等を行う任意団体であるAV人権倫理機構 1(以下「機構」という。)から聴取した主な内容(令和5年 11 月末現在)を取りまとめたものである。
1. 法施行後の機構の取組について
(1) 法施行後、法の内容の周知を図ってきた。会員団体からの法解釈や適用に関する質問を受け付け、疑問点の解消等に努めている。令和5年の夏頃まで質問が多く寄せられる状況が続いた。
(2) 法施行後、会員団体に所属する事業者数に大きな変化はない。
(3) 配信停止(法施行前から機構において実施している任意の措置)の件数は法施行前後で変化していない。法の施行後も、複雑な手続を経ずに配信停止を申請できるこの仕組みの意義は大きいと考えている。
(4) なお、機構の枠組みの外で行われる制作公表の状況は把握していない。そこで被害が生じることを懸念している。
2. 法施行後の制作公表の状況について
(1) 法施行直後は、法に対応した契約書の作成などの事務作業のため、予想以上の委縮・混乱があったが、その時期の混乱は見られなくなっている。
(2) 法施行時からしばらくは主に法施行前の契約に基づく制作物が公表されて いたところ、それがなくなった令和5年2月~3月に公表数が最も減少した。その後、法施行後の契約に基づく公表により増加に転じ、法施行前の公表数 から1割弱減の水準に戻って安定している。
(3) 二次利用のオムニバス版の公表数は、施行前に比べ1割強減少している。
3. 法が定めるルールの遵守状況について
(1) 法に基づく契約書の交付義務は履行されていると考えている。他方で、短期間に複数の出演をする場合は、重複する事項の説明が省略されることもある
1 団体の活動内容:制作メーカー、プロダクション、出演者の団体などのAV業界に対して、業界外部有識者等の第三者で構成された任意団体であり、業界の健全化を推進するための提言、業界が自律的に健全化を推進するための助言及び指導等を行う。
別添4
ようだ。
(2) 撮影までの時期の規制について、法施行後は遵守が難しい場合もあったが、概ね改善されたようだ。出演者が出演できなくなった場合は、撮影を中止するケースが多いようだ。公表までの時期の規制も守られているようだ。
(3) 任意解除や差止請求への対応は各事業者が行っており、機構として、その状況は把握していない。
4. その他の状況について
(1) 配信事業者の寡占化により、メーカーの売上やそこから出演料を支払われる出演者の待遇が上がらないことが課題である。
(2) 出演者において、二次使用料を確保できることなど、収入の安定がコンプライアンス意識の醸成にも資すると考えている。