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下請セーフティネット債務保証事業を利用する場合における工事請負代金債権譲渡の承諾に関する事務取扱要領
(平成 15 年 3 月 14 日 財政局長決裁)
(趣旨)
第1条 この要領は,中小・中堅元請建設業者(原則として資本の額若しくは出資の総額が 20 億円以下又は常時使用する従業員の数が 1,500 人以下の建設業者とする。)への資金供給の円滑化及び下請保護を図ることを目的として,公共工事に係る工事請負代金債権の譲渡を活用した融資制度(下請セーフティネット債務保証事業)(以下「本制度」という。)を導入するに当たり,本市と工事請負契約を締結している請負者(以下「請負者」という。)が本制度を利用する場合における,工事請負契約書(契約事務の取扱いに関する要綱(xxx年3月 31 日市長決裁)別表第3第7号様式。以下「約款」という。)第5条第1項ただし書きに基づく債権譲渡の承諾に関する手続について必要な事項を定めるものとする。
(対象工事)
第2条 債権譲渡を承諾する対象となる工事は,請負代金額 500 万円以上の工事で約款第 34 条の前金払(以下「前金払」という。)が行われたものとする。ただし,次の各号に掲げる工事は除くものとする。
(1)債務負担行為等工期が複数年度にわたる工事。ただし,以下の工事を除く。
ア 債務負担行為等の最終年度の工事であって,かつ,年度内に終了が見込まれる工事イ 前年度から繰り越された工事であって,かつ,年度内に終了が見込まれる工事
(2)単価契約を行った工事
(3)低入札価格調査要綱(平成 15 年 10 月 21 日市長決裁)第2条第5号に規定する調査基準価格又は同条第9号に規定する特別重点調査適用基準額を下回る入札を行った者と契約した工事
(4)前各号に掲げるもののほか,債権譲渡を承諾することが不適当であると市長が認めた工事
(譲渡債権の範囲)
第3条 本制度を利用するために譲渡を承諾する債権の範囲は次のとおりとする。
(1)工事が完成した場合にあっては,検査に合格し,引渡しを受けた出来形部分に相応する請負代金額から,既に支払いをした前払金,中間前払金及び部分払金並びに当該工事請負契約により発生する損害賠償金等の本市の請求権に基づく金額を控除した額とする。
(2)契約が解除された場合にあっては,出来形部分の検査に合格し,引渡しを受けた出来形部分に相応する請負代金額から,既に支払いをした前払金,中間前払金及び部分払金並びに当該工事請負契約により発生する違約金等の本市の請求権に基づく金額を控除した額とする。
2 前項の場合において,契約変更により請負代金額に増減が生じた場合には,債権譲渡承諾申請書(第1号様式),債権譲渡契約証書及び債権譲渡通知書(第2号様式)の請負代金額,債権譲渡額は変更後のものとする。
3 前2項の事項については,債権譲渡承諾書において明らかにするとともに,前項の場合においては,債権譲渡人は債権譲受人に変更後の契約書の写しを提出して通知することとする。
(債権譲受人)
第4条 本制度における債権譲受人は,次のいずれかに該当する者であって,一般財団法人建設業振興基金(以下「振興基金」という。)の債務保証を受けたものとする。(以下「組合等」という。)。
(1)中小企業等協同組合法(昭和 24 年法律第 181 号)に基づく事業協同組合,事業協同小組合,協同組合連合会及び協同小組合連合会
(2)その他振興基金が,振興基金の被保証者として適当と認める民間事業者
(債権譲渡を承諾する時点)
第5条 本市が債権譲渡を承諾する時点は,次のとおりとする。
(1)単年度工事にあっては,当該工事の出来高が,既に支払いをした前払金,中間前払金及び部分払金以上に到達したと認められる日以降
(2)複数年度工事にあっては,最終年度において,当該工事の出来高が,既に支払いをした前払金,中間前払金及び部分払金以上に到達したと認められる日以降
2 前項の出来高確認は,本市において確認し,請負者が提出する工事履行報告書(第3号様式)により行う。
(債権譲渡承諾後の中間前金払等の取扱い)
第6条 債権譲渡承諾後は,当該工事については,中間前金払及び部分払の請求はできないこととする。
(下請保護方策)
第7条 本制度を利用する際に講ずべき下請保護方策は,第1号及び第2号の方策とする。
(1)債権譲渡人は,融資を受ける際に,当該工事に関する融資申請時までの下請業者等への代金の支払状況及び当該借入金の下請業者等への支払計画を債権譲受人に提出する。
(2)債権譲渡人倒産時の方策として,ア又はイのいずれかの方策を講じるものとする。ただし,債権譲受人の事務体制上,ア又はイの方策を講じることが困難な場合は,当分の間,ウによることもできることとする。
ア 債権譲渡人の倒産により下請業者等への支払いができなくなった場合に,債権譲受人は,債権譲受人が受け取る請負代金の一定割合を限度として,債権譲渡人に代わって下請業者等に支払う旨の特約を債権譲渡契約において定める。この場合において,一定割合の部分は,当該工事の下請割合,下請代金支払方法等を勘案して,債権譲渡人と債権譲受人の間で任意に定めるものとする。
イ 債権譲渡人の倒産により下請業者等への支払いができなくなった場合に,債権譲受人は,債権譲受人が本市から受け取る請負代金から債権譲渡人への貸付金を精算のうえ,残余の部分を債権譲渡人に代わって下請業者等に支払う旨の特約を債権譲渡契約において定める。
ウ 債権譲渡人の倒産により下請業者等への支払いができなくなった場合に,債権譲受人は,債権譲受人が受け取る請負代金から債権譲渡人への貸付金を精算のうえ,残余の部分を債権譲渡人に代わって下請業者等に支払うことについて,債権譲渡人の債権者間で合意が整った場合に当該合意に従って支払いを行う。
2 前項の債権譲渡人倒産時の方策については,債権譲渡人と債権譲受人が責任を持って行うこととする。
(債権譲渡の承諾の手続)
第8条 請負者が組合等に債権譲渡をしようとするときは,請負者と組合等の代表者が共同で次の書類を作成し,第5条第1項に定める時点以降に本市に提出して債権譲渡の承諾申請を行うものとする。
(1)債権譲渡承諾申請書(第1号様式) 3通
(2)本市の承諾を得ることを停止条件とした債権譲渡契約書の写し 1通
(3)工事履行報告書 (第3号様式)1通
(4)発行日から3カ月以内の請負者及び組合等の印鑑証明書各1通
(5) 請負者が公共工事履行保証証券等により契約の保証を付した場合において,工事請負代金債権の譲渡につき保証人等の承諾が必要とされている場合には,保証人等が当該債権譲渡を承諾したことを証する書面 1通
(6)口座登録届書(第4号様式) 1通
2 前項の申請を行うときは,次の各号の要件をすべて満たさなければならない。
(1)債権譲渡の目的が,組合等から融資を受けるためのものであり,債権の譲渡先が組合等であること。
(2)当該債権が,第三者による差押え等を受けていないとともに,質xxの権利が設定されていないこと。
(3)当該債権が,既に譲渡されていないこと。
3 債権譲渡承諾申請書の提出があったときは,本市は,第2条,第5条及び前項の要件を確認の上承諾するものとし,請負者及び組合等それぞれに確定日付を付した債権譲渡承諾書(第1号様式)
1通を交付するものとする。
4 債権譲渡を承諾しない場合は,その理由を記載した債権譲渡不承諾通知書(第5号様式)を請負者及び組合等それぞれに1通交付するものとする。
5 前2項の承諾又は不承諾は,速やかに行うものとする。
6 本市は,債権譲渡の承諾を行った場合には,債権譲渡整理簿(第6号様式)により債権譲渡の申請及び承諾状況を管理するものとする。
(債権譲受人の出来高確認等)
第9条 融資に伴う譲渡債権の担保価値の査定のための出来高確認は,債権譲受人が行う。
(債権譲渡の通知)
第 10 条 請負者及び債権譲受人は,第8条第3項の承諾を受け債権譲渡を行った場合は,速やかに連署により,債権譲渡通知書(様式第2号)を本市に提出するものとする。
2 債権譲渡人は,本市との工事請負契約に変更が生じた場合は,遅滞なく債権譲受人に変更後の契約書の写しを提出するものとする。
(被担保債権)
第 11 条 債権譲渡は,将来請負者と債権譲受人の間で締結する金銭消費貸借契約(工事請負契約を履行するための運転資金確保のために行うもの)に基づいて債権譲受人が請負者に対して取得する債権(以下「債権譲受人の貸付債権」という。)を担保するものであって,債権譲受人が請負者に対して有するそれ以外の債権を担保するものではない。
2 請負者が,本市との工事請負契約を完全に履行し,債権譲受人が本市から譲渡債権全額を受領した場合,債権譲受人は,債権譲受人の貸付債権への弁済に充当した残額を直ちに請負者に返還するものとする。
(請負代金等の請求)
第 12 条 債権譲受人は,第3条規定の範囲内で,対象工事請負契約に定められた検査等の所定の手続を経て,完了払金(以下「請負代金等」という。)の額が確定した場合に限り,その額の支払いを請求することができる。なお,債権譲渡承諾後は,債権譲渡人は,請負代金等の請求をすることはできない。
2 債権譲受人は,前項に規定する請求を行う場合は,本市に対して請求書を提出するものとする。
(その他)
第 13 条 この要領に定めるもののほか,工事請負代金債権譲渡の承諾に係る取扱に関し必要な事項は,別に定める。
附 則
この要領は,平成 15 年4月1日から実施する。附 則(平成 16 年3月 11 日改正)
(実施期日)
1 この改正は,平成 16 年3月 15 日から実施する。
(経過措置)
2 改正後の要領の工事履行報告書(第3号様式)は,実施日以降に第8条第1項の規定による債権譲渡の承諾申請があったものから適用し,同日前に申請したものについては,なお従前の例による。
附 則(平成 21 年1月 21 日改正)
この改正は,平成 21 年1月 23 日から実施する。
附 則(平成 22 年 12 月 22 日改正)
この改正は,平成 22 年 12 月 22 日から実施する。
附 則(平成 27 年3月 25 日改正)
この改正は,平成 27 年4月1日から実施する。
附 則(平成 31 年3月 14 日改正)
この改正は,平成 31 年4月1日から実施する。
附 則(令和2年3月 30 日改正)
(実施期日)
1 この改正は,令和2年4月1日から実施する。
(経過措置)
2 改正後の要領は,この改正の実施の日以後に締結する契約から適用し,同日前に締結した契約については,なお従前の例による。
附 則(令和4年3月 15 日改正)
この改正は,令和4年4月1日から実施する。