5.PIF 評価書 添付資料をご参照ください
2022 年 6 月 30 日
「めいぎんポジティブインパクトファイナンス」の契約締結について
~お客さまのサステナブル経営をサポート~
名古屋銀行(頭取 xx xx)は、株式会社xx樹脂工業(代表取締役 xx x)と「めいぎんポジティブインパクトファイナンス」の契約を締結いたしましたのでお知らせします。
当行は、今後もグループ一体となり、銀行の既存のビジネスモデルに捉われない持続可能な収益機会の創出及び付加価値の高いサービスを提供し、さまざまなお客さまの経営課題解決を通じて地域社会とともにxxを創造してまいります。
記
1.契約締結日 2022 年 6 月 30 日(木)
2.融資金 額 50 百万円
3.融資期 間 7 年
4.資金使 途 事業資金
5.PIF 評価書 添付資料をご参照ください
※株式会社格付投資情報センター(R&I)のセカンドオピニオンは、下記URL をご参照ください。
xxxxx://xxx.x-x.xx.xx/xxxx_xxxxxxx_xxx/0000/00/xxxx_xxxxxxx_xxx_00000000_xxx_00.xxx
6.株式会社xx樹脂工業の概要
代 表 者 | xx x |
本社所在地 | xxxxxxxxxxx 0 x 00 x |
業 種 | 自動車部品製造業、プラスチック製品製造業 |
設立年月日 | 1988 年 7 月 |
<記念盾贈呈式の様子>
株式会社xx樹脂工業取締役 xx xx x
株式会社xx樹脂工業代表取締役 xx x x
株式会社名古屋銀行 常務取締役 xx xx
※写真撮影時のみマスクを外しております。
参考:「めいぎんポジティブインパクトファイナンス」の取り扱い開始について
xxxxx://xxx.xxxxxx.xxx/xxxxxxx/xxxxx/00000000xxxxxx_XXX.xxx
以 上
ポジティブインパクトファイナンス評価書
~株式会社xx樹脂工業~
2022 年 6 月 30 日株式会社名古屋銀行
法人営業部 法人コンサルティンググループ
はじめに
株式会社名古屋銀行は、株式会社xx樹脂工業に対し、めいぎんポジティブインパクトファイナンス
(以下、めいぎんPIF)を実行した。
本件取組にあたって、株式会社名古屋銀行は国連環境計画金融イニシアティブ(以下、UNEP FI という。)が策定した「ポジティブインパクト金融原則」及び、環境省が策定した「インパクトファイナンスの基本的考え方」に則り、株式会社xx樹脂工業の企業活動における包括的なインパクトを分析し、充実したサステナビリティ経営に向けた KPI を設定した。
借入人概要
借入企業 | 株式会社xx樹脂工業 |
所在地 | xxxxxxxxxxx 0 x 00 x |
従業員 | 119 人 |
売上高 | 1,737 百万円 |
事業内容 | 自動車部品製造業、プラスチック製品製造業 |
融資条件概要
融資形態 | 証書貸付 |
融資金額 | 50,000,000 円 |
資金使途 | 運転資金 |
融資・モニタリング期間 | 7 年 |
目次
1. 企業情報・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・3
①会社概要
②沿革
③事業概要
④社訓・企業理念
2. 事業内容・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・8
①自動車部品設計・製造事業
②健康グッズ、日用品設計・製造事業
③プラスチック試作事業
3. その他の活動・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・11
①木パレット活用商品の開発
②インクルーシブ事業
③取得 ISO 認証
④CSR 活動
4. インパクトの特定・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・16
①インパクトマッピングによるインパクト分布
②インパクト分布図
③国内のインパクトニーズ
④海外のインパクトニーズ
5. 測定する KPI・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・21
①ポジティブインパクトの拡大
②ネガティブインパクトの縮小
6. インパクト管理体制・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・23
7. モニタリング方法・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・23
8. 総括・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・23
1. 企業情報
①会社概要
会社名 | 株式会社xx樹脂工業 |
創業年月 | 1984 年 1 月 |
資本金 | 15,000,000 円 |
代表取締役 | xx x |
決算日 | 6 月 30 日 |
従業員数 | 119 名 |
本社所在地 | xxxxxxxxxxx 0 x 00 x |
xx工場 | xxxxxxxxxxxxxx 00-0 |
xx第二工場 | xxxxxxxxxxxxxxx 00 xx 0 |
xx工場 | xxxxxxxxxxxxx 00 xx |
第二工場 | xxxxxxxxx 0 xx 0 xx 00 x |
物流センター | xxxxxxxxxxxxxxx 0-0 |
西春倉庫 | xxxxxxxxxxxxx 00 |
営業品目 | ・デザイン ・製品設計 ・射出成形 ・真空成形 ・真空注型 ・ブロー成形 ・ウレタン製品 ・CFRP 製品 ・樹脂型 ・試作、量産金型 ・樹脂塗装、トリミング加工、振動溶着、超音波溶着 ・検査治具 ・オプションパーツ成形(少ロット量産) ・その他 あらゆるプラスチック製品の試作・量産の検査及び組み付け |
本社事務所
xx工場 xx第二工場
②沿革
年月 | 概要 |
1984 年 | 愛知県xx市xx町にてプラスチック試作品製造業を開始 |
1988 年 | 「有限会社 xx樹脂工業」設立 |
1993 年 | xxx CAD「CATIA」を新規導入 |
1995 年 | 「株式会社 xx樹脂工業」に組織変更 |
1997 年 | 大型マシニングセンター導入 |
1998 年 | 本社工場を愛知県xx市xxに新設、移転 |
1999 年 | ウレタン成形を開始し、健康美容製品分野進出 |
2000 年 | 自動車オプションパーツ事業開始 |
2003 年 | 設計事業開始、品質保証部開設 |
2006 年 | 650t 射出成形機導入 ISO14001 認定取得 |
2008 年 | 同時 5 軸マシニングセンターを導入 |
2009 年 | 愛知県より「愛知ブランド企業」の認定を受ける |
2011 年 | xx工場を新設し、分散していた量産工場を集約 1,300t 射出成形機導入 |
2012 年 | 130t成形機 2 台を増設し、PPS 樹脂成形開始 |
2013 年 | 3D プリンター導入 |
2014 年 | 塗装設備を新設し、塗装業務を開始航空機事業へ参入スタート 自社ブランド製品製作開始 ISO9001 認証取得 |
2015 年 | 350t 射出成形機導入 5 軸トリミングマシン導入 |
2016 年 | 振動溶着機、超音波溶着機導入 泡立て器にて特許取得(特許第 0000000 号) 全日本女子ソフトボールチーム「Dream Citrine」活動開始 |
2017 年 | 650t 射出成形機増設 |
2018 年 | xx第二工場を新築 |
2020 年 | ポータブルチェア開発開始 |
2022 年 | ポータブルチェア発売 「Dream Citrine」を「シトリン一宮」にチーム名変更 |
③事業概要
株式会社xx樹脂工業は主に「自動車部品設計・製造」、「健康グッズ・日用品製造」、「航空機シート用樹脂部品製造」、「プラスチック製品の試作」の 4 事業を中心に展開している。これらの事業は、xxx CAD「CATIA」による試作設計、同時 5 軸マシニングセンター等の切削加工機、130~1,300tの射出成型機、3D プリンターにより緻密な設計・デザインから試作・量産までを一貫提供することを可能にしている。
当社の樹脂成型技術は愛知ブランド企業として認めらており、自動車部品設計・製造に留まらず多岐に渡る事業において技術力を発揮し、商品開発を通じて人々の健康や生活の向上、インクルーシブ社会への貢献を目指している。
自動車部品設計・製造事業
自動車部品設計・製造事業においては、各種自動車メーカーのディーラーオプションで扱われる純正用品の生産など、寸法精度を要求される部品の設計・試作・量産・物流までを一貫して提供する量産型生産に加え、小ロットのデザイン・試作から製造までを手掛ける試作部門がある。
健康美容グッズ・日用品製造事業
製造パーツのイメージ
健康グッズ・日用品製造事業は当社のデザインノウハウを活かした事業であり、顧客の商品イメージ・キーワードからデザインイメージを作成、その都度ヒアリングを繰り返し、顧客のニーズに合わせた商品開発を実施している。製造においては多岐に渡る所有設備により、ウレタン成形、射出成型、セラミックス、塗装を手掛け、機能性・デザイン性を両立させている。
健康グッズ製品開発の幅は広く、バス用品、健康美容機器からコロナウイルス対策グッズ等を揃えている。随時、顧客のニーズに合わせて開発をしており、専用のインターネットショップで多くの商品ラインナップを展開している。
当社販売の健康美容グッズ
プラスチック試作事業
プラスチック試作事業は、上記の自動車部品設計・製造事業や健康美容グッズ・日用品製造事業、後述の航空機シート用樹脂部品製造とも相関性が高く、幅広い顧客のニーズに合わせてプラスチック製品の試作を開発している。試作事業における機械は用途によって多岐に渡っており、試作品の材料、成形、加工、大きさによって使い分けることで当社の試作品のバリエーションを広げており、このような技術力により付加価値を顧客に提供している。
真空成型の技術を活用して航空機シート用樹脂部品を製造
航空機シート用樹脂部品製造事業
当社は下記記載のプラスチック試作事業を展開する中で、航空機シートに用いられる樹脂部品の製造を手掛けている。特殊な製造技術を駆使しオーダーメイドで試作を実施している。航空機シート用樹脂部品は長期にわたって試作改良を重ねており、現在でも受注・試作依頼に合わせて製作を手掛けている。
2019.6
2018.8
2019.11再開
2019.9~2019.10生産停止
2014.1
2020.12
2019.2
A350 1号機目生産開始ビジネスクラスシート 1機:188部品
A380 エコノミークラスシート4号機~13号機
・OuterPanel 1機72部品
2021.1~2021.4生産停止
現在至 32号機製作中
A380 14号機・15号機
・Backshell 1機:30部品
・Armrest 1機:30部品
これまでの試作・製作経緯
④社訓・企業理念
1984 年創業時に掲げた「挑む」の精神は、どうすれば出来るかを考え、価値観の変化と多様化、そしてグローバル化するニーズの中、どうすればお客様の満足と信頼を高めてゆくことが出来るかを課題としている。
また、高品質・高生産性を基本的な概念とし、徹底した品質管理と生産管理を推進し、そのために必要な新しい情報と技術を導入する柔軟な姿勢を代表者はじめ従業員一人一人が備えることに心がけ、顧客、エンドユーザーに意を尽くすことによって得られる喜びを成長のエネルギーとして常に明るく前向きに xxへの可能性を作り続けていくことを方針としている。
新たな取組であるインクルージョン事業においても「ものづくりを通じて、多様性ある社会に貢献すること」を目的としており、この考えは従業員に広く共有されているとともに持続可能な社会へ向けた取組とも整合的である。
2. 事業内容
①自動車部品設計・製造事業
自動車部品量産部門は、下記のプロセスで実施される。
受注後、完成納期を踏まえ生産準備計画を立案、顧客要望のイベントなどに合わせた詳細な生産計画を立案する。全行程において生産計画書に基づき進捗状況が確認され、製品設計へと移行する。
純正用品を取付ける為に関係する部品データを入手し、純正用品(アフターパーツ)を車輌に取付ける為、法規・組付け・金型成立性など検討する。初期検討結果及び、設計要件をメーカーに展開し相互で修正を重ねる。メーカーの要望や金型の造り込み、成形性、組付け作業性等を考慮した構造を検討し 3D データ、図面を作成し金型製作、射出成型生産へと移行する。
当社は 130tから 1300tまでの幅広い射出成型機を使用することで、精密な部品製造を実現している。
3 次元 CAD「CATIA」による設計・xx xx工場の射出成型機
製造された自動車部品
②健康グッズ・日用品製造事業
健康グッズ・日用品の製造プロセスは下記の通りである。
顧客のアイデアをヒアリングし、要望を明確にするところから製品化までトータルプロデュースを実施する。この事業の特徴は、顧客との情報・イメージを常に共有する為、製品化までの各工程で非常に綿密な打ち合わせをすることである。顧客の要望・イメージ・思いを最大限活かしてカタチにすることを掲げており、開発ノウハウが積み上がっている。
初期の企画・構想段階では下記の通り、顧客のイメージを文書からデザインまで昇華させる。
デザインイメージから3Dプリンターを使用し、サンプルを作成する。健康グッズは軽量であると同時に強度も求められる為、サンプルに対して強度解析を実施する。強度解析は健康グッズ特有の「広げる」「伸ばす」「曲げる」といった圧力に対する負荷を分析し、結果によってサンプルから形状の変更を検討する。
作業工程イメージ
強度解析後、顧客と完成イメージを共有し生産性の検討を実施。必要に応じて顧客アドバイスを実施する。最終系のデザインが完成したら、製品設計・図面作成、金型作成を経て製品化し生産管理を実施する。
製品化された商品は当社のインターネットショップでも購入が可能である。2020 年以降はコロナウイルスの蔓延に伴って、感染防止対策ニーズにも対応し、アクリル版やマスク着用時にマスクの内側に装
着し肌を守る樹脂プレートも開発してきた。
当社は、時勢に合わせたニーズにものづくり企業として貢献してきており、SDGsの達成と収益を両立するビジネス活動を実施している。
コロナウイルス対策商品
③プラスチック試作事業
プラスチック試作事業においては、射出成形をはじめとし真空注型、真空成形、ブロー成形、及びF RPの成形、3Dプリンター、ウレタンに代表される発泡素材の成形等多くの工法に対応でき一品物の製作も対応している。この技術力が自動車部品だけでなく、健康グッズのデザイン試作といった当社の多角的な事業展開を可能にしている。これまでにGTカーのボディーや、WRCの実戦で使用されるバンパー、無人潜水艦のボディーを製作した実績がそれを証明しているといえる。
大型試作品製造イメージ
また、精密部品の試作については3D プリンターによる試作も手掛け、大型のボディー試作から小型部品、パーツまで顧客の幅広いニーズに応えている。当社はプラスチック試作事業を「お客さまの夢の実現」「多様化へ向けたチャレンジ」と位置付けており、当社の技術力を様々な分野で活かし、可能性を広げることを掲げている。
3D プリンターによる試作
3. その他の事業・活動
①木パレット活用商品の開発
当社はこれまで費用をかけて廃棄していた木製パレットを再利用したインテリア商品の開発を進めている。対象の木製パレットを商品へと再生させる為には洗浄・表面処理・加工する事が必要となり、試作部門で培った木材加工技術が活かされている。
今後も、当社は木パレットだけでなく、様々な廃材の再利用による新たな価値創造に注力する。
廃材となった木パレットを加工したインテリア商品
②インクルーシブ事業
インクルーシブ事業においてポータブルチェアは当社のデザイン開発力、樹脂成型技術を導入した新規事業であり、株式会社 Halu の商品「IKOU」の製造を手掛けている。
ポータブルチェアは持ち運びが出来る小児用の組立椅子であり、劇場やスポーツ観戦の際に大人用のシートに取り付けられる。親子観戦をより身近なものにすることや障がいを持つ児童やその家族に対するバリアフリーに大きく貢献するものとなっている。2022 年 4 月より商品化され、家具小売店でのショーケース展示やスポーツスタジアムでの実証実験を随時実施中である。
ポータブルチェア
当社は 2020 年頃、ポータブルチェア事業の開発プロジェクトチームに参加。このプロジェクトのコンセプトは、親子の日常生活をより快適に、より豊かにすることである。当社はプロジェクト内において、設計・製造を担っており、細部に至るまで利用者の快適性を追求した。「どこにでも持ち運び出来る」為に、軽量かつ頑丈な製品とする為、自動車部品製造のノウハウを活かし、補強部材の「リブ」を採用した。重量は女性でも持ち運べる軽量さが求められる為、約 3 ㎏とした。
現状の社会では、外出時に乳幼児にフィットする椅子が限られている為、手軽に持ち運ぶことが可能で、どこにでも設置出来るポータブルチェアの発想が生まれた。公共施設等においてはバリアフリーとして乳幼児や障がいを持つ人々用の座席が設置されている場合もあるが、場所が固定されており、数に制限があるケースがほとんどである。
ポータブルチェア事業では、一般消費者への販売に加え、公共施設や自治体、一般企業への展開も実施しており、より多くの人々が快適な日常生活を送ることが出来る施策を実施している。この取組により公共施設やスポーツ観戦、キャンプといったアウトドアに至るまで、あらゆる場面で親子のイベント参加が可能となり、インクルーシブ社会実現へ大きく前進することが見込まれ、社会全へのポジティブな影響は特筆すべき点である。
ポータブルチェア実用例
③取得ISO認証
適用規格:ISO 9001:2014(品質保証)
認証登録範囲: プラスチック製品(自動車部品、健康美容器具など)の製造
・QC工程表
作業工程を管理するために、何を作っているかについて、どのように管理するかをまとめたQC工程表を用いて、品質保持を徹底している。
・作業要領書
工程の手順を記した作業要領書を作成し、作業の標準化 (平準化)を実施。各作業は、要領書に基づき実施し、不良・廃棄の削減を社員全員で心掛けている。
・品質検査基準書
検具や治具およびxxx測定器を用いて製品を検査・測定し、検査基準書に基づき製品を保証する。
適用規格:ISO 14001:2006(環境)
認証登録範囲:プラスチック製品(自動車部品、健康美容器具など)の製造
・環境方針
株式会社xx樹脂工業はESGへの取組として下記の方針を定めている。
環境方針
①当社は、全ての事業活動にかかわる環境への影響を認識し環境マネジメントを構築することにより継続的に改善を行います。
②環境関連の法規制を順守し環境保全に取り組みます。
③環境目的及び目標を技術的、経済的に可能な範囲内で定め定期的に見直しを行います。
④環境方針は、全社員にxxxxするとともに外部へも公開します。
④CSR活動
当社は日本ソフトボール協会所属のソフトボールチーム「シトリン一宮」へ協賛しながら、スポーツ振興の取組として地域貢献活動も実施している。約 6 年前に静岡の実業団チームから当社にスポンサーのオファーがあり、選手を従業員として受け入れながらチームを存続させ、地元一宮に密着したスポーツチームとして浸透している。
協賛ソフトボールチーム「シトリン一宮」
また、当社は定期的な清掃活動を実施することで地元との接点を図っている。上記のソフトボールチームのスポンサーをはじめ、当社の地域社会への貢献姿勢は従業員一人一人が認識しており、高い意識をもって取り組んでいる。
さらに代表者のxx社長は「ものづくりの精神」と「はたらくことのやりがい」をテーマに大学で寄付講座を実施している。若手従業員に対してはデザインや商品開発等のチャレンジ出来る職務を与え、他の従業員との交流の場をつくりながら、若い世代の力を十分に発揮出来る職場づくりを心掛けている。
清掃活動の様子 講義のテーマ
4. インパクトの特定
①インパクトマッピングによるインパクト分布
名古屋銀行は事業性評価におけるビジネスモデル(非開示)により株式会社xx樹脂工業の主要、関連業種を特定し、UNEP FI が推奨するインパクトマッピングからポジティブインパクト及びネガティブインパクトの分布を調査した。株式会社xx樹脂工業の業種カテゴリは多岐に渡る為、分布図は主要業種の掲載に限定する。
分布図中の「★★」は重要な影響があるカテゴリ、「★」は影響があるカテゴリを示す。株式会社xx樹脂工業の事業活動については「★★」「★」の影響をすべて検討する。xx・xxの事業活動については株式会社xx樹脂工業が直接関与できないため次の事項を検討する。ポジティブ面ではxx・xxの事業でポジティブな影響の促進やネガティブな影響の緩和に株式会社xx樹脂工業の事業が貢献できることがないか検討する。ネガティブ面ではxx・xxの事業において重要な影響があるか影響が及ぶ地域での対応のニーズが強いカテゴリについて、取引関係の管理などを通じて緩和に貢献できるか検討する。
分析の対象となる事業活動がインパクトマッピングの業種分類に含まれる特定の事業の場合、当該事業とは無関係なインパクトカテゴリについては検討しない。
「雇用」に関しては多くの事業においてポジティブ・ネガティブの両面の影響がある。全社的な人事戦略・雇用管理などの横断的な対応について別途検討する。
②インパクト分布図(掲載は主要業種のみ)
インパクトカテゴリ | xxの事業 | 当社の事業 | xxの事業 | |||||||||
【 2013 】 プラスチック及び合成ゴム素材製造業 | 【 2220 】 プラスチック製品製造業 | 【 2930 】 自動車部品及び付属品製造業 | 【 7410 】 専門デザイン業 | 【 4520 】 自動車整備・修理業 | 【 4772 】 専門店による医薬品、医療品及び化粧・洗面用品小売業 | |||||||
Positive | Negative | Positive | Negative | Positive | Negative | Positive | Negative | Positive | Negative | Positive | Negative | |
ポジティブ | ネガティブ | ポジティブ | ネガティブ | ポジティブ | ネガティブ | ポジティブ | ネガティブ | ポジティブ | ネガティブ | ポジティブ | ネガティブ | |
水(入手) | ||||||||||||
食料 | ||||||||||||
住居 | ||||||||||||
健康・衛生 | ★ | ★★ | ★ | ★★ | ||||||||
教育 | ||||||||||||
雇用 | ★ | ★ | ★ | ★ | ★ | ★ | ★★ | ★ | ★ | ★ | ★ | ★ |
エネルギー | ||||||||||||
移動手段 | ★ | ★ | ★★ | |||||||||
情報 | ||||||||||||
文化・伝統 | ||||||||||||
人格と人の安全保障 | ||||||||||||
xx | ||||||||||||
強固な制度・平和・安定 | ||||||||||||
水(質) | ★★ | ★★ | ★ | |||||||||
大気 | ★ | ★ | ★ | |||||||||
土壌 | ★★ | ★★ | ★ | ★ | ||||||||
生物多様性と生態系サービス | ||||||||||||
資源効率・安全性 | ★ | ★ | ★★ | |||||||||
気候 | ★ | ★ | ★★ | |||||||||
廃棄物 | ★★ | ★★ | ★ | ★ | ★ | ★ | ||||||
包括的で健全な経済 | ★ | ★ | ★ | ★ | ★ | |||||||
経済収束 | ★ |
・インパクト分布のまとめ
株式会社xx樹脂工業の主要業種として「プラスチック製品製造業」「自動車部品及び付属品製造業」
「専門デザイン業」のインパクト分布を確認した。当社は高度な成型技術は自動車部品や健康グッズの供給を下支えすることにより「包括的で健全な経済」に貢献している。特に顧客の商品コンセプトを実現できるデザインや強度設計は様々な社会課題の解決につながる。
このような技能を持つ人材を育成していくことは雇用面でもポジティブな影響が大きい。従業員を含めた地域のスポーツ振興や近隣の学校での事業活動の紹介は広く当社をとりまく人的資本によい変化を促すことが期待される。
インパクト分布には移動に関するものがあるが、当社の製品は走行機能に必須の部品ではないため正負ともに影響はない。環境面では樹脂加工に伴う環境負荷が特定される。環境マネジメントシステムの構築・運営による対応のほか、徹底した品質管理の中で不良品・廃棄品の割合を減らすことに取り組む。資源効率の観点からリサイクル材の活用にも注力していく。
xxの事業は「プラスチック及び合成ゴム素材製造業」、xxの事業は「自動車整備・修理業」「専門店による医薬品、医療品及び化粧・洗面用品小売業」を当社事業に関連が大きいものとしてインパクト分布を確認した。健康グッズ・日用品製造事業では健康・衛生に関連する日用品の工夫を商品化するニーズに対して当社の設計・加工技術が貢献している。分析結果を踏まえ、前述の当社事業に則した KPIを設定する。
尚、特に重要なインパクトカテゴリと対応するSDGsのゴールは、下記の通りである。
※対応するSDGsのゴール
③国内のインパクトニーズ
環境省が策定した「インパクトファイナンスの基本的考え方」における国内のインパクトニーズは下記の図によって表される。特に取り組むべき SDGs を赤色、取り組むべきであるが不十分な SDGs を黄色、その他を緑色としているものである。
名古屋銀行が特定した株式会社xx樹脂工業のインパクトと対応する SDGs のゴール「3、6、7、8、9、 11、12、13、14、15」に対して、全て赤色もしくは黄色のゴールに該当するものとなっており、国内のインパクトニーズとの整合的である。
④海外のインパクトニーズ
株式会社xx樹脂工業売上の大きな割合を占めるのが自動車部品製造事業であるため、海外のインパクトニーズについても自動車の利用率や人口を基準として先進国における整合性を分析する。下記に示したのは、上記国々の SDGsインデックス&ダッシュボード 2021 を参照したものである。緑で配色されたゴール以外は、色が薄い順に「課題がある」、「重要な課題がある」、「多大な課題がある」となっている。
特定したインパクトに対応する SDGsのゴールは、それぞれの国々においても重要度が高いことが確認出来る。
※各国のインパクトニーズ
5. 測定するKPI
①自社デザイン商品の普及による経済循環及び多様性の普及(ポジティブ拡大)
②健康の増進、QOL の向上(ポジティブ拡大)
③地元地域貢献、スポーツ振興(ポジティブ拡大)
④環境への影響の配慮(ネガティブ縮小)
6. インパクトの管理体制
株式会社xx樹脂工業はxx社長を中心としてサステナビリティ経営充実の為の施策を各事業部及び管理本部が連携してSDGsの施策を検討・実施・検証する体制が整っている。
めいぎん PIF におけるインパクトについては、xx社長と総務部が中心となり、管理・達成へ向けた施策を実施する。
インパクト管理者
最高責任者 | 代表取締役社長 xx x |
管理責任者 | xx x、xx xx |
管理部署 | 総務部 |
7. モニタリング方法
株式会社xx樹脂工業に対するめいぎん PIF のモニタリングは、インパクト管理者と名古屋銀行の担当者(法人営業部サステナビリティ推進担当及び営業店担当者)により年 1 回以上の協議を通して実施
する。年 1 回以上の協議は、下記のプロセスで行われる。
項目 | 内容 |
1.内容報告・実績開示 | 設定した KPI の達成度を確認する。 |
2.検証・精査 | 達成度について開示された情報を名古屋銀行が確認する。 |
3.修正の検討 | 達成度・進捗度を検証し KPI の修正を検討する。 |
4.追加の検討 | 形骸化を防ぐ為、KPI の追加や削除を検討する。 |
名古屋銀行は上記のプロセスにおいて、自行のサポート及びアドバイスを実施する。また、モニタリング実施状況については、株式会社格付投資情報センターに対し、包括的な年次レビューを受ける。
8. 総括
株式会社xx樹脂工業の事業内容及びインパクト調査の結果、手がける事業それぞれにポジティブ及びネガティブな影響を確認した。株式会社xx樹脂工業が KPI 達成を目指すことで社内、地域社会及び地球環境全体への大きな貢献が想定され、UNEP FI の「ポジティブインパクト金融原則」、ESG及び SDGsの観点からも十分な適合性を確認した。