株式会社 tride との「ポジティブ・インパクト・ファイナンス」契約締結について
2022 年 9 月 30 日
各 位 株式会社 三十三銀行
株式会社 tride との「ポジティブ・インパクト・ファイナンス」契約締結について
株式会社三十三銀行(頭取:xx xx)は、持続可能な社会の実現に貢献することを狙いとして、株式会社 tride(社長:xx xx)と「ポジティブ・インパクト・ファイナンス(※)」契約を締結しましたのでお知らせいたします。
本件の取り組みにあたっては、株式会社三十三総研(社長:xx xx)がインパクト分析・特定のうえ評価書を作成し、株式会社日本格付研究所がポジティブ・インパクト金融原則との適合性を確認しました。今後も「三十三フィナンシャルグループSDGs宣言」のもと、企業活動を通じてSDGsの達成に貢献することで、持続可能な社会の実現に努めてまいります。
(※) 企業活動が「社会・経済・環境」のいずれかに与えるインパクトを包括的に分析・特定し、ポジティブインパクトが期待できる活動と、ネガティブインパクトを低減する活動を支援するもので、借入人様によるSDGs達成への貢献度合いを評価指標とし、借入人様から情報開示を受けながら当行がその過程を定期的にモニタリングするものです。
1. 融資概要
(1) | 契約日 | 2022年9月30日 |
(2) | 融資金額 | 200百万円 |
(3) | 期間 | 5年 |
(4) | 資金使途 | 運転資金 |
2. 借入人概要
(1) 企業名
(2) 所在地
(3) 事業内容
株式会社tride(ぎゅーとらグループ)
xxxxxxxxxx000-00
食料品小売業(スーパーマーケット)
当グループの中核企業である株式会社ぎゅーとらは伊勢市に本社を置き、県内のxx地区および南勢地区を中心に全28店舗のスーパーマーケット事業「ぎゅーとら」を展開している。
“食”を通じた地域との深いかかわりを大切にし、“食”にこだわった事業を展
開することで、安心・安全な食材の提供やメニューの提案、地元産食材の紹介などを積極的に行い、地域の食生活を支え続けている。
(4) 従業員数
(5) 資本金
(ぎゅーとら店舗)
2,280名(グループ合計)
40百万円(株式会社tride)
(産直コーナー)
3. 特定インパクトと測定するKPI
包摂的で健全な経済、雇用(ポジティブ)
(1) 経済面
社会面
(2) 経済面
(3) 社会面
(4)環境面
① ダイバーシティの推進
・2027年までに、リーダー職の女性割合を30%以上とする。
(2021年度:26.1%)
経済収束(ポジティブ)
① 持続可能な農業への支援
・2027年までに、「ぎゅーとら農援隊」年間契約生産者数を 15先以上増加する。
(2021年度:10先)
食料(ポジティブ)
① 多様な買物環境ニーズへの対応
・2027年までに、移動スーパー「とくし丸」と無料送迎車
「行こカー」を合わせて8台増加する。
(2021年度 移動スーパー「とくし丸」12台無料送迎車 「行こカー」3台)
xx・xx、雇用(ネガティブ)
① 労働安全衛生
・2027年までに、年次有給休暇の取得率を50%以上とする。
(2021年度:47.3%)
資源効率・安全性、気候、廃棄物(ネガティブ)
① 環境負荷の低減
・2027年まで、省エネ優良事業者(Sクラス)の評価取得を維持する。
(2021年まで、7年連続で省エネ優良事業者(Sクラス)を取得)
・2027年までに2店舗をリニューアルし、店舗屋上にxxx発電設備を設置して発電した電力の自店利用と、店舗設備の省エネ化を進める。
② 再生資源の回収・リサイクル
・2027年までに、売上高1億円あたりのプラスチック製容器包装の使用量(回収量を除く)を2020年度比10%以上削減する。
(2020年度:売上高1億円あたり0.84トン)
③ 食品廃棄物の削減・リサイクル
・2027年までに、食品廃棄物の再生利用等実施率を85%以上とする。
(2021 年度:再生利用等実施率 80.5%)
4. お問い合わせ先
(1) 三十三銀行(ソリューション営業部:xx、連絡先:059-354-7144)
(2)三十三総研(調査部:xx、連絡先:059-354-7102)
(コンサルティング部:xx、連絡先:059-351-7417) 以 上
2022 年9月 30 日株式会社三十三総研
三十三総研は、三十三銀行が、株式会社trideに対してポジティブ・インパクト・ファイナンスを実施するにあたって、ぎゅーとらグループ(株式会社tride、株式会社ぎゅーとら、株式会社メイショク)の活動が、環境・社会・経済に及ぼすインパクト(ポジティブな影響およびネガティブな影響)を分析・評価しました(株式会社trideと株式会社ぎゅーとら、株式会社メイショクの関係性については後述)。
分析・評価にあたっては、株式会社日本格付研究所の協力を得て、国連環境計画金融イニシアティブ(UNEP FI)が提唱した「ポジティブ・インパクト金融原則」及びESGハイレベル・パネル設置要綱第2項(4)に基づき設置されたポジティブ・インパクト・ファイナンスタスクフォースがまとめた「インパクトファイナンスの基本的考え方」に則ったうえで、中小企業※1に対するファイナンスに適用しています。
※1 IFC(国際金融公社)または中小企業基本法の定義する中小企業、会社法の定義する大会社以外の企業
【株式会社trideと株式会社ぎゅーとら、株式会社メイショクの関係性について】
本件は株式会社trideへのファイナンスであるものの、同社は株式会社ぎゅーとら、および株式会社メイショクと以下の関係性があることから3社を一体のグループとみなしてインパクト分析・評価を行うものである。
・グループの中核事業は、株式会社ぎゅーとらが運営するスーパーマーケットチェーン「ぎゅーとら」の事業であること。
・株式会社trideは持ち株会社として、株式会社ぎゅーとら、および株式会社メイショクの株式を 100%保有していること。
・株式会社trideの 2022 年6月期の売上高は、すべて株式会社ぎゅーとら、および株式会社メイショク向けの事業に関するものであること。
・株式会社メイショクの 2022 年2月期の売上高は、すべて株式会社ぎゅーとら向けの事業に関するものであること。
・株式会社trideの代表取締役は株式会社ぎゅーとらの代表取締役を兼務していること。
・グループ内の業績管理や労務管理は、すべて株式会社ぎゅーとら本社が行っていること。
目次
1.評価対象の概要 3
2.ぎゅーとらグループの概要 3
2-1.基本情報
2-2.経営方針と事業内容
2-3.サスティナビリティに関連する活動
3.UNEP FI インパクトレーダーとの関連性 16
3-1.経済面のインパクト
3-2.社会面のインパクト
3-3.環境面のインパクト
4.測定するKPI とSDGsとの関連性 20
4-1.経済面・社会面(ポジティブ)
4-2.経済面(ポジティブ)
4-3.社会面(ポジティブ)
4-4.社会面(ネガティブ)
4-5.環境面(ネガティブ)
4-6.その他KPI を設定しないインパクトについて SDGsとの関連性
5.サスティナビリティ管理体制 24
6.モニタリング 24
7.総合評価 24
1.評価対象の概要
企業名 | ぎゅーとらグループ(借入人:株式会社tride) |
借入金額 | 200,000,000 円 |
資金使途 | 運転資金 |
契約日及び返済期限 | 2022 年9月 30 日 ~ 2027 年9月 20 日 |
2.ぎゅーとらグループの概要
2-1.基本情報
企業名 | 株式会社tride | 株式会社ぎゅーとら | 株式会社メイショク |
代表取締役 | xx xx | xx xx | xx xx |
本社所在地 | xxxxxxxxxx 000-00 | ||
従業員数 | 62 名(うちパート・アルバイト 50 名) (2022 年6月時点) | 2,148 名( うちパート 1,027 名、アルバイト 730 名) (2022 年2月時点) | 70 名(うちパート29 名、 アルバイト 27 名) (2022 年2月時点) |
資本金 | 40 百万円 | 46 百万円 | 9百万円 |
業種 | 持株会社、不動産賃貸業、清掃業 ( 子会社 ㈱ぎゅーとら、㈱メイショク向け不動産・設備の賃貸および清掃) | 食品等小売業 (スーパーマーケット) | 食品製造・加工 (㈱ぎゅーとら向け各種惣菜の製造・販売) |
取引先 | 三菱食品㈱、㈱東海シジシー | ||
事業拠点 | <店舗> 全 28 店舗 【鈴鹿エリア】 1店舗 【伊賀エリア】 2店舗 【 津 エリア】 7店舗 【松阪エリア】 3店舗 【伊勢エリア】 9店舗 【鳥羽・志摩エリア】5店舗 【名張エリア】 1店舗物流センター(松阪市) 本部・サービスセンター(伊勢市) |
1929 年 xxxxxが大阪で牛肉店「うしxx本店」を創業
1948 年 三重県伊勢市で「牛虎」と改名し開業
1964 年 スーパーマーケット部門を分離し、有限会社牛虎を設立
1964 年 スーパーマーケット1号店となる曽祢店を出店
1977 年 伊勢市にショッピングセンター「ハイジ―店」をオープン
1978 年 惣菜事業部を分社化し、有限会社メイショクを設立
1984 年 株式会社に改組
1998 年 久居市(現、津市)に「久居店」をオープン
2002 年 商号を「ぎゅーとら」に変更
2005 年 5代目社長にxxxxxが就任
2012 年 株式会社trideを設立し、持株会社体制に移行三重県松阪市に新物流センターを設立
沿革
2-2.経営方針と事業内容
【グループの概要】
ぎゅーとらグループは、持株会社である株式会社tride(以下、tride)と子会社の株式会社ぎゅーとら(以下、ぎゅーとら)、株式会社メイショク(以下、メイショク)の3社で構成される。trideは店舗、物流センターの賃貸事業および清掃事業、ぎゅーとらはスーパーマーケットチェーン「ぎゅーとら」の店舗運営事業、メイショクはぎゅーとら向けの各種惣菜の製造販売事業を行っている。以下文中において、中核事業会社のぎゅーとらにおける事業活動を中心に記述する。
㈱tride
株式所有店舗・設備等の賃貸・清掃
株式所有
物流センターの賃貸・清掃
㈱メイショク
㈱ぎゅーとら
【企業理念、経営理念】
各種惣菜の製造・加工
ぎゅーとらは、三重県の南勢地区、伊勢市に本社を置き、県内のxx地区および南勢地区を中心に全 28 店舗のスーパーマーケット事業を展開している。
同社は、“食”を通じた地域との深いかかわりを大切にしており、1948 年、伊勢市に精肉店「牛虎」を再創業して以来、三重県の中南勢地区を中心に“食”にこだわった事業を展開し、安心・安全な食材の提供やメニューの提案、地元産食材の紹介などを積極的に行い、地域の食生活を支え続けてきた。また、地域密着型の企業として「お客様の声」を大切にし、顧客から寄せられた声と店長からの回答を同社のホームページに掲示して、常に商品やサービスの充実、ホスピタリティの改善・向上に努めている。
経営理念
『食』を通じて“美味しさ” “健康” “感動”を発信し、我社に関わる人々に、いつも笑顔があふれる心豊かな地域社会の発展に貢献する。
同社は、「ふれあい・たいせつに」を企業理念に、“食”、“笑顔”、“地域貢献”の3つのキーワードを掲げ、顧客とのふれあいを重視し、地域社会への貢献に取り組んできた。ぎゅーとらグループは、「大きい」企業をめざすのでなく、地域の人々から本当に必要とされる「優しい」企業をめざしており、事業規模の拡大以上に身近な顧客に喜んでもらうことを追求している。
伝えたいのは、求められるのは、
“ぎゅーとららしさ”
xxxx社長は、少子高齢化や家族構成の変化により社会のあり方自体が大きく変化している現代において、スーパーマーケットにとっても激動の時代を迎えており、このような時代だからこそ“ぎゅーとららしさ”を再認識する必要があると考えている。
創業当時から現在にxxxまで一貫して受け継がれている、地域の顧客との「ふれあい」を「たいせつに」する精神を忘れることなく、オンリーワンの存在をめざし、“ぎゅーとららしく”食を通じて、様々なかたちで地域に貢献することこそぎゅーとらが進む道であると考え事業を展開している。
「ぎゅーとら」店舗網
・ラブリーxx店
【事業内容】
三重県中南勢地区を中心に 28 店舗の店舗網をも
ち、三重県の豊富な自然で育まれた県内産の食材を多く取り揃え、各地で販売している。
【鈴鹿エリア】
鈴鹿市…人口約 19 万5千人、百貨店・総合スーパー4軒、各種食料品小売業 36 軒
<エリア内1店舗>
【津エリア】
津市…人口約 27 万4千人、百貨店・総合スーパー3軒、各種食料品小売業 49 軒
<エリア内7店舗>
・ラブリー芸濃店 ・ラブリー津 神戸店
・TRYmart.津新町店 ・ラブリー久居店
・ラブリー持川店
・ラブリーxx店
・ラブリーxx店
【松阪エリア】
松阪市…人口約 15 万9千人、百貨店・総合スーパー2軒、各種食料品小売業 38 軒
<エリア内3店舗>
・ラブリー長月店 ・xx店 ・ラブリー大黒田店
【伊勢エリア】
伊勢市…人口約 12 万2千人百貨店・総合スーパー1軒、各種食料品小売業 23 軒
<エリア内9店舗>
・グラムマート.宮町店 ・コア店 ・xx店 ・ハイジー店 ・エディース八xx店
・xx店 ・ラブリーxxxx本店 ・ラブリーxx店 ・ラブリー明和店
【xx・志摩エリア】
xx市、志摩市(合計)…人口約6万3千人、百貨店・総合スーパー1 軒、各種食料品小売業 48 軒
<エリア内5店舗>
・ラブリー鵜方店 ・波切店 ・五ヶ所店 ・ラブリー志摩店 ・xx店
【xx・名張エリア】
xx市、名張市(合計)…人口約 16 万5千人、百貨店・総合スーパー3軒、各種食料品小売業 32 軒
<エリア内3店舗>
・ラブリーxxxx店 ・ラブリーxx西明寺店 ・ラブリーxx店
(出所)人口:総務省・国勢調査(令和2年)
百貨店・総合スーパー、各種食料品小売業…経済産業省・経済センサス(平成 28 年)
「ぎゅーとら」物流センター
ぎゅーとら出店エリアのほぼ中間に位置する三重県松阪市に、全店舗への効率配送を可能とする物流機能と精肉や各種惣菜などの食品製造・加工機能を併設した物流センター(敷地面積 26,395 ㎡、延床面積 15,050 ㎡)を開設している。
物流機能と食品製造・加工機能を併設した物流センター
2-3.サスティナビリティに関連する活動
【多様な買物環境ニーズへの対応】
ぎゅーとらグループは、高齢者や身体に障害のある人など買物に出かけることが困難な住民に対する買物支援、妊産婦や小さな子どもを連れて来店する際の専用駐車場、高齢者の異変を発見したときにいち早く市町や関係機関に通報する見守り活動など、多様な買物環境ニーズに応える取り組みを実施している。
(1)移動スーパーの運行
伊勢市、松阪市、xx市など7市2町に軽トラック 12 台のぎゅーとら移動スーパー「とくし丸」を運行している(年間利用者数 延べ 157,322 人(2021 年度))。
(2)無料送迎車の運行
伊勢市内5店舗、xx市内1店舗で、運転免許証を返納、障害者手帳を持っているなどの条件に該当する人に対し、自宅から店舗まで無料送迎する3台のマイクロバス「ぎゅーとら行こカー」を 2021 年8月から本格運行している(年間利用者数 延べ 12,008 人(2021 年8月~ 2022 年7月))。
(3)高齢者等の見守り活動
伊勢市、松阪市、xx市など5市2町と「高齢者等の見守りと支援に関する協定」を締結し、上記(1)および(2)の取り組みを通して、高齢者等について何らかの異変に気付いた場合、速やかに市町または関係機関に連絡・通報する見守り活動を実施している。
(4)思いやり駐車場の設置
各店舗において、障害者用駐車スペースに加え、妊産婦、小さな子ども連れ、高齢者が車で安心して来店できるよう、店舗入口付近に「思いやり駐車場」を設置している。
ぎゅーとら移動スーパー「とくし丸」 無料送迎車「ぎゅーとら行こカー」
高齢者等の見守りと支援に関する協定(伊勢市) 思いやり駐車場
【食品衛生管理】
同グループは、各店舗および物流センターにおいて、安心で安全な食品を消費者に提供するため、HACCP の考え方を取り入れた衛生管理を実施している。定期的に実施状況を社内監査し、管理体制の改善に努めている。これらの取り組みにより、HACCP の考え方を取り入れた衛生管理実施店として、全 28 店舗にて公益社団法人日本食品衛生協会が認定する『食の安心・安全・五つ星事業』の認定を取得している。
HACCPの考え方を取り入れた衛生管理 食の安心・安全五つ星店プレート
(公益社団法人日本食品衛生協会)
【労働安全衛生】
同グループは、業務中の事故等を防ぐため、安全で衛生的な労働環境の整備に取り組んでいる。従業員の健康増進に向けて、血圧計の設置、社内グループウェアに健康推進の記事掲載、禁煙・ウォーキングの推奨、健康診断後の産業医の所見確認などの取り組みのほか、本社、店舗、物流センターで毎月、労働安全衛生委員会を開催して就労状況の確認および改善指導を行い、長時間労働の抑制を図っている。同社は 2021 年、従業員のワーク・ライフ・バランスなど「働き方改革」を積極的に推進する企業として、三重県の『みえの働き方改革推進企業』に登録した。
【ダイバーシティの推進】
同グループは、ダイバーシティを積極的に推進している。身体等に障害を持つ従業員が 28 名在籍し、店舗業務や本部業務に従事しているほか、外国人研修生の受け入れや、定年退職後の再雇用を行い、多様な人材が活躍できる企業を目指している。また、時短勤務制度の適用範囲として小学校未就学児を持つ従業員まで拡大する就業規則の改正を行い、育児休業から復帰した後も柔軟な勤務時間での就労を可能としている。同グループではパート従業員を含め女性の活躍推進と、次世代の管理職育成に向けて、2022 年度より新たに女性を含む若手選抜社員向け勉強会を実施する。
研修名 | 対象者 |
計数管理セミナー | 若手社員 |
フォローアップセミナー | |
食品表示セミナー | 管理職・リーダー職 |
計数管理セミナー | |
食品表示セミナー | 部門担当者 |
HACCPセミナー | 物流センター |
メンタルヘルスセミナー | 全社員 |
ハラスメント教育 |
【人材育成】
同グループは、「お店のチカラは人のチカラ」と捉えて人材育成にも注力して、充実した各種研修制度を構築して従業員の能力向上を図っている。また、毎年の評価と連動した賃金とする能力主義の人事考課制度を構築して従業員のモチベーション向上につなげている。
そのほか、接客技術コンテストへの参加、スーパーマーケット検定・チェッカー技能検定等の取得支援として受験料を会社が負担するなど従業員のスキルアップを後押しする取り組みや、地域の高齢化が進むなか認知症を持つ高齢者をいつでもサポートできるよう、各店舗、本社、物流センターの管理職が『認知症サポーター養成講座』を受講している。同グループでは、職務知識を深めるために、業務マニュアルを電子化して社内グループウェアに掲載して、業務マニュアルを活用しやすい環境整備を進めている。
接客コンテストへの参加
認知症サポーターのステッカー
業務マニュアル(動画)
【持続可能な農業への支援】
同グループは、農産物などの生鮮食品を取り扱う企業として、持続可能な農業への支援の取り組みを行っている。三重県が推進する「みえ地物一番の日」キャンペーンに協賛して、県内で生産される食材や、それらを活用した惣菜・弁当などの提供を通して県産食材の普及とアピールを行っている。そのほか、18 店舗に産直コーナー「地物の郷 おおきんな」を設け、地元の農家が丹念に育てた野菜や、近くの漁港で水揚げされたばかりの新鮮な魚介類などを取り揃えている。同コーナーでは、農産物の栽培履歴書や加工品の製造許可を確認した商品のみを取り扱い、価格設定や陳列等を生産者自身が行う。生産者の顔が見える「安心」「安全」「新鮮」な商品を提供することによって、生産者への支援につなげている。さらに、農業従事者の増加と生産活動の安定化につながる取り組みとして、年間契約を締結する三重県内の生産者「ぎゅーとら農援隊」の拡充を目指している。
産直コーナー「地物の郷 おおきんな」 ぎゅーとら農援隊の契約農場
【地域社会への貢献】
同グループは、“ふれあい”と“地域貢献”を経営理念のキーワードとして様々な地域社会への貢献活動を行っている。
(1)地域密着活動
地域の環境保全のため、住民と一緒に店舗周辺の駅前や河川敷などの清掃活動を定期的に実施している。そのほか、子どものたちの成長を後押しするため、伊勢市消防本部・防災センターのイベントに定期的に参画し、楽しみながら防災意識を醸成する塗り絵コーナーの開催や、少年野球大会「ぎゅーとら杯」など各種スポーツ大会を毎年開催している。また、コロナ禍において、地域の土産物屋、飲食店の販売を支援するため、ハイジ―店に専用販売コーナー「美し国広場」を無償で設置して、2年間で約 7,500 万円の売上に貢献している。
地域の清掃活動
ぎゅーとら杯(少年野球大会)の開催
防災イベントへの参画
美し国広場の様子
(2)食育の実践
子どもたちが、普段食べている食材がどのように栽培、収穫、加工、販売されるのかを学ぶ食育の機会として、小学生の社会見学の受け入れ、伊勢商工会議所と連携した食に関する中学生向けの出前授業『ビジネスパーク』、地元農家・生産者の協力のもと、農産物の収穫体験や工場見学などの食育イベントを開催している。
中学生向けの出前授業『ビジネスパーク』
収穫祭(収穫体験)
(3)福祉活動
高齢者に対する敬意として、毎年「敬老の日」に、高齢者福祉施設の利用者にお寿司を贈呈している。
高齢者福祉施設にお寿司の贈呈
【家庭や子どもたちへの食の支援】
同グループは、食を通じた社会貢献活動として、家庭や子どもたちへの食の支援を実施している。伊勢市が運営する、ひとり親世帯等の小・中学生を対象とする無料学習塾「学習塾エール」の生徒に、菓子パンや即席めんの無償提供(2021 年度 3,060 食)を続けているほか、伊勢市社会福祉協議会が運営する、生活困窮家庭の小・中学生を対象とした学習支援事業に低価格で食材を提供するキッチンプロジェクトに参画し、食を通して子どもたちの学習機会を支えている。そのほか、子ども食堂やフードバンクへの食材を無償提供する取り組みを行っている。
「学習塾エール」に食材を無償提供 キッチンプロジェクトへの参画 子ども食堂のメニュー
【環境負荷の低減】
環境経営方針
私たちぎゅーとらは『いつも笑顔があふれる心豊かな地域社会づくり』を企業としての目標にあげて取り組んでいます。
そのひとつに地球の環境を守っていく取り組みがあり、お客様、地域社会の皆様と協調しながら行ってまいります。
同グループは、環境経営方針のもと、事業活動を通して発生する温室効果ガス排出量の削減や水資源の有効活用に取り組み、環境負荷の軽減を推進している。
(1)消費電力の軽減
同グループは事業活動における消費電力の軽減に取り組んでいる。店舗では、照明や冷凍・冷蔵設備の省エネ設備への切り替えや、営業活動に支障のない範囲で飲料・酒類ケースの照明をオフにする取り組みを行っている。物流センターでは、省エネ設備の導入や、冷凍・冷蔵設備温度のシステム管理などにより、効率的な電力使用を行っている。これらの消費電力軽減の取り組みにより、「エネルギーの使用の合理化等に関する法律(省エネ法)」の定期報告に基づく事業者クラス分け評価制度において、2015 年度提出分から7年連続で下記条件(※)を満たし、省エネ優良事業者であるS クラスの評価を取得している。
(※)エネルギーの使用に係る原単位(エネルギー消費原単位)又は電気需要平準化原単位の5年度間平均原単位変化が1%以上の低減であること。
温度集中管理システム(物流センター)
照明をオフにした飲料ケース
節電ポスター
(2)エコカーへの切り替え
温室効果ガス排出量を低減するため、使用する 59 台の社用車について、ガソリン車からエコカーへの切り替えを進め、現在 12 台(PHV1台、HV11 台)のエコカーを使用している。
(3)再生可能エネルギーの利用
全 28 店舗のうち9店舗の屋上にxxx発電パネルを設置し、そのうち3店舗で発電した電力を自社利用している。また物流センターの屋上にもxxx発電パネルを設置し、発電した電力を自社利用している。2023 年度より、自社の温室効果ガス排出量を把握し、削減目標および計画を策定する予定である。
社用車(PHV)
店舗屋上に設置したxxx発電パネル
(4)井水(地下水)の有効活用
食品の製造・加工を行う物流センターでは、深井戸・濾過設備を設置し、安定した質・量の井水(地下水)を食品製造・加工や洗浄に活用して市水(水道水)の使用量軽減を図っている。水質検査の点検(毎日)、貯水槽内の点検(毎月1回)、貯水槽内の清掃(毎年1回)、委託業者による水質調査(毎年2回)による水質管理のほか、自動水質監視装置にて残留塩素や PHなどを 24 時間監視し、異常時には自動で井水利用を停止し、市水利用に切り替わるシステムを構築している。井水使用量は、同センターが使用する全水量の約8割に相当する。
深井戸・濾過設備(物流センター)
(5)排水処理
各店舗、物流センターでは、事業活動から出る排水について浄化槽設備または下水道を利用し適切な処理を行っている。
(6)小売店舗エコマーク認定の取得
幅広い環境配慮商品の品揃え、環境に配慮した営業・サービスの提供、消費者と一体となって環境に配慮した活動の推進などの取り組みにより、環境に配慮した小売店舗として、2019 年、スーパーマーケットのチェーン店舗全体として初めて『小売店舗エコマーク認定』(公益財団法人日本環境協会 エコマーク事務局)を取得している。
「小売店舗」エコマーク
【廃棄物の削減、リサイクル】
同グループは、環境経営方針のもと、使用済みペットボトルなど再生資源の回収・リサイクルや、事業活動を通して発生する紙類、梱包材の削減・リサイクルの取り組みを通じて、廃棄物の削減を推進している。
(1)再生資源の回収・リサイクル
顧客が使用済みのペットボトル、アルミ缶、新聞・チラシ、本・雑誌、段ボールを持ち込むことができるリサイクルステーション「ecoひろば」を各店舗前に設置しているほか、店舗内に牛乳パック、ペットボトル、プラスチック食品容器の回収ボックスを設置し、これらの再生資源を回収している。「ecoひろば」を利用した顧客には、持ち込んだ量に応じて買物に利用できるe coひろばポイントを付与して積極的に持ち込みを促進し、回収した再生資源はプラスチック製品などの原材料や発電用燃料にリサイクルしているほか、回収したペットボトルキャップの売却収益を「認定NPO法人 世界の子どもにワクチンを 日本委員会」に寄付し、途上国の子どもたちにワクチンを届ける取り組みを行っている。また同社では従業員に対してマイボトルの
持参を推奨する「マイボトル運動」を実施し、ペットボトルの消費を軽減する取り組みも同時に行っている。
(2)紙類、梱包材の廃棄物削減・リサイクル
リサイクルステーション「ecoひろば」
会議資料の電子化や裏紙の利用により紙類の使用量を低減し、使用した紙類をトイレットペーパーにリサイクルして自社で使用している。また商品仕入時に使用した発泡スチロール・段ボールなどの梱包材は再生発泡スチロールや紙製品の原材料にリサイクルしている。
【食品廃棄物の削減・リサイクル】
期限の近い商品からとってもらうよう呼びかけるレールポップ
「かざはやの里」の花園
同グループは、環境経営方針のもと、期限切れによる売れ残りの食品廃棄物の低減と、生ごみ等の再生利用を通じて、食品廃棄物の削減とリサイクルを推進している。三重県や伊勢市が実施する食品ロス削減キャンペーンに参加して、顧客に期限の近い商品から手に取るよう呼びかけるレールポップやポスターを掲示しているほか、加工食品や日配食品の自動発注による仕入れ適正化、店舗毎の在庫数量に応じて商品の店舗間移動や値引き販売などを行っている。また、店舗や物流センターから発生する生ごみや魚のアラなどを肥料に、廃食油や牛脂などを燃料に再生利用しており、食品リサイクル率は 80.5%(2021年度)と高水準となっている。同グループは、毎年、リサイクルによって作られた肥料の一部を社会福祉法人正寿会
(津市)が運営する福祉と環境を融合した花園「かざはやの里」に寄付し、同園では、花を育てるための肥料として活用している。
3.UNEP FI インパクトレーダーとの関連性
※色の濃い項目が同社のインパクト領域
本ファイナンスでは、ぎゅーとらの事業を国際標準産業分類における「食料品、飲料またはたばこが主な非専門店小売業」として、メイショクの事業を国際標準産業分類における「調理食品製造業」として整理した。その前提のもとで UNEP FI のインパクト分析ツールを用いた結果、「包摂的で健全な経済」「食料」「雇用」「文化・伝統」に関するポジティブ・インパクト、「保健・衛生」「雇用」
「水(質)」「資源効率・安全性」「気候」「廃棄物」に関するネガティブ・インパクトが分析された。
一方、事業活動等を踏まえ、本ファイナンスで特定された同社のインパクトは以下の通りである。
3-1.経済面のインパクト
インパクト領域 | テーマ | 活動内容 |
(ポジティブ) 包摂的で健全な経済 | ダイバーシティの推進 | ・障害者の雇用、定年退職者の延長雇用、外国人研修生の受け入れを実施 ・女性の活躍推進と、次世代の管理職育成に向けた若手選抜社員向け勉強会を 2022 年度よ |
家庭や子どもたちへの食の支援 | り新たに実施 ・子ども食堂やフードバンク、無料学習塾に食材を無償提供 | |
経済収束 | 持続可能な農業への支援 | ・産直コーナー「地物の郷 おおきんな」を設け、地元産食材を取り揃え |
・農業従事者の増加と生産活動の安定化につながる、年間契約生産者「ぎゅーとら農援隊」の拡充を推進 | ||
地域社会への貢献 | ・コロナ禍で、地域の土産物店等を支援する専用販売コーナー「美し国広場」を無償で設置 |
3-2.社会面のインパクト
インパクト領域 | テーマ | 活動内容 |
(ポジティブ)食料 | 多様な買物環境ニーズへの対応 | ・伊勢市、松阪市、伊賀市など7市2町で移動スーパー「とくし丸」を運行 |
・伊勢市内5店舗、鳥羽市内1店舗で運転免許証を返納した人などを対象に、自宅から店舗までの無料送迎車「行こカー」を運行 | ||
・5市2町と「高齢者等の見守りと支援に関する協定」を締結し、高齢者等の異変に気付いた場合に市町等に連絡・通報する見守り活動を実施 | ||
・障害者用駐車スペースに加え、妊産婦、小さな子ども連れ、高齢者が車で安心して来店できるよう、「思いやり駐車場」を設置 | ||
家庭や子どもたちへの食の支援 | ・子ども食堂やフードバンク、無料学習塾に食材を無償提供 | |
教育 | 人材育成 | ・従業員の能力向上のための研修制度や能力主義の人事考課制度を構築 |
地域社会への貢献 | ・接客技術コンテストへの参加、スーパーマーケット検定等の取得を支援 ・認知症の高齢者をサポートできるよう、店舗、本社、物流センターの管理職が『認知症サポーター養成講座』を受講 ・防災イベントへの参画、少年野球大会「ぎゅーとら杯」など各種スポーツ大会の開催 ・小学生の社会見学受け入れ、商工会議所と連携した出前授業、地元農家・生産者協力のもと農産物の収穫体験や工場見学などを実施 | |
雇用 | ダイバーシティの推進 | ・障害者の雇用、定年退職者の延長雇用、外国人研修生の受け入れを実施 ・女性の活躍推進と、次世代の管理職育成に向けた若手選抜社員向け勉強会を 2022 年度より新たに実施 |
文化・伝統 | 持続可能な農業へ の支援 | ・産直コーナー「地物の郷 おおきんな」を設け、 地元産食材を取り揃え |
(ネガティブ)保健・衛生 | 食品衛生管理 地域社会への貢献 | ・HACCP の考え方を取り入れた衛生管理体制 ・衛生管理実施店として、『食の安心・安全・五つ星事業』の認定を取得 ・店舗周辺の駅前や河川敷などの清掃活動 |
保健・衛生雇用 | 労働安全衛生 | ・血圧計設置など従業員の健康増進の取り組みのほか、労働安全衛生委員会を毎月開催 ・従業員のワーク・ライフ・バランスなど「働き方改革」を積極的に推進する企業として、三重県の『みえの働き方改革推進企業』に登録 |
3-3.環境面のインパクト
インパクト領域 | テーマ | 活動内容 |
(ネガティブ)水(質) 資源効率・安全性気候 | 環境負荷の低減 | ・事業活動から出る排水を浄化槽・下水道を利用した適切処理 ・物流センターに深井戸・濾過設備を設置して、井水(地下水)を利用し、水道水使用量を軽減 ・省エネ設備への切り替え、飲料ケースの照明オフ、温度管理システムにて消費電力を軽減 ・省エネ法の事業者クラス分け評価制度で、省エネ優良事業者(S クラス)の評価を取得 ・社用車をガソリン車からエコカーに順次切替え ・一部店舗、物流センターの屋上に太陽光発電パネルを設置して、発電した電力を自社利用 |
廃棄物 | 再生資源の回収・リサイクル | ・リサイクルステーション「ecoひろば」、「店頭回収ボックス」を設置して食品トレーなどの再生資源を回収し、原材料等にリサイクル |
・回収したペットボトルキャップの売却収益を認定 NPO 法人に寄付し、途上国の子どもにワクチンを提供 | ||
・社内で「マイボトル運動」を実施 | ||
・会議資料の電子化などによる紙類の使用量低減と、紙類、梱包材を原材料等にリサイクル | ||
食品廃棄物の削減・リサイクル | ・期限の近い商品から手に取るよう呼び掛けるレールポップやポスターを掲示 | |
・商品の自動発注、店舗間移動、値引き販売を行い、期限切れによる売れ残り商品を低減 | ||
・生ごみ、魚アラ、廃食油を肥料・燃料にリサイ クルして、肥料の一部を「かざはやの里」に寄付を実施 |
4.測定するKPI とSDGsとの関連性
ぎゅーとらグループは本ファイナンス期間において以下の通りKPI を設定する。
4-1.経済面・社会面(ポジティブ)
特定インパクト | 包摂的で健全な経済 雇用 | |
取組、施策等 | 【ダイバーシティの推進】 ・女性の活躍推進と、次世代の管理職育成に向けた若手選抜社員向け勉強会を 2022 年度より新たに実施 | |
借入期間におけるKPI | ・2027 年までに、リーダー職の女性割合を 30%以上とする (2021 年度 リーダー職の女性割合 26.1%) | |
関連するSDGs | 5.5 政治、経済、公共分野でのあらゆるレベルの意思決定において、完全かつ効果的な女性の参画及び平等なリーダーシップの機会を確保する。 10.2 2030 年までに、年齢、性別、障害、人種、民族、出自、宗教、あるいは経済的地位その他の状況に関わりなく、すべての人々の能力強化及び社会的、経済的及び政治的 な包含を促進する。 |
4-2.経済面(ポジティブ)
特定インパクト | 経済収束 | |
取組、施策等 | 【持続可能な農業への支援】 ・農業従事者の増加と生産活動の安定化につながる、年間契約生産者「ぎゅーとら農援隊」の拡充を推進 | |
借入期間におけるKPI | ・2027 年までに、「ぎゅーとら農援隊」年間契約生産者数を 15 先以上増加する(2021 年度 年間契約生産者 10 先) | |
関連するSDGs | 2.3 2030 年までに、土地、その他の生産資源や、投入財、知識、金融サービス、市場及び高付加価値化や非農業雇用の機会への確実かつ平等なアクセスの確保などを通じて、女性、先住民、家族農家、牧畜民及び漁業者をはじめとする小規模食料生産者の農業生産性及び所得を倍増させ る。 |
4-3.社会面(ポジティブ)
特定インパクト | 食料 | |
取組、施策等 | 【多様な買物環境ニーズへの対応】 ・伊勢市、松阪市、伊賀市など7市2町で移動スーパー「とくし丸」を運行 ・伊勢市内5店舗、鳥羽市内1店舗で運転免許証を返納した人などを対象に、自宅から店舗までの無料送迎車「行こカ ー」を運行 | |
借入期間におけるKPI | ・2027 年までに、移動スーパー「とくし丸」と無料送迎車「行こカー」を合わせて8台増加する (2021 年度 移動スーパー「とくし丸」12 台、無料送迎車「行 こカー」3台を運行) | |
関連するSDGs | 11.2 2030 年までに、脆弱な立場にある人々、女性、子ども、障害者及び高齢者のニーズに特に配慮し、公共交通機関の拡大などを通じた交通の安全性改善により、すべての人々に、安全かつ安価で容易に利用できる、持続可能な輸送システムへのアク セスを提供する。 |
4-4.社会面(ネガティブ)
特定インパクト | 保健・衛生 雇用 | |
取組、施策等 | 【労働安全衛生】 ・従業員のワーク・ライフ・バランスなど「働き方改革」を積極的に推進する企業として、三重県の『みえの働き方改革推進企業』に登録 | |
借入期間におけるKPI | ・2027 年までに、年次有給休暇の取得率を50%以上とする (2021 年度 年次有給休暇取得率 47.3%) | |
関連するSDGs | 8.8 移住労働者、特に女性の移住労働者や不安定な雇用状態にある労働者など、すべての労働者の権利を保護し、安全・安心な 労働環境を促進する。 |
4-5.環境面(ネガティブ)
特定インパクト | 資源効率・安全性 気候 | |
取組、施策等 | 【環境負荷の低減】 ・省エネ法の事業者クラス分け評価制度で、省エネ優良事業者(S クラス)の評価を取得 ・店舗屋上に太陽光発電設備を設置し、発電した電力を自 店利用 | |
借入期間におけるKPI | ・2027 年まで、省エネ優良事業者(S クラス)の評価取得を維持する (2021 年度まで、7年連続で省エネ優良事業者(S クラス)を取得) ・2027 年までに2店舗をリニューアルし、店舗屋上に太陽光発電設備を設置して発電した電力の自店利用と、店舗設備 の省エネ化を進める | |
関連するSDGs | 7.2 2030 年までに、世界のエネルギーミックスにおける再生可能エネルギーの割合を大幅に拡大させる。 7.3 2030 年までに、世界全体のエネルギー効率の改善率を倍増させる。12.2 2030 年までに天然資源の持続可能な管理及び効 率的な使用を達成する。 |
特定インパクト | 廃棄物 | |
取組、施策等 | 【再生資源の回収・リサイクル】 ・リサイクルステーション「ecoひろば」、「店頭回収ボックス」を設置して食品トレーなどの再生資源を回収し、原材料等にリサイクル 【食品廃棄物の削減・リサイクル】 ・生ごみ、魚アラ、廃食油を肥料・燃料にリサイクルして、肥料の一部を障害者施設「かざはやの里」に寄付を実施 | |
借入期間におけるKPI | ・2027 年までに、売上高1億円あたりのプラスチック製容器包装の使用量(回収量を除く)を 2020 年度比 10%以上削減する(2020 年度 売上高1億円あたり 0.84 ㌧) ・2027 年までに、食品廃棄物の再生利用等実施率を 85%以 上とする(2021 年度 再生利用等実施率 80.5%) | |
関連するSDGs | 12.3 2030 年までに小売・消費レベルにおける世界全体の一人当たりの食料の廃棄を半減させ、収穫後損失などの生産・サプライチェーンにおける食品ロスを減少させる。 12.5 2030 年までに、廃棄物の発生防止、削減、再生利用及び再利用により、廃棄物 の発生を大幅に削減する。 |
その他、同社がインパクトとして特定した項目の中でKPIとして目標を設定しなかったものについては以下の通りであり、引き続きそれぞれの取り組みを確認していく。
4-6.その他KPIを設定しないインパクトとSDGsとの関連性
事業活動 | 関連するSDGsのターゲット | SDGsの ゴール |
〈経済面・社会面〉 家庭や子どもたちへの食の支援 | 2.1 2030 年までに、飢餓を撲滅し、すべての人々、特に貧困層及び幼児を含む脆弱な立場にある人々が一年中安全かつ栄養のある食料を十分得られるようにする。 | |
〈社会面〉 地域社会への貢献 | 4.1 2030 年までに、すべての子どもが男女の区別なく、適切かつ効果的な学習成果をもたらす、無償かつ公正で質の高い初等教育及び 中等教育を修了できるようにする。 |
人材育成 | 8.6 2020 年までに、就労、就学及び職業訓練のいずれも行っていない若者の割合を大幅に減らす。 | |
食品衛生管理 | 12.4 2020 年までに、合意された国際的な枠組みに従い、製品ライフサイクルを通じ、環境上適正な化学物質やすべての廃棄物の管理を実現し、人の健康や環境への悪影響を最小化するため、化学物質や廃棄物の大気、 水、土壌への放出を大幅に削減する。 |
5.サスティナビリティ管理体制
ぎゅーとらグループでは、本ポジティブ・インパクト・ファイナンスに取り組むにあたり、清水秀隆社長を最高責任者とし、大西貞夫SDGs推進課長が中心となって日々の業務やその他活動を棚卸し、自社の事業活動とインパクトレーダー、SDGsの 17 のゴール・169 のターゲットとの関連性について検討を行った。
本ポジティブ・インパクト・ファイナンスの実行後、返済期限までの間においても、清水社長と
SDGs推進課を中心に取り組み状況を定期的に確認し、協議を行うことで、KPIの達成を図っていく。
最高責任者 | 代表取締役 清水 秀隆 |
管理責任者 | SDGs推進課長 大西 貞夫 |
担当部 | マーケティング部 SDGs推進課 |
6.モニタリング
本件で設定したKPIの進捗状況は、ぎゅーとらグループと三十三銀行の担当者が年に1回以上の会合を設けることで確認する。モニタリングの結果、当初想定と異なる点があった場合に
は、三十三銀行は、同グループに対して適切な助言・サポートを行い、KPIの達成を支援する。
7.総合評価
本件はUNEP FIの「ポジティブ・インパクト金融原則」に準拠した融資である。ぎゅーとらグループは、上記評価の結果、本件融資期間を通じてポジティブな成果の発現とネガティブな影
響の低減に努めることを確認した。また、三十三銀行は年に1回以上その成果を確認する。
本評価書に関する重要な説明
1.本評価書は、三十三総研が、三十三銀行から委託を受けて作成したもので、三十三総研が三十三銀行に対して提出するものです。
2.三十三総研は、依頼者である三十三銀行および三十三銀行がポジティブ・インパクト・ファイナンスを実施するぎゅーとらグループから供与された情報と、三十三総研が独自に収集した情報に基づく、現時点での計画または状況に対する評価で、将来におけるポジティブな成果を保証するものではありません。
3.本評価を実施するに当たっては、国連環境計画金融イニシアティブ(UNEP FI)が提唱した「ポジティブ・インパクト金融原則」に適合させるとともに、ESG金融ハイレベル・パネル設置要綱第2項(4)に基づき設置されたポジティブインパクトファイナンスタスクフォースがまとめた「インパクトファイナンスの基本的考え方」に整合させながら実施しています。なお、株式会社日本格付研究所から、本ポジティブ・インパクト・ファイナンスに関する第三者意見書の提供を受けています。
〈本件問合せ先〉
株式会社三十三総研
調査部 主任研究員 中田 丈仁
〒510-0087
三重県四日市市西新地 10 番 16 号第二富士ビル4階
TEL:059-354-7102 FAX:059-351-7066
第三者意見書
2022 年 9 月 30 日株式会社 日本格付研究所
評価対象: 株式会社 tride に対するポジティブ・インパクト・ファイナンス |
貸付人:株式会社三十三銀行 |
評価者:株式会社三十三総研 |
第三者意見提供者:株式会社日本格付研究所(JCR) |
結論:
本ファイナンスは、国連環境計画金融イニシアティブの策定したポジティブ・インパクト・ファイナンス原則に適合している。
また、環境省の ESG 金融ハイレベル・パネル設置要綱第 2 項(4)に基づき設置さ
れたポジティブインパクトファイナンスタスクフォースがまとめた「インパクトファイナンスの基本的考え方」と整合的である。
I. JCR の確認事項と留意点
JCR は、三十三銀行が株式会社 tride(「tride」)に対して実施する中小企業向けのポジティブ・インパクト・ファイナンス(PIF)について、株式会社三十三総研による分析・評価を参照し、国連環境計画金融イニシアティブ(UNEP FI)の策定した PIF 原則に適合していること、および、環境省の ESG 金融ハイレベル・パネル設置要綱第 2 項(4)に基づき設置されたポジティブインパクトファイナンスタスクフォースがまとめた「インパクトファイナンスの基本的考え方」と整合的であることを確認した。
PIF とは、SDGs の目標達成に向けた企業活動を、金融機関が審査・評価することを通じて促進し、以て持続可能な社会の実現に貢献することを狙いとして、当該企業活動が与えるポジティブなインパクトを特定・評価の上、融資等を実行し、モニタリングする運営のことをいう。
PIF 原則は、4 つの原則からなる。すなわち、第 1 原則は、SDGs に資する三つの柱(環境・社会・経済)に対してポジティブな成果を確認できるかまたはネガティブな影響を特定し対処していること、第 2 原則は、PIF 実施に際し、十分なプロセス、手法、評価ツールを含む評価フレームワークを作成すること、第 3 原則は、ポジティブ・インパクトを測るプロジェクト等の詳細、評価・モニタリングプロセス、ポジティブ・インパクトについての透明性を確保すること、第 4 原則は、PIF 商品が内部組織または第三者によって評価されていることである。
UNEP FI は、ポジティブ・インパクト・ファイナンス・イニシアティブ(PIF イニシア ティブ)を組成し、PIF 推進のためのモデル・フレームワーク、インパクト・レーダー、イ ンパクト分析ツールを開発した。三十三銀行は、中小企業向けの PIF の実施体制整備に際 し、三十三総研と共同でこれらのツールを参照した分析・評価方法とツールを開発している。ただし、PIF イニシアティブが作成したインパクト分析ツールのいくつかのステップは、国 内外で大きなマーケットシェアを有し、インパクトが相対的に大きい大企業を想定した分 析・評価項目として設定されている。JCR は、PIF イニシアティブ事務局と協議しながら、 中小企業の包括分析・評価においては省略すべき事項を特定し、三十三銀行及び三十三総研 にそれを提示している。なお、三十三銀行は、本ファイナンス実施に際し、中小企業の定義 を、PIF 原則等で参照している IFC(国際金融公社)の定義に加え、中小企業基本法の定義 する中小企業、会社法の定義する大会社以外の企業としている。
JCR は、中小企業のインパクト評価に際しては、以下の特性を考慮したうえでPIF 原則との適合性を確認した。
① SDGs の三要素のうちの経済、PIF 原則で参照するインパクト領域における「包括的で健全な経済」、「経済収れん」の観点からポジティブな成果が期待できる事業主体である。ソーシャルボンドのプロジェクト分類では、雇用創出や雇用の維持を目的とし
た中小企業向けファイナンスそのものが社会的便益を有すると定義されている。
② 日本における企業数では全体の 99.7%を占めるにもかかわらず、付加価値額では 52.9%にとどまることからもわかるとおり、個別の中小企業のインパクトの発現の仕方や影響度は、その事業規模に従い、大企業ほど大きくはない。1
③ サステナビリティ実施体制や開示の度合いも、上場企業ほどの開示義務を有していないことなどから、大企業に比して未整備である。
II. PIF 原則への適合に係る意見
PIF 原則 1 定義
SDGs に資する三つの柱(環境・社会・経済)に対してポジティブな成果を確認できるかまたはネガティブな影響を特定し対処していること。
SDGs に係る包括的な審査によって、PIF は SDGs に対するファイナンスが抱えている諸問題に直接対応している。
三十三銀行及び三十三総研は、本ファイナンスを通じ、tride の持ちうるインパクトを、 UNEP FI の定めるインパクト領域および SDGs の 169 ターゲットについて包括的な分析を行った。
この結果、tride がポジティブな成果を発現するインパクト領域を有し、ネガティブな影響を特定しその低減に努めていることを確認している。
SDGs に対する貢献内容も明らかとなっている。
PIF 原則 2 フレームワーク
PIF を実行するため、事業主体(銀行・投資家等)には、投融資先の事業活動・プロジェクト・プログラム・事業主体のポジティブ・インパクトを特定しモニターするための、十分なプロセス・方法・ツールが必要である。
JCR は、三十三銀行がPIF を実施するために適切な実施体制とプロセス、評価方法及び評価ツールを確立したことを確認した。
(1) 三十三銀行は、本ファイナンス実施に際し、以下の実施体制を確立した。
1 経済センサス活動調査(2016 年)。中小企業の定義は、中小企業基本法上の定義。業種によって異なり、製造業は資本金 3 億円以下または従業員 300 人以下、サービス業は資本金 5 千万円以下または従業員 100 人以下などだ。小規模事業者は製造業の場合、従業員 20 人以下の企業をさす。
(出所:三十三銀行提供資料)
(2) 実施プロセスについて、三十三銀行では社内規程を整備している。
(3) インパクト分析・評価の方法とツール開発について、三十三銀行からの委託を受けて、三十三総研が分析方法及び分析ツールを、UNEP FI が定めたPIF モデル・フレームワーク、インパクト分析ツールを参考に確立している。
PIF 原則 3 透明性
PIF を提供する事業主体は、以下について透明性の確保と情報開示をすべきである。
・本PIF を通じて借入人が意図するポジティブ・インパクト
・インパクトの適格性の決定、モニター、検証するためのプロセス
・借入人による資金調達後のインパクトレポーティング
PIF 原則 3 で求められる情報は、全て三十三総研が作成した評価書を通して銀行及び一般に開示される予定であることを確認した。
PIF 原則 4 評価
事業主体(銀行・投資家等)の提供する PIF は、実現するインパクトに基づいて内部の専門性を有した機関または外部の評価機関によって評価されていること。
本ファイナンスでは、三十三総研が、JCR の協力を得て、インパクトの包括分析、特定、評価を行った。JCR は、本ファイナンスにおけるポジティブ・ネガティブ両側面のインパクトが適切に特定され、評価されていることを第三者として確認した。
III. 「インパクトファイナンスの基本的考え方」との整合に係る意見
インパクトファイナンスの基本的考え方は、インパクトファイナンスを ESG 金融の発展形として環境・社会・経済へのインパクトを追求するものと位置づけ、大規模な民間資金を巻き込みインパクトファイナンスを主流化することを目的としている。当該目的のため、国内外で発展している様々な投融資におけるインパクトファイナンスの考え方を参照しながら、基本的な考え方をとりまとめているものであり、インパクトファイナンスに係る原則・ガイドライン・規制等ではないため、JCR は本基本的考え方に対する適合性の確認は行わない。ただし、国内でインパクトファイナンスを主流化するための環境省及びESG 金融ハイレベル・パネルの重要なメッセージとして、本ファイナンス実施に際しては本基本的考え方に整合的であるか否かを確認することとした。
本基本的考え方におけるインパクトファイナンスは、以下の 4 要素を満たすものとして
定義されている。本ファイナンスは、以下の 4 要素と基本的には整合している。ただし、要素③について、モニタリング結果は基本的には借入人である tride から貸付人である三十三銀行及び評価者である三十三総研に対して開示がなされることとし、可能な範囲で対外公表も検討していくこととしている。
要素① 投融資時に、環境、社会、経済のいずれの側面においても重大なネガティブインパクトを適切に緩和・管理することを前提に、少なくとも一つの側面においてポジティブなインパクトを生み出す意図を持つもの
要素② インパクトの評価及びモニタリングを行うもの
要素③ インパクトの評価結果及びモニタリング結果の情報開示を行うもの
要素④ 中長期的な視点に基づき、個々の金融機関/投資家にとって適切なリスク・リターンを確保しようとするもの
また、本ファイナンスの評価・モニタリングのプロセスは、本基本的考え方で示された評
価・モニタリングフローと同等のものを想定しており、特に、企業の多様なインパクトを包括的に把握するものと整合的である。
IV. 結論
以上の確認より、本ファイナンスは、国連環境計画金融イニシアティブの策定したポジティブ・インパクト・ファイナンス原則に適合している。
また、環境省の ESG 金融ハイレベル・パネル設置要綱第 2 項(4)に基づき設置されたポジティブインパクトファイナンスタスクフォースがまとめた「インパクトファイナンスの基本的考え方」と整合的である。
(第三者意見責任者) 株式会社日本格付研究所
サステナブル・ファイナンス評価部長
梶原 敦子
担当主任アナリスト 担当アナリスト
梶原 敦子 川越 広志
本第三者意見に関する重要な説明
1. JCR 第三者意見の前提・意義・限界
日本格付研究所(JCR)が提供する第三者意見は、事業主体及び調達主体の、国連環境計画金融イニシアティブの策定したポジティブ・インパクト金融(PIF)原則への適合性及び環境省 ESG 金融ハイレベル・パネル内に設置されたポジティブインパクトファイナンスタスクフォースがまとめた「インパクトファイナンスの基本的考え方」への整合性に関する、JCR の現時点での総合的な意見の表明であり、当該ポジティブ・インパクト金融がもたらすポジティブなインパクトの程度を完全に表示しているものではありません。
本第三者意見は、依頼者である調達主体及び事業主体から供与された情報及び JCR が独自に収集した情報に基づく現時点での計画又は状況に対する意見の表明であり、将来におけるポジティブな成果を保証するものではありません。また、本第三者意見は、PIF によるポジティブな効果を定量的に証明するものではなく、その効果について責任を負うものではありません。本事業により調達される資金が同社の設定するインパクト指標の達成度について、JCR は調達主体または調達主体の依頼する第三者によって定量的・定性的に測定されていることを確認しますが、原則としてこれを直接測定することはありません。
2. 本第三者意見を作成するうえで参照した国際的なイニシアティブ、原則等
本意見作成にあたり、JCR は、以下の原則等を参照しています。
国連環境計画 金融イニシアティブ ポジティブ・インパクト金融原則
環境省 ESG 金融ハイレベル・パネル内ポジティブインパクトファイナンスタスクフォース
「インパクトファイナンスの基本的考え方」
3. 信用格付業にかかる行為との関係
本第三者意見を提供する行為は、JCR が関連業務として行うものであり、信用格付業にかかる行為とは異なります。
4. 信用格付との関係
本件評価は信用格付とは異なり、また、あらかじめ定められた信用格付を提供し、または閲覧に供することを約束するものではありません。
5. JCR の第三者性
本 PIF の事業主体または調達主体と JCR との間に、利益相反を生じる可能性のある資本関係、人的関係等はありません。
■留意事項
本文書に記載された情報は、JCR が、事業主体または調達主体及び正確で信頼すべき情報源から入手したものです。ただし、当該情報には、人為的、機械的、またはその他の事由による誤りが存在する可能性があります。したがって、JCR は、明示的であると黙示的であるとを問わず、当該情報の正確性、結果、的確性、適時性、完全性、市場性、特定の目的への適合性について、一切表明保証するものではなく、また、JCR は、当該情報の誤り、遺漏、または当該情報を使用した結果について、一切責任を負いません。JCRは、いかなる状況においても、当該情報のあらゆる使用から生じうる、機会損失、金銭的損失を含むあらゆる種類の、特別損害、間接損害、付随的損害、派生的損害について、契約責任、不法行為責任、無過失責任その他責任原因のいかんを問わず、また、当該損害が予見可能であると予見不可能であるとを問わず、一切責任を負いません。本第三者意見は、評価の対象であるポジティブ・インパクト・ファイナンスにかかる各種のリスク(信用リスク、価格変動リスク、市場流動性リスク、価格変動リスク等)について、何ら意見を表明するものではありません。また、本第三者意見は JCR の現時点での総合的な意見の表明であって、事実の表明ではなく、リスクの判断や個別の債券、コマーシャルペーパー等の購入、売却、保有の意思決定に関して何らの推奨をするものでもありません。本第三者意見は、情報の変更、情報の不足その他の事由により変更、中断、または撤回されることがあります。本文書に係る一切の権利は、JCR が保有しています。本文書の一部または全部を問わず、JCR に無断で複製、翻案、改変等をすることは禁じられています。
■用語解説
第三者意見:本レポートは、依頼人の求めに応じ、独立・中立・公平な立場から、銀行等が作成したポジティブ・インパクト・ファイナンス評価書の国連環境計画金融イニシアティブのポジティブ・インパクト金融原則への適合性について第三者意見を述べたものです。
事業主体:ポジティブ・インパクト・ファイナンスを実施する金融機関をいいます。
調達主体:ポジティブ・インパクト・ビジネスのためにポジティブ・インパクト・ファイナンスによって借入を行う事業会社等をいいます。
■サステナブル・ファイナンスの外部評価者としての登録状況等
・国連環境計画 金融イニシアティブ ポジティブインパクト作業部会メンバー
・環境省 グリーンボンド外部レビュー者登録
・ICMA (国際資本市場協会に外部評価者としてオブザーバー登録) ソーシャルボンド原則作業部会メンバー
・Climate Bonds Initiative Approved Verifier (気候変動イニシアティブ認定検証機関)
■本件に関するお問い合わせ先
情報サービス部 TEL:03-3544-7013 FAX:03-3544-7026