Contract
2022 年 12 月 30 日
各 位 株式会社 三十三銀行
マルスフードショップ株式会社との
「ポジティブ・インパクト・ファイナンス」契約締結について
株式会社三十三銀行(頭取:xx xx)は、持続可能な社会の実現に貢献することを狙いとして、マルスフードショップ株式会社(社長:xx x)と「ポジティブ・インパクト・ファイナンス(※)」契約を締結しましたのでお知らせいたします。
本件の取り組みにあたっては、株式会社三十三総研(社長:xx xx)がインパクト分析・特定のうえ評価書を作成し、株式会社日本格付研究所がポジティブ・インパクト金融原則との適合性を確認しました。今後も「三十三フィナンシャルグループSDGs宣言」のもと、企業活動を通じてSDGsの達成に貢献することで、持続可能な社会の実現に努めてまいります。
(※) 企業活動が「社会・経済・環境」のいずれかに与えるインパクトを包括的に分析・特定し、ポジティブインパクトが期待できる活動と、ネガティブインパクトを低減する活動を支援するもので、借入人様によるSDGs達成への貢献度合いを評価指標とし、借入人様から情報開示を受けながら当行がその過程を定期的にモニタリングするものです。
1. 融資概要
(1) | 契約日 | 2022年12月30日 |
(2) | 融資金額 | 100百万円 |
(3) | 期間 | 5年 |
(4) | 資金使途 | 運転資金 |
2. 借入人概要
(1) 企業名
(2) 所在地
(3) 事業内容
マルスフードショップ株式会社
xxxxxxxxxxxxxxxx00-0食料品小売業(スーパーマーケット)
当社は、“人で売る 人と売る 人のために売る”という企業理念のもと、愛知県
の知多・西三河地域で9店舗のスーパーマーケットを運営している。青果店を原点に持つスーパーマーケットとして、鮮度と味に対するこだわりを持ち、顧客にワクワク感を感じてもらうような魅力ある売り場づくりを行っている。食品専門
スーパーの「地域一番店」として地元の人々に幅広く愛されている。
(常滑駅前店)
(青果部門担当)
(4) 従業員数
(5) 資本金
712名(うち男性193名(正社員55名):女性519名(正社員21名))
150百万円
3. 特定インパクトと測定するKPI
(1) 経済面 経済収束(ポジティブ)
① 地元食材や商品と連携したプライベートブランド(PB)商品の開発
・2025年末までに、10品目まで増加させる
(2022年11月末時点:4品目)
(2) 経済面・
社会面
包摂的で健全な経済、雇用(ポジティブ)
① 女性従業員の活躍推進
・2027年末までに、女性の幹部職員(部門長及び店長)を5名に引き上げる
(2022年11月末時点:2名)
② 高齢者の積極雇用
・2027年末までに、60歳以上の従業員の比率を15%以上に引きあげる
(2022年11月末時点:10%)
③ 障がい者の雇用促進
・2027年末までに、障がい者雇用の割合を1%以上に引きあげる
(2022年11月末時点:0.45%)
(3) 社会面 食料、教育(ポジティブ)
① 新鮮な地元食材の提供
・2027年末までに、産地直送品として販売している地元農家からの仕入れ先を20社・農家まで増加させる
(2022年11月末時点:6社・農家)
・2027年末までに、鮮魚全体に占める地元産の割合を30%以上に引き上げる
(2022年11月末時点:12%)
② 食育を含めた教育機会の提供
・2027年末までに、就労体験授業の受入れを全店で9校まで引き上げる
(2022年の実績:4店舗で6校)
・2027年までに、「お弁当の日」を年に2回設定する保健・衛生、雇用(ネガティブ)
① 労働安全管理の徹底
・2027年までに、労働災害の発生件数を年間0件とする
(2019年:11件、2020年:9件、2021年:6件発生)
② 労働環境の改善
・2027年までに、毎月の時間外労働を一定の基準以内に抑えた従業員に支払う「時間外短縮手当」について、月30時間以内に引き下げる
(2022年まで月35時間以内)
(4)環境面 廃棄物(ネガティブ)
① 資源回収ステーションの設置
・2027年までに、店舗における資源回収ステーションの設置割合を50%以上に引き上げる
(2022年11月末時点:22% 9店舗中2店舗)
News Release
② 産業廃棄物マニフェストの電子化
・2027年末までに、産業廃棄物マニフェストの電子化を行っている事業者との取引を4社(全取引事業者)まで拡大する (2022年11月末時点:1社)
③ 再生トレーの使用
・2027年末までに、再生トレー使用率を50%以上まで引き上げる
(2022年11月末時点:34%)
④ 食品ロスの削減
・2027年末までに、惣菜ロスを5%未満まで減少させる(金額ベース)
(2022年12月末時点:7.1%)
4. お問い合わせ先
(1) 三十三銀行
担当部署
担当者連絡先
ソリューション営業部
xx
059-354-7144
(2) 三十三総研 担当部署担当者 | 調査部別府 | コンサルティング部福井 |
連絡先 | 059-354-7102 | 059-351-7417 |
以 上 |
ポジティブ・インパクト・ファイナンス評価書
2022 年 12 月 30 日
株式会社三十三総研
三十三総研は、三十三銀行が、マルスフードショップ株式会社に対してポジティブ・インパクト・ファイナンスを実施するにあたって、マルスフードショップ株式会社の活動が、環境・社会・経済に及ぼすインパクト(ポジティブな影響及びネガティブな影響)を分析・評価しました。
分析・評価にあたっては、株式会社日本格付研究所の協力を得て、国連環境計画金融イニシアティブ(UNEP FI)が提唱した「ポジティブ・インパクト金融原則」及びESGハイレベル・パネル設置要綱第2項(4)に基づき設置されたポジティブ・インパクト・ファイナンスタスクフォースがまとめた「インパクトファイナンスの基本的考え方」に則ったうえで、中小企業※1に対するファイナンスに適用しています。
※1 IFC(国際金融公社)または中小企業基本法の定義する中小企業、会社法の定義する大会社以外の企業
目次
1.評価対象の概要 2
2.マルスフードショップ株式会社の概要 2
2-1.基本情報
2-2.経営方針と事業内容
2-3.サスティナビリティに関連する活動
3.UNEP FI インパクトレーダーとの関連性 17
3-1.経済面のインパクト
3-2.社会面のインパクト
3-3.環境面のインパクト
4.測定するKPI とSDGsとの関連性 21
4-1.経済面(ポジティブ)
4-2.経済面・社会面(ポジティブ)
4-3.社会面(ポジティブ)
4-4.社会面(ネガティブ)
4-5.環境面(ネガティブ)
4-6.その他KPI を設定しないインパクトと SDGsとの関連性
5.サスティナビリティ管理体制 28
6.モニタリング 28
7.総合評価 28
1.評価対象の概要
企業名 | マルスフードショップ株式会社 |
借入金額 | 100,000,000 円 |
資金使途 | 運転資金 |
契約日及び返済期限 | 2022 年 12 月 30 日 ~ 2027 年 12 月 30 日 |
2.マルスフードショップ株式会社の概要
2-1.基本情報
本部 | 愛知県知多郡xxx町xx字xx台35-6 |
店舗 | マルス本店(愛知県知多郡xx町大字xx八ツ針1-26)マルス東ヶ丘店(知多郡xx町緒川字東仙台1) マルス知立団地店(愛知県知立市昭和9丁目2)マルスxxxx店(愛知県xx市xx町3-93) マルスxx川店(愛知県東海市大田町xx20-1 ソラトxx川1F)マルスxx店(愛知県xx市xxxx十五夜25) マルス常滑駅前店(愛知県常滑市鯉江本町5丁目140) マルス安城アンフォーレ店(愛知県安xxxx本町504-2)マルス美浜xx店(愛知県知多xx浜町xxxx239-7) |
従業員数 | 712 名<うち男性 193 名(正社員 55 名):女性 519 名(正社員 21 名)> (2022 年 11 月末現在) |
資本金 | 150 百万円 |
業種 | 食料品等小売業 |
事業部門 | 青果部門、鮮魚部門、精肉部門、惣菜部門、グローサリー部門 |
沿革 | 1946 年(昭和 21 年) xxxxが八百屋を創業
1963 年(昭和 38 年) 緒川店 開店 1982 年(昭和 57 年) 八針本店 開店 1984 年(昭和 59 年) 緒川店 閉店 1997 年(平成 9 年) 東ヶ丘店 開店 2003 年(平成 15 年) 安城店 開店 2008 年(平成 20 年) 知立団地店 開店、安城店 閉店 2009 年(平成 21 年) 半田xx店 開店 2011 年(平成 23 年) xx川店 開店 2013 年(平成 25 年) 西尾店 開店 2018 年(平成 30 年) 常滑駅前店 開店 2021 年(令和 3 年) 安城アンフォーレ店 開店 2022 年(令和 4 年) 美浜xx店 開店 |
2-2.経営方針と事業内容
マルスフードショップ株式会社(以下、マルスフードショップ)は、1946 年(昭和 21 年)に開業した青果店を原点に持つ食料品等小売業(スーパーマーケット)である。創業者のxxxxが商品を仕入れる際に、いつも〇に「ス」と印をつけていたことが店名「マルス」の由来となっている。
1963 年(昭和 38 年)にセルフサービス型の店舗を開店したことで、当時の大型店としては珍しい形態として話題を呼んだが、その後、競合環境が大きく変化したことから、外部のコンサルティングを導入して改革を進めることとなった。
改革のスタートから 10 年が経過し、現在では連続売上成長を継続するまでに発展しており、これからも「驚き」「感動」「笑顔」を作れる繁盛店であり続けるために、さらなる改革を進めて走り続けている。
【企業理念】
「人で売る 人と売る 人のために売る」
xxxの企業理念は「人」です。
スーパー業界では、最新のテクノロジーを駆使した業務効❹化が進んでおり、人員の削減や効❹化が進んでいます。
しかし、マルスはあえて「人が売る」「人で売る」ことを徹底し、美味しさにこだわり、手作りを続ける、業者さんとも各店スタッフが信
頼関係を築き、お値打ちな商品を仕入れる、お客様とのコミュニケーションをしっかりと取り、買い物を楽しくすることを大切にしています。
名付けて「笑売」。
そんなワクワクするスーパーを体現する理念となります。
【ビジョン】
「100 年企業ではなく、100 年成長企業にします」
・マルスが目指すのは 100 年成長を続けられる企業です。
・100 年企業ではなく、成長企業がポイントです。
・マルスの企業理念を実行すれば、必ず成長が出来ると確信しています。
・しかし、無駄な出店をするのではなく、「人」の成長に合わせて規模を大きくしています。
【行動指針】
同社では以下の6つの行動指針を掲げ、従業員が日々の職場でそれを実践している。
元気
思いやり
楽しむ
明るい笑顔でハキハキと話し、関わる全ての人に元気を届けます。
相手の立場に立って考え、行動し、よりよい
チームワークを築きます。
一つ一つの仕事にやりがいを見つけ、働くことを楽しみます。
挑戦
創意工夫
目標達成
枠にとらわれない発想で、物事を考えます。
何事にもチャレンジし、マルスの新しい常識を築きます。
目標達成を繰り返し、自己成長につなげます。
成長は遅くても、一人ひとりが活躍できる場所にしたい
マルスが目指すのは 100 年成長企業として長く経営することです。
効率化をしてどんどん出店し規模を大きくするのではなく、社員の成長に歩みをあわせて一歩一歩着実に成長していく、それがxxxが目指す理想の姿です。
社員一人一人の個性が輝き、活躍できる場所にしたい。
だからこそ、未経験でもまず一歩踏み出して欲しい。失敗しても、もう一度工夫をしながらチャレンジして欲
しい。そんな風に思っています。
マルスフードショップ株式会社代表取締役社長 xx x
【事業活動】
店 舗 網
同社は愛知県の知多・西三河地域で9店舗を展開している。
店長・売り場責任者が主体性を持って個性的な店舗運営を行っており、顧客にワクワク感を感じてもらうような魅力ある売り場づくりを行っており、食品専門スーパーの『地域一番店』として地元の人々に幅広く愛されている。
本店
愛知県知多郡xx町大字xx八ツ針1-26
知立団地店
愛知県知立市昭和9丁目2
xx川店
xxxxxxxxxxx00-0 ソラトxx川1F
安城アンフォーレ店
xxxxxxxxxx000-0
常滑駅前店
xxxxxxxxxx0xx000
西尾店
愛知県xx市xxxx十五夜25
東ヶ丘店
愛知県知多郡xx町緒川字東仙台1
半田xx店
xxxxxxxxx0-00
事 業 部 門
青果部門
味と鮮度を市場で実際に確認
顧客に喜んでもらえるものだけを仕入れる
同社は青果店からスタートしたスーパーであり、鮮度と味に対するこだわりを強く持っている。
青果部門の仕入れ担当者は、市場へ行き、自分の目で見て、触れて、試食をするなどして、「これなら」という商品だけを仕入れている。例えば、市場に出始めたフルーツは顧客に「美味しい!」と思ってもらえるベストタイミングを吟味する。その結果、商品を購入した顧客から、数時間後に電話があり、「あの商品はまだあるのか」という問い合わせをもらうこともある。
鮮魚部門
選りすぐりの魚を自分で仕入れ、その日のうちに顧客に届ける
鮮魚部門の担当者は週に 3 日は市場に行き、自分の目で見極めて納得した選りすぐりの商品を顧客に届けている。
鮮魚の命は鮮度であり、自分が食べたいという思いだけではなく、顧客に届くイメージを想像して仕入れることが大切となる。鮮魚部門に配属されると、まず、1 年目は値付けや売り場での売り込みで部門業務に慣れることから始まり、2 年目からは魚を捌く業務に携わることになる。多くの従業員は未経験の状態から練習を重ね、その後に難しい皮引きなどを覚えることとなる。
精肉部門
スーパーの重要な収益部門のひとつ 飽きさせない売り場づくりが同社の武器
食卓で主役となる肉の売り場は顧客がシビアな目で品定めをする場所でもある。 夏は焼肉、冬はすき焼きなど季節のイベントごとに商品ラインナップを変えたり、顧客の目線を分析して陳列を変えるなど、さまざまな趣向を凝らして売り場を作っている。
売り場に並ぶ前の成形工程は精肉部門の最も大切な仕事であり、不要な筋や骨を取り除く作業は、正確さとスピードが命となる。切りxxつでも「美味しい」と思ってもらえるかどうかが変わり、売上が大きく変わる。
惣菜部門
手作りにこだわり!同社ならではの、顧客に愛
される商品作りを目指す
同社の惣菜部門は、「ジャンボチキンカツ」や「ゴツ肉メンチ」など、それを目当てに顧客は店に足を運ぶような看板商品を数多く生みだしている。
全ての商品をイチから手作りするなど売り場には自慢の商品ばかりが並んでいる。主婦目線での商品開発が大切となるため、従業員とパートが一緒に試行錯誤をしながら、自分達が食べて「美味しい!」と思った商品だけを売るのがマルスのこだわりとなっている。全部門の中で一番手間ひまがかかることもあり、チームワークが際立った部門でもある。
グローサリー
取り扱い商品点数がどこよりも多い
世の中のトレンドがいち早く反映する売り場
グローサリーは加工済みの商品や常温で販売できる調味料に加え、缶詰、飲料、菓子など保存性が高い食品を取り扱う部門である。取り扱う商品点数が多いことも特徴となっており、メーカーごとの特徴を把握
し、仕入れ・販売・企画・値付けまでを行っている。同部門では、自分たちが売りたい商品も積極的にアピールしながら、顧客ニーズに合わせた活気ある売り場づくりをしている。
2-3.サスティナビリティに関連する活動
【女性従業員の活躍推進】
同社では女性従業員が継続して勤務し活躍できるよう、妊娠・出産・復職時の支援体制を整備している。こうした取り組みを明確化するため、2023 年度を開始年度として「女性従業員の活躍推進」を目的とした行動計画を策定し、目標として、①育児休業を取得予定の社員や育児休業から復職した女性社員に対する社内相談窓口制度の導入、②未就学児童を持つ社員が時短勤務を希望する場合に利用する制度の導入、③女性幹部の増員とキャリア形成のサポートを掲げるとともに、それぞれの対策も明記している。
現在、女性の幹部職員(各部門の部門長や店長以上の職務に就くもの)は 2 名が在籍しており、将来的にはさらに女性幹部職員の増員を予定している。
また、女性従業員を含めた全従業員を対象とした「働き方改革とキャリアアップ」についての行動計画についても 2023 年度を開始年度として策定している。
マルスフードショップ株式会社行動計画
<女性の活躍推進> <働き方改革とキャリアアップ>
【高齢者の積極雇用】
同社では高齢者の従業員を積極的に雇用している。同社の本社があるxx町のシルバー人材センターと協定を締結するとともに、同町の福祉関連部署や社会福祉協議会と連携し、町内のイベントにおいて会社説明のブースを設置するなど高齢の求職者への説明会も開催している。
会社説明ブースでの様子
【障がい者の雇用促進】
同社ではダイバーシティ推進の観点から、障がい者の雇用を積極的に行っている。そのため、各店舗の所在地にある行政が管理する支援センターなどと連携を強化している。雇用前の職場体験に加え、支援センターや保護者との面談を何度も実施することで、障がい者が雇用された後も長期間勤務できるようにサポートする体制を構築している。
また、雇用後も同社、支援センター、本人による3者面談を定期的に行い、課題の共有や改善案について共にすり合わせることで、安定して勤務できるような職場環境の整備を行っている。
【障がい者に対する処遇向上】
障がい者の雇用に関しては、一般に賃金の減額特例許可制度を用いて最低賃金を下回る時給での雇用が認められている。しかしながら、同社では障がい者に対するOJTに注力し、一定のスキルが認められる場合は、減額特例許可制度を使わず、最低賃金以上の給与を支給している。なお、2022 年 11 月末時点で同社が雇用する障がい者5名の全てを最低賃金以上の処遇としている。
【地元食材や商品と連携したプライベートブランド商品の開発】
同社独自の商品でオリジナリティを打ち出し、他社との差別化を図るためにプライベートブラン ド(PB)商品の販売を推進している。一般に PB はナショナルブランド(NB)に比べて同等の品質で価格が安いことを訴求ポイントとする例が多いが、同社では価格ではなく、品質にこだわったものをよりお値打ちに提供することを目的としている。現在は地元の一次産品などを原料に用いたお米、こんにゃく、揚げ菓子(さくふわおせんべい)などに加え、名古屋を中心とした愛知県の人気ラーメン店である「フジヤマ 55」とコラボしたラーメンなどを提供している。今後もさらにプライベート商品の企画・開発を推進していく予定であり、特に地元の産品を使用した商品や地元食品メーカーと連携した商品を提供していくことで、地元の食品関連企業の支援につながる取り組みを進めていく。
さくふわおせんべい 「フジヤマ 55」とコラボしたラーメン
【新鮮な地元食材の提供】
同社では、本拠地であり多くの店舗網を有する愛知県において、地元産の魚介や野菜などの
生鮮食品を地元漁港や農家から直接仕入を行っており、産地直送品として各店舗にて販売している。
鮮魚については、地産地消を推進する考えのもと、xx漁港や豊浜漁港などの地元漁港からの仕入れに注力しており、鮮魚全体に占める地元産の割合は 2022 年 11 月末で 12%となっている。
また、野菜については、xx農園のベビー青梗菜をはじめとして地元農家 6 社と契約して仕入れを行っている。また、産地販売である「野菜村」を開催し、地元の小規模農家に販売機会を提供している。
2022 年 11 月 25 日(金)に同社の8店舗目としてオープンした「マルス美浜xx店」の産直コーナーにおいては、60 軒以上の地元農家と直接契約を行っている。オープンの際には 25 軒以上の農家が商品を販売し、当初の想定を上回る売上を記録した。
自社プライベートブランド(PB)米の開発においては、地元であるxx市で収穫された米を使用し、地元の農家
と米問屋が協力して、包装資材から販促物まで制作に
関わり、毎年、販売数量を伸ばしている。
農家直送の新鮮野菜
【顧客ニーズに合った商品の提供】
同業他社では本部が一括して仕入れを行うことが一般的であるのに対し、同社では“人で売る”との経営方針のもと顧客と触れ合う機会の多い売場の担当者が直接、仕入れを担っており、顧客のニーズを反映した商品の仕入れ及び提供を行っている。
【地元自治体との災害協定締結による発生時の食料等供給支援】
同社では地震、風水害その他の災害が発生した場合に地元自治体に対し食料等の物資を供給する協定を締結している。具体的には、同社が本拠を置く知多郡xx町との間で 2012 年 6 月に「災害救助に必要な物資の調達に関する協定」を締結している。
【食品衛生管理の推進】
同社では年 2 回、全店舗の従業員を対象とする食品衛生講習を実施し、従業員が食品衛生に関する知識の習得や意識の向上を図っている。
また、講習以外にも毎月1回、テーマを決めて店舗ミーティングを開催している。例えば、異物混入をテーマに講習実施した場合には、知識の習得のみにとどまらず、実際に実店舗で同様の事例が発生した場合に、現場でどのような対応を行うかということまで具体的な決定を行っている。
ほかにも安全衛生週間として、食中毒防止月間なども設けて全社で抑止徹底に努めている。
【労働安全管理の徹底】
同社の各店舗において、毎月1回開催する店舗会議の議題として、労働災害に関するテーマを取り上げ、従業員間でその内容についてミーティングを行っている。取り上げる内容については、自店舗は当然のことながら、他の店舗で発生した労働災害の事例も踏まえて、従業員間でその内容に関する情報を共有している。
また、労災ゼロ月間を設定し、店長が中心となり各店舗で労働災害事故の抑止徹底を行っている。
【食育を含めた教育機会の提供】
同社では、若者に対して働く場での具体的な体験の機会を広く提供するために、特別支援学校や就労支援センターなどと連携して同社店舗における職場体験学習を受け入れている。2021 年度は合計で7名を受け入れている。
また、地元小学生への社会教育機会の提供の一環として、地元小学校の近隣店舗で社会見学を積極的に受け入れており、2021 年度には4店舗で計6校の受け入れ実績がある。
今後は食育に関する教育機会の提供をさらに充実させることを目的に地元市町の教育委員会等と連携し、学校給食
職場見学の様子
において「お弁当の日」を設定する計画に参画している。「お弁当の日」とは、店舗所在地の近隣小学校や中学校において、生徒が食材を買い、自ら調理までを行ったお弁当を給食として食べる行事であり、同社はその食材を販売する店舗として生徒たちの食育のサポートをしていく役割を担う予定となっている。お弁当の日には、特別に個食パックでの販売を行うなど、生徒が1人分の食材を購入できるような販売方法を取り入れることを計画している。
他地域での「お弁当の日」の取り組みを紹介する冊子
【充実した研修制度の構築】
同社では、新入社員メンタルヘルス研修、チーフ研修、行動分析研修など、従業員の階層別研修をはじめとした様々な研修制度を構築している。
近年は新型コロナウイルス感染症防止の観点から開催を行っていないものの、2019 年度以前は、年に一度、社外講師によるチーフ研修や行動分析研修を行っており、これらの講習については、今後、新型コロナウイルスの感染状況を見極めつつ再開を検討している。
主な研修制度と研修の内容
研 修 名 | 主 な 研 修 x x |
メンタルヘルス研修 (対象:~1 年目) | 仕事のトラブルの解決策や人とのコミュニケーションの取り方などのフォローを実施。また、グループワークも取り入れており、他の店舗のことも知ることで視 野を広げ、モチベーションを高めていくことができる。 |
メンタルヘルス研修 (対象:~2 年目) | 管理業務にも携わる機会が増えることで生まれるいろいろなストレスとの向き 合い方や、1年目とは違うコミュニケーションの取り方を学ぶ。 |
チーフ育成研修 | 伝えたいことをどのように相手に伝えるか、リーダーシップを取るための心構えを習得する。また、チームメンバーの適性を考えながら皆で一つの目標をどの ように分担していくのかなどを実践的に学ぶ。 |
DISC研修 | いろいろな役職、世代が参加し、自分や相手の性格や思考タイプを知り、ど うコミュニケーションを取っていくことがよいのかを検証する。 |
各店舗における研修の風景
【労働環境の改善】
同社では、従業員のワーク・ライフ・バランスの実現に向け、残業時間の短縮や有給休暇の取得促進に取り組んでいる。
具体的には、店長をはじめ各従業員の業務分担を進めており、これまでは正社員が担っていた閉店作業をパート・アルバイトの従業員でも行うことができるように規定を改定することで、xx雇用者の負担を削減し、パート・アルバイトを含めた全従業員の業務の平準化を進めている。
これにより、従業員の時間外労働の短縮が期待されるため、これまで法定時間外労働時間が 35 時間以内の場合に支給されていた「残業短縮手当」(1万円)について、基準時間をさらに短くすることを検討している。
有給休暇の取得促進については、リフレッシュ休暇を制定しており、2021 年度の一人当たり有給休暇取得日数は平均で 9.98 日となっている。
また、社内に安全衛生委員会を設けて、全従業員がメンタル不調を起こさないために、毎月1回、各店舗でカウンセラーによるメンタルヘルス面談を行っている。従業員が抱えている悩みや不
安を直接言い難い場合には、書面で伝えることができる「お悩み事カード」を設置し、各店舗従業員が安全衛生委員会に直接相談できる窓口としている。
【愛知県ファミリー・フレンドリー企業への登録】
同社は、2015 年9月に「愛知県ファミリー・フレンドリー企業」に登録された。愛知県ファミリー・フレンドリー企業とは、従業員が仕事と生活の調和を図ることができるように積極的に取り組んでいる企業のことで、愛知県がワーク・ライフ・バランスの実現に取り組む企業を奨励し、その取り組みを紹介するために設けた登録制度である。ちなみに、2022 年 10 月末時点で愛知県ファミリー・フレンドリー企業には愛知県内の企業 1,611社が登録されている。
同社では愛知県ファミリー・フレンドリー企業に認定された後も、全社的に働き方改革の見直しに取り組んでおり、残業短縮手当の支給や有給取得率の向上などを進めるとともに、店長を中心に現場での社員指導や面談の機会を設けている。
なお、同社の登録有効期限は 2023 年 1 月末であるが、引き続き登録の更新を予定している。
愛知県ファミリー・フレンドリー企業登録証
【地元の祭り・イベントへの参加・協賛】
同社の本社所在地である愛知県xx町の於大祭りの武将行列への参加や、産業まつりに対して運営委員として参画するなど地元地域の祭りや交流イベントに積極的に参加し、地域の文化や伝統を守る取り組みを積極的に行っている。
於大祭りの様子 産業まつりの様子
【資源回収ステーションの設置】
同社では、リサイクル可能な廃棄物の再生利用を推進するため、特定の店舗において資源回収ステーション「eco ひろば」を設置している。これにより、同社の利用者や地域住民が積極的にリサイクルを推進する環境を整備している。具体的には、eco ひろばにペットボトル、缶、古紙、段ボ
ールなどを持ち込んだ人に対し、回収量に応じて CGC グループの CoGCa カードにグループで使用できるポイントを還元することで、利用者が気軽にリサイクルでき、かつインセンティブを得ることができるような仕組みを構築している。
eco ひろば安城 eco ひろば常滑
【産業廃棄物マニフェストの電子化】
廃棄物の処理及び清掃に関する法律(廃棄物処理法)では、事業活動において生じた廃棄物を自社の責任において適正に処理することが義務付けられている。同社では、食品廃棄物等の収集運搬及び処分を業者に委託し、廃棄物を業者に引き渡す際に交付する産業廃棄物管理票
(マニフェスト)の運用を通して、自社が排出した廃棄物の処理が適正に実施されたかどうかを確認している。同社では売れ残った食料品などの食品廃棄物については、提携する産業廃棄物処理業者に委託して処分を行っているが、廃棄物処理の適正化を進めるため、可能な限り産業廃棄物マニフェストの電子化を行っている業者への委託を進めている。
現在は全委託業者4社のうち1社がマニフェストの電子化を行っているが、将来的にはさらに電子化業者の割合を高めていくことを予定している。
【再生トレーの使用】
同社は、商品販売の際に用いる容器包装資材を削減することを通じて使用資源の効率化に取り組んでいる。具体的には、一部商品の販売においてリサイクル可能な再生トレーを使用するなど、販売用資材の使用において資源の効率化を進めている。再生トレーの使用状況については、現状、金額ベースで全使用トレーのうち 34.1%の使用率となっているが、2025 年度には使用率 50%以上を目標とする方針を掲げている。また、店舗毎に使用トレーのばらつきがでないように、各部門長が全店舗のトレー選定を行うことで部門毎の使用トレーの統一を図っている。
使用している主な再生トレー
【食品ロスの削減】
同社では惣菜をはじめとした食品廃棄物、いわゆる食品ロスを削減するための取り組みを積極的に進めている。
具体的には、①福祉団体等の支援団体に対する賞味期限切れ商品の無料配布、②子ども食堂への賞味期限切れ食品等の無料配布、③賞味期限切れ商品の従業員への販売、④値引きによる売り切りの徹底、⑤販売計画制度の強化、⑥部門別での連携販売(2 次加工)、⑦規格品販売できない物は加工したうえで商品化を行う(ミンチなど)などを行っている。
3.UNEP FI インパクトレーダーとの関連性
本ファイナンスでは、マルスフードショップの事業を、国際標準産業分類における「食料品、飲料またはたばこが主な非専門店小売業」として整理した。その前提のもとでの UNEP FI のインパクト分析ツールを用いた結果、「包摂的で健全な経済」「食料」「雇用」に関するポジティブ・インパクト、「保健・衛生」「雇用」に関するネガティブ・インパクトが分析された。
一方、事業活動等を踏まえ、本ファイナンスで特定された同社のインパクトは以下の通りである。
※色の濃い項目が同社のインパクト領域
3-1.経済面のインパクト
インパクト領域 | テーマ | 活動内容 |
〈ポジティブ〉 包摂的で健全な経済 | 女性従業員の活躍推進 | ・女性従業員の支援体制についての行動計画策定とキャリアアップに向けた職場づくりの推進 |
高齢者の積極雇用 | ・高齢者の従業員を積極的に雇用 ・各店舗所在地の行政が管理する支援センターと連携し、積極的に障がい者を雇用 ・雇用する障がい者に一定のスキルが認められる場合、減額特例許可制度を使わず、最低賃金以上の給与を支給 | |
障がい者の雇用促進 | ||
障がい者に対する処遇向上 | ||
経済収束 | 地元食材や商品と連携したプライベートブランド商品の開発 | ・地元産品の使用や地元食品メーカーとの連携したプライベートブランド(PB)商品の提供による地元食品関連企業の支援 |
地元自治体との災害協定締結による発生時の食料等供給支援 | ・災害発生時に地元自治体に対する食料等の物資を供給する協定を締結 |
3-2.社会面のインパクト
インパクト領域 | テーマ | 活動内容 |
〈ポジティブ〉食料 | 新鮮な地元食材の提供 | ・地元の漁港や農家から直接仕入を行い、産地直送品として各店舗にて販売 ・“人で売る”との経営方針のもと、売場担当者が直接、仕入れを担い、顧客ニーズを反映した商品の仕入れ・提供を実現 ・「経済収束」を参照 |
顧客ニーズに合った商品の提供 | ||
地元自治体との災害協定締結による発生時の食料等供給支援 | ||
教育 | 食育を含めた教育機会の提供 | ・特別支援学校や就労支援センターと連携した職場体験学習や地元小学校の社会見学の受け入れ ・食育に関する教育機会の充実を目的に、地元の市町の教育委員会等と連携して学校給 食に「お弁当の日」を設定する計画に参画 |
雇用 | 女性従業員の活躍推進 | 「包摂的で健全な経済」を参照 ・従業員の階層別研修をはじめとした様々な研修制度を構築 |
高齢者の積極雇用 | ||
障がい者の雇用促進 | ||
充実した研修制度の構築 | ||
〈ネガティブ〉保健・衛生 | 食品衛生管理の推進 | ・年 2 回の全店舗従業員を対象とする食品衛生講習や、月1回テーマを決めた店舗ミーティングを開催 |
労働安全管理の徹底 | ・各店舗会議の議題として労働災害に関するテーマを取り上げ、他店舗の労災事例も踏まえ、従業員間で情報を共有 ・労災ゼロ月間を設け、各店舗で労働災害事故の抑止徹底 | |
労働環境の改善 | ・全従業員がメンタル不調を起さないために、社内に安全衛生委員会を設け、様々な取り組みを実施 | |
雇用 | 労働環境の改善 | ・従業員のワーク・ライフ・バランスの実現に向け、残業時間の短縮や有給休暇の取得促進に取り組み ・「保健・衛生」を参照 |
愛知県ファミリー・フレンドリー企業への登録 | ・愛知県がワーク・ライフ・バランスの実現に取り組む企業を奨励し、その取り組みを紹介するために設けた登録制度である「愛知県ファミリー・フレンドリー企業」に同社は 2015 年9月に登録 |
3-3.環境面のインパクト
インパクト領域 | テーマ | 活動内容 |
<ネガティブ>廃棄物 | 資源回収ステーションの設置 | ・特定店舗に資源回収ステーション「eco ひろば」を設置し、ペットボトル、缶、古紙、段ボールなどを持ち込んだ人に対し、回収量に応じてグループで使用できるポイントを還元 |
産業廃棄物マニフェストの電子化 | ・廃棄物処理の適正化を進めるため、産業廃棄物マニフェストの電子を行っている業者への委託を推進 | |
再生トレーの使用 | ・一部商品の販売においてリサイクル可能な再生トレーを使用し、販売用資材の使用において資源の効率化を推進。 | |
食品ロスの削減 | ・惣菜をはじめとした食品廃棄物(食品ロス)を削減するための取り組みを積極的に推進 |
4.測定するKPIと SDGsとの関連性
マルスフードショップは本ファイナンス期間において以下の通り KPI を設定する。
4-1.経済面(ポジティブ)
特定インパクト | 経済収束 | |
取組、施策等 | 【地元食材や商品と連携したプライベートブランド(PB)商品の開発】 ・地元産品や地元食品メーカーと連携したプライベートブランド(PB)商品を積極的に提供していくことで、引き続き地元 の食品関連企業を支援していく | |
借入期間におけるKPI | ・地元食材・商品と連携したプライベートブランド(PB)商品の開発を 2022 年 11 月末時点の 4 品目から 2025 年末までに 10 品目まで増加させる | |
関連するSDGs | 2.3 2030 年までに、土地、その他の生産資源や、投入財、知識、金融サービス、市場及び高付加価値化や非農業雇用の機会への確実かつ平等なアクセスの確保などを通じて、女性、先住民、家族農家、牧畜民及び漁業者をはじめとする小規模食料生産者 の農業生産性及び所得を倍増させる。 |
4-2.経済面・社会面(ポジティブ)
特定インパクト | 包摂的で健全な経済 雇用 | |
取組、施策等 | 【女性従業員の活躍推進】 ・女性従業員が生き生きと働き、キャリアアップを図ることができる職場づくりを進めていく 【高齢者の積極雇用】 ・高齢者の従業員を引き続き積極的に雇用していく 【障がい者の雇用促進】 ・障がい者が雇用された後も長期間勤務できるようにサポー トする体制を構築することで、障がい者を積極的に雇用していく | |
借入期間におけるKPI | ・女性の幹部職員(部門長及び店長)を 2022 年 11 月末時点 の 2 名から 2027 年末までに 5 名に引き上げる ・60 歳以上の従業員の比率を 2022 年 11 月末時点の 10%から 2027 年末までに 15%以上に引き上げる ・障がい者雇用の割合を 2022 年 11 月末時点の 0.45%から 2027 年末までに1%以上に引き上げる | |
関連するSDGs | 5.5 政治、経済、公共分野でのあらゆるレベルの意思決定において、完全かつ効果的な女性の参画及び平等なリーダーシップの機会を確保する。 8.5 2030 年までに、若者や障害者を含むすべての男性及び女性の、完全かつ生産的な雇用及び働きがいのある人間らしい仕事、ならびに同一労働同一賃金を達成する。 10.2 2030 年までに、年齢、性別、障害、人種、民族、出自、宗教、あるいは経済的地位その他の状況に関わりなく、すべての人々の能力強化及び社会的、経済的及び政治的 な包含を促進する。 |
4-3.社会面(ポジティブ)
特定インパクト | 食料 |
取組、施策等 | 【新鮮な地元食材の提供】 ・地元愛知県産の魚介や野菜などの生鮮食品を地元の漁港や農家から直接仕入れ、産地直送品として各店舗にて積 |
極的に販売を行う | ||
借入期間におけるKPI | ・産地直送品として販売している地元農家からの仕入先を 2022 年 11 月末時点の 6 社・農家から 2027 年末までに 20社・農家まで増加させる ・鮮魚全体に占める地元産の割合を 2022 年 11 月末時点の 12%から 2027 年末までに 30%以上に引き上げる | |
関連するSDGs | 2.3 2030 年までに、土地、その他の生産資源や、投入財、知識、金融サービス、市場及び高付加価値化や非農業雇用の機会への確実かつ平等なアクセスの確保などを通じて、女性、先住民、家族農家、牧畜民及び漁業者をはじめとする小規模食料生産者 の農業生産性及び所得を倍増させる。 |
特定インパクト | 教育 | |
取組、施策等 | 【食育を含めた教育機会の提供】 ・若者に働く場の具体的な体験の機会を広く提供するため、同社店舗における職場体験学習を積極的に受け入れる ・食育に関する教育機会の提供を充実させるために、地元 市町の教育委員会等と連携し、学校給食における「お弁当の日」の設定に積極的に参画する | |
借入期間におけるKPI | ・就労体験授業の受入れを 2022 年実績の4店舗で6校から 2027 年までに全店で9校まで引き上げる ・2027 年までに「お弁当の日」を年に2回設定する | |
関連するSDGs | 4.1 2030 年までに、すべての子どもが男女の区別なく、適切かつ効果的な学習成果をもたらす、無償かつxxで質の高い初等教育及び中等教育を修了できるようにする。 4.4 2030 年までに、技術的・職業的スキルなど、雇用、働きがいのある人間らしい仕事及び起業に必要な技能を備えた若者と成 人の割合を大幅に増加させる。 |
4-4.社会面(ネガティブ)
特定インパクト | 保健・衛生 | |
取組、施策等 | 【労働安全管理の徹底】 ・店舗会議などにおける、従業員間での労働災害に関する情報の共有や、労災ゼロ月間を設けて、店長が中心となり各店舗での労働災害事故の抑止徹底を行っていく | |
借入期間におけるKPI | ・労働災害の発生件数を 2027 年までに年間 0 件とする (2019 年 11 件、2020 年 9 件、2021 年 6 件) | |
関連するSDGs | 8.8 移住労働者、特に女性の移住労働者や不安定な雇用状態にある労働者など、すべての労働者の権利を保護し、安全・安心な労働環境を促進する。 |
特定インパクト | 雇用 | |
取組、施策等 | 【労働環境の改善】 ・従業員のワーク・ライフ・バランスの実現に向け、残業時間の短縮や有給休暇の取得促進に取り組む 【愛知県ファミリー・フレンドリー企業への登録】 ・愛知県ファミリー・フレンドリー企業の登録を維持していくなど、全社的に働き方改革に取り組んでいく | |
借入期間におけるKPI | ・毎月の時間外労働を一定の基準以内に抑えることができた従業員に支払っている「時間短縮手当」について、これまでの月 35 時間以内の基準を 2027 年までに月 30 時間以内に引き下げる ・愛知県ファミリー・フレンドリー企業への登録を毎年継続していくとともに、2027 年までに愛知県ファミリー・フレンドリー 企業の表彰受賞を目指す | |
関連するSDGs | 8.5 2030 年までに、若者や障害者を含むすべての男性及び女性の、完全かつ生産的な雇用及び働きがいのある人間らしい仕事、ならびに同一労働同一賃金を達成する。 8.8 移住労働者、特に女性の移住労働者や不安定な雇用状態にある労働者など、すべての労働者の権利を保護し、安全・安心な労 働環境を促進する。 |
4-5.環境面(ネガティブ)
特定インパクト | 廃棄物 | |
取組、施策等 | 【資源回収ステーションの設置】 ・資源回収ステーション「eco ひろば」の設置を拡大し、店舗利用者を中心にリサイクルの取り組みを推進していく 【産業廃棄物マニフェストの電子化】 ・廃棄物処理の適正化を進めるため、産業廃棄物マニフェストの電子化を行っている業者への委託を推進していく 【再生トレーの使用】 ・リサイクル可能な再生トレーを使用し、販売用資材の使用において資源の効率化を推進していく 【食品ロスの削減】 ・惣菜をはじめとした食品廃棄物(食品ロス)を削減するための取り組みを積極的に推進していく | |
借入期間におけるKPI | ・同社の店舗における資源回収ステーションの設置割合を 2022 年 11 月末時点の 22%(9店舗中2店舗設置)から 2027 年末までに 50%以上に引き上げる ・産業廃棄物マニフェストの電子化を行っている事業者との取引を 2022 年 11 月末時点の 1 社から 2027 年末までに 4社(全取引事業者)まで拡大する ・再生トレーの使用率を 2022 年 11 月末時点の 34%から 2027 年末までに 50%以上まで引き上げる ・惣菜ロスを 2022 年 12 月末時点の 7.1%から 2027 年末までに 5%未満まで減少させる(金額ベース) | |
関連するSDGs | 8.4 2030 年までに、世界の消費と生産における資源効率を漸進的に改善させ、先進国主導の下、持続可能な消費と生産に関する 10 年計画枠組みに従い、経済成長と環境悪化の分断を図る 12.3 2030 年までに小売・消費レベルにおける世界全体の一人当たりの食料の廃棄を半減させ、収穫後損失などの生産・サプライチェーンにおける食品ロスを減少させる。 12.5 2030 年までに、廃棄物の発生防止、削減、再生利用及び再利用により、廃棄物 の発生を大幅に削減する。 |
4-6.その他KPIを設定しないインパクトについて SDGsとの関連性
事業活動 | 関連するSDGsのターゲット | SDGsの ゴール |
〈経済面〉 障がい者に対する処遇向上 | 8.4 2030 年までに、世界の消費と生産における資源効率を漸進的に改善させ、先進国主導の下、持続可能な消費と生産に関する 10 年計画枠組みに従い、経済成長と環境悪化の分断を図る。 10.4 税制、賃金、社会保障政策をはじめとする政策を導 入し、平等の拡大を漸進的に達成する。 | |
<経済面・社会面>地元自治体との災害協定締結による発生時の食料等供給支援 | 2.1 2030 年までに、飢餓を撲滅し、すべての人々、特に貧困層及び幼児を含む脆弱な立場にある人々が一年中安全かつ栄養のある食料を十分得られるようにする。 2.c 食料価格の極端な変動に歯止めをかけるため、食料市場及びデリバティブ市場の適正な機能を確保するための措置を講じ、食料備蓄などの市場情報への適時のアクセスを容易にする。 17.17 さまざまなパートナーシップの経験や資源戦略を基にした、効果的な公的、官民、市民社会のパートナ ーシップを奨励・推進する。 | |
<社会面> 顧客ニーズに合った商品の提供 | 2.c 食料価格の極端な変動に歯止めをかけるため、食料市場及びデリバティブ市場の適正な機能を確保するための措置を講じ、食料備蓄などの市場情報への適時のアクセスを容易にする。 12.3 2030 年までに小売・消費レベルにおける世界全体の一人当たりの食料の廃棄を半減させ、収穫後損失などの生産・サプライチェーンにおける食品ロスを減少させる。 12.8 2030 年までに、人々があらゆる場所において、持続 可能な開発及び自然と調和したライフスタイルに関する情報と意識を持つようにする。 | |
充実した研修制度の構築 | 4.3 2030 年までに、すべての人々が男女の区別なく、手の届く質の高い技術教育・職業教育及び大学を含む高等教育への平等なアクセスを得られるようにする。 4.4 2030 年までに、技術的・職業的スキルなど、雇用、働 |
きがいのある人間らしい仕事及び起業に必要な技能を備えた若者と成人の割合を大幅に増加させる。 | ||
<環境面> 食品衛生管理の推進 | 2.4 2030 年までに生産性を向上させ、生産量を増やし、生態系を維持し、気候変動や極端な気象現象、干ばつ、洪水及びその他の災害に対する適応能力を向上させ、漸進的に土地と土壌の質を改善させるような、持続可能な食料生産システムを確保し、強靭(レジリエント)な農業を実践する。 12.4 2020 年までに、合意された国際的な枠組みに従い、製品ライフサイクルを通じ、環境上適正な化学物質 やすべての廃棄物の管理を実現し、人の健康や環境への悪影響を最小化するため、化学物質や廃棄物 の大気、水、土壌への放出を大幅に削減する。 |
5.サスティナビリティ管理体制
マルスフードショップでは、本ポジティブ・インパクト・ファイナンスに取り組むにあたり、品質検査部を中心に組織横断的なプロジェクトチームを結成。xx社長を責任者とし、xx専務が中心となって総務部が日々の業務やその他活動を棚卸することで、自社の事業活動とインパクトレーダーとの関連性について検討をした。
本ポジティブ・インパクト・ファイナンスの実行後、返済期限までの間においても、xx社長、
xx専務及び総務部、関係部署などとの連携体制を構築することでKPIの達成を図っていく。
最高責任者 | 代表取締役社長 xxx |
xx責任者 | 専務取締役 xxxx |
担当部署 | 総務部 |
6.モニタリング
本件で設定したKPIの進捗状況は、マルスフードショップと三十三銀行の担当者が年に1回以上の会合を設けることで確認する。モニタリングの結果、当初想定と異なる点があった場合
には、三十三銀行は、同社に対して適切な助言・サポートを行い、KPIの達成を支援する。
7.総合評価
本件はUNEP FIの「ポジティブ・インパクト金融原則」に準拠した融資である。マルスフードショップは、上記評価の結果、本件融資期間を通じてポジティブな成果の発現とネガティブな影響
の低減に努めることを確認した。また、三十三銀行は年に1回以上その成果を確認する。
本評価書に関する重要な説明
1.本評価書は、三十三総研が、三十三銀行から委託を受けて作成したもので、三十三総研が三十三銀行に対して提出するものです。
2.三十三総研は、依頼者である三十三銀行及び三十三銀行がポジティブ・インパクト・ファイナンスを実施するマルスフードショップから供与された情報と、三十三総研が独自に収集した情報に基づく、現時点での計画または状況に対する評価で、将来におけるポジティブな成果を保証するものではありません。
3.本評価を実施するに当たっては、国連環境計画金融イニシアティブ(UNEP FI)が提唱した「ポジティブ・インパクト金融原則」に適合させるとともに、ESG金融ハイレベル・パネル設置要綱第2項(4)に基づき設置されたポジティブインパクトファイナンスタスクフォースがまとめた「インパクトファイナンスの基本的考え方」に整合させながら実施しています。なお、株式会社日本格付研究所から、本ポジティブ・インパクト・ファイナンスに関する第三者意見書の提供を受けています。
〈本件問合せ先〉
株式会社三十三総研
調査部長 主席研究員 xx xx
x000-0000
xxxxxxxxxx 00 x 00 xxxxxxx0x
TEL:000-000-0000 FAX:000-000-0000
第三者意見書
2022 年 12 月 28 日
株式会社 日本格付研究所
評価対象: マルスフードショップ株式会社に対するポジティブ・インパクト・ファイナンス |
貸付人:株式会社三十三銀行 |
評価者:株式会社三十三総研 |
第三者意見提供者:株式会社日本格付研究所(JCR) |
結論:
本ファイナンスは、国連環境計画金融イニシアティブの策定したポジティブ・インパクト・ファイナンス原則に適合している。
また、環境省のESG 金融ハイレベル・パネル設置要綱第 2 項(4)に基づき設置さ
れたポジティブインパクトファイナンスタスクフォースがまとめた「インパクトファイナンスの基本的考え方」と整合的である。
I. JCR の確認事項と留意点
JCR は、三十三銀行がマルスフードショップ株式会社(「マルスフードショップ」)に対して実施する中小企業向けのポジティブ・インパクト・ファイナンス(PIF)について、株式会社三十三総研による分析・評価を参照し、国連環境計画金融イニシアティブ(UNEP FI)の策定した PIF 原則に適合していること、および、環境省の ESG 金融ハイレベル・パネル設置要綱第 2 項(4)に基づき設置されたポジティブインパクトファイナンスタスクフォースがまとめた「インパクトファイナンスの基本的考え方」と整合的であることを確認した。
PIF とは、SDGs の目標達成に向けた企業活動を、金融機関が審査・評価することを通じて促進し、以て持続可能な社会の実現に貢献することを狙いとして、当該企業活動が与えるポジティブなインパクトを特定・評価の上、融資等を実行し、モニタリングする運営のことをいう。
PIF 原則は、4 つの原則からなる。すなわち、第 1 原則は、SDGs に資する三つの柱(環境・社会・経済)に対してポジティブな成果を確認できるかまたはネガティブな影響を特定し対処していること、第 2 原則は、PIF 実施に際し、十分なプロセス、手法、評価ツールを含む評価フレームワークを作成すること、第 3 原則は、ポジティブ・インパクトを測るプロジェクト等の詳細、評価・モニタリングプロセス、ポジティブ・インパクトについての透明性を確保すること、第 4 原則は、PIF 商品が内部組織または第三者によって評価されていることである。
UNEP FI は、ポジティブ・インパクト・ファイナンス・イニシアティブ(PIF イニシア ティブ)を組成し、PIF 推進のためのモデル・フレームワーク、インパクト・レーダー、イ ンパクト分析ツールを開発した。三十三銀行は、中小企業向けの PIF の実施体制整備に際 し、三十三総研と共同でこれらのツールを参照した分析・評価方法とツールを開発している。ただし、PIF イニシアティブが作成したインパクト分析ツールのいくつかのステップは、国 内外で大きなマーケットシェアを有し、インパクトが相対的に大きい大企業を想定した分 析・評価項目として設定されている。JCR は、PIF イニシアティブ事務局と協議しながら、 中小企業の包括分析・評価においては省略すべき事項を特定し、三十三銀行及び三十三総研 にそれを提示している。なお、三十三銀行は、本ファイナンス実施に際し、中小企業の定義 を、PIF 原則等で参照している IFC(国際金融公社)の定義に加え、中小企業基本法の定義 する中小企業、会社法の定義する大会社以外の企業としている。
JCR は、中小企業のインパクト評価に際しては、以下の特性を考慮したうえでPIF 原則との適合性を確認した。
① SDGs の三要素のうちの経済、PIF 原則で参照するインパクト領域における「包括的で健全な経済」、「経済収れん」の観点からポジティブな成果が期待できる事業主体である。ソーシャルボンドのプロジェクト分類では、雇用創出や雇用の維持を目的とし
た中小企業向けファイナンスそのものが社会的便益を有すると定義されている。
② 日本における企業数では全体の 99.7%を占めるにもかかわらず、付加価値額では 52.9%にとどまることからもわかるとおり、個別の中小企業のインパクトの発現の仕方や影響度は、その事業規模に従い、大企業ほど大きくはない。1
③ サステナビリティ実施体制や開示の度合いも、上場企業ほどの開示義務を有していないことなどから、大企業に比して未整備である。
II. PIF 原則への適合に係る意見
PIF 原則 1 定義
SDGs に資する三つの柱(環境・社会・経済)に対してポジティブな成果を確認できるかまたはネガティブな影響を特定し対処していること。
SDGs に係る包括的な審査によって、PIF は SDGs に対するファイナンスが抱えている諸問題に直接対応している。
三十三銀行及び三十三総研は、本ファイナンスを通じ、マルスフードショップの持ちうるインパクトを、UNEP FI の定めるインパクト領域および SDGs の 169 ターゲットについて包括的な分析を行った。
この結果、マルスフードショップがポジティブな成果を発現するインパクト領域を有し、ネガティブな影響を特定しその低減に努めていることを確認している。
SDGs に対する貢献内容も明らかとなっている。
PIF 原則 2 フレームワーク
PIF を実行するため、事業主体(銀行・投資家等)には、投融資先の事業活動・プロジェクト・プログラム・事業主体のポジティブ・インパクトを特定しモニターするための、十分なプロセス・方法・ツールが必要である。
JCR は、三十三銀行がPIF を実施するために適切な実施体制とプロセス、評価方法及び評価ツールを確立したことを確認した。
(1) 三十三銀行は、本ファイナンス実施に際し、以下の実施体制を確立した。
1 経済センサス活動調査(2016 年)。中小企業の定義は、中小企業基本法上の定義。業種によって異なり、製造業は資本金 3 億円以下または従業員 300 人以下、サービス業は資本金 5 千万円以下または従業員 100 人以下などだ。小規模事業者は製造業の場合、従業員 20 人以下の企業をさす。
(出所:三十三銀行提供資料)
(2) 実施プロセスについて、三十三銀行では社内規程を整備している。
(3) インパクト分析・評価の方法とツール開発について、三十三銀行からの委託を受けて、三十三総研が分析方法及び分析ツールを、UNEP FI が定めたPIF モデル・フレームワーク、インパクト分析ツールを参考に確立している。
PIF 原則 3 透明性
PIF を提供する事業主体は、以下について透明性の確保と情報開示をすべきである。
・本PIF を通じて借入人が意図するポジティブ・インパクト
・インパクトの適格性の決定、モニター、検証するためのプロセス
・借入人による資金調達後のインパクトレポーティング
PIF 原則 3 で求められる情報は、全て三十三総研が作成した評価書を通して銀行及び一般に開示される予定であることを確認した。
PIF 原則 4 評価
事業主体(銀行・投資家等)の提供する PIF は、実現するインパクトに基づいて内部の専門性を有した機関または外部の評価機関によって評価されていること。
本ファイナンスでは、三十三総研が、JCR の協力を得て、インパクトの包括分析、特定、評価を行った。JCR は、本ファイナンスにおけるポジティブ・ネガティブ両側面のインパクトが適切に特定され、評価されていることを第三者として確認した。
III. 「インパクトファイナンスの基本的考え方」との整合に係る意見
インパクトファイナンスの基本的考え方は、インパクトファイナンスを ESG 金融の発展形として環境・社会・経済へのインパクトを追求するものと位置づけ、大規模な民間資金を巻き込みインパクトファイナンスを主流化することを目的としている。当該目的のため、国内外で発展している様々な投融資におけるインパクトファイナンスの考え方を参照しながら、基本的な考え方をとりまとめているものであり、インパクトファイナンスに係る原則・ガイドライン・規制等ではないため、JCR は本基本的考え方に対する適合性の確認は行わない。ただし、国内でインパクトファイナンスを主流化するための環境省及びESG 金融ハイレベル・パネルの重要なメッセージとして、本ファイナンス実施に際しては本基本的考え方に整合的であるか否かを確認することとした。
本基本的考え方におけるインパクトファイナンスは、以下の 4 要素を満たすものとして
定義されている。本ファイナンスは、以下の 4 要素と基本的には整合している。ただし、要素③について、モニタリング結果は基本的には借入人であるマルスフードショップから貸付人である三十三銀行及び評価者である三十三総研に対して開示がなされることとし、可能な範囲で対外公表も検討していくこととしている。
要素① 投融資時に、環境、社会、経済のいずれの側面においても重大なネガティブインパクトを適切に緩和・管理することを前提に、少なくとも一つの側面においてポジティブなインパクトを生み出す意図を持つもの
要素② インパクトの評価及びモニタリングを行うもの
要素③ インパクトの評価結果及びモニタリング結果の情報開示を行うもの
要素④ 中長期的な視点に基づき、個々の金融機関/投資家にとって適切なリスク・リターンを確保しようとするもの
また、本ファイナンスの評価・モニタリングのプロセスは、本基本的考え方で示された評
価・モニタリングフローと同等のものを想定しており、特に、企業の多様なインパクトを包括的に把握するものと整合的である。
IV. 結論
以上の確認より、本ファイナンスは、国連環境計画金融イニシアティブの策定したポジティブ・インパクト・ファイナンス原則に適合している。
また、環境省の ESG 金融ハイレベル・パネル設置要綱第 2 項(4)に基づき設置されたポジティブインパクトファイナンスタスクフォースがまとめた「インパクトファイナンスの基本的考え方」と整合的である。
(第三者意見責任者) 株式会社日本格付研究所
サステナブル・ファイナンス評価部長
xx xx
担当xxアナリスト 担当アナリスト
xx xx xx xx
本第三者意見に関する重要な説明
1. JCR 第三者意見の前提・意義・限界
日本格付研究所(JCR)が提供する第三者意見は、事業主体及び調達主体の、国連環境計画金融イニシアティブの策定したポジティブ・インパクト金融(PIF)原則への適合性及び環境省 ESG 金融ハイレベル・パネル内に設置されたポジティブインパクトファイナンスタスクフォースがまとめた「インパクトファイナンスの基本的考え方」への整合性に関する、JCR の現時点での総合的な意見の表明であり、当該ポジティブ・インパクト金融がもたらすポジティブなインパクトの程度を完全に表示しているものではありません。
本第三者意見は、依頼者である調達主体及び事業主体から供与された情報及び JCR が独自に収集した情報に基づく現時点での計画又は状況に対する意見の表明であり、将来におけるポジティブな成果を保証するものではありません。また、本第三者意見は、PIF によるポジティブな効果を定量的に証明するものではなく、その効果について責任を負うものではありません。本事業により調達される資金が同社の設定するインパクト指標の達成度について、JCR は調達主体または調達主体の依頼する第三者によって定量的・定性的に測定されていることを確認しますが、原則としてこれを直接測定することはありません。
2. 本第三者意見を作成するうえで参照した国際的なイニシアティブ、原則等
本意見作成にあたり、JCR は、以下の原則等を参照しています。
国連環境計画 金融イニシアティブ ポジティブ・インパクト金融原則
環境省 ESG 金融ハイレベル・パネル内ポジティブインパクトファイナンスタスクフォース
「インパクトファイナンスの基本的考え方」
3. 信用格付業にかかる行為との関係
本第三者意見を提供する行為は、JCR が関連業務として行うものであり、信用格付業にかかる行為とは異なります。
4. 信用格付との関係
本件評価は信用格付とは異なり、また、あらかじめ定められた信用格付を提供し、または閲覧に供することを約束するものではありません。
5. JCR の第三者性
本 PIF の事業主体または調達主体と JCR との間に、利益相反を生じる可能性のある資本関係、人的関係等はありません。
■留意事項
本文書に記載された情報は、JCR が、事業主体または調達主体及び正確で信頼すべき情報源から入手したものです。ただし、当該情報には、人為的、機械的、またはその他の事由による誤りが存在する可能性があります。したがって、JCR は、明示的であると黙示的であるとを問わず、当該情報の正確性、結果、的確性、適時性、完全性、市場性、特定の目的への適合性について、一切表明保証するものではなく、また、JCR は、当該情報の誤り、遺漏、または当該情報を使用した結果について、一切責任を負いません。JCRは、いかなる状況においても、当該情報のあらゆる使用から生じうる、機会損失、金銭的損失を含むあらゆる種類の、特別損害、間接損害、付随的損害、派生的損害について、契約責任、不法行為責任、無過失責任その他責任原因のいかんを問わず、また、当該損害が予見可能であると予見不可能であるとを問わず、一切責任を負いません。本第三者意見は、評価の対象であるポジティブ・インパクト・ファイナンスにかかる各種のリスク(信用リスク、価格変動リスク、市場流動性リスク、価格変動リスク等)について、何ら意見を表明するものではありません。また、本第三者意見は JCR の現時点での総合的な意見の表明であって、事実の表明ではなく、リスクの判断や個別の債券、コマーシャルペーパー等の購入、売却、保有の意思決定に関して何らの推奨をするものでもありません。本第三者意見は、情報の変更、情報の不足その他の事由により変更、中断、または撤回されることがあります。本文書に係る一切の権利は、JCR が保有しています。本文書の一部または全部を問わず、JCR に無断で複製、翻案、改変等をすることは禁じられています。
■用語解説
第三者意見:本レポートは、依頼人の求めに応じ、独立・中立・xxな立場から、銀行等が作成したポジティブ・インパクト・ファイナンス評価書の国連環境計画金融イニシアティブのポジティブ・インパクト金融原則への適合性について第三者意見を述べたものです。
事業主体:ポジティブ・インパクト・ファイナンスを実施する金融機関をいいます。
調達主体:ポジティブ・インパクト・ビジネスのためにポジティブ・インパクト・ファイナンスによって借入を行う事業会社等をいいます。
■サステナブル・ファイナンスの外部評価者としての登録状況等
・国連環境計画 金融イニシアティブ ポジティブインパクト作業部会メンバー
・環境省 グリーンボンド外部レビュー者登録
・ICMA (国際資本市場協会に外部評価者としてオブザーバー登録) ソーシャルボンド原則作業部会メンバー
・Climate Bonds Initiative Approved Verifier (気候変動イニシアティブ認定検証機関)
■本件に関するお問い合わせ先
情報サービス部 TEL:00-0000-0000 FAX:00-0000-0000