Ministry of Land, Infrastructure, Transport and Tourism
資料2
東日本復興CM方式の契約手続き(詳細)
平成29年1月16日国土交通省 土地・建設産業局 建設業課
Ministry of Land, Infrastructure, Transport and Tourism
入札制度企画指導室
復興CM方式における契約関係図書
URとCMRの契約関係図書
市町(事業主体)
委託契約
UR
証拠書類
(コスト)
CMR
第三者による監査
専門業者確認書の活用
基本協定
コスト フィー
オープンブック確認書
原価管理ルールブックの活用
発注請求
基本協定書
■施工等に関する役割など基本的事項を明記し、全ての契約の根幹を成すもの
・受発注者の役割分担及び受注者の業務内容の明確化(第2・3条)
・早期業務・次期業務の区分及び契約の締結(第4・9・10条)
・コストプラスフィー、オープンブックに関する合意及び取り決め(第6・7・12条)
・インセンティブ及びリスクに関する合意(第8条)
・地元企業の優先活用及び適切な専門業者選定の約定(12条)
インセンティブ基準価格等の設定に関する確認書
■UR・CMR間で交渉成立した上限額や工事請負代金を明記したもの
・上限額の設定(第2条)
【内訳】
・上限額 =工事請負代金+リスク管理費
・工事請負代金=インセンティブ基準価格(工事原価部分)+マネジメントフィー
+インセンティブフィー(コスト縮減額の50%)
オープンブックの実施に関する確認書
■透明性を確保するため業務原価等に関する開示内容等を明記したもの
・全ての情報開示の約定 (第1条~3条)
・実施体制の整備 (第4条~8条)
証拠書類
(コスト)
証拠書類 証拠書類
支払
(コスト) (コスト)
・実施プロセスの明確化(第9条~13条)
・対外的開示情報と非開示情報(第14条・第15条)
活用 専門業者の選定に関する確認書
■CMRが選定する専門業者をURが承諾する際の考え方や手順等を明記したもの
内部統制宣言(第2条、別添1)
専門業者の選定方法等の具体化(第2条、別添2)
【内容】
建設会社
(地域外とのJV)
建設会社
(地元活用)
建設会社
(地元活用)
設計会社
調査会社
・地元企業の設定を行う業務内容の基準及び活用に向けた取り組み
地元企業の優先活用
・専門業者選定方法(評価項目、選定方式等)及び発注者による確認 1
早期・次期エリアの設定
全体整備規模の設定 ※全てのエリアにおいて早期・次期エリアを設定
早期整備エリア・・・地元意向、関係機関協議等から整備範囲がほぼ確定し、早期に工事着手することが可能なエリア
次期整備エリア・・・地元意向等から早期に整備を図るべきエリアとして見通せるが、整備範囲が変更となる可能性があるエリア
早期整備エリア
公募型プロポーザル方式による優先交渉権者の選定
基本設計に基づく官積算、施工方法の確認、価格交渉、見積り合わせ
詳細設計に基づく官積算、施工方法の確認、価格交渉、見積り合わせ
基本設計
(早期エリア)
※UR実施
CMR選定
工 設
x
基本協定・ 事 計
x
確認書の締結 等
約 約
調査・測量詳細設計➀
施工➀
詳細設計・設計VE等により工事原価が変更となった場合はインセンティブ基準価格と確認書を変更(基本協定書第8条第8項)
インセンティブ基準価格は工事請 協定締結後、工事原価にマネジメ負契約の締結に先立ち合意した額 ントフィーを加算した額をもって契約
(基本協定書第8条第7項) (基本協定書第9条第1項)
工事契約
(変更)
イメージ図
【女川町中心部地区の例】
早期整備エリア 次期整備エリア
次期整備エリア
工事施工等に関する一体的業務の基本協定
次期業務の工事施工の実施が確実となった場合、詳細設計の成果に基づき、速やかな工事請負契約を締結(基本協定書第10条5項)
計
基本設計 設
x
(次期エリア) 等
※UR実施 約
調査・測量 工
事
約
詳細設計② 契
施工②
インセンティブ基準価格の設定
※次期整備エリアについてもインセンティブ基準価格の
設定(変更)に際しては、基本設計(実施設計)に基づく官積算、施工方法の確認、価格交渉、見積り合わせを実施
基本設計 設
計
x
(次期エリア) 等
※UR実施 約
調査・測量 工
事
約
詳細設計③ 契
施工③
2
事業の進捗に伴い、個々の工事請負代金が積み上がることで、上限額(工事原価+マネジメントフィー+リスク管理費)も増加する。全体事業費については、URが自治体からの委託費を見据えながら管理を実施。
工事費推移のイメージ
UR受託額(市町からURへの委託額)
※委託額は工事請負代金の変更等を踏まえ精算変更
リスク管理費はマネジメント実施によるリスク回避・縮減に伴って減少
上限額①・②工事請負代金
リスク管理費②リスク管理費➀
発注者から受注者に移
転するリスクの額
業務実施に対する報酬
(受注者の利益)
コスト縮減等を算定するために基準となる価格
=コストの上限管理額
上限額①
工事請負代金
リスク管理費➀ マネジメントフィー①
インセンティブ基準価格➀
(工事原価)
インセンティブ基準価格②は基本設計に基づき設定
インセンティブ基準価格①は詳細設計完了により精度が向上
マネジメントフィー②
マネジメントフィー①
インセンティブ基準価格②
(工事原価)
インセンティブ基準価格①
(工事原価)
調査・設計➀
上限額設定①
施工➀
調査・設計②
施工②
次期エリア
早期エリア
上限額設定②
3
リスク管理費の導入・活用事例
発注者及び受注者のリスク分担を明確にすることで、双方でリスク発現の防止に努める。
設計変更等により工事原価が増加する場合、リスク分担表に基づいてリスク管理費を充当又は工事請負代金の変更(工事原価など)にて対応する。
品質の不具合など受注者(CMR)となっている項目については、受注者の負担にて対応する。
上限額
(当初)
工事請負代金
(当初)
インセンティブフィー
インセンティブ基準価格
リスク管理費
マネジメントフィー
α(縮減額)
リスク管理費
マネジメントフィー
リスク管理費を充当
リスク管理費
マネジメントフィー
事業計画及び受託額を変更
リスク管理費
マネジメントフィー
変更契約
(当初) 1/2α
インセンティブ基準価格
(工事原価)
縮減額の1/2をインセンティブフィーとして支払い
インセンティブ基準価格
(工事原価)
インセンティブ基準価格
(工事原価)
インセンティブ基準価格
(工事原価)
当初 CASE1:縮減
(VE提案)
CASE2:増加
(発注者負担)
CASE2‘:増加
(発注者負担)
CMRからのVE提案等により業務原価が縮減した場合、縮減額の50%をインセンティブフィーとして支払い
リスク分担表にて発注者負担となっている項目による増額については、リスク管理 費を充当
協議となっている発注者リスクが発現した場合、上限額以内で変更契約をするが、超過する場合は事業計画変更及びUR受託額を変更
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復興事業における契約の流れ(土地区画整理事業における一例)
CMR
UR都市機構
地方公共団体(事業主体)
全体事業費にフィードバック
(例)
認可
(都道府県知事)
移転等補償費
調査・設計費等
地方公共団体実施
用地・建物等補償
【URが全体をコントロール】
コンサルタント等へ発注
建物等補償
CMRにおいて、条件変更等を反映させた最適設計および施工計画を立案
現場条件の変更等
土地区画整理事業
認可申請
(地方公共団体)
公共施設整備費
宅地整備費
URへ委託
建物等補償基本設計 換地設計 地盤調査 地形測量 実施設計 工事施工
請負工事と同様に、条
例に基づき議会承認手続きを実施
市:150,000千円以上町:50,000千円以上の契約
委託契約
基本設計換地設計
CMRへ発注
実施設計地盤調査地形測量工事施工
【早期業務】
【次期業務】
現場条件の精度が上がったものからxx契約手続き開始
請負契約
公共積算に基づき、施工方法等を確認のうえ価格交渉・見積合わせ
請負契約
専門業者等へ発注
【早期業務】
【次期業務】
(資金計画フレーム) (内訳)
【全体事業費】
【UR受託費】 【CMR請負額】 5
復興CMにおける工事費執行管理
復興CMの制度設計(基本協定及び確認書において規定)
▼管理上限額(UR受託額の範囲内で設定)
執行管理の方法
▼契約金額
(=C&Fの支払上限総額)
リスク管理費
インセンティブフィー
(当初は0) 発注者リスク発現
の場合
UR・CMRの双方で管理し、コスト増を抑制
▼インセンティブ基準価格
(=コストの上限管理額)
公共積算価格交渉見積合せ
マネジメントフィー
(工事原価×10%程度)
工事原価
(直接工事費・共通仮設費・現場管理費)
改善策
① 事業をコントロールする情報の明確化・共有
マスタースケジュール
工事費執行・原価低減に関する管理指標
② 執行管理・原価低減の見える化
管理シートの統一
原価管理会議の更なる活用
原価低減推進に向けた着目点、VE認定方針の明確化
原価低減事例の共有
③ 実務ツールの整備等 原価低減に向けた手引書現場フォローアップ
工事費執行管理のイメージ
管理
上限額
実施
変動要因別の管理
6
創意工夫
(VE等)
計画
見直し
落札
差金
条件
変更
物価
高騰
リスク管理費
公共積算(インセンティブ基準価格)と実勢価格(専門業者契約)の差異は落札差金、計画見直し、創意工夫(VE 等)で吸収
課題
① 実施段階で契約毎の不統一や煩雑な事務処理等が発生
② 原価低減に向けた
取り組みの活性化
契約金額
URとCMRの契約
実現された原価低減(VE等)の50%
原価算入される専門業者契約等の状況をリアルタイムに把握し、契約金額を管理
CMR作成の実施工程表を指標に出来高を含む支払状況を把握し、支払額を管理
-側
+側
支払額
月1回の原価管理会議において、原価発生・変動見通し及び原価低減取り組み状況をUR・CMR間で相互に確認