Contract
第１条(総則)
建設工事下請契約約款
る。
元請負人(以下「甲」。)及び下請負人(以下「乙」。)は、この建設工事下請契約約款(以下「約款」)と工事関係書類(注文書・仕様書・工事指示書・設計図書等を指す。以下同じ。)に基づき、互いに協力し、xxを守り、誠実にこの約款を履行する。
２ この契約締結以前に、甲と乙との間で建設工事に関する基本契約を締結済みの場合、この約款が優先して適用される。
第２条(下請負人の義務)
乙は、工事施工にあたり、特に甲の信用保持につとめ、次の各号を遵守しなければならない。
(1) 建設業法第 3 条に規定する許可を受けていること。
(2) 作業員の被服は甲の指定のものを着用する。ただし、甲の工事現場以外では着用してはならない。
(3) 工事に使用する車輌、機械及び防具工具などは乙の責任においてこれを調達、整備する。ただし、保安帽など甲が必要と認めるものは甲から貸与する。
(4) 工程に応じた施工要員を確保する。
(5) 現場代理人及びxx技術者の氏名等の甲が必要と認めて指示する事項の通知。第３条(法令遵守の義務)
乙は、工事施工にあたり、建設業法、労働基準法その他の関係法令及び監督官公庁の行政指導を遵守し、事業主又は使用者としてのすべての義務を有し、一切の責を負う。
２ 乙は、不正行為に加担せず、不正行為に関する情報があれば甲のコンプライアンス相談窓口に通報し、虚偽の書類は一切発行しない。乙が不正行為に開与した場合、関与の程度にかかわらず、一切の責を負う。
３ 乙は、乙の全ての関係者に対して前 2 項を遵守させ、指導教育その他の必要な措置を講じるものとし、工事施工において第三者を用いる場合には、前 2 項に関する乙と同一の義務を負わせるとともに、当該第三者の行為について第三者と連帯して一切の責を負う。
第４条(労働者災害補償)
工事施工にあたり、乙の従業員に対する労働災害補償については、甲が労働者災害補償保険法に定める事業主となり、その責任をもつ。ただし、甲が発注者から直接工事を請け負う元請負人でないときは、この限りではない。保険給付額を超える災害補償費は乙の負担とする。
第５条(権利義務の譲渡の禁止)
甲及び乙は、この約款により生ずる権利又は義務を第三者に譲渡し、もしくは承継させない。ただし、あらかじめ相手方の書面による承諾を得た場合は、この限りではない。
２ 甲及び乙は、工事目的物又は工事現場に搬入した材料を第三者に譲渡し、貸与し、又は抵当権その他の担保の目的に供しない。ただし、あらかじめ相手方の書面による承諾を得た場合は、この限りではない。
第６条(一括委任・一括下請負の禁止)
乙は、この工事の全部又は一部を一括して第三者に委任し、もしくは請け負わせることはできない。ただし、公共工事及び共同住宅の新築工事以外の工事で、あらかじめ発注者及び甲の書面による承諾を得た場合は、この限りではない。
第７条(保証人)
甲は乙に対して、乙の代わりにこの約款を履行する保証人を立てるよう求めることができる。この場合、乙は、xxxxに保証人を立てる。甲において保証人が不適当と認めたときは、乙に対して、その変更を求めることができる。
第８条(再下請負人の関係事項の通知)
乙が工事を、第三者に委任し又は請け負わせた場合は、乙は、甲に対して、その契約(その契約に係る工事が数次の下請によって行われるときは、そのすべての契約を含む。)に関し、次の各号に掲げる事項を遅滞なく書面をもって通知する。
(1) 受任者又は請負者の氏名及び住所(法人であるときは、名称及び工事を担当する事業所の所在地)
(2) 建設業の許可業種及び番号
(3) 現場代理人及びxx技術者の氏名等の甲が必要と認めて指示する事項
２ 乙は、甲に対して、前項各号に掲げる事項について変更があったときは、選滞なく書面をもってその旨を通知する。
第９条(工事関係者に関する措置請求)
甲は、現場代理人、xx技術者、その他乙が工事を施工するために使用している下請負人、作業員等で、工事の施工又は管理につき著しく不適当と認められるものがあるときは、乙に対して、その理由を開示した書面をもって、必要な搭置をとるべきことを求めることができる。
２ 乙は、監督員がその職務の執行につき著しく不適当と認められるときは、甲に対してその理由を明示した書面をもって、必要な措置をとるべきことを求めることができる。
３ 甲又は乙は、前 2 項の規定による請求があったときは、その請求に係る事項について決定し、その結果を相手方に通知する。
第 10 条(材料)
工事に必要な材料は、甲が支給するものを除き、甲が指定した規格に適合するものを乙において調達する。
第 11 条(支給材料・貸与品)
甲から乙への貸与品及び支給材料について、乙の故意又は過失によって滅失もしくは毀損したときは、乙は甲にその損害を賠償する。
２ 貸与品は工事完了と同時に甲へ返納する。
３ 支給材料の残品及び撤去材料はすみやかに甲の指定する場所へ返納する。第 12 条(施工条件)
工事内容、請負代金額、工期等については、注文書の定めたところにより行う。第 13 条(工事内容の変更)
甲の都合により、設計変更、工事の中止、及び工期の変更など工事内容を著しく変更するときは、甲・乙協議してその内容を定める。
第 14 条(著しく短い工期の禁止)
甲は、工期の変更をするときは、変更後の工期を工事を施工するために通常必要と認められる期間に比して著しく短い期間としてはならない。
第 15 条(第三者の損害)
工事施工にあたり、乙又は乙の下請負人が第三者に損害を及ぼしたとき、又は第三者との間に粉争が生じたときは、乙が自己の費用をもってその処理・解決にあたり、甲はこれに協力する。
２ 前項における甲の協力に要した費用は乙の負担とする。第 16 条(一般の損害)
工事の完成引渡しまでに、引渡しの目的物、又は支給材料、貸与品について生じた損害、その他工事の施工に関して生じた損害は乙の負担とする。ただし、その損害のうち甲の責に帰すべき事由により生じたものについては、xがこれを負担する。
第 17 条(不可抗力による損害)
天災、地変、その他不可抗力によって発生した工事目的物の被害の復旧、補修、又は工事の中止などに関する費用ならびに損害については、甲・乙協議して負担方法を定める。
第 18 条(検査・引渡し)
乙が工事の一部、又は全部を完成したときは甲に検査を求め、甲はすみやかにこれに応じ、乙の立会のもとに検査を行う。
２ 検査に合格したときは、甲は直ちに目的物の引渡しを受ける。
３ 検査に合格しなかったときは、乙は工期内、又は甲の指定する期間に補修又は改造して甲の再検査を受ける。
第 19 条(請負代金の支払及び立替金)
甲の乙に対する請負代金の支払は、毎月の出来形払及び工事目的物の完成引渡しに伴う完成払とする。
２ 出来形払の額は、甲の出来形検収額を超えない範囲とする。
３ 請負代金の請求及び支払は、原則として注文書の通りとする。ただし、甲は乙の同意を得て変更することができる。
４ 甲は別段の定めのある場合を除き、乙に対する立替金その他の債権額について、甲・乙協議の上、乙への支払債務と相殺することができる。
第 20 条(前払金)
甲は、甲の注文者から工事代金の前払を受けた工事、及び特別の理由により、乙に対し前払を必要と認められる工事について、乙より前払の請求があったときは、材料の購入ならびに労務調達などの費用の一部を前払することがある。
第 21 条(契約不適合責任)
甲は、引き渡された工事目的物が種類又は品質に関して契約の内容に適合しないもの(以下「契約不適合」。)であるときは、乙に対し、目的物の修補又は代替物の引渡しによる履行の追完を請求することができる。ただし、その履行の追完に過分の費用を要するときは、甲は履行の追完を請求することができない。
２ 前項の場合において、甲が相当の期間を定めて履行の追完の催告をし、その期間内に履行の追完がないときは、甲は、その不適合の程度に応じて代金の減額を請求することができる。ただし、次の各号のいずれかに該当する場合は、催告をすることなく、直ちに代金減額を請求することができ
(1) 履行の追完が不能であるとき
(2) 乙が履行の追完を拒絶する意思を明確に表示したとき
(3) 工事目的物の性質又は当事者の意思表示により、特定の日時又は一定の期間内に履行しなければ契約をした目的を達成することができない場合において、乙が履行の追完をしないでその時期を経過したとき
(4) 前 3 号に掲げる場合のほか、甲がこの項の規定による催告をしても履行の追完を受ける見込みがないことが明らかであるとき
第 22 条(物価変動に基づく請負代金の変更)
工期内に異常な物価変動等により、請負代金が著しく不適当であると認められるときは、甲・乙協議のうえ、請負代金額を変更することができる。
第 23 条(履行遅延の場合における損害金等)
乙の責に帰すべき事由により工期内に工事を完成することができない場合において、工期経過後相当の期間内に完成する見込みのあるときは、甲は、乙から遅延日数に応じ、請負金額に対し年 10%の割合で計算した額の損害金を徴収して工期を延長することができる。
２ 甲の責に帰すべき事由により請負代金の支払が遅れた場合において、乙は、甲に対し遅滞日数に応じ、支払遅滞額に対し年 10%の割合で計算した額の遅延利息を請求することができる。
第 24 条(再下請契約時の法定福利費・社会保険加入)
乙が工事を第三者に委任し又は請け負わせる場合は、乙は次の各号を遵守しなければならない。
(1) 受任者又は請負者に対し、社会保険等の加入を指導し、また法定福利費を内訳明示した見積書を提出させ、それを尊重し、法定福利費を適正に確保した契約を締結すること
(2) 受任者又は請負者の選定に際し、適用除外を除く社会保険等の未加入業者と、再下請負契約を締結しないこと
２ 乙が工事を、第三者に再下請契約する場合も同様に、乙は受任者又は請負者に対し、前項各号を遵守させなければならない。
第 25 条(契約解除)
甲・乙いずれかがこの契約に違反したときは、相手方は、催告することなく契約を解除することができる。この場合、解除によって生じる損害は違反者が賠償する。
２ 甲又は乙が次の各号のいずれかに該当するときは、相手方は、催告することなく契約の一部又は全部を解除し、かつ、これにより被った損害の賠償を請求することができる。
(1) 振出、裏書もしくは保証にかかる手形・小切手について不渡処分を受けたとき
(2) 他の債務につき仮差押、仮処分、強制執行を受けたとき、もしくは破産、民事再生手続開始、会社更生手続開始などの申立があったとき
(3) 監督官庁より営業の取消し、停止などの処分を受けたとき
(4) 乙が正当な理由なく工事を着工しないとき、乙の責に帰すべき事由により工期内に工事を完成することができないとき又は工期内に工事を完成する見込みがないことが明らかになったとき
第 26 条(解除後の措置)
契約を解除したときは、工事の出来形部分と検査済の工事材料(有償支給材料を含む。)を甲に引渡すものとして、甲・乙協議して精算する。
２ 精算の結果、甲において過払いがあるときは、乙は過払額について、その支払を受けた日から、法定利率による利息をつけて甲に返す。
３ 契約を解除したときは、甲・乙協議し、期間を定めて各自の所有物件の引取り、あと片付けなどの処置を行う。
４ 前項の処置が遅れているとき、催告しても、正当な理由がなく、なお行われないときは、相手方は代ってこれを行い、その費用を請求することができる。
５ 甲は、前第 25 条の解除理由が生じ、乙が乙の作業員への賃金または乙の下請負人の請負代金、材料代金などの支払を履行していない場合において、甲が乙に対す請負代金の支払債務を有するときは、乙に代って甲の支払債務額の全部または一部を直接乙の作業員または乙の下請負人に対して、賃金、請負代金、材料代金として支払うことができる。
６ 前項により、甲が乙の作業員又は乙の下請負人に支払った場合は、当該支払額の範囲において、甲の乙に対する債務は消滅するものとする。
第 27 条(秘密保持義務)
甲及び乙は、相手方の書面による承諾なくして、この契約に関連して相手方から開示された相手方固有の技術上、営業上その他の秘密を、この契約期間中及びこの契約終了後も第三者に対して開示又は漏洩しないものとする。ただし、次の各号のいずれかに該当する情報は本条による秘密保持義務の対象から除外されるものとする。
(1) 開示の時点ですでに公知のもの
(2) 開示後、情報を受領した当事者の責めによらずして公知となったもの
(3) 開示した時点で情報を受領した当事者がすでに保有していたもの
(4) 正当な権限を有する第三者から秘密保持義務を負うことなく適法に入手したもの
(5) 法令に基づき正当な権限を有する公的機関から開示することを要求されたもの第 28 条(反社会的勢力排除)
乙は、暴力団又はこれに類する反社会的勢力団体(以下「反社会的勢力」)との、人的・資本的関係がないことを確約する。
２ 乙は、反社会的勢力との取引及び反社会的な活動に一切開与しないことを確約する。
３ 乙は乙の下請負人及びその構成員についても前 2 項に該当しないことを確約する。
４ 甲は、乙が前 3 項に違反した場合、催告その他なんらの手続きを要することなく、甲乙間で締結している全ての契約を解除することができる。なお、甲が当該解除により被った損害は乙に請求できるものとする。
第 29 条(契約不適合責任期間)
甲は、引き渡された工事目的物に関し、引渡しを受けた日から 2 年以内でなければ、契約不適合を理由とした履行の追完の請求、損害賠償の請求、代金の減額の請求又は契約の解除(以下この条において「請求等」。)をすることができない。
２ 前項の規定に関わらず、設備の機器本体等の契約不適合については、引渡しの時、元請負人が検査して直ちにその履行の追完を請求しなければ、乙は、その責任を負わない。ただし、当該検査において一般的な注意の下で発見できなかった契約不適合については、引渡しを受けた日から 1 年が経過する日まで請求等をすることができる。
３ 前 2 項の請求等は、具体的な契約不適合の内容、請求する損害額の算定の根拠等当該請求等の根拠を示して、乙の契約不適合責任を問う意思を明確に告げることで行う。
４ 甲が第 1 項又は第 2 項に規定する契約不適合に係る請求等が可能な期間(以下この項及び第 7 項において「契約不適合責任期間」。)の内に契約不適合を知り、その旨を乙に通知した場合において、甲が通知から 1 年が経過する日までに前項に規定する方法による請求等をしたときは、契約不適合責任期間の内に請求等をしたものとみなす。
５ 甲は、第一項又は第二項の請求等を行ったときは、当該請求等の根拠となる契約不適合に関し、民法の消滅時効の範囲で、当該請求等以外に必要と認められる請求等をすることができる。
６ 前各項の規定は、契約不適合が乙の故意又は重過失により生じたものであるときは適用せず、契約不適合に関する乙の責任については、民法の定めるところによる。
７ 民法第 637 条第 1 項の規定は、契約不適合責任期間については適用しない。
８ この契約が、住宅の品質確保の促進等に関する法律(平成 11 年法律第 81 号)第 94 条第 1 項に規定する住宅新築請負契約である場合には、工事目的物のうち住宅の品質確保の促進等に関する法律施行令(平成 12 年政令第 64 号)第 5 条に定める部分の瑕疵(構造耐力又は雨水の浸入に影響のないものを除く。)について請求等を行うことのできる期間は、10 年とする。この場合において、前各項の規定は適用しない。
９ 引き渡された工事目的物の契約不適合が支給材料の性質又は甲若しくは甲の指図により生じたものであるときは、甲は当該契約不適合を理由として、請求等をすることができない。ただし、乙がその材料又は指図の不適当であることを知りながらこれを通知しなかったときは、この限りでない。
第 30 条(紛争の解決・仲裁)
この約款の各条項において甲と乙とが協議して定めるものにつき協議が整わない場合、その他契約に関して甲と乙との間に紛争を生じたときは、甲又は乙は、当事者の双方の合意により選定した第三者又は建設業法による建設工事紛争審査会(以下「審査会」。)のあっせん又は調停により解決を図ることができる。
２ 甲又は乙は、前項のあっせん又は調停により紛争を解決する見込みがないとみとめたときは、前項の規定にかかわらず、仲裁合意書に基づき、審査会の仲裁に付し、その仲裁判断に服することができる。
３ 前 2 項の規定にかかわらず、甲と乙は、仲裁合意書により仲裁合意をした場合を除き、裁判所に訴えを提起することによって解決を図ることができる。この場合、甲と乙は、甲の所在地(本社、本支店のいずれかの所在地)を管轄する地方裁判所を第xxの専属的合意管轄裁判所とすることに合意する。
第 31 条(付則)
この約款に定めのない事項については、必要に応じて甲・乙協議して定める。