CI-NETによる電子データ交換(EDI)に関するデータ交換協定書(参考例)
20190401版
CI-NETによる電子データ交換(EDI)に関するデータ交換協定書(参考例)
CI-NETが規定するEDIを利用して、電子取引(見積、契約(注文)、出来高、立替および支払業務等)を実施しようとする場合、EDIを利用する甲乙間において、事前に、EDIの利用を合意するための協定書(データ交換協定書)を取り交わしておく必要がある(建設業法第19条第3項、同施行令第5条の5第1項1)。
甲乙が取り交わす協定書に盛り込む項目、内容については、甲乙間で十分協議の上決定する必要があるが、本「CI-NETによる電子データ交換(EDI)によるデータ交換協定書(参考例)」はその参考となるものである。本データ交換協定書(参考例)は、CI-NETが規定するEDIを使用することを前提とし、CI-NET標準ビジネスプロトコル等に従うことを想定し、かつその範囲のものとして表記されている点に留意されたい。
なお、注文書および請書を利用し請負契約を締結する場合においては、次の(1)または(2)の区分に従うこととされている(建設省経建発第132号、133号注文書及び請書による契約の締結について 平成12年6月29日)ところ、参考例は(1)または(2)いずれの場合にも対応する参考例としている。
(1) 当事者間で基本契約書を締結した上で、具体の取引については注文書および請書の交換による場合
(2) (基本契約をしないで)注文書および請書のそれぞれに、同内容の契約約款を添付した上で注文書および請書の交換による場合
本データ交換協定書(参考例)の読み方について
本データ交換協定書(参考例)では、本データ交換協定書(参考例)の発行時における最終更新の関係法令を記載している。したがって、本データ交換協定書(参考例)の発行以降に関係法令が改正された場合、条や項等の番号が変更された場合には、変更後の関係法令にしたがものとされたい。
■CI-NETによる電子データ交換(EDI)に関するデータ交換協定書(参考例) 本文
(以下「甲」という。)と (以下「乙」という。)は、甲を発注者、乙を受注者とする甲乙間における電子取引(第3条(4)に規定する契約ならびに契約の締結行為のほか、見積依頼・回答、出来高報告・確認、請求・請求確認および支払通知等の業務)を、第3条(1)に規定するCI-NET標準ビジネスプロトコル等に従い、第3条(2)に規定する電子データの交換(以下「CI-NETによるEDI」という。)を利用するにつき、以下の通り合意し、協定(以下「本協定」という。)を締結した。
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【留意点】
・すでに書面により基本契約を締結済みの場合も、その後の注文書および請書の発行交付のみをCI-NETによるEDIを利用して行うことで、個別契約を締結することができる。
・これからCI-NETによるEDIを利用して、個別契約を締結する場合のほか、基本契約の改訂、締結、およびそれに基づく発注、受注等の行為を行うこともできる。
・それらを実現するためにCI-NETによるEDIを行うことの合意が必要であり(建設業法19条第3項、同施行令第5条の5 第1項)、その方法として、本協定を締結するものである。
・本協定は第2条(適用範囲)に規定の「CI-NETによるEDIを(通して)行う」ことを前提に記載し、書面でのやり取りは対象外としている。なお、XXXの外部の書面を無効とするものではない。
・EDIを通して契約を締結(基本契約及び個別契約の締結)する場合は、甲または乙の申込行為、それに対する承諾行為において、それぞれの行為に表意者の電子署名を付して送信し、契約の締結を進めるものである。
第1条(目的)
本協定は、甲および乙がCI-NETによるEDIを行うにあたり、電磁的措置の種類および内容(建設業法施行令第5条の5第1項)を示し、甲および乙が本協定所定の電磁的措置に基づいて電子的取引を行うことに同意するものであり、甲および乙は本協定に基づき、甲乙間の取引を円滑かつ合理的に推進することを目的とする。
第2条(適用範囲)
本協定は、CI-NETによるEDIを行う、契約に係る申込・承諾等、申込・承諾等の内容の変更、申込・承諾等の解除または打切、ならびにその他見積依頼・回答、出来高報告・確認、請求・請求確認および支払通知等の業務について適用する。
2 CI-NETによるEDIを行う対象業務の内容は、甲乙間で協議を行い、甲乙合意の上で変更する。
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【留意点】
・「CI-NETによるEDIを行う申込・承諾等」には、前文で記載しているように(1)の方法の場合、基本契約も含まれる場合がある。
第3条(用語の定義)
本協定における用語の定義は、次の各号に定めるところによる。
CI-NET標準ビジネスプロトコル等
本協定および運用仕様書の基礎となる基本ルール、技術標準などを定めた合意基準をいう。この合意基準は、取引関係情報を相手方に提供する場合に使われるビジネスプロトコルとして、(財)建設業振興基金 建設産業情報化推進センター(現:(一財)建設業振興基金)発行の「CI-NET標準ビジネスプロトコル」で規定するものをいう。同時に、当該ビジネスプロトコルを具体化したものがCI-NET LiteS実装規約として定められている。本協定および運用仕様書に合意することは、当該ビジネスプロトコルおよびCI-NET LiteS実装規約に従うことに合意したことを意味する。
CI-NETによるEDI
XXXとは、甲乙間で、取引のための電子データ(メッセージ)を、通信回線を介して合意された規約等を用いてコンピュータ同士で交換することをいう。
本協定により、甲および乙が相手方に提供する取引関係情報をCI-NET標準ビジネスプロトコル等に従うことに合意し、この合意に従い送信し、相手方が当該取引関係情報を受信し、利用するシステムをいう。
取引関係情報
甲乙間の取引において、契約に係る申込・承諾等、申込・承諾等の内容の変更、申込・承諾等の解除または打切の申込・承諾、ならびにその他見積依頼・回答、出来高報告・確認、請求・請求確認および支払通知等相手方に対する意思表示または通知など、CI-NETによるEDIの実施に伴い甲乙間で相互に提供される諸情報を総称する。
契約
基本契約 甲から乙に対する基本契約の申し込みの意思表示に対する乙の承諾の意思表示がなされた場合に成立する取引契約をいう。
個別契約 甲から乙に対する注文の申し込みの意思表示に対する乙の承諾の意思表示がなされた場合に成立する取引契約をいう。
契約約款 発注者(注文者)が、発注にかかる諸条件を、一律に定めて、提示され、多数の受注者に統一的に適用される合理的規範(定型約款)であり、受注者はこの規範を承諾して取引を行うこととなる。
アドレス
CI-NETによるEDIを行うに際し、甲および乙が相手方に提供する取引関係情報等を送信する際、利用する通信手段が電子メールの場合には電子メールアドレスをいい、ebMSの場合にはFQDN(ホスト名+ドメイン名)もしくはIPアドレスをいう。
以下、甲が乙に対して提供する取引関係情報等を送信するアドレスを「乙のアドレス」といい、乙が甲に対して提供する取引情報等を送信するアドレスを「甲のアドレス」という。なお、甲または乙は、それぞれ甲のアドレスまたは乙のアドレスとして、インターネット・サービス・プロバイダ等の第三者が提供するものを利用することができる。
甲および乙は、必ずこのアドレスが正確であることを確認した上で、取引関係情報の送受信行為を行わなければならない。
xxxxは、XXX取引の成立のための重要な情報であることから、運用仕様書に明記し、過誤の生じないようにするとともに、アドレスが変更となった場合には、事前に相手方に通知するとともに、甲乙間で確認しておかなければならない。
取引用設備
甲および乙が、CI-NETによるEDIを行うために、自らが準備、使用する電子計算機、端末機器および周辺機器など(以下「ハードウェア」という。)、並びに当該ハードウェアに使用されるソフトウェアを総称していう(以下「装置」という。)。
取引用電気通信回線
甲および乙が、CI-NETによるEDIを行うために準備する甲の装置と乙の装置が利用する電気通信回線(以下「通信回線」という。)をいう。
正当な権限を有する者(職務権限者)
甲乙間の取引の意思表示を行う甲または乙の代表者あるいは甲または乙本人から、正当な権限委譲を受けた者であり、その旨を甲または乙の事務処理規程、内部運用規則等に定めた者をいい、CI-NETによるEDIを行うに際し、意思表示を行う甲または乙の代表者あるいは甲または乙本人の指示に従い、代表者あるいは甲または乙本人の名義で、代表者あるいは甲または乙本人の意思表示行為として行うものをいう。
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【留意点】
・(1)受信確認メッセージは取引関係情報に含まれない。
・(3)CI-NETを導入する企業は、取引関係情報の内、CI-NETを適用する範囲の標準メッセージを運用仕様書に定める。
・(8)正当な権限を付与するためには、事前に内部規則を確立し、その手順、指揮命令系統、意思表示内容の点検確認などを定め、適格に代行する必要がある。職務権限者は、代表者または本人の意思表示を行うものであって、代理人として行動するものではなく、いかなる意味においても代理行為とはならない。
第4条(運用仕様書)
本協定にもとづくCI-NETによるEDIについて、その実施に必要なシステムの内容、運用手順、安全対策、費用負担、責任範囲、運用条件その他の細目は、「CI-NETによる電子データ交換(EDI)に関する運用仕様書(以下「運用仕様書」という。)」に定める。
第5条(CI-NET標準ビジネスプロトコル等の遵守)
甲および乙は、CI-NETによるEDIを行うにあたりCI-NET標準ビジネスプロトコル等を遵守しなければならない。
第6条(運用手順)
甲および乙は、以下の各号に定める事項および運用仕様書に定める事項にしたがい、申込・承諾等を行い、相互に取引関係情報を提供、利用する。
甲および乙は、CI-NETによるEDIを行うにあたり、あらかじめ自らのアドレスを定め、相手方に通知する。
甲または乙が相手方に取引関係情報を提供しようとするときは、甲または乙は当該取引関係情報を作成し、CI-NET標準ビジネスプロトコル等に従い、運用仕様書に定める運用手順を遵守し、相手方のアドレスに送信する。
前号の相手方である甲または乙は、前号により送信された取引関係情報を自らの装置内に受信し、利用する。甲または乙は、受信後遅滞なく、受信した取引関係情報に対する受信の事実を明示した確認メッセージを作成し、CI-NET標準ビジネスプロトコル等に従い、運用仕様書に定める運用手順を遵守し、相手方のアドレスに送信する。
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【留意点】
運用手順におけるセキュリティ方式、通信プロトコル、取引関係情報等の受信確認メッセージ等は運用仕様書「5.運用手順」に定める。
第7条(意思表示等の時期)
CI-NETによるEDIの実施に伴う甲乙間の意思表示または通知は、甲および乙が提供すべき取引関係情報を相手方のアドレスに取引関係情報を送信し、相手方が当該送信関係情報を受信した時点で相手方に到達したものとする。
【留意点】 ・CI-NETによるEDIを行うにあたり、下図の例の場合、(2)の時点で注文の承諾の意思表示が到達したものとする。さらに受信した事実を明確にするために、 (4)の受信確認メッセージのみを送信し、(5)送信者に対して、受信した旨を送信することにしている。 ・データが相手方に到達することにより、その意思表示は効力を発生する(民法97条第1項:隔地者に対する意思表示はその通知の相手方に到達したる時よりその効力を生じる)との原則を最優先し、その原則どおりの運用を行う。 ・承諾通知にかかる発信主義(民法556条、557条)、および一定条件下での承諾の擬制制度(商法509条)は採用しない。EDIにおける到着の確実性を、受信確認メッセージの発信によって担保しており、到達主義で実施することによる確実性を担保することを優先した。 msg:メッセージ 受信者 甲
注文請けmsg (1)メッセージを送信 送信者 乙 (2)アドレスに着信 (3)読み込み (5)アドレスに着信 確定請けメッセージの場合の例 受信確認msg (4)受信確認を送信 (6)読み込み
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第8条(取引関係情報の効力)
甲および乙は、CI-NETによるEDIの実施のために、電子証明書およびその利用に係るID、パスワード等を、それぞれの正当な権限を有する者が適切な手段、手続きに則って管理し、これを適切に行使させなければならない。
2 取引関係情報が、CI-NETによるEDIの実施に伴い提供される場合の他、書面によっても提供される場合には、送信者は当該情報の甲乙間に相違・矛盾を生じさせないようにする。なお、相違、矛盾が生じた場合は、原則としてCI-NETによるEDIの実施に伴い提供される取引関係情報が優先する。ただし、甲または乙が別段の通知をしたときはこの限りではない。
第9条(取引関係情報の変更)
甲および乙は、CI-NETによるEDIにより取引関係情報の内容を変更する必要が生じた場合には、取引関係情報の内容の変更を希望する甲または乙は、希望する変更内容を明示した新たな取引関係情報をCI-NETによるEDIにより相手方に通知する。
2 前項に関わらず、甲および乙は、CI-NETによるEDIにより成立した個別契約情報の内容を変更する必要が生じた場合には、個別契約情報の内容の変更を希望する甲または乙は、以下の各号の方法にて相手方に通知する。
個別契約情報の内容を変更する必要が生じた場合には、変更を希望する甲または乙は、鑑項目合意変更申込メッセージによって当該個別契約情報の内容の変更を相手方に申し込み、相手方は、その変更依頼を承諾する場合には遅滞なく鑑項目合意変更承諾メッセージを発信し、当該変更申込に対する承諾を行う。
個別契約情報を解除する必要が生じた場合には、解除を希望する甲または乙は、合意解除申込メッセージによって当該申込・承諾等の解除を相手方に申し込み、相手方は、その解除申込を承諾する場合には、遅滞なく合意解除承諾メッセージを発信し、当該解約申込に対する承諾を行う。
個別契約情報を打ち切る必要が生じた場合には、打ち切りを希望する甲または乙は、申込・承諾等の打切申込メッセージによって当該申込・承諾等の打ち切りを相手方に申し込み、相手方はこれを承諾する場合には遅滞なく、申込・承諾等の打切承諾メッセージを発信し、当該打切申込に対する承諾を行う。
相手方の倒産等やむを得ない状況により一方的に申込・承諾等を解除あるいは打ち切る必要が生じた場合には、解除あるいは打ち切りを希望する甲または乙は、一方的解除あるいは一方的打切メッセージによって当該申込・承諾等の解除あるいは打ち切りを相手方に一方的に発信できる。
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【留意点】
・取引関係情報(見積、注文、出来高、立替および支払業務等のデータ)を変更する必要が生じた場合には、すでに送信したデータと同一種類のメッセージを変更データとして送信する(第1項)。
・確定注文および注文請けメッセージの取り交わしによってすでに成立している個別契約を変更、解除、打切の場合は、確定注文または注文請けメッセージの再送ではなく、合意解除申込・承諾、合意打切申込・承諾あるいは相手方の倒産等やむを得ない状況による一方的解除申込または一方的打切申込のメッセージによって行い(第2項)、変更内容を記録し、保存する。
第10条(各種行為の有効性)
本協定に係る各種意思表示は、第7条のとおりとする。
第9条による取引関係情報の変更についても、それぞれの申込が相手方に到達した時点で、承諾も相手方に到達した時点で、効力を生ずるものとする。
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【留意点】
注文業務を例に説明する。
・次図の(1)が乙のアドレスに着信した時に個別注文の申込の意思表示が成立する。
・受信者が(2)の受信確認メッセージを送信することは、確定注文メッセージが着信したことを通知するものであり、注文の承諾を通知するものではない。注文の申込を吟味のうえ(3)の注文請メッセージを送信し発注者に着信した時点で、注文の申込を承諾する意思表示が成立する。
msg:メッセージ
第11条(CI-NETによるEDI障害時の措置)
装置、通信回線の故障またはその他の理由により、CI-NETによるEDIに障害が発生したことを察知した当事者は、相手方に直ちにその旨通知し、速やかに対応を図る。
2 前項の障害が発生したときのデータ授受方法は、原則として障害回復後のデータ伝送により行う。ただし障害が復旧するまでの間、甲および乙は、協議のうえ必要に応じ、別途の方法により対応する。
3 障害が復旧するまでの間に書面の交付あるいはそれに代わる方法によってなされた意思表示あるいは通知の効力については、甲乙協議のうえ決定する。
4 第1項のCI-NETによるEDIに障害が発生した場合、甲または乙は、当該障害が、甲または乙の何れか一方のネットワークに係わる責任範囲で発生したかを明確にした上で、自らの責任範囲にある当事者は、迅速に回復のための対応をしなければならない。
5 天災その他不可抗力によって発生した障害については、この限りではない。
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【留意点1】
出来高・請求業務のように、期限・締切が重要な要素を占める業務のデータ交換については、何らかの障害が起きた場合への対応が特に求められることとなる。
2.にある「別途の方法」について、CI-NETによるEDIを行うに際し予め責任分界点を運用仕様書等に記載して明確化し、自社の責任範囲において障害が発生した場合どのような運用とするか、取り決めておくことが望ましい。
障害発生時の具体的な運用上の対応としては、
①従来形式の紙での提出を許可する
②締めの期日を変更して提出することを許可する
③別のアドレスにデータを送信する
などが考えられる。
また障害発生に備え、以下のような対策を講じておくことも有効である。
①定期的なバックアップを実施し、障害発生時に復旧が容易となるように備える
②非常時の対応についてマニュアル化しておく
(例えば、本社で協議の上対処方法を決定し、現場・支店・取引先等の取引当事者間にて連絡をとり必要な処置を実施する、など)
【留意点2】
4.にあるネットワークに係わる責任の範囲については、運用仕様書「8.責任範囲」の定めによる。
【留意点3】 損害賠償等請求
CI-NEによるEDIにおいて、システム障害等の範囲を超えて、契約上の紛争に発展した場合には、その紛争の原因となる契約における紛争解決方法(建設業法19条第1項第14号)の定めに従い解決する。
第12条(取引関係情報の未着、読み出し不能時の措置)
甲および乙は、相手方が発信した取引関係情報が着信しない場合、または伝達された取引関係情報の読み出しができない場合、この事情を知った後、直ちにその旨を相手方に通知する。この通知がある場合、発信者は当該の取引関係情報を再送信する。
2 前項により発信者が再送を行った結果、二重の送信がなされた場合、甲および乙は、前の取引関係情報を発信者が撤回し、再送にかかる送信のみが有効であることに合意するものとする。
3 第1項のCI-NETによるEDIに障害が発生したとき、甲または乙は、当該障害が、甲または乙の何れか一方の契約者のネットワークに係わる責任範囲で発生した場合は、責任範囲を管理する契約者が回復の責任を負う。
4 天災その他不可抗力によって発生した障害については、この限りではない。
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【留意点1】
2.にある未着信だった確定注文メッセージが後日着信した場合等を想定し、この場合にも二重注文とならないよう、未着信のデータは撤回されたものとする。
【留意点2】
3.にあるネットワークに係わる責任の範囲については、運用仕様書「8.責任範囲」の定めによる。
【留意点3】 損害賠償等請求
CI-NETによるEDIにおいて、システム障害等の範囲を超えて、契約上の紛争に発展した場合には、その紛争の原因となる契約における紛争解決方法(建設業法19条1項第14号)の定めに従い解決する。
第13条(費用負担)
CI-NETによるEDIに係わる費用の負担は、以下の各号の定めによる。
(1)甲が乙のアドレスに取引関係情報等を送信する費用は甲の負担とし、乙が甲のアドレスに取引関係情報等を送信する費用は乙の負担とする。
(2)乙が甲に送信した取引関係情報等を受信するために甲が甲のアドレスを利用する費用は甲の負担とし、甲が乙に送信した取引関係情報等を受信するために乙が乙のアドレスを利用する費用は乙の負担とする。
第14条(装置および通信回線の整備)
甲および乙は、CI-NETによるEDIを行うために必要な装置および通信回線の整備、保守および管理を、善良なる管理者の注意をもって行う。
第15条(取引関係情報の保存)
甲および乙は、CI-NETによるEDIにより相手方から提供された取引関係情報の内容を電子ファイル、書面等の記録媒体に格納し、必要とされる期間保存するものとする。
2 前項に関わらず、甲および乙は、CI-NETにより相手方から提供された契約情報の内容を電子ファイル、書面等の記録媒体に格納し、当該ファイルの作成者が明確になるための電子署名を付し、必要とされる期間保存するものとする。
3 甲および乙は、相手方の請求がある場合はこれを相手方に交付しなければならないが、印刷、複製、送信、提示その他によりこの交付に費用が発生する場合には、その費用は請求者の負担とする。
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【留意点】
・電子署名文書の長期保存の対象期間について、商取引に関連する法規(民法、商法、法人税法等)では各書類、文書に対し、5~10年程度の保存が義務付けられている。
CI-NETにおいては電子署名文書を必要とされる期間保存することを想定しており、建設業法令遵守ガイドライン(第5版)平成29年3月「11.帳簿の備え付け・保存及び営業に関する図書の保存(建設業法第40条の3)」では、10年間としている(建設業法施行規則第28条第1項)。
第16条(秘密保持)
甲および乙は、本協定期間中はもとより、本協定有効期間完了後においてもCI-NETによるEDIの実施により知り得た情報を第三者に漏洩してはならない。ただし、次の各号のいずれかに該当するものは、この限りではない。
相手方から開示を受けた際、すでに自ら所有していたもの。
相手方から開示を受けた際、すでに公知公用であったもの。
相手方から開示を受けた後に、甲および乙それぞれの責によらないで公知または公用となったもの。
正当な権限を有する第三者から秘密保持の義務を伴わず入手したもの。
第17条(予告による本協定の打切)
甲および乙は、互いに3カ月の文書による予告期間をもって、本協定を打切ることができる。
第18条(その他の事由による本協定の打切)
甲および乙は、相手方に次の各号の一に該当する事由が生じたときは、催告なくして直ちに一方的に本協定の打切を行なうことができる。
本協定、基本契約または個別契約に違反したとき。
正当な理由なく期間内に契約を履行する見込みがないと認められるとき。
重大な損害または危害をおよぼしたとき。
監督官庁より営業の取消し、停止などの処分を受けたとき。
仮差押え、仮処分、強制執行、担保権の実行としての競売などの申し立て、または破産、民事再生手続、会社更生、会社整理の申し立てがあったとき、もしくは清算に入ったとき、あるいは支払停止、支払不能の事由が生じたとき。
解散、分割、あるいは他の会社と合併したとき。
財産状態が著しく悪化し、またはそのおそれがあると認められる相当の事由があるとき。
災害その他やむを得ない事由により、契約の履行が困難と認められるとき。
2 前項の本協定の打切によって、甲または乙が蒙った損害について相手方に損害賠償請求をすることを妨げない。ただし、前項第8号の場合はこの限りではない。
第19条(協議事項)
甲および乙は、本協定に定めのない事項、または疑義を生じた場合は、甲乙協議のうえ解決する。
第20条(管轄裁判所)
甲および乙は、本協定に関する紛糾の管轄裁判所を○○○○裁判所とする。
第21条(有効期間)
本協定の有効期間は、締結日より1年間とする。ただし、期間満了の1カ月前までに、甲または乙から書面による打切の申し出のないときは、本協定と同一条件で更に1カ年間更新するものとし、以降も同様とする。
2 本協定は、本協定に基づき実施された第2条に規定された業務が有効である期間、また、本協定に基づき成立した契約の履行が終了していない期間は引き続き有効とする。
附則
本協定は、2017年4月1日以降に発行される電子証明書を利用する場合に適用する。
本協定の成立を証するため、本書2通を作成し、甲乙記名捺印のうえ、各1通を保有する。
年 月 日
甲:名 称
所 在 地
代表者氏名 印
乙:名 称
所 在 地
代表者氏名 印
改訂履歴
日付 |
事由 |
2003年3月31日 |
制定 |
2017年2月8日 |
ebMS対応 |
2019年3月29日 |
基本契約の利用を追加 |
参考 改訂の変遷
日付 |
事由 |
2009年5月 |
CI-NET標準ビジネスプロトコルVer.1.5に記載 |
2017年3月 |
2016年度(平成28年度)情報化評議会活動報告書に記載 新電子証明書の発行に伴う改訂(事業者の存在証明手続き、契約権限者による契約を拒否できないこと) ebMS利用を想定した改訂 ・運用マニュアル |
2019年3月 |
20190401版 2018年度(平成30年度)情報化評議会活動報告書に記載およびCI-NET LiteS実装規約Ver.2.1ad.8(基本契約メッセージの新設)に反映 ・基本契約の利用を追加 |
1 建築業法第19条第3項
建設工事の請負契約の当事者は、前二項の規定による措置に代えて、政令で定めるところにより、当該契約の相手方の承諾を得て、電子情報処理組織を使用する方法その他の情報通信の技術を利用する方法であつて、当該各項の規定による措置に準ずるものとして国土交通省令で定めるものを講ずることができる。この場合において、当該国土交通省令で定める措置を講じた者は、当該各項の規定による措置を講じたものとみなす。
同施行令第5条の5第1項
建設工事の請負契約の当事者は、法第十九条第三項の規定により同項に規定する国土交通省令で定める措置(以下この条において「電磁的措置」という。)を講じようとするときは、国土交通省令で定めるところにより、あらかじめ、当該契約の相手方に対し、その講じる電磁的措置の種類及び内容を示し、書面又は電子情報処理組織を使用する方法その他の情報通信の技術を利用する方法であつて国土交通省令で定めるもの(次項において「電磁的方法」という。)による承諾を得なければならない。
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(Ver.1.5)