Contract
那須塩原市財務会計システム更新業務仕様書
那須塩原市令和4年5月
1 基本事項
1.1 業務名称
那須塩原市財務会計システム更新業務
1.2 基本事項
事業の概要及び目的
当市の財務会計システムは、平成26年度からクラウド型の財務会計システムを構築し使用しているが、令和4年9月30日をもって契約満了となるため、令和4年10月1日以降に使用する財務会計システムについて利用環境を確保する必要がある。
財務会計システムは、より高度で透明性のある行政サービスを行うために、行政事務のデジタル化による電子決裁を含めた豊富な機能と容易な操作性で効率的に
行政事務を進めるともに、災害時に際しても継続性の確保できることが求められる。これらの状況を踏まえ、効率的な行政事務が可能となるパッケージシステムかつ
業務継続性の確保できるクラウド型のシステムを採用する。
1.3 対象システム
(1) 財務会計システム
・実施計画調書作成~実施計画と連携した予算編成~予算執行~決算(決算統計)
~財務書類作成~行政評価までの一連パッケージであること。
(2) 新地方公会計対応版財務書類システム(日々仕訳方式対応版)
・決算統計データを取り込むことで財務4表(連結まで)を作成できること。
(3) 起債管理システム
・公債台帳を作成し、起債償還や各種統計資料の作成ができること。
(4) 実施計画システム
・実施計画の積算額を予算編成開始時の積算額に反映できること。
・実施計画の積算額が予算編成時の要求上限額としてシステム連携できること。
(5) 行政評価システム
・財務会計システムの決算額を事務事業評価システムに反映できること。
(6) 固定資産台帳システム
・新地方公会計制度に対応した固定資産台帳(公会計管理台帳)の管理ができること。
・資産更新に係る金額集計等、アセットマネジメントを支援する機能を有すること。
(7) 備品管理システム
・備品購入等の処理から台帳管理、備品ラベル作成の機能を有すること。
・備品取得時の入力データと財務会計システムが連携し、備品購入に係る支出命令等の事務効率化が可能なこと。
(8) 電子決裁
(9) 本市個人番号利用事務系システム(税・保険料)との連携システム (10)本市給与システムとの連携システム
※上記は、システムの概要を示すものであり、詳しくは機能要件書を参照すること。また、事業者によりシステムの名称及び範囲が異なるため、これらの機能を有するシステムであれば、ここに示したとおりにシステムが区別されている必要はない。
1.4 業務の範囲
(1)構築業務
対象業務に定める業務システムの構築に必要な調査、設計、導入、テスト、データ移行、研修等
(2)保守業務
業務システムの運用に必要なソフトウェア等の保守及び対象業務の運用支援
1.5 履行時期
(1)構築及び運用の時期
概ね以下のスケジュールとする。
① 令和 4 年 7 月頃、業者決定及び新システム構築開始
② 令和 4 年 10 月半ばから 1.3(1)のうち予算編成が稼動
③ 令和 5 年 3 月から 1.3(1)のうち予算編成以外、(2)、(3)、(6)及び(7)が稼動
④ 令和 5 年 3 月を目途に 1.3(8)が稼動
⑤ 令和 5 年 6 月を目途に 1.3(4)及び(5)が稼動
(2)運用保守業務 令和4年10月1日から令和7年9月30日まで
1.6 システム動作環境
・クライアントパソコン及びプリンターは内部情報系LAN(LGWAN接続可能)に接続された既存の機器を使用すること。
・システムに接続するクライアント数は900台(同時接続150台を想定)で稼働できること。また、稼働後において一定数の増設もあり得るものとする。
1.7 データセンター
データセンターに設置したサーバー上でデータを管理するクラウドシステムの使 用を前提としているが、使用する回線はLGWAN又は同程度のセキュリティを有する回線とする。これにより、高いセキュリティ環境と安定した動作環境を実現する。
なお、データセンターは以下の要件を満たしていることとする。
○データセンターの要件
№ | 項目 | 要件 |
1 | 立地 | ・システム開発、運用及び保守の要員が即時対応できる場所であること。 ・那須塩原市職員が4時間以内に到着可能なこと。 |
2 | 建物 | ①地震対策 ・活断層を避けた地盤上に設置されていること。 ・東日本大震災級(震度7)の地震による倒壊、崩壊を避ける耐震性能を有すること。 ②火災対策 ・現在の建築基準法及び消防法に規定する耐火性能を有すること。 ③風水害対策 ・津波、高潮、集中豪雨等によるxxの被害から建物及び情報システム等を保護する構造となっていること。 ④落雷対策 ・雷サージによりネットワークに誘起された異常電圧から情報システム及び電源設備を防護するため、避雷設備及び新設置方式による接 地システムが設置されていること。 |
3 | 各種設備 | ①電源設備 ・電源室はサーバー設置専用室とは独立した部屋にあり、保守管理のためにサーバー設置専用室に立ち入ることがないこと。 ・自家用発電機が用意されており、燃料無補給で1日以上那須塩原市の業務継続が可能であること。また、備蓄量を超える継続運転が必要となった場合は、優先的に燃料を確保し運転を継続すること。 ・電源設備はサーバー設置専用室用として1KVA/㎡以上であること。 ・情報システム機器を安定稼働させるため、無停電電源装置(UPS)を設置していること。 ・法定点検、工事等によりビル内電力供給が停止している間も機器類が停止することのないこと。 ・自家用発電機が動作するまで、蓄電池による10分以上の給電が可能であること。 ②空調設備 |
・サーバー設置専用室の温湿度制御を的確に行うため、空調設備は他の部屋との共用は避け、サーバー設置専用室用となっていること。 ・設置機器の増加等に伴う発熱量の増加に対応し、サーバー設置専用室の温湿度を適切に調整する十分な容量の空調設備が確保されていること。 ・障害等の発生に備え、サーバー設置専用室の主要な空調設備機器については予備機が設置されており、主要機器が故障の場合でも必要な冷却能力が確保できること。 ③防火・消火設備 ・消防法に適合した消火設備又は消火器等が建物内の適所に設置されていること。 | ||
4 | サーバ設置専用室 | ①出入口 ・出入口扉は十分な強度を持つ防火扉となっていること。 ・履物を区別し、xx靴により静電気及び埃対策がされていること。 ②フロア構造 ・床構造はフリーアクセスフロアとし、ケーブル敷設と空調機流スペースを十分に確保した有効床下スペースであること。 ・フリーアクセスフロアの荷重強度は500㎏/㎡以上あること。 ③xxx ・必要な温湿度環境を維持するため、フリーアクセスフロア面から天井面までの高さが確保されていること。 ④内装 ・サーバ設置専用室の内装(床、壁、天井)は不燃材を使用していること。 ⑤xx対策 ・サーバ設置専用室はxxの影響を受けない措置が講じられていること。 ⑥防火・火災時対策 ・火災検知システムの導入又は煙感知機と熱感知器を併用した自動火災報知設備が設置されていること。 ・火災発生時の消火方式は、ガス系消火設備を採用していること。 ⑦漏水・防水対策 ・漏水による情報システム機器への悪影響を防止するため、サーバー設置専用室内には水を使用する設備を設置していないこと。 ・漏水等の恐れのある空調排水周り等に漏水検知システムを設置する こと |
5 | セキュリティ | ①監視 ・建物の出入り口は24時間監視されていること。 ・サーバー設置専用室の出入口及び室内は、監視カメラによる24時間常時監視がなされており、監視記録が1年以上保管されていること。 ②防犯装置等 ・建物への入退館について、セキュリティ装置によりあらかじめ設定された入退館資格の識別及び記録、保管を行っていること。 ・サーバー設置専用室への入退館については、施錠等の防犯対策を有 していること。 |
・サーバー設置専用室への入退館にあたり、ICカードと生体認証装置 によりあらかじめ設定された入退室資格の識別及び記録を行っていること。 |
1.8 実施体制
・本システムの構築において、プロジェクト管理者を1名選任し、デジタル推進課とともに、進行管理を行うとともに、業務毎に担当(複数業務を担務することは可とする)を置き、業務主管課の支援を行うこと。
・構築にあたっては、既存の情報ネットワークシステムの保守業者と必要な打合せを行うこと。
・運用段階において、業務主管課と定期的または随時に打合せ開催し、課題及び要望を共有し、必要な運用支援を行うこと。
・事業者は、事業実施メンバーに対して、個人情報の取り扱いを含むセキュリティ教育を実施し、情報セキュリティ保持に関する意識の徹底を図ること。
1.9 機密保持
市から知り得た情報(周知の情報を除く)は、本システムの提案、契約、構築及び運用の目的以外に使用せず、契約終了後についても機密として保持し、第三者に開示又は漏洩しないよう必要な措置をとること。
2 システム構築
システムの構築に当たっては、下に示す項目に添い、かつ市の規模(データ量、職員数、出先数等)を十分考慮し実施すること。
2.1 システム構築期間
・システムの構築は、「1.5 履行時期(1)構築及び運用の時期」の項目で示した期日に稼働できるよう構築を完了すること。
・システムの運用開始時期については、提案の範囲とするが、保守業務開始以前に市の費用負担は生じないものとする。
2.2 プロジェクト管理
・事業者は契約後にプロジェクト計画書を提出すること。
・プロジェクト計画書は、本システムの全体設計から導入、データ移行、テスト、研修及びマニュアル整備、運用、成果物までを対象とし、市と十分に協議したうえで作成し、提出すること。
・安全かつ確実にシステム移行ができるようなスケジュール案を提示するとともに、テストや操作研修などについても十分な時間的配慮を行うこと。
2.3 設計
・設計に当たっては、設計後の仕様追加や変更等を最小限にするために、業務主管課とのコミュニケーションを密に行い、現行業務及び運用期間における今後の展望を把握すること。
・業務主管課に導入システムの仕様について十分に説明を行い、導入システムによる業務と現行業務との差異を明確にし、業務適合及びカスタマイズに係る要件を整理すること。
・業務改善が必要な場合は、具体的な方法や手順について十分に説明し、支援を行うこと。
2.4 導入
・導入に当たっては、バージョンアップや法改正等を考慮し拡張性を維持するため、極力業務パッケージの根幹に対する改修を避けるものとする。
・業務パッケージ基本機能による適合については、パラメータシート等のドキュメントを保存し、カスタマイズ等については要求条件と検査記録についてドキュメントの整備を行うこと。
・システムを構成する端末及びプリンタ等の機器については、本稼動前に必要な設定変更等を行うこと。
2.5 テスト
(1)基本事項
・各テスト工程は、実施スケジュール、品質管理指標、テスト項目、項目抽出基準等を設定した計画を策定し、実施すること。
・テスト実施後は、速やかに品質評価を行い、工程の完了判定の上で次工程に着手すること。また、テスト結果を踏まえて必要な改善を行うこと。
(2)テスト工程
①単体テスト
画面構成、画面遷移、帳票デザインの確認、プログラム単体についての論理網羅性や妥当性の検証及び疎通の確認等を行うこと。
②結合テスト
機能レベルや業務レベルで、要求仕様を満たす動作が実現されているか、品質が要求水準に達しているかを確認すること。また、サブシステム間の連携についても検証を行うこと。
③総合テスト
システムの品質特性毎に品質を把握し、他システム間の連携、実運用を想定したシナリオ、実運用を考慮した品質・性能の検証、実運用に沿ったシステム構成の信頼性、セキュリティ等について検証すること。
2.6 データ移行
(1)基本事項
・データ移行は、実施スケジュール、手順、品質管理指標等を定義した計画を策定し、実施すること。
・業務主管課の負担を軽減するためのスケジュール策定や確認作業の効率的な実施に留意すること。
(2)移行データ
現行システムのデータを次期システムへ移行するに当たり必要となるデータは、市から CSV ファイルで渡すものとする。事業者は、当該 CSV データを基に新システムを構築すること。
①会計名称情報 会計コード、会計名称等
②所属名称情報 所属コード、所属名称等
③歳入歳出科目名称情報 会計コード、科目コード等
④歳入歳出予算額情報 令和4年度 科目コード、予算額等
⑤金融機関情報 金融機関コード、支店コード等
⑥債権者情報 債権者コード、債権者名、口座番号等
⑦起債台帳情報 起債データ、償還データ等
⑧備品台帳情報 備品データ等
⑨公有財産台帳情報 公有財産データ等 (3)現行システムの運用
移行しないデータを含む現行システムで行う業務と新規システムで行う業務を整理し、それらの運用について支援すること。
2.7 研修及びマニュアル整備
(1)研修
・研修は、具体的なスケジュール、内容、会場、対象者(500人程度)、実施に当たって必要な作業等を明記した計画を策定し、実施すること。
・本稼動前に、システム管理者を対象とした管理者研修及びシステム利用者を対象とした事前研修を行うこと。
・システム利用者研修は、予算編成や基本的な操作の他、電子決裁に関するものを別途設けること。
・事前研修は、研修端末を使用した研修とすること。
・研修会場及び研修用端末(20台)は市が用意する。
・対面研修を行えない場合を想定し、Web や動画等を用いて、職員が対面と同等の研修を広く受けられること。
・必要に応じ、運用開始後の研修も行うこと。 (2)マニュアル整備
・システムの操作に関して、システムメニュー構成に従い整理し、通常の業務仕様に必要な全ての操作について記載した運用マニュアルを作成すること。
・運用マニュアルには、システムで作成可能な全ての帳票サンプル及び入力補助ファイルを含めること。
・バージョンアップやシステム改修に従い、都度マニュアルを更新すること。
・研修時に使用するマニュアルを運用マニュアルとは別に作成すること。
・マニュアルは、市にxx・副本1部ずつと電子媒体にて提供すること。
2.8 成果物
本業務における成果物は、事業者が作成し市に提出すること。なお、成果物の内容は市とプロジェクト計画協議段階で、内容・納品時期について調整し決定する。
3 運用
本仕様書の要件を満たす品質・性能等を継続して提供するために、システムの更新及びバージョンアップ等を行い、正常な稼動を保証すること。
3.1 稼動期間及び時間
提供するシステムは、24時間365日稼働することができること。ただし、基本稼働時間は、平日の8時30分から17時15分とする。なお、システムの起動・終了時間は自動化でき、柔軟に変更できること。
3.2 運用要求項目
(1)運用管理
・システムの本稼動前までに運用計画書を作成し、市の了承を事前に得ること。
・運用計画書に基づいた運用管理を行い、市に対して毎月の定期報告及び随時の報告を行うこと。
・運用計画書の年度更新及び必要に応じた改定を行うこと。
・本事業全体の運用監視を行い、運用に不備あるときはこれを改善すること。 (2)品質性能管理
・品質性能測定の方法は、プロセスについて具体的に示し、市の了承を事前に得ること。
・市と合意する指標を設け、定期報告すること。
・運用期間内の使用ハードウェア容量及び必要な品質性能について予測を行い、十分な容量及び品質性能をあらかじめ確保しておくこと。
・万一、品質性能が満たされない事象が発生した場合は、速やかに市へ報告し、協力的かつ速やかに問題の解決を行うこと。
(3)障害対策
・業務に影響を与える障害発生時においては、障害検知時から30以内に市へ通知すること。また、回復予定時間については障害検知時から90分以内に通知すること。なお、リモートメンテナンスも可とするが、その場合、那須塩原市情報ネットワークシステムのセキュリティを担保するリモートメンテナンスの方法及び実施体制について、説明すること。
・復旧回復時間については、想定される障害ごとに回復時間を明示すること。
・障害復旧後、事業者は原因の分析と再発防止策を報告すること。 (4)バージョンアップ等
・バージョンアップや法改正によるプログラムリリース、セキュリティパッチの適用や配布について、システムの運用に支障のないように実施できること。
・バージョンアップや法改正、セキュリティパッチの適用について、極力プログラム改修が発生しない仕組みが考慮されていること。
・令和5年10月から導入されるインボイス制度に対応すること。
・職員要望を取り込み、年々使いやすいシステムに成長させていくこと。
・事業者は、職員要望をパッケージ機能向上のためのバージョンアップに反映できるようすること。
(5)バックアップ
データベースは定期的にバックアップをとり、必要に応じてリカバリできるような仕組みを構築すること。
(6)緊急時対策
災害や情報流出事故等により情報資産に損害を及ぼすおそれがある場合等、緊急事態が発生した場合に、被害を最小限に抑えることを第一に、迅速かつ適切な対応が可能となるような危機管理対策の整備等の対策を講じること。
3.3 セキュリティ要件
(1)職員認証
・ユーザIDとパスワードによる職員認証を可能とすること。
・アクセス権限の設定を可能とすること。なお、突発的な職員権限変更や人事異動に伴う職員権限変更についても、管理担当職員が容易に設定できる仕組みとすること。
(2)アクセスログ取得・管理
個人情報の内部漏洩を防ぐ仕組みとして、アクセスログ管理を実施すること。
3.4 業務支援要件
(1)ヘルプデスク
・各業務主幹課から、システムに関する問い合わせを受け付けるためのヘルプデスクを用意すること。
・ヘルプデスクは、障害等の一次受付窓口を兼ねること。
・ヘルプデスクは、業務稼動時間に電話又はメールによる受付を行い、それ以外の時間帯においてもメールによる受付を行うこと。
(2)運用支援
デジタル推進課及び各業務主幹課に対し、新たな運用方法やシステムの機能を用いた業務フローの改善等について継続的に支援すること。
3.5 契約終了時のデータの提供
・本業務の終了(運用期間終了)に際し、既存データを抽出し、提供すること。
・データは、可読性電子ファイル形式(CSV 等)にて提出することし、作業時に追加の費用負担は生じないものとする。
以上