Contract
愛媛県立中央病院整備運営事業要求水準書(案)
第2 要求水準 3 調達関連業務
平成19年8月愛媛県
-目 次-
(1) 総論 1
ア 業務の目的 1
イ 調達の対象範囲 1
ウ 医療用・給食用・管理用物品の区分 1
エ 実施体制 2
オ 運営業務との効果的な連携 4
カ 各種協議に係る留意点 4
(2) 医療機器等及び一般備品調達関連業務 5
ア 対象範囲 5
イ 業務期間 5
ウ 各業務の要求水準等 5
エ 本業務における各種手続き 10
(3) 医薬品調達関連業務 13
ア 業務の構成 13
イ 業務期間 13
ウ 各業務の要求水準等 13
エ ベンチマーク及び基準の設定 20
オ ベンチマークに基づく基準の活用(健全経営への貢献の視点に基づくモニタリングの実施) 23
(4) 診療材料調達関連業務 26
ア 業務の構成 26
イ 業務期間 26
ウ 各業務の要求水準等 26
エ ベンチマーク及び基準の設定 31
オ 診療材料調達予定リスト(後期)の作成に伴うベンチマークに基づく基準の変更について 37
カ ベンチマークに基づく基準の活用(健全経営への貢献の視点に基づくモニタリングの実施) 37
(5) 准備品・消耗品調達関連業務 39
ア 業務期間 39
イ 要求水準等 39
(1) 総論
ア 業務の目的
病院が基幹病院として高度・先進医療を安定的に提供するために、事業者は、求められる性能を満たした医療機器等の初期調達、及び医薬品・診療材料等の運営期間にわたる調達業務を効率的かつ適切に実施することを通じて、病院の健全経営に寄与すること。
なお、ここでいう健全経営とは、「公営企業としての経済性の発揮と公共の福祉」の両立を基本原則とし、質の高い医療を提供することにより、患者満足度を高めるとともに、収益の最大化やコストの最小化を図り、もって健全な財務体質を維持する経営のことをいう。
イ 調達の対象範囲
区 分 | 調達対象 |
医療機器等(給食用機器を含む)(初期調達) | ①医療用物品でその取得価格が 1 件 100,000 円(税抜)以上かつ耐用年数 1 年以上のもの ②給食用物品でその取得価格が 1 件 100,000 円(税抜)以上かつ耐用 年数 1 年以上のもの |
一般備品(初期調達) | 管理用物品でその取得価格が 1 件 100,000 円(税抜)以上かつ耐用年 数 1 年以上のもの |
准備品 | 取得価格が 1 件 10,000 円(税込)以上 100,000 円(税抜)未満かつ 耐用年数 1 年以上の下記①~③の物品 ①医療用物品※1 ②給食用物品※2 ③管理用物品 |
医薬品 | 投薬用薬品、注射薬品、その他薬品等の院内で消費される全ての医薬品(以下「一般薬品」という。)及び検査試薬 (麻薬は含まれるが、血液、放射性診断薬等の特殊薬を除く。) |
診療材料 | ①診療用材料として直接消費されるもの ②医療用物品(診療用具等)でその取得価格が 1 件 10,000 円(税込) 未満又は 1 年以内に消費されるもの |
消耗品 | 管理用物品でその取得価額が 1 件 10,000 円(税込)未満又は耐用 年数 1 年未満のもの |
※1 医療用物品のうち、その取得価格が 1 件 10,000 円(税込)以上 100,000 円(税抜)未満
又は耐用年数 1 年未満のいずれかのみに該当するものについては、診療材料に含む。
※2 給食用物品のうち、その取得価格が 1 件 10,000 円(税込)未満又は耐用年数 1 年未満のもの及び患者給食のために消費される食品等の調達については、食事の提供業務の諸経費に含む。
ウ 医療用・給食用・管理用物品の区分
区 分 | 定 義 |
医療用物品 | 医療又は看護のために必要な工具、器具・用具及び備品 |
給食用物品 | 給食のために必要な工具、器具・用具及び備品 |
管理用物品 | 医療又は看護、又は給食以外の用途として用いる工具、器 具・用具及び備品 |
エ 実施体制
本章に示す要求水準を満たすサービスを業務期間にわたり確実に提供することができるよう、下表の内容を満たす限りにおいて、業務実施体制については、事業者の提案により構築するものとする。
調達対象 | 配置人員 | 人員の要件等 |
医療機器等及び一般備品 | 総括責任者 | ・ 医療機器に関する調達関連業務の実績(民間企業の卸業者・メーカー等の勤務実績もしくはそれに類する実績を含む。)を有する者を 1 名配置すること。 ・ 業務担当者に対して継続的、体系的に医療機器の調達について、充分な教育・指導を行うこと。 ・ 要求水準に示す業務を確実に履行する限りにおいて、本事業に専任である必要はなく、その雇用形態についても事業者の提案によるものとする。 ・ 調達対象が異なる調達関連業務及び運営業務における 総括責任者又は業務担当者による兼務を可能とする。 |
業務担当者 | ・ 特定分野の医療機器だけでなく、医療機器全般に関する知識を有し、メーカー別の優位性や最新機能、流通価格等の市場性、及び医療情報システムとの連携に精通しているものを 1 名以上配置すること。 ・ 医師との連携や想定される作業ボリューム等を勘案 し、要求水準に示す業務を確実に履行する限りにおいて、本事業に専任である必要はなく、その雇用形態についても事業者の提案によるものとする。 ・ 本業務の総括責任者のほか、調達対象が異なる調達関 連業務及び運営業務における総括責任者又は業務担当者による兼務を可能とする。 | |
医薬品 | 総括責任者 | ・ 本業務の責任者として、医薬品に関する調達関連業務の実績(民間企業の卸業者・メーカー等の勤務実績もしくはそれに類する実績を含む)を有する者を1名配置すること。 ・ 業務担当者に対して継続的、体系的に医薬品の管理、調達について、充分な教育・指導を行うこと。 ・ 要求水準に示す業務を確実に履行する限りにおいて、本事業に専任である必要はなく、その雇用形態についても事業者の提案によるものとする。 ・ 調達対象が異なる調達関連業務及び運営業務における 総括責任者又は業務担当者による兼務を可能とする。 |
業務担当者 | ・ 本業務を担当する者として1名以上配置すること。 ・ 薬剤師との連携や想定される作業ボリューム等を勘案し、要求水準に示す業務を確実に履行する限りにおいて、本事業に専任である必要はなく、その雇用形態についても事業者の提案によるものとする。 |
調達対象 | 配置人員 | 人員の要件等 |
・ 本業務の総括責任者のほか、調達対象が異なる調達関 連業務及び運営業務における他の総括責任者又は業務担当者による兼務を可能とする。 | ||
診療材料 | 総括責任者 | ・ 本業務の責任者として、診療材料に関する調達関連業務の実績(民間企業の卸業者・メーカー等の勤務実績もしくはそれに類する実績を含む)を有する者を1名配置すること。 ・ 業務担当者に対して継続的、体系的に診療材料の管理、調達について、充分教育・指導を行うこと。 ・ 要求水準に示す業務を確実に履行する限りにおいて、本事業に専任である必要はなく、その雇用形態についても事業者の提案によるものとする。 ・ 調達対象が異なる調達関連業務及び運営業務における 総括責任者又は業務担当者による兼務を可能とする。 |
業務担当者 | ・ 本業務を担当する者として1名以上配置すること。 ・ 事業者に求める作業ボリューム等が相当程度見込まれることから、原則として、常勤の者を1名以上本事業に専任で配置すること。 ・ 本業務の総括責任者のほか、調達対象が異なる調達関連業務及び運営業務における総括責任者又は業務担当 者による兼務を可能とする。 | |
准備品・消耗品 | 総括責任者 | ・ 本業務の責任者として1名配置すること。 ・ 業務担当者に対して継続的、体系的に准備品、消耗品の管理、調達について、充分な教育・指導を行うこと。 ・ 要求水準に示す業務を確実に履行する限りにおいて、本業務に専任である必要はなく、その雇用形態についても事業者の提案によるものとする。 ・ 調達対象が異なる調達関連業務及び運営業務における 総括責任者又は業務担当者による兼務を可能とする。 |
業務担当者 | ・ 本業務を担当する者として 1 名以上配置すること。 ・ 要求水準に示す業務を確実に履行する限りにおいて、本業務に専任である必要はなく、その雇用形態についても事業者の提案によるものとする。 ・ 本業務の統括責任者のほか、調達対象が異なる調達関 連業務及び運営業務における総括責任者又は業務担当者による兼務を可能とする。 |
なお、当該業務を円滑かつ効果的に履行するには、県及び事業者が協働して本業務にあたることが必要不可欠と考えており、事業者の実施体制等も考慮した上で、県としても薬剤師をはじめ、効果的な協働体制を整備し、本業務に主体的に関与することを考えている。
医薬品のうち、一般薬品の調達業務に関して、県が想定している体制イメージを下記に示す。なお、当該体制はあくまでイメージであり、その内容を保証するものではない。
調達業務 | ||
〔物品の選定、価格の交渉〕 | ||
協 働 県側責任者1名(常勤) 調達業務総括責任者 医薬品調達業務担当者 |
卸業者等
医 局
交渉
新規採用品、既採用品
削減に関する相談・検討
薬 剤 部
・新規採用医薬品に関する相談・検討
・既採用品からの削減に関する相談・検討
・医薬品価格低減への取組みに関する検討
薬 剤 師
医 師
以上を踏まえ、事業者においても、県との効果的な協働の実現が図られるよう、積極的な情報交換・共有化の確保等に特に留意すること。
オ 運営業務との効果的な連携
県は、調達関連業務を本事業の業務範囲とすることで、特に運営業務における物品管理業務や医療事務業務との効果的な連携・BPRを図る等により、人員配置等の面での効率化や質の高いサービスの提供が期待できると考えているため、事業者においては、実施体制の構築及び実際の業務の実施に際して、この点に十分に留意すること。なお、下記のイメージは、物品管理業務及び医療事務業務以外の運営業務との連携を妨げるものではない。
調達関連業務
物品管理業務
医療事務業務
カ 各種協議に係る留意点
本業務について、取巻く環境の変化等を勘案して柔軟に実施するためには、後述するとおり、県及び事業者による協議が建設的に行われ、整うことが前提となり、当該協議の円滑かつ確 実な遂行が、本業務が長期安定的に履行されるための必要不可欠な要素となる。
従って、事業者は、当該協議が整わない場合、県として事業契約における本業務について、契約の一部解除等を行うこともある点に留意すること。
(2) 医療機器等及び一般備品調達関連業務ア 対象範囲
事業者が調達する医療機器等及び一般備品の対象範囲は、医療機器等及び一般備品のうち、
別途県が直接購入又はリース等により調達する品目及び移設対象品目を除く、開院時に必要な一切の医療機器等及び一般備品とする。
ただし、開院時までに設置する全ての医療機器等及び一般備品(別途県が 1 号館供用開始前までに調達する品目及び移設対象品目を含む)に関する搬入・据付・調整・稼動訓練等の全体管理については本事業の事業範囲に含む。
なお、全体管理には、医療情報システム・部門システムとの接続を含むスケジュール管理、納入業者や県との調整等も含まれる。
また、開院後の医療機器等及び一般備品の調達及び開院前の各種移設に係る業務については本事業の事業範囲には含まないものとする。
イ 業務期間
本業務の調達期間は、医療機器等の調達業務については 1 号館が供用開始する前までとし、一般備品の調達業務についてはそれぞれ適切な供用開始時期までとする。
ウ 各業務の要求水準等
(ア) 医療機器等(初期調達分)の調達業務
① 業務の内容
事業者は、1 号館が供用開始する前までの期間に、県が行った現有機器調査(移設機器調査を含む)等の確認、リスト・予算案作成から、発注(価格交渉等を含む)、搬入・据付・調整・稼動訓練まで一連の医療機器等調達に係る業務を行うものとする。
なお、上記業務に係る院内調整・付随業務についても本業務に含む。
② 本事業における医療機器等調達対象品目の考え方
本事業において、事業者の調達対象となる品目・時期等は下記の概念図のとおりである。具体的には、更新時期が 1 号館供用開始時期(平成 25 年度)に該当する品目に限定しており、それ以外の品目については本事業の業務範囲外であり、別途県が直接購入又はリース等で調達する。
【参考;本事業における医療機器等調達の概念図】
1号館開院予定
現状の種別 | 区分 | 事業者選定 | 開院準備期間 | 運営期間 | ||||||||||||||||
H19 | H20 | H21 | H22 | H23 | H24 | H25 | H26 | H27 | H28 | H29 | H30 | H31 | H32 | H33 | H34 | H35 | H36 | H37 | ||
購入機器 | 保守委託対象外 | A | 1 | 機器 | 県 | 県 | 県 | |||||||||||||
2 | 県 | PFI | 県 | |||||||||||||||||
3 | 県 | 県 | ||||||||||||||||||
(スポット修繕) | 県 | |||||||||||||||||||
保守委託対象 | B | 1 | 機器 | 県 | 県 | 県 | ||||||||||||||
保守 | ||||||||||||||||||||
2 | 機器 | 県 | PFI | 県 | ||||||||||||||||
保守 | PFI(フルメンテナンス) | 県 | ||||||||||||||||||
3 | 機器 | 県 | 県 | |||||||||||||||||
保守 | ||||||||||||||||||||
リ ス機器 | 保守委託対象 (保守抜き契約) | C | 1 | 機器 | 県(再リース) | 県(リース・保守込み) | 県(再リース) | 県(リース・保守込み) | ||||||||||||
保守 | 県 | 県 | ||||||||||||||||||
2 | 機器 | 県(リース) | 県(再リース) | PFI(購入) | 県(リース・保守込み) | |||||||||||||||
保守 | 県 | 県 | PFI(フルメンテナンス) | 県 | ||||||||||||||||
3 | 機器 | 県(リース) | 県(再リース) | 県(リース・保守込み) | 県(再リース) | |||||||||||||||
保守 | 県 | 県 | 県 | |||||||||||||||||
保守委託対象 (保守込み契約) | D | 1 | 機器 | 県(再リース) | 県(リース・保守込み) | 県(再リース) | 県(リース・保守込み) | |||||||||||||
保守 | 県 | |||||||||||||||||||
2 | 機器 | 県(リース・保守込み) | 県(再リース) | PFI(購入) | 県(リース・保守込み) | |||||||||||||||
保守 | 県 | PFI(フルメンテナンス) | 県 | |||||||||||||||||
3 | 機器 | 県(リース・保守込み) | 県(再リース) | 県(リース・保守込み) | 県(再リース) | |||||||||||||||
保守 | 県 | 県 |
ー
※横軸は機器の使用期間やリース期間を示す。
③ 医療機器等調達リストの位置づけ
入札公告以降に県が提示する「医療機器等調達リスト」に記載する医療機器等の一般名称、仕様、構成品等については、現時点での想定であり、実際の調達段階で対象品目等が変更となる場合にあっても、上述した対象範囲内において、事業者は全ての品目を調達すること。
④ 手順の概要
医療機器等の整備に関する関連手順は下記のとおりである。
(医療機器等の整備)
A 事業者は、施設整備スケジュールと整合性を図った上で、県と協議の上、医療機器等の整備方針、全体整備スケジュール、具体的な調達の手続き等を規定した「医療機器等調達業務計画書」を策定し、県へ提出する。また、各年度において、事業者が実施する各種業務の具体的な実施方法や手順等を規定した「医療機器等調達年度業務計画書」を策定し、県へ提出する。上記の各種業務計画書等に従い、個別機器の選定を B以下の手順で実施する。
B 事業者は、県が別途策定した現有機器調査(移設機器を含む)及び新病院の設置機器リストの内容を確認・精査した上で、移設対象機器リスト、初期調達対象機器リストを作成する。
C 事業者は、本事業における初期調達対象となる医療機器等に関し、病院の要望等について院内ヒアリング等を実施し、ヒアリング内容等を、適宜初期調達対象リストに反映する。
D 県及び事業者は、入札公告以降に提示する医療機器等調達リストからの変更内容を確認する。
E 事業者は、入札時の提案内容等を踏まえ、医療機器等の変更等に係る提案を作成し、医療機器選定委員会(仮称)に提出する。提案にあたっては、併せて変更理由書を添
付すること。
F 県及び事業者は、双方が参加する医療機器選定委員会(仮称)において、事業者の提案内容等について協議・検討(必要に応じ複数回実施。)し、最終選定医療機器等リストを確定させる。なお、医療機器選定委員会(仮称)において、県及び事業者間の協議が整わない場合は、県が最終確定する。
G 事業者は、医療機器選定委員会(仮称)の検討結果を受け、候補機種の性能仕様書(内訳書)を作成する。
H 県は、事業者が策定した性能仕様書(内訳書)の内容を確認の上、最終確定を行う。 I 事業者は、県が確認した性能仕様書(内訳書)に基づき、当該医療機器の調達を行う。 J 事業者は、固定資産台帳を作成する。
(搬入・据付け・調整・稼動訓練)
K 事業者は、県が別途費用負担する移設対象機器及び 1 号館供用開始前に県が別途直接調達する品目を含む、1 号館供用開始前までに設置する全ての医療機器等の搬入・据付・調整・稼動訓練等の全体管理を、一般備品を含め、一体的に行う。なお、全体管理には、医療情報システム・部門システムとの接続を含むスケジュール管理、納入業者や県との調整等も含まれる。
⑤ 要求水準
A 1 号館の供用開始時点で診療行為に支障がなく全ての医療機器等が稼動できるよう、綿密なスケジュールを立案し、業務を実施すること。
B 県と事前に十分な調整・情報共有等を行った上で、業務を実施すること。 C 入札時の自らの提案事項(調達方法等)を遵守し、業務を実施すること。
D 入札時に提案した入札価格内で全ての医療機器等が調達できるよう、価格面のマネジメントを行うこと。
E 調達価格の適正性については、県が客観的に評価できるよう、多角的な視点で情報を提示すること。
F 医師等の病院職員の考え方・意見等を尊重した上で、自らが病院にとって適切と考える提案等を行うこと。
G 提案等を行うにあたっては、可能な限り複数の選択肢を提示するとともに、多面的な視点に基づく明確な根拠を伴うこと。
H 自らが有する知識・経験等のノウハウを十分に発揮し、可能な限り最適な最終選定医療機器等リストの確定を実現するよう努めること。
I 院内調整が建設的に進み、必要な時期までに最終選定医療機器等リストが確定されるよう十分留意し、柔軟な対応を行うこと。
J 事業者は、初期調達時、1 号館供用開始後を問わず、県が別途、医療機器等を購入する際の各種契約事務等〔性能仕様書(内訳書)作成、選定支援、市場価格調査等県への各種情報提供等〕について、適宜、県に対して有効な助言・支援を行うこと。
K 事業者は、医療機器等の設置・据付等については、確実に安全性を確保すること。
⑥ 特記事項
A 入札時に県が提示する医療機器等調達リストに収載されているか否かとらわれることなく、実際の購入時に調達する品目については全てリストとして反映させ、調達を行うこと。
B 事業者による提案等に対して、県は真摯に対応することとするが、最終選定医療機器
等リストの最終確定は県が行うものとする。
C 県の立場に立ち、安価で調達できるよう、ディーラー又はメーカー等との積極的な折衝・交渉等を行うこと。
D 当該折衝・交渉等を効果的に実施するため、県の協力が必要な場合は協力の要請を行うことができるものとするが、予め、求める協力事項の明確な内容等を書面により県に提示するものとする。
E 特に、大型医療機器等については、設計与条件と齟齬がないよう、適確に設計へ反映させること。
(イ) 一般備品(初期調達分)の調達業務
① 業務の内容
事業者は、1号館の供用開始をはじめそれぞれの適切なオープン時期までの期間において、現有調査(移設調査を含む)等を含む各種調査、リスト・予算案作成から、発注(価格交渉等を含む)、搬入・据付・調整まで一連の一般備品調達に係る業務を行うものとする。
なお、上記業務に係る院内調整・付随業務についても同様である。
② 手順の概要
一般備品の整備に関する関連手順は下記のとおりである。
(一般備品の整備)
A 事業者は、施設整備スケジュールと整合性を図った上で、県と協議の上、一般備品の整備方針、全体整備スケジュール、具体的な調達の手続き等を規定した「一般備品調達業務計画書1」を策定し、県へ提出する。また、各年度において、事業者が実施する各種業務の具体的な実施方法や手順等を規定した「一般備品調達年度業務計画書」を策定し、県へ提出する。上記の各種業務計画書等に従い、個別品目の選定を B 以下の手順で実施する。
B 事業者は、県が別途策定した入札時に県が提示した一般備品リストの内容を確認・精査した上で、移設対象一般備品リスト、初期調達対象一般備品リストを作成する。[なお、各種リスト作成にあたって事業者は必要に応じ、現有調査を実施すること。]
C 事業者は、上記 B を踏まえ、本事業で調達を行う一般備品に関し、まず事業者自らの提案を踏まえて、一般備品リストを作成し、県に提示する。
D 県は、事業者が作成した一般備品リストの確認等(必要に応じ変更依頼を行う)を行い、最終選定一般備品リストを確定する。
E 事業者は、県が確認した最終選定一般備品リストに基づき、当該一般備品の調達を行う。(なお、価格に係る協議については別途購入前段階に実施)
F 事業者は、当該一般備品の搬入・設置・設置状況の確認を行う。 G 事業者は、固定資産台帳を作成する。
(搬入・据付け・調整・設置状況の確認)
H 事業者は、県が別途費用負担する移設対象品目を含む、開院時までに設置する全ての一般備品の搬入・据付け・調整・設置確認等の全体管理を、医療機器等を含め、一体的に行う。なお、全体管理には、搬入・据付けスケジュール、納入業者や県との調整
1 一般備品に係る各種業務計画書を、医療機器等調達業務計画書と一体的に策定することは可能とする。
等も含まれる。
③ 要求水準
A 1 号館の供用開始をはじめそれぞれ適切なオープン時期までに、全ての一般備品が設置できるよう、綿密なスケジュールを立案し、業務を実施すること。
B 県と事前に十分な調整・情報共有等を行った上で、業務を実施すること。 C 入札時の自らの提案事項(調達方法等)を遵守し、業務を実施すること。
D 入札時に提案した入札価格内で新病院に必要となる全ての一般備品が調達できるよう、価格面のマネジメントを行い、予算枠を超過することがないよう、適切に業務を遂行すること。
E 調達価格の適正性については、県が客観的に納得できるよう、多角的な視点で情報を提示すること。
F 県の考え方・意見等を尊重した上で、自らが病院にとって適切と考える提案等を行うこと。
G 提案等を行うにあたっては、可能な限り複数の選択肢を提示するとともに、多面的な視点に基づく明確な根拠を伴うこと。
H 自らが有する知識・経験等のノウハウを十分に発揮すること。
I 院内調整が建設的に進み、必要な時期までに最終選定一般備品リストが確定されるよう十分留意し、柔軟な対応を行うこと。
J 事業者は、本事業の維持運営期間中において、県が別途調達する一般備品に関し、各種情報等、適宜、県に対して適切な助言・支援等を行うこと。
④ 特記事項
A 入札時に県が提示する一般備品リストに収載されているか否かとらわれることなく、実際の購入時に調達する品目については全てリストに反映させ、調達を行うこと。
B 事業者による提案等に対して、県は真摯に対応することとするが、調達リストの最終確定は県が行うものとする。
C 品目の選定にあたっては、各部門・各諸室の仕様、用途等が同一の場合(例えば、外来診察室や病棟のスタッフステーション等)は、可能な限り品目の統一を行うこと。また、可能な限りグリーン購入法2の考え方や将来的なレイアウト変更等のフレキシビリティを考慮した提案を行うこと。
D 一般備品の設置・設置状況の確認にあたっては、耐震補強等、安全性を確保し、必要に応じ、適切な措置を講じること。
E 県の立場に立ち、安価で調達できるよう、各業者等との積極的な折衝・交渉等を行うこと。
2 「国等による環境物品等の調達の推進等に関する法律(グリーン購入法)」とは、循環型社会の形成のためには、「再生品等の供給面の取組」に加え、「需要面からの取組が重要である」という観点から、平成 12 年 5 月に循環型社会形成推進基本法の個別法のひとつとして制定された法律である。
エ 本業務における各種手続き (ア) 入札時に県が提示する内容
入札時に県が提示する各医療機器等の分類及び入札上の条件等は以下のとおりである。
① 医療機器等調達リストの分類
各医療機器等の金額、属性に応じて、下記の 3 つの分類に医療機器等調達リストを区分する。
分 類 | 分類の考え方 | 該当機器(例示) |
分類(A-1) | 高額医療機器等(1品あたりの調達額が概 ね1000万円を超える機器) | リニアック、MR、CT 等 |
分類(A-2) | 一連のシステムを構成する医療機器等もしくは同種同等品を相当数以上調達する 機器 | 生体情報モニタリングシステ ム、分娩監視システム、人工透 析システム、ベッド 等 |
分類(B) | 分類(A)、(C)以外の医療機器等 | 顕微鏡、手術器械セット等 |
分類(C) | 外来、病棟、診療科・部門等で一般的に使 用する医療機器等 | デジタル身長体重計、救急カー ト、ストレッチャー等 |
② 医療機器等に係る県の提示事項
入札時に県が提示する医療機器等に係る提示内容・レベルは、以下に掲げる事項である。なお、各分類(A、B、C)の区分ごとに、入札上の上限金額を設定の上、事業者に提示する。
分 類 | 提示内容 |
分類(A-1) | 1品ごとの医療機器等の一般名称、主な仕様もしくは構成品、数量 |
分類(A-2) | 1品ごとの医療機器等の一般名称、数量 |
分類(B) | 1品ごとの医療機器等の一般名称、数量 |
分類(C) | その他一式として事業者提案による内容とする。なお、参考として、現時点 で県が想定している医療機器等の一般名称、数量を提示する。 |
※ 現時点で県が想定している参考メーカー、参考型式、標準価格、システム構成品等については別途守秘義務契約締結後、事業者に提示する。
(イ) 事業者の提案事項
事業者は上記(ア)に提示する内容等を踏まえて、以下の事項を提案する。
① 医療機器等を安価で調達するための調達方法・手法について、他病院での実績等を含め具体的に提案すること。
② 医療機器等調達に係る業務計画、業務スケジュールについて、具体的に提案すること。
③ 分類(A)、(B)に関しては、県が提示する事項等に基づき医療機器等を選定し、1品ごとの一般名称、メーカー、型式、仕様もしくは構成品、標準価格、入札額を提案すること。
④ 上記③に加え、分類(A)に関しては、1品ごとに、メーカーからの標準価格証明、入札時点において事業者が市場調査した価格(以下「市場価格」という。)及び市場 調査した機能面の評価(以下「市場機能評価」という。)を添付すること。なお、県
は最終選定医療機器等リスト作成の過程においても、入札時点と同様に、事業者に市場価格及び市場機能評価の調査を求める。したがって、入札時点における市場価格及び市場機能評価の調査結果を踏まえて、実際の購入時点における市場価格及び市場機能評価の調査方法・結果の提示内容等について、具体的に提案すること。
⑤ 分類(C)に関しては、事業者提案する医療機器等の一般名称、メーカー、型式、数量、標準価格、入札額を提案すること。
⑥ 最終選定医療機器等リストの作成に係る院内ヒアリングの実施方法、県との協議の進め方等を具体的に提案すること。
(ウ) 実際の購入時における事業者の遵守事項
① 事業者は、応募時に提案した入札価格の範囲内で収載された全ての品目を購入するよう、努めること。
② 事業者は、実際の購入時点において、県に対して、再度1品ごとに見積価格を提示する。なお、県は、見積価格に合意できない場合には、事業者に複数回見積を求めるものとする。
③ 分類(A)については、原則として、1品ごとに、入札時点における市場価格から入札価格の値引率が、実際の購入時点における市場価格から見積価格の値引率を下回らないこと。
④ 医療機器等の調達に係る全ての価格の説明責任は事業者が負うこと。
⑤ 県は、調達時点での調達価格の適正性を検証するため、事業者に対して市場価格、市場機能評価の調査を依頼する。現時点で県が想定する市場調査、市場機能評価の県及び事業者間の確認プロセスを以下に例示する。なお、価格の適正性が担保される限りにおいて、事業者の提案を拘束するものではない。
【市場調査等による市場価格、市場機能評価の確認プロセス(例示)】
・事業者は、同機種の導入実績(定価・落札額・導入病院数等)等の価格調査、機能調査を行い、県に提示する。
・県は、事業者の導入実績等の提示内容等に基づき、個別調査を行う。
注)なお、別途県がメーカー等から見積り等を収集し、価格、機能評価の適正性を確認することもあり得る。
(エ) 入札時点と実際の購入時点の価格面の対応原則
実際の購入時点おける価格面の対応原則は、下記のとおりとする。ただし、県及び事業者双方の同意があり、かつ分類ごとの入札額を上回らない範囲内において、対応原則に拠らない対応も可能とする。
入札時点と購入時点の機能面の比較 | 入札時点と購入時点の市場価格の比較 | ||
市場価格が上昇し た場合 | 市場価格が同一 である場合 | 市場価格が下落 した場合 | |
機能が上昇した場合 | 協議※ ⇒協議が整わない場合は、県が別途調達 | 入札価格で調達 | 購入時点の見積価格 ⇒市場価格から値引き率を確保 |
機能が同一である場合 | 入札価格で調達 | ||
機能が下落した場合 |
※入札時に県が提示する医療機器等調達リストに収載のない品目についても、同様にまず県及び事業者間で協議を行い、協議が整わない場合は県が別途当該医療機器等の調達を行う。
(オ) 機能が異なると判断する具体的基準
入札時点と比べ、購入時点の機能が上昇したか、同一であるか、下落したかの判断を行うための具体的な基準に関しては、県及び事業者双方の協議により、事業契約締結までに決定する。
なお、現時点で県が想定している機能が異なると判断する基準は、以下の項目である。
【機能が異なると判断する具体的基準(例示)】
・市場における位置づけが異なる場合
例:同一カテゴリー内での最上位機種と次位機種等
・主に画像診断機器などの検出装置が異なる場合
例:イメージ・インテンシファイアとフラットパネル等
・新しい機能が付加された場合
例:SPECT と SPECT-CT、新たなネットワークシステム、サーバシステム等の追加 等
(3) 医薬品調達関連業務ア 業務の構成
医薬品に係る調達関連業務は、下記の2業務において構成されるものとする。
(ア) 医薬品調達予定リスト作成支援業務
(イ) 医薬品調達業務
イ 業務期間
本業務の業務期間は、平成 25 年4月から平成 45 年3月までとする。ただし、「医薬品調達
予定リスト作成支援業務」は、平成 24 年度内で別途県と事業者合意した時期から実施されるものとする。
ウ 各業務の要求水準等
(ア) 医薬品調達予定リスト作成支援業務
① 業務の内容
事業者は、毎事業年度、翌事業年度において調達を予定する医薬品のリスト(以下「医薬品調達予定リスト」という。)の確定等を目的として、翌事業年度の調達開始前に病院(特に医師、薬剤師及び医事課調達係等)において行われる協議(主にその時点での医薬品の新規採用や廃止等を協議する薬剤対策委員会3を含むものとし、以下「医薬品院内調整」という。)が、医薬品の質の確保並びに経済性等を総合的に勘案し、より望ましい医療サービスの提供の実現に寄与する内容となるよう、必要な支援業務を、医薬品調達関連業務の一つである「医薬品調達予定リスト作成支援業務」として行うものとする。
なお、医薬品院内調整の位置付けについては、後述する「医薬品調達業務」もあわせて参照のこと。
② 「医薬品調達予定リスト」の位置付け
医薬品調達予定リストは、翌事業年度に調達を予定する医薬品について、可能な限り確かな見込をもって、その品目、数量及び単価についてリスト化したものであり、その時点での最新の情報等を元に確定されるものである。
しかし、必要な医療サービスを提供する上で、実際には、当該医薬品調達予定リストには収載されていない、予定外の医薬品を翌事業年度中に調達する、もしくは予定していた医薬品であっても、予定とは異なる数量を調達する必要性が生じることが想定される。
従って、本事業における医薬品調達予定リストとは、あくまで「予定」の医薬品調達リストであり、翌事業年度に、県が事業者に対して、当該医薬品調達予定リストに収載されている以外の医薬品の調達を求めないことを約束するものではない。
また、事業者が実施した調達関連業務の履行結果について、県が「健全経営への貢献の視点に基づくモニタリング」を実施する際に、その分析ツールの一つとして適宜活用することも目的としている。
3 病院で使用する医薬品の適正かつ効率的な管理運営等を図るために設置されている現行の機関で、診療科・看護部・薬剤部・医事課によって構成され、年4回開催されている。
【医薬品調達予定リストに収載される項目】
項目 | 取扱い |
品目 | 翌事業年度に調達を予定する品目であるが、その内容を約束 するものではない。 |
数量 | 翌事業年度に調達を予定する数量であるが、その内容を約束 するものではない。 |
単価 | 翌事業年度に調達を予定する品目に関して予定する単価であるが、その内容を約束するものではない。ただし、後述する検査試薬のように、当該リスト作成時点で、達成すべき基準として購入単価の金額が設定される場合には、当該金額を 収載すること。 |
※県及び事業者の合意により、上記項目以外を医薬品調達予定リストに収載することは可能とする。
③ 業務の実施手順
医薬品調達予定リスト作成支援業務に関して、参考として、現時点で県が想定するスケジュール及び手順を別紙1及び2に示す。なお、別紙1及び2の内容は、事業者の提案内容を拘束するものではなく、詳細については事業者の提案に基づき、県との協議により確定するものとする。ただし、特に医師等に関与を求める時期等については、病院運営に支障を来たすことのないよう、特に留意すること。
④ 要求水準
A 県と事前に十分な調整・情報共有化等を行い、合意の上で、業務を実施すること。 B 医薬品の安全性・質の確保を第一に、業務を実施すること。
C 薬価からの値引率の確保等、病院の健全経営に繋がる同種同効品の提案・院内調整等を行い、積極的に活動すること。なお、当該提案等に際しては、それに伴う医薬品費削減に関する収支シミュレーションの結果もあわせて提示すること。
D 上記のほか、病院の健全経営を、自らの目的として病院と共有化し、積極的に業務を実施すること。
E 医師等の病院職員の考え方・意見等を尊重した上で、自らが病院にとって適切と考える提案等を行うこと。
F 提案等を行うにあたっては、可能な限り複数の選択肢を提示するとともに、多面的な視点に基づく明確な根拠を伴うこと。
G 自らが有する知識・経験等のノウハウを十分に発揮し、可能な限り最適な医薬品調達予定リストの確定を実現するよう努めること。
H 医薬品院内調整が建設的に進み、翌事業年度における調達関連業務が円滑に開始できることを前提に、別途県及び事業者が合意の上で確定した時期までに医薬品調達予定リストが確定されるよう十分留意し、柔軟な対応を行うこと。
⑤ 特記事項
A 医薬品調達予定リストについては、提案時に「入札上の仮定的条件」として県が提示する調達リストに収載されているか否かに関わらず、翌事業年度に調達を予定している医薬品が収載されたリストとすること。
B 県と積極的な協働体制を構築し、望ましい医薬品調達予定リストの作成が実現できる
よう、業務にあたること。
C 事業者による提案等に対して、県は真摯に対応することとするが、医薬品調達予定リストの最終確定は県が行うものとする。
D 本業務を確実に履行するため、原則として、本業務の総括責任者は、医薬品院内調整の場に出席し、積極的な提案並びに医薬品院内調整の効果的な進行実現に資する必要なサポートを行うこと。
(イ) 医薬品調達業務
① 業務の内容
事業者は、毎事業年度、前事業年度に作成された医薬品調達予定リストを鑑み、県が必要な医薬品を安定的かつ経済的に調達できるよう、各事業年度における本業務の開始前であって、別途県及び事業者が合意した期日までに、適切かつ具体的な調達方法(協力企業、卸業者の選定方法を含む)について県の合意を得た上で、当該協力企業、卸業者に医薬品の調達を行わせるために必要な業務を「医薬品調達業務」として行うものとする。なお、本業務の実施には、医薬品調達予定リスト作成支援業務と同様、医薬品院内調整が円滑かつ確実に実施され、その結果を適宜反映することが必要となる。
医薬品は事業者を介さず、協力企業、卸業者から県へ直接納品されるものとする。なお、事業者が医薬品の卸売一般販売業の許可を有する場合はこの限りではないが、事業者が当該許認可を受けることは困難を要す。
また、本業務に係る対価のうち、医薬品代金相当額については、事業者及び協力企業、卸業者等間で取り決められた価格(単価)に従い、県から事業者を介して、同額が協力企業、卸業者に支払われるものとする。
② 業務の実施手順の概要
医薬品調達業務に関する実施手順の概要は、下記のとおりである。その他、別紙1及び
2についても適宜参照のこと。
協力企業・卸業者
(単体・複数)
県
薬剤部責任者
薬剤部責任者
事業者が提供する業務
納品事務 院内調整等 発注事務
・検収代行 ・情報提供 ・価格折衝・交渉
・県への検査報告 ・価格削減活動 ・伝票類の管理
・伝票類の管理 等 ・各種委員会への参加 等 ・返品事務 等
流通の流れ
業務の提供
発注の流れ
支払の流れ
返品の流れ
所有権移転
納品書
の流れ
【納品書・受領書(各)】
県
事業者卸
控え
①自らの業務への対価、
②サービス対価の明細内訳の一部として医薬品代金相当額の請求
サービス対価(①事業者の業務への対価、②医薬品代金相当額)の
支払
納品依頼書
(県⇒事業者宛)
○○ 〇〇 印
協力企業、卸業者等の請求
書の確認
事 業 者
(医薬品の所有権をもたない)
受領書
請求書
(事業者宛)
代金支払い
発注書
(県⇒協力企業宛)
ただし、当該内容は現時点での想定であり、後述する「ベンチマーク」に基づく「基準」を活用した評価が実現できる限りにおいて、詳細については、事業者の提案に基づき、県との協議により確定するものとする。
③ 簿外医薬品の取扱い
必要な医療サービスを提供するためには、各事業年度の途中において、医薬品調達予定リストに収載されていなくとも、医師等の判断に基づき、調達すべき医薬品(以下「簿外医薬品」という。)が発生することが十分に想定される。
簿外医薬品については、その発生が明確となった後、都度、速やかに県及び事業者で協議を行い、その取扱いについて下記のいずれに位置付けるかを県が確定するものとする。
【簿外医薬品の取扱いパターン】
パターン | 調達主体 | モニタリングの扱い |
A | 事業者 | 対象に含める |
B | 事業者 | 対象に含めない |
C | 県 | ― |
④ 要求水準
事業者は、医薬品の調達について「安定供給」「質の確保」「健全経営への貢献」の3つの視点に基づき、県が要求する下記の水準を満足するよう、本業務を行うこと。なお、業務実施にあたっては、物品管理業務等と連携(体制を含む)して、効率的かつ確実に業務を遂行すること。
A 安定供給
a 原則として、欠品の生じないよう努めること。
b 調達する医薬品に対しては、確実な納品時の検査を行い、その品名、規格、包装単位、数量の確認を行うこと。
c 万が一欠品が発生した場合は、その原因を特定して、再発防止に努めること。 d 緊急の調達依頼に対しても迅速に対応すること。
e その他、物品管理業務等との効果的な連携を図り、適切な医療サービスを提供する上で支障のない、安定的な医薬品の供給を行うこと。
B 質の確保
a 安全性の高い医薬品の調達に努めること。
b 調達する医薬品に対しては、確実な納品時の検査を行い、その使用期限、破損・汚損の有無、冷所保存薬品の温度管理、その他医薬品の品質、安全性の確保のために必要な確認を行うこと。
c その他、物品管理業務等との効果的な連携を図り、適切な医療サービスを提供する上で支障のない、確実な医薬品の品質管理を行うこと。
C 健全経営への貢献
特に下記の点に留意した上で、後述するベンチマークに基づく評価結果が、事前に県及び事業者の合意の上で設定された「基準」を満たすこと。
a 常に病院側の立場に立ち、ベンチマークに基づく基準を達成することができるよう、協力企業、卸業者等との折衝・交渉等を積極的に行うこと。
b 使用量や医薬品単価の多寡等を考慮し、値引率等の確保に資する効果的な折衝・交渉等を行うこと。
c 県と積極的な協働体制を構築し、協力企業、卸業者等と可能な限り効果的な折衝・交渉等を行うことができるよう努めること。
d 健全経営の実現に向けて、県から薬剤関連の情報提供及び同種同効品の提案の要請を受けた場合には、速やかに自らが有効と考える情報提供及び提案を行うこと。また、当該品目を採用した場合の収支シミュレーションの作成も行うこと。
e 上記に関わらず、事業者は、県に対して、値引率の確保等、病院の健全経営に貢献することが期待できる同種同効品の提案(新規採用品目・既採用品目に対する提案)を積極的に行うこと。なお、当該提案に伴う医薬品は、事業者自らの提案によるものであるため、前述の「③簿外医薬品の取扱い」については、事業者の判断によるものとする。
f 上記の健全経営の貢献の視点には、DPC下における収益性向上に資する事項(医薬品費の削減等)も含まれるため、積極的に提案を行うこと。
g 医薬品院内調整の場(薬剤対策委員会及び医薬品調達に関する協議の場)においては、「医薬品調達予定リスト作成業務」と同様、本業務の総括責任者が出席し、積極的な提案等を行うこと。
h 県と協働体制を構築して医薬品単価の削減活動を積極的に展開するために、事業者は削減活動計画を作成し、作成後県に提出し県の確認を得ること。また、卸業者等との折衝・交渉プロセスについては、交渉日誌(業務日誌等)を作成し、情報の共有化を図ること。
⑤ 特記事項
医薬品のうち、検査試薬の調達にあたっては、特に以下の点に留意すること。
A 使用する品目ごとの特性に応じて、業務期間を通じて協力企業、卸業者に対して継続的に価格削減活動に努めること。
B 他の圏域、近隣地域に関わらず、市場価格等のデータを定期的に県に提示すること。 C 前年度調達した価格等を鑑み、より安価に調達するよう、努めること。
D 検査試薬は検査機器等との関連性も考えられることから、購入にあたっては、県に対して、必要に応じて、関連する検査機器等の購入方法(当該検査機器等の購入自体は本事業の業務範囲外)等も含め、多角的な提案を実施すること。
E 検査試薬の調達にあたっては、病院の検査部及び医事課調達係等と十分協議・調整のうえ、業務を遂行すること。
エ ベンチマーク及び基準の設定 (ア) ベンチマークの設定手順
県及び事業者は、毎事業年度、翌事業年度の医薬品調達予定リストが確定した後、双方
協議の上、下記に定義する「ベンチマーク」を設定するものとする。なお、翌事業年度における医薬品調達業務の円滑な開始に支障を来たすことのないよう、特に留意すること。
(イ) 本業務における「ベンチマーク」の定義
本業務におけるベンチマークとは、事業者が自らの有するノウハウを十分に発揮した医薬品調達業務を履行し、その結果として病院が効率的かつ安定的に医薬品を調達できたか否かについて、事業者が行う自己評価並びに県が行う健全経営への貢献の視点に基づくモニタリングの際に用いられる、他病院等との比較指標のことをいう。
よって、ベンチマークには、可能な限りの「客観性」及び「指標として採用する妥当性」が求められる。
(ウ) ベンチマークの提案(当初提案4)
① 事業者が提案すべき指標
県は、医薬品調達業務に係るベンチマークとして、下記の指標(以下「医薬品指標(必須事項)」という。)を採用することが妥当であると考えていることから、事業者は当該指標を提案すること。なお、比較対象となる他病院は、一般薬品については、原則として一病院とする。また、検査試薬については複数の病院となることも可能とする。
【医薬品指標(必須事項)】
対 象 | 指 標 | |
医薬品 | 一般薬品 | ■加重平均値引率を用いる。 【詳細】 ・他病院※1の一般薬品の加重平均値引率の実績値(将来)※2との比較(事業者が任意に設定する品目グループ単位での比較も可能) ・当病院における前年度の一般薬品の加重平均値引率の実績値(過去)※3との比較(事業者が任意に設定する品目グループ単位での比較も可能とし、配慮が必要となる薬価改定等への対応につ いては、後述のとおりとする。) |
検査試薬 | ■購入単価を用いる。 【詳細】 ・以下のいずれかに基づく購入単価の比較 ○当病院の前年度における同品目に対する購入単価の実績値(過去)との比較 ○他病院の同品目に対する購入単価の実績値(過去)との比較 ○他の地域における市場価格等を用いた同品目に対する購入単価の実績値(過去)との比較 |
※1「他病院」とは、当病院と類似機能・規模を有する病院であって、民間病院も含むものとする。以下、
4 事業者が、本事業に対する応募の段階で行う提案のことをいう。以下、同じ。
同じ。なお、ベンチマーク対象病院の設定にあたっては、次頁の(エ)の②の規定に特に留意すること。
※2 「実績値(将来)」とは、「健全経営への貢献の視点に基づくモニタリングの対象業務が実施される時期と同時期の実績値」を指す。従って、毎事業年度、ベンチマークが設定された時点においては、当該実績値xxxx確定の将来の値であり、健全経営への貢献の視点に基づくモニタリングの実施時に、はじめて実績値として確定することとなる。以下、同じ。
※3 「実績値(過去)」とは、毎事業年度、ベンチマークが設定された時点においてその値を把握することができる「過去の実績値」を指す。以下、同じ。
② その他、事業者が提案可能な指標
県は、ベンチマークとして機能する限りにおいて、複数の指標をベンチマークとして活用することも有益と考えている。
よって、前述の規定に拠らず、事業者は、その有効性、実現性等を鑑み、明らかに前述の医薬品指標(必須事項)と同等以上にベンチマークとして妥当であると自らが判断し、かつその根拠等を県に明確に示すことができる場合、医薬品指標(必須事項)に加えて、他の指標をベンチマークとして提案することができる。なお、当該提案指標を採用するか否かは、県が決定する。
以上を踏まえ、事業者は、県及び事業者が合意でき、上記の運用に耐えうる、可能な限り適切なベンチマークを提案すること。
参考として、現時点で県がベンチマークとして採用する可能性があると想定する指標を下記に例示するが、事業者の提案内容を拘束するものではない。
【必須事項以外のベンチマーク指標の例示(一般薬品・検査試薬に共通)】
・他病院の医業収益に対する医薬品費の比率の実績値との比較
・他病院の医薬品購入単価の実績値との比較
③ その他ベンチマークにおける遵守事項
ベンチマークは、健全経営への貢献の視点に基づくモニタリングにおいて活用することから、事業者は、当該モニタリング時において、その実績値を県に提示できるベンチマークを提案すること。
当該モニタリングの実施時期については、「(3)オ.ベンチマークに基づく基準の活用(健全経営の貢献の視点に基づくモニタリングの実施)」を参照のこと。
(エ) ベンチマーク設定に係る協議上の留意点
ベンチマークの設定に係る協議においては、下記の点に留意すること。
① 原則として、事業者が当初提案したベンチマークを採用するが、当該協議において、必要に応じてその詳細を確定するものとする。
② 病院の経営をより健全なものとすることを目的とすることから、ベンチマークとしては、当病院より効率的(価格面を含む)に調達している病院(可能な限り民間病院)を比較対象として採用することが望ましい。
③ その他、県及び事業者の双方は、当該協議において、当初事業者が提案した以外の新たなベンチマーク(以下「新規ベンチマーク」という。)を提案することができる。
なお、新規ベンチマークの取扱いは、下記のとおりとする。
A 後述する「基準」についてもあわせて提案すること。
B 上記の基準は、その基準の達成をもって、当病院が診療機能・規模等において類似の病院等と比較して、明らかに効率的な医薬品の調達が実現されていることを確認できるものであること。
C 協議の結果、事業者が当初提案したベンチマークと同等以上に合理的であると県及び事業者の双方が合意した場合に限り、新規ベンチマークを採用するものとする。
D 上記の採用の仕方は、原則として「採用するベンチマークの追加」として取扱うものとするが、県及び事業者の双方が合意した場合に限り、事業者が当初提案したベンチマークに代わるものとして取扱うことができるものとする。
④ 協議が建設的に進み、翌事業年度における医薬品調達業務が円滑に開始できることを前提に、別途県及び事業者が合意の上確定した期日までに、可能な限り適切なベンチマークを設定できるよう十分留意し、協議を整えるよう努めること。
⑤ 当該協議における事業者の提案等について、県は真摯に対応することとするが、採用するベンチマークの最終確定は県が行うものとする。
(オ) ベンチマークに基づく「基準」の設定手順
県及び事業者は、ベンチマークを設定した後、もしくはその設定過程において、事業者が医薬品調達業務の履行結果として達成すべき「基準」について、当該ベンチマークに基づき、双方協議を行い、詳細を確定するものとする。
なお、翌事業年度における医薬品調達業務の円滑な開始に支障を来たすことのないよう、特に留意すること。
(カ) ベンチマークに基づく「基準」の提案(当初提案)
事業者は、採用するベンチマークの特性を踏まえた上で、県及び事業者が合意でき、その達成により病院の効率的な医薬品の調達と見なすことができるよう、可能な限り適切な基準を提案すること。
対象ごとの基準の考え方を下記に示す。
【ベンチマークに基づく基準の考え方(医薬品(必須事項)の場合)】
対 象 | 基準の考え方 | |
医薬品 | 一般薬品 | ・基準の例1:当該加重平均値引率を“上回る”成果を出す。 ・基準の例2:当該加重平均値引率を“2%以上上回る”成果を出す。 ・基準の例3:当該加重平均値引率を“2%以上は下回らない” 成果を出す。 |
検査試薬 | ・品目ごとに、当該年度における最新の購入単価が達成すべき購 入単価(以下「購入単価(基準)」という。)の金額を設定する。 |
(キ) ベンチマークに基づく「基準」の設定に係る協議上の留意点
ベンチマークに基づく「基準」の設定に係る協議においては、下記の点に留意すること。
① 原則として、事業者が当初提案した基準を採用するが、当該協議において、必要に応じてその詳細を確定させるものとする。
② 上記のほか、新規ベンチマークに基づく「基準」の取扱いについては、前述のとおりとする。
③ 県は当該基準の目的を達成する限りにおいて、事業者の実現可能性を考慮した上で、協議を行うものとする。
④ 協議が建設的に進み、翌事業年度における医薬品調達業務が円滑に開始できることを前提に、別途県及び事業者が合意の上確定した期日までに、可能な限り適切な「基準」を設定できるよう十分留意し、協議を整えるよう努めること。
⑤ 当該協議における事業者の提案等について、県は真摯に対応することとするが、採用する「基準」の最終確定は県が行うものとする。
(ク) 薬価改定等への対応
県及び事業者は、翌事業年度以降に適用される薬価が改定される等、医療関連法制度等に係る外性的な要因に基づき、薬価からの値引率確保等への影響が生じる場合、前事業年度において、翌事業年度に採用するベンチマークに基づく基準の「仮確定」を行う。その上で、県及び事業者は、翌事業年度の5月から6月までの間で可能な限り速やかに当該影響を把握し、最新の関連情報等に基づき、適宜必要な対応について協議を行い、ベンチマークに基づく基準を「確定」するものとする。
なお、原則として、事業者は当該影響の内容及びその根拠等を書面にて明確にとりまとめ、当該協議の事前に県に提出すること。
オ ベンチマークに基づく基準の活用(健全経営への貢献の視点に基づくモニタリングの実施) (ア) 活用方法の区分
ベンチマークに基づく基準の活用(健全経営への貢献の視点に基づくモニタリング)は、
まず、当該事業年度の4月から9月までにおける本業務の履行結果に対して、「中間評価」として 10 月に一旦実施し、さらに、当該事業年度における本業務の履行結果全体に対する
「全体評価」として3月に実施する。
なお、サービス対価の支払いへの反映は、全体評価の結果を受け、事業年度終了後に行うものとする。下表もあわせて参照のこと。
【活用方法の区分】
活用方法 の区分 | 評価対象期間 | 実施 時期 | 概 要 | 用いる指標 |
中間評価 | 4月~9月 | 10 月 | ・ 評価対象期間中の履行結果の把握及び基準達成に向けての協議等の実施 ・ ベンチマークに基づく基 | ・ ベンチマークに基づく基準(当該時点での暫定 値) |
準見直しに関する協議等の実施(やむを得ない場合に限る) | ・ その他県が収集する他病院等の実績値※1 | |||
全体評価 ※2 | 当該事業年度 (4月~3月) | 3月 | ・ ベンチマークに基づく基準達成可否の確認等 ・ サービス対価への反映 | ・ ベンチマークとなる比較対象の実績値 |
※1 当該実績値は、あくまで概要に示す協議等を効果的に実施するために用いるものであり、ベンチマークとして設定されるものではない。
※2 一般薬品のように、ベンチマークに基づく基準が複数ある場合、事業者は、全ての基準を達成するよう調達業務を行わなければならない。
(イ) 自己評価の実施
事業者は、前述の中間評価及び全体評価に際して、医薬品調達業務の履行結果について、事前に確定したベンチマークに基づく基準を達成したか否かの自己評価を行い、当該結果を書面にて県に提出するとともに、その内容についての説明を行うこと。なお、自己評価の実施にあたっては、下記の点に留意すること。
① 自己評価の内容を一切偽らないこと。
② 可能な限り県に分かりやすい形で、自己評価結果をとりまとめること。
③ 自己評価結果の内容には、その結果のみならず、調達業務に対する取組み過程等(医薬品費削減に繋がる同種同効品提案への取組み等)に対する自己評価結果も含めること。
④ 上記に加え、ベンチマークに基づく基準の達成可否の要因(医薬品院内調整の実施結果の適切性等)に関する分析・評価等の一つとして用いることを目的として、事業者は、下記のとおり一般薬品の主要品目に対する購入単価の比較結果について、自己評価結果の一部として県に提示すること。(併せて、比較検証に用いたデータを県に提示すること。)
・一般薬品の主要品目※のうち、可能な限り多くの品目に関する、ベンチマーク対象病院
における同品目に対する購入単価の実績値(将来)との比較
※ABC分析等により抽出された、購入単価が高額となる医薬品や、その調達量が多く、取引金額が高額となる品目であって、各年度における調達予定総額の70%以上をカバーできる範囲とする。
⑤ 事業者がその努力を尽くした上でも、対応することができない外性的要因(医薬品調達予定リストと実際に調達した医薬品のリストの内容に、大幅な乖離が認められた場合等)のみに起因して、基準を達成できなかったと判断した場合、その旨を県が明確に確認できる内容の理由書を作成し、自己評価結果の報告とあわせて県に提出すること。
⑥ 全体評価の場合、早期に当該事業年度の医薬品代金相当額の支払い総額が確定できるよう、速やかにベンチマーク対象として用いた各種データを県に提示すること。
(ウ) 県による自己評価結果の精査
県は、事業者から受けた自己評価結果の内容について、県が別途収集するデータ等を活用し、当該内容が真正なものであるかの確認等、必要な精査を行う。また、前述の理由書を受けた場合、当該内容に対する対応については、原則として県及び事業者の協議により、県が決定するものとする。
なお、県は、当該理由書の内容を確認・判断する際、特に事業者が協力企業、卸業者等の説明を十分に検討せずそのまま受け入れていることがないかなど、病院側の立場に立ち、自らの有する能力を十分に発揮したか否かの視点を重視し、その結果次第では、事業契約における本業務にかかる一部解除等も検討しうる。詳細は、事業契約書によるものとするが、事業者においては十分に留意すること。
(エ) 事業者インセンティブの付与
県は、事業者による医薬品調達業務の結果が、ベンチマークに基づく基準の達成度合いを勘案し、医薬品を期待以上に安価で調達できており(定量的評価)、且つ医薬品調達単価削減のため院内調整活動及び交渉活動に十分に努めたとプロセスを評価できる場合(定性的評価)、事業者の業務改善インセンティブの付与として、事業者に対して一定額をボーナスとして支払うことを検討している。
上記はあくまで現時点での考え方を示すものであり、確定した内容は入札公告時において示す。
(4) 診療材料調達関連業務ア 業務の構成
診療材料に係る調達関連業務は、下記の2業務において構成されるものとする。
(ア) 診療材料調達予定リスト作成業務
(イ) 診療材料調達業務
イ 業務期間
本業務の業務期間は、平成 25 年4月から平成 45 年3月までとする。ただし、「診療材料調
達予定リスト作成業務」は、平成 24 年度内で別途県と事業者合意した時期から実施されるものとする。
ウ 各業務の要求水準等
(ア) 診療材料調達予定リスト作成5業務
① 業務の内容
事業者は、毎事業年度の半期ごと(下表に示す6ヶ月間の総称をいい、個別に前半の6ヶ月間を「前期」、後半の6ヵ月間を「後期」という。)において、調達を予定する診療材料のリスト(以下「診療材料調達予定リスト」という。)の確定等を目的として、医薬品と同様、各半期の開始前に病院(特に医師、看護師及び医事課調達係等)において行われる院内調整(主にその時点での診療材料の新規採用や廃止等を協議する物品管理委員会6を含むものとし、以下「診療材料院内調整」という。)が、診療材料の質の確保や経済性等を総合的に勘案し、より望ましい医療サービスの提供の実現に寄与する内容となるよう、必要な業務を、診療材料調達関連業務の一つである「診療材料調達予定リスト作成業務」として行うものとする。
なお、診療材料院内調整の位置付けについては、後述する「診療材料調達業務」もあわせて参照のこと。
診療材料調達予定リストの分類
リスト名称 | 対象期間 |
診療材料調達予定リスト(前期) | 前期:4月~9月 |
診療材料調達予定リスト(後期) | 後期:10 月~3月 |
② 「診療材料調達予定リスト」の位置付け
診療材料調達予定リストは、翌半期に調達を予定する診療材料について、可能な限り確かな見込をもって、その品目、数量及び単価についてリスト化したものであり、その時点での最新の情報等を元に確定されるものである。
しかし、必要な医療サービスを提供する上で、実際には予定外の診療材料を翌半期中に調達する、もしくは予定していた診療材料であっても、予定とは異なる数量を調達する必
5 医薬品調達予定リストについては、県側の薬剤師が主体的に策定し、事業者には当該リスト作成のサポートを求めることから、「リスト作成支援業務」としているが、診療材料調達予定リストに関しては、事業者側が主体的にリスト作成に係る各種作業を求めることから、医薬品と異なり、「リスト作成業務」という業務名称としている。
6 病院で使用する診療材料等の物品の管理、使用及び中央材料部の滅菌業務について、適正な運用を図るために設置されている現行の機関で、院長が指名する委員長、副委員長及び委員(医師、看護師、薬剤師、検査技師、放射線技師、事務職員)によって構成され、年4回開催されている。
要性が生じることは想定される。
従って、本事業における診療材料調達予定リストとは、あくまで「予定」の診療材料調達リストであり、翌事業年度に、県が事業者に対して、当該診療材料調達予定リストに収載されている以外の診療材料の調達を求めないことを約束するものではない。
また、事業者が実施した調達関連業務の履行結果を県が健全経営への貢献の視点に基づくモニタリングを実施する際に、その分析ツールの一つとして適宜活用することも目的としている。
なお、健全経営への貢献の視点に基づくモニタリングは、医薬品調達関連業務と同様、半期ごとに実施するが、サービス対価への反映については医薬品調達関連業務とは異なり、モニタリングと併せ半期ごとに行うものとする。
【診療材料調達予定リストに収載される項目】
項目 | 取扱い |
品目 | 翌事業年度に調達を予定する品目であるが、その内容を約束 するものではない。 |
数量 | 翌事業年度に調達を予定する数量であるが、その内容を約束 するものではない。 |
単価 | 翌事業年度に調達を予定する品目に関して予定する単価であるが、その内容を約束するものではない。ただし、当該リスト作成時点で、達成すべき基準として購入単価の金額が設 定される場合には、当該金額を収載すること。 |
※県及び事業者の合意により、上記項目以外を診療材料調達予定リストに収載することは可能とする。
③ 業務の実施手順の概要
診療材料調達予定リスト作成業務に関して、参考として、現時点で県が想定するスケジュール及び手順を別紙3に示す。なお、別紙3の内容は、事業者の提案内容を拘束するものではなく、詳細については事業者の提案に基づき県との協議により確定するものとする。ただし、特に医師等に関与を求める時期等については、病院運営に支障を来たすことのないよう、特に留意すること。
④ 要求水準
A 県と事前に十分な調整・情報共有等を行い、合意の上で、業務を実施すること。 B 診療材料の安全性・質の確保を第一に、業務を実施すること。
C 償還価格等からの値引率の確保等、病院の健全経営に繋がる同種品の提案・院内調整等を行い、積極的に活動こと。なお、当該提案等に際しては、それに伴う材料費削減に関する収支シミュレーションの結果もあわせて提示すること。
D 病院の医療機能・現場等を考慮した上で、標準化に関する積極的な提案を行うこと。 E 特に汎用品について、安全性・機能性・経済性等の観点から、病院の健全経営等に資
する新規採用品を積極的に提案すること。当該提案に際しては、その採用の可否の判断を目的として県が求める場合、経済的な価格提案並びにサンプルの提供等を行うこと。
F 上記のほか、病院の健全経営を、自らの目的として病院と共有化し、積極的に業務を実施すること。
G 医師等の病院職員の考え方・意見等を尊重した上で、自らが病院にとって適切と考える提案等を行うこと。
H 提案等を行うにあたっては、可能な限り複数の選択肢を提示するとともに、多面的な視点に基づく明確な根拠を伴うこと。
I 自らが有する知識・経験等のノウハウを十分に発揮し、可能な限り最適な診療材料調達予定リストの確定を実現するよう努めること。
J 診療材料院内調整が建設的に進み、翌事業年度における調達関連業務が円滑に開始できることを前提に、別途県及び事業者が合意の上で確定した時期までに診療材料調達予定リストが確定されるよう十分留意し、柔軟な対応を行うこと。また、事前に県(医事課調達係等)と調整した上で、医師等へのヒアリング等、院内での病院職員に対する各種調整を適宜行い、診療材料調達予定リストの円滑な確定に寄与すること。
⑤ 診療材料調達予定リスト(後期)の作成について
事業者は、診療材料調達予定リスト(前期)並びに前期の診療材料調達業務の状況等を勘案し、診療材料調達予定リスト(後期)の作成を主体的に行うものとする。この場合、前期の診療材料調達業務において、後述する「簿外診療材料」として取扱われた診療材料についても、原則として、診療材料調達予定リスト(後期)に収載すること。
⑥ 特記事項
A 診療材料調達予定リストについては、提案時に「入札上の仮定的条件」として県が提示する調達リストに収載されているか否かに関わらず、翌事業年度に調達を予定している診療材料等が収載されたリストとすること。
B 県と積極的な協働体制を構築し、望ましい診療材料調達予定リストの作成が実現できるよう、業務にあたること。
C 事業者による提案等に対して、県は真摯に対応することとするが、診療材料調達予定リストの最終確定は県が行うものとする。
D 本業務を確実に履行するため、原則として、本業務の総括責任者は、診療材料院内調整の場に出席し、積極的な提案並びに診療材料院内調整の効果的な進行実現に資する必要なサポートを行うこと。
(イ) 診療材料調達業務
① 業務の内容
事業者は、毎事業年度、直前の半期に作成された診療材料調達予定リストを鑑み、県が必要な診療材料を安定的にかつ経済的に調達できるよう、本業務の開始前であって、別途県及び事業者が合意した期日までに、適切かつ具体的な調達方法について、県の合意を得た上で、当該協力企業、卸業者との折衝・交渉等に係る業務を「診療材料調達業務」として行うものとする。なお、本業務の実施には、診療材料調達予定リスト作成業務と同様、診療材料院内調整が円滑かつ確実に実施され、その結果を適宜反映することが必要となる。
また、診療材料は、医薬品とは異なり、協力企業、卸業者から事業者が調達した上で、事業者から県へ納品されるものとし、当該調達に係る対価については、県から事業者に対して支払われるものとする。
② 業務の実施手順の概要
後述する「ベンチマーク」に基づく「基準」を活用した評価が実現できる限りにおいて、詳細については、事業者の提案に基づき、協議により確定するものとする。
③ 簿外診療材料の取扱い
必要な医療サービスを提供するためには、各半期の途中において、診療材料調達予定リストに収載されていなくとも、医師等の判断に基づき、調達すべき診療材料(以下「簿外診療材料」という。)が発生することが十分に想定される。
簿外診療材料については、その発生が明確となった後、都度、速やかに県及び事業者で協議を行い、その取扱いについて下記のいずれに位置付けるかを県が確定するものとする。
【簿外診療材料の取扱いパターン】
パターン | 調達主体 | モニタリングの扱い |
A | 事業者 | 対象に含める |
B | 事業者 | 対象に含めない |
C | 県 | ― |
④ 要求水準
事業者は、医薬品の調達と同様に、診療材料について「安定供給」「質の確保」「健全経営への貢献」の3つの視点に基づき、県が要求する水準を満足するよう、本業務を行うこと。なお、業務の実施にあたっては、物品管理業務等と連携(体制を含む)して、効率的かつ確実に業務を遂行すること。
A 安定供給
a 原則として、欠品の生じないよう努めること。
b 調達する医薬品に対しては、確実な納品時の検査を行い、その品名、規格、包装単位、数量の確認を行うこと。
c 万が一欠品が発生した場合は、その原因を特定して、再発防止に努めること。
d 緊急の調達依頼に対しても迅速に対応すること。
e その他、物品管理業務等との効果的な連携を図り、適切な医療サービスを提供する上で支障のない、安定的な診療材料の供給を行うこと。
B 質の確保
a 医薬品に比べ、安全性・機能性等に富んだ新規物品が多く発生することが考えられることから、当該新規物品の検証並びに適用に関して、随時積極的な提案等を行うこと。
b 安全性の高い診療材料の調達に努めること。
c 調達する診療材料に対しては、確実な納品時の検査を行い、その使用期限、破損・汚損、その他診療材料の品質、安全性の確保に必要な確認を行うこと。
d その他、物品管理業務等との効果的な連携を図り、適切な医療サービスを提供する上で支障のない、確実な診療材料の品質管理を行うこと。
C 健全経営への貢献
特に下記の点に留意した上で、後述するベンチマークに基づく評価結果が、事前に県及び事業者の合意の上で設定された「基準」を満たすこと。
a 常に病院側の立場に立ち、ベンチマークに基づく基準を達成することができるよう、協力企業、卸業者等との折衝・交渉等を積極的に行うこと。
b 使用量や診療材料単価の多寡等を考慮し、値引率等の確保に資する効果的な折衝・交渉等を行うこと。
c 県と積極的な協働体制を構築し、協力企業、卸業者等と可能な限り効果的な折衝・交渉等を行うことができるよう努めること。
d 「B 質の確保」に記載の新規物品は、経済性にも富んでいることが期待されることから、健全経営への貢献の視点からも、当該新規物品の検証並びに適用に関して、随時積極的な提案等を行うこと。
e 個別品目ごとに協力企業、卸業者等との折衝・交渉等を行うことにより、値引率の確保等が期待できるとも考えられることから、上記の随時提案等も踏まえ、病院側の立場に立った上で、随時積極的な折衝・交渉等を行うこと。
f 健全経営の実現に向けて、県から診療材料関連の情報提供及び同種同効品の提案の要請を受けた場合には、速やかに自らが有効と考える情報提供及び提案を行うこと。また、当該品目を採用した場合の収支シミュレーションの作成も行うこと。
g 上記に関わらず、事業者は、県に対して、値引率の確保等、病院の健全経営に貢献することが期待できる同種同効品の提案(新規採用品目・既採用品目に対する提案)を積極的に行うこと。なお、当該提案に伴う診療材料は、事業者自らの提案によるものであるため、前述の「③簿外診療材料の取扱い」ついては、事業者の判断によるものとする。
h 上記の健全経営の貢献の視点には、DPC下における収益性向上に資する事項(同種同効品やディスポへの切替え等による材料費の削減等)も含まれるため、積極的に提案を行うこと。
i 診療材料院内調整の場(物品管理委員会及び診療材料調達に関する協議の場)においては、「医薬品調達予定リスト作成業務」と同様、本業務の総括責任者が出席し、積極的な提案等を行うこと。
j 県と協働体制を構築して診療材料単価の削減活動を積極的に展開するために、事業者は削減活動計画を作成し、作成後県に提出し県の確認を得ること。また、卸業者等との折衝・交渉プロセスについては、交渉日誌(業務日誌等)を作成し、情報の共有化を図ること。
⑤ 特記事項
A 診療材料は、製品サイクルが非常に短いうえ、新製品の出現により既存品の値引率が大きく変動する等、その動向の変化が激しい市場であることから、新製品の動向に常に注視するとともに、既採用品目を含め、診療材料調達予定リストのスクリーニングを定期的に行い、市場における価格(特に民間病院における購入単価)との差を把握するとともに、適宜報告すること。
エ ベンチマーク及び基準の設定 (ア) ベンチマークの設定手順
県及び事業者は、毎事業年度、翌半期の診療材料調達予定リスト(前期)が確定した後、
双方協議の上、診療材料調達業務における「ベンチマーク」を設定するものとする。
なお、翌半期における診療材料調達業務の円滑な開始に支障を来たすことのないよう、特に留意すること。
(イ) 本業務における「ベンチマーク」の定義
ベンチマークの定義については、医薬品調達業務に同じとする。
(ウ) ベンチマークの提案(当初提案)
① 事業者が提案すべき指標
県は、診療材料調達業務に係るベンチマークとして、下記の指標(以下「診療材料指標
(必須事項)」という。)を採用することが妥当であると考えていることから、原則として、事業者は当該指標を提案すること。なお、比較対象となる他病院が複数となることも可能とする。
【診療材料指標(必須事項)】
対 象 | 指 標 | |||
診療材料 | 主要品目※1 | ■加重平均値引率を用いる。※2 【詳細】 ・後述するとおり、他病院等の実績値等を勘案し、主要品目を構成する各品目ごとに設定した購入単価の目標値(以下「購入単価(目標値)」という。)により算出された、加重平均値引率の実績値(将来)との比較(事業者が任意に設定する品目グループ単位での比 較も可能) | ||
主要品目以外 | 償還価格等あり | ■加重平均値引率を用いる。 【詳細】 ・当病院の直前の半期における該当品目(主要品目以外であって償還価格等がある診療材料)に対する加重平均値引率の実績値(過去)との比較(事業者が任意に設定する品目グループ単位での比較も可能) | ||
償還価格等なし | 調達価格割合の上位 50 品 目 | ■購入単価を用いる。 【詳細】 ・以下のいずれかに基づく購入単価の比較 ○当病院の直前の半期における同品目に対する購入単価実績値(過去)との比較 ○他病院の同品目に対する購入単価の実績値(過去)との比較 ○他の地域における市場価格等を用いた同品目に対する購入単価の実績値(過去)との比較 | ||
上記以外 |
※1 ここでいう主要品目とは、ABC分析等により抽出された、購入単価が高額となる診療材料や、その調達量が多く、取引金額が高額となる品目であって、各年度の半期ごとにおける調達予定総額の7
0%以上をカバーできる範囲の診療材料とする。
※2 主要品目の中で償還価格等がない品目については、①同品目に対する当病院の購入単価実績値(過去)や、②県及び事業者で合意した購入単価〔(他病院における同品目に対する購入単価の実績値(過去)等〕からの値引率を算出するものとする。
【主要品目においてベンチマークとする加重平均値引率の実績値(将来)の算出方法】
以下の手順に従い、主要品目に含まれる全品目について、それぞれ購入単価(目標値)を設定する。
【留意点】
償還価格がなく、かつ当病院で過去に購入実績がない品目の場合、県及び事業者で合意した単価〔同品目に対する他病院の購入単価の実績値
(過去)等〕を基準として値引率を算出するものとする。
調達関連業務 33
② その他、事業者が提案可能な指標
県は、ベンチマークとして機能する限りにおいて、複数の指標をベンチマークとして活用することも有益と考えている。
よって、前述の規定に拠らず、事業者は、その有効性、実現性等を鑑み、明らかに前述の診療材料指標(必須事項)と同等以上にベンチマークとして妥当であると自らが判断し、かつその根拠等を県に明確に示すことができる場合、県の確認を得られた限りにおいて、診療材料指標(必須事項)に加えて、他の指標をベンチマークとして提案することができる。なお、当該提案指標を採用するか否かは、県が決定する。
以上を踏まえ、事業者は、県及び事業者が合意でき、上記の運用に耐えうる、可能な限り適切なベンチマークを提案すること。
参考として、現時点で県がベンチマークとして採用する可能性があると想定する指標を下記に例示するが、事業者の提案内容を拘束するものではない。
【必須事項以外のベンチマーク指標(主要品目か否か等に関わらず診療材料に共通)】
・他病院の医業収益に対する診療材料費の比率の実績値との比較
・他病院の診療材料の購入単価の実績値との比較
③ その他ベンチマークにおける遵守事項
ベンチマークは、健全経営への貢献の視点に基づくモニタリングにおいて活用することから、事業者は、当該モニタリング時において、その実績値を県に提示できるベンチマークを提案すること。
当該モニタリングの実施時期については、「(4)オ.ベンチマークに基づく基準の活用(健全経営の貢献の視点に基づくモニタリングの実施)」を参照のこと。
(エ) ベンチマーク設定に係る協議上の留意点
ベンチマークの設定に係る協議においては、下記の点に留意すること。
① 原則として、事業者が当初提案したベンチマークを採用するが、当該協議において、必要に応じてその詳細を確定するものとする。
② 病院の経営をより健全なものとすることを目的とすることから、ベンチマークとしては、当病院より効率的(価格面を含む)に調達している病院(可能な限り民間病院)を比較対象として採用することが望ましい。
③ その他、県及び事業者の双方は、当該協議において、医薬品調達関連業務と同様、新規ベンチマークを提案することができる。なお、新規ベンチマークの取扱いは、下記のとおりとする。
A 後述する「基準」についてもあわせて提案すること。
B 上記の基準は、その基準の達成をもって、当病院が診療機能・規模等において類似の病院等と比較して、明らかに効率的な診療材料の調達が実現されていることを確認できるものであること。
C 協議の結果、事業者が当初提案したベンチマークと同等以上に合理的であると県及び事業者の双方が合意した場合に限り、新規ベンチマークを採用するものとする。
D 上記の採用の仕方は、原則として「採用するベンチマークの追加」として取扱うものとするが、県及び事業者の双方が合意した場合に限り、事業者が当初提案したベンチマークに代わるものとして取扱うことができるものとする。
④ 協議が建設的に進み、翌事業年度における診療材料調達業務が円滑に開始できることを前提に、別途県及び事業者が合意の上確定した期日までに、可能な限り適切なベンチマークを設定できるよう十分留意し、協議を整えるよう努めること。
⑤ 当該協議における事業者の提案等について、県は真摯に対応することとするが、採用するベンチマークの最終確定は県が行うものとする。
(オ) ベンチマークに基づく基準の設定手順
県及び事業者はベンチマークを設定した後、もしくはその設定仮定において、事業者が診療材料調達業務の履行結果として達成すべき「基準」について、当該ベンチマークに基づき、双方協議を行い、詳細を確定するものとする。
なお、翌半期における診療材料調達業務の円滑な開始に支障を来たすことのないよう、特に留意すること。
(カ) ベンチマークに基づく「基準」の提案(当初提案)
事業者は、採用するベンチマークの特性を踏まえた上で、県及び事業者が合意でき、その達成により病院の効率的な診療材料の調達と見なすことができるよう、可能な限り適切な基準を提案すること。
対象ごとの基準の考え方を下記に示す。
【ベンチマークに基づく基準の考え方(診療材料指標(必須事項)の場合)】
対 象 | 基準の考え方 | |||
診療材料 | 主要品目※1 | ・基準の例:当該加重平均値引率を“2%以上下回らない”成果を出す。※2 | ||
主要品目以外 | 償還価格等あり ※1 | ・基準の例1:当該加重平均値引率を“上回る”成果を出す。 ・基準の例2:当該加重平均値引率を“2%以上上回る”成果を出す。 ・基準の例3:当該加重平均値引率を“2%以上は下回らない”成 果を出す。 | ||
償還価格等なし | 調達価格割 合の上位 50品目 | ・品目ごとに、対象期間(半期)中の最新の購入単価が達成すべき購入単価(基準)の金額を設定する。 | ||
上記以外 | ・各品目について、比較対象となる各実績値(過去)を上回らない購入単価で調達することのみを基準として設定する。 |
※1 事業者による業務履行の成果として比較に用いる加重平均値引率は、品目ごとに、「対象期間(半期)中の最新の購入単価実績値」と「診療材料調達予定リストに収載された数量」に基づき算出されるものとする。ただし、主要品目に属する簿外診療材料であって、その取扱いが「パターンA」となったものについては、実際の調達数量を用いるものとする。
※2 前述のとおり、ベンチマークとして設定する加重平均値引率の実績値は、各品目の購入単価(目標値)に基づき算出されることから、県は、達成すべき基準は、当該実績値を一定下回る値で設定することが妥当と考えている。
(キ) ベンチマークに基づく「基準」の設定に係る協議上の留意点
ベンチマークに基づく「基準」の設定に係る協議においては、下記の点に留意すること。
① 原則として、事業者が当初提案した基準を採用するが、当該協議において、必要に応じてその詳細を確定させるものとする。
② 上記のほか、新規ベンチマークに基づく「基準」の取扱については、前述のとおりとする。
③ 県は当該基準の目的を達成する限りにおいて、事業者の実現可能性を考慮した上で、協議を行うものとする。
④ 協議が建設的に進み、翌半期における診療材料調達業務が円滑に開始できることを前提に、別途県及び事業者が合意の上確定した期日までに、可能な限り適切な「基準」を設定できるよう十分留意し、協議を整えるよう努めること。
⑤ 当該協議における事業者の提案等について、県は真摯に対応することとするが、採用する「基準」の最終確定は県が行うものとする。
(ク) 特定保険医療材料に係る診療報酬の改定等への対応
ベンチマークに基づく基準の確定に当たり、診療材料のうち、特定保険医療材料に係る診療報酬の改定等、医療関連法制度等に係る外性的な要因に基づく影響が生じる場合、県及び事業者は、速やかに当該影響を把握し、翌半期の調達業務開始までに協議を行い、「基
準」の設定に反映させるよう努めるものとする。
オ 診療材料調達予定リスト(後期)の作成に伴うベンチマーク及び基準の設定
県及び事業者は、前期における診療材料調達状況等を勘案し、後期のベンチマーク及び基準について、改めて設定することとする。また、前述のとおり、前期に簿外診療材料として取扱った診療材料については、原則として、診療材料調達予定リスト(後期)に収載されるものとする。
カ ベンチマークに基づく基準の活用(健全経営への貢献の視点に基づくモニタリングの実施) (ア) 活用方法の区分
ベンチマークに基づく基準の活用(健全経営への貢献の視点に基づくモニタリング)は、
当該事業年度の 10 月と3月に、それぞれ4月から9月(前期)及び 10 月から3月(後期)における本業務の履行結果に対して実施し、その評価結果に基づくサービス対価の支払いへの反映についても、同様に 10 月と3月にそれぞれ前期分・後期分として行うものとする。
下表もあわせて参照のこと。
【活用方法の区分】
活用方法 の区分 | 評価対象期間 | 実施 時期 | 概 要 | 用いる指標 |
前期評価※ | 4月~9月 | 10 月 | ・ ベンチマークに基づく基準達成可否の確認等 ・ サービス対価への反映 | ・ ベンチマークとなる比較対象の実績値 |
後期評価※ | 10 月~3月 | 3月 | 同上 | 同上 |
※ ベンチマークに基づく基準が複数ある場合、事業者は、全ての基準を達成するよう調達業務を行わなければならない。
(イ) 自己評価の実施
事業者は、当該事業年度の終了後速やかに、診療材料調達業務の履行結果について、事前に確定したベンチマークに基づく基準を達成したか否かの自己評価を行い、当該結果を書面にて県に提出するとともに、その内容についての説明を行うこと。なお、自己評価の実施にあたっては、下記の点に留意すること。
① 自己評価の内容を一切偽らないこと。
② 可能な限り県に分かりやすい形で、自己評価結果をとりまとめること。
③ 自己評価結果の内容には、その結果のみならず、調達業務に対する取組み過程等(材 料費削減に繋がる同種同効品提案への取組み等)に対する自己評価結果も含めること。
④ 上記に加え、ベンチマークに基づく基準の達成可否の要因(診療材料院内調整の実施結果の適切性等)に関する分析・評価等の一つとして用いることを目的として、事業者は、下記のとおり主要品目に対する購入単価の比較結果(時系列での推移を含む)
を自己評価結果の一部として県に提示すること。
・主要品目に関する、当初設定した購入単価(目標値)との比較
⑤ 事業者がその努力を尽くした上でも、対応することができない外性的要因(診療材料調達予定リストと実際に調達した診療材料のリストの内容に、大幅な乖離が認められた場合等)のみに起因して、基準を達成できなかったと判断した場合、その旨を県が明確に確認できる内容の理由書を作成し、自己評価結果の報告とあわせて県に提出すること。
⑥ 早期に当該事業年度の診療材料代金相当額の支払い総額が確定できるよう、速やかにベンチマーク対象として用いた各種データを県に提示すること。
(ウ) 県による自己評価結果の精査
県は、事業者から受けた自己評価結果の内容について、県が別途収集するデータ等を活用し、当該内容が真正なものであるかの確認等、必要な精査を行う。なお、前述の理由書を受けた場合、当該内容に対する対応については、原則として県及び事業者の協議により、県が決定するものとする。
なお、県は、当該理由書の内容を確認・判断する際、特に事業者が協力企業、卸業者等の説明を十分に検討せずそのまま受け入れていることがないかなど、病院側の立場に立ち、自らの有する能力を十分に発揮したか否かの視点を重視し、その結果次第では、事業契約における本業務にかかる一部解除等も検討しうる。詳細は、事業契約書によるものとするが、事業者においては十分に留意すること。
(エ) 事業者インセンティブの付与
県は、事業者による診療材料調達業務の結果が、ベンチマークに基づく基準の達成度合いを勘案し、診療材料を期待以上に安価で調達できており(定量的評価)、且つ診療材料調達単価削減のため院内調整活動及び交渉活動に十分に努めたとプロセスを評価できる場合 (定性的評価)、見なした場合、事業者の業務改善インセンティブの付与として、事業者に対して一定額をボーナスとして支払うことを検討している。
上記はあくまで現時点での考え方を示すものであり、確定した内容は入札公告時において示す。
(5) 准備品・消耗品調達関連業務
ア 業務期間
本業務の業務期間は、平成 25 年4月から平成 45 年3月までとする。
イ 要求水準等
(ア) 事業者は、県が求める准備品・消耗品について、常に安定的に調達を行うこと。
(イ) 調達する准備品・消耗品については、常にその質の確保を図ることとし、万が一、その質に不備があることが発覚した場合には、迅速な対応を行うこと。
(ウ) 事業者は物品管理業務等との効果的な連携を図り、准備品・消耗品の院内在庫を極力圧縮すること。
(エ) 院内各部門からの購入要望を取りまとめ、要望品目の必要性を検討したうえで、各年度の購入予算範囲内に納まるように院内調整業務(年間購入計画作成、購入状況管理も含む)を行うこと。
(オ) 健全経営の実現に向けて、事業者は購入品目を決定する際には、より安価な商品の代替提案も行うこととし、購入品目の決定後、できる限り安価で購入するように努めること。
(カ) 県と協働体制を構築して准備品・消耗品単価の削減活動を積極的に展開するために、事業者は削減活動計画を作成し、作成後県に提出し県の確認を得ること。また、卸業者等との折衝・交渉プロセスについては、交渉日誌(業務日誌等)を作成し、情報の共有化を図ること。