Contract
一般社団法人岐阜県農畜産公社農地中間管理機構特例事業実施規程
第1章 総則
(事業実施の基本方針)
第1条 一般社団法人岐阜県農畜産公社(以下「公社」という)は、農業経営基盤強化促進法(昭和55年法律第65号。以下「法」という)第5条に基づき岐阜県(以下「県」という)において作成される農業経営基盤強化促進基本方針(以下「基本方針」という)に即して、農業経営の強化を通じて効率的かつ安定的な農業経営の育成を図るため、次に掲げる事業(これらを総称して「特例事業」という)を行うものとする。
一 農地売買等事業(法第7条第1号に規定する事業をいう。以下同じ)
二 農地売渡信託等事業(法第7条第2号に規定する事業をいう。以下同じ)
三 農地所有適格法人出資育成事業(法第7条第3号に規定する事業をいう。以下同じ)四 研修等事業(法第7条第4号に規定する事業をいう。以下同じ)
2 公社が特例事業を行うに当たっては、以下の点に留意して行うものとする。
一 農地売買等事業は、農地の分散保有を解消しつつ農業経営の規模を拡大し、農作業の効率化を図る等効率的かつ安定的な農業経営の育成に資するよう実施するものとする。
二 農地売渡信託等事業は、農地の価格下落等により農地売買等事業によっては円滑な農地の流動化を推進することが困難な場合に実施するものとする。
三 農地所有適格法人出資育成事業は、農地所有適格法人の経営体質を強化しつつ経営規模拡大を図るため実施するものとする。本事業に係る出資に当たっては、対象となる農地所有適格法人の健全な発展を図り、その経営の自主性を尊重するものとする。
四 研修等事業は、県農林事務所、県農業大学校、県農業委員会ネットワーク機構、県農業協同組合中央会、ぎふアグリチャレンジ支援センター等の関係機関、団体及び地域の農業事情等に精通した農業者等との連携を図りつつ新規就農希望者(農業後継者を含む)及び新たな分野の農業を始めようとする農業者に対する研修その他事業を行うものとする。
3 同意市町村が定める地域計画(法第19条の規定に基づき、市町村が、農業者等の協議の結果を踏まえ、農業の将来のあり方や農用地の効率的かつ総合的な利用に関する目標として農業を担う者ごとに利用する農用地等を表示した地図(目標地図)等を明確化し公表したもの。以下同じ)の区域において特例事業を実施する場合は、当該計画の達成に資することとなるように実施する。
4 3で定めるほか、特例事業の対象者は、法第12条第1項に規定する農業経営改善計画の認定を受けた者
(以下「認定農業者」という)を優先するものとし、認定農業者の農業経営改善計画の達成に寄与するよう実施するものとする。
(事業実施区域)
第2条 公社が行う特例事業の実施区域は、県における市街化区域(都市計画法(昭和43年法律第 100 号)第
7条第1項の市街化区域と定められた区域をいう。当該区域以外の区域に存する農用地と一体として農業上の利用が行なわれている農用地の存するものを除き、同法第23条第1項の規定による協議を要する場合にあっては当該協議が調ったものに限る)を除く区域とする。
(事業対象農用地等)
第3条 公社が行う特例事業の対象農用地等は、次に掲げるもの(以下「農用地等」という)とする。
一 農地(耕作の目的又は主として耕作に供される土地)若しくは養畜の事業のため採草若しくは家畜の放牧
の目的に供される土地(以下「農用地」という)。
二 木竹の生育に供され、併せて耕作又は養畜の事業のため採草又は家畜の放牧の目的に供される土地三 以下に掲げる農業用施設の用に供される土地
ア 農業用用排水施設、農業用道路その他農用地の保全又は利用上必要な施設
イ 畜舎、蚕室、温室(床面がコンクリート敷のものを含む)、植物工場(閉鎖された空間において生育環境を制御して農産物を安定的に生産する施設をいう)、農産物出荷施設、農産物調製施設、農産物貯蔵施設その他これらに類する農畜産物の生産、集荷、調製、貯蔵又は出荷の用に供する施設
ウ 堆肥舎、種苗貯蔵施設、農機具収納施設その他これらに類する農業生産資材の貯蔵又は保管(農業生産資材の販売の事業のための貯蔵又は保管を除く)の用に供する施設
エ 廃棄された農産物又は廃棄された農業生産資材の処理の用に供する施設四 開発して農用地又は農業用施設の用に供される土地とすることが適当な土地
2 前号に掲げる農業用施設の用に供される土地又は開発して農業用施設の用に供されることが適当な土地について実施する特例事業(研修等事業を除く)は、農用地につき実施するこれらの事業と併せて行う場合に限るものとする。
(事業実施に当たっての調整等)
第4条 公社が特例事業を行うに当たっては、国、県、市町村、農業委員会、県農業委員会ネットワーク機構、県農業協同組合中央会、農業協同組合、土地改良区、県農林事務所、県農業大学校、株式会社日本政策金融公庫、ぎふアグリチャレンジ支援センター等の関係団体と十分連絡・調整を図るものとする。
2 公社が特例事業を行うに当たっては、市町村が行う農業経営基盤強化促進事業(法第4条第4項に規定する事業をいう)その他農地の集積・集約化のための施策と連携して行うものとする。
3 公社は、特例事業の円滑な実施を図るため、公社が行う当該事業に係る事務の一部を市町村等に委託することができる。
(事業実施計画)
第5条 公社は毎年度、その行う事業の種類毎に事業の実施計画を定めるものとする。
第2章 農地売買等事業
(事業内容)
第6条 公社は、農業経営の規模拡大、農地の集団化その他農地保有の合理化を促進する等効率的かつ安定的な農業経営の育成に資するため、農用地等を買入れ(法第4条第1項第2号から第4号の土地にあっては、農用地と一体として買入れる場合に限る)、当該農用地等を売渡し、交換し、又は貸付ける(貸付けは公社が所有する農用地等の貸付けに限る)ものとする。
(事業実施の原則)
第7条 公社が、特例事業として行う農用地等の買入れ、交換、売渡し及び貸付けは、原則として、同意市町村 が定める地域計画の区域において実施する場合は、当該計画の達成に資することとなるように行うものとする。
また、地域計画の区域外の農用地等において、所有権を取得する際には、機構法第18条第11項の農業委員会の要請又は同法第19条第2項の規定による同法第18条の農用地利用集積等促進計画(以下、「促進計画」という)の案の提出があった場合を基本とする。
(農用地等の買入れ)
第8条 農用地等の買入れは、地域計画の区域においては当該計画の達成又は農業経営基盤の強化に資すると見
込まれるものに限り行うものとする。
2 公社は、農用地等を買入れようとする場合には、これらの土地について実地調査(デジタル技術を活用し実地調査を行うことも可能とする。以下同じ)等を行い、買入れることを相当と認めたときは、これらの土地等の所有権を有する者とこれらの土地等の買入れに関する契約の締結を行うものとする。
3 公社は、農用地について促進計画を活用せず買入れを行う場合には、農地法(昭和27年法律第 229 号)第
3条第1項第13号の規定に基づき、当該農用地の存する区域を地区とする農業委員会に届け出るものとする。
(農用地等の売渡し)
第9条 農用地等の売渡しに当たっては、第18条の規定に基づいて売渡しの相手方を選定し、その者と当該農用地等の売渡しに関する契約の締結を行うものとする。
(買入価格等)
第10条 農用地等の買入価格は、対象となる農用地等周辺の地域で自然的経済的社会的諸条件からみてその農業事情がその農用地等に係る農業事情と類似すると認められる一定の区域内における農用地等(以下「周辺類似農用地等」という)についての耕作又は養畜の事業に供するための取引の事例が収集できるときは、当該事例における取引価格にその取引が行なわれた事情、時期等に応じて適正な補正を加えた価格を基準とし、当該周辺類似農用地等及利用権の設定等を行う農用地等に関する次に掲げる事項を総合的に比較考量し、算出する。一 位置
二 形状
三 環境 四 収益性
五 その他、一般の取引における価格形成上の諸要素
2 前項の事例の収集ができないときは、次に掲げる事項のいずれかを基礎とし、適宜その他の事項を勘案して算出する。
一 賃借、地代、小作料等の収益から推定されるその農用地等の価格
二 その農用地等の所有者がその農用地等の取得及び改良又は保全のため支出した金額
三 その農用地等について固定資産税評価額(地方税法(昭和25年法律第 226 号)第 381 条第1項又は第2項の規定により土地課税台帳又は土地補充課税台帳に登録されている価格をいう)その他の課税の場合の評価額
3 農用地等の買入価格の算出については、必要に応じ農業委員会の意見を聴いて定めるものとする。
4 農用地等の買入価格が、その農用地等の収益性からみて著しく高額であると認められる場合には、その農用地等の買入れは行わないものとする。
5 農用地等の買入対価は、原則として買入れに係る農用地等の所有権移転登記完了の日までに支払うものとする。
(売渡価格等)
第11条 農用地等の売渡価格は、原則としてその取得価格に当該農用地等に係る本事業の経費を加えた額(当該農用地等につき土地改良事業が行われた場合には、当該事業に要した経費のうち公社が負担した額を加えた額)を基準とし、当該農用地等につき前条の規定により算定される額を勘案したうえで、必要に応じ農業委員会の意見を聴いて定めるものとする。
2 農用地等の売渡対価は、原則として売渡しに係る農用地等の所有権移転登記完了の日までに徴収するものとするが、止むを得ない事情があると認められる場合には、その期日を延期することができるものとする。
(対価の支払いの方法)
第12条 農用地等の売買に係る対価の支払いの方法は、第10条第5項及び前条第2項によるほか、公社が買入れ及び売渡しする相手方と協議の上、決定する。なお、その他の特例事業に係る支払いについてもこれを準用する。
(農用地等の交換)
第13条 農用地等の交換に当たっては、第18条の規定に基づき交換の相手方を選定し、交換の対象となるべき農用地等の実地調査を行った上、これを相当と認めたときは、交換に関する契約の締結を行うものとする。
(農用地等の貸付け)
第14条 公社が第8条2項により買入れた農用地等は、次の場合には、第18条の規定に基づいて貸付けの相手方を選定し、別に定める様式によりその者と当該農用地等の賃貸借に関する契約の締結を行うことができるものとする。
一 担い手の農業経営の安定を確保する観点から、売渡しを予定している者に対し、売渡しまでの間貸付ける場合
二 新規就農者等の育成及び農地保有の合理化を促進する観点から特に必要と認められる場合であって、新規就農者等へ貸付ける場合
2 貸付けの期間は、農用地利用集積等促進計画を活用する場合にあっては、農地保有の合理化を促進するため必要な期間の定期賃貸借とする。
3 農用地等の貸付けに係る賃貸借契約においては、民法(明治29年法律第89号)第 618 条の規定による解約権の留保は付さないものとする。
(貸賃)
第15条 公社が農用地等を賃貸借により貸付ける場合における貸賃は、次のとおりとするものとする。
一 農地については、農地法第52条及び農地法施行規則(昭和27年農林省令79号)第 103 条第1項の規定により農業委員会から提供を受けた借賃等の情報を十分考慮し、当該農地の生産条件等を勘案して算定した額
二 法第4条第1項第4号に規定する土地については、開発後の土地の借賃又は貸賃の水準、開発費用の負担区分の割合、通常の生産力を発揮するまでの期間等を総合的に勘案して算定した額
三 その他の土地については、土地の種類毎に近傍の土地の借賃又は貸賃の額に比準して算定し、近傍の土地 の借賃又は貸賃がないときは、近傍の用途が類似する土地について算定される貸賃又は借賃の額を基礎とし、当該土地の生産力、固定資産税評価額等を勘案して算定した額
(農用地等の一時的貸付け)
第16条 公社は、本事業の目的に従い農用地等を売渡し、又は貸付けるまでの間、当該農用地等を暫定的に使用することを相当と認める者に一時的に貸付けることができるものとする。
2 前項の規定により農用地等を貸付ける場合には、原則として使用貸借による権利の設定を行うものとし、法第4条第1項第2号及び第3号の土地については賃借権による権利の設定を行うものとする。
(農用地等の買入れ等の基準)
第17条 農用地等を買入れるときの基準は、次に掲げるものとする。
一 農地保有の合理化を通じて効率的かつ安定的な農業経営の育成に資するような農用地等であること。二 当該農用地等の価格が、第10条の規定に照らして適切であると判断されること。
三 当該農用地等の賃料が、農地法第52条及び農地法施行規則第 103 条第1項の規定により農業委員会か
ら提供を受けた借賃等の情報や生産条件からみて適切であると判断されること。四 その他農業経営の基盤の強化に資すると見込まれるものに限ること。
(農用地等の売渡し等の相手方)
第18条 公社が、農地売買等事業の実施により農用地等を売渡し、交換し又は貸付けることができる者は、次に掲げる者とする。
一 法第19条第1項の地域計画の区域において、公社が売渡そうとする農用地等に農業を担う者が位置付けられている場合には、売渡しの相手方はその者に限るものとする。
また、目標地図に位置付けられた農業を担う者以外の者が、農作物の作付け期間等の都合で買入れを迅速に行う必要があり、地域計画の変更が間に合わない場合や、目標地図に位置付けられた者に売渡すことが困難となったときに備えてあらかじめ地域計画により定めた代替者に売渡す場合で、後日、地域計画の変更が行われると見込まれる場合にあっては、売渡しの相手方はその者に限るものとする。
二 前号以外の場合にあっては、認定農業者を優先するものとし、原則として次の要件を満たしている個人又は農地所有適格法人であることとする。ただし、貸付けを行う場合には、本条中「農地所有適格法人」とあるのは、「農地所有適格法人及び農地法第3条第3項各号に掲げる要件全てを満たす法人(農地所有適格法人以外の法人に限る)」と読み替えるものとする。
ア その農業経営における当該農用地等の権利の取得後の経営面積(その経営面積に係る土地が農地所有適格法人の営む経営に供される場合にあっては、その経営面積をその常時従事者たる構成員の属する世帯の数で除した面積。その経営面積に係る土地が畜産経営に供される場合にあっては、飼養規模。以下同じ)が、当該地域における営農類型ごとに農家の平均経営面積以上で、市町村及び農業委員会の意見を聴いて公社が定める面積(その面積に係る土地が畜産経営に供される場合にあっては飼養規模。以下「基準面積」という)を超えるものであること。
ただし、権利を取得させるべき者が新規就農希望者(農業後継者を含む)又は新たな分野の農業を始めようとする農業者であって、当該地域における基準面積によることが相当でないと認められる場合、若しくは少数の大規模農家のため当該地域の平均面積を基礎として基準面積を定めることが適当でない場合については、基本構想を踏まえ、市町村及び農業委員会の意見を聴いて行うものとする。
イ その農業経営の資本装備が農用地等の効率的利用の観点からみて適当な水準であるか、又は近く適当な水準になる見込みがあると認められること。
ウ その者が取得する農用地等を農業振興地域整備計画に定める農地利用計画に従って利用することが確実であると認められること。
エ 農業協同組合法(昭和22年法律第 132 号)第11条の50第1項第1号に掲げる農業の経営を行う農業協同組合又は農業協同組合連合会に対して貸付けを行う場合には、他の農業者の中に当該農用地等の貸付けを希望する者がいないことが確実であると見込まれること。
三 前号のアからエまでに掲げる全ての要件を備えている者が2人以上いる場合における優先順位は、次のアからオまでに掲げる事項を総合勘案して定めるものとする。
ア 農用地等の権利の取得後における経営面積と公社が効率的かつ安定的な農業経営の育成の観点から規模拡大を目標として、農業経営基盤強化促進基本構想(法第6条第1項に規定する「基本構想」をいう。以下同じ)の農業経営の指標を勘案しつつ、市町村及び農業委員会の意見を聴いて、当該地域における営農類型ごとに具体的な数値をもって定める面積(以下「目標面積」という。基本構想を策定していない 市町村の目標面積については、農業振興地域整備計画において定められた効率的かつ安定的な農業経営
の目標に即して、市町村及び農業委員会の意見を聴いて、作目別及び経営形態別に具体的な数値をもって定める面積)との格差が小さいこと。
イ 基本構想等において育成しようとする農業経営を行おうとすること。
(注)基本構想が策定されていない市町村にあっては、農業振興地域整備計画等とする。
ウ 売渡し、交換し、又は貸付けようとする農用地等の位置その他の利用条件からみてその農用地等を最も効率的に利用することができると認められること。
エ 農用地等の集団化に資する程度が最も大きいと認められること。
オ 高齢農家、兼業農家等を含む地域の関係者との連携が図られていること。
四 前2号の規定にかかわらず、農業農村整備事業等の計画に基づき、農用地等の売渡し、交換又は貸付けを行おうとする場合には、次のいずれかの場合において行うことができるものとする。
(注1) 本項の規定に基づき前2号に規定する要件を引き上げることができる。
(注2)本項の規定に基づき前2号に規定する要件を満たす農業者(以下「適格農業者」という)以外の農業者に農用地等を売渡し、交換し、又は貸付けることができる場合は、その農業者に農用地等を売渡し、交換し、又は貸付けることが、適格農業者が農地の集団化を進めつつ農業経営の規模の拡大を図る上で著しく寄与すると認められる場合又はその農業者が次に掲げるすべての要件を満たす組織の構成員であって農業生産活動の計画的な実施及び組織の管理運営においてその組織の中で中核的な機能を果たす専業的な農業従事者である場合とする。
ア 農業者の組織であって、法人格の有無は問わないが、法人格を備えないものである場合には、代表者、組織の運営、機械、施設等の管理利用に関する規約等を定めているものであること。
イ 集団的生産活動を行う作目に係る栽培管理の時期、方法、作業等について協定を行い、かつ、その協定に基づき農作業を共同して、又は個別に行い、更に必要に応じ機械の共同利用を行うものであること。
ウ 集団的生産活動を行う作目に係る農地(草地を含む)は、集団的作業が効率的に実施しうる程度に集団化されているか、又は近い将来に集団化されると認められること。
五 前3号の規定にかかわらず、別に定める場合には、適格団体(農業経営基盤強化促進法関係事務に係る処理基準(平成12年9月1日付け 12 構改B第 846 号農林水産事務次官通知。以下「処理基準通知」という)別添1の(1)のアの(オ)の①に定める団体をいう)に農用地等を売渡し、交換し、又は貸付けることができる。 (注)別に定める場合とは、次のとおりとする。
ア 適格団体
公社が農業者のほか農地売買等事業により農用地等を売渡し、交換し、又は貸付けることができる者
(以下「適格団体」という)は次に掲げる者とする。
(1) 国、地方公共団体((5)に掲げる市町村を除く)
(2) 農業協同組合((5)に掲げる農業協同組合を除く)、農業協同組合連合会及び農事組合法人(農業協同組合法(昭和22年法律第 132 号)第72条の10第1項第2号の事業を行うものは除く)
(3) 農地法施行令(昭和27年政令第 445 号)第2条第2項第3号に規定する一般社団法人又は一般財団法人((5)に掲げる一般社団法人又は一般財団法人を除く。以下「一般社団法人等」という)
(4) 土地改良区
(5) 規則第12条第3号に規定する市町村、農業協同組合、一般社団法人又は一般財団法人イ 公社が、農用地等を適格団体に対し売渡し、交換し、又は貸付けることのできる場合の要件
公社が、農用地等を適格団体に対し売渡し、交換し、又は貸付けることのできる場合は、次の要件の全
て(アの(5)に掲げる適格団体にあっては、(2)から(4)までの要件)を満たす場合とする。
(1) 当該農用地等の売渡し、交換又は貸付けが、農業農村整備事業等の計画に基づくものであること(アの
(5)の場合を除く)。
(2) 当該農用地等を直接農業者に売渡し、交換し、又は貸付けるよりも適格団体に売渡し、交換し、又は貸付ける方が、農地保有の合理化に著しく寄与すると認められること。
(3) 当該農用地等の用途が次に該当するものであること。
①アの(1)の国、地方公共団体に対する売渡し、交換又は貸付けの場合当該農用地等を共同放牧等農業者の共同利用に係る施設の用に供すると認められること。
②アの(2)のの農業協同組合、農業協同組合連合会又は農事組合法人に対する売渡し、交換又は貸付けの場合
当該農用地等を稚蚕共同飼育の用に供する桑園、共同放牧場等の直接又は間接の構成員である農業者の行う農業経営に直接的に必要な施設の用に供すると認められること。
③アの(3)の一般社団法人等に対する売渡し、交換又は貸付けの場合
当該農用地等を乳牛又は肉用牛の飼養の合理化を図るため、その飼養の事業を行う農業者に対してその飼養の対象となる乳牛若しくは肉用牛を育成して供給し又はその飼養の事業を行う農業者の委託を受けてその飼養の対象となる乳牛若しくは肉用牛を育成する事業の運営に必要な施設の用に供すると認められること。
④アの(4)の土地改良区に対する売渡し、交換又は貸付けの場合
当該混牧林利用地及び当該農業用施設用地を農業者の共同利用に係る施設の用に供すると認められること。
⑤のアの(5)の市町村、農業協同組合、一般社団法人又は一般財団法人に対する売渡しの場合
当該団体が保有する農用地等に隣接する農用地等であって、当該団体がそれらの農用地等を一体的利用調整することが効率的であると認められること。
さらに、当該団体が、本条の基準に準じて、売渡しを受けた農用地等を売渡し、又は交換する(売渡し又は交換までの間に一時的に貸付けることを含む)ものであると認められること。
(4) 当該農用地等に係る利用計画が適正に定められており、かつ、その管理等が効率的に行われると認められること。
六 用途指定、買戻しの特約等
公社が、前項に基づき、農用地等を適格団体に売渡し、交換又は貸付けを行うに当たっては、当該農用地等の利用が、売渡し、交換又は貸付けの目的に従って適正に行われるよう次に掲げる措置を講ずるものとする。
ア 用途指定
農用地等の売渡し、交換又は貸付けを行う際には、次に定めるところにより、用途指定を行うものとする。
(1) 指定用途
当該農用地等の供しなければならない用途を具体的に定める。
(2) 指定期日
指定用途に供しなければならない期日として、相手方の事業計画、資金計画等からみて適当と認められる期日を定める。
(3) 指定期間
指定用途に供しなければならない期間として、農用地等の売渡し又は交換を行う場合にあっては、指定用途に供する期日より5年間(ただし、5年間を指定期間とすると指定期間の終了が売渡しの日から10年間を超える場合は、売渡しの日より10年間)の期間を指定し、貸付けを行う場合にあっては、指定期日の翌日からその貸付けの期間とする。
イ 買戻特約
農用地等の売渡しを行う場合には、買戻期間を売渡しの日から予め指定する期間終了の日まで(ただし、指定期間の終了が売渡しの日から10年間を超える場合は、売渡しの日より10年間)の期間を指定し、次に掲げる買戻しの特約等を行うものとする。
(1) 買戻権を実行する場合は、次のとおりとする(土地収用法(昭和26年法律第 219 号)その他の法律によって当該農用地等が収用され、又は使用された場合を除く)。
①指定期間中に指定用途に供しなくなった場合
②指定期間中に指定以外の用途に供した場合
③売買、贈与、交換、出資等による所有権の移転をした場合
④地上権、質権、使用貸借による権利、賃借権その他の使用及び収益を目的とする権利の設定をした場合
(2) 買戻しの特約には、次の内容を定めるものとする。
①適格団体が支払った代金につき返還するものとする。ただし、当該 返還金には利息は付さない。
②買入れた適格団体の負担した契約に要する費用は返済しないものとする。
③買戻特約をして売渡しをする場合には、売買契約による所有権移転の登記の申請と同時に買戻特約の登記の申請を行うものとする。
ウ イの(1)に掲げる用途指定違反等(貸付けにあっては、用途指定違反)の事実を確認した場合には、買戻権を実行し、貸付けにあっては賃借契約の解除等を行うものとする。
(管理等)
第19条 公社は、農用地等の売渡し等を行うまでの間、当該土地等を善良なる管理者の注意をもって管理(農用地にあっては、近傍類似の農用地で一般に行われており、かつ、従来の当該農用地の形質を基本的に変更しない範囲内において行われる耕作を含む)するものとする。
2 前項の管理のための耕作は、農業委員会による農用地等の利用関係についてのあっせんの事業その他地域における農用地等の利用調整活動によっても当該農用地等の売渡し等を行う相手方、又は第16条の規定に基づき一時的に貸付ける相手方が当面いない場合に限り行うものとする。
(目的外処分)
第20条 公社が本事業の実施により買入れた農用地等が本事業の目的以外の目的に供することが相当となった場合には、当該農用地等を適正かつ合理的な土地利用の確保に配慮しつつ他の目的に供することができるものとする。
(未墾地の取得等)
第21条 法第4条第1項第4号の土地の買入れは、農業農村整備事業等の実施が確実と見込まれる地域内の土地につき第4条に規定する機関又は団体から公社において買入れる、又は借受けるべき旨の申出を受けた場合
(自らこれらの事業を実施する場合は除く)に限り行うものとする。
2 公社は、前項の規定により買入れた土地を、原則として前項の事業へ参加又は自ら前項の事業を実施することにより売渡し、交換し、又は貸付けるものとする。
第3章 農地売渡信託等事業
(事業内容)
第22条 公社は、地価下落等により農地売買等事業によって売買を行うことが困難な農用地の売渡信託(委託者が農用地につき所有権を移転し、当該財産を売渡させることを目的とする信託をいう。以下同じ)を引き受け、及び当該売渡信託の委託者に対して資金を貸付けるものとする。
(事業の実施地域)
第23条 本事業の実施地域は次に掲げる基準により価格が下落していると認められる地域とする。
一 当該土地の生産力(反収等)、土地条件(同一の作業に要する労働時間等)及び立地条件(幹線道路からの距離等)等が平均的であるとみなされる農用地の取引において取引価格がおおむね過去の3年間平均して下落傾向にあること。
二 おおむね過去3年間の当該地域の農地法第52条及び農地法施行規則第 103 条第1項の規定により農業委員会が情報の提供を行っている借賃等の下落率が当該都道府県の平均下落率よりも大きいこと。
三 農業委員会の精通者が当該地域における農用地評価額がおおむね3年間低下していることを認めるものであること。
(対象農用地)
第24条 売渡信託を引き受ける農用地は、地上権、永小作権、質権、使用貸借による権利、賃借権若しくはその他の使用及び収益を目的とする権利が設定されていないものであって、次の各号に掲げる基準を満たすものとする。
一 農業生産力の高い農地(農業保険法(昭和22年法律第 185 号)第 136 条第2項の規定による基準収穫量等において当該土地が存在する市町村又は市町村の地域の平均以上の収量を得られる農地)
二 土地改良事業等の農業に対する公共投資(旧制度開拓として実施された開拓事業、農道の整備のみを目的とする土地改良事業、災害(石炭鉱業及び亜炭鉱業による鉱害を含む)復旧事業及び農用地防災事業を除く)の対象となった農用地
三 当該地域で農地売買等事業の実施に当たって定めた基準面積以上の農用地又はおおむね20ヘクタールの団地を形成している農用地の一部となっている農用地
2 公社は、委託者が売渡しの相手方を指定している農用地等についての売渡信託は、引き受けないものとする。
(売渡信託契約の締結)
第25条 公社は、売渡信託契約の締結と同時に処理基準通知別添1(2)のエの(ア)の規定に基づく無利子資金の貸付けについて金銭消費貸借契約を締結するものとする。
2 公社は、売渡信託契約及び金施消費貸借契約締結の申込みを使用とする者から、別に定める様式による売渡信託契約等申込書の提出があった場合において、売渡信託の目的たるべき財産について調査し、売渡信託契約等申込書の内容を審査した上で、これを適当と認めたときは、別に定める様式により売渡信託契約等を締結するものとする。
3 売渡信託契約は、土地一筆ごとに締結するものとする。ただし、一の委託者が二筆以上の土地を併せて売渡信託する場合であって、売渡信託期間の終期が同一であるときは、これらの土地を包括して信託の目的とし、一の売渡契約を締結することができるものとする。
(売渡信託財産の売渡)
第26条 公社は、第7条に準じ、農業経営の規模拡大、農地の集団化等を通じて効率的かつ安定的な農業経営
の育成に資するよう売渡信託財産を売渡すものとする。この際の売渡しの相手方は、第18条に準じて選定するものとする。
2 公社は、売渡し相手方として適当と認められる者(以下「適格者」という)を選定し得ないと認めたとき又は適格者が選定されてもその者(適格者が2人以上ある場合には、これら全ての者)に売渡信託財産を売渡すことができないと認めたときは、遅滞なく委託者又はその一般承継人にその旨を通知するとともに、売渡信託の条件を変更し、又は売渡信託契約を解除するかどうかを聞くものとする。
3 公社は、前項の通知後、委託者又はその一般承継人から売渡信託の期間や委託者の指定した最低売渡価格(以下「指値」という)等の売渡信託の条件の変更の申出があり、これを適当と認めたときは、売渡信託契約を変更するとともに、再び第1項の規定により適格者を選定するものとする。
(売渡信託財産の売渡しの方法)
第27条 公社は、委託者が指値を指定した売渡信託財産にあっては、指値以上の額で売渡すものとし、前条第
1項又は第3項の規定により選定された適格者に売渡信託財産を売渡すときは、当該適格者(適格者が2人以上ある場合には、先順位者。以下同じ)に売渡す旨の通知を行い、別に定める様式により買受申込書の提出を求めるものとする。
2 公社は、前項の規定に基づき買受申込書の提出があったときは、当該売渡信託財産について適格者と売渡しに関する契約を締結するものとする。この場合において、農用地について促進計画を活用しない場合には、農地法第3条第1項に定める許可を受けるものとする。
3 適格者が2人以上ある場合において、先順位者に対し売渡信託財産を売渡すことができなかったときは、順次、後順位者の順位を繰り上げるものとする。
(売渡信託財産の管理)
第28条 公社は、売渡信託の目的に従い、売渡信託財産を売渡すまでの間、当該売渡信託財産を使用することを適当と認める者に一時貸付ける等当該売渡信託財産を善良なる管理者の注意をもって管理するものとする。
2 前項の規定により売渡信託財産を貸付けるときは、当該売渡信託財産について使用貸借による権利を設定するものとする。
(売渡信託財産に係る費用等)
第29条 売渡信託財産についての公租公課、必要経費及び有益費(これらに係る償還金を含む)、事務管理費、訴訟費用、損害賠償金その他の費用は委託者又はその一般承継人の負担とし、公社は、当該売渡信託財産に係る売渡代金、補償金その他の売渡信託財産に係る収益金の中から支出するものとする。
2 公社が前項の費用を立て替えて支払ったときは、直ちにその弁済を委託者又はその一般承継人に請求するものとする。ただし、委託者分はその一般承継人から申出があった場合には、当該費用を立て替えて支払った後の売渡信託財産に係る収益金をもってその弁済に充てることができるものとする。
3 公社が売渡信託財産の売渡しを行う前に当該売渡信託財産に係る収益金を受領し、当該収益金から第1項の費用を控除した上で残額を生じた場合は、当該残額を売渡信託財産の売渡時点まで公社に積み立てるものとする。
4 公社は、売渡信託財産を売渡した場合は、売渡代金及び前項の規定により積み立てた積立金をもって第25条第1項により貸付けた無利子資金の償還に充てた上で、残額を委託者又はその一般承継人に支払うものとする。
(売渡信託財産に係る損失のてん補)
第30条 自然災害等による売渡信託財産の損壊、滅失等によって委託者が被った損害について公社は、その責
任を負わないものとする。ただし、公社又は第28条の規定に基づき売渡信託財産の一時貸付けを受けている借受人の故意又は過失による場合は、この限りでないものとする。
(受益権の処分の制限)
第31条 公社が引き受けた売渡信託の受益権は、譲渡し、又は質入することができないものとする。
(委託者等との協議)
第32条 公社は、次の各号に掲げるときは、遅滞なく委託者又はその一般承継人と協議の上、処理するものとする。
一 売渡信託財産について多額の必要経費又は有益費を支出しようとするとき。
二 売渡信託財産について法令による収用、交換分合等権利の得喪変更に関する事故が生ずることが明らかになったとき。
三 その委託者又はその一般承継人にとって重大な関心があると認められる事実が生じ、又は生ずることが明らかになったとき。
(売渡信託契約等の変更又は解除)
第33条 公社は、委託者又はその一般承継人から売渡信託契約の変更又は解除の申込みがあった場合において、次の各号のいずれかに該当するときは、当該申込みを承諾し、売渡信託契約の変更又は売渡信託契約及び金銭 消費貸借契約の解除を行うものとする。
一 第26条第2項により通知を受けた委託者又はその一般承継人が売渡信託の条件の変更又は売渡信託契約の解除の申込みをしたとき。
二 前条の規定による協議が整わなかったため当該協議に係る委託者又はその一般承継人が解除の申込みをしたとき。
三 その該当申込みの内容が相当であると認められるとき。
2 公社は、委託者又はその一般承継人が次の各号のいずれかに該当することが明らかとなった場合には、売渡信託契約及び金銭消費貸借契約を解除するものとする。
一 虚偽その他不正な手段により貸付金の貸付けを受けた場合二 正当な理由なく契約に係る貸付条件に違反した場合
三 その他貸付けに係る債権の保全又は回収に懸念がある場合
(売渡信託の終了)
第34条 公社への売渡信託は、以下の場合に終了するものとする。一 売渡信託の目的を達成した場合
二 自然災害による売渡信託財産の滅失等により売渡信託の目的を達することができなくなった場合三 前条により売渡信託契約が解除された場合
四 当該売渡信託を引き受けた日から委託者が指定した5年を超えない期間を経過しても売渡信託財産が売り渡されなかった場合
2 公社は、売渡信託の目的が達せられずに公社への売渡信託が終了したとき又は終了することが明らかになったときは、遅滞なく、その旨を委託者又はその一般承継人に通知し、売渡信託財産の委託者又はその一般承継人への移転方法、時期その他売渡信託の終了に伴う必要な事項について委託者又はその一般承継人と協議するものとする。
(経理)
第35条 公社は、本事業に係る経理を他の事業に係る経理と区分して経理するとともに、本事業に係る経理に
おいては、売渡信託契約ごとに、その収支を明らかにするものとする。
2 公社は、売渡信託契約ごとに、売渡信託を引き受けたとき及び売渡信託が終了したとき並びに毎年1回財産目録を作成するものとする。
3 公社は、委託者から請求があったときは、当該者に係る第1項の収支を明らかにした書類又は前項の財産目録を閲覧させ、又はこれらの書類につき説明を行うものとする。
(資金の貸付)
第36条 売渡信託の委託者に対する貸付金の額は、売渡信託財産の評価額の最高7割を限度とするものとする。
2 前項の評価額は、売渡信託財産の土地の種類及び農業上の利用目的ごとに、近傍の通常の取引の価額に比準して算定される額を基礎とし、その生産力を勘案して算定するものとする。
3 第39条に定める場合を除き、貸付金には利息を付さないものとする。
(償還期限等)
第37条 貸付金の償還期限は、第34条の規定により売渡信託契約が終了する日とする。
2 貸付金の償還方法は、一時償還の方法によるものとする。
3 第34条第1項第1号及び第4号により売渡信託契約が終了した場合以外の売渡信託契約の終了に伴い、金銭消費貸借契約が解除された場合には、公社が償還期限として指定する期日までに貸付金を全額償還するものとする。
(抵当権の設定)
第38条 公社は、金銭消費貸借契約を締結すると同時に売渡信託財産に公社を第1順位とする抵当権設定契約を結び、債権保全に努めることとする。
(延滞金)
第39条 公社は、委託者が第37条に規定する償還期限までに償還すべき金額を支払わなかった場合には、第
36条第3項の規定にかかわらず、当該償還すべき金額につき償還期限の翌日から支払い当日までの日数(第
33条第1項又は第2項により金銭消費貸借契約が解除された場合には、公社が償還期限として指定する期日の翌日から支払い当日までの日数)に応じ年 10.95%の割合を乗じて計算した金額を延滞金として徴収するものとする。
(売渡信託の再引受け等)
第40条 公社は、次に掲げる場合には再度引受けを行うことができるものとする。
一 当該売渡信託財産について売渡しが確実であると認められる相手方が確保されているが、当該相手方が、経営の理由から売渡信託期間内には買入れることができない場合
二 再委託を引受けた期間内に新規就農希望者等新たな受け手確保が確実である場合
三 その他売渡信託を再度引受けることにより円滑な売渡しが確実に行われると都道府県知事が認めた場合
2 売渡信託の再引受けを行った場合に公社は、委託者に対し金銭消費貸借契約を再締結することができるものとする。
3 委託者が金銭消費貸借契約の再締結を希望する場合に公社は、別に定める様式により委託者から理由を付した再締結申込書を提出させ、これを適当と認めたときは委託者と金銭消費貸借契約を締結するものとする。
4 再び締結する金銭消費貸借契約の償還期限は、再び締結する売渡信託契約の終了の日とする
5 公社は、金銭消費貸借契約を再締結するときは、同時に売渡信託財産に公社を第1順位とする抵当権設定契約を再び結び、債権保全に努めることとする。
(抵当権の実行)
第41条 売渡信託財産が売渡されず、かつ、委託者が将来にわたって貸付金の償還を行うことができないと認められる場合、公社は、第38条の規定に基づき売渡信託財産に設定した抵当権を実行し、貸付金の償還に充てることができるものとする。
第4章 農地所有適格法人出資育成事業
(事業内容)
第42条 公社は、法第12条第1項の認定に係る農業経営改善計画に従って設立され、又は資本を増加しようとする農地所有適格法人(農地法第2条第3項の農地所有適格法人のうち、農事組合法人(農業協同組合法第
72条の10第1項第1号の事業のみを行うものを除く)、又は株式会社(公開会社(会社法(平成17年法律第86号)第2条第5号に規定する公開会社をいう)でないものに限る。以下同じ)に対し農地売買等事業により買入れた農用地等の現物出資を行い、及びその出資に伴い付与される持分又は株式を当該農地所有適格法人の組合員、社員又は株主に計画的に分割して譲渡するものとする。
(出資の対象となる農地所有適格法人)
第43条 公社は、本事業による出資を受けようとする農地所有適格法人から別に定める様式による出資の申出があった場合には、次の各号について確認の上、これを相当と認めたときは、これに応諾をすることができる。一 当該農地所有適格法人が、法第12条第1項に規定する農業経営改善計画について市町村長等の認定を受
けているか、又は受けられることが確実であること。
二 当該農地所有適格法人が農地法第2条第3項に規定する農地所有適格法人の要件を具備すること。
三 公社からの出資について、当該農地所有適格法人の定款に記載されること、現物出資に伴い検査役の調査等を受けることが必要な場合にあっては当該調査等を受けることその他農業協同組合法又は会社法に定める手続きがとられているか、又はとられることが確実に認められること。
2 農用地の現物出資を行う場合であって促進計画によらないときは、農地法第3条第1項の許可を得たうえで当該農用地を当該農地所有適格法人に出資するものとする。
(持分又は株式の取得)
第44条 公社は、出資の対象となった農地所有適格法人(以下単に「農地所有適格法人」という)の定款に定めるところに従い、持分又は株式を取得する。
2 前項の持分又は株式には、農地所有適格法人に対する剰余金配当請求権、脱退に伴う持分払戻請求権又は株式払戻請求権、農地所有適格法人の解散に伴う清算後の分配財産請求権等の一切が包含されているものでなければならないものとする。
3 第1項により農地所有適格法人の持分又は株式を取得するに当たっては、公社の議決権は当該農地所有適格法人の総社員文は総株主の議決権の2分の1を超えないようにするものとする。
(持分又は株主の譲渡)
第45条 公社は、出資に伴い付与される持分又は株式の全てを農地所有適格法人の構成員(農地法第2条第3項第2号イからへまでに掲げるものに限る。以下同じ)に対しその全部を分割して譲渡するものとする。分割の方法は、当該農地所有適格法人の譲渡対象者間での合意に基づき任意に定めたところにより譲渡を行うものとする。
2 公社は、前項の持分譲渡又は株式譲渡を行うため、持分引受け又は株式引受けに際して、当該構成員と別に定める様式により持分譲渡契約又は株式譲渡契約を締結するものとする。
3 前項の持分譲渡契約又は株式譲渡契約の締結後に、構成員の新規加入又は脱退等により、持分又は株式を取
得する構成員に変更を生じた場合には、構成員間で再度譲渡の分割の方法について取り決めを行い、この合意に従って当該持分譲渡契約又は株式譲渡契約を変更するものとする。
4 公社は、持分又は株式を取得する予定の構成員から、理由を付して持分取得又は株式取得の期限の延期を求める申請書の提出があった場合において、やむを得ないと認める場合には、第2項の持分譲渡契約又は株式譲渡契約を変更し、当該構成員に対する持分譲渡又は株式譲渡の期限を延期することができるものとする。
(持分又は株式の内容をなす権利等の行使)
第46条 農地所有適格法人の運営に当たって公社は、当該農地所有適格法人の自主性を尊重するものとする。ただし、次に掲げる場合には経営参与・監督是正的権利の行使等持分又は株式の内容をなす権利又は共益権の行使を行い、経営の健全性の確保を図るものとする。
一 粉飾決算等利益を不当に減殺し、配当を行わない等正当な利益を損なうような行為を行った場合二 不当な理由で当該農地所有適格法人を解散させる場合
三 その他本事業の目的を損なう場合
(履行担保)
第47条 公社は、持分譲渡契約又は株式譲渡契約をする際に、併せて第45条第2項の規定に基づき締結する持分譲渡契約又は株式譲渡契約により持分又は株式を取得することとされている構成員が持分又は株式の引取りを拒否し、かつ、対価を支払わない場合には、持分譲渡契約又は株式譲渡契約を解約した上で農地所有適格法人の他の構成員が当該持分又は株式を取得すべき旨を定めるものとし、この契約に加えることとする。
(積立金)
第48条 公社が農地所有適格法人から受け取る配当金は、本事業に実施により公社が取得した持分又は株式を譲渡することができない場合等に備える引当金に充てるものとする。
第5章 研修等事業 第1節 研修事業
(事業内容)
第49条 公社は、農地売買等事業によって買入れた農用地等において、新規就農希望者(農業後継者を含む)及び新たな分野の農業を始めようとする農業者(以下「新規就農希望者等」という)に対する農業の技術又は経営方法を実地に習得させるための研修事業を行うものとする。
(事業実施方法)
第50条 公社は、研修期間中は当該新規就農希望者等の生活の安定に配慮するものとする。
2 研修の実施期間は、新規就農希望者等の年齢、農業の技術等の習得状況に応じおおむね5年以内とする。
3 本事業は、県農林事務所、県農業大学校、県農業委員会ネットワーク機構、農業協同組合、ぎふアグリチャレンジ支援センター等の関係機関、団体及び地域の農業事情等に精通した農業者等と連携して行い、新規就農希望者等が農業の技術等を効率的に習得することができるよう努めるものとする。
4 研修期間中においては、当該研修に係る農用地等について他に買入れ又は借受けの希望者が現れた場合であっても、当該希望者に対して売渡し又は貸付けを行わないことができる。
(事業に係る農用地等の売渡し等)
第51条 公社は、新規就農希望者等の農業の技術又は経営方法の習得状況を見極めたうえ、当該研修に係る農用地等を農地売買等事業の手続きにより当該新規就農希望者等に対して売渡し、又は貸付けるよう努めるものとする。
2 研修中又は研修終了後、やむを得ない事情により新規就農希望者等が研修に係る農用地等を買入れ、又は借 受けることが不可能となった場合には、農地売買等事業の手続きにより第三者に対して当該農用地等を売渡し、又は貸付けるものとする。
(研修費)
第52条 研修に要する費用については、原則として公社が負担するものとする。
第2節 その他の事業
(その他)
第53条 公社は、農地売買等事業により買入れた農用地等を有効に活用することによって、次の事業を行うことができるものとする。
一 産地形成のためにモデル的な経営を行う事業二 その他特例事業の目的に適合する事業
附 則
この規程は、知事の承認のあった日(平成26年12月1日)から施行する。附 則
この規程は、知事の承認のあった日(平成28年4月1日)から施行する。附 則
この規程は、知事の承認のあった日(令和5年10月6日)から施行する。