株式会社南都銀行は、国連環境計画金融イニシアティブ(UNEP FI)が公表しているポジティブインパクトファイナンス原則に則り、株式会社日本中央住販(以下、日本中央住販)の包括的なインパクト分析を行った。
株式会社日本中央住販との「ポジティブ・インパクト・ファイナンス」の契約締結について
~持続可能な地域社会の実現に向けてお客さまのサステナビリティ経営を支援~
南都銀行(頭取 ▇▇ ▇▇)は、2024 年 5 月 27 日に株式会社日本中央住販(以下、同社)と自行組成の「ポジティブ・インパクト・ファイナンス」の契約を締結いたしましたのでお知らせいたします。
「ポジティブ・インパクト・ファイナンス」は、お客さまの企業活動が環境・社会・経済に与えるポジティブならびにネガティブな影響を特定し、ネガティブな効果を緩和しながらポジティブな効果を増大させることで、持続的な社会の実現を目指すご融資です。
同社は、ポジティブ・インパクトの拡大を目指す領域のテーマに「各種資格取得奨励への取組」を、ネガティブ・インパクトを低減する領域のテーマに「最終廃棄物削減とペーパレス化の促進」を、ポジティブ・インパクトの拡大を目指す領域とネガティブ・インパクトを低減する領域の両方 に関連する領域のテーマに「温室効果ガス削減への取組」、「仕事と生活の調和を図り働きやすい雇 用環境を整備する」、「ダイバーシティ&インクルージョンへの取組」、「協力会社との連携及びBC P対策の実施」を特定し、それぞれに目標とKPIを設定しました。当行は、定期的に達成状況や 管理状況を確認し、対話やフォローアップを通じてサステナビリティ経営の実現をサポートします。
なお、本件及び本制度のフレームワークが国連環境計画金融イニシアティブ(UNEP FI)の提唱する「ポジティブ・インパクト金融原則」に適合していることについて、株式会社日本格付研究所により第三者意見を取得しています。
当行グループは本商品を通じて地域全体でのSDGs達成に向けた取組をリードしていくことで、持続可能な地域の成長・発展に貢献してまいります。
【本件の概要】
契約日 | 2024 年 5 月 27 日 | |
契約先 | 住所 | ▇▇▇▇▇▇▇▇▇▇ ▇▇-▇ |
企業名 | 株式会社日本中央住販 | |
代表者 | 代表取締役 ▇▇ ▇▇ | |
設立年月日 | 1988 年 4 月 18 日 | |
資本金 | 80 百万円 | |
融資金額 | 50 百万円 | |
資金使途 | 運転資金 | |
【本件に関するお問合せ先】 法人ソリューション部 ▇▇・▇▇ ℡ ▇▇▇▇-▇▇-▇▇▇▇
こうむら
経営企画部(広報担当) ▇▇ ℡ ▇▇▇▇-▇▇-▇▇▇▇
評価対象企業:株式会社日本中央住販
2024年5月27日株式会社南都銀行
1.借入金の概要 | 2 |
2.事業概要 | 2 |
経営理念 | 4 |
事業概要 | 5 |
環境・社会・経済への取組 | 9 |
サステナビリティへの取組 | 12 |
3.包括的分析 | 13 |
UNEP FIの定めたインパクト評価ツールにより確認したインパクト一覧 | 13 |
日本中央住販の個別要因を加味したインパクトの特定 | 14 |
インパクトに係る戦略的意図やコミットメント | 16 |
4.KPIの決定 | 17 |
ポジティブインパクトとネガティブインパクトの内容 | 19 |
5.インパクトの種類、SDGs、貢献分類、影響を及ぼす範囲 | 27 |
6.サステナビリティ経営体制(推進体制、管理体制、実績) | 30 |
7.南都銀行によるモニタリングの頻度と方法 | 30 |
株式会社南都銀行は、国連環境計画金融イニシアティブ(UNEP FI)が公表しているポジティブインパクトファイナンス原則に則り、株式会社日本中央住販(以下、日本中央住販)の包括的なインパクト分析を行った。
株式会社南都銀行は、本評価書で特定されたポジティブインパクトの向上とネガティブインパクトの低減に向けた取組を支援するため、日本中央住販に対し、ポジティブインパクトファイナンスを実施する。
1.借入金の概要
借入人の名称 | 株式会社日本中央住販 |
借入金の金額 | 50,000,000円 |
借入金の資金使途 | 運転資金 |
モニタリング期間 | 7年 |
2.事業概要
企業名 | 株式会社日本中央住販 |
本社所在地 | ▇▇▇▇▇▇▇▇▇▇▇▇-▇ |
従業員数 | 146名(2024年4月現在 パート・アルバイト含む)※日本中央住販グループ集計 |
売上高 | 85億円(2023年3月期) |
資本金 | 8,000万円 |
主たる事業内容 | 戸建分譲住宅事業、不動産仲介・賃貸事業、外食レストラン事業 他 |
事業所数 | ⮚ 宅地建物取引業認可事業所 奈良県内:3ヶ所/大阪府内:1ヶ所/京都府内:1ヶ所 ⮚ 住宅展示場(注文住宅事業部) 奈良県内:4ヶ所/京都府内:1ヶ所/滋賀県内:1ヶ所 |
SDGs活動加盟・ 参加団体 | 認定特定非営利活動法人ジャパンハート (法人正会員)奈良県獣医師会(賛助会員) 奈良県医師協同組合(提携企業) 環境省『プラスチックスマート』参加企業登録京都SDGsパートナー いこまSDGsアクションネットワーク参加関西SDGsプラットフォーム(会員) |
主要沿革 | 1986年12月 日本中央住販として会社設立 1993年 4月 デザイナー住宅で新風、建築事業部開設 1996年 6月 本社ビル新築 2000年 4月 個別分譲から街並分譲へ事業拡大 2002年 4月 「健康家族宣言」スタート、自然派健康住宅を本格的に導入 2003年 5月 window事業部発足(現レストラン事業部) 2005年11月 板前焼肉「一(はじめ)」オープン 2006年 7月 無添加住宅 ▇▇▇▇代理店をスタート 2007年 9月 JIO住宅保証検査機構より300棟達成表彰(県下2社のみ) 2008年 3月 奈良県下初、全邸ソーラー発電パネル標準仕様のエコプロジェクト 2008年 9月 クレバリーホーム事業発足 2009年10月 『ミキハウス子育て総研』による「子育てにやさしい住まい」の認定、『Ma-Ma GOCORO』プロジェクトスタート 2010年 9月 ベビーフェイスプラネッツ東▇▇店 オープン 2012年 5月 株式会社ヒノキヤグループ(東証1部上場)と桧▇▇ 宅事業発足 2014年 2月 「Dolive」事業発足、「ハウスドゥ!」事業発足 2015年 7月 本社機能を▇▇▇▇▇▇▇▇▇-▇へ移転 2018年10月 2018年度グッドデザイン賞受賞、「お家探しの相談窓口」オープン 2020年11月 YKKAP株式会社様主催【第10回 エクステリアコンテスト2020】分譲街並み&公共施設部門「ブロンズスタイル賞」受賞 2022年 2月 奈良市商圏 2020年度 住宅販売総合部門第1位認定 2023年 4月 着工件数3,530棟超達成(2023年4月集計) 2023年 9月 奈良県戸建て分譲事業売上高ランキング12年連続第1位 2024年 3月 「ハウス・オブ・ザ・イヤー・イン・エナジー 2023」において、オリジナル住宅「FOR-SYS PREMIUM-Z」で優秀賞を受賞 2024年4月 累計引渡件数4,000棟達成 |
◼ 経営理念
創業当初から掲げる ”しあわせになる家づくり・街づくり”をさらに発展させた新たなスローガンです。 当社に関わる人全てを”まるっとしあわせ”にしたい。そんな思いからの言葉です。
◼ 事業概要
日本中央住販は奈良県に本社を置くハウスメーカー。
創業当時からステークホルダーのみならず、地域に貢献できる企業として成長していきたいという
想いで事業に取り組み、その想いは現在に至るまで変わることはない。
1986年の設立以降、不動産仲介業から始まり、建売分譲、不動産買取、土地造成開発、リフォーム、設計、施工、戸建て賃貸、レストランなど、多岐に亘り事業を拡大。創業から10年で奈良県不動産業売上№1の実績まで成長した。それぞれの事業概要については以下の通りである。
<建売分譲事業>
日本中央住販が目指すのはすべての家族が住むだけでしあわせになる家づくり・街づくりである。家づくりが、顧客一人ひとりのしあわせに繋がることを確信し、『住むだけでしあわせになる家』を届けている。
同社は『住むだけでしあわせになる家』を実現するためには何より健康であることが大切であるという思いから、同社では独自に『健康家族宣言』を実施している。具体的には、①心の健康、②体の健康、③地域・地球の健康を掲げ、家づくりに取り組んでいる。
1.心の健康
家族が繋がる暮らしと経済不安が解消できる家づくりを提案している。
『住まいづくり』とは単に建物を形にするだけではなく、家族のコミュニケーションを創るものと定義しており、どこにいても家族の温度を感じ、心が繋がる家づくりを提供している。具体的に日本中央住販では
、建売分譲について「リビングイン階段・吹抜け」を標準基準として採用している。また、新築後の経済不安を解消するため
専門家によるFP相談を実施している。
2.体の健康
日本中央住販では健康に配慮した高気密・高断熱住宅で快適な暮らしを提供している。具体的には冬のヒートショックや夏の熱中症といった健康問題の解消に向け、高気密・高断熱住宅の普及に取り組んでいる。
高気密住宅の普及に向け、同社では2023年10月以降全棟で気密測定を行っている。その結果、気密性能を表すC値について、一般的に1.0cm²/m²を切る程度の住宅であれば気密性が高いと判断される中、同社では保証値を0.5cm²/m²に設定している。尚、最高で0.1cm²/m²を達成した実績も ある。
また、同社は、水から生まれた環境にやさしい断熱材「アクアフォーム」を使用している。
「アクアフォーム」は、硬質ウレタンフォームの特性を活かし、水を使って現場で発泡させる断熱材であり、無数の細かい連続気泡の中に多量の空気を含んでいるため、環境にやさしく、かつ他の断熱材と比べて優れた断熱性能と気密性を発揮できる。このような技術を活かすことで、同社の提供する住居は断熱等級5以上のZEH基準が標準基準となっており、高気密・高断熱で一年中心地よい室内環境を実現している。
他にも新鮮で清潔な空気を室内に取り入れられるよう換気にも工夫することで、健康配慮を求める顧客へ最適な住まいを届けている。
「アクアフォーム」吹付の様子。地球にやさしいウレタンフォーム素材として開発された。
3.地域・地球の健康
同社の断熱・気密測定の様子。スキマのない家で高い気密性・断熱性を実現している。
日本中央住販が手掛ける新築分譲プロジェクトでは、顧客が安全に暮らせる街づくりを目指している。具体的には区画を多く取ることに拘るのではなく、車両の回転スペースを有効に取ることで、子供達が安全に暮らせる街づくりを進めている。
また、同社では気候変動対応にも積極的に取り組んでいる。
同社が提供する住居は▇▇▇パネル6.64kWを標準採用しており、それに伴って、一般家庭において平均80.0%のCO₂排出量削減の効果がある。
日本中央住販が提供する住宅の一例
出所:同社会社案内
<不動産仲介事業>
日本中央住販では、住替えや相続対策といった顧客のあらゆるニーズにワンストップで対応できるよう、不動産仲介事業にも力を入れている。
同社では顧客が家を買う時、本当に求める住まいを的確に導き出し、最適かつ最新の情報を提供することで、顧客が理想の住宅を手に入れる環境を構築している。
また、顧客が不動産を売却する時にも、顧客其々の要望に柔軟に対応し、確実な売却を約束するだけではなく、買取保証制度も提供することで、顧客の満足する不動産売買を実現している。
<不動産賃貸事業>
日本中央住販では、収益基盤の一つとして自社で賃貸物件を保有し、その中で『ハートフルスイー
ツ』は自社ブランドとして展開している。
同社保有の物件は、関西の四季折々の美しい景色と、豊かな自然環境を楽しむことができる立地が多く、入居者には高層階からの眺望と共に、快適な暮らしを提供している。
<レストラン事業>
日本中央住販は、不動産事業の他、外食部門にも参入している。同社が展開するレストラン事業では、快適な住空間を提供するノウハウを活かし、上質な食体験を実現している。
【板前焼肉 一】
仕入に拘った最上級クラスの国産黒毛和牛
(A5クラス以上)を一頭丸ごと仕入し、リブロースといった高級部位などの希少部位も提供している。不動産事業を活かし、古民家創りの趣ある個室空間で贅沢なひと時を提供している。
【ベビーフェイス】
コンセプトは「毎日がハレの日」。
くつろぎや癒し、楽しさを感じる時間を創ることを大切にしている。何より「手作りで作りたて」であることが大切であると考え、常に「前来たときよりも、今日の方が美味しい」の言葉をもらえることを目指している。
◼ 環境、社会、経済への取組
日本中央住販は事業を通じて環境・社会活動等に積極的に取り組んでいる。いずれも地域社会や地
域住民の課題やニーズを捉えたものである。
①環境への取組
⮚ ZEH住宅の普及
日本中央住販はZEH住宅の普及により温室効果ガス排出量の削減に取り組んでいる。具体的には 2025年度ZEH普及率90%の達成を目標に営業活動を行っている。また、単にZEHの基準を満たすだけでなく、「体・心・地域(地球)」の健康を実現する「健康家族宣言」をコンセプトに、「リビング階段」や「吹抜け」の標準仕様にも対応し、開放的で繋がりのある住まいづくりを実現を目指している。
同社のZEH住宅はより高い断熱性能を推奨する「HEAT20 G1」水準をクリアする事で、省エネ性
・快適性が大幅にアップするだけでなく、断熱性を高める事で「寒さ」や「部屋の温度差」をやわら
げて健康な家づくりが可能となっている。
また、同社では、ZEHの基準を超える高断熱・高気密性能、換気性能、防災性能、省エネ性能を高い水準で実現し、住む人の健康にも配慮した高性能住宅の建築件数の増加を目指している。
他にも、同社が提供する住宅は、全戸ZEH基準を超える断熱性能を確保し、ヒートショックのない家族が健康に過ごせる家を実現すると共に、暖房や冷房で使用する電力の全てを自家発電で賄うことができる。自然災害発生時においても、高い耐震性能や災害時の電気使用を可能とする再生可能エネルギー自給率100%を実現する住居の建築にも積極的に取り組んでいる。
⮚ ハチドリ電力の利用
日本中央住販では、社内電力の自然エネルギー化に向け、本社や各店舗の電気をハチドリ電力へ切り替えることで、再生可能エネルギーの普及活動に取り組み、持続可能な社会づくりに貢献している。
(※)ハチドリ電力とは、CO₂ゼロの実質自然エネルギー 100%プランのみを販売する電力サービス。地球にやさしい電気だけでなく、社会問題に取り組むNPOやNGOにお金が回る仕組みを提供
⮚ SBT認定の取得
日本中央住販では環境課題への取組の社内浸透に向け、2022年4月に社内横断型の「サスティナビリティ推進室」を立ち上げし、2022年11月3日にSBT認定を取得した。CO₂排出量を可視化し、年間のCO₂推定削減量や植林効果をホームページ上で公開している。
②社会への取組
⮚ 建築現場で発生する廃材を活用した地域社会への貢献日本中央住販では、建築現場で発生した木材の廃材を
利用し、幼児対象玩具の『積み木』を製作して地元の保
育園に寄付している。このような取組が廃材の削減や地域社会への貢献に繋がっている。
⮚ 障がい者施設への就労支援
日本中央住販では、廃材を利用した「箸置き・スプーン置き」の製作を障がい者施設に依頼し、住宅展示場の来場者へのプレゼントとして使用している。また、桧家久御山展示場のオープン時も同様に、▇▇▇▇の製作を依頼し、来場者への記念品として使用している。このような活動が障がい者への就労支援に繋がり、地域社会の貢献に役立っている。
⮚ 寄付を通じたすべての人への医療機会の提供に向けた取組
日本中央住販では、すべての人に医療環境が届く世界に向け、紹介された顧客が成約の都度、国際医療ボランティア団体のジャパンハートへ一定額の寄付を実施している。
また、同社では人だけではなく、顧客の家族である▇▇▇が住みやすい環境をつくるため、奈良県獣医師会の賛助会員となっている。
⮚ エコキャップ回収プロジェクトへの参加
日本中央住販は、特定非営利活動法人エコキャップ推進協会及び全国障害者援護協会 エコキャップ協会(チャレンジメン本部)のエコキャップ回収プロジェクトに積極的に参加している。
この取組は、環境保護と社会貢献の両面を貢献できる取組であり、小さなキャップを通じて大きな変革を促進するものであり、同社の毎日の行動が持続可能な▇▇にどのように貢献できるかを示し、地球と共生する社会を実現するための一歩を踏み出している。
※エコキャップ回収プロジェクトとは、集まったペットボトルキャップを仕分け・洗浄・破壊し、それをリサイクル会社に売却することで得た売却益を特定非営利活動法人「世界の子供にワクチンを日本委員会」に寄付することで、世界の発展途上国の子どもたちにワクチンを送る活動である。
⮚ 産休・育休取得率100%
日本中央住販では、創業時から女性スタッフの採用を積極的に行っており、性別に関係なく、すべての従業員が活躍できる環境が構築されている。育児と仕事の両立でき、産休・育休の取得率は男女とも100%である。また、育児休暇からの復帰者は、短時間正社員制度の適用を受けることができることで、週40時間以下の勤務・休日の選択など安心して働き続けられる。
⮚ 健康経営優良法人認定取得
日本中央住販では、顧客だけでなく、従業員や地域も含めたすべてのステークホルダーが健康でありたいという思いから健康経営優良法人の認定取得を目指しており、2027年度には健康経営優良法人ブライト500の認定取得に取り組む方針である。
③経済への取組
⮚ 若手従業員の経済的負担の緩和
日本中央住販では、若手社員の奨学金返済にかかる経済的、心理的な負担を和らげることでメンタルヘルスを健やかに保ち、仕事へのモチベーションアップと自己の成長に繋げることを目的に独立行政法人日本学生支援機構の貸与奨学金(第一種奨学金・第二種奨学金)を受けていた従業員に対し、返還金額の一部又は全額を代理で直接返還する制度を構築している。
⮚ 従業員の金融リテラシー向上
日本中央住販は、従業員教育にも力を入れており、各種資格取得の奨励に取り組んでいる。また、今後は、従業員の資産形成にかかる勉強会や金融機関によるセミナーを開催し、従業員の金融リテラシーの向上に向けたサポートを行う方針である。
◼ サステナビリティへの取組
⮚ SDGs宣言
日本中央住販は、SDGsの考え方に賛同し、住宅事業を通じて持続的な社会の実現に貢献したいと考えている。地球や▇▇の子供達の為に、今、できること、次世代に胸を張って誇れる事が何かを考え取り組んでいる。
<日本中央住販 SDGs宣言>
✓ 高性能住宅から生まれる経済的安心とパートナー企業との連携によるライフプランサポートを通して一生涯の安心をお届けします | |
✓ 高性能住宅を普及させることでヒートショックを防止し、家族が健康で長生き出来る基盤を整えます。結果として医療費の削減などを通じて地域へ貢献する事で充実した社会環境作りに貢献することを目標とします | |
✓ 次の世代に緑の地球を維持し温暖化を食い止めるためにもクリーンエネル ギーの活用が重要である為、戸建住宅のエネルギーの在り方にはいち早く取り組み▇▇▇発電の普及にも努めて参りました。今後も継続してクリーンエネルギーの活用と省エネに取り組んで参ります | |
✓ 造り手から使い手までが誇れる「家」を提供するをモットーに地域に密着し た会社として、家創りを通した地域貢献を目指します。大工さんや後継者不 足が深刻な建築業界において協力企業様と共に考え、連携し日本の伝統技術、技法を後世に継承して参ります | |
✓ 自社分譲地開発を通して省エネで自立した街づくりに取り組んできました。高性能なだけではなくエネルギー自給率を高めた街づくりを目指すと共に、何よりも世代を超えて住み続けていける魅力ある街づくりをこれからも考え企画立案、実践して参ります | |
✓ 地域№1企業として廃材を減らす工夫、長寿命で長持ちする事で資源を無駄にしない家づくりを目指します。また、再資源化や天然復帰できる素材の活用を通してつくる責任と使う責任を実現できるよう努めて参ります |
3.包括的分析
PIF原則およびモデル・フレームワークに基づき、株式会社南都銀行が所定のインパクト評価の手続きを実施した。
まず、UNEP FIの定めたインパクト評価ツールを用い、ポジティブ、ネガティブなインパクトエリア・トピックを判定したものが以下となる。
なお、日本中央住販の業種は、国際標準産業分類に基づき「4100 建築物の建設業」「6820 手数料または契約ベースの不動産活動」「6810 所有または賃貸物件を伴う不動産業」「5610 レストランおよびモバイルフードサービス活動」と特定した。
◼ UNEP FIの定めたインパクト評価ツールにより確認したインパクト一覧
国際産業標準分類 (UNEP FIコード) | 事業全体 | 建築物の建設業 | 手数料または契約ベースの不動産活動 | 所有または賃貸物件を伴う不動産業 | レストランおよびモバイルフードサービス活動 | ||||||
4100 | 6820 | 6810 | 5610 | ||||||||
対象事業 | 戸建分譲住宅事業 | 不動産仲介事業不動産売買事業 | 不動産賃貸事業 | 外食レストラン事業 | |||||||
インパクトエリア | インパクトトピック | ポジティブ | ネガティブ | ポジティブ | ネガティブ | ポジティブ | ネガティブ | ポジティブ | ネガティブ | ポジティブ | ネガティブ |
人格と人の安全保障 | 紛争 | ||||||||||
現代奴隷 | |||||||||||
児童労働 | |||||||||||
データプライバシー | |||||||||||
自然災害 | |||||||||||
健康および安全性 | - | ||||||||||
資源とサービスの入手可能性、アクセス可能性、手ごろ さ、品質 | 水 | ||||||||||
食料 | |||||||||||
エネルギー | |||||||||||
住居 | |||||||||||
健康と衛生 | |||||||||||
教育 | |||||||||||
移動手段 | |||||||||||
情報 | |||||||||||
コネクティビティ | |||||||||||
文化と伝統 | |||||||||||
ファイナンス | |||||||||||
生計 | 雇用 | ||||||||||
賃金 | |||||||||||
社会的保護 | |||||||||||
▇▇と▇▇ | ジェンダー平等 | ||||||||||
民族・人種平等 | |||||||||||
年齢差別 | |||||||||||
その他の社会的弱者 | |||||||||||
強固な制度・平和・安定 | 法の支配 | ||||||||||
市民的自由 | |||||||||||
健全な経済 | セクターの多様性 | ||||||||||
零細・中小企業の繁栄 | |||||||||||
インフラ | - | ||||||||||
経済収束 | - | ||||||||||
気候の安定性 | - | ||||||||||
生物多様性と生態系 | 水域 | ||||||||||
大気 | |||||||||||
土壌 | |||||||||||
生物種 | |||||||||||
生息地 | |||||||||||
サーキュラリティ | 資源強度 | ||||||||||
廃棄物 | |||||||||||
◼ 日本中央住販の個別要因を加味したインパクトの特定
「現代奴隷」:戸建分譲住宅事業においてネガティブインパクトが抽出されているが、同社の事業において、強制労働を行うなどということはなく、事業との関連性がないことから削除する。
「児童労働」:外食レストラン事業においてネガティブインパクトが抽出されているが、同社の事業において子どもたちの生活を束縛するような児童労働を行っていないことから削除する。
「自然災害」:戸建分譲住宅事業においてネガティブインパクトが抽出されているが、同社の事業が災害の発生に繋がるものではないことから削除する。
「健康および安全性」:不動産仲介事業・不動産売買事業、不動産賃貸事業でポジティブインパクト全ての事業でネガティブインパクトが抽出されているが、健康的な建物を理由にポジティブインパクトが抽出されておりポジティブインパクトに資する取り組みがないことからポジティブインパクトのみ削除する。
「エネルギー」:戸建分譲住宅事業においてポジティブインパクト、ネガティブインパクトが抽出されているが、同社の事業においてエネルギー節約といったポジティブインパクトに資する取組はあるものの、エネルギーへのアクセスが損なわれる可能性はないことからネガティブインパクトのみ削除する。
「食料」:外食レストラン事業でポジティブインパクトが抽出されているが、同社の事業構成を踏まえると、インパクトは限定的であることから削除する。
「住居」:戸建分譲住宅事業、不動産仲介事業、不動産売買事業、不動産賃貸事業においてポジティブインパクト、不動産仲介事業、不動産売買事業、不動産賃貸事業においてネガティブインパクトが抽出されているが、同社の事業により強制退去が発生するものではなく、手ごろな価格の住宅へのアクセスが阻害されることがないため、ネガティブインパクトを削除する。
「健康と衛生」:不動産仲介事業、不動産売買事業、不動産賃貸事業においてポジティブインパクトが抽出されているが、事業としてヘルスケア関連の提供などがなく、ポジティブインパクトに資する取組がないことから削除する。
「移動手段」:不動産仲介事業、不動産売買事業、不動産賃貸事業においてネガティブインパクトが抽出されているが、同社の事業が混雑の原因になり得るものではないことから削除する。
「文化と伝統」:外食レストラン事業においてポジティブインパクトが抽出されているが、文化遺産等保存の寄与に貢献する事業内容ではないことから削除する。また、戸建分譲事業、不動産仲介事業
、不動産売買事業、不動産賃貸事業においてネガティブインパクトが抽出されているが、文化遺産等の毀損・破壊に該当しないことから削除する。
「賃金」:全事業においてポジティブインパクト、ネガティブインパクトが抽出されているが、資格取得に対するインセンティブを付与するなどポジティブインパクトに資する取組はあるものの、賃金格差や低収入・不規則な収入といったネガティブインパクトには該当しないことから、ネガティブインパクトのみ削除する。
「社会的保護」:不動産仲介事業・不動産売買事業、不動産賃貸事業でポジティブインパクト、全事業でネガティブインパクトが抽出されているが、同社の事業においてポジティブインパクトに資する取組がないことから、ポジティブインパクトのみ削除する。
「ジェンダー平等」:ダイバーシティに係る取組がなされていることから追加する。
「民族・人種平等」:戸建分譲住宅事業においてネガティブインパクトが抽出されているが、外国人も採用しており、外国人に対する配慮も行っていること、また、建設・開発において先住民を追い出すといった人権侵害を行っていないことから削除する。
「その他の社会的弱者」:戸建分譲住宅事業においてネガティブインパクトが抽出されているが、同社内において障がい者を雇用する場合、法定で雇用し、従業員も適切に雇用環境を整えていることから削除する。
「法の支配」:不動産仲介事業・不動産売買事業、不動産賃貸事業においてネガティブインパクトが抽出されているが、同社の事業において違法な資金の流出などはなく同社の事業と関係ないことから削除する。
「インフラ」:戸建住宅事業において抽出されているが、インフラ建設への提供などポジティブインパクトに資する取組がないことから削除する。
「水域」:戸建分譲住宅事業、不動産仲介事業、不動産売買事業、不動産賃貸事業においてネガティブインパクトが抽出されているが、 同社の事業において水域を脅かすような事象の発生がないことから削除する。
「大気」:戸建分譲住宅、不動産仲介事業、不動産売買事業、不動産賃貸事業においてネガティブインパクトが抽出されているが、NOxの排出等はなく、同社の事業との関連性がないことから削除する
。
「土壌」:戸建分譲住宅、不動産仲介事業、不動産売買事業、不動産賃貸事業においてネガティブインパクトが抽出されているが、同社の事業において土壌汚染の発生がなく、事業との関連性がないことから削除する。
「生物種」「生息地」:戸建分譲住宅、不動産仲介事業、不動産売買事業、不動産賃貸事業においてネガティブインパクトが抽出されているが、同社の行っている事業内容と関連性がないことから削除する。
各インパクトエリア・トピックに対して、ポジティブインパクトの増大やネガティブインパクトの低減に貢献すべき活動内容を確認すると共に、SDGsのゴール及びターゲットへの対応関係についても併せて評価した。
特定したインパクト一覧
インパクトエリア・トピック | ポジティブ | ネガティブ |
健康および安全性 | ● | |
エネルギー | ● | |
住居 | ● | |
教育 | ● | |
雇用 | ● | |
賃金 | ● | |
社会的保護 | ● | |
ジェンダー平等 | ● | |
零細・中小企業の繁栄 | ● | |
気候の安定性 | ● | |
資源強度 | ● | |
廃棄物 | ● |
各インパクトエリア・トピックに対して、ポジティブインパクトの増大やネガティブインパクトの低減に貢献すべき活動内容を確認すると共に、SDGsのゴール及びターゲットへの対応関係についても併せて評価した。
◼ インパクトに係る戦略的意図やコミットメント
インパクトとPIF原則及びモデル・フレームワークにより特定したインパクトの項目の関連は以下になる。
№ | インパクト | 特定したインパクトの項目 |
① | 温室効果ガス削減への取組 | ポジティブインパクト「エネルギー」「住居」ネガティブインパクト「気候の安定性」 |
② | 仕事と生活の調和を図り働きやすい雇用環境を整備する | ポジティブインパクト「雇用」 ネガティブインパクト「健康および安全性」 「社会的保護」 |
③ | ダイバーシティ&インクルージョンへの取組 | ポジティブインパクト「雇用」 ネガティブインパクト「ジェンダー平等」 |
➃ | 各種資格取得奨励への取組 | ポジティブインパクト「教育」「賃金」 |
⑤ | 協力会社との連携及びBCP対策の実施 | ポジティブインパクト「零細・中小企業の繁栄」 ネガティブインパクト「健康および安全性」 |
⑥ | 最終廃棄物削減とペーパレス化の促進 | ネガティブインパクト「資源強度」「廃棄物」 |
4.KPIの決定
日本中央住販の事業活動が社会・社会経済・自然環境に影響を与えるインパクトについて、重点目標に基づく取り組みと指標を設定した。以下がその要約となる。
テーマ | 内容 | KPI | SDGs |
温室効果ガス削減への取組 | • ZEH住宅の標準化に取り組み、快適な室内空間を維持しつつ 省エネを実現 • LCCM住宅認定取得に取り組む • SBT認定に基づいたCO₂排出削減量の可視化 • 営業用車両を全て電気自動車に入れ替えCO₂排出量を削減する | • ZEH住宅の標準化として、ZEH住宅普及率目標を2025 年度 90%とし将来的に100%にする • 2030 年度までにLCCM 認定を取得する • CO₂排出削減量を毎年5%削減 する • 2030年度までに電気自動車導入率100%を目指す | |
仕事と生活の調和を図り働きやすい雇用環境を整備する | • 仕事と家庭の両立を目的に 「育児休暇・病気やけがによる休暇」を取得しやすい環境づくりを行うとともに、男性の育児休暇取得を促す • 残業時間については、法令遵守はもとより多能工化やDX化による業務の効率化を進め残業自体の発生を抑制する • 年次有給休暇取得促進を目的に全社一斉の休暇日設定と記念日休暇を設定し有給休暇の取得を促進する • 全社員が定期健康診断を受診 し、健康の保持増進に努める • 上記取組を通じて、最終的に 「健康経営優良法人ブライト 500」認定を取得する • 「プラチナ▇▇▇ん認定」取得を目指し、誰もが働きやすい職場環境の創出に取り組む | • 男性の育児休暇取得率100%を維持する • 2030年度に一人当たり平均残業時間を 30 時間以内とする (2023年度実績38時間) • 2030年度に年次有給休暇の1人当たり平均取得日数を12日以上とする • 2027年度までに「健康経営優良法人ブライト500」認定を取得し以降認定を維持する • 2030年度までに「プラチナ▇▇▇ん」認定を取得する | |
ダイバーシティ &インクルー ジョンへの取組 | • ジェンダーなどにとらわれない従業員採用、管理職登用を行う • 管理職研修の実施を強化する | • 2030年度までに女性管理職比率を20%にする • 2030年度までに女性採用比率 50%を目指す • 管理職研修を強化し年間2回、 2日間以上実施する |
テーマ | 内容 | KPI | SDGs |
各種資格取得奨 励への取組 | • 管理職全員に対しメンタルヘルスマネジメントⅡ種の取得を推奨する • 各種資格取得者に対する報奨制度を整え、各種資格取得に対する報奨金を交付する | • 2030年度までに管理職におけるメンタルヘルスマネジメント Ⅱ 種 取 得 率を 100% に す る (2023年度実績:4%) • 2030年度までに以下の資格について保有者数の目標を設定し実現を目指す 1級建築士 :5名 2級建築士 :15名 2級施工管理技士:10名▇▇▇ :30名 | |
協力会社との連携及びBCP対策の実施 | • 月に1回協力会社と「安全衛生協議会」を開催し安全に関する情報共有を図るともに労災事故発生を抑制、技術面でのスキルアップに取り組む • 同社社員と協力会社社員が一 緒になって現場巡回を実施し、労災事故発生を防止する • BCP計画を策定するともに、災害や緊急時の事業継続対応・普及計画の策定と訓練を実施する | • 月に1回協力会社と「安全衛生協議会」を開催する • 月に1回協力会社の社員と現場巡回を実施し、労災事故発生件数0件を目指す • 2024年中にBCPを作成し、毎年1回災害や緊急時を想定した訓練を実施する | |
最終廃棄物削減とペーパレス化の促進 | • 契約書、受発注書、施工図面、来店受付、カタログなどの書類について、電子化を進め ペーパレスを促進する • プラスチック・スマート活動に賛同し、エコキャップを回収 • オリジナル「マイバック」を作成し契約者へ手交し、レジ袋使用量を削減するとともに地域社会にも広く普及させる | • 2030年度に紙の使用量を2023 年度比15%削減する (2023年度実績2,050㎏) • 契約者に対する「マイバック」の交付率100%を維持する |
項目 | 内容 |
インパクトの種類 | ポジティブインパクト・ネガティブインパクト |
インパクトエリア・トピック | ポジティブインパクト「エネルギー」「住居」ネガティブインパクト「気候の安定性」 |
影響を与えるSDGsの目標 |
|
内容・対応方針 | • ZEH住宅の標準化に取り組み、快適な室内空間を維持しつつ省エネを実現 • LCCM住宅認定取得に取り組む • SBT認定に基づいたCO₂排出削減量の可視化 • 営業用車両を全て電気自動車に入れ替えCO₂排出量を削減する |
毎年モニタリングする目標と KPI | • ZEH住宅の標準化として、ZEH住宅普及率目標を2025年90%とし将来的に100%にする • 2030年度までにLCCM認定を取得する • CO₂排出削減量を毎年5%削減する • 2030年度までに電気自動車導入率100%を目指す |
◼ ポジティブインパクトとネガティブインパクトの内容温室効果ガス削減への取組
日本中央住販では、創業35周年を迎えた2021年4月に全社員でSDGs(持続可能な開発目標)の達成に力を入れることを宣言し、達成に向けて様々な取組を行っている。
まずは、ZEH住宅の普及についてである。日本中央住販では、顧客へZEH住宅を提案しZEH住宅を建築してもらうことで、顧客宅から排出される温室効果ガスを削減し、最終的に地球全体の温室効果ガス排出削減を図りたいと考えている。同社が提案するZEH住宅では、6.64kWの▇▇▇発電システムの標準採用をはじめ、EVコンセントの標準装備、断熱性能の高い材料の使用を標準的に行っている。特に断熱性能に関しては、断熱等級5以上のZEH基準を社内標準基準とし、水から生まれた環境にやさしい断熱材「アクアフォーム」という硬質ウレタンを使用することで高気密・高断熱な「スキマのない家」を顧客へ提供している。 今後もZEHの基準を超える高断熱・高気密性能、換気性能、防災性能、省エネ性能を高い水準で実現するとともに、安全かつ適切で手頃な価格の住宅とするために更なる企業努力を行う方針である。日本中央住販では、住む人の健康に配慮した高性能住宅の建築件数を増加させるため、同社独自でZEH普及目標を設定し、環境に配慮した住宅の建築件数の増加を目指している。
【ZEH普及率推移】
2021年度実績 | 2022年度実績 | 2023年度見込 | 2024年度目標 | 2025年度目標 | 2026年度以降目標 |
1% | 17.8% | 50.4% | 80% | 90% | 100% |
ZEH普及率=ZEH仕様物件/全物件×100
<ご参考>
2023年度ZEH普及率= ZEH仕様物件 74棟/全物件147棟 ×100≒50.4%
また、2030年度までに住宅の長い寿命の中で、建設時、運用時、廃棄時において、出来るだけ省 CO₂に取り組み、さらに▇▇▇発電などを利用した再生可能エネルギーの創出により、住宅建設時の CO₂排出量も含めライフサイクルを通じてのCO₂の収支をマイナスにする住宅である「LCCM認定」を取得し、LCCM認定を取得した住宅を普及させ、顧客宅から排出されるCO₂排出量を更に削減することで温室効果ガスの排出削減に寄与する方針を示している。
次にSBT認定に基づいたCO₂排出削減量の可視化についてである。日本中央住販では、温室効果ガス排出削減目標を科学的に立てていることを示す国際基準である「SBT認定」取得に取り組み、 2022年11月3日に認定を取得している。また同社では、独自にCO₂排出量の目標を定め取り組んでおり、2023年度比で毎年5%削減することを方針を示している。
【CO₂排出量の推移(単位:㎏)】
2022年度実績 | 2023年度実績 | 2024年度目標 | 2025年度目標 | 2026年度目標 | 2027年度目標 | 2028年度目標 | 2028年度目標 | 2029年度目標 |
291,035 | 262,384 | 250,000 | 230,000 | 210,000 | 190,000 | 180,000 | 170,000 | 150,000 |
※CO₂排出量は、「水道(水)、電気、ガス、ガソリン、軽油のうち、水道(水)を抜いた数値で目標値を設定
加えて、2030年度までに営業用車両を電気自動車に入れ替え、導入率100%を目指すことでCO₂の
排出量削減にも取り組む方針を示している。
【電気自動車導入実績推移】
2022年度実績 | 2023年度目標 | 2024年度目標 | 2025年度目標 | 2026年度目標 | 2027年度目標 | 2028年度目標 | 2029年度目標 | 2030年度目標 | |
営業車両 | 20台 | 21台 | 21台 | 21台 | 21台 | 21台 | 21台 | 21台 | 21台 |
内電気自動車台数 | 4台 | 5台 | 6台 | 7台 | 8台 | 12台 | 15台 | 18台 | 21台 |
電気自動車導入率 | 20% | 24% | 29% | 33% | 38% | 57% | 71% | 85% | 100% |
仕事と生活の調和を図り働きやすい雇用環境を整備する
項目 | 内容 |
インパクトの種類 | ポジティブインパクト・ネガティブインパクト |
インパクトエリア・トピック | ポジティブインパクト「雇用」 ネガティブインパクト「健康および安全性」「社会的保護」 |
影響を与えるSDGsの目標 |
|
内容・対応方針 | • 仕事と家庭の両立を目的に「育児休暇・病気やけがによる休暇」を取得しやすい環境づくりを行うとともに、男性の育児休暇取得を促す • 残業時間については、法令遵守はもとより多能工化やDX化による業務の効率化を進め残業自体の発生を抑制する • 年次有給休暇取得促進を目的に全社一斉の休暇日の設定と記念日休暇を設定し有給休暇の取得を促進する • 全社員が定期健康診断を受診し、健康の保持増進に努める • 上記取組を通じて、最終的に「健康経営優良法人ブライト 500」認定を取得する • 「プラチナ▇▇▇ん認定」取得を目指し、誰もが働きやすい職場環境の創出に取り組む |
毎年モニタリングする目標と KPI | • 男性の育児休暇取得率100%を維持する • 2030 年度に一人当たり平均残業時間を30 時間以内とする (2023年度実績38時間) • 2030年度に年次有給休暇の1人当たり平均取得日数を12日以上とする • 2027年度までに「健康経営優良法人ブライト500」認定を取得し以降認定を維持する • 2030年度までに「プラチナ▇▇▇ん」認定を取得する |
日本中央住販では、「仕事と家庭の両立を支援し誰もが働きやすい職場環境を創出したい」との思いから、仕事と家庭を両立できる仕組みを整えている。この仕組みでは、「育児休暇・病気やけがによる休暇」を取得しやすい環境づくりを行うと共に、休業・休職中の社員の職場復帰がスムーズに進むよう、定期的に社内情報の共有等を行っている。特に男性の育児休暇については、100%取得を維持する方針を示しているが、これは同時に周囲の社員に対して仕事と育児の両立の理解を促進させる効果があると同社では考えている。このような取組により、誰もが働きやすい職場環境の創出を行う方針を示している。
【男性育児休暇取得実績】
2022年度実績 | 2023年度実績 | 2024年度目標 | 2025年度目標 | 2030年度目標 | |
男性の育児休暇取得率 | 対象なし | 33% | 100% | 100% | 100% |
残業時間については、法令遵守(36協定の遵守)はもとより、人事担当者が残業時間の多い社員に対して聞き取り調査を行い、その情報を上司と共有し平準化を図る施策を実行している。最近では
、建築現場において360度カメラを配置し、現場外からも現場の作業者へ指示が出せるような体制を整え、時間外労働抑制に向けて取り組んでいる。
健康や社会的保護の取組としては、同社社員に対し有給休暇の取得促進を促している。法令遵守はもとより、全社一斉の休暇日設定と社員の誕生日や結婚記念日など社員とその家族にとっての記念日に休暇を取得してもらうため記念日休暇を設定するなど、誰もが有給休暇を取得しやすい環境づくりを行っている。このような取組を継続し、2030年度までに年次有給休暇の取得日数を1人当たり平均12日以上取得することを目標に定めている。
【年次有給休暇の1人当たり平均取得日数の推移】
年度 | 2022年度実績 | 2023年度実績 | 2024年度目標 | 2025年度目標 | 以降2030年度までの目標 |
平均取得日数 | 8日 | 8日 | 10日 | 10日 | 12日 |
また全社員の健康保持・増進を目的とした定期健康診断の受診促進をはじめ、健康経営を実践している企業が認定を受けられる「健康経営優良法人ブライト500」の認定の取得や、次世代育成支援対策推進法に基づく、子育てサポート企業としての認定である「プラチナ▇▇▇ん認定」の取得を通じて、誰もが安心・安全に働き続けられる職場環境の創出に取り組んでいる。
ダイバーシティ&インクルージョンへの取組
項目 | 内容 |
インパクトの種類 | ポジティブインパクト・ネガティブインパクト |
インパクトエリア・トピック | ポジティブインパクト「雇用」 ネガティブインパクト「ジェンダー平等」 |
影響を与えるSDGsの目標 |
|
内容・対応方針 | • ジェンダーなどにとらわれない従業員採用、管理職登用を行う • 管理職研修の実施を強化する |
毎年モニタリングする目標と KPI | • 2030年までに女性管理職比率を20%にする • 2030年までに女性採用比率50%を目指す • 管理職研修を強化し年間2回、2日間以上実施する |
日本中央住販では、社内に異なる経験・技術・属性が存在することにより多様な視点や価値観が生まれることは、会社の持続的な成長を確保するうえでの強みになるとの認識に立ち、社内における女性活躍、様々な職歴のキャリア採用などの施策を通じて、多様性の確保を推進している。
従業員の管理職登用については、能力、実績等を評価し、性別にとらわれず評価を実施しているものの、現時点では女性の管理職比率は十分ではないとの認識を持っている。今後も優秀な人材については、性差にとらわれず管理職への登用を積極的に進める方針である。また管理職に対しては、研修を強化するとともに、「管理職としての心構え」や「部下との接し方」などをテーマに年間2回、2日間以上研修を実施する方針を示している。
【女性管理者・女性採用実績】
2021年度実績 | 2022年度実績 | 2023年度実績 | 2024年度目標 | 2025年度目標 | 2030年度目標 | |
女性管理職比率 | 3% | 4% | 7% | 10% | 15% | 20% |
女性採用比率 | 17.6% | 40% | 50% | 50% | 50% | 50% |
各種資格取得奨励への取組
項目 | 内容 |
インパクトの種類 | ポジティブインパクト |
インパクトエリア・トピック | ポジティブインパクト「教育」「賃金」 |
影響を与えるSDGsの目標 |
|
内容・対応方針 | • 管理職全員に対しメンタルヘルスマネジメントⅡ種の取得を推奨する • 各種資格取得者に対する報奨制度を整え、各種資格取得に対する報奨金を交付する |
毎年モニタリングする目標と KPI | • 2030年度までに管理職におけるメンタルヘルスマネジメント Ⅱ種取得率を100%にする(2023年度実績:4%) • 2030年度までに以下の資格について保有者数の目標を設定し実現を目指す 1級建築士 :5名 2級建築士:15名 2級施工管理技士:10名 ▇▇▇ :30名 |
近年、仕事や職業生活に強い不安や悩み、ストレスを抱える人が増加傾向にあり、心の不調による休職や離職が増加している。日本中央住販では、働く人たちがその持てる能力を発揮し、仕事や職場で活躍するためには、心の健康管理(メンタルヘルス・マネジメント)への取り組みが重要であると考えている。同社としては、社員のメンタルヘルスケアについて組織的かつ計画的に取り組むために管理職全員が「メンタルヘルスマネジメントⅡ種」の資格を取得する。
また、その他にも各種資格取得を促すと共に、資格取得者に対しては報奨金を出す制度の構築を進めている。その中でも特に1級建築士、2級建築士、2級施工管理技士、▇▇▇については、同社の事業継続の観点からも重要な資格と捉え、資格取得者へは報奨金を交付すると共に、資格手当を加算している。
【各種取得の取得状況と目標値の推移】
2023年度実績 | 2025年度目標 | 2030年度目標 | |
1級建築士 | 1名 | 2名 | 5名 |
2級建築士 | 9名 | 12名 | 15名 |
2級施工管理技士 | 3名 | 5名 | 10名 |
▇▇▇ | 18名 | 20名 | 30名 |
協力会社との連携及びBCP対策の実施
項目 | 内容 |
インパクトの種類 | ポジティブインパクト・ネガティブインパクト |
インパクトエリア・トピック | ポジティブインパクト「零細・中小企業の繁栄」ネガティブインパクト「健康および安全性」 |
影響を与えるSDGsの目標 |
|
内容・対応方針 | • 月に1回協力会社と「安全衛生協議会」を開催し安全に関する情報共有を図るともに労災事故発生を抑制、技術面でのスキルアップに取り組む • 同社社員と協力会社社員が一緒になって現場巡回を実施し、労災事故発生を防止する • BCP計画を策定するともに、災害や緊急時の事業継続対応・普及計画の策定と訓練を実施する |
毎年モニタリングする目標と KPI | • 月に1回協力会社と「安全衛生協議会」を開催する • 月に1回協力会社の社員と現場巡回を実施し、労災事故発生件数0件を目指す • 2024年中にBCPを作成し、毎年1回災害や緊急時を想定した訓練を実施する |
日本中央住販売では、月に1回協力会社と「安全衛生協議会」を開催している。協議会では、現場で発生したヒヤリ・ハットや他社で発生した労災事故事例を共有し労災事故発生防止に努めている。また同会議では、協力会社と相互に技術面でのスキルアップを図るため、技術の共有を図っている。本会議の内容は、同社社内でも共有し、労災事故発生抑止に向けた注意喚起を行うと共に、技術面において社員のスキルアップに役立てている。
また併せて、月に1回協力会社の社員とともに、現場巡回を実施している。現場巡回では、現場作業者の安全確保の観点から改善点を洗い出し、すぐに改善を行うことで、労災発生を未然に防止している。
BCPについては、近年災害や緊急時を想定したBCP計画の策定が推奨されているが、現時点で同社はBCPプランの作成はできていない。しかしながら、BCP計画策定が、緊急時にも業務を滞らせず円滑な事業運営が行えるものであること、最終的にサプライチェーンにおける零細・中小企業の繁栄にも貢献できるものであることと判断し、現在サステナビリティ推進室が中心となりBCPマニュアル作成に向けた取り組みを始め、本計画終了時までにBCPを作成する方針を示している。
最終廃棄物削減とペーパレス化の促進
項目 | 内容 |
インパクトの種類 | ネガティブインパクト |
インパクトエリア・トピック | ネガティブインパクト「資源強度」「廃棄物」 |
影響を与えるSDGsの目標 | |
内容・対応方針 | • 契約書、受発注書、施工図面、来店受付、カタログなどの書類について、電子化を進めペーパレスを促進する • プラスチック・スマート活動に賛同し、エコキャップを回収 • オリジナル「マイバック」を作成し契約者へ手交し、レジ袋使 用量を削減するとともに地域社会にも広く普及させる |
毎年モニタリングする目標と KPI | • 2030年度に紙の使用量を2023年度比15%削減する (2023年度実績2,050㎏) • 契約者に対する「マイバック」の交付率100%を維持する |
日本中央住販では、社内資料のDX化を進めその一環としてペーパレス化に取り組んでいる。具体的には、不動産契約に係る契約書・保証書をクラウド上で電子化、受発注伝票、施工図面の授受、来店受付をQRコード受付とし書面受付の廃止、電子カタログの使用である。現在同社では、その他にも廃棄物削減の観点からDX化で解決できることがないのか、洗い出し作業を行っている。今後社内のDX化を更に進め、最終的には社内資料の完全ペーパレス化を目指すことで、自社の廃棄物削減を行う方針を示している。
プラスチック・スマート活動については、社員全体がプラスチックごみが海洋環境に及ぼす影響を理解しプラスチックごみ自体の排出を抑制すると共に、ペットボトルキャップをワクチンへかえる取組(特定非営利活動法人エコキャップ推進協会及び全国障害者援護協会 エコキャップ協会が実施)に積極的に参加している。具体的には、同社内や建築現場で発生するペットボトルキャップを積極的に回収している。今後は、同社内だけの取組に留めることなく、協力会社や顧客にもこの取組に賛同してもらうことで、エコキャップの回収を増やしていく方針である。
また「マイバック」については、住宅建築を契約した顧客へ無料配布し、ショッピングバッグとしての使用を推奨している。今後も契約した全ての顧客へ「マイバック」の交付を継続することでプラスチックごみの排出量削減に貢献する方針である。
【紙の使用量実績推移】
2022年度実績 | 2023年度実績 | 2024年度目標 | 2025年度目標 | 2026年度目標 | 2030年度目標 | |
紙の使用量 | 2,480kg | 2,050kg | 2,000kg | 1,900kg | 1,800kg | 1,700kg |
5.インパクトの種類、SDGs、貢献分類、影響を及ぼす範囲
日本中央住販の事業活動は、SDGsの17のゴールと169のターゲットに以下のように関連している。
温室効果ガス削減への取組
SDGsの17目標 | ターゲット | 内容 |
7.3 | 2030年までに、世界全体のエネルギー効率の改善率を倍増させる。 | |
9.4 | 2030年までに、資源利用効率の向上とクリーン技術及び環境に配慮した技術・産業プロセスの導入拡大を通じたインフラ改良や産業改善により、持続可能性を向上させる。全ての国々は各国の能力に応じた取組を行う。 | |
11.6 | 2030年までに、大気の質及び一般並びにその他の廃棄物の管理に特別な注意を払うことによるものを含め、都市の一人当たりの環境上の悪影響を軽減する。 | |
13.1 | 全ての国々において、気候関連災害や自然災害に対する強靱性(レジリエンス)及び適応の能力を強化する。 |
期待されるターゲットの影響:ZEH住宅の推進により、快適な室内空間を維持しつつ温室効果ガスの排出量削減に貢献する。
仕事と生活の調和を図り働きやすい雇用環境を整備する
SDGsの17目標 | ターゲット | 内容 |
3.4 | 2030年までに、非感染性疾患による若年死亡率を、予防や治療を通じて3分の1減少させ、精神保健及び福祉を促進する。 | |
8.8 | 移住労働者、特に女性の移住労働者や不安定な雇用状態にあ る労働者の権利を保護し、安全・安心な労働環境を促進する。 |
期待されるターゲットの影響:全ての年代、性別などの社員が生きいきと働き続けられる職場づくりを通じて、地域の発展に貢献する。
ダイバーシティ&インクルージョンへの取組
SDGsの17目標 | ターゲット | 内容 |
5.5 | 政治、経済、公共分野でのあらゆるレベルの意思決定において、完全かつ効果的な女性の参画及び平等なリーダーシップの機会を確保する。 | |
10.2 | 2030年までに、年齢、性別、障害、人種、民族、出自、宗教、あるいは経済的地位その他の状況に関わりなく、すべての人々の能力強化及び社会的、経済的及び政治的な包含を促進する。 |
期待されるターゲットの影響:ジェンダーにとらわれない従業員採用、管理職採用を実現し、ダイバーシティ&インクルージョンに取り組むことの有用性を啓発する。
各種資格取得奨励への取組
SDGsの17目標 | ターゲット | 内容 |
4.4 | 2030年までに、技術的・職業的スキルなど、雇用、働きがいのある人間らしい仕事及び起業に必要な技能を備えた若者と成人の割合を大幅に増加させる。 | |
8.2 | 高付加価値セクターや労働集約型セクターに重点を置くことなどにより、多様化、技術向上及びイノベーションを通じた高いレベルの経済生産性を達成する。 |
期待されるターゲットの影響:誰もが資格取得にチャレンジしてもらうとともに、誰もが質の高い教育が受けられるようにすることに貢献する。
協力会社との連携及びBCP対策の実施
SDGsの17目標 | ターゲット | 内容 |
3.4 | 2030年までに、非感染性疾患による若年死亡率を、予防や治療を通じて3分の1減少させ、精神保健及び福祉を促進する。 | |
8.2 | 高付加価値セクターや労働集約型セクターに重点を置くことなどにより、多様化、技術向上及びイノベーションを通じた高いレベルの経済生産性を達成する。 |
期待されるターゲットの影響:技術向上を通じて経済成長に寄与すると共に、気候変動による災害等が発生しても影響を軽減し早期に事業が再開できるよう教育啓発、人的能力、制度機能を拡充することに貢献する。
最終廃棄物削減とペーパレス化の促進
SDGsの17目標 | ターゲット | 内容 |
12.4 12.5 | 2020年までに、合意された国際的な枠組みに従い、製品ライフサイクルを通じ、環境上適正な化学物質や全ての廃棄物の管理を実現し、人の健康や環境への悪影響を最小化するため、化学物質や廃棄物の大気、水、土壌への放出を大幅に削減する。 2030年までに、廃棄物の発生防止、削減、再生利用及び再利用により、廃棄物の発生を大幅に削減する。 |
期待されるターゲットの影響:ペーパレス化への取組やプラスチックごみの排出量削減を通じて、廃棄物発生の削減に貢献する。
6.サステナビリティ経営体制(推進体制、管理体制、実績)
本ポジティブインパクトファイナンスに取り組むにあたり、日本中央住販では、安井利次代表取締役社長を最高責任者とし、事業活動とインパクトレーダー、SDGsとの関連性、KPIの設定について検討を重ね、取組内容の抽出を行っている。本ポジティブインパクトファイナンス実行後においても、社員一人一人が目標達成に向けて取り組み、社会的な課題の解決への貢献とともに持続的な経営の実現を目指していく。各KPIはサステナビリティ推進室が統括し達成度合いをモニタリングしていく。
日本中央住販では下記推進体制の構築により、地域における社会的課題や環境問題にも積極的に取り組み、国内をリードしていく企業を目指す。バリューチェーンの観点では、環境汚染や人権問題等に配慮された調達・製造・販売・使用・処分を行なうことが責務であるとの認識のもと、環境・健康配慮を徹底した事業展開を実施していく。
株式会社日本中央住販の最高責任者 | 代表取締役社長 安井利次 |
株式会社日本中央住販のモニタリング担当者 | サステナビリティ推進室 室長 佐藤 仁 |
担当部 | サステナビリティ推進室 |
7.南都銀行によるモニタリングの頻度と方法
本ポジティブインパクトファイナンスで設定したKPIの達成及び進捗状況については、南都銀行と日本中央住販の担当者が定期的に会合の場を設け、共有する。会合は少なくとも年に1回実施するほか、日頃の情報交換や営業活動の場等を通じて実施する。
具体的には決算が3月のため、6月に関連する資料を南都銀行が受領し、モニタリングとなる指標についてフィードバック等のやりとりを行う。南都銀行は、KPI達成に必要な資金及びその他ノウハウの提供、あるいは南都銀行の持つネットワークから外部資源とマッチングすることで、KPI達成をサポートする。
モニタリング方法 | 対面、Web会議等、モニタリング方法の指定はない定例訪問などを通じて情報交換を行う |
モニタリングの実施時期、頻度 | 毎年6月に、年1回程度実施する |
モニタリングした結果のフィードバック方法 | KPI等の指標の進捗状況を確認する 必要に応じてKPI達成のために必要なノウハウの提供、外部資源とのマッチングを検討するなど、KPI達成をサポートする |
以上
本評価書に関する重要な説明
1. 本評価書は、南都銀行がポジティブ・インパクト・ファイナンスを実施する日本中央住販から供与された情報と、同社へのインタビューなどで収集した情報に基づく、現時点での計画または状況に対する評価で、将来におけるポジティブな成果を保証するものではありません。
2. 本評価を実施するに当たっては、国連環境計画金融イニシアティブ(UNEP FI)が提唱した
「ポジティブ・インパクト金融原則」に適合させるとともに、ESG金融ハイレベル・パネル設置要綱第2項(4)に基づき設置されたポジティブインパクトファイナンスタスクフォースがまとめた「インパクトファイナンスの基本的考え方」に整合させながら実施しています。なお株式会社日本格付研究所から、本ポジティブ・インパクト・ファイナンスに関する第三者意見書の提供を受けています。
<本件に関するお問い合わせ先>株式会社南都銀行
法人ソリューション部
上席プランマネージャー 檀上 和也
〒630-8677
奈良県奈良市橋本町16
TEL:0742-27-1558 FAX:0742-27-8815
第三者意見書
2024 年 5 月 27 日株式会社 日本格付研究所
評価対象: 株式会社日本中央住販に対するポジティブ・インパクト・ファイナンス |
貸付人:株式会社南都銀行 |
評価者:株式会社南都銀行 |
第三者意見提供者:株式会社日本格付研究所(JCR) |
結論:
本ファイナンスは、国連環境計画金融イニシアティブの策定したポジティブ・インパクト・ファイナンス原則に適合している。
また、環境省の ESG 金融ハイレベル・パネル設置要綱第 2 項(4)に基づき設置さ
れたポジティブインパクトファイナンスタスクフォースがまとめた「インパクトファイナンスの基本的考え方」と整合的である。
I. JCR の確認事項と留意点
JCR は、株式会社南都銀行(「南都銀行」)が株式会社日本中央住販(「日本中央住販」)に対して実施する中小企業向けのポジティブ・インパクト・ファイナンス(PIF)について、南都銀行による分析・評価を参照し、国連環境計画金融イニシアティブ(UNEP FI)の策定した PIF 原則に適合していること、および、環境省の ESG 金融ハイレベル・パネル設置要綱第 2 項(4)に基づき設置されたポジティブインパクトファイナンスタスクフォースがまとめた「インパクトファイナンスの基本的考え方」と整合的であることを確認した。
PIF とは、SDGs の目標達成に向けた企業活動を、金融機関が審査・評価することを通じて促進し、以て持続可能な社会の実現に貢献することを狙いとして、当該企業活動が与えるポジティブなインパクトを特定・評価の上、融資等を実行し、モニタリングする運営のことをいう。
PIF 原則は、4 つの原則からなる。すなわち、第 1 原則は、SDGs に資する三つの柱(環境・社会・経済)に対してポジティブな成果を確認できるかまたはネガティブな影響を特定し対処していること、第 2 原則は、PIF 実施に際し、十分なプロセス、手法、評価ツールを含む評価フレームワークを作成すること、第 3 原則は、ポジティブ・インパクトを測るプロジェクト等の詳細、評価・モニタリングプロセス、ポジティブ・インパクトについての透明性を確保すること、第 4 原則は、PIF 商品が内部組織または第三者によって評価されていることである。
UNEP FI は、ポジティブ・インパクト・ファイナンス・イニシアティブ(PIF イニシアティブ)を組成し、PIF 推進のためのモデル・フレームワーク、インパクト・レーダー、インパクト分析ツールを開発した。南都銀行は、中小企業向けの PIF の実施体制整備に際し、南都コンサルティング株式会社(「南都コンサルティング」)と共同でこれらのツールを参照した分析・評価方法とツールを開発している。ただし、PIF イニシアティブが作成したインパクト分析ツールのいくつかのステップは、国内外で大きなマーケットシェアを有し、インパクトが相対的に大きい大企業を想定した分析・評価項目として設定されている。JCR は、 PIF イニシアティブ事務局と協議しながら、中小企業の包括分析・評価においては省略すべき事項を特定し、南都銀行及び南都コンサルティングにそれを提示している。なお、南都銀行は、本ファイナンス実施に際し、中小企業の定義を、PIF 原則等で参照している IFC(国際金融公社)の定義に加え、中小企業基本法の定義する中小企業、会社法の定義する大会社以外の企業としている。
JCR は、中小企業のインパクト評価に際しては、以下の特性を考慮したうえでPIF 原則との適合性を確認した。
① SDGs の三要素のうちの経済、PIF 原則で参照するインパクト領域における「包括的で健全な経済」、「経済収れん」の観点からポジティブな成果が期待できる事業主体で
ある。ソーシャルボンドのプロジェクト分類では、雇用創出や雇用の維持を目的とした中小企業向けファイナンスそのものが社会的便益を有すると定義されている。
② 日本における企業数では全体の 99.7%を占めるにもかかわらず、付加価値額では 52.9%にとどまることからもわかるとおり、個別の中小企業のインパクトの発現の仕方や影響度は、その事業規模に従い、大企業ほど大きくはない。1
③ サステナビリティ実施体制や開示の度合いも、上場企業ほどの開示義務を有していないことなどから、大企業に比して未整備である。
II. PIF 原則への適合に係る意見
PIF 原則 1
SDGs に資する三つの柱(環境・社会・経済)に対してポジティブな成果を確認できるかまたはネガティブな影響を特定し対処していること。
SDGs に係る包括的な審査によって、PIF は SDGs に対するファイナンスが抱えている諸問題に直接対応している。
南都銀行は、本ファイナンスを通じ、日本中央住販の持ちうるインパクトを、UNEP FIの定めるインパクトエリア/トピックおよび SDGs の 169 ターゲットについて包括的な分析を行った。
この結果、日本中央住販がポジティブな成果を発現するインパクトエリア/トピックを有し、ネガティブな影響を特定しその低減に努めていることを確認している。
SDGs に対する貢献内容も明らかとなっている。
PIF 原則 2
PIF を実行するため、事業主体(銀行・投資家等)には、投融資先の事業活動・プロジェクト・プログラム・事業主体のポジティブ・インパクトを特定しモニターするための、十分なプロセス・方法・ツールが必要である。
JCR は、南都銀行が PIF を実施するために適切な実施体制とプロセス、評価方法及び評価ツールを確立したことを確認した。
1 経済センサス活動調査(2016 年)。中小企業の定義は、中小企業基本法上の定義。業種によって異なり、製造業は資本金 3 億円以下または従業員 300 人以下、サービス業は資本金 5 千万円以下または従業員 100 人以下などだ。小規模事業者は製造業の場合、従業員 20 人以下の企業をさす。
(1) 南都銀行は、本ファイナンス実施に際し、以下の実施体制を確立した。
(出所:南都銀行提供資料)
(2) 実施プロセスについて、南都銀行では社内規程を整備している。
(3) インパクト分析・評価の方法とツール開発について、南都銀行(法人ソリューション部)は分析方法及び分析ツールを、UNEP FI が定めた PIF モデル・フレームワーク、インパクト分析ツールを参考に確立している。
PIF 原則 3 透明性
PIF を提供する事業主体は、以下について透明性の確保と情報開示をすべきである。
・本PIF を通じて借入人が意図するポジティブ・インパクト
・インパクトの適格性の決定、モニター、検証するためのプロセス
・借入人による資金調達後のインパクトレポーティング
PIF 原則 3 で求められる情報は、全て南都銀行が作成した評価書を通して銀行及び一般に開示される予定であることを確認した。
PIF 原則 4 評価
事業主体(銀行・投資家等)の提供する PIF は、実現するインパクトに基づいて内部の専門性を有した機関または外部の評価機関によって評価されていること。
本ファイナンスでは、南都銀行が、JCR の協力を得て、インパクトの包括分析、特定、評価を行った。JCR は、本ファイナンスにおけるポジティブ・ネガティブ両側面のインパクトが適切に特定され、評価されていることを第三者として確認した。
III. 「インパクトファイナンスの基本的考え方」との整合に係る意見
インパクトファイナンスの基本的考え方は、インパクトファイナンスを ESG 金融の発展形として環境・社会・経済へのインパクトを追求するものと位置づけ、大規模な民間資金を巻き込みインパクトファイナンスを主流化することを目的としている。当該目的のため、国内外で発展している様々な投融資におけるインパクトファイナンスの考え方を参照しながら、基本的な考え方をとりまとめているものであり、インパクトファイナンスに係る原則・ガイドライン・規制等ではないため、JCR は本基本的考え方に対する適合性の確認は行わない。ただし、国内でインパクトファイナンスを主流化するための環境省及びESG 金融ハイレベル・パネルの重要なメッセージとして、本ファイナンス実施に際しては本基本的考え方に整合的であるか否かを確認することとした。
本基本的考え方におけるインパクトファイナンスは、以下の 4 要素を満たすものとして
定義されている。本ファイナンスは、以下の 4 要素と基本的には整合している。ただし、要素③について、モニタリング結果は基本的には借入人である日本中央住販から貸付人かつ評価者である南都銀行に対して開示がなされることとし、可能な範囲で対外公表も検討していくこととしている。
要素① 投融資時に、環境、社会、経済のいずれの側面においても重大なネガティブインパクトを適切に緩和・管理することを前提に、少なくとも一つの側面においてポジティブなインパクトを生み出す意図を持つもの
要素② インパクトの評価及びモニタリングを行うもの
要素③ インパクトの評価結果及びモニタリング結果の情報開示を行うもの
要素④ 中長期的な視点に基づき、個々の金融機関/投資家にとって適切なリスク・リターンを確保しようとするもの
また、本ファイナンスの評価・モニタリングのプロセスは、本基本的考え方で示された評価・モニタリングフローと同等のものを想定しており、特に、企業の多様なインパクトを包括的に把握するものと整合的である。
IV. 結論
以上の確認より、本ファイナンスは、国連環境計画金融イニシアティブの策定したポジティブ・インパクト・ファイナンス原則に適合している。
また、環境省の ESG 金融ハイレベル・パネル設置要綱第 2 項(4)に基づき設置されたポジティブインパクトファイナンスタスクフォースがまとめた「インパクトファイナンスの基本的考え方」と整合的である。
(第三者意見責任者) 株式会社日本格付研究所 サステナブル・ファイナンス評価部長 梶原 敦子 | |
担当主任アナリスト 川越 広志 | 担当アナリスト 菊池 理恵子 |
本第三者意見に関する重要な説明
1. JCR 第三者意見の前提・意義・限界
日本格付研究所(JCR)が提供する第三者意見は、事業主体及び調達主体の、国連環境計画金融イニシアティブの策定したポジティブ・インパクト金融(PIF)原則への適合性及び環境省 ESG 金融ハイレベル・パネル内に設置されたポジティブインパクトファイナンスタスクフォースがまとめた「インパクトファイナンスの基本的考え方」への整合性に関する、JCR の現時点での総合的な意見の表明であり、当該ポジティブ・インパクト金融がもたらすポジティブなインパクトの程度を完全に表示しているものではありません。
本第三者意見は、依頼者である調達主体及び事業主体から供与された情報及び JCR が独自に収集した情報に基づく現時点での計画又は状況に対する意見の表明であり、将来におけるポジティブな成果を保証するものではありません。また、本第三者意見は、PIF によるポジティブな効果を定量的に証明するものではなく、その効果について責任を負うものではありません。本事業により調達される資金が同社の設定するインパクト指標の達成度について、JCR は調達主体または調達主体の依頼する第三者によって定量的・定性的に測定されていることを確認しますが、原則としてこれを直接測定することはありません。
2. 本第三者意見を作成するうえで参照した国際的なイニシアティブ、原則等
本意見作成にあたり、JCR は、以下の原則等を参照しています。
国連環境計画 金融イニシアティブ ポジティブ・インパクト金融原則
環境省 ESG 金融ハイレベル・パネル内ポジティブインパクトファイナンスタスクフォース
「インパクトファイナンスの基本的考え方」
3. 信用格付業にかかる行為との関係
本第三者意見を提供する行為は、JCR が関連業務として行うものであり、信用格付業にかかる行為とは異なります。
4. 信用格付との関係
本件評価は信用格付とは異なり、また、あらかじめ定められた信用格付を提供し、または閲覧に供することを約束するものではありません。
5. JCR の第三者性
本 PIF の事業主体または調達主体と JCR との間に、利益相反を生じる可能性のある資本関係、人的関係等はありません。
■留意事項
本文書に記載された情報は、JCR が、事業主体または調達主体及び正確で信頼すべき情報源から入手したものです。ただし、当該情報には、人為的、機械的、またはその他の事由による誤りが存在する可能性があります。したがって、JCR は、明示的であると黙示的であるとを問わず、当該情報の正確性、結果、的確性、適時性、完全性、市場性、特定の目的への適合性について、一切表明保証するものではなく、また、JCR は、当該情報の誤り、遺漏、または当該情報を使用した結果について、一切責任を負いません。JCRは、いかなる状況においても、当該情報のあらゆる使用から生じうる、機会損失、金銭的損失を含むあらゆる種類の、特別損害、間接損害、付随的損害、派生的損害について、契約責任、不法行為責任、無過失責任その他責任原因のいかんを問わず、また、当該損害が予見可能であると予見不可能であるとを問わず、一切責任を負いません。本第三者意見は、評価の対象であるポジティブ・インパクト・ファイナンスにかかる各種のリスク(信用リスク、価格変動リスク、市場流動性リスク、価格変動リスク等)について、何ら意見を表明するものではありません。また、本第三者意見は JCR の現時点での総合的な意見の表明であって、事実の表明ではなく、リスクの判断や個別の債券、コマーシャルペーパー等の購入、売却、保有の意思決定に関して何らの推奨をするものでもありません。本第三者意見は、情報の変更、情報の不足その他の事由により変更、中断、または撤回されることがあります。本文書に係る一切の権利は、JCR が保有しています。本文書の一部または全部を問わず、JCR に無断で複製、翻案、改変等をすることは禁じられています。
■用語解説
第三者意見:本レポートは、依頼人の求めに応じ、独立・中立・公平な立場から、銀行等が作成したポジティブ・インパクト・ファイナンス評価書の国連環境計画金融イニシアティブのポジティブ・インパクト金融原則への適合性について第三者意見を述べたものです。
事業主体:ポジティブ・インパクト・ファイナンスを実施する金融機関をいいます。
調達主体:ポジティブ・インパクト・ビジネスのためにポジティブ・インパクト・ファイナンスによって借入を行う事業会社等をいいます。
■サステナブル・ファイナンスの外部評価者としての登録状況等
・国連環境計画 金融イニシアティブ ポジティブインパクト作業部会メンバー
・環境省 グリーンボンド外部レビュー者登録
・ICMA (国際資本市場協会に外部評価者としてオブザーバー登録) ソーシャルボンド原則作業部会メンバー
・Climate Bonds Initiative Approved Verifier (気候債イニシアティブ認定検証機関)
■本件に関するお問い合わせ先
情報サービス部 TEL:03-3544-7013 FAX:03-3544-7026
