Contract
08
2023
August
xxxx税理士事務所
株主間契約
複数の株主によって会社が経営されている場合、株主同士の利害対立によって経営が混乱することを避けるため、株主間契約を締結します。今回はその契約内容を説明します。
株主間契約書とは
株主間契約とは、会社の複数の株主同士が、会社運営や株式譲渡など関するルールを定めた契約をいいます。
このように複数の株主によるルールを設けることが必要となる場面として、非上場会社の相続、合弁会社の設立、第三者割当増資による資本参加、株式の一部売却の4つが考えられます。
非上場会社の相続とは、遺産分割の結果として、非上場会社の株式が複数の相続人に分散して取得されることです。亡くなった父親が株式 100%を所有していたとしても、長男とxxが平等に遺産分割すれば、長男が50%、xxが 50%の株式を所有する会社となります。
株主同士で仲が良ければいいですが、仲が悪ければ、役員の選任、株式譲渡などの場面で利害関係が対立することがないよう、株主間契約でルールを定めておくことが必要となります。
また、合弁会社の設立とは、複数の出資者が各 自お金を出して共同で事業を行う会社を設立す ることです。出資比率や役員の選任、株式譲渡な どの場面で利害関係が対立することがないよう、株主間契約でルールを定めておくことが必要と なります。
さらに、第三者割当増資による資本参加とは、会社設立後、第三者が新たに株式を取得することです。そのような場合、新しい株主と既存株主
との間において、役員の選任、株式譲渡などの場 面において利害関係が対立することがないよう、株主間契約でルールを定めておくことが必要と なります。
そして、株式の一部売却とは、会社設立後に株式の一部を売却することです。
この結果として複数の株主が存在することとなり、既存株主と新しい株主との間において、役員の選任、株式譲渡などの場面において利害関係が対立することがないよう、株主間契約でルールを定めておくことが必要となります。
株主が親族ではない3つのケースは、一般的に「資本提携」と呼ばれます。他人同士で資金を出し合って提携関係を結ぶということです。
資本提携のメリットは、事業に失敗したとき の損失負担を抑えることができる点にあります。
もちろん、事業が大成功となってもその利益を独り占めすることはできません。
また、複数の株主が経営することによるシナジー効果を享受することができます。
シナジー効果とは、複数の企業がお互いに協力して事業活動に取り組み、単独での活動以上に成果を生むことです。これは2つ以上の企業がお互いに作用し合うことによる相乗効果と言えます。
このように資本提携を行いますと、複数の株
主が、お互いに協力しようと考えるため、企業価値の増大をもたらします。
株主間契約に規定すべき条項として、ガバナンスに関する事項、事業に関する事項、株式の譲渡に関する事項、関係の解消に関する事項があります。
ガバナンスに関する事項として、少数株主であっても役員の選任できるようにする条項、少数株主であっても一定の重要事項の拒否権を持つ条項を設けるケースがあります。
例えば、定款、取締役会規程等の改廃、株式、新株予約xxの発行、重要なM&A、株式の取得・処分、重要な財産の取得・処分、剰余金の配当、事業計画・年間予算の承認、重要な契約の締結、新規事業の開始、既存事業の廃止、高額な借り入れ、社債の発行、債務保証などがあります。
事業に関する事項として、会社と株主との間の取引内容と条件、知的財産権のライセンス契約、従業員の派遣、追加出資義務の有無などの資金調達、配当方針、競業禁止義務や従業員勧誘禁止義務などがあります。
株式の譲渡に関する事項として、株式の譲渡 制限があります。株主自身が会社にとって重要 な経営資源となっていることが多いことから、 相手方の同意がない限り、株式譲渡を禁止する ケースが多く見られます。しかし、それでは株主 の投資回収の機会が無くなってしまうことから、例外として、先買権、共同売却請求権、強制売却 請求権の3つを認めることとします。
その一方、株主間で株式を譲渡するケースも想定されます。その場合に備えて、株主間での株式譲渡に係るコール・オプションやプット・オ プションも規定されます。
コール・オプションとは、経営に重大な影響を与えるような出来事がおきた場合、相手方の株式の全部または一部を買い取ることができる権利をいいます。
これに対して、プット・オプションとは、経営に重大な影響を与えるような出来事がおきた場合、相手方に対して株式の全部または一部を売り付けることができる権利をいいます。
これらの権利の行使によって強制的に売買が行われるため、大株主のみがコール・オプションを持ち、少数株主のみがプット・オプションを持つケースが多く見られます。
関係の解消に関する事項として、拒否権の行使に伴うデッドロックへの対応方法があります。重要事項の決定に際して少数株主に拒否権を設けるケースが多いものの、それが行使された場合には、会社としての意思決定ができずに会社運営が滞ってしまいます。
その場合、株主間での株式譲渡、会社の解散・清算が規定されます。株主間での株式譲渡については、コール・オプションまたはプット・オプションが規定されますが、その際の譲渡価格も規定されます。また、会社の解散・清算を選択する場合には、残された事業をどちらの株主に譲渡するか、会社の残余財産をどのように分配するかが規定されます。
(公認会計士/税理士 xxxx著『相続生前対策パーフェクトガイド』『富裕層のための相続税対策と資産運用」より日本ビズアップが編集』)
相続 Q&A
お墓に相続税はかかりますか?また相続の仕方は?
お墓は、祭祀財産なので
非課税と決められています。
(1)お墓に相続税はかかるか
お墓を相続するときに、相続税はかかりません。相続税は、亡くなった人から遺産を受けた時にかかる税金のことを指します。
S o u z o k u t s u s h i n
現金はもちろん有価証券•土地•建物など、さまざまなものが「相続財産」とされるため多くの場合「相続税」がかかります。
しかし、お墓は相続財産とは違い、祭祀財産と定義づけられています。祭祀財産については非課税というように決められているのです。
ただし、お墓を金箔にして作るなど必要以上にお金をかけた場合には、祭祀財産としてみなされない場合があるので要注意です。
(2)遺贈の承認・放棄
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お墓の相続については、基本的に以下の流れで行われます。
❶祭祀承継者を決める
最初に祭祀承継者を決める必要があります。祭祀承継者が中心となってお墓を管理した
り、お寺に対して管理費やお布施を払ったりすることになります。
❷お寺への連絡をする
次に、祭祀承継者が相続の発生についてお寺に連絡します。寺や霊園ごとに書式や対応などは異なりますが、基本的には言われた通りに従っておけば問題ありません。
🅔名義書換をする
お墓の名義書換をするためには「墓地利用権
の証明書」や「祭祀承継者の印鑑登録証明書」、
「前の祭祀承継者が亡くなった事実が分かる戸籍謄本」などを用意する必要があります。一通り書類を提出すれば、手続きは完了です。
❹手数料を支払う
上記のような名義変更を行う場合は、主に手数料が必要になることが多いです。手数料は、
「民営墓地•公営墓地」といった形で金額が異 なります。場合によっては、お布施を包むケー スもあるかもしれません。もし分からなければ、お寺に直接聞いてみるのが1番正確です。
(3)お墓を相続する祭祀継承者とは
お墓の相続を中心となって進めていく「祭祀継承者」の決め方がよく分からないというケースは多いです。
基本的には、以下の順番で考えていきます。
①被相続人が亡くなる前に指定した人
祭祀継承者を決める際に1番尊重されるのは、「被相続人」が指定した人です。これは、文章でも口頭でも構わないとされています。
しかし、口頭で残すと「言った•言わない」などのトラブルが起こる可能性あります。
②地域などの慣習
昔は祭祀承継者を長男が引き継ぐという慣習がありました。しかし今は、そういった慣習はあまり残っていません。
③家庭裁判所が決定
家庭裁判所に申立てをすると、過去の生活やお墓との距離•身分の関係などを基にして、総合的に判断してもらうことができます。