1ha 未満 10ha以上
農業分野におけるAI・データに関する契約ガイドラインについて
スマート農業事業者向け説明用
<ダイジェスト版>
本日お話しすること
⮚ 農業分野における知的財産としてのノウハウ等について
1 我が国の農業分野における課題
2 農業分野における知的財産について
⮚ 農業分野におけるAI・データに関する契約ガイドラインについて
1 農業分野におけるAI・データに関する契約ガイドラインについて
……3
……5
……11
2 農業分野におけるAI・データに関する契約ガイドライン データ利活用編について……14
3 農業分野におけるAI・データに関する契約ガイドライン ノウハウ活用編について……19
4 モデル契約書案について
……24
農林水産省 食料産業x x的財産課 /Intellectual Property Division. Food Industry Affairs Bureau. Ministry of Agriculture, Forestry and Fisheries.
農業分野における知的財産としてのノウハウ等について
1 我が国の農業分野における課題①
○ 農業分野では、担い手の減少・高齢化の進行等により労働力不足が深刻な問題。
○ 平均経営耕地面積が拡大しており、1人当たり作業面積の限界を打破する技術革新が必要。
○ 農業就業人口 414万人(1995年)
→ 210万人(2015年)
○ 1経営体当たりの平均経営耕地面積も着実に拡大。
(1995年1.6ha→2015年2.5ha)
農業就業人口の年齢構成(2015年)
規模別の経営耕地面積の集積割合
(%)
1ha 未満
21.4
1~5
44.4
5~10
10ha以上
26.5
【5ha以上:34.2%】
10~ 20 20 ~30 30 ~50 50 ~ 100
100ha
以上
<115.1万>
39.3
<76.5万>
5.4
4.4
<5.1万> <2.2万>
<0.7万> <0.5万>
<0.8万>
【5ha以上:43.3%】
30.2
<53.1万>
10.3
<5.2万>
10.1
10.3
<74.1万>
<2.5万> <1.0万> <0.9万>
11.8
<0.6万> <1,590>
11.9
<864>
8.2
7.2
8.7
7.7
8.0
9.2
17.4
7.7
0 20 40 60 80 100
1995年
2005年年
2015年年
資料:「2015年農林業センサス」
※ 農業就業人口:15歳以上の農業世帯員のうち、調査期日前1年間に農業のみに従事した者又は農業と兼業の双方に従事したが、農業の従事日数の方が多い者。
【5ha以上:57.9%】
注:1 1995年は10ha以上を細分化できないため、最上位層を「10ha以上」としている。注:2 < >内の数値は、当該規模階層の経営体数である。
資料:農林水産省「農林業センサス」
1
我が国の農業分野における課題②
○ 農業の現場では、依然として人手に頼る作業や熟練者でなければできない作業が多く、省力化、人
手の確保、負担の軽減が重要な課題となっている。
○ 農林水産業の現場には、機械化が難しく手作業に頼らざるを得ない危険な作業やきつい作業が多く残されている。
○ 農業者が減少する中、一人当たりの作業面積の限界を打破することが求められている。
○ 選果など多くの雇用労力に頼っているが、労働力の確保が困難になっている。
○ トラクターの操作などの熟練者でなければできない作業が多く、若者や女性の参入の妨げとなっている。
知的財産に関する関心が低い
知的財産として保護する方法が不明
技術やノウハウはタダで誰にでも教えるのが普通。
日本の優れた技術を海外の人にも無償で伝えよう。
栽培技術が模倣されないようにするにはどうしたら良いのだろう。
知的財産は難しくてよく分からないから、契約内容には含めなくていいか。
知的財産の流出
技術やノウハウが失われたり、海外に流出することにより、我が国農林水産物の優位性が失われるおそれ
農林水産省 食料産業x x的財産課 /Intellectual Property Division. Food Industry Affairs Bureau. Ministry of Agriculture, Forestry and Fisheries. 5
○ 熟練農家等の優れた技術やノウハウは、いわゆる「知的財産」に当たり得るもの。
○ しかしながら、農業分野では知的財産に対する意識が低かったこと等から、これまでこれらの技術・ノウハウの提供・流出に無防備。
アンケート実施概要
○ 農水省が実施したアンケートの結果、我が国の高品質な農産物の生産を支えるノウハウが適切に管理されていないということが分かった。
農水省では、生産技術に関するノウハウ等の実態把握のため、
平成29年7月~8月に、農業者などを対象にアンケート調査を実施。
多くの農業者は、農業生産には様々なノウハウがあることを認識している。
アンケート結果概要
一方で、大半の農業者がノウハウの管
理を行っていない。
図1 どのようなものをノウハウと認識しているか。
図2 ノウハウを管理しているか。
無回答
管理して
いない
農林水産省 食料産業x x的財産課 /Intellectual Property Division. Food Industry Affairs Bureau. Ministry of Agriculture, Forestry and Fisheries.
管理している
今後管理する予定
6
【参考】情報管理に関する考え方
我が国におけるデータ活用に関する意識調査の結果(平成31年2月)
2 農業分野における知的財産について③
○ 特許権・商標権など権利化されるものだけが保護に値するのではなく、日々の農作業における栽培のコツ、ノウハウや顧客リストなども、見方を変えれば「知的財産」と呼べるものが多い。
○ これらのノウハウを適切に守り、活用してくことが、今後の農業において重要となる。
◆農業現場における、知的財産として保護すべきノウハウ等の例
【参考】知財総合支援窓口について
○ 農林水産省と特許庁が協力し、独立行政法人工業所有権情報・研修館(INPIT)が各都道府県に設置した「知財総合支援窓口」において、従来の特許・商標・営業秘密等の相談に加え、地理的表示(GI)や種苗の育成者権の相談も一括で受け付けます。
○ それぞれの制度のメリット、デメリット等のアドバイスを行い、農林水産物のブランド化を促進。
新品種を開発したので知的財産を活用してブランド化したいが、どこに相談すればいいんだろう?
農産物だから農林水産省?知財だから特許庁?
農地林域水や産産物品ののブ実ラ状ンにド応化じのた促 x
x財総合支援窓口 | ||
(INPIT) | ||
●INPITの知財総合支援窓口において、農林水産分野の知財(GI、育成者権)についての相談も受け付け、適切なアドバイスの実施と GIサポートデスク等への連携を行う。 商標 特許 地理的表示 (GI) 実用 意匠 新案 営業 限定提 育成者権秘密 供データ |
生産者団体 等
連携
農林水産省(農政局等)
地理的表示保護制度活用支援窓口
(全国のGIサポートデスク)等
知的財産を活用した
農林水産物のブランド化の例
●イチゴの「あまおう」は、品種登録名(福岡S6号)と
は別に、「あまおう」を商標登録。
●育成者権は25年で消失するが、商標を更新(10年ごと)することにより、「あまおう」ブランドを永続的に保護することが可能。
品種登録:福岡S6号商標登録:あまおう
農林水産省 食料産業x x的財産課 /Intellectual Property Division. Food Industry Affairs Bureau. Ministry of Agriculture, Forestry and Fisheries. 9
農業分野におけるAI・データに関する契約ガイドラインについて
1 農業分野におけるAI・データに関する契約ガイドラインについて
(1) 農業分野におけるデータ利活用促進とノウハウ保護のルール作り
○ 農業データの提供・利用に関する明確なルールが存在していないことや、データの流出がノウハウ・技術の流出につながるおそれ等の懸念が、農業者によるデータ利活用に際しての足かせとなっている。
○ 農業分野におけるデータ利活用の促進、それを通じた生産性や品質の向上を実現するため、農業者が安心してデータを提供できる契約のルール作りを早急に進めるべく、平成30年12月に「農業分野におけるデータ契約ガイドライン」を策定した。
○ さらに、農業分野におけるAIを含むICTを活用する研究開発段階及び利用段階における契約のガイドラインを新たに追加
し、「農業分野におけるAI・データに関する契約ガイドライン」として一体化し、令和2年3月に公表。
トラクタ開発C社
環境センサーA社
農 業 者その他事業者
<データの提供> <ビッグデータの保存・分析> <システムの利用>
農 業 者 等
背景
課題
データ利用のルールがない
データやシステムが無差別に使用され、ノウハウの流出に繋がるおそれ
成分分析D社
土壌センサーB社
データ提供のルールがない
データの流出や目的外使用への 懸念から、データ提供が進まない
農業分野におけるAI・データに関する契約ガイドラインを策定
対応
農業分野のビッグデータ・AIの活用により生産性や品質の向上を実現農産物の高品質・美味しさ等を生み出すノウハウの流出防止
農林水産省 食料産業x x的財産課 /Intellectual Property Division. Food Industry Affairs Bureau. Ministry of Agriculture, Forestry and Fisheries. 11
【参考】データを活用した農業の将来像
農業現場における生産性を飛躍的に高めるためには、データをフル活用できる環境を整備することが不可欠。
過去の収量データ
土壌データ
市況データ
農地データ
様々なデータを集約・統合
気象データ
データをフル活用することにより、これまで達成できなかった
生産性の飛躍的向上、 高品質な農産物の安定生産
生育予測システム
などを実現する。
様々なデータを有効活用することにより、作業の効❹化やコスト削減を実現
作業中に得たデータをフィードバックし、作業効❹の更なる向上に活用
• 営農形態に応じた最適な
作業計画
⇒ 作業効❹や収益を最大化
• 農作業の自動化
⇒ 作業効❹を大幅に
向上
• スマホでの生育状況確認
• ピンポイント農薬散布、可変施肥
⇒ 作業時間や労力を大幅に削減
⇒ 資材コストを大幅に削減
• 適期収穫
• 高品質な農産物の安定出荷
⇒ 収益を大幅に向上
作業計画の策定 耕起・播種・移植 生育管理 収穫
農林水産省 食料産業x x的財産課 /Intellectual Property Division. Food Industry Affairs Bureau. Ministry of Agriculture, Forestry and Fisheries.
12
1 農業分野におけるAI・データに関する契約ガイドラインについて
(2)データの法的性質
「AI・データの利用に関する契約ガイドライン1.1版」経済産業省(令和元年12月)抜粋
⮚ データは無体物
民法上、所有権や占有権の概念に基づいてデータに係る権利の有無を定めることはできない。知的財産権として保護される場合や、不正競争防止法上の営業秘密として法的に保護され
る場合は(~中略~)限定的であることから、データの保護は原則として利害関係者間の契約
を通じて図られる。
⮚ データ・オーナーシップについて
現在のところ法的な定義がなく、必ずしも「データに対する所有権を観念できる」という意味で用いられているわけではない。むしろ、データが知的財産xxにより直接保護されるような場合は別として、一般には、データに適法にアクセスし、その利用をコントロールできる事 実上の地位、または契約によってデータの利用権限を取り決めた場合にはその債権的な地位を指す。
2 農業分野におけるAI・データに関する契約ガイドライン データ利活用編について
(1)知的財産に関する政策における位置づけ
「知的財産推進計画2018」(H30.6.12) <抜粋>
2.「知的財産推進計画2018」重点事項
(1)これからの時代に対応した人材・ビジネスを育てる
③ 地方・中小企業・農業分野の知財戦略強化支援
・ ICT等を活用して、幅広くデータの取得・共有・活用ができる農業データ連携基盤を整備すること等によって、「スマート農業」、「スマート林業」、及び、「スマート水産業」の実現に向けて取り組む。特に農業分野においては、取得したデータを他者に提供・使用許諾す る際の具体的な契約条項のxxxの検討を行い、農業データ連携基盤
等に活用できるデータ利活用・契約に関するガイドラインを作成する。
(短期、中期)(農林水産省)
(2)データ利活用編(農業分野におけるデータ契約ガイドライン)の検討体制
検討会
省内検討体制
農業データ保護・利活用推進事業
【体制】
(委員)
弁護士知財ネット、学識経験者、関係団体、ICT関連企業、関係省庁で構成
(専門委員)
農業知財に見識のある弁護士
経産省GL策定に参加した弁護士
(事務局)
農林水産省知的財産課
【検討内容】
有識者による議論を行い、農業分野におけるデータ提供・利活用に係るガイドラインを策定。ガイドラインには契約書の雛形も盛り込む。
【運営】
原則公開
【体制】
省内関係部局の担当者で構
成。
【検討内容】
補助事検業討のxx容果をであるガイドラインを基取にり、ま農と水省としてのガイドライめン、案提を示作成。
検討会専門委員のリーガルチェックを受けつつ、事業者の成果を基に、農水省としてのガイドライン案を作成
【体制】
事業実施主体(xxxxxxxxxx&アドバイザリー)が、農業データ連携基盤協議会(WAGRI)や契約・知財等を専門とする弁護士等との連携の下、ガイドラインをx x。
【検討内容】
農業分野において、データの提供・利活用を行う際の代表的な類型を整理し、基本的な考え方や留意事項を取りまとめ。また、類型ごとに契約書の雛形案を提示。
【検討のポイント】
・経産省のガイドラインver2.0、不正競争防止法の改正内容との整合性を図る。
・関係機関や農業者へのヒアリング等を通じ、農業分野特有の課題を把握し、対応方針を検討。また、農業データ連携基盤参画企業等が円滑に導入できる内容となるよう検討。
アウトプット
農業データ契約ガイドラインを策定・公表(平成30年12月)
周知・浸透
・農業データ連携基盤
・農業法人、農業者
・農機メーカー、ITベンダー 等
(3)農業データ契約ガイドライン検討会の委員及び専門委員
委員(五十xx)
xx xx xx・xx法律特許事務所 弁護士
x xx NECソリューションイノベータ株式会社 スマートアグリ事業推進本部長xx xx 公益社団法人日本農業法人協会 経営支援課長
xx xx 全国農業協同組合中央会 国際企画部 国際企画課長兼輸出・知財農業推進室長xx xxx xx法律特許事務所 所長
xx xx 慶應義塾大学 環境情報学部 教授
xx xx 株式会社xxx x的財産部 第一グループxxx 進 株式会社サラダボウル 代表取締役社長
x xxx 桜坂法律事務所 弁護士
xx xx 全国農業協同組合連合会 耕種総合対策部 アグリ情報室長
専門委員(五十xx)
xx xxx xxx法律特許事務所 弁護士
xx x x・xxxx法律事務所 パートナー弁護士
xx xx xx・xx・xx法律事務所 パートナー弁護士xx xx GVA法律事務所 弁護士
xx x iCraft法律事務所 代表弁護士
オブザーバー
xx xx 内閣府 知的財産戦略推進事務x xxx
xx xx 内閣官房 情報通信技術総合戦略室 内閣参事官
xx xx 経済産業省 商務情報政策局 情報経済課 課長
xx xxx 経済産業省 経済産業政策x x的財産政策室 xxxx 一 農林水産省 大臣官房 総括審議官
xx xx 農林水産省 大臣官房 政策課技術政策室 室長
農林秋水産葉省 食料産一業局彦知的財産課農/I林ntelle水ctua産l Pro省perty Div生ision産. Fo局od Indust技ry A術ffairs普Bur及eau.課Ministry課of A長griculture, Forestry and Fisheries. 16
(4)データ利活用編(農業分野におけるデータ契約ガイドライン)について
⚫ 近年、ビッグデータやAIを活用してより生産性の高い農業を推進する取組が進展。
⚫ 農業データの提供・利用に関する明確なルールが存在せず、データ流出がノウハウ・技術の流出につながるおそれから、農業者によるデータ利活用に際しての足かせとなっている。
⚫ 農業分野におけるデータ利活用の促進、それを通じた生産性や品質の向上を実現するため、契約のルール作りを早急に進める必要。
データ契約に係るルール作りの必要性
⚫ データの利用に関する契約一般に幅広く適用され得る経済産業省の「AI・データの利用に関する契約ガイドライン(データ編)」(以下「経産省GL」)を踏まえ、農業分野の特殊性の有無について分析し、本GLに盛り込むべき事項を検討する。
⚫ 農業分野の特殊性が認められる事項については、契約を締結するに当たって留意すべき事項等を検討し、必要な内容は契約の ひな形に盛り込む。
⚫ 農業関係者の理解が得られやすいよう、本GLにおいては農業 現場の具体例等を盛り込む。
本GLの検討に当たっての基本的な考え方
契約類型を3つに整理し、それぞれについて、法的論点等とともにモデル契約書案等を整理
データ提供者のみが保持するデータ を、別の者に提供する際に取り決める契約をいう。
①「データ提供型」契約
複数の当事者が関与することにより、従前存在しなかったデータが新たに創出される場面において、データの創出に関与した当事者間で、データの利用権限を取り決める契約をいう。
②「データ創出型」契約
③「データ共用型」契約
プラットフォーム(PF)を利用したデータの共用を目的とする類型の契約をいう。
農林水産省 食料産業x x的財産課 /Intellectual Property Division. Food Industry Affairs Bureau. Ministry of Agriculture, Forestry and Fisheries. 17
一
般
的
な
デ
ー
タ
の
流
れ
農林水産省 食料産業x x的
(5)データ利活用編で扱う契約の全体像について
○
全体像は以下のとおり。
○ PF運営事業者と直接の契約当事者として想定されるのはベンダやxxx等の事業者であり、農業関係者が直接の契約当事者となる場合はICTに精通する一部の者に限定されると想定。
せ、第三者のベンダ等にデータ共有させるという一般的なデータ流通における契約または規約の
農業関係者が提供または創出させたデータをベンダやメーカ等がプラットフォームに共有さ
プラットフォーム(PF)
運営事業者
データ提供規約
データ提供者とPF運営事業者とで締結する規約
ICTベンダD
農機メーカC
①データ提供型契約または②データ創出型契約農業関係者とベンダやメーカとの間で締結するデータ契約。
対象となるデータの保持状況や当事者間の貢献等に
よって、提供型または創出型に類型される。
農業者B
農業者A
ICTベンダE
財産課 /Intellectual Property Division
od Industry Affairs Bureau. Ministry
農機メーカF
. Fo
データ利用規約
データ利用者とPF運営
事業者とで締結する規約
データ提供利用規約データの提供と利用の両方を行う者とPF運
営事業者とで締結する
規約
of Agriculture, Forestry and Fisheries. 18
3 農業分野におけるAI・データに関する契約ガイドライン ノウハウ活用編について
(1)知的財産に関する政策における位置づけ
「知的財産推進計画2019」(R1.6.21) <抜粋>
3.分散した多様な個性の「融合」を通じた新結合を加速する
③ データ・AI等の適切な利活用促進に向けた制度・ルール作り
・ 2018年12月に策定された農業分野におけるデータ契約ガイドラインを踏まえ、熟練農業者等の技術・ノウハウの流出防止を図りつつ、農 業AIサービス等の利用を促進するため、その利用に関する契約の実態や農業分野の特殊性について現地調査等を通じて分析を行い検討し、それらの利用に関する契約の考え方や契約雛形を内容とするガイドラインを策定する。(短期、中期)(農林水産省)
農林水産省 食料産業x x的財産課 /Intellectual Property Division. Food Industry Affairs Bureau. Ministry of Agriculture, Forestry and Fisheries. 19
(2)ノウハウ活用編(農業AI契約ガイドライン)策定の検討体制
実態調査(受託事業者)
〇 農業AIサービス等の提供事業者やユーザー(農業者等)に対するヒアリング
(農業AIサービス等の概要や利用状況、契約実態、農業者から農業AIサービスに対する意向等調査)
〇 農業AIサービス等の利用契約等の確認
〇 必要に応じて、アンケート調査や文献調査等を実施
検討会
報告
農業分野におけるAIの利用に関する契約ガイドライン検討会
期 間:令和元年7月~12月 3回程度開催
第1回(7月9日) :検討会の運営方針等を議論
第2回(9月11日):ガイドラインのとりまとめ案(骨子等)及び
農業分野におけるAI導入事例等の検討第3回(12月19日):ガイドライン案を議論
運 営:原則公開
事務局:株式会社NTTデータ経営研究所(受託事業者)
委 員:弁護士、学識経験者、農業者・農業団体、AIベンダー・メーカー、関係省庁で構成
アウトプット
農業分野におけるAIに関する契約ガイドラインを策定・公表
農林水産省 食料産業x x的財産課 /Intellectual Property Division. Food Industry Affairs Bureau. Ministry of Agriculture, Forestry and Fisheries. 20
(3)農業分野におけるAIの利用に関する契約ガイドライン検討会の委員等
委員(五十xx)
<学識経験者>
xx xx xxx大学工学部 教授
xx xx 慶應義塾大学環境情報学部 教授xx xx xx見富法律事務所 弁護士
x xxx 桜坂法律事務所 弁護士
xx xxx xxxxx法律事務所 弁護士
<農業者・農業団体>
xx x 有限会社サンファーム・オオヤマ 会長
xx xx 公益社団法人日本農業法人協会 経営支援課長
xx xx 全国農業協同組合中央会国際企画部 輸出・知財農業推進室長 xx xx 全国農業協同組合連合会耕種総合対策部 スマート農業推進室長
<メーカー・AIベンダー>
xx xx 株式会社オプティムインダストリー事業部 執行役員
xx xx 富士通株式会社スマートアグリカルチャー事業本部Akisai事業部 エキスパート
オブザーバー
xx xx 内閣府 知的財産戦略推進事務x xxx
xx x 内閣府 政策統括官(科学技術・イノベーション担当)x xxxxx xx 内閣官房 情報通信技術総合戦略室 内閣参事官
xx xx 経済産業省 商務情報政策局 情報経済課長
xx xxx 経済産業省 経済産業政策x x的財産政策室長xx xx 農林水産省 大臣官房 総括審議官
xx x 農林水産省 食料産業x x的財産課長
xx xx 農林水産省 大臣官房政策課 技術政策室長xx x 農林水産省 生産局 技術普及課長
xx xx 農林水産省 生産局畜産部畜産振興課 畜産技術室長
xx xxx 農林水産省 農林水産技術会議事務局 研究統括官(生産技術)
xx xx 農林水産省 農林水産技術会議事務局研究開発官(基礎・基盤、環境)室 研究調整官(ゲノム・基礎・基盤)
農林xx産島省 食料邦産業明x x的財国産課立/研Inte究llec開tual発Pro法per人ty D農ivis業ion.・Foo食d In品dus産try A業ffa技irs B術xxxxau. 合Mi研nist究ry o機f Ag構riculture総, Fo括res調try a整nd 役Fish兼xxxxxs. 業情報研究センター長 21
〇 有識者(農業者、ベンダ、弁護士等)から構成される「農業分野におけるAIの利用に関する契約ガイドライン検討会」(3回開催)での議論を踏まえガイドラインの内容を検討。
(4)ノウハウ活用編(農業分野におけるAIに関する契約ガイドライン)について
対 応
〇データや成果物の関係者間の利用権限等の設定に当たり必要な合意事項をはじめ留意すべき点についてチェックリスト、イラス ト等を用いて分かり易く解説。
〇国や自治体の公的支援を受ける研究開発は、農業の競争力強化という目的を踏まえ、成 果物やデータ等の利用範囲が特定の産地内に制限される場合があることについて解説。
〇データ提供の可否を含め、利用契約の確認 事項をチェックリスト形式で解説。
農業分野におけるAIの利用に関する契約ガイドライン検討会の主な意見等
✓ガイドラインの主な想定読者は農業者。
✓合意すべき事項等をまとめたチェックリ
ストがあると良い。
✓農業者の技術やノウハウを海外流出させないことについて記載すべき。
✓ノウハウ等について、農業者に守る手法を認知してもらうと同時に許諾により利益を得る仕組みがあることを知ってもらうことは大切。
✓農業者がAIサービス利用時に、事業者に対しデータ提供をするかどうか選択できるようにする必要がある。 22
農林水産省 食料産業x x的財産課 /Intellectual Property Division. Food Industry Affairs Bureau. Ministry of Agriculture, Forestry and Fisheries.
(5)ノウハウ活用編(農業分野におけるAIに関する契約ガイドライン)の契約の分類
【研究・開発段階】
○ 研究・開発の委託者(公的機関、民間事業者等)と受託者(民間事業者等)の間の契約については、経済産業省の「AI・データ契約ガイドライン(GL) AI編」と法的整合性を図りつつ、農業分野の特殊性※を踏まえ、契約上の留意点及びひな形(研究開発型)を解説。
〇 AIの研究・開発に当たり必要となる学習用データに係るデータ契約を農業者等と締結する際に、「データ
利活用編」が参照可能だが、AIの技術特性(ノウハウが化体した成果物が生成されうる)を踏まえて見直し。
【利用段階】
〇 AI製品・サービスについてはビジネスの形態が多様であり、契約ひな型は示していないが、基本的には
「データ利活用編」が参照可能。
ノウハウ活用編で扱う契約
研究・開発段階
【研究開発段階】
・委託者から農業データの提供を受けて受託者がAI等を活用して成果物を生成する際の契約
・農業者と研究開発機関の契約
利用段階
(利用契約)
【利用段階】
・農業者とAI製品・サービス提供者の間の契約
(※留意事項のみ)
契約の類型
データ提供型
データ創出型
研究開発型
経済産業省のGLのAI編と法的整合
データ利活用編が参照可能
※農業分野の特殊性: 企業中心の工業分野と異なり、生産部会等の法人格を有しない主体の構成員で、ノウハウを含むデータを共有している場合が多い。
(1)農業分野におけるAI・データに関する契約の分類
データ提供型契約
⮚ データ提供者のみが保持するデータを、別の者に提供する
際に取り決める契約
データ創出型契約
⮚ 複数の当事者が関与することにより、従前存在しなかったデータが新たに創出される場面において、データの創出に関与した当事者間で、データの利用権限を取り決める契約
研究開発契約
⮚ 委託者から農業データの提供を受けて受託者がAI等を活
用して成果物を生成する際の契約
データ共用型契約
⮚ プラットフォームを利用したデータの共用を目的とする類型の
契約
(2)データ提供型契約
①構成
第1条(定義)
第2条(提供データ等の提供方法)第3条(提供データ等の利用許諾)第4条(対価・支払条件)
第5条(提供データ等に関する保証および非保証)第6条(責任の制限等)
第7条(利用状況の報告および監査)
第8条(提供データ等の管理)
第9条(データ漏えい等の場合の対応及び責任)第10条(秘密保持義務)
第11条(派生データ等の取扱)
第12条(有効期間)
第13条(契約の解除) 第14条(不可抗力免責)
第15条(契約の地位の譲渡)第16条(通知)
第17条(存続条項)
第18条(完全条項)
第19条(準拠法) 第20条(紛争解決)
農業者A
栽培データ
契約 B社
データ提供
②ポイント
⚫「事業」概略及び「提供データ」等の特定・利用期間、「目的」設定等の合意内容を規定。意
図しない目的で提供データ等を使われないよう目的を特定することが望ましい。(第1条)
定義規定(第1条関係)
下線部:農業分野の特殊性を踏まえた規定
⚫安定したデータ受領ができるよう、提供方法について合意した内容を規定。(第2条第1項)
⚫提供データ等に個人情報等が含まれる場合は、データ提供者はその項目を明示する(第2条第2
項)とともに、データ受領者は個人情報保護法を遵守し対応すべき旨を規定。(第2条第4項)
提供データ等の提供方法(第2条関係)
提供データ等の利用許諾または譲渡(第3条関係)
⚫ データ受領者はデータ提供者の書面による事前の承諾がない限り、提供データ等の目的外利用や第三者(関連会社等含む)提供等をしてはならない旨の規定を例示。(第3条第3項)また、公的資金による研究開発の場合、第三者提供について特定産地内に制限する規定を例示。
⚫ データ提供者のみに提供データ等の利用権限が帰属する前提に、データ提供者に、いつでもそ の意思により提供データ等の利用停止を求めることができる旨を規定。(第3条第5項・第6項)
⚫ 派生データの経済的価値を確保する観点から、派生データの利用停止等はできない旨を規定。
(第3条第7項)
⚫有償でデータ提供する場合の対価・支払条件について、従量課金、固定料金、売上配分のそれぞれの考え方に基づく規定を例示。(第4条)
対価・支払条件(第4条関係)
②ポイント(続き)
下線部:農業分野の特殊性を踏まえた規定
提供データ等に関する保証及び非保証(第5条関係)
⚫データ提供者には、適法かつ適切な方法によって取得された旨だけを約束させ、経産省GLで規定される提供データ等の正確性、完全性、安全性、有効性(目的への適合性)、第三者の知 財権侵害の非該当性に加え、提供データ等が契約期間中継続して提供されることのいずれも保証しない旨を規定。(第5条第3項)
⚫データ受領者から、黙示的な保証違反を主張された場合に対抗・排斥できるよう、明示的であ るか黙示的であるかを問わず、提供データ等について一切の保証をしない旨を明文化。 (第5条第3項)
責任の制限等(第6条関係) | |
【対応責任をデータ提供者が負わない場合】 ⚫提供データの品質を保証しないことを前提に、データ受領者の提供データの利用に起因、関連する紛争等に関し責任を負わないこと、データ提供者が損害等を被った場合はデータ受領者による補填を受ける旨を規定。(第6条) 【対応責任をデータ提供者が負う場合】 ⚫データ提供者が損害賠償の責任を負う範囲を第3条に基づき受け取った対価を上限とする旨の規定を例示。(第6条第3項) | |
利用状況の報告及び監査(第7条関係) | |
⚫ 利用目的特定及び目的外利用禁止の規定の実効性を高める観点から、データ提供者はデータ受領者に利用状況を報告させ、1年に1回を限度として監査できる旨を規定。(第7条第1項・第3項・第4項) ⚫ データ提供者が派生データを利用する場合は、データ受領者側にデータ提供者の利用状況の報告・監査権限を与える旨を規定。(第7条第2項・第3項・第4項) 27 農林水産省 食料産業x x的財産課 /Intellectual Property Division. Food Industry Affairs Bureau. Ministry of Agriculture, Forestry and Fisheries. |
提供データ等の管理(第8条関係)
⚫派生データの利用権限をデータ提供者も有することを前提に(第11条関係で詳述)、提供デー タ等のみならず、派生データもデータ受領者に「善良な管理者の注意をもって管理・保管」させる旨を規定。(第8条第1項・第2項)
⚫分かりやすい表現とするため、「我が国において一般にデータ保管のために用いられるシステ ムで通常利用されるのと同種同等のセキュリティおよびバックアップ体制を備えるなど」と具体的に例示。 (第8条第1項)
⚫提供データ等の漏洩、目的外利用、許諾を得ない第3者提供等により、データ提供者に損害が
生じた場合には賠償請求を可能とし、違約金または実際に生じた損害額を支払う旨の規定を例
示(第8条第4項)
⚫ 不可抗力免責事由の適用について、(データ受領者が通信設備等を適切に管理するなどの対応を行っていない場合も安易に免責されるものではなく、)データ受領者が適切な管理を行って いたことを立証した場合に限る旨を明確化。(第9条第8項、第14条第2項)
データ漏えい等の場合の対応及び責任(第9条、第14条関係)
⚫書面によらず、口頭等により提供された情報も秘密情報と表明される限りは「秘密情報」として保持し、第三者提供や目的外利用を禁ずる旨を規定。(第10条第1項)
⚫秘密保持義務を負う期間は契約終了後も予め取り決めた年数存続する旨を規定。(第10条第4項)
秘密保持義務(第10条関係)
派生データ等の取扱(第11条関係)
⚫派生データに対する知見の寄与度による利用権限の有無・割合を決定するという観点と、データ提供者である農業関係者等の意識や懸念を考慮し、農業関係者等の提供データ等に対する懸念をできる限り排除できるという観点から、データ提供者とデータ受領者は、本目的のために派生データを利用することができる旨を規定。(第11条第1項)
⚫データ受領者はデータ提供者の書面による事前の承諾がない限り、派生データの目的外利用や
第三者(関連会社等含む)提供等をしてはならない旨の規定を例示。(第11条第3項)また、
公的資金による研究開発の場合、第三者提供について特定産地内に制限する規定を例示。
⚫提供データ等または派生データの利用に基づき生じた知的財産権について、データ利活用編では、農業者の暗黙知を形式知化してソフトウエアの形にするような場合、農業者は当該ソフトウエアの利用のコントロール権が無ければデータ提供を躊躇する結果を招来するリスクがあ り、原則として、提供データ等または派生データの利用に基づき生じた知的財産権はデータ提 供者とデータ受領者の共有とする旨を規定。ノウハウ活用編では、AIの技術特性を踏まえ、
①知的財産権は共有とするが、本件成果物で示した以外の著作権はデータ受領者に帰属させる規定及び②知的財産権はデータ受領者に帰属させる規定を追加し例示。(第11条第4項)
⚫ データの予め取り決めた一定の有効期間を設定するとともに、自動更新の規定を例示。(具体的なプロジェクト終了による契約終了の場合は自動更新の規定は不要。) (第12条)
有効期間(第12条関係)
⚫故意または過失等の帰責事由がある一方当事者に対し契約を解除でき(第13条第1項~第5項)、その場合、原則として削除要求を認めるが、派生データ内の提供データ等は削除の適用がない旨を規定。(第13条第6項)
契約の解除(第13条関係)
⚫相手方の事前の書面の承諾を得なければ契約の地位・権利義務を譲渡できないが、例外となる場合の規定を例示(第三者との合併等)。(第19条)
契約の地位の譲渡(第15条関係)
⚫xx担当者を選定すること及び通知手段(書面、電子メール等)について規定。(第16条)
⚫契約終了・解除後も効力が存続する条項を例示。(第17条)
⚫一般的な完全合意条項。(第18条)
⚫日本法を準拠法とする旨を規定。(第19条)
⚫紛争解決のための協議の他、専属的合意管轄の定めまたは仲裁合意について規定。(第20条)
その他(第16条~第20条関係)
【参考】 知的財産に関する法律と契約が担う役割
AIの研究開発において生じるもの
法律で権利等として保護されるもの
入力データ
(例:サービス利用で入
力するデータ)
生データ
(例:提供データ、
創出データ)
よ
に
法
権
作
著
た
x
を
件
要
せ
し要て件不をxx競た争せ防ば
り
止営 ば
x
x業 著
派生データ
(例:学習済みパラ
メータ)
利
に秘 作
が
よ密 x
x
し
りや と
x
不限 要
て
正定 特件
取提 許を
得供 法満
農業関係者のxxxx又はノウハウ
かデ にた
ら| よせ
保タ りば
xと 権特
プログラム
(例:推論プログラム)
xxが権
よ著 保と
れ
りx xし
る
保権 て
護法
さに
法律で権利等として
保護されないもの
データ類、ノウハウは、いずれの法律の要件を満たさない場合には、
知的財産として法律上の
保護が受けられない
例
・創作性のないデータベースまたはデータ単体
・営業秘密等の要件を満たさないノウハウ
等
法律で決めることの対象外となるもの
法律上の保護の有無にかかわらず、以下の内容は法律ではなく当事者が決めることとされる。
・データ等の利用関係
・データ等の利用条件
・データ等の管理関係
・データ等の第三者提供
・データ等に関する責任関係
知的財産権が認められる場合には、保有者は法律上の保護を受けることができる
契約により決定しなければ、知的財産に関する
提供者間の当事者の法律関係が決められない。
本ガイドラインはこの契約関係を適切に策定できることを目的として策定
農林水産省 食料産業x x的財産課 /Intellectual Property Division. Food Industry Affairs Bureau. Ministry of Agriculture, Forestry and Fisheries. 31
4 モデル契約書案について
(3)データ創出型契約
①構成
第1条(定義)
第2条(当初データ等の取得)
第3条(当初データ等の利用権限等)
第4条(派生データの利用権限等)
第5条 (当初データ等及び派生データの非保証)第6条 (利用権限の配分に対する対価)
第7条 (収益の分配)
第8条 (分担金の支払い)第9条 (報告等)
第10条(利用状況の報告および監査)第11条(相手方受領データの管理)
第12条(データの漏えい等の場合の対応及び責任)第13条(責任の制限等)
第14条(秘密保持義務)
第15条(当初データ等の範囲の変更)
第16条(有効期間) 第17条(契約の解除)
第18条(不可抗力免責)
第19条(契約の地位の譲渡)
第20条(通知)
第21条(存続条項)
第22条(完全条項)第23条(準拠法)
農業者 B1、 B2、 B3・・
A社
契約
農機メーカー 販売
統計データの販売先
第24条(紛争解決)
収量データ 取得
統計データ
②ポイント
下線部:農業分野の特殊性を踏まえた規定
⚫「事業」の概略及び「当初データ」等の特定・利用期間、「目的」の設定等を規定。合意した内容を記載し、意図しない目的で使われないよう範囲を特定することが望ましい。(第1条)
定義規定(第1条関係)
⚫取得する当初データ等のデータ項目と取得方法を契約書で特定するとともに、データ受領者が データ提供者に開示していない方法や不正な手段で当初データ等を取得等ができない旨を規定。(第2条第1項)
当初データ等の取得(第2条関係)
当初データ等の利用権限等(第3条関係)
⚫ 当初データ等について、特段の事情がない限り、データ提供者も利用権限を有することを前提にした上で、具体的な利用権限を別紙により詳細に規定するという方法を規定。(第3条第1項)
⚫データ提供者に対する当初データ等へのアクセス権を認めないものの、データ提供者が当初 データ等の利用を望む場合にデータ受領者に申請する手続を設けることにより、データ提供者が当初データ等を入手できる方法を規定。(第3条第2項)(同規定については、派生データにおいても同様に適用。(第4条第2項))
⚫ノウハウ活用編では、データ受領者はデータ提供者の書面による事前の承諾がない限り、提供データ等の目的外利用や第三者(関連会社等含む)提供等をしてはならない旨の規定を例示。
(第3条第3項)また、公的資金による研究開発の場合、第三者提供について特定産地内に制限 する規定を追加して例示。
⚫派生データと当初データ等で利用権限を同じとする考え方は理解しやすく、また、派生データの生成に当たり当初データ等にデータ受領者によって加えられる付加価値により当初データ等に対するデータ提供者の利用権限がなくなるわけではないと考えられるため、データ受領者に加え、データ提供者も派生データを利用できる旨を規定。(第4条第1項)
⚫ 派生データの作成または利用に基づき生じた知的財産権について、原則として、データ提供者とデータ受領者の共有とする旨を規定。ノウハウ活用編では、AIの技術特性を踏まえ、知的財産権はデータ受領者に帰属させる規定も追加して例示。(第4条第5項)
派生データの利用権限等(第4条関係)
⚫当初データ等の正確性、完全性、安全性、有効性(目的への適合性)、第三者の知財権侵害の非該当性等に加え、当初データ等が契約期間中継続して提供されることのいずれもを保証しな い旨を規定。(第5条第1項・第2項)
当初データ及び派生データの非保証(第5条関係)
⚫当初データ等、派生データの創出にデータの提供者も受領者も貢献するため、双方互いに対価
の支払いすることなく当初データ等、派生データを利用できる旨を規定。 (第6条)
利用権限の配分に対する対価等(第6条関係)
⚫ 派生データの第三者提供の許諾等を想定したデータ提供者への適切な対価の支払いに関するメカニズムを用意することとし、売上分配方式による収益分配の規定を例示。(第7条)
収益の分配(第7条関係)
⚫データ提供者が派生データの第三者提供等により収益を得る場合を想定し、データ受領者はデータ提供者に対しデータ保管費用の分担金支払いを求めることができる旨を規定。(第8条)
分担金の支払い(第8条関係)
⚫ 派生データの利用により得た収益その他データ提供者が指定する事項をデータ受領者は報告すべきこと、分配金の支払い及び帳簿の保管・閲覧等について規定。(第9条第1項~第3項)
⚫ データ提供者は当初データ等の、データ受領者は派生データ等の相手方の利用状況について報告及び監査実施をそれぞれ求めることができる旨を規定。(第10条第1項~第3項)
報告・監査等(第9条・第10条関係)
相手方受領データの管理(第11条関係)
⚫データ提供者もデータ受領者も当初データ等及び派生データに寄与していることから、共同管理の場合に準じ、「自己の固有財産におけるのと同一の注意をもって管理・保管」させる旨を規定。(第11条第1項)加えて、ノウハウ活用編では、相手方受領データに営業秘密が含まれる場合、営業秘密の保護の要件を満たす水準の管理を行う旨の規定を例示。
⚫データの管理状況について合理的な疑義が生じた場合は書面による報告をさせ、不適切な管理の場合は是正要求をすることができる旨を規定。(第11条第2項・第3項)
⚫相手方受領データを第三者に提供・開示する場合は適切な秘密保持と保管を履行させるべき旨
を規定。 (第11条第4項)
⚫ノウハウ活用編では、当初データ等の漏洩、目的外利用、許諾を得ない第3者提供等により、データ提供者に損害が生じた場合には賠償請求を可能とし、違約金または実際に生じた損害額を支払う旨の規定を追加して例示(第11条第5項)
⚫ 不可抗力免責事由の適用について、(データ受領者が通信設備等を適切に管理するなどの対応を行っていない場合も安易に免責されるものではなく、)データ受領者が適切な管理を行って いたことを立証した場合に限る旨を明確化。(第12条第8項、第18条第2項)
データ漏えい等の場合の対応及び責任(第12条・第18条関係)
⚫当初データ等提供者が紛争等に巻き込まれるリスクをおそれ、データ提供等を躊躇することが ないよう、損害等を被った場合はデータ受領者による補填を受けること、データ受領者の当初データの利用に関連する紛争等に関し責任を負わない旨を規定。(第13条第1項~第3項)
責任の制限等(第13条関係)
⚫書面によらず、口頭等により提供された情報も秘密情報と表明される限りは「秘密情報」として保持し、第三者提供や目的外利用を禁ずる旨を規定。(第14条第1項)
⚫秘密保持義務を負う期間は契約終了後も予め取り決めた年数存続する旨を規定。(第14条第4項)
秘密保持義務(第14条関係)
⚫センサの性能xxxの理由により、契約締結時には想定されなかったデータが創出・取得・収集される可能性を考慮して、第1条で特定した当初データ等の範囲を変更できることとし、当該当初データ等の範囲及び利用権限を協議により決定する旨を規定。(第15条第1項・第2項)
当初データ等の範囲の変更(第15条関係)
有効期間(第16条関係) | |
⚫ データの予め取り決めた一定の有効期間を設定するとともに、自動更新の規定を例示。(具体的なプロジェクト終了による契約終了の場合は自動更新の規定は不要。) (第16条) | |
契約の解除(第17条関係) | |
⚫故意または過失等の帰責事由がある一方当事者に対し契約を解除でき(第17条第1項~第5 項)、その場合、原則として削除要求を認めるが、派生データの継続的利用を確保する公益的必要性の観点から、派生データ内の当初データは削除の適用がない旨を規定。(第17条第6項) | |
契約の地位の譲渡(第19条関係) | |
⚫相手方の事前の書面の承諾を得なければ契約の地位・権利義務を譲渡できないが、例外となる場合の規定を例示(第三者との合併等)。(第19条) |
⚫xx担当者を選定すること及び通知手段(書面、電子メール等)について規定。(第20条)
⚫契約終了・解除後も効力が存続する条項を例示。(第21条)
⚫一般的な完全合意条項。(第22条)
⚫日本法を準拠法とする旨を規定。(第23条)
⚫紛争解決のための協議の他、専属的合意管轄の定めまたは仲裁合意について規定。(第24条)
その他(第20条~第24条関係)
37
農林水産省 食料産業x x的財産課 /Intellectual Property Division. Food Industry Affairs Bureau. Ministry of Agriculture, Forestry and Fisheries.
【参考】データを扱う契約の全体のイメージについて
○
せ、第三者のベンダ等にデータ共有させるという一般的なデータの流通に研究開発段階におけるデータの利活用を加えた契約または規約の全体イメージは以下のとおり。
農業関係者が提供または創出させたデータをベンダやメーカ等がプラットフォームに共有さ
農業者B
①データ提供型契約または②データ創出型契約農業関係者と民間企業(ベンダ、メーカ等)や試験研究機関等との間で締結するデータ契約。
対象となるデータの保持状況や当事者間の貢献等に
よって、提供型または創出型に類型される。
<イメージ>
農業者A
地方公共団体D
試験研究機関C
データ提供利用規約データの提供と利用の両方を行う者とPF運
営事業者とで締結する
規約
データ提供規約
データ提供者とPF運営事業者とで締結する規約
農機メーカF
ICTベンダE
研究開発契約
研究開発の委託者と受託する研究開発者の間で締結する契約。契約の当事者としては公設試験研究機関、大学、民間企業(ベンダやメーカ等)、農業関係者、地方公共団体、国を想定。
一般的なデータの流
れ プラットフォーム(PF)
運営事業者
ICTベンダG
農機メーカH
データ利用規約
データ利用者とPF運営事業者とで締結する規約
4 モデル契約書案について
(4)研究開発契約
①構成
第1条(目的)第2条(定義)
第3条(研究開発業務内容)
第4条(委託料およびその支払時期・方法)第5条 (作業期間)
第6条 (協力と各自の作業分担) 第7条 (本AI研究開発者の義務)
第8条 (責任者の選任および連絡協議会)第9条 (再委託)
第10条(本契約の変更)
第11条(本件成果物の提供および業務終了の確認)
第12条(本AI研究開発委託者が本AI研究開発者に提供するデータ・資料等) 第13条(本AI研究開発委託者提供データの利用・管理)
第14条(秘密情報の取扱い) 第15条(個人情報の取り扱い)
第16条(本件成果物等の著作権) 第17条(本件成果物等の特許xx)第18条(本件成果物等の利用条件)
第19条(リバースエンジニアリングおよび再利用等の生成の禁止)第20条(本件成果物等の使用等に関する責任)
第21条(知的財産権侵害の責任) 第22条(損害賠償)
第23条(OSSの利用)
第24条(権利義務譲渡の禁止)
第25条(解除)
第26条(有効期間)第27条(存続条項)
第28条(管轄裁判所)/(仲裁)第29条(協議)
②ポイント
⚫AI研究開発者には完成義務を負わせないが、契約の目的を達しないものである場合はAI研究開
発委託者からの要請があれば適切な説明を行う旨を規定。(第7条第2項)
下線部:農業分野の特殊性を踏まえた規定
目的(第1条関係)
⚫研究開発対象に関する合意内容について本AI研究開発委託者と本AI研究開発者の権利・義務関
係を定めることを目的とする旨を規定。(第1条)
本AI研究開発者の義務(第7条関係)
本AI研究開発委託者が本AI研究開発者に提供するデータ・資料等(第12条関係)
⚫研究開発に際して、AI研究開発委託者がAI研究開発者にデータ等を提供すること、提供されたデータ等の誤りや不足によって遅延等が発生した場合にAI研究開発者が責任を負わない旨を規定。(第12条)国や自治体等、受託契約管理団体がAI研究開発委託者となり、本条で予定して いるような提供・管理するデータ等が存在しない場合は本規定を置く必要は生じない。
本AI研究開発委託者提供データの利用・管理(第13条関係)
⚫ AI研究開発者は事前にAI研究開発委託者から書面による承諾を得ずに提供されたデータを目的外利用してはならない旨を規定。(第13条第2項)
⚫ 国や自治体等、受託契約管理団体がAI研究開発委託者となり、本条で予定しているような提 供・管理するデータが存在しない場合は本規定を置く必要は生じない。
⚫研究開発に貢献があった農業関係者等に利用権限を付与する場合を想定し、第三者である農業関係者等に対して利用許諾を与える旨の規定(第16条C案)及び第三者である農業関係者等と 共有する旨の規定(第16条C2案)を例示。
⚫成果物の著作権の帰属に関連し、受託契約管理団体等が著作権の譲渡先を制限することが想定
され、譲渡・利用許諾の範囲を特定できる規定を例示。
本件成果物等の著作権(第16条関係)
⚫共同して発明を行った農業関係者等と特許権を共有する場合を想定し、ノウハウ等提供者であ る農業関係者等が対価の支払いの義務を負うことなく自ら実施できる旨の規定を例示。(第17条第2項)
⚫成果物の特許権の帰属に関連し、受託契約管理団体等が特許権の譲渡先を制限することが想定 され、譲渡・利用許諾の範囲を特定できる規定を例示。
本件成果物等の特許xx(第17条関係)
41
農林水産省 食料産業x x的財産課 /Intellectual Property Division. Food Industry Affairs Bureau. Ministry of Agriculture, Forestry and Fisheries.
⚫成果物には、熟練農業者のノウハウが化体したAIモデル等が含まれる場合があり、その利用条件について、農業関係者への配慮や国や自治体の資金の投入目的等を踏まえた内容とする必要 があることから、競争力強化の観点から、国内(の特定地域)の農業関係者の生産支援等を行うための利用に限定され、国外の第三者への提供が制限される場合がある旨を例示。(第18条の別紙「利用条件一覧表」)
AIの研究開発の成果物の利用条件(第18条関係)
⚫AI研究開発委託者とAI研究開発者の間の契約で得られた成果物の利用等において、当該契約の
第三者となる農業関係者等の知的財産権を侵害するケースを想定し、3パターンの規定を例
示。このうち、AI研究開発者が知的財産権非侵害の保証を行わない場合については、AI研究開 発委託者に対しAI研究開発者が損害賠償する旨を規定。(第21条B案)
知的財産権侵害の責任(第21条関係)
⚫AI研究開発者の軽過失行為によりAI研究開発委託者に損害が生じた場合には委託料を限度とする損害額を支払うこと、及び農業関係者等が提供した知的財産や個人情報の侵害等に係る損害 に対する賠償は損害賠償の上限制限の例外とする旨を規定。(第22条第1項~第3項)
損害賠償(第22条関係)
【参考】関連する契約ガイドラインの関係(イメージ)
農業分野 | 他分野 | ||||
農業分野におけるAI・データ契約ガイドライン (農林水産省(令和2年3月公表予定))ノウハウ活用編 AIを含むICTを活用した研究・開発、利用の各段階のノウハウを含むデータや知的財産権の利用権限等に係る契約を網羅 | AI・データ契約ガイドライン1.1版 (経済産業省(令和元年12月)) AI編 (第1版(平成30年6月)からの変更点なし) | A I な ど | 契約ガイドラインの対象 | ||
AI・データ契約ガイドライン1.1版 (経済産業省(令和元年12月))データ編 1.1版 (第1版(平成30年6月)の改訂) | データ | ||||
農業分野におけるAI・データ契約ガイドライン (農林水産省(令和2年3月公表予定)) データ利活用編 農業分野におけるデータ契約ガイドライン (平成30年12月)の改訂 |
分野
例
過
と
得
: ノ ウ 程ハ
つ活
にウ 必
て編 に
い用 要
発 互
はの 応デ研 じー究 てタ開 相
利に に
用
活必 参
編
要 照
をデ
な
参ー照タ
。 の
取
4 モデル契約書案について
(5)データ共用型契約
①構成
第1条(定義)
第2条(プラットフォームの利用許諾)第3条(提供データの提供方法)
第4条(提供データに関する適切な取得および保証/非保証)
第5条(データ提供者による提供データのデータ利用者への提供) 第6条(データ利用者による提供データの利用)
第7条(提供データの管理)
第8条(プラットフォーム事業者の運営責任等)
第9条(プラットフォーム事業者による利用サービスの提供)第10条(責任の制限等)
第11条(派生データ等の取扱)
第12条(データ漏えい等の場合の対応及び責任)第13条(秘密保持義務)
第14条(規約の解除)
第15条(プラットフォームからの脱退)
第16条(不可抗力免責)
ベンダーA
第17条(規約上の地位の譲渡)
・・・
農機メーカーB
第18条(通知)
第19条(存続条項)
取得 農業データ連携基盤 取得
第20条(完全条項)
気象・農地・生育予測・統計・・・
官公庁D
提供
第21条(準拠法) 第22条(紛争解決)
提供
・・・
民間企業C
②ポイント
下線部:農業分野の特殊性を踏まえた規定
⚫ 規約に同意するデータ利用者なら誰でも参加を許諾するオープンPFとし、その旨を規約雛形に明記。(第2条第1号)
⚫ 利用制限を設定するデータを「プライベート・データ」、それ以外のデータであって何ら制限な く利用できるものを「パブリック・データ」と定義し、データ提供者の選択に基づき、PFの管理画面上でプライベート・データとパブリック・データの区別を設定する方法を規定。(第5条第
3項)
利用範囲(第2条・第5条関係)
提供データに関するデータ提供者の責任(保証/非保証)(第4条(・第1条)関係)
⚫ データ提供者ができるだけ安心して、かつ無償またはできるだけ安価な対価でデータ提供してもらうことを優先し、提供データの原則的非保証を規定し(第4条第3項)、提供データについて責任を負担すべき場合を限定的に規定。
⚫ 農業関係者は自身が提供したデータがどのようにして、また誰に利用されることになるのか非常 にセンシティブになるのが通常であり、農業関係者の利益保護とPF事業の継続性を担保する観点から、予め農業関係者にデータ提供に係る同意書(第1条で設定された目的による利用の同意を含む)を取得する旨を規定。(第4条第2項)
⚫事後に元のデータ提供者との間でトラブルとなり、場合によって元のデータ提供者からデータ利用停止や損害賠償が請求されるリスク回避する手段として、データ提供者は、適法かつ適切な方 法によって提供データが取得されたものである旨を表明、保証することを規定。(第4条第1項)
45
農林水産省 食料産業x x的財産課 /Intellectual Property Division. Food Industry Affairs Bureau. Ministry of Agriculture, Forestry and Fisheries.
②ポイント(続き)
下線部:農業分野の特殊性を踏まえた規定
⚫ 派生データの作成または利用に関し、新たにPF事業者によって創出された知的財産権は、別段の規定や当事者間で別途合意をした場合を除き、PF事業者に帰属する旨を規定。(第11条第6項)
⚫ データ利用者が提供データを利用して新たな成果物やサービスを構築しようとするときは、利 用範囲として予め設定されている場合を除き、事前にデータ提供者に通知し承諾を得なければならず、知的財産権の帰属は、データ利用者とデータ提供者の間で誠実に協議し決定する旨を規定。(第6条第6項)
派生データの利用権限等(第6条・第11条関係)
提供データの管理(第7条関係) | |
⚫データ利用者の責務として、提供データ及び派生データを「我が国において一般にデータ保管のために用いら れるシステムで通常利用されるのと同種同等のセキュリティおよびバックアップ体制を備えるなど、善良な管理者の注意をもって管理・保管」すべき旨を規定。(第7条第1項) | |
プラットフォーム事業者の義務・責任(責任限定)(第8条関係) | |
⚫ PF事業者には、自らが管理するシステムのセキュリティを適切なものにすることが求められるため、「同種同等のプラットフォームで利用されるのと同種同等のセキュリティ」を備えてP Fを適切に管理する旨を規定。(第8条第1項) ⚫農業分野では公共の利益のために無償または実費程度でPF事業を運営する事例が想定される 中、営利目的のPF運営者と同等の責任を認めることは妥当ではない等の理由により、規約で明示的に開示した事項を除き、PF事業者が、PFの運営に関して一切保証をせず責任も負担しな い旨の規定を採用。(第8条第2項) |
データ漏えい等の場合の対応及び責任(第12条・第16条関係) | |
⚫ 提供データの漏洩等(目的外利用も含む)や、派生データの漏洩等を発見、またはその疑いが ある場合には、参加者はPF事業者に通知するとともに、協力して再発防止策を検討・共有すべきであり、第三者排除のためデータ提供者に費用が発生した場合はデータ利用者に負担させる旨を規定。(第12条第1項~第5項) ⚫不可抗力免責事由の適用について、(データ利用者が通信設備等を適切に管理するなどの対応を行っていない場合も安易に免責されるものではなく、)データ利用者が適切な管理を行って いたことを立証した場合に限る旨を明確化。(第12条第6項、第16条第2項) | |
利用規約違反時の制裁措置(第14条関係) | |
⚫規約の解除事由にあたる場合であっても、PFに対するアクセスの一時停止措置を講じたほうが適切な場合もあると思われるため、一定の規約違反があった場合、PF事業者が、当該違反者に 対するプラットフォームへのアクセス停止措置を講ずることができる旨を規定。(第14条第6項) | |
脱却時・終了時における提供データや成果物の取扱(第15条関係) | |
⚫ 脱退をしたデータ提供者およびデータ利用者は、それ以降、PFへのアクセス権、PFを通じて 入手したデータおよび利用サービスの利用権をいずれも喪失する旨を規定。(第15条第1項) ⚫脱退時まで利用していた提供データおよび派生データは、PF事業者の求めに従い、PFを通じ て受領した提供データおよび派生データを自己のシステムから削除または消去しなければならず、それを証明する書類をPF事業者に提出しなければならない旨を規定。(第15条第2項) ⚫ データ提供者がPFから脱退をした場合、第5条第4項に準じて、データ提供者はプラット フォーム事業者に対して、データの削除等を求めることができる旨を規定。(データ利用者及び 有償提供の場合は除く。)(第15条第3項) |
②ポイント(続き)
下線部:農業分野の特殊性を踏まえた規定
農業データ連携基盤に関する全国ブロック会議資料を参考に作成
<参考>農業データ連携基盤の構造
○ 農業データ連携基盤(WAGRI)は、農業ICTサービスを提供する民間企業が競合しない領域にお けるデータの共有サービスとして整備。
○ WAGRIを通じて気象や農地、地図情報等のデータ・システムを提供し、民間企業が行うサービスの充 実や新たなサービスの創出を促すことで、農業者等が様々なサービスを選択・活用できるようにする。
ICTベンダーD
ICTベンダーC
農機メーカーB
農機メーカーA
農業者等が、それぞれの経営形態等に応じて農業関連サービスを選択・活用
農 業 者 等
データ・システム利用者
WAGRIを通じてデータ・システムを取得し、新たな農業関連サービスを開発
・ WAGRI運営事業者も確認できない領域。
・ 農業者等との合意に基づき、農業データ連携基盤に接続する事業
者等が、「どのデータ」を、「誰」に公開するか、自由に設定可能。
農業データ連携基盤(WAGRI)
Publicデータ 気象や土地、地図情報等に関する様々なデータ・システムを提供(有償提供を含む)
Private(Closed) データ
気象
API
農地
民間団体
API
地図
民間企業
API
センサ
民間企業
API
生育予測
民間企業
API
土壌
農研機構
API
統計
API
「安全」に自分のデータを保存・管理
民間企業
WAGRIを通じてデータ・システムを提供
データ・
システム
Masterデータ
PublicやPrivateデータのマス
官公庁
ター系を定義したデータを提供
認証方式
農林水産省 食料産業x x的財産課 /Intellectual Property Division. Food Industry Affairs Bureau. Ministry of Agriculture, Forestry and Fisheries.
提供者
Open ID Connectを利用 48
関連情報・お問合せ先 一覧
<関連情報>
1 農林水産分野の知的財産関連のウェブサイト
(1)農林水産省の知的財産・地域ブランドに関連する情報
URL:xxxx://xxx.xxxx.xx.xx/x/xxxxx/xxxxx/xxxxx/xxxxx.xxxx
(2)農業分野におけるAI・データに関する契約ガイドラインについて
※ 右のQRコードからアクセス可能 →
URL:xxxxx://xxx.xxxx.xx.xx/x/xxxxx/xxxxx/xxxxx/xxxxxxx.xxxx
2 独立行政法人工業所有権情報・研修館(INPIT)のウェブサイト
知的財産相談・支援ポータルサイト
URL:xxxxx://xxx.xxxxx.xx.xx/xxxxxxxxxx/xxx/xxxx.xxxx
<農林水産省 食料産業局facebookにて情報発信>
URL: xxxx://xxx.xxxxxxxx.xxx/xxxx.xxxxxxxx/
<農林水産省食料産業xx的財産課 お問合せ先>
代表:00-0000-0000(内線4287)ダイヤルイン:00-0000-0000
農林水産省 食料産業x x的財産課 /Intellectual Property Division. Food Industry Affairs Bureau. Ministry of Agriculture, Forestry and Fisheries. 49