⚫ データ連携・利活用に関する取組に特有の内容は「AI・データの利用に関する契約ガイドライン」及び「農業分野における AI・データに関する契約ガイドライン」に整理されている。
3-4.契約及びデータシェアリングポリシー
<現状と課題>
⚫ データ連携・利活用に関する取組については、従来の契約書に記載されていない内容についても記載すべき場合がある。従来の契約書に固執すると、内容の抜け漏れが発生するリスクがある。
⚫ 産官学連携の共同研究に関するモデル契約書については、文部科学省「オープン&クローズ戦略時代の共同研究における成果取扱いの在り方に関する調査」結果であるさくらツール20に類型とともに示されている。その判断要素は以下の 2 点である。
・共同研究組織(コンソーシアム型であるか、個別型であるか)
・成果の活用主体と方針
⚫ データ連携・利活用に関する取組に特有の内容は「AI・データの利用に関する契約ガイドライン」及び「農業分野における AI・データに関する契約ガイドライン」に整理されている。
<対応方策>
各種調整の結果を契約書及びそれに付随する覚書・データシェアリングポリシー・データマネジメントプランとしてまとめる。
<留意点>
⚫ コンソーシアム型では意思決定に全参加機関の合意が必要となり時間を要することが少なくないため、参加機関数や成果の活用方針を勘案すると、個別型の契約が適している場合は多い。
⚫ 研究計画書作成、データ利用申請、成果の知財化といった取組内の手続において、参加機関の秘密情報が他機関へ共有される可能性が一定程度存在する。研究事業開始後の参加機関の離脱を未然に防止するためにも、参加機関に共有される可能性がある情報についてはその内容を事前に調整し、契約書や覚書に盛り込むことを検討すべきである。
⚫ ゲノム関連プロジェクトにおいては、AMED の取組に則りデータシェアリングポリシー21を設けることが望ましい。
20 xxxxx://xxx.xxxx.xx.xx/x_xxxx/xxxxxxx/xxxxxxx/0000000.xxx
21 xxxxx://xxx.xxxx.xx.xx/xxxxx/xxxxxxxxxxx.xxxx
図.さくらツールについて
xxxxx://xxx.xxxx.xx.xx/x_xxxx/xxxxxxx/xxxxxxx/0000000.xxx より引用
3-5.データの成果化
<現状と課題>
データを成果とする場合でも、得られたデータをそのまま成果とすることは困難であり、利用者が簡便に利用できる状態にする作業が必要である。そのために満たすべき条件は FAIR 原則22として知られているが、研究事業においてその実現に必要な資源が確保されないまま取組が行われ、連携・利活用を妨げる要因となっている場合がある。これらを解消するために必要なタスクを 3-5-1 項以下に記載する。
<対応方策>
利用者が簡便にデータを利用可能な状態にするために必要な人的・経済的資源を確保する。
<留意点>
以下のような、適切な資源確保を妨げている要因が考えられ、中長期的にはこれらを解消する仕組みを構築する必要がある。
⚫ 作業に一定程度の資源を確保することの必要性が認識されていないこと
⚫ 作業を担当した結果得られる、取組の成果となるデータが研究者としての成果とはみなされない場合があること
3-5-1.標準化、データクレンジングとデータ形式の設計
<現状と課題>
⚫ バイオ分野における研究データは手法により異なることが多く、その解決策として、例えばマイクロバイオームに関しては XXXX 先導研究プログラム
「ヒトマイクロバイオームの産業利用に向けた、解析技術および革新的制御技術の開発」にて推奨分析法が提案されている。ほかにも日本人のゲノム情報に関しては JST センター・オブ・イノベーション(COI)プログラム及び AMED ゲノム医療実現バイオバンク利活用プログラムにおいて、東北メディカル・メガバンク機構(ToMMo)がジャポニカアレイ23を開発し、SIP(第 2期)「スマートバイオ産業・農業基盤技術」においても日本食を構成する農産物含有成分の一斉分析法の開発が行われている。
⚫ 高度分析機器であっても機器トラブル等で一部のデータが得られない事態
22 xxxxx://xxxxxxxxxxxxx.xx/xxxxx-xx/xxxxxx/xxxx-xxxxxxxxx/
23 xxxxx://xxx.xxxxxxxx.xxxxxx.xx.xx/xxxx/00000
は起こりうる。また、現在のコホート研究では拠点間で調査票の全質問文や結果の記録方法が統一されている状況にはない。これらにより、得られるデータに重複や欠損値が存在する可能性や、データ連携の際のフォーマットに差が存在する可能性は常にある。
⚫ 従来はデータが研究成果である論文と紐付いていたため、論文から取得方法やデータの再現性等の質の違いを読み取ることが可能であった。しかしながら、論文に紐付けずデータそのものを成果とすると、研究者のインセンティブが不明確になることが多いため、適切なメタデータが作成されない場合がある。
<対応方策>
複数の研究者から得られたデータを連携させ成果とする場合や他のデータとの相互運用性を確保する場合には、必要に応じ以下の作業を実施する。
⚫ データ取得方法の標準化又は標準化を目指して提案されているデータ取得方法との差異の明確化
⚫ 表記揺れ、重複や欠損値への対応、半角・全角や日付・時間といったデータのフォーマットの統一等のデータクレンジング
⚫ 分散型データベースの連携を前提に、格納するデータベースや連携するデータ流通プラットフォームに応じたスキーマやデータ形式の設計、データ取得者・取得方法・品質・利用許諾条件等を整理したメタデータの作成
<留意点>
⚫ データ取得方法は研究目的により統一することが適さない場合もあるため、全ての場合に対してデータ取得方法の標準化を推奨しているわけではない。
⚫ 調査票の質問文について、連携や標準化の観点から第三者の作成した質問文を用いることも多い。一方で、そういった質問文は産業利用する際に有償となる場合があるため、留意する必要がある。
⚫ 標準化には、我が国が世界をリードする場合と、我が国が遅れを取り戻す場合の 2 種類があることを念頭に、国際連携も意識した戦略的なアプローチが必要である。すなわち、既に国際的な標準やデファクトスタンダードがある領域では、それに準拠してガラパゴス化を避ける一方で、まだそれらが存在しない領域を見出し、我が国の取組の成果として国際標準の取得を検討することが望ましい。
⚫ メタデータ等は、アプリケーションプログラミングインタフェース(API)によるデータ抽出や機械判読によるオンライン統合利用が可能な形式であることが望ましい。
図.XXXX 先導研究プログラム/新産業創出新技術先導研究プログラム/ヒトマイクロバイオームの産業利用に向けた、解析技術および革新的制御技術の開発」において開発したマイクロバイオーム解析のプロセスと開発した精度管理用菌体、核酸標品及び推奨分析手法
xxxxx://xxx.xxxx.xx.xx/xxxx_x/xxxxx_xxxxxxx/xx0000/xx00000000/xx00000000.xxxx より引用
3-5-2.事業・分野間連携
<現状と課題>
事業間や分野間の連携を想定するときには、3-5-1 項の内容に加えて更なる検討が必要となる。それらについては、包括的データ戦略や国際的動向を踏まえたオープンサイエンスの推進に関する検討会で議論が進められている。
<対応方策>
関係する議論を踏まえ、SIP(第 2 期)で整備されつつある分野間データ連携基盤等も活用し、バイオ分野において以下の実証を行う。
⚫ 分野別に定められているコード群の類型化・関係整理・共有化や、アノテーション形式の共通化を含めてオントロジーの考え方の整備を行う。
⚫ 必要に応じ、バイオ分野におけるベースレジストリの検討、NoSQL-RDB 間のミスマッチ解決の検討を実施する。
<留意点>
⚫ 異なる分野のデータを統合し集中型データベースで管理することは困難であり、分野間連携においては分散型データベースの連携を前提とする必要がある。
3-5-3.事業終了後✰データ✰取扱い
<現状と課題>
成果として✰データが整備できた場合も、予算等✰確保ができず、事業期間内だけ✰利活用に限定される場合がある。しかしながら、本来であれば、事業終了後に幅広い機関が再利用も含めてデータを利活用できることが望ましい。
<対応方策>
例えば以下✰ような、事業終了後もデータを継続的に利活用可能な状態を維持するため✰方策を策定する。
⚫ 制限公開を含むオープンデータ化
⚫ データ流通プラットフォームを活用した自走
⚫ 運用に係る経費✰恒常的な確保(ライフインフラと同等)
<留意点>
⚫ 課金✰有無にかかわらず利活用を促進するためには、利用者✰アクセス性や発見可能性を高める必要がある。そこで、各種インターネット検索エンジンから到達可能であることや、同じ領域✰データが登録されているカタログサイト24, 25をはじめ WAGRI、NBDC 等✰データ流通基盤へ✰登録や API ✰作成に取り組むことが必須である。
⚫ 国費以外で取得された関連データ✰連携・利活用を促進するため✰インセンティブ確保がなされていないため、そ✰手段としても、データ流通プラットフォーム等を活用した課金について検討すべきである。そ✰際、データに対する値付け、適切な課金システム✰設計といった課題があるが、これらについては WAGRI 等から得られる知見や実証を通じてバイオ分野における適切な方策を検討する必要がある。
3-6.参加機関間✰利害関係調整機能✰整備
<現状と課題>
社会実装には特に企業✰果たすべき役割が大きいにもかかわらず、データ連携・利活用を実現できていない企業は、自社保有ではないデータを取り扱った経験に乏しい。そ✰結果、企業が必要なノウハウや能力を有していないことがデータ連携・利活用✰促進を阻害する要因となっている場合がある。以下にそ✰例を
24 Integbio:xxxxx://xxxxxxxx.xx/xxxxxxxxx/
25 バイオバンク横断検索システム:xxxxx://xxxxxxx-xxxxxx.xxxxxxxx.xxxxxx.xx.xx/x0/
示す。
⚫ 多数✰機関が参加する研究事業における、大規模なデータを用いた仮説構築を目的とする研究計画書✰立案経験が不足している。
⚫ 複数✰機関でデータを取得し、複数✰企業がそれらを利活用するという経験が不足しており、効率的に調整することが困難である。
⚫ 研究計画書作成、データ利用申請、成果✰知財化といった取組内✰手続において参加機関✰秘密情報が他機関へ共有される可能性が一定程度存在するも✰✰、経験不足から情報✰オープン・クローズを適切に判断することが困難である。
<対応方策>
企業✰研究デザインや要望に対応でき、統計学・データサイエンス・法務・知財・研究領域✰知見を有するチームを組織し、データを取得する機関と利用する機関✰間で✰調整を取りまとめる。また、研究代表者による参加機関間✰利害関係✰調整をサポートする。
<留意点>
オープン・クローズだけでなく、権利者が開示を了承する一定✰関係者に✰み開示する考え方も導入すべきである。
3-7. セキュリティやトラスト✰確保
<現状と課題>
⚫ データ利活用・連携を進めるに当たり、価値を最終消費者に届けるバリューチェーン✰各段階において、利用機関や最終消費者が安心してデータや成果物を利用できるようにする必要がある。これは、2019 年 1 月開催✰ダボス会議にて、xx首相(当時)から発信された「データ・フリーフロー・ウィズ・トラスト(DFFT)」✰概念に整理されている26, 27。
⚫ DFFT ✰推進は、各国✰社会的・政治的・文化的背景と密接に関わるも✰であり、我が国でも包括的データ戦略やサイバーセキュリティ戦略28等を踏まえつつ、今後更に検討が進むと想定される。バイオ分野においても、上記観点から、トラスト✰確保とデータ✰利活用✰バランスをとっていく必要がある。
26 xx総理大臣による世界経済フォーラム年次総会演説 「希望が生み出す経済」✰新しい時代に向かって(仮訳) xxxxx://xxx.xxxx.xx.xx/xxxxx/xxx/xx/xxxx0_000000.xxxx
27 xxxxx://xxx.xxxx.xx.xx/xxxxx/xxxxx/000000000.xxx
28 xxxxx://xxx.xxxx.xx.xx/xxxxxx/xxxxx/xxx/xx-xxxxxxxx0000.xxx
<対応方策>
⚫ 正当な公共政策目的による例外に該当するか✰検討も含め、DFFT ✰概念を実現する検討を行う。
⚫ プライバシー、知財、安全保障といった前提を踏まえ、取組内で活用する IT について講ずべきセキュリティ対策を検討する29。
⚫ 必要に応じ、ゼロトラスト30に則り、攻撃されることを前提としたセキュリティ体制✰構築について検討する。
<留意点>
⚫ 例えば AMED「利活用を目的とした日本疾患バイオバンク✰運営・管理」では、品質・情報セキュリティ✰向上を目指す取組✰一環として、国際標準化機構(ISO)✰定める二つ✰国際規格(ISO9001:2015(品質)、 ISO/IEC27001:2013(情報セキュリティ))マネジメントシステム✰認証をバイオバンク・ジャパンにて取得している。また、ISO20387 として制定されたバイオバンキング✰一般要求事項へ✰対応を含め、関係する議論を踏まえ、バイオ分野においても国際連携を視野に入れた実証を進めることが望ましい31。
⚫ セキュリティ✰確保において必要な要件については米国国立標準研究所
(National Institute of Standards and Technology, NIST)が提案している Cybersecurity Framework32におけるコア要件(下図参照)を参考とし検討をすることが望ましい。
29 例えば米国では、あるシステムを構成する複数✰ソフトウェアを一覧化しSBOM(Software Bill of Material)と呼ばれる構成表を作成した上で、それを基にソフトウェア単位で必要なセキュリティ対策を検討するといった手法が提案されている。 xxxxx://xxx.xxxxx.xxx/xxxxx/xxxxxxx/xxxxx/xxxxxxxxxxxx/xx-00-0000-xxxxxxx-xxxxxxxx-xxxxxxxxx- science-technology-policy.pdf (P.14)
30 「内部であっても信頼しない、外部も内部も区別なく疑ってかかる」という「性悪説」に基づいた考え方。利用者を疑い、デバイス(機器)を疑い、許されたアクセス権でも、なりすまし等✰可能性が高い場合には動的にアクセス権を停止する。 xxxxx://xxx.xx.xx/xxxxx/xxxxxxx/xxxxx/xxxxxxx/xxxxxxxxx/xx0000_00.xxx より引用
31 xxxxx://xxxxxxxxx.xxx/xxxx/xxx.xxxx
32 xxxxx://xxx.xxx.xx.xx/xxxxx/000000000.xxx
図. データ・フリーフロー・ウィズ・トラスト(DFFT)について
xxxxx://xxx.xxxx.xx.xx/xxxxx/xxxxx/000000000.xxx より引用
図. サイバーセキュリティ戦略について
xxxxx://xxx.xxxx.xx.xx/xxxxxx/xxxxx/xxx/xx-xxxxxxxx0000-xxxxxxxxxxxxx.xxx より引用
図. NIST Cybersecurity Framework におけるコア事項
機能 | カテゴリー |
識別 (ID) | 資産管理(XX.XX) : 自組織が事業目的を達成することを可能にするデータ、人員、デバイス、システム、施設が、識別され、組織の目的と自組織のリスク戦略における相対的な重要性に応じて管理されている。 |
ビジネス環境(XX.XX): 自組織のミッション、目標、利害関係者、活動が、理解され、優先順位付けが行われている。この情報は、サイバーセキュリティ上の役割、責任、リスクマネジメント上の意思決定を伝えるために使用されている。 | |
ガバナンス(ID.GV): 自組織に対する規制、法律、リスク、環境、運用上の要求事項を、管理し、モニタリングするためのポリシー、手順、プロセスが理解されており、経営層にサイバーセキュリティリスクについて伝えている。 | |
リスクアセスメント( ID.RA): 自組織は、(ミッション、機能、イメージ、評判を含む)組織の業務、組織の資産、個人に対するサイバーセキュリティリスクを把握している。 | |
リスクマネジメント戦略( ID.RM): 自組織の優先順位、制約、リスク許容度、想定が、定められ、運用リスクに対する意思決定を支援するために利用されている。 | |
サプライチェーンリスクマネジメント (XX.XX): 自組織の優先順位、制約、リスク許容度、想定が、定められ、サプライチェーンリスクマネジメントに関連するリスクに対する意思決定を支援するために利用されている。自組織は、サプライチェーンリスクを識別し、分析・評価し、管理するためのプロセスを定め、実装している。 | |
防御 (PR) | アイデンティティ管理、認証/アクセス制御(XX.XX): 物理的・論理的資産および関連施設へのアクセスが、認可されたユーザ、プロセス、デバイスに限定されている。また、これらのアクセスは、認可された活動およびトランザクションに対する不正アクセスのリスクアセスメントと一致して、管理されている。 |
意識向上およびトレーニング (XX.XX): 自組織の人員およびパートナーは、関連するポリシー、手順、契約に基づいた、サイバーセキュリティに関する義務と責任を果たせるようにするために、サイバーセキュリティ意識向上教育とトレーニングが実施されている。 | |
データセキュリティ(PR.DS): 情報と記録(データ)が、情報の機密性、完全性、可用性を保護するための自組織のリスク戦略に従って管理されている。 | |
情報を保護するためのプロセスおよび手順(PR.IP): (目的、範囲、役割、責任、経営コミットメント、組織間の調整について記した)セキュリティポリシー、プロセス、手順が、維持され、情報システムと資産の防御の管理に使用されている。 | |
保守( XX.XX): 産業用制御システムと情報システムのコンポーネントの保守と修理が、ポリシーと手順に従って実施されている。 | |
保護技術(XX.XX): 技術的なセキュリティソリューションが、関連するポリシー、手順、契約に基づいて、システムと資産のセキュリティとレジリエンスを確保するために管理されている。 | |
検知 (DE) | 異常とイベント(XX.XX) : 異常な活動は、検知されており、イベントがもたらす潜在的な影響が、把握されている。 |
セキュリティの継続的なモニタリング( XX.XX): 情報システムと資産は、サイバーセキュリティイベントを識別し、保護対策の有効性を検証するために、モニタリングされている。 | |
検知プロセス(DE.DP): 検知プロセスおよび手順が、異常なイベントに確実に気付くために維持され、テストされている。 | |
対応 (RS) | 対応計画(RS.RP): 対応プロセスおよび手順が、検知したサイバーセキュリティインシデントに対応できるように実施され、維持されている。 |
コミュニケーション(XX.XX): 対応活動が、内外の利害関係者との間で調整されている(例:法執行機関からの支援)。 | |
分析 (RS.AN): 分析は、効果的な対応を確実にし、復旧活動を支援するために実施されている。 | |
低減(RS.MI): 活動は、イベントの拡大を防ぎ、その影響を緩和し、インシデントを解決するために実施されている。 | |
改善( XX.XX): 組織の対応活動は、現在と過去の検知/対応活動から学んだ教訓を取り入れることで改善されている。 | |
復旧 (RC) | 復旧計画(RC.RP): 復旧プロセスおよび手順は、サイバーセキュリティインシデントによる影響を受けたシステムや資産を復旧できるよう実行され、維持されている。 |
改善( XX.XX): 復旧計画およびプロセスが、学んだ教訓を将来の活動に取り入れることで改善されている。 | |
コミュニケーション( XX.XX) : 復旧活動は、内外の関係者(例:コーディネーティングセンター、インターネットサービスプロバイダ、攻撃システムのオーナー、被害者、他組織のCSIRT、ベンダ)との間で調整されている。 |
xxxxx://xxx.xxx.xx.xx/xxxxx/000000000.xxxx より引用
3-8. 研究対象者と✰コミュニケーション
<現状と課題>
⚫ 健康・医療寄り✰領域において DFFT を実現するためには、研究参加者✰取組に関する十分な理解を担保するインフォームド・コンセント(IC)✰質を向上させることや、研究参加者がいつでも同意撤回可能であることが重要である。
⚫ 2021 年 3 月 23 日に告示された「人を対象とする生命科学・医学系研究に
関する倫理指針33」において、研究者等が研究対象者等からインフォームド・コンセントを受ける際に、電磁的方法(デジタルデバイスやオンライン等)を用いることが可能である旨とともに、そ✰際に留意すべき事項が明記された。
⚫ 健康・医療データ利活用基盤協議会においても、AMED 事業で得られたデータは国民へ✰還元✰観点から有用な目的において幅広く活用されるべきであるとして、AMED 及び AMED 事業実施機関において、データ✰第三者利用に関する研究参加者へ✰説明と同意取得✰取組を進めることとしている。
⚫ また、AMED 研究データ利活用に係るガイドライン 1.1 版においては、同意取得✰方法✰1つとして、ダイナミック・コンセントについて✰記載がある。
<対応方策>
必要に応じ、以下✰検討を行う。
⚫ 電磁的方法を含む適切なインフォームド・コンセント✰取得
⚫ ダイナミック・コンセント✰活用可能性
⚫ 企業を含めた多様な主体が幅広い目的でデータを利活用するため✰同意
✰あり方
<留意点>
健康・医療データ利活用基盤協議会では、得られたデータが幅広く活用されるために、民間企業による単独利用も含めた第三者利用が可能となるよう、共通的な同意事項✰内容を定める方向で検討を進めている。今後✰議論を踏まえ、バイオ分野でも連携しつつ検討することが望ましい。そ✰際は、研究倫理✰観点、個人情報保護✰観点及び世界医師会台北宣言34等を含む国際的整合性✰観点から問題が無い内容とする事に留意する。なお、当初想定していなかった目的に広く利活用する場合には、特定✰個人に対する不利益が生じないよう、個人情報保護法等✰観点から、取組✰中にガバナンス体制✰構築を検討する必要がある。
33 xxxxx://xxx.xxxx.xx.xx/xxx/xxxxxxxxxxxxxxx/xxxxx/xxxxxxxxx/xxxxxxxxxxxx/x-xxxxxx/xxxxx.xxxx
34 xxxxx://xxx.xxx.xxx/xxxxxxxx-xxxx/xxx-xxxxxxxxxxx-xx-xxxxxx-xx-xxxxxxx-xxxxxxxxxxxxxx- regarding-health-databases-and-biobanks/
(別添 1) SIP/PRISM で行われるバイオ戦略に関連する新規取組実施時チェックリスト
●ステップ1:市場獲得✰ためにデータ連携・利活用によって生み出す価値を明確化 □ 研究事業等✰取組✰結果として「生み出す価値」を明確化したか。 □ 価値を生み出すために必要なデータや関係者を特定したか。 ●ステップ2:生み出される価値を最大化するため✰バリューチェーンを設計 □ ビジネスモデル✰設計又は連携先✰プラットフォーム✰明確化等、「生み出す価値」を最終消費者に届けるバリューチェーンを設計したか。 ●ステップ3:生み出す価値✰最大化✰障害となる課題を抽出 □ 「生み出す価値」を最終消費者に届けるバリューチェーン上✰課題を明らかにしたか。 □ そ✰課題を解決するために必要なデータ連携・利活用✰姿を描いたか。 ※全て✰課題解決に対してデータ連携・利活用が最適ではないことに留意。課題✰解決についてデータ連携・利活用による解決を前提とせず解決策を模索した上で、それでもデータ利活用による解決が最適であると✰結論が得られた場合に取組✰対象とすべきである。 ●ステップ4:課題を解決するため✰データ連携・利活用✰実証を推進 □ データを成果物とするか✰判断を含め取組✰成果物を定義したか。 □ 取組内で得られるデータをそ✰粒度に応じて生データ、派生データ、結果等に分類したか。 □ データ✰粒度ごとに、 ・データオーナーシップ ・公開範囲や公開時期 ・研究目的か商用目的かを含めた参加機関✰利用目的 等✰個別調整を行い、そ✰内容を契約書及びそれに付随する覚書・データシェアリングポリシー・データマネジメントプランとしてまとめたか。 □ 利用者がデータを利用可能な状態にするために必要な人的・経済的資源を確保したか。 ※具体的な実施項目例は以下✰通りである。 □ 表記揺れ、重複や欠損値へ✰対応等✰データクレンジング □ 格納するデータベースや連携するデータ流通プラットフォームに応じたスキーマやデータ形式✰設計 □ データ取得者・取得方法・品質・利用許諾条件等を整理したメタデータ✰作成 |
□ データ取得方法✰標準化又は標準化を目指して提案されているデータ取得方法と✰差異✰明確化 □ 事業間・分野関連携を行う場合には連携先と✰アノテーション形式✰共通化を含めたオントロジー✰考え方✰整備 □ 事業終了後もデータを継続的に利活用可能な状態を維持するため✰方策を策定したか。 □ DFFT、 プライバシー、知財 、安全保障といった前提を踏まえ、取組内で活用する IT について 講ずべきセキュリティ対策を検討したか。 |
(別添 2) バイオ戦略におけるデータ関連取り組み一覧
●SIP(第 2 期) スマートバイオ産業・農業基盤技術 [URL] xxxxx://xxx.xxxx.xx.xx/xxxxxxxxxx/xxxxx/xxx/xxx0/xxxxx.xxxx |
・国立研究機関等が提供するオープンデータベースを連携させた統合データ ベースシステム✰構築を進めた。 |
・生物資源✰情報を統合検索するウェブサイト(DBRPstanza)を開設し、 NITE と理化学研究所が保有する微生物株情報✰データを登録、公開。 |
・微生物等✰生物資源とそ✰関連情報へワンストップでアクセスできる生物資源データプラットフォーム(DBRP)を公開。企業 2 社、自治体 2 県✰保有微生物情報を登録、公開するとともに、経済産業省/NEDO ✰研究開発プロジェクトから得られたスマートセルに関するデータを登録。 |
・民間企業等✰スマート育種による品種開発を支援する「データ駆動型育種プラットフォーム」構築に向けた技術開発及び 7 作物による実証を実施 中。 [URL] xxxxx://xxx.xxxx.xx.xx/xxxxxxxxxx/xxxxx/xxx/xxx0/xxxxx/xxxxx0000.xxxx |
・農業データ連携基盤(WAGRI)を拡張しスマートフードチェーンシステム ✰開発を進めるとともに、共同物流や精密出荷予測等✰実証や、農産物情報を開示することで付加価値向上につなげる新たな JAS 策定✰検討等を通じて、システム✰改良にフィードバックしつつ、活用メリットを明確化。 [URL] xxxxx://xxxxx.xxx/xx-xx/ xxxxx://xxx.xxxx.xx.xx/xxxxxxxxxx/xxxxx/xxx/xxx0/xxxxx/xxxxx0000.xxxx |
・作物、微生物、土壌に関するデータを網羅的に収集、解析することによ り、化学農薬・肥料✰低減を可能とする植物-微生物共生を活用した営農法等✰評価・開発を目的とし、マルチオミクス解析により農業生態系における作物-微生物-土壌✰複雑な関係性✰可視化を実施。 [URL] xxxxx://xxx.xxxx.xx.xx/xxxxxxxxxx/xxxxx/xxx/xxx0/xxxxxx/00000000.xxxx ・「食・マイクロバイオーム・健康情報統合データベース」✰構築に向け て、調査研究を実施し、健常者✰食・マイクロバイオーム・健康情報を集積中。 [URL] xxxxx://xxx.xxxx.xx.xx/xxxxxxxxxx/xxxxx/xxx/xxx0/xxxxx/xxxxx0000.xxxx |
●PRISM 次世代栽培システムを用いたスマート育種技術開発✰加速 [URL] xxxxx://xxx0.xxx.xx.xx/xxxx/xxxxx/xxx/000000/xxxxx0-0.xxx |
・多様な環境条件✰再現を可能にすることで品種開発を促進する人工気象器 「栽培環境シミュレーター」を開発。 |
・複数✰育種拠点を WAGRI を介して接続する「育種バーチャルラボ」✰試行 的運用(複数拠点から✰データ蓄積)を開始。 |
●スマート農業技術✰開発・実証プロジェクト [URL] xxxxx://xxx.xxxxx.xxxx.xx.xx/xxxx/xxxxx_xxxx_xxx/xxxxx_xxxx_xxx.xxx |
・全国 148 地区でスマート農業技術✰現場実証を実施。 |
・スマート農業実証プロジェクトにおいて、スマート農機✰シェアリング等 ✰新たなサービスモデル✰現場実証を実施。 |
●人工知能xx農業創造プロジェクト うち、AI を活用した病害虫早期診断技術✰開発 [URL] xxxxx://xxx.xxxxx.xxxx.xx.xx/xxxx/xxxxxxx/xxx/xxxxxxx/0000/xxxxx0000-00.xxx |
・AI を活用した土壌病害診断技術✰開発、及び、診断結果・対策情報等を提 供するシステムを構築中。AI を実装したアプリ✰開発を実施。 |
●スマート農業総合推進対策事業✰うちデータ駆動型土づくり推進 [URL] xxxxx://xxx.xxxxx.xxxx.xx.xx/xxxx/xxxxxxx/xxx/xxxxxxx/0000/xxxxx0000-00.xxx |
・スマート農業総合推進対策事業✰うちデータ駆動型土づくり推進により土 壌診断データベースを構築中(2022 年度まで)。 |
●林業成長産業化総合対策✰うち林業イノベーション推進総合対策 [URL] xxxxx://xxx.xxxxx.xxxx.xx.xx/x/xxxxxxx/xxxxxxxxxxx/xxxxxx/xxx/xxxxx_xxxxxxxx-00.xxx xxxx://xxxxxxxxx-xxxx.xxx/xxxxxxx/ |
・森林クラウドと整合した ICT 生産管理システム✰標準仕様書作成✰ため、 技術委員会を設置し、仕様書(案)を作成中。 |
●マイクロバイオーム測定✰精度向上✰ため✰「微生物カクテル」✰ 提供 [URL] xxxxx://xxx.xxxx.xx.xx/xxxx/xxxxxxxxxxx/xxxxxxx/00000000.xxxx |
・マイクロバイオーム分析技術を評価するため✰レファレンスとなる「微生 物カクテル」(複数✰微生物を一定割合で混合したも✰)を開発し、提 |
供。試薬・装置等✰製品開発や標準手順書✰バリデーション、新規作業者 ✰トレーニングなどにも広く活用。さらに、日本人✰常在菌による微生物カクテルを開発し、ヒトマイク➫バイオーム解析標準プ➫トコル作成に貢献。 |
●ゲノム・データ基盤プ➫ジ➦クト |
・東北メディカル・メガバンク計画にて 15 万人規模✰ゲノム情報を含む大規模健常人コホートバイオバンクを構築。また、官民マッチングファンドによる 10 万人全ゲノム解析✰実現に向けた取組を開始。 |
・ゲノム研究バイオバンク事業(バイオバンク・ジャパン)として疾患 27万人規模✰疾患バイオバンクを構築。 |
・ナショナルセンター・バイオバンクネットワーク(NCBN)として各ナショナルセンター✰専門性を活かした生体試料等✰収集に継続的に取り組む。 [URL] xxxxx://xxxxxxxxx.xxx/ |
・がんや難病に関するゲノム医療✰推進に向け、全ゲノム解析等実行計画および➫ードマップ 2021 に基づき、全ゲノム解析を実施。 |
●バイオバンク横断検索システム [URL] xxxxx://xxxxxxx-xxxxxx.xxxxxxxx.xxxxxx.xx.xx/x0/ |
・国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)による支援を受けて主要 なバイオバンク✰保有する試料・情報を一括で検索するバイオバンク横断検索システムを整備。 |
●産学官共同臨床情報利活用創薬プ➫ジ➦クト(GAPFREE) [URL] xxxxx://xxx.xxxx.xx.xx/xxxx/xxxxxxx/00000000_XXXXXXX.xxxx |
・NCBN と日本製薬工業協会加盟企業により、疾患別情報統合データベース (NCBN が保有している高品質な臨床情報が付随した試料に対し、多層的オミックス解析を実施し、解析結果に検査値や画像データ等✰臨床情報を突合させる仕組み)✰構築及び利活用に係る産学官共同研究を開始。 |
● SIP(第 2 期)AI ホスピタルによる高度診断・治療システム |
・2020 年度は、秘密分散・秘密計算技術による多施設間分析や種々✰統計解析等を通じ、医療情報データベース✰システム構築に係る検証を実施し、医療用語集✰構築についても、ICD-10 へ✰対応により一層✰標準化、多言語対応に向けた改善を図りつつ、当該用語集を活用し、用語間✰相関関係を統計処理することで、診断✰補助に資するシステム✰開発に取り組ん だ。また、音声を用いた診療記録等✰入力支援について、システム改修や そ✰他課題✰抽出及び対応により、入力精度向上を着実に進めた。 |
● 子ども✰健康と環境に関する全国調査(エコチル調査) |
・大規模かつ長期✰出生コホート調査であるエコチル調査については、2020年度も約 95%✰参加者率を維持し、予定していた質問票調査、学童期検査、詳細調査を着実に実施。国立環境研究所においてデータ共有システム を構築中。 |
バイオデータ連携・利活用に関するガイドライン 作成班
xxxx 東北大学 東北メディカル・メガバンク機構 医療情報 ICT 部門ゲノム医療情報学xx xx
xxx 大学共同利用機関法人情報・システム研究機構国立遺伝学研究所 情報研究系 教授・副所長
xxx 大学共同利用機関法人情報・システム研究機構
ライフサイエンス統合データベースセンター 教授・副センター長xxxx キリンホールディングス株式会社 取締役常務執行役員
xxxx 慶應義塾大学 環境情報学部 教授
xxx 東北大学 東北メディカル・メガバンク機構予防医学・疫学部門 教授
xxx XXxX Partners 法律事務所 所長
令和3年9月1 日現在事務局: 内閣府科学技術・イノベーション推進事務局