Contract

[事案 27-89]契約無効請求

・平成 28 年 1 月 27 日 和解成立

＜事案の概要＞

すべての契約について、契約内容を了知していなかったことを理由に、既払込保険料の返還等を求めて申立てのあったもの。

＜申立人の主張＞

平成 22 年 3 月に締結した終身医療保険等について、以下の理由により、既払込保険料を返還し、また自分の要求に応じないことを理由に慰謝料を支払ってほしい。

(1)保障内容が募集人の説明内容と異なる。

(2)募集人とは顧客紹介など自分の事業に協力するというバーター条件で本契約に加入したが、これは保険業法第 300 条 1 項 5 号に違反する。

(3)募集人の対応の悪さを指摘して担当者の変更を求めたが、保険会社が応じなかった。

＜保険会社の主張＞

以下の理由により、申立人の請求に応じることはできない。

(1)募集人は、設計書やパンフレットを用いて適切な説明を行った。

(2)本契約は、申立人が主張するバーター条件で加入されたものではない。

(3)募集人に不適切な募集などが認められなければ、担当者を代えることはできず、申立人の申出には適切に対応している。

＜裁定の概要＞

1.裁定手続

裁定審査会は、当事者から提出された書面にもとづく審理の他、申立人および募集人に対して、募集人の説明内容に不適切な点があったかどうか、また加入から失効に至った経緯などを把握するため事情聴取を行った。

2.裁定結果

上記手続の結果、損害賠償請求は認められないが、募集人は申立人から複数回、金銭の借り入れを行う等しており、金銭の借入れと保険料の管理に関連性があるとの疑いを生じさせる不適切な対応であったと言えることを考慮し、業務規程第 34 条第 1 項にもとづき、和解案を当事者双方に提示し、その受諾を勧告したところ、同意が得られたので、和解契約書の締結をもって解決した。

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