Contract
工事受注者各位
令和5年3月20日
x x 部 契 約 課
(担当 工事契約係)
工事請負契約における請負代金内訳書の提出について
市発注工事における、社会保険料等の未加入対策の一環として、工事受注者に対し法定福利費を明示した請負代金内訳書の提出を求めることとするので、周知くださいますようお願いいたします。
記
1 対象工事
令和5年4月1日以降に請負契約を締結する、約款適用の全工事。
2 実施方法
・契約締結後5日以内に、法定福利費を明示した請負代金内訳書を工事担当課に提出してください。
・請負代金内訳書の様式は任意ですが、法定福利費(工事に従事する現場労働者に関する健康保険、厚生年金保険及び雇用保険の事業者負担額)を必ず記載してください。
3 その他
請負代金内訳書による法定福利費の金額が、市が算出した額に比べて著しく低い場合、金額の妥当性について確認を行います。
※国土交通省において、法定福利費の明示に関し必要な情報が明記されているので、これらを参考の上、適切な方法で算出してください。
・【資料1】法定福利費を内訳明示した見積書の作成手順
・【資料2】法定福利費を内訳明示した見積書の作成手順(簡易版)
・【参考例1】請負代金内訳書(営繕工事以外)
・【参考例2】請負代金内訳書(営繕工事)
【資料1】
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40
64
40
40 64
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4
2 1
40 64 52.9 H25
1.58 1/2 52.9 0.418 (r)
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6
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(平成28年度実施『法定福利費セミナー』教材より作成)
平成29年2月28日
国土交通省 土地・建設産業局 建設市場整備課
目次
ははじじめめにに 「法定福利費を内訳明示した見積書」とは・・・・・・P1
作作成成手手順順 xxxxxを内訳明示した見積書の作成手順・・・・・P2
0 見積書に記載する内訳を確認する ・・・・・・・P3
1 工事ごとの労務費を算出する ・・・・・・・・・P3
2 労務費をもとに法定福利費を算出する ・・・・・P5
3 見積書に法定福利費を明示する ・・・・・・・・P6
参参考考 1 工事ごとにかかる法定福利費の計算例 ・・・・・・P7
2 よくある質問 ・・・ ・ ・・ ・・・ ・・・・・・P8
3 下請指導ガイドラインの関係する記述 ・・・・・・P8
最最後後にに もっと詳しい情報について・・・・・・・・・・・・・P9
【資料2】
はじめに
「法定福利費を内訳明示した見積書」とは
「法定福利費を内訳明示した見積書」の目的
○ 現場作業員の法定福利費は、それぞれの工事ごとの請負金額の中で確保する必要があります。
○ このため、見積書の中法定福利費を明示し、元xxで必要な法定福利費の確保
繋げます。
「法定福利費を内訳明示した見積書」の活用
○ 平成25年9月、国土交通省・厚生労働省や建設業団体より構成される「社会保険未加入対策推進協議会」で申し合わせがされ、業界全体の取組として見積書の活用が開始されました。
○ 国土交通省としても、「社会保険の加入関する下請指導ガイドライン」などで、法定福利費を内訳明示した見積書の提出・尊重を要求しています。
従来の見積書の違い
○ 従来の取引慣行では、トン単価や平米単価よる見積りが一般的で、法定福利費がどのよう取り扱われているのかが分かりくい状況でした。
○ そこで、従来の総額よる見積書ではなく、法定福利費を内訳明示して見積金額を計上することとしています。
「法定福利費を内訳明示した見積書」の作成
○ 法定福利費とは、法律上の支払義務がある社会保険料の事業主負担分を指します。
元請企業
~内訳明示する保険料の範囲~
工事ごとの労務費をもとに、必要な法定福利費を算出する
○ 社会保険料は、保険加入する労働者の賃金をもと、支払わなければならない額が決まります。
○ 工事ごと現場作業員の労務費が発生するのとあわせ、工事ごと法定福利費を算出します。
◇ ◇ ◇株 式会社 殿 住 所 × ×
○ ○ 株 式 会 社
(消 費 税 込 )
見積金額 L
(内 訳 ) 数 量 単 価 金 額
A
○ ○ ○ 工 事 材 料 費 B
労 務 費 C
経 費 ( 法 定 x x 費 を 除 く ) D =A + B +C
小 計
法 定 x x 費 金 額 金 額
法 定 x x 費 事 業 主 負 担 額 対 象
B 1 .0 5 0 % p E ・ ・ ・B × p
雇 用 保 険 料
4 . 9 85 % q F・ ・ ・ B × q
健 康 保 険 料 ( ※ 1 ) B
0 . 4 5 0 % r G ・ ・ ・ B × r
介 護 保 険 料 ( ※ 2 ) B
× s
厚 生 年 x x 険 料 B 8 . 8 87 % s H ・ ・・ B
( 児 童 手 当 拠 出 金 含 む ) I
合 計 B 1 5 .3 7 2 % t I ・ ・ ・ B × t
※ 1 協 会 けんぽ x xx 部 加 入の 場 合
H2 4 事業 年 報 より ) と 仮定
※ 2 介護 保 険加 入 割 合を5 2. 4 %( 協会 け ん ぽ
J= D + I
K = J× 5 %
消 費 税 等
L = J + K
合 計
御見積書(
例)
歩 掛
項 目
料 率
小 計
◇◇ ◇ 株式会社 殿 住 所 × ×
○ ○ 株 式 会 社
)
見積金額 L ( 消 費 税 込
( 内 訳 ) 数 量 単 価 金 額
A
○ ○ ○ 工 事 材 料 費 B
労 務 費 C
経 費 (法 定 x x 費 を 除 く ) D = A + B + C
小 計
法 定 x x 費 金 額
法 定 x x 費 事 業 主 負 担 額 対 象 金 額
B 1 . 0 50 % p E ・・ ・ B × p
雇 用 保 険 料
B 4 . 9 8 5 % q F ・ ・ ・ B × q
健 康 保 険 料 ( ※ 1 )
0 .4 5 0 % r G ・ ・ ・ B × r
介 護 保 険 料 ( ※ 2 ) B
× s
厚 生 年 x x 険 料 B . 88 8 7 % s H ・ ・ ・ B
(児 童 手 当 拠 出 金 含 む ) I
合 計 B 1 5 . 3 7 2 % t I ・・ ・ B × t
※ 1 協会 け んぽ x xx 部 加 入の 場 合
ぽ H 24 事業 年 報 よ り)と仮 定
※ 2 介 護保 険 加入 割 合 を 5 2 . 4% ( 協会 けん
J = D + I
K = J × 5 %
消 費 税 等
L = J +K
合 計
御見積書(
例)
歩 掛
項 目
料 率
小 計
内訳明示する「法定福利費」とは
○現場作業員(建設工事を直接施工)
○該当する保険料の事業主負担分
○下記の5つの保険料
①雇用保険料(雇)
②健康保険料(健)
(介護保険料(介)含む)
③厚生年金保険料(厚)
(子ども・子育て拠出金(子)含む)
※ただし、各保険年齢要件あり
現場作業員
現場作業員以外
1
◇ ◇ ◇ 株式会社 殿 住 所 × ×
○ ○ 株 式 会 社
見積 金額 L ( 消 費 税 込 )
( 内 訳 ) 数 量 単 価 金 額
A
○ ○ ○ 工 事 材 料 費 B
労 務 費 C
経 費 ( 法 定 x x 費 を 除 く ) D = A + B + C
小 計
法 定 x x 費 金 額
法 定 x x 費 事 業 主 負 担 額 対 象 金 額
B 1 . 0 50 % p E ・・ ・ B × p
雇 用 保 険 料
B . 49 8 5% q F ・ ・ ・ B × q
健 康 保 険 料 ( ※ 1 )
0 .4 5 0 % r G ・ ・・ B × r
介 護 保 険 料 ( ※ 2 ) B
厚 生 年 x x 険 料 B . 8 88 7 % s H ・ ・ ・B × s
(児 童 手 当 拠 出 金 含 む ) ・ B × t I
合 計 B 1 5 .3 7 2 % t I・ ・
※1 協会 け んぽ x xx 部 加 入の 場 合
4 事 業 年 報 よ り)と仮 定
※ 2 介 護保 険 加入 割 合 を 5 2 . 4 % ( 協会 けん ぽ H 2
J = D + I
K = J × 5 %
消 費 税 等
L = J +K
合 計
御見積書(
例)
歩 掛
項 目
料 率
小 計
一次下請 一次下請
(従業員4人以下の個人事業所) (法人事業所)
二次下請 二次下請
(従業員4人以下の個人事業所) (従業員5人以上の個人事業所)
★左図中の各企業が内訳明示する保険料は、○で囲まれた作業員の・・・
御見積書(例) 三次下請
◇◇◇株式会社 殿 雇・健・介・x・子
住所 ××
内訳明示した見積書
○○ 株式会社
見積金 額 L (消費税 込)
(内訳 )
項目 数 量 歩掛 単価 金額
○○ ○工事 材料費 A
労務費 B
経費( 法定福利費 を除く) C
小計 D=A +B +C
法定 福利費
(一人親方)
法定福利費 事業主負担額 対象 金額 料率 金額
雇用保険料 B . 10 50% p E・ ・・B× p
健康保険料 (※1 ) B 4.9 85% q F・ ・・B× q
介護保険料 (※2 ) B 0.4 50% r G ・・・ B×r
厚生年金保 険料
B . 88 87% s H・ ・・B ×s
( 児童手当拠 出金含む)
合計 B 15.3 72% t I・ ・・ B×t I
※1 協会けんぽ東 京支部 加入の場合
※2 介護保険加入割合を5 2.4%(協会けんぽH 24 事業年報より)と仮定
小計 J= DI +
消費 税等 K =J ×5% 雇
合計 L= J+ K
提出の流れ
◇ ◇◇ 株式 会社 殿 住 所 × ×
○ ○ 株 式 会 社
消 費 税 込 )
見積金額 L (
金 額
( 内 訳 ) 数 量 単 価
A
○ ○ ○ 工 事 材 料 費 B
労 務 費 C
経 費 ( 法 定 x x 費 を 除 く ) D = A + B + C
小 計
法 定 x x 費 金 額
法 定 x x 費 事 業 主 負 担 額 対 象 金 額
. 05 0 % p E ・ ・・ B × p
雇 用 保 険 料 B 1
B 4 .9 8 5 % q F・ ・ ・B × q
健 康 保 険 料 (※ 1 )
B 0 . 4 50 % r G ・ ・ ・B × r
介 護 保 険 料 ( ※ 2 )
× s
厚 生 年 x x 険 料 B 8 . 8 87 % s H ・ ・・ B
( 児 童 手 当 拠 出 金 含 む ) t I
合 計 B 1 5 .3 7 2 % t I ・ ・ ・B ×
※ 1 協 会 けん ぽ x xx 部 加入 の 場合
業 年 報よ り) と仮 定
※2 介 護 保険 加 入 割合 を 52 .4 % ( 協会 け んぽ H 24事
J= D + I
K = J × 5 %
消 費 税 等
L = J + K
合 計
御見積書(例
)
歩 掛
項 目
料 率
小 計
作成手順
法定福利費を内訳明示した見積書の作成手順
【00 見見積積書書に記載に記載すするる内内訳を確訳を確認認すするる】
見積書を構成する要素としては、主材料費、労務費、一般管理費などがありますが、法定福利費の算出は「現場労務費」の算出が必要です
1 工事ごとの労務費を算出する
工事係る労務費は、企業ごとの実態応じた方法で算出します
純粋労務費を積み上げて見積りをとっていない場合は、以下の方法があります
・数量ごと歩掛かりで労務費の額を計算
・工事全体の標準的な労務費比率を用いて労務費の額を計算
2 労務費をもとに法定福利費を算出する
法定福利費を算出するは、労務費、対象となる社会保険の法定保険料率を乗じることが必要です
【33 見見積積書書に法定に法定福福利利費費を明示を明示すするる】
見積書は、見積工事費総額だけでなく、法定福利費額を記載します
法定福利費を内訳明示した見積書の作成あたって
基本 法定福利費の算出方法
法定福利費 = ① 労務費 × ② 対象となる保険の料率
(ポイント)
➀ 見積り段階での労務費の算出の方法
(工事必要な人工数等がわかる場合)人工数を用いる ⇒P3
(工事価格占める労務費の割合がわかる場合)労務費比率を用いる ⇒P4
(労務費算出が困難)⇒下記Tips(その他の算出方法)
➁ 法定保険料率の把握 ⇒P5
Tips その他の算出方法
法定福利費=工事費×工事費当たりの平均的な法定福利費の割合
or
法定福利費=工事数量×数量あたりの平均的な法定福利費
→自社の施工実績基づくデータ等を用いて工事費含まれる平均的な法定福利費の割合等をあらかじめ算出し、個別工事ごとの簡便な算出用いる方法
→工事費の増減等が労務費と比例している工事ついて使用することが適当
2
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作成手順
0.見積書記載する内訳を確認する
材料費、労務費や経費(一般管理費等)などを、工事業種や各企業の実情合わせて算出します。
見積りの内訳
項 目 金 額 ① 材料費
数 量 ㎡単価 合 計
① 材料費 200,000円 材料費 200 1,000円 200,000円
② 労務費
(法定福利費除く) 450,000円 ② 労務費
→ 詳しくは次項以降
③ 経費
(法定福利費を除く) 65,000円
(①+②)×10% ③ 経費
(材料費 200,000円 + 労務費 450,000円)× 10%
小 計 715,000円
経費の%の判断基準は、
○過去の実績に基づく経験値
○各専門工事業団体毎に公表して ここでは、例として10%としているが、
いる標準見積書の% 企業や業種によって大きく異なるため、各社適切な値を用いること。など(下請)各社の妥当かつ適切なも
のによります。
作成手順
1.工事ごとの労務費を算出する
○ 労務費総額は、企業ごと工事内容等応じた適切な方法で算出します。
○ 例えば、以下のような方法が考えられます。
工事内容毎必要な人工数がわかれば、人工数と平均的な賃金を用いて労務費を算出します。
工事の種類 所要人工数 平均日額 労務費
(A) (B) (A)×(B)
作業1 5 10,000円 50,000円
作業2 20 20,000円 400,000円
労務費総額 450,000円
歩掛りを用いて人工数を計算する方法
工事数量標準的な歩掛りを用いて人工数を計算し、単価応じて労務費を算出します。
工事数量 歩掛り 所要人工数 平均日額 労務費 (A) (B) (C)=(A)÷(B) (D) (C)×(D)
200 8 25 18,000円 450,000円
3
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自社で過去の実績値があり、工事の性質上、ある程度定型化した、工事費の増
減又は数量の増減が労務費と比例している場合などは平均的な労務費の比率を用いる方法も有効です。
平均的な労務費の比率を用いる方法
工事業種、各企業の実情合わせて工事価格を見積もります。
工事名称 数 量 工事価格 (A)
○○工事 一式 1,000,000円
工事価格対し、工事業種や各企業の実情合わせた、平均的な労務費比率を乗じて、労務費を算出します。
工事価格 平均的な労務費比率(※1) 労務費 (A) (B) (A)×(B)
1,000,000円 25% 250,000円
ここでは、例として25%としているが、
企業や業種によって大きく異なるため、各社適切な値を用いること。
(※1) 労務費比率は、各企業において過去の経験や実績などに応じて適正に算出するか、各専門工事業団体の作成する標準見積書の数値を使用する。
業種や企業によって率は異なるものであり、労災保険料算定時に用いる労務費比率と必ずしも一致しない。
(参考)
○ 労務費を算出する方法ついては、各工事の実態応じ、適した方法で行います。
○ 各専門工事業団体で、業種の特性応じた「標準見積書」を作成していますが、歩掛かりや労務費の比率を用いる方法を以下の団体で採用しています。作成あたってご参照下さい。
以下挙げる業種以外も、それぞれの業種応じて標準見積書を公表していますので、見積書の作成あたってご参照下さい。
歩掛りを用いる方法 塗装、マスチック、左官、鉄筋、造園、室内、保温保冷、躯体、型枠、ダクト、運動施設、解体、インテリア、在来工法住宅、
フローリング、あと施工アンカー
平均的な労務費の 管、空調衛生、左官、xxx、
比率を用いる方法 カーテンウォール・防火開口部、
電設、シャッター・ドア、板硝子、
マンション計画修繕施工
※業種ごとの労務費の比率ついても、各標準見積書をご覧下さい
(一社)日本冷凍空調設備工業連合会
各専門工事業団体の作成した業種ごとの「標準見積書」
法定福利費を適切見積書で明示するため、各専門工事業団体おいて見積書の雛型となる「標準見積書」を作成しており、平成25年より活用が開始されています。
→ 国土交通省HP: 「標準見積書」で検索 4
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作成手順
2.労務費をもと法定福利費を算出する
労務費総額保険料率を乗じて、法定福利費を算出する。
法定保険料の種類 法定保険料率 用いる料率(A) 対象金額 法定福利費
(事業主負担分) (※1) (B) (A)×(B)
雇用保険料 0.9% 同 左 450,000円 4,050円
健康保険料 4.98% 同 左 450,000円 22,410円介護保険料 0.79% 0.79%×53.5%
(※2) 450,000円 1,901円
厚生年金保険料 9.091% 同 左 450,000円 40,909円子ども・子育て拠出金 0.2% 同 左 450,000円 900円合 計 15.961% 15.591% 70,170円
※この表にある法定保険料率は平成29年2月時点。健康保険料率は協会けんぽ(東京)を用いた。
(※1) 見積時に適用対象となる作業員の割合がわかる場合は、労務費総額にその割合を掛け合わせて対象金額を算出する。ここではすべての労働者が適用対象としている。 (わからない場合は、全ての作業員の加入を前提とする。)
(※2) 介護保険料は40歳以上65歳未満の者が対象となるため、法定保険料率にその割合を掛け合わせる。あらかじめ対象人数がわかる場合は、その割合を使用することが望ましい。(例:10人中7人が40
~64歳の場合は0.79%×7/10)
この例では、見積時に具体的な対象者の人数がわかっていないため、協会けんぽの被保険者全体に占める40~64歳の割合(53.5%)を用いている。
法定保険料率の調べ方
○ 法定保険料率は、それぞれ当局のホームページでご確認下さい
厚生年金保険&
雇用保険 健康保険&介護保険 子ども・子育て拠出金
→ 厚生労働省HP → 全国健康保険協会HP → 日本年金機構HP
「雇用保険 保険料率」で検索 「健康保険 保険料額表」で検索 「厚生年金 保険料額表」で検索
社会保険の適用関係
○ 事業所の形態や労働者数より、社会保険の適用は異なります。
○ 適用対象(内訳明示の対象)となる作業員の割合がわかる場合は、労務費総額その割合を掛け合わせて対象金額を算出します。(わからない場合は、全ての作業員の加入を前提とします。)
所属する事業所 労働保険 社会保険就労形態
事業所の形態 常用労働者の数 雇用保険 医療保険 (いずれか加入) 年金保険
・協会けんぽ
1人~ 常用 雇用保険 ・健康保険組合 厚生年金労働者 ・適用除外承認を受けた国民健康保
険組合(建設xxx)※
法 人
・協会けんぽ
・健康保険組合 :事業主負担あり
- 役員等 - ・適用除外承認を受けた国民健康保 厚生年金
:個人で加入(事業主負担なし)
険組合(建設xxx)※
・協会けんぽ
常用 ・健康保険組合 ※年金事務所健康保険の適
5人~ 労働者 雇用保険 ・適用除外承認を受けた国民健康保 厚生年金 用除外の承認を受けること個 人 険組合(建設xxx)※ により、国民健康保険組合
に加入する。
事業主 1人~4人 常用 雇用保険 ・国民健康保険
労働者 ・国民健康保険組合(建設xxx) 国民年金 ※国民健康保険組合は、保
険料の事業主負担がある
- 事業主、 ・国民健康保険 場合/ない場合がある。一人親方 - ・国民健康保険組合(建設xxx) 国民年金
5
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作成手順 3.見積書法定福利費を明示する(例)
具体に労務費が算出できる場合
御見積書
◇◇建設株式会社 殿
見積金額 ¥847,983 ・・・ (ア)+(イ)+(ウ)
項 目 金 額
① 材料費 200,000円
② 労務費(法定福利費を除く) 450,000円
③ 経費
(法定福利費を除く) 65,000円
(①+②)×10%
小 計 715,000円 ・・・ (ア)
【法定福利費(事業主負担分)】
保険料の種類 保険料率 対象金額
(事業主負担分) (労務費) 法定福利費
雇用保険料 0.9% 450,000円 4,050円健康保険料 4.98% 450,000円 22,410円介護保険料 0.79%×53.5% 450,000円 1,901円
厚生年金保険料 9.091% 450,000円 40,909円子ども・子育て拠出金 0.2% 450,000円 900円
合 計 - - 70,170円 ・・・(イ)
【消費税】
法定福利費 工事価格(法定福利費を含む) 消費税率 金 額
を含む
785,170円 ((ア)+(イ)) 8% 62,813円 ・・・ (ウ)
労務費比率を
御見積書 用いた場合
△△建設株式会社 殿
見積金額 ¥1,122,120 ・・・ (ア)+(イ)+(ウ)
法定福利費
【工事価格】 を含まない
工事名称 数 量 金 額
○○工事 一式 1,000,000円 ・・・(ア)
【法定福利費(事業主負担分)】
平均的な
工事価格 平均的な 保険料率 法定福利費
労務費比率 (事業主負担分) (事業主負担分)
1,000,000円 25% 15.6% 39,000円 ・・・ (イ)
保険料率の合計
【消費税】
法定福利費
を含む 工事価格(法定福利費を含む) 消費税率 金 額
1,039,000円((ア)+(イ)) 8% 83,120円 ・・・ (ウ)
6
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参考1
工事ごとかかる法定福利費の計算例
○ 法定xxxは、作業員の年齢やその他条件より異なります。イメージを掴んでいただくため、細かく計算した場合の例を示します。
○ 実際の見積時はここまで詳細な情報がわからない場合が多いと思われるため、P2~P6の作成手順を参考してください。
問
ある下請X社が仕事を請け負い、X社の労働者A~Eと下請Fで工事を行うこととなり、その工 事係る賃金等を以下のようした場合、X社が負担することなる法定福利費の額を計算する。
人工数 単 価 合 計 備 考
A職長 6 20,000円 120,000円 42歳
B作業員 5 18,000円 90,000円 45歳
C作業員 5 17,000円 85,000円 30歳
D作業員 5 15,000円 75,000円 65歳
E作業員 4 15,000円 60,000円 47歳、建設国保* F作業員 100,000円 一人親方
* E作業員は、健康保険適用除外の承認を受けて、事業主負担のない建設国保(国民健康保険組合)加入しているとする。
Check Point
・作業員の年齢による保険料の有無
Tips ・事業主負担の有無
【国民健康保険組合について】
従前から建設xxxの国民健康保険組合に加入している個人事業主が法人化した際や常時使用する従業員が5人以上に増加した際に、年金事務所に必要な手続き(健康保険被保険者適用除外承認申請による承認)を行って加入しているものであれば、適法に加入しているものとして扱われる。
ただし、雇用保険及び厚生年金保険への加入の義務は生ずる。
計算例
② ①で割り当てた対象者の労 ③ 各保険料率に②で求
① 従事する作業員がわかっているため、保険毎 務費を合算し、保険毎の対 めた金額を乗じて法定に対象者を決定する 象金額を決定する 福利費を求める
保険料の種類 法定保険料率 対象者 対象金額
(事業主負担分) (職長、作業員) (労務費) 法定福利費
雇用保険料(※1) 0.9% A、B、C、E 355,000円 3,195円
(120,000+90,000+85,000+60,000)
健康保険料(東京) 4.98% A、B、C、D 370,000円 18,426円
(120,000+90,000+85,000+75,000)
介護保険料(※2) 0.79% A、B 210,000円 1,659円
(120,000+90,000)
厚生年金保険料 9.091% A、B、C、D、E 430,000円 39,091円
(120,000+90,000+85,000+75,000+60,000)
子ども・子育て拠出金 0.2% A、B、C、D、E 430,000円 860円
(120,000+90,000+85,000+75,000+60,000)
合 計 - - - 63,231円
(※1)雇用保険料は64歳以上の支払いが免除されるため、D作業員分は負担なし。
(4月1日時点で64歳以上の被保険者は保険料免除。ただし、加入義務は65歳以上も生ずる。)
(※2)介護保険料は40歳以上65歳未満の者が対象となるため、C作業員分及びD作業員分は負担なし。
(※)E作業員は事業主負担のない建設国保に加入しているため、健康保険料・介護保険料について事業主負担なし。
(※)F作業員の一人親方は雇用ではなく請負の関係にあるため、全部の保険料について事業主負担なし。
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参考2 よくある質問
【法定福利費を内訳明示した見積書ついて】
Q.介護保険料はどのように計算するのか?
A. 介護保険の対象者は、基本的に40歳から64歳までの方になります。実際の現場労働者に占める40歳以上の割合を把握するのは困難な場合、協会けんぽウェブサイト掲載の割合(被保険者全体に占める40~64歳の者の割合)を用いる方法が考えられます。最新(H27年度)の数値は53.5%です。
Q.法定福利費も消費税の対象となるのか?
A. 内訳明示する法定福利費分は請負金額の内訳なので、消費税の対象となります。
Q.下請企業に工事を発注する場合は、下請企業の法定福利費も含めて見積書を作成するのか?
A. 下請企業に工事を発注する予定がある場合には、下請企業の法定福利費を含めて見積書を作成して下さい。ただし、見積書を作成する段階では下請企業に工事を発注するか決まっていない場合が多く、自社ですべて 施工した場合にかかる法定福利費を計算し、外注した分は下請に支払うこととなります。
Q.適用除外となる労働者の法定福利費の扱いは?
A. 雇用保険、健康保険、厚生年金保険の適用とならない労働者については、法定福利費は発生しないため、内訳明示する法定福利費から除外する必要があります。(例えば、常用労働者が1~4人の個人事業所では、原則雇用保険の法定福利費のみ内訳明示します。)
なお、見積段階で適用対象外となる作業員を把握することが難しい場合は、全ての作業員の加入を前提とした法定福利費を明示して下さい。その後、元請企業と協議を行い、最終的な金額を決定していきます。
参考3 「社会保険の加入関する下請指導ガイドライン」
おける法定福利費関する記述(概要)
元請企業(下請企業が工事を再下請負させる場合も同様)
・標準見積書の活用等による法定福利費相当額を内訳明示した見積書を提出するよう下請負人に働きかける
(見積条件に明示)
下請企業(再下請負の場合も同様)
・自らが負担しなければならない法定福利費を適正に見積り標準見積書の活用等により法定福利費相当額を内訳明示した見積書を注文者に提出
元請企業(下請企業が工事を再下請負させる場合も同様)
・下請企業から提出された見積書を尊重し、各々の対等な立場における合意に基づいて請負金額に適切に反映する
・下請企業の見積書に法定福利費相当額が明示され又は含まれているにもかかわらず、元請企業がこれを尊重せず、法定福利費相当額を一方的に削減したり、労務費そのものや請負金額を構成する他の費用(材料費な ど)で減額調整を行うなど、実質的に法定福利費相当額を賄うことができない金額で建設工事の請負契約を締結し、その結果「通常必要と認められる原価」に満たない金額となる場合には、当該元請下請間の取引依存度等によっては、建設業法第19条の3の不当に低い請負代金の禁止に違反するおそれがある
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最後に
もっと詳しい情報ついて
各専門工事業団体の作成した業種ごとの「標準見積書」
○ 法定福利費を適切見積書で明示するため、各専門工事業団体おいて見積書の雛型となる「標準見積書」を作成しており、平成25年より活用が開始されています。
○ 業種の特性等応じた見積書となっていますので、作成の際参照下さい。
→ 国土交通省HP: 「標準見積書」で検索
「法定xxxを内訳明示した見積書の作成手順」詳細版(国交省)
○ 国土交通省の公表している、法定福利費を内訳明示した見積書の作成手順です。
○ 業種等関わらず、見積書の標準的な作成手順を示しています。
→ 国土交通省HP: 「法定福利費を内訳明示した見積書の作成手順」で検索
社会保険の加入に関する下請指導ガイドライン
○ 建設業おける社会保険の加入ついての建設企業の取組指針です。
○ 「法定福利費を内訳明示した見積書」ついても記載しております。(詳しくは前項
「参考3」を参照。)
→ 国土交通省HP: 「社会保険 下請指導ガイドライン」で検索
社会保険労務士による「電話相談窓口」
○ 社会保険労務士が、社会保険制度等ついて電話で専門的な相談対応します。
○ 全国社会保険労務士会連合会及び各都道府県社会保険労務士会ご協力をいただき、無料の電話相談窓口を設置しています。
→ 国土交通省HP: 「社会保険労務士 相談窓口」で検索
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記載例
(参考)請負代金内訳書様式例(営繕工事以外)
【参考例1】
(元号)○年 ○月 ○日
提出日を記入する。
新潟市長 ○○ ○○ 様
契約書に記載する発注者名を記入する。
受注者 商号又は名称 株式会社○○建設
代表者氏名 代表取締役 ○○ ○○
請 負 代 x x 訳 書
工 事 名 ○○第○○○号 ○○○○○○工事工 事 場 所 新潟市〇〇区○○地内
契約年月日 (元号)○年 ○月 ○日
工 期 (元号)○年 ○月 ○日 から (元号)○年 ○月 ○日 まで
費 目 | 工 種 | 種 別 | 細 別 | 規 格 | 単位 | 員 数 | 単価 | 金 額 |
道路改良 | 式 | 1 | ||||||
道路土工 | 式 | 1 | 38,161,520 | |||||
掘削工 | ㎥ | 35,010 | 30,353,700 | |||||
土砂掘削 | ㎥ | 24,100 | 12,989,900 | |||||
軟岩掘削 | ㎥ | 9,260 | 11,852,800 | |||||
硬岩掘削 | ㎥ | 1,650 | 5,511,000 | |||||
路体盛土工 | ㎥ | 34,730 | 7,807,820 | |||||
流用土路体 | ㎥ | 22,020 | 4,602,180 | |||||
発生土路体 | ㎥ | 10,650 | 2,641,200 | |||||
採取土路体 | ㎥ | 2,060 | 564,440 | |||||
法面工 | ㎡ | 9,150 | 5,352,750 | |||||
植生工 | ㎡ | 9,150 | 5,352,750 | |||||
種子吹付 | ㎡ | 9,150 | 5,352,750 | |||||
舗装工 | ㎡ | 16,770 | 20,274,930 | |||||
アスファルト舗装工 | ㎡ | 16,770 | 20,274,930 | |||||
下層路盤工 | t=30cm | ㎡ | 16,770 | 20,274,930 | ||||
石・ブロック積(張)工 | 式 | 1 | 5,688,580 | |||||
ブロック積工 | 式 | 1 | 5,688,580 | |||||
コンクリートブロック積み | 式 | 1 | 5,688,580 | |||||
小型水路工 | 式 | 1 | 14,850,150 | |||||
管(函)渠工 | m | 20 | 7,393,000 | |||||
管(函)渠型側溝 | 3m×3.5m | m | 20 | 7,393,000 | ||||
側溝工 | m | 647 | 7,457,150 | |||||
プレキャストU型側溝 | m | 647 | 7,457,150 | |||||
直接工事費 | 式 | 1 | 84,327,930 | |||||
共通仮設費 | 式 | 1 | 12,311,000 | |||||
運搬費 | 式 | 1 | 1,982,000 |
準備費 | 式 | 1 | 2,005,000 | ||||
仮設費 | 式 | 1 | 1,026,000 | ||||
事業損失防止施設費 | (注)1に掲げる項目 | 式 | 1 | 450,000 | |||
安全費 | について該当する 項目を記載する。 | 式 | 1 | 1,766,000 | |||
役務費 | 式 | 1 | 636,000 | ||||
技術管理費 | 式 | 1 | 1,109,000 | ||||
営繕費 | 式 | 1 | 3,337,000 | ||||
純工事費 | 式 | 1 | 96,638,930 | ||||
現場管理費 | 式 | 1 | 12,591,000 | ||||
工事原価 | 式 | 1 | 109,279,000 | ||||
一般管理費等 | 現場労働者に関す | 式 | 1 | 12,591,000 | |||
工事価格 | る社会保険等の事 | 式 | 1 | 121,870,000 | |||
消費税相当額 | 業主負担額(法定x x費)を記載する。 | 式 | 1 | 12,187,000 | |||
工事費計 | 式 | 1 | 134,057,000 |
4,521,377
工事価格のうち、現場労働者に関する健康保険、厚生年金保険及び雇用保険の法定の事業主負担額
円
(注)1 共通仮設費については、内訳として運搬費、準備費、仮設費、事業損失防止施設費、安全費、役務費、技術管理費、営繕費があり、本工事で該当する項目全てについて記入すること。
2 本様式は参考として例示するものであり、適宜変更して差し支えない。
記載例
(参考)請負代金内訳書様式例(営繕工事)
【参考例2】
(元号)○年 ○月 ○日
提出日を記入する。
新潟市長 ○○ ○○ 様
契約書に記載する発注者名を記入する。
受注者 商号又は名称 株式会社○○建設
代表者氏名 代表取締役 ○○ ○○
請 負 代 x x 訳 書
工 事 名 ○○第○○号 ○○○○○○工事工 事 場 所 新潟市○○区大字○○地内
契約年月日 (元号)○年 ○月 ○日
工 期 (元号)○年 ○月 ○日 から (元号)○年 ○月 ○日 まで
工事別 | 種 目 | 科 目 | 中科目 | 規 格 | 単位 | 員 数 | 金 額 | |
建築工事 | ||||||||
庁舎 | 式 | 1 | 165,169,685 | |||||
直接仮設 | 式 | 1 | 7,313,800 | |||||
土工 | 式 | 1 | 23,265,025 | |||||
地業 | 式 | 1 | 395,836 | |||||
コンクリート | 式 | 1 | 15,700,553 | |||||
型枠 | 式 | 1 | 17,292,397 | |||||
鉄筋 | 式 | 1 | 13,350,138 | |||||
鉄骨 | 式 | 1 | 4,730,145 | |||||
既製コンクリート | 式 | 1 | 957,402 | |||||
防水 | 式 | 1 | 3,632,152 | |||||
石 | 式 | 1 | 2,634,231 | |||||
タイル | 式 | 1 | 9,937,973 | |||||
木工 | 式 | 1 | 4,345,543 | |||||
金属 | 式 | 1 | 12,656,937 | |||||
左官 | 式 | 1 | 2,372,177 | |||||
建具 | 式 | 1 | 14,398,840 | |||||
木製建具 | 式 | 1 | 2,414,010 | |||||
金属建具 | 式 | 1 | 11,984,830 | |||||
ガラス | 式 | 1 | 2,096,157 | |||||
塗装・吹付 | 式 | 1 | 1,336,281 | |||||
内塗装 | 式 | 1 | 12,923,750 | |||||
内部 | 式 | 1 | 11,124,177 | |||||
外部 | 式 | 1 | 17,899,573 |
仕上ユニット | 式 | 1 | 13,197,887 | |||
その他 | 式 | 1 | 2,632,461 | |||
舗装 | 式 | 1 | 12,134,641 | |||
アスファルト舗装 | 式 | 1 | 2,539,591 | |||
コンクリート舗装 | 式 | 1 | 9,595,050 | |||
とりこわし | 式 | 1 | 4,996,758 | |||
庁舎とりこわし | 式 | 1 | 4,996,758 | |||
直接工事費 | 式 | 1 | 182,301,084 | |||
共通費 | ||||||
共通仮設費 | 式 | 1 | 10,026,000 | |||
現場経費 | 式 | 1 | 19,232,708 | |||
一般管理費等 | 式 | 1 | 21,140,208 | |||
共通費計 | 式 | 1 | 50,398,916 | |||
現場労働者に関す | ||||||
工事価格 | る社会保険等の事 式 | 1 | 232,700,000 | |||
消費税相当額 | 利費)を記載する。 式 | 1 | 23,270,000 | |||
工事費計 | 式 | 1 | 255,970,000 |
業主負担額(法定福
11,635,000
工事価格のうち、現場労働者に関する健康保険、厚生年金保険及び雇用保険の法定の事業主負担額
円
(注)本様式は参考として例示するものであり、適宜変更して差し支えない。