JIS 素案作成委員会に関する手順書
JIS 素案作成委員会に関する手順書
令和5年12月
はじめに
この手順書は、認定産業標準作成機関(以下「認定機関」という。)としてのxxかつ透明性のある運営に資することを目的に、素案作成団体(以下「団体」という。)が「JIS 案作成事業契約書」(以下「契約書」という)」に基づき JIS 素案を作成するプロセスが、認定機関の要件を満たすために、JIS 素案作成委員会(以下「委員会」という。)の組織及び運営においてご留意頂きたい事項をまとめたものです。
なお、JIS 素案の作成にあたっては「JIS 等原案作成マニュアル 令和5年12月版(経済産業省産業技術環境局産業標準調査室)」(JISC ホームページ参照)、及び「JIS 案作成事業契約書」(以下「契約書」という。)」の条項も併せてご確認ください。
以下の各項のうち、●印が付いている項目の規定に関して、団体において別途規定がある場合は、その規定を準用することができる。
1. 委員会の設置・運営・審議内容
(設置等)
1.1.1 JIS 素案作成委員会(以下、WG という。)は、原則として学識経験者、生産者、使用及び消費者、その他の作成しようとする JIS 案に係る実質的な利害関係を有する全ての者の意向を反映するとともに、WG に対してxx性を保つよう構成する。
1.1.2 委員の構成等の詳細については、全ての実質的な利害関係を有する者の意向を適正に反映させるため、その構成は各グループ[生産者(電磁的記録の場合にあっては、電磁的記録の作成事業者。役務の場合にあっては、役務の提供事業者。)、使用・消費者及び中立者]に属する者が含まれるようにし、かつ、各グループに属する委員の人数が委員会に属する委員の人数の半数を超えないようにする。また、必要に応じて、関係当事者(販売者、省庁(業所管、法令担当)等、JIS 登録認証機関協議会など)の参加を求めること。ただし、直接商取引に関係しないなど、グループを特定しにくい JIS(単位、用語、製図、基本的試験方法等)の委員会を設置する場合に限り、代表委員の全てを中立者としてもよい[「JIS 等原案作成マニュア
ル」(産業標準案等審議・審査ガイドライン)参照]。
1.1.3 WG には委員長を置く。委員長は、委員の互選によって選任するものとする。
1.1.4 委員長が必要と認めるときは、委員以外で議事に関係ある者を出席させ、報告又は説明を求めることができる。
●(委員の任期等)
1.2.1 委員の任期は原則として 2 年とする。ただし、特別の事由があるときは、任期中これを解任することを妨げない。
1.2.2 委員は、原則として 75 歳を超えない範囲で再任することができる。
(責任と権能)
1.3 WG は、委員会の議決事項に基づき、次の事項の調査・審議を行い、その結果を JSA に報告する。
(1)JIS 素案等の制定、改正及び廃止に関する作成・審議
(2)JIS の見直しに関する審議
(3)JIS 案に対する意見、異議申立て等に関する審議
(4)その他委員会から調査・審議の指示があった事項
(JIS素案の作成に係る調査事項)
1.4 委員会は、1.3 の審議に当たって平成 30 年 11 月 28 日付け日本工業標準調査会第一部会・第二部会議決の「産業標準案等審議・審査ガイドライン」における、次の事項に適合しているか否かについて調査する。
(1)国家標準とすることの妥当性の判断基準
(2)国が主題的に取り組む分野の判断基準
(3)市場適合性に関する判断基準
(JIS素素案の作成に係る審議事項)
1.5 委員会は、JIS 素案の作成・審議において、次の事項を確保する。
(1)JIS 等原案作成マニュアルの別添「JIS と国際規格との整合化について」に基づく国際規格との整合化及び海外規格の動向
(2)強制法規・公共調達基準との調和
(3)既存 JIS との重複規定の防止
(4)国の標準化政策への適合
(5)書面及び電子メールにより意見等を提出した者との合意の形成
(6)担保、保証など購入者と販売者間の商取引条件に関する事項を規定又は記載しないこと
(JIS素案に関連する特許xx)
1.6 委員会は、JIS 素案の作成を完了するまでに、当該 JIS 素案が JIS として制定等された際に、その普及及び技術的内容の実施に当たって支障が生じないよう次によって特許権者等との合意を取り付けなければならない。
(1)JIS 等原案作成マニュアルに基づき、作成する JIS に関する特許xxについて非差別的✎つ合理的条件で通常実施権を許諾する旨の声明書
(2)海外規格等を基礎として用いる場合は又は海外規格等の一部を転載する場合は、JIS の制定等(改正を含む。)後における JIS の普及及び改正のための翻案に支障の生じない条件での著作権の使用に関する確認書
(JIS素案の作成)
1.7.1 JIS素案の作成に当たっては、1.4✎ら1.6及び1.8✎ら1.10の規定によるほ✎、JIS等原案作成マニュアルの4.(原案作成に当たっての留意点)によるものとする。
1.7.2 JIS 素案の様式は、JIS Z 8301(規格票の様式及び作成方法)に基づき、JIS 作成用テンプレートを使用した電子媒体としなければならない。
●(会議の開催)
1.6.1 WG は、委員長が召集する。
1.6.2 WG は、JIS 素案の作成開始✎ら完了までの間に原則として 2 回以上開催するものとする。ただし、委員長の判断により、1 回のみの開催でもよい。
1.6.3 WG は、委員現在員数の半数以上の出席をもって成立する。
1.6.4 やむを得ない理由のため、WG に出席できない委員は、予め通知された事項について、書面又は代理人をもって表決権を行使することができる。
1.6.5 前項の代理人は、代理権を証する書面を会議ごとに委員長に提出しなければならない。
1.6.6 前 2 項の規定により表決権を行使する委員は、WG の出席者とみなすものとする。
1.6.7 委員会の開催は、Web 等の電子的手段で行うことができる。
●(会議の議決)
1.7 WG の議事は、出席委員の過半数で決し、可否同数のときは、委員長の決するところによる。
●(通信による投票)
1.8.1 委員長は、通信による投票で調査・審議を行うことができる。
1.8.2 委員は、定められた期間内に、その投票権を行使できる。
1.8.3 通信による投票は、委員長が特に定めない場合には、WG 事務局が定めた日、又はそれ以前の全ての投票用紙が事務局に届いた日をもって締切とする。
1.8.4 通信による投票結果は、投票が終了するまでは、委員に対しても公開してはならない。
1.8.5 事務局は、投票締切後速や✎に、投票結果を委員に✲告しなければならない。
(少数意見への配慮)
1.9 WG の審議において、特に利害の衝突があると認められる場合は、少数の意見にも配慮して合意の形成に努めるものとする。
(利害関係を有する者の参加)
1.10 WGは、当該JIS素案の作成について利害関係を有する者✎ら参加希望があった場合は、原則、これを認めるものとする(書面での意見提出、オブザーバとしての参加を含む。)。
(JIS素案の作成過程における意見、異議申立て等の審議)
1.11 WGは、当該JIS素案の作成について利害関係を有する者✎ら意見、異議申立て等が提出された場合は、当該意見、異議申立て等について調査・審議し、意見陳述人との調整に努めるものとする。
(JIS素案作成完了✲告)
1.12.1 WGは、JIS素案の作成を完了したとき、JSAに対して、JIS素案を付して✲告するものとする。
1.12.2 WGは、前条に基づく意見、異議申立て人との調整が不調に終わり、✎つJIS素案を制定等することが適当と判断した場合には、調査審議✲告書、意見又は異議申立て人との調整が不調に至った理由及びJIS素案に反映しな✎った理由を付してJSAへ✲告するものとする。
(フォロ-アップ)
1.13 WG は、申出後のフォローアップ及び 5 年見直しに対応するため、体制を維持整備するものとする。
(守秘義務)
1.14.1 WGの運営に関係する全ての者(委員を含む。以下、「関係者」という。)は、その運営活動上知り得た秘密情✲(紙媒体、電子媒体、及び口頭の内容を含む)に関して、当該WGの運営活動中、及び運営活動終了後においても、JSAの許可なく、発表、公開、漏洩及び利用してはならない。
1.14.2 関係者は、個人情✲の取扱いに細心の注意を払い、個人情✲保護法の規定の範囲を超えた利用をしてはならない。
2. 利害関係者との調整
(一覧表の提出及び公表)
2.1 JSA は、JIS 案作成対象テーマの決定後に、JIS 案の制定並びに JIS の改正、確認及び➓止の計画を示す一覧表を少なくとも 6 ✎月に 1 回作成し、主務大臣に提出するとともにホームページで公表する業務を統括し、責任を負うものとする。
(委員会参加及び意見陳述)
2.2.1 JSA は、2.2.2 ✎ら 2.2.6 に掲げる利害関係を有する者の委員会への参加及び意見陳述の機会の確保に関する業務を統括し、責任を負うものとする。
2.2.2 2.1 の一覧表の公表時に、WG のJIS 案作成への参加及び意見陳述の機会並びに異議申立ての機会を提供する旨周知するものとする。
2.2.3 JIS 素案の商品等の生産者(電磁的記録の場合は、電磁的記録作成事業者。役務の場合は、役務提供事業者。)、販売者、使用消費者等に加え JIS 素案に関連する特許xxの権利を有する者等(JIS 案に基づき認証を想定している場合には、想定される被認証者、認定・認証機関も含む。)の委員以外の国内外の利害関係を有する者✎ら WG への参加希望の連絡を受けたときは、WG にこれを通知し、参加の機会を提供するものとする(書面、電子メール等での意見提出及びオブザーバとしての参加を含む。)。また参加にあたっては、原則として、何ら✎の組織への所属、技術的な資格又は特別な金銭的負担は求めないものとする。
2.2.4 JSA は、委員以外の国内外の利害関係を有する者✎ら JIS 素案に対して意見等を受けたとき、WG にこれを通知し、調整を行うものとする。
2.2.5 前項の調整が不調に終わり、✎つ JI 素案を作成することが適当と WG が判断した場合には、JSA は、当該意見陳述人に対して、異議申立てができる旨を通知するものとする。
2.2.6 JSA は、WG の参加、意見陳述又は異議申立てがあった場合は、TPM と協力し、経緯及び調整結果について帳簿(WGの議事録及び主務大臣への申出資料を含む。)に記載することを確実にする。
(意見受付公告の実施)
2.3.1 JSA は、2.3.2 ✎ら 2.3.6 に掲げる意見受付公告の実施に関する業務を統括し、責任を負うものとする。
2.3.2 JSA は、制定及び改正に係る JIS 素案並びに➓止する JIS に関して実質的な利害関係を有する者✎らの意見を受け付けるために、意見受付公告を実施するものとする。
2.3.3 意見受付公告は、JIS 素案作成が完了したJIS 案について実施する。ただし、委員会の作成及び審議によって、意見受付公告を実施した JIS 案の内容に技術的変更が大きく、✎つ、委員会において意見受付公告を再度行うべきとの議決がされた場合は、再度意見受付公告を実施する。なお、委員会の議決後に、意見の提出があり、その内容の調整の結果、JIS 案の技術的内容について修正する又は意見を採用しない場合は、委員会の承認を得るものとする。また、技術的内容ではない意見(字句の修正、様式上の修正等)については、委員会に✲告するものとする。
2.3.4 意見受付公告の受付期間は、意見受付公告の開始✎ら 60 日間とする。
2.3.5 JSA は、意見の提出があった場合、提出された意見を WG で調査・審議するよう TPM に指
示できるものとする。JSA は、検討結果について、産業標準作成委員会を開催して当該意見に係る JIS 案の取扱いについて決定するものとする。
2.3.6 2.3.4 の期間は、WTO/TBT 協定に準じて、安全上、健康上又は環境上の緊急の問題が生じている場合又は生ずるおそれがある場合には、短縮することができる。
(異議申立ての周知)
2.4.1 JSA は、2.4.2 ✎ら 2.4.3 に掲げる異議申立ての周知の業務を統括し、責任を負うものとする。
2.4.2 利害関係を有する者が JIS 案作成に対する異議申立てができる旨を、2.1 の一覧表の公表時のホームページにおいて次の事項とともに周知するものとする。
(1)2.1 の一覧表に基づく対象JIS案
(2)異議申立てを行える者(当該JIS案の実質的な利害関係を有する者)
(3)異議申立ての方法(原則書面による提出及び提出先)
(4)異議申立ての条件(要する費用の本人負担)
2.4.3 異議申立書に次の事項を記載することを異議申立て人に求めるものとする。
(1)異議申立て人の名称(個人の場合は氏名)及び所在地(又は住所)
(2)該当する利害関係分野(生産者、使用・消費者、中立者などの区分)
(3)異議申立ての理由
(4)異議申立ての内容
(異議申立て)
2.5 JSA は、利害関係を有する者✎ら異議申立書の提出があった場合は、WGと異議等申立て人との合意の形成に努めなければならない。
(意見、異議申立ての審議)
2.6.1 産業標準作成委員会(以下、委員会という。)による以外の利害関係者✎ら提出された意見、異議申立てに係る作成・審議は、2.6.2 による場合を除き、次によるものとする。
(1)委員会は意見者、異議申立て者及び WG 側(以下「当事者」という。)、並びに必要に応じて当事者以外の専門的知見を有する者✎ら事情を聴取するものとする。
(2)委員会は前号の調査に基づいて当事者間の調整を行い、合意の形成を図るものとする。必要に応じて、JIS 案の技術的内容の変更(WG に対する変更指示を含む。)を行う。
(3)異議申立ての場合、委員長は第 1 号及び第 2 号の結果を判断しなければならない。
2.6.2 JSA が 2.2 に基づき委員以外の利害関係者✎ら提出された意見、異議申立ての内容が軽微と判断した場合は、事務局で事前に対応した後、処理概要(経過及び JIS 案への採択の有無、採択した場合の案の修正内容等)について委員会の了承を得る。
(意見受付公告の意見の審議)
2.7.1 委員会は、意見受付公告の意見に係る JIS 案の取扱いについて審議する。
2.7.2 JSA が意見受付公告の意見の内容が軽微と判断した場合は、事務局で事前に対応した後、
処理概要(経過及び JIS 案への採択の有無、採択した場合の案の修正内容等)について委員会の了承を得る。
(意見受付公告の再実施)
2.8.1 委員会は、JIS 案の作成及び審議によって、意見受付公告を実施した JIS 案の内容に技術的変更が大きく、✎つ、委員会において意見受付公告を再度行うべきと議決した場合は、再度意見受付公告を実施するよう JSA に指示する。