Contract
法政大学(大学院法務研究科)及び法政大学(法学部)の法曹養成連携協定
法政大学大学院法務研究科(以下「甲」いう。)と法政大学法学部(以下「乙」という。)は、次のとおり、法科大学院の教育と司法試験等との連携等に関する法律(以下「法」という。)第6条の規定に基づく法曹養成連携協定(以下「本協定」という。)を交わす。
(目的)
第1条 本協定は、甲と乙が法曹養成に関する連携を進めていくため、必要な事項を定めることを目的とする。
(法曹養成連携協定の対象)
第2条 本協定において、法第6条第2項第1号に規定する連携法科大学院及び連携法曹基礎課程は、それぞれ以下のとおりとする。
一 連携法科大学院 法政大学専門職大学院学則第3条に規定する甲の法務研究科法務専攻二 連携法曹基礎課程 法政大学法学部法律学科法曹コース内規第 2 条に規定する乙の法学部法律学科法曹コース(以下「本法曹コース」という。)
(法曹コースの教育課程)
第3条 乙は、本法曹コースの教育課程を別紙1のとおり定める。
(法曹コースの成績評価)
第4x xは、本法曹コースの成績評価基準を別紙2のとおり定め、当該基準に従い成績評価を行うものとする。
(法曹コースの早期卒業の基準等)
第5条 乙は、本法曹コースに在籍する学生を対象とする早期卒業制度の要件を別紙3のとおり定め、当該要件に従って卒業認定を行うものとする。
2 乙は、前項に定める卒業認定を受けようとする本法曹コースの学生が、当該認定を受けることができるよう、次に掲げる学修支援体制を構築するものとする。
一 本法曹コースの学生をクラス編成し、クラスごとに1名の教員を学修指導教員として配置すること
二 前号の学修指導教員を補佐し、学修その他の就学に関する助言を行う教員として、実務経験のある教員をクラスごとに1名配置すること
三 乙は、xxx号及び前号に関して、学生の満足度を把握するため、面談または文書によるやりとりなど適切な方法を用いて学生の満足度を適切に把握する機会を設けるとともに、その結果を第6条第2項に規定する法曹養成連携協議会(以下「連携協議会」という。)に報告し、必要に応じて学修支援体制の見直しを行うこと
(甲の乙に対する協力等)
第6条 甲は、本法曹コースにおいて、連携法科大学院における教育との円滑な接続に配慮した教育が十分に実施されるよう、以下の協力を行うものとする。
一 連携法科大学院の学生の学修に配慮しつつ、本法曹コースの学生に対し、連携法科大学院の開設科目を履修する機会を積極的に提供すること
二 乙の求めに応じ、本法曹コースにおいて開設される科目の一部の実施に当り、連携法科大学院の教員を派遣すること
三 乙における教育の改善・充実のため、共同して授業改善のための活動を行うこと
2 甲及び乙は、連携法科大学院における教育と本法曹コースにおける教育との円滑な接続を図るための方策について継続的に調査研究及び協議を行うため、連携協議会を設置するものとする。
3 甲及び乙は、協議により、前項の連携協議会の運営に関する事項を定める。
(入学者選抜の方法)
第7条 甲は、本法曹コースを修了して連携法科大学院に入学しようとする者を対象として、以下の入学者選抜を実施する。
一 5年一貫型教育選抜 論文式試験を課さず、本法曹コースの成績等に基づき合否判定を行う入学者選抜
二 開放型選抜 論文式試験を課し、本法曹コースの成績等と併せて総合的に判断して合否判定を行う入学者選抜
2 前項各号の入学者選抜の募集人員、出願要件その他の入学者選抜の実施に関する事項は別紙4のとおりとする。
(協定の有効期間)
第8条 協定の有効期間は、2020 年 4 月 1 日から5年間とする。ただし、協定の有効期間満了の1年前の日までに、甲又は乙の一方が他方に対し本協定の更新拒絶を通知しない場合には、有効期間を更に5年間延長して更新することとし、以後も同様とする。
2 甲と乙は、合意により、本協定を廃止することができる。
(協定に違反した場合の措置)
第9条 甲又は乙は、他方当事者が本協定に規定された事項を履行しない場合、他方当事者に対し、相当の期間を定めてその改善を申し入れることができる。
2 甲又は乙は、他方当事者が前項の申し入れを受けてもなお申し入れた事項の履行に応じない場合は、本協定の廃止を通告し、本協定を終了することができる。ただし、申し入れを受けた当事者が履行に応じないことに正当な理由がある場合は、この限りではない。
(本協定が終了する場合の特則)
第10条 第8条又は前条第2項の規定により本協定が終了する場合にあっては、甲又は乙が本協定の更新を拒絶し、甲及び乙が本協定の廃止に合意し、又は甲又は乙が本協定の廃止を通告した時点において現に本法曹コースに在籍し、又は在籍する予定である学生が、本法曹コースを修了するときに、終了するものとする。
(協定書に定めのない事項)
第11条 甲及び乙は、協定に定めのない事項であって協定の目的の実施に当たり調整が必要なもの及び協定の解釈に疑義を生じた事項については、第6条第2項に規定する連携協議会において協議し、決定する。
本協定を証するため、本書を2通作成し、各当事者の代表者が署名押印のうえ、各1通を保有する。
2020年 1月 28日
甲 乙
学校法人法政大学 学校法人法政大学
法政大学大学院 法政大学
法務研究科長 xx xx 法学部長 xx xx
<別紙1>
1.乙の法曹コースの教育課程編成の方針
【法曹コースのカリキュラム・ポリシー】
Ⅰ 法学部のカリキュラム・ポリシーの踏襲
法政大学法学部法律学科のカリキュラム・ポリシーは、法曹コースの想定する学部3年
+法科大学院2年の教育課程に読み替えると、次のようなものとなる。法曹コースにおいても、このポリシーを基本的に踏襲し、学生がこれに沿って系統的に学習できるよう、時間割等において配慮する。
(1) 1・2年生に向けて、基礎となる法律学教育の充実や学問的な視野を広げる科目群を展開し、3年生には、法曹志望に適合的な科目を開講するとともに、演習による少人数指導等を通して教育の専門性を深めていくことを目指してカリキュラムを編成する。
(2) 系統的な科目履修を可能にすると同時に、科目選択の自由を必要以上に制約しないとの考え方に基づきつつ、法曹コースにおいては、選択・選択必修制を採用し、これに沿って履修すれば、系統的で総合的な勉強ができるように編成することで 法科大学院既修課程との接合を目指す。
(3) 幅広く深い教養および総合的な判断力を培い、豊かな人間性を涵養するため、専門教育科目と共に市ヶ谷基礎(ILAC)科目をもって学部の教育課程を構成する。
Ⅱ 法科大学院法学既修者コースとの接合
Ⅰに加え、連携協定を締結している法科大学院の法学既修者コースとの接合を図るため、必修・選択必修制を採用する法曹コースにおいては、法学部法律学科の卒業要件に加え、次のような方針の下に編成されたコース科目の履修を求める。
(1) 基本7科目について、基礎的な素養を身につけさせた上で、法学既修者コースの講義・演習に、積極的に参加し、その内容を十分に理解し、応用的な思考能力を身につけることのできる程度の知識を習得させる。
(2) 段階的な履修の確保の観点から、法律基本科目の段階的な履修を促す。具体的には、下記の科目を法曹コースの必修科目とし、各科目の配当年次に留意しながら、3年次終了までに確実に履修させる(注)。また、学修の質の確保に配慮し、一部の科目について、法曹コース在籍者専用に法科大学院の法学未履修コースの学修内容に相当する少人数制の講義科目を新設し、学部の必修科目とする。
1年次・・・憲法(人権等)、民法(基礎科目、契約法(前半)、不法行為法)、刑法(基礎科目、刑法総論)
2年次・・・憲法(統治)、民法(契約法(後半)、物権法、債権回収法等)
2年次又3年次・・・刑法(人身犯)、行政法、刑事訴訟法
3年次・・・刑法(財産犯)、民法(家族法)、会社法、民事訴訟法
(注)カリキュラム編成上、教養教育科目等の履修との関係において、上に示した配当年次
にしたがってすべての科目を段階的に履修することが困難な学生が生じ得ることも想定されることから、例外が認められることを学生に周知する予定である。
2.乙の法曹コースの教育課程
学年 | 学期 | 必修科目 | 選択必修科目 | 選択科目 | |||
科目名 | 単位数 | 科目名 | 単位数 | 科目名 | 単位数 | ||
1x | x学期 | 憲法Ⅰ | 2 | ||||
契約法Ⅰ | 2 | ||||||
秋学期 | 憲法Ⅱ | 2 | |||||
民事法総論 | 2 | ||||||
不法行為法 | 2 | ||||||
刑法総論Ⅰ | 2 | ||||||
2x | x学期 | 行政法入門Ⅰ | 2 | ||||
総合統治機構(法曹コース) | 2 | ||||||
契約法Ⅱ | 2 | ||||||
契約法(法曹コース) | 2 | ||||||
物権法 | 2 | ||||||
秋学期 | 行政法入門Ⅱ | 2 | |||||
債権回収法Ⅰ | 2 | ||||||
債権回収法Ⅱ | 2 | ||||||
刑法各論Ⅰ | 2 | ||||||
刑事訴訟法(法曹コース) | 2 | ||||||
法曹コース演習Ⅰ | 2 | ||||||
3x | x学期 | 刑法各論Ⅱ | 2 | ||||
民事訴訟法Ⅰ | 2 | ||||||
家族法(法曹コース) | 2 | ||||||
法曹コース演習Ⅱ | 2 | ||||||
法曹コース演習Ⅲ | 2 | ||||||
秋学期 | 民事訴訟法Ⅱ | 2 | |||||
法曹コース演習Ⅳ | 2 | ||||||
通年 | 会社法 | 4 | |||||
合計 | 52 |
<別紙2>
乙の法曹コースにおける成績評価の基準
評価 | 成績通知書 の表示 | 合否 | 評価の割合 | GP |
100-90 点 学習目標を満たし卓越した成績をあげた | S | 合格 | 20%以内 | 4.0 |
89-87 点 学習目標を満たし優秀な成績をあげた | A+ | 3.3 | ||
86-83 点 学習目標を満たし優秀な成績をあげた | A | 3.0 | ||
82-80 点 学習目標を満たし優秀な成績をあげた | A- | 2.7 | ||
79-77 点 おおむね学習目標を満たしている | B+ | 2.3 | ||
76-73 点 おおむね学習目標を満たしている | B | 2.0 | ||
72-70 点 おおむね学習目標を満たしている | B- | 1.7 | ||
69-67 点 最低限の学修目標を満たしたが不十分な点も見られる | C+ | 1.3 | ||
66-63 点 最低限の学修目標を満たしたが不十分な点も見られる | C | 1.0 | ||
62-60 点 最低限の学修目標を満たしたが不十分な点も見られる | C- | 0.7 | ||
59-0 点 学修目標を満たしていない | D | 不合格 | 0.0 | |
試験未受験・採点不能 | E | 0.0 |
【GPA の算出方法】
GPA = <履修登録した各科目の GP×その科目の単位数>の総和履修登録した全科目の総単位数
※計算値は小数点以下第 3 位を四捨五入して表記
<別紙3>
乙の法曹コースに在籍する学生を対象とする早期卒業制度
1.本学部法律学科に3年以上在学し、法曹コース早期卒業の認定時において法曹コースに在籍し、卒業の要件として本学部が定める単位を優秀な成績をもって修得したと認められること。ただし、再入学(復学・復籍)、転・編入学及び転籍した学生は、法曹コース早期卒業の対象とならない。
2.第1項に定める「優秀な成績」とは、本学部の定める卒業所要単位のうち、8割以上が A-評価以上であり、かつ入学時から3年次終了までの通算したGPAが2.7以上であることを要する。「A-評価以上」には、単位認定による評価(「RR評価」、「RS評価」及び「P評価」)は含めない。またGPAの算出には教職・資格科目など卒業所要単位外で履修する科目を算入しない。
3.法科大学院への進学を証する書面として本学部が別に定めるものを取得していること
(※)。
4.早期卒業又は法曹コース早期卒業を希望する学生は、2年次終了時以降に、本学部長宛てに本学部が別に定める文書にて申し出ること。
5.本学部教授会は、第4項の申出がされたときは、2年次終了又は3年次春学期終了までの成績等を参考に、成績優秀者として適格か否かを審査しなければならない。
6.前項の審査の結果、成績優秀者として適格認定を受けた学生に対しては、3年次の履修における履修登録単位の制限及び4年次配当の制限を適用しない。
※提出は求めるが,あくまで総合考慮の一つとする。
以 上
<別紙4>
乙の法曹コースを修了して甲の法曹養成専攻に入学しようとする者を対象とする入学者選抜の方法
1)特別選抜の対象者・出願要件
「5年一貫型教育選抜」の対象者は、本法曹コース修了予定者とし、学生自らが応募する方式とする。
「開放型選抜」の対象者についても、本法曹コース修了予定者とし(ただし、本法曹コース修了予定者に限定されない。)、学生自らが応募する方式とする。
2)特別選抜の募集人員
「5年一貫型教育選抜」の募集人員は、5人とする。
「開放型選抜」の募集人員は、3人とする。 特別選抜の募集人員を合計して8人とする。
3)特別選抜の合否判定の方法
「5年一貫型教育選抜」は、法曹コースの成績、志望理由書、面接により、入学志願者の能力等を合理的に総合して判定する方法により実施する。
「開放型選抜」は、法曹コースの成績、志望理由書、面接、法律科目の論文式試験により、入学志願者の能力等を合理的に総合して判定する方法により実施する。
4)特別選抜の実施時期
「5年一貫型教育選抜」及び「開放型選抜」のいずれについても、学生が入学する年度の前年度の7月以降当該年度中の期日で、連携法科大学院が求める基礎的な学識及び能力につき適切に判定できる時期に実施する。
5)その他
上記に記載のない事項については、「法曹養成連携協定に関する運用ガイドライン」等の文科省の基準に従い、入試要項等にて定めることとする。