項 目 基準値*1 備 考 標準熱量 45MJ/㎥ N ガス事業法の熱量の定義による 総発熱量 44.58~45.42MJ/㎥ N ウォッベ指数 52.7~57.8 成分含有率より算定する計算方法はガス事業法による 燃焼速度 35~47 比重 1.0 未満 空気を 1.0 とする 全硫黄 0.00g/㎥ N 付臭剤中の硫黄分は除く 硫化水素 検出せず アンモニア 検出せず 一酸化炭素 0.05vol%以下 受入温度 5~30℃
2022年4月1日実施
東邦瓦斯株式会社
要領目次
Ⅰ.基本事項
1.はじめに 1
2.用語の定義 1
3.引受条件 1
Ⅱ.契約の申込み
4.バイオガス購入検討の申込み 2
5.バイオガス購入の可否の検討および通知 2
6.バイオガス購入の申込みおよび締結 2
Ⅲ.バイオガス受入の実施
7.計量 3
8.受入計画 3
9.必要となる設備等 3
10.購入価格 3
Ⅳ.バイオガス受渡の制限・中止等
11.バイオガス受渡の制限・中止 4
12.損害の賠償 4
13.バイオガス購入契約の継続および終了・解約 4
Ⅴ.保 x x
14.保安責任 5
15.維持管理責任 5
16.保安等による敷地・建物への立入り 5
17.権利義務の譲渡の禁止 5
Ⅵ.申込み・問合せ窓口・その他
18.申込み・問合せ窓口 5
19.実施細目 5
附 則
実施期日 6
別 表
別表1 バイオガスの性状等の基準 7
別表2 バイオガスの性状等の測定方法の例および監視方法 8
別表3 バイオガスの受入れのために必要となる設備 9
Ⅰ.基本事項
1.はじめに
この要領は、バイオガスの利用促進を図るため、当社が一般ガス導管事業者の導管においてバイオガスを購入する一般的かつ原則的な事項について定めたものです。なお、詳細な利用条件等については、別途当社までお問い合せ下さい。
2.用語の定義
この要領において使用する用語の定義は、一般ガス供給約款に定めるもののほか、次のとおりとします。
(1)「バイオガス」とは、バイオマス(動植物に由来する有機物であってエネルギー源として利用することのできるものであり、原油、天然ガス及び石炭並びにこれらから製造させる製品を除くもの)から発生するまたは由来する可燃性ガスをいいます。
(2)「バイオガス購入依頼者」とは、バイオガスの購入を当社に依頼する方(購入申込みをする方、購入に向け当社と協議を行う方、当社と購入に関する契約締結を行う方を含みます。)をいいます。
(3)「バイオガス購入契約」とは、バイオガスの受渡しについて、当社とバイオガス購入依頼者で締結する基本契約および年次契約をいいます。
(4)「高圧導管」とは、通常運用圧力1.0メガパスカル以上の導管をいいます。
(5)「中圧導管」とは、通常運用圧力0.1メガパスカル以上1メガパスカル未満の導管をいいます。
(6)「基本契約」とは、この要領に基づき、基本的な事項を定める契約をいいます。
(7)「年次契約」とは、この要領および基本契約に基づき、バイオガス受渡し実施上の詳細事項を定める各年次毎の契約をいいます。
(8)「受入地点」とは、当社がバイオガス購入依頼者の所有するガスを一般ガス導管事業者の導管に受け入れるガスの受渡地点をいいます。
(9)「一般ガス導管事業者」とはガス事業法第2条第6項に定める一般ガス導管事業者としての東邦ガスネットワーク株式会社をいいます。
3.引受条件
当社がバイオガスを購入するにあたっては、以下の条件に適合するものとします。
(1)バイオガスの受入が、一般ガス導管事業者の高圧または中圧導管において行われるものであること。
(2)受入量が、受入地点の一般ガス導管事業者の導管の供給能力の範囲内であり、当社の製造設備および一般ガス導管事業者の供給設備と導管ネットワークの運用に支障を生じないものであること。
(3)受け入れるバイオガスが、受入地点において一般ガス導管事業者の導管の運用圧力の範囲内で、一般ガス導管事業者の導管への注入に必要な圧力を有すること。
(4)受け入れるバイオガスの性状等が、別表1に定める基準を満たし、当社の供給するガスと互換性があって、当社需要家のガス使用に悪影響がないこと。
(5)バイオガス受入の実施にあたっては、原則として、別表3に掲げる設備を設け(個別のケースごとにその具体的な内容を決定するものとし、基本契約で定めます。)、別表2によりバイオガス購入依頼者および当社が常時監視を行えること。
(6)安定的に、所定の量と性状のバイオガスを製造・精製すること。
(7)受け入れるバイオガスの圧力および量は、急激な変動がないよう制御されること。
(8)保安上および供給安定上必要な場合には、緊急遮断を含め、迅速な対応が可能な体制・設備を有するとともに、当社および一般ガス導管事業者の指示に従うこと。
(9)その他当社が必要とする条件を満たすこと。
Ⅱ.契約の申込み
4.バイオガス購入検討の申込み
(1)バイオガス購入依頼者は、あらかじめこの要領を承認のうえ、次の事項を明らかにして当社にバイオガス購入検討の申込みをしていただきます。
①受入地点
②月別のバイオガス受渡し予定量および年間合計量
③バイオガス受渡し期間(バイオガス受渡し開始および終了の時期)
④最大流量(1年間を通じて1時間あたりの最大のバイオガスの流量)
⑤流量変動(1日の1時間あたりのバイオガスの流量変動)
⑥バイオガスの性状と製造・精製方式
⑦受入地点の圧力
⑧その他必要な事項
(2)当社が行う検討に際しては、見積料その他費用の実費相当額に消費税等相当額を加えた額を申し受けます。
(3)バイオガス購入依頼者は、当社がバイオガス購入の検討のためにバイオガス購入依頼者の情報を一般ガス導管事業者と共同利用することを予め承諾して申込みいただきます。
5.バイオガス購入の可否の検討および通知
(1)当社は、4.の申込みがあった場合には、3.の引受条件について検討し、可能な場合には、バイオガスの購入価格の概算、工事費用の概算を付して、バイオガス購入依頼者に書面により通知します。
(2)当社は、この要領に基づくバイオガスの受け入れが不可能な場合は、その理由をバイオガス購入依頼者に書面により通知します。
6.バイオガス購入の申込みおよび締結
(1)バイオガス購入依頼者は、5.による検討結果の通知において、バイオガスの購入が可能
とした場合に限り、当該通知内容に基づきバイオガス購入契約の締結について当社と協議を行うことができます。
(2)バイオガス購入依頼者と当社は協議のうえ、この要領に基づき4.(1)の各号および5.
(1)について合意した内容ならびにその他の必要な事項について、基本契約を締結します。
(3)基本契約期間は、当社のガスの供給計画の期間(5年間)内とします。
(4)バイオガス購入依頼者と当社は協議のうえ、この要領および基本契約に基づき各年次のバイオガス受入量、適用する料金その他の条件について詳細事項を定めるため、年次契約を締結します。
Ⅲ.バイオガス受入の実施
7.計量
(1) バイオガスの購入量および熱量等の計量の方法は、個別のバイオガス購入契約で定めます。
(2)バイオガスの購入量は、バイオガスの受入地点に一般ガス導管事業者が設置する取引用計量器により行うものとし、詳細は個別のバイオガス購入契約で定めます。
8.受入計画
(1)バイオガス購入依頼者は、バイオガス受入の実施に先立ち、月間計画および週間計画を当社に提出していただきます。その詳細は個別のバイオガス購入契約で定めます。
(2)当社は(1)により提出を受けた計画の変更を求めることがあります。
(3)バイオガス購入依頼者は、(1)により提出した計画((2)により当社が変更を求めた場合は変更後の計画)に従ってバイオガスの受渡しを行うものとします。
9.必要となる設備等
(1)バイオガス受入を実施するため必要な設備を当社または一般ガス導管事業者が新たに設置する必要がある場合、その工事費の全額に消費税等相当額を加えた金額をバイオガス購入依頼者から申し受けます。
(2)必要設備等の所有権は、原則として受入地点から下流および取引量計量器本体については当社または一般ガス導管事業者に帰属するものとします。
(3)(1)で新たに設置した諸設備、または当社もしくは一般ガス導管事業者が所有する既存の諸設備をバイオガス受入に利用した場合の当該諸設備の保守点検費用、修繕費用および更新が必要となる場合の工事費については、バイオガス購入依頼者に負担していただくものとします。
10.購入価格
(1)バイオガス購入価格は、当該バイオガスの購入量と同規模の需要における当社ガス販売価格相当を目安として、個別のバイオガス購入条件に応じて算定するものとし、詳細は個別の
バイオガス購入契約で定めます。
(2)バイオガス購入料金の支払時期、および支払方法は、個別のバイオガス購入契約で定めます。
Ⅳ.バイオガス受渡の制限・中止等
11.バイオガス受渡の制限・中止
(1)バイオガス購入依頼者は、受入地点において当社に受け渡すバイオガスの性状・圧力がこの要領、バイオガス購入契約と相違する場合は、受入地点におけるガスの受渡しを速やかに中止していただくとともに、その旨を当社にただちに通知していただきます。
(2)当社は、以下に該当する場合には、バイオガスの受入を制限または中止することがあります。その際は、当社は、あらかじめその旨をバイオガス購入依頼者にお知らせします。ただし、緊急の場合はこの限りではありません。
① 災害その他の不可抗力による場合
② ガス工作物に故障が生じた場合
③ ガス工作物の修理その他工事施工のため必要がある場合
④ 法令の規定による場合
⑤ 保安上またはガスの安定供給上必要がある場合
⑥ 受入量が月間計画または週間計画から頻繁に大きく逸脱する場合
⑦ その他、バイオガス購入依頼者がこの要領、基本契約または年次契約に違反した場合
(3)当社は、上記(1)(2)によるバイオガスの受渡しの制限または中止した場合において、その理由となった事実が解消された場合は、その取扱いについて事前にバイオガス購入依頼者と協議した上で、制限または中止を解除するものとします。
12.損害の賠償
(1)バイオガス受入等にともない、当社または一般ガス導管事業者が損害を受けたときは、バイオガス購入依頼者にその損害を賠償していただきます。
(2)バイオガス受入等にともないバイオガス購入依頼者が損害を受けても、その損害が当社または一般ガス導管事業者の故意または重大な過失による場合を除き、当社および一般ガス導管事業者は賠償の責任を負いません。
13.バイオガス購入契約の継続および終了・解約
(1)基本契約期間満了後も継続してバイオガス購入契約を希望される場合は、契約で定める日までに再度バイオガス購入検討を申し込んでいただきます。
(2)バイオガス購入依頼者が、基本契約期間中にバイオガス購入契約の変更を希望する場合には、契約で定める日までに再度バイオガス購入検討の申し込みをしていただきます。
(3)基本契約期間満了前にバイオガスの受入を終了しようとする場合は、契約で定める日までに終了の期日を通知していただきます。
(4)当社は、引受条件に適合しなくなった場合または個別のバイオガス購入契約で定める事由に該当する場合は、バイオガス購入契約を解約します。
Ⅴ.保安等
14.保安責任
バイオガス受入における保安責任の分界点は、原則として受入地点とし、バイオガス購入依頼者は受入地点から上流側の設備について保安責任を負うものとします。詳細は基本契約で定めます。
15.維持管理責任
バイオガス購入依頼者は受入地点から上流側の設備について維持管理責任を負うものとし、当社はバイオガス購入依頼者の所有する設備に係る一切の維持管理責任を負わないものとし ます。
16.保安等による敷地・建物への立入り
当社および一般ガス導管事業者は、保安の確保、バイオガス受入の実施または開始準備に必要な以下に掲げる業務を実施するため、バイオガス購入依頼者の敷地または建物に、承諾を得て立入りをさせていただくことがあります。この場合には、正当な理由がない限り、立ち入ることを承諾していただきます。なお、係員はバイオガス購入依頼者の求めに応じて、所定の証明書を提示いたします。
① 計量設備の設置、維持管理、検査および計量値の確認
② 受入地点の当社または一般ガス導管事業者の設備の設計、設置、維持管理もしくは検査
③ バイオガス受入の制限または中止の業務、およびバイオガス受入の制限または中止の解除のための業務
④ その他保安の確認等、バイオガス受入の実施に伴って必要となる業務
17.権利義務の譲渡の禁止
バイオガス購入依頼者は、バイオガス購入契約にもとづき発生する権利および義務を第三者へ譲渡、移転、または担保の用に供してはならないものとします。
Ⅵ.申込み・問合せ窓口・その他
18.申込み・問合せ窓口
(1)バイオガス購入に関する申込み・問合せの窓口は、当社企画部とします。東邦ガス株式会社(本社)
企画部
住 所;名古屋市xx区xx町19番18号 TEL;052(872)9319
(2)一般ガス導管事業者の高圧導管および中圧導管の位置を明示した地形図の閲覧場所は、一
般ガス導管事業者の小売託送供給約款をご覧ください。ただし、お問合せにつきましては、上記窓口へお願いします。
19.実施細目
この要領の実施上必要な細目的事項は、基本契約および年次契約に定めるほか、その都度個別に協議のうえ、定めます。
附 則
実施期日
この要領は、2022年4月1日から実施します。
(別表1) バイオガスの性状等の基準
バイオガス購入をお引き受けするバイオガスの性状等の基準値は下表のとおりとします。
項 目 | 基準値*1 | 備 考 |
標準熱量 | 45MJ/㎥ N | ガス事業法の熱量の定義による |
総発熱量 | 44.58~45.42MJ/㎥ N | |
ウォッベ指数 | 52.7~57.8 | 成分含有率より算定する 計算方法はガス事業法による |
燃焼速度 | 35~47 | |
比重 | 1.0 未満 | 空気を 1.0 とする |
全硫黄 | 0.00g/㎥ N | 付臭剤中の硫黄分は除く |
硫化水素 | 検出せず | |
アンモニア | 検出せず | |
一酸化炭素 | 0.05vol%以下 | |
受入温度 | 5~30℃ |
*1 基準値とは、受入地点においてバイオガスが原則として常時満たすべき性状等の上下限値であり、ガス製造設備の設計、運転の基準となる数値をいう。
以下の項目については、バイオガス製造・精製方法の違い等による差異が大きいため、個別に協議させていただきます。
・酸素
・窒素
・水素
・付臭剤濃度
・二酸化炭素
・炭化水素の露点
・水分
・バイオガスのノッキング性
・油分、微量元素(V,Pb,Cl 等)、オレフィン類、ジエン類、ベンゼン、トルエン、シロキサン等
(別表2) バイオガスの性状等の測定方法の例および監視方法
バイオガスの性状等の測定方法および監視方法は原則として下表のとおりとします。なお、測定記録は当社へ提出していただきます。
項 目 | 測定方法の例 | 監視方法 |
総発熱量 | 速応答型熱量計 | 連続監視 |
燃焼性 | 成分分析値から算定 | 連続監視 |
比重 | 成分分析値から算定 | 連続監視 |
全硫黄 | ガス事業法に基づく方法 | 定期監視 |
硫化水素 | ガス事業法に基づく方法 | 定期監視 |
アンモニア | ガス事業法に基づく方法 | 定期監視 |
付臭剤濃度 | 付臭剤添加量とバイオガス流量から算定 | 連続監視 |
炭化水素、水素、一酸化炭素、 二酸化炭素、酸素、窒素 | ガスクロマトグラフィー | 連続監視 |
炭化水素の露点 | 成分分析値から算定 | 定期監視 |
水分 | 露点計 | 定期監視 |
バイオガスのノッキング性 | 成分分析値から算定 | 連続監視 |
温度 | 温度計 | 連続監視 |
圧力 | 圧力計 | 連続監視 |
流量 | 計量器 | 連続監視 |
注1:上表のほか、法令の規定により測定、記録が必要な場合はその規定によるものとします。注2:測定方法および監視方法は個別の協議により他の方法によることがあります。
注3:原料性状、バイオガス製造・精製方式、プラント運転状況等から含有の可能性がない、または一定範囲内にあることが明らかな成分については、必ずしも測定することを要しません。
(別表3) バイオガスの受入れのために必要となる設備
バイオガスの受け入れに際して、必要となる設備は、原則として、以下のとおりとします。
設 備 名 | 機 能 |
フィルター | 不純物の除去 |
成分等の測定設備 | バイオガスの成分分析 (炭化水素、水素、一酸化炭素、二酸化炭素、酸素、窒素等) |
バイオガスの特殊成分分析 (全硫黄、硫化水素、アンモニア) | |
バイオガスの付臭剤濃度の測定 | |
バイオガスの熱量測定 | |
バイオガスの水分測定 | |
温度計 | バイオガス温度の測定 |
圧力計 | バイオガス圧力の測定 |
放散設備 | オフスペックガスの発生など、緊急時の放散 |
緊急遮断弁 | 異常時・緊急時のガス遮断 |
流量制御弁 | バイオガスの流量制御 |
逆流防止装置 | バイオガスの逆流の防止 |
テレメータリング・テレコントロール設備 | 遠隔監視および制御 |
導管 | 当社既存本支管までのバイオガスの輸送 |
電気的絶縁・防食設備 | 連絡導管の防食 |
区分バルブ | バイオガス購入依頼者とガス事業者の管理区分 |
取引用計量器 | バイオガス流量の測定 |
注1:設備仕様は、ガス事業法等関係法令、当社標準仕様、これに定めのない事項については、日本工業規格等によるものとし、詳細は個別に協議させていただきます。
注2:上記のほか、法令の規定、バイオガス製造・精製方法等により設備が必要となる場合には、個別に協議させていただきます。