Contract
添付資料5
愛知県スタートアップ支援拠点整備等事業事業契約書(案)
令和●年●月愛知県
【事業者】
愛知県スタートアップ支援拠点整備等事業事業契約書
1 事業名 愛知県スタートアップ支援拠点整備等事業
2 事業場所 xxxxxxxxxxxx 000、202、203 及び 204
3 設計及び建設業務期間 ●年●月●日から●年●月●日まで
4 契約金額(サービス購入料) 金●円
(うち取引に係る消費税等の額 金●円)
5 契約保証金 第 28 条(契約の保証)に定めるとおり。
6 支払条件 第 4 章第 8 節(施設整備費の支払)に記載のとおり。
上記の事業について、愛知県(以下「県」という。)と●●(以下「事業者」という。)は、各々の対等な立場における合意に基づいて、別添の条項によってxxな事業契約(以下「事業契約」という。)を締結し、xxに従って誠実にこれを履行する。
事業契約の証として、本書 2 通を作成し、県及び事業者が記名押印の上、各自 1 通を保有する。
●年●月●x
x
xxxxxxxxxxxx 0 x 0 x愛知県
知事 xx xx
事業者
●●
事業者 ●●
代表取締役 ●●
目 次
第 11 条 (ガバナンス実施計画書(設計及び建設業務)) 4
第 17 条 (統括マネジメント業務及び統括管理責任者の変更) 6
第 31 条 (建設企業による一括下請負又は一括委託の禁止) 13
第 32 条 (下請負者等(建設業務)の健康保険等加入義務等) 14
第 38 条 (設計図書不適合の場合の改造義務及び破壊検査等) 17
第 40 条 (事業者の請求による設計及び建設業務期間の延長) 17
第 43 条 (賃金又は物価の変動に基づく施設整備費の変更) 18
第 46 条 (施設整備費の変更に代える設計図書の変更) 20
第 71 条 (県の任意による解除、県事由による解除) 34
第 89 条 (通知方法・計量単位・期間計算・休日調整等) 40
別紙 1 定義集
別紙 2 事業日程
別紙 3 ガバナンス基本計画
別紙 4 ガバナンス体制
別紙 5 業務委託請負先
別紙 6 業務委託請負先の選定方法
別紙 7 施設整備費
第 1 章 x x
1 事業契約において用いる語句は、本文中において特に明示するもの及び文脈上別異に解すべきものを除き、別紙 1(定義集)において定める意義を有する。
2 事業契約における各条項の見出しは、参照の便宜のためであり、事業契約の各条項の解釈に影響を与えるものではない。
3 事業契約で規定する法令等につき、改正又はこれらに替わる新たな法令等の制定が行われた場合には、当該改正又は制定後の法令等が事業契約に適用される。
1 特定事業契約の締結及びその履行に際し、次の各号に掲げる事項の実現に向けて、県は、本事業が民間企業者たる事業者の創意工夫に基づき実施されることを、事業者は、本事業が高度の公共性及び公益性を有することを、それぞれ十分理解しその趣旨を尊重する。
(1) 国内外の大学・企業とも連携したスタートアップの育成・創出の拠点形成
(2) オープンイノベーションを促進するための、にぎわい・交流空間の整備・運営
(3) ニューリアリティ対応型の最先端の環境整備
(4) ハイバリュー・ローコストオペレーションの徹底
(5) 安全・安心の施設整備・運営
2 事業者は、本事業内容の詳細について、社会情勢の変化その他の本事業に係る外在的及び内在的な事情の変化を踏まえ、県の請求に応じて県と緊密に協議し、必要に応じて随時見直すことに合意する。なお、事業者は、本項に基づく協議が必要と自ら認める場合は、県に対して協議を求めることができ、県は、合理的な理由なくして協議を留保、遅延又は拒否しないものとする。
1 事業契約は、設計及び建設業務の実施に適用される事項を定めることを目的とし、実施契約が締結される前は単独で、実施契約が締結されたときは実施契約とともに、特定事業契約を構成する。
2 特定事業契約は、要求水準書、入札説明書等及び事業提案書と一体の契約であり、これらはいずれも特定事業契約の一部を構成する。特定事業契約の規定に基づき、県と事業者の間で別途締結される契約は、いずれも特定事業契約の一部を構成する。
3 特定事業契約、要求水準書、入札説明書等及び事業提案書の内容に矛盾又は齟齬がある場合は、この順に優先して適用される。ただし、事業提案書の内容が要
求水準書に定める水準を超える場合には、その限りにおいて事業提案書が要求水準書に優先する。
1 本事業は、次の各号に掲げる業務により構成される。
(1) 統括マネジメント業務
(2) 設計及び建設業務
(3) 運営・維持管理業務イ 運営業務
ロ 維持管理業務
(4) 任意事業に係る業務
(5) その他特定事業契約及び要求水準書に規定される業務
2 事業者は、要求水準書等に従い、別紙 2(事業日程)に定める事業日程により、前項各号に掲げる本事業の業務を実施する。
3 事業者は、本事業を実施するにあたり、適用される全ての法令等を遵守しなければならない。
1 県は、特定事業契約、要求水準書及び入札説明書等に従い、事業者による本事業の実施に必要な限度において、次に掲げる業務その他本事業の実施に必要な業務を実施する。
(1) 行政支援窓口・人材流動化支援窓口におけるインターネット配線・引き込み等に係る業務
(2) 県展示スペースの展示物の設置及び設備の維持管理に係る業務
2 県は、前項に規定する業務の実施に要する費用を負担する。
1 本事業の実施に関する一切の費用(前条(県の実施業務)に従い県が負担する費用を除く。)は、事業契約又は実施契約で別段の定めがある場合を除き全て事業者が負担し、本事業の実施に要する事業者の資金調達は全て事業者の責任において行う。
2 事業者は、前項に定める資金調達に係る金利変動による追加費用が生じた場合は、当該追加費用を負担する。
1 事業者は、特定事業契約に別段の定めがある場合を除き、事業契約及び実施契約に関連して事業者に生じる一切の租税を負担する。
2 県は、事業者に対し、事業契約の定めるところにより、施設整備費に係る消費税等の支払債務を負担する。
第 2 章 本事業実施の準備
第 1 節 実施体制及び本事業の準備第8条 (本事業の実施体制等)
1 事業者は、本事業に係る業務を着手する日までに、本事業を実施するために必要な体制を確保する。
2 事業者は、要求水準書等に基づき、本事業の実施に関連して、所定の期限までに、本事業の実施に係る実施体制図その他別紙 3(ガバナンス基本計画)で定める書面(以下「実施体制図等」という。)を策定して県に提出し、県の確認を受けなければならない。県は、実施体制図等が要求水準書等と一致していない場合には、事業者に対し補正を命ずることができる。
3 事業者は、事業契約締結後事業期間が終了するまでの間に、実施体制図等の内容を変更しようとする場合は、あらかじめ県に通知し、必要に応じて協議する。県は、特定事業契約に別段の定めがある場合を除き、実施体制図等の変更内容が要求水準書等と一致していない場合には、事業者に対し補正を命ずることができる。
4 事業者は、前2項に基づき実施体制図等を策定又は変更しようとする場合には、第 16 条(ガバナンス体制の構築)及び別紙 4(ガバナンス体制)に従い構築するガバナンス体制との整合性を図るとともに、当該ガバナンス体制の変更が必要な場合は、あらかじめ県に提案のうえで、誠実に協議を行うものとする。
1 事業者は、事業契約締結後速やかに、統括マネジメント業務の実施に必要な人員等(必要な有資格者を含む。)を確保し、県に対して、その旨を報告するものとする。
2 事業者は、要求水準書等に基づき、統括マネジメント業務の実施に関連して、所定の期限までに、別紙 3(ガバナンス基本計画)で定める書面(以下「統括マネジメント業務に係る計画書等」という。)を策定して県に提出し、県の確認を受けなければならない。県は、統括マネジメント業務に係る計画書等が要求水準書等と一致していない場合には、事業者に対し補正を命ずることができる。
3 前項に定める統括マネジメント業務に係る計画書等には、本事業の業務全体を総合的に把握し調整を行う統括管理責任者(以下「統括管理責任者」という。)
の定めを含む。統括管理責任者は、特定事業契約の履行に関し、本事業の業務全体の管理及び総括を行うほか、特定事業契約の解除に係る権限を除き、特定事業契約に基づく業務に関する一切の権限を行使することができる。
4 事業者が、事業契約締結後事業期間が終了するまでの間に、統括マネジメント業務に係る計画書等の内容を変更しようとする場合は、あらかじめ県に通知し、必要に応じて協議する。県は、特定事業契約に別段の定めがある場合を除き、統括マネジメント業務に係る計画書等の変更内容が要求水準書等と一致していない場合には、事業者に対し補正を命ずることができる。
1 事業者は、要求水準書等に基づき、設計及び建設業務の実施に関連して、所定の期限までに、別紙 3(ガバナンス基本計画)で定める書面(以下「設計及び建設業務に係る計画書等」という。)を策定して県に提出し、県の確認を受けなければならない。県は、設計及び建設業務に係る計画書等が要求水準書等と一致していない場合には、事業者に対し補正を命ずることができる。
2 事業者が、事業契約締結後設計及び建設業務が完了するまでの間に、設計及び建設業務に係る計画書等の内容を変更しようとする場合は、あらかじめ県に通知し、必要に応じて協議する。県は、設計及び建設業務に係る計画書等の変更内容が要求水準書等と一致していない場合には、事業者に対し補正を命ずることができる。
事業者は、事業契約締結後速やかに、要求水準書及び本契約書別紙 3(ガバナンス基本計画)に従い、本事業の実施に関するガバナンス実施計画書(設計及び建設業務)案を作成して県に提出しなければならない。県及び事業者は、設計及び建設業務を着手する日までに、当該ガバナンス実施計画書(設計及び建設業務)案につき協議の上、ガバナンス実施計画(設計及び建設業務)を合意する。
第 2 節 必要な契約等の締結第12条 (必要な契約の締結)
1 事業者は、本事業に係る各業務のうち別紙 5(業務委託請負先)において事業提案書に基づき「選定済」と記した業務の全部又は一部を業務委託請負先に委託又は請け負わせる場合、各業務に着手する日までに、当該各業務に係る業務委託請負先との間で業務委託請負契約を締結し、当該契約の締結後速やかに当該契約書の写しを県に提出する。
2 事業者は、本事業に係る各業務のうち別紙 5(業務委託請負先)において事業提案書に基づき「選定予定」と記した業務の全部又は一部を業務委託請負先に委託又は請け負わせる場合、各業務に着手する日までに、県の承諾を得た上で、当該各業務に係る業務委託請負先との間で業務委託請負契約を締結し、当該契約の締結後速やかに当該契約書の写しを県に提出する。
3 事業者は、本事業に係る各業務のうち別紙 5(業務委託請負先)において事業提案書に基づき「選定予定」と記した設計及び建設業務の全部又は一部を業務委託請負先に委託又は請け負わせる場合、当該業務委託請負先を別紙 6(業務委託請負先の選定方法)に定める方法によって選定しなければならない。
4 事業者は、前 3 項に基づき各業務の全部又は一部を業務委託請負先に対して委託し又は請け負わせる場合、暴力団員等のいずれかに該当する者その他県が不適切と認める者に対しては委託せず又は請け負わせないものとし、受託者又は請負者をして、暴力団員等のいずれかに該当する者その他県が不適切と認める者に対しては再委託をさせず又は下請負をさせないものとする。
1 特定事業契約に別段の定めがあるものを除き、特定事業契約に基づく義務を履行するために必要となる一切の許認可は、事業者が自らの責任及び費用負担により取得して維持し、事業者が特定事業契約に基づく義務を履行するために必要となる一切の届出又は報告は、事業者がその責任において作成して提出する。ただし、県は、県が許認可の取得又は届出若しくは報告をする必要がある場合には自ら必要な措置を講じ、また、事業者は、県が当該措置について事業者の協力を求めた場合にはこれに応じる。
2 事業者は、前項ただし書に定める場合を除き、本事業の履行に必要な許認可の取得、承継又は維持に関する責任及び費用(許認可取得の遅延から生じる追加費用を含む。)を負担し、その遅延が県の責めに帰すべき事由による場合には、県がその責任及び損害を負担する。
3 県は、事業者が県に対して書面により要請した場合、事業者による許認可の取得又は届出若しくは報告について、法令等の範囲内において必要に応じて協力する。
4 事業者は、特定事業契約に基づく義務を履行するために必要となる許認可の原本を保管し、県の要請があった場合には原本を提示し又は原本証明付きの写しを県に提出する。
1 県は、本事業を実施するために必要となる許認可等のうち次に掲げる許認可等につき、本事業の事業期間中、自らの責任において維持する。ただし、県が要求
水準書等に従い許認可等の維持について事業者の協力を求めた場合には、事業者は、自らの責任においてこれに応じる。
(1) 建築基準法第 56 の 2 第 1 項ただし書許可。ただし、要求水準書第 4 の 6(1)ウ(エ)に該当する場合に限る。
第 3 章 適正業務の確保第15条 (要求水準を満たす業務の実施)
事業者は、特定事業契約に別段の定めがある場合を除き、自らの責任及び費用負担において、要求水準書等に従い要求水準を満たす方法により、本事業を実施する。
1 県及び事業者は、本事業期間中の円滑な遂行の実現を目的として、要求水準書及び本契約書別紙 3(ガバナンス基本計画)の定めに従い、ガバナンスを実施する。そのために、別紙 4(ガバナンス体制)の定めに従い、ガバナンス体制を構築する。具体的には、協議会等設置要綱及び第三者機関設置要綱に関する確認書を締結の上、会議体及び第三者機関を設置し、これらを運営する。また、県及び事業者双方は必要に応じて、ファシリテーターを活用することができる。
2 県及び事業者は、本事業期間中にわたり相互の信頼関係を構築して、円滑な業務の目的の遂行に努め、事業の目的を実現するように努めるものとする。
3 本事業が要求水準を満たし、かつ事業提案書に基づき適切かつ確実に遂行されているか否かを確認するための県及び事業者によるモニタリングの体制、方法その他の事項は、別紙 3(ガバナンス基本計画)並びにガバナンス実施計画書(設計及び建設業務)の定めによる。
1 事業者は、特定事業契約に別段の定めがある場合を除き、自らの責任及び費用負担において、要求水準書等に従い要求水準を満たす方法により、統括マネジメント業務を実施する。
2 事業者は、統括マネジメント業務を自ら実施するものとし、第三者に統括マネジメント業務の実施を委託し又は請け負わせてはならない。
3 県は、事業期間中において、統括管理責任者がその職務の執行につき著しく不適当と認められるときは、事業者に対し、その理由を明示した書面により、統括管理責任者の変更を要請することができる。
4 事業者は、前項に規定する要請を受けたときは、14 日以内に新たな統括管理責
任者を選出し、県に届け出なければならない。
5 事業者は、事業期間中において、やむを得ない事由により、統括管理責任者を変更する必要が生じたとき、県の承諾を得た上で、統括管理責任者を変更することができる。
1 事業者は、別紙 3(ガバナンス基本計画)の定めに従い、事業者の財務諸表その他本事業の財務情報を、県に報告し、また、事業者のウェブサイトにおいて公表する。
2 事業者は、事業期間中、本事業の財務情報に関し県が必要と認めて(県の公有財産台帳の整理等のため必要があるときを含む。)報告を求めた事項について、遅滞なく県に報告しなければならない。
1 前条(財務状況の開示)の定めにかかわらず、県は、PFI 法第 28 条に基づき、事業者による本事業の適正を期するため、事業者に対して、本事業の業務若しくは経理の状況に関し報告を求め、実施について調査し又は必要な指示をすることができる。
2 前項の県の調査又は指示に従うことにより事業者に費用が発生する場合、かかる費用は事業者の負担とする。
事業者は、別紙 3(ガバナンス基本計画)及びガバナンス実施計画書(設計及び建設業務)に従い、セルフモニタリングを行い、所定の書類を所定の期限までに又は県の請求に従って随時、県に提出するものとする。
1 統括マネジメント業務並びに設計及び建設業務について、県は、前条(セルフモニタリング)に基づき提出された書類に基づき、並びに別紙 3(ガバナンス基本計画)及びガバナンス実施計画書(設計及び建設業務)に従って、要求水準を満たし、かつ事業提案書に基づき適正かつ確実に遂行されているか否かを確認し、事業者は別紙 3(ガバナンス基本計画)及びガバナンス実施計画書(設計及び建設業務)の定めに従って、かかる確認に必要な協力を行う。
2 統括マネジメント業務並びに設計及び建設事業について、県は、前条(セルフモニタリング)及び前項の確認により、事業者の実施する業務が要求水準を満たさず又は事業提案書に基づき適正かつ確実に遂行されていないと判断した場合、別紙 3(ガバナンス基本計画)及びガバナンス実施計画書(設計及び建設業務)
の定めに従って、事業者に対し、業務改善について協議を求めることができる。この場合、県と事業者は誠実に協議し、事業者は、その協議内容に従って、業務改善のための必要な措置を講ずる。
1 県は、事業契約締結後事業期間が終了するまでの間、合理的な理由がある場合には、別紙 3(ガバナンス基本計画)を変更することができる。ただし、県は、あらかじめ事業者に対してその旨及び理由を記載した書面により通知し、事業者と協議を行わなければならない。
2 県は、事業契約締結後事業期間が終了するまでの間、要求水準が変更された場合、県の事由により本事業の業務内容の変更が必要な場合、その他本事業の業務内容の変更が特に必要と認められる場合には、ガバナンス実施計画書(設計及び建設業務)の変更を変更することができる。ただし、県は、あらかじめ事業者に対してその旨及び理由を記載した書面により通知し、事業者と協議を行わなければなければならない。
4 第 1 項の別紙 3(ガバナンス基本計画)の変更又は前二項のガバナンス実施計画書(設計及び建設業務)の変更が県の責めに帰すべき事由により行われた場合には、これに伴う追加費用については県の負担とする。
5 第 1 項の別紙 3(ガバナンス基本計画)の変更又は第 2 項若しくは第 3 項のガバナンス実施計画書(設計及び建設業務)の変更が事業者の責めに帰すべき事由により行われた場合には、特定事業契約に別段の定めがある場合を除き、これに伴う追加費用については事業者の負担とする。
6 第 1 項の別紙 3(ガバナンス基本計画)の変更又は第 2 項若しくは第 3 項のガバナンス実施計画書(設計及び建設業務)の変更が県又は事業者の責めに帰すべき事由以外の事由により行われた場合には、特定事業契約に別段の定めがある場合を除き、事業者は、かかる変更に伴い自らに発生した全ての増加費用について、一時的な支払等を行うものとする。また、県及び事業者は、かかる変更に伴い事業者に発生した合理的な増加費用の最終的な負担方法について、合意が成立するまでの間、誠実に協議する。
7 第 1 項の別紙 3(ガバナンス基本計画)の変更又は第 2 項若しくは第 3 項のガバナンス実施計画書(設計及び建設業務)の変更により事業者の費用が減少する場合には、当該費用相当額については県の帰属とする。
8 第 1 項の別紙 3(ガバナンス基本計画)の変更又は第 2 項若しくは第 3 項のガバナンス実施計画書(設計及び建設業務)の変更は、書面をもって行う。
1 法令等の改正により要求水準の変更が必要となった場合、県の事由により業務
内容の変更が必要な場合その他本事業の内容の変更が特に必要と認められる場合には、県は、要求水準書を変更することができる。ただし、県は、あらかじめ事業者に対してその旨及び理由を記載した書面により通知し、事業者と協議を行わなければならない。
2 前項の要求水準書の変更に伴う追加費用の負担は、かかる要求水準書の変更が
①国及び地方公共団体による政策が変更され又は決定されたことによる場合は第 64 条(政策変更)に従い、②法令等が改正され又は制定されたことによる場合は
第 65 条(法令改正)に従い、③不可抗力による場合は、第 67 条(不可抗力)に従うものとし、④前記①から③以外の場合であって、県の事由による場合は県が、事業者の事由による場合は事業者が、それぞれ負担するものとする。
3 本条に基づく要求水準書の変更により事業者の費用が減少する場合には、当該費用相当額については県の帰属とする。ただし、要求水準書に規定する事業者からの改善提案等に起因して事業者の費用が減少したと県が認める場合には、当該費用相当額については事業者の帰属とする。
4 本条に基づく要求水準書の変更は書面をもって行うものとする。
第 4 章 設計及び建設業務第 1 節 総則
1 県及び事業者は、要求水準書等に従い、日本国の法令を遵守し、事業契約を履行しなければならない。
2 事業者は、事業契約の定めに従い設計及び建設業務を実施し、要求水準書等に定める建設工事の施工のための設計を行った上で、当該設計に基づいて建設工事を設計及び建設業務期間内に完成し、本施設を県に引き渡すものとし、県は、その対価として施設整備費の支払債務を負担する。
3 仮設、施工方法その他本施設を完成するために必要な一切の手段(「施工方法等」という。以下同じ。)については、事業契約に特別の定めがある場合を除き、事業者がその責任において定める。
事業者は、本施設を第三者に譲渡し、貸与し又は抵当権その他の担保の目的に供してはならない。
県は、事業者の施工する工事及び県の発注に係る第三者の施工する他の工事が施工上密接に関連する場合において、必要があるときは、その施工につき、調整を行う。この場合事業者は、県の調整に従い、当該第三者の行う工事の円滑な施工に協力しなければならない。
1 事業者は、この契約の締結と同時に、次の各号のいずれかに掲げる保証を付し、設計及び建設業務期間が終了するまでの間これを維持しなければならない。ただし、第 5 号の場合においては、履行保証保険契約の締結後、直ちにその保険証券を県に寄託しなければならない。
(1) 契約保証金の納付
(2) 契約保証金に代わる担保となる有価証券等の提供
(3) 事業契約による債務の不履行により生じる損害金の支払いを保証する銀行又は県が確実と認める金融機関の保証
(4) 事業契約による債務の履行を保証する公共工事履行保証証券による保証
(5) 県を被保険者とする、事業契約による債務の不履行により生じる損害をてん補する履行保証保険契約の締結
(6) 建設企業による事業者を被保険者とする履行保証保険契約の締結。ただし、保険金請求権に、第 76 条による違約金の支払い債務を被担保債務とする質権を県のために設定し、保証証券及び質権設定書を県に提出する。係る質権の設定の費用は特定事業者が負担する。
2 前項の保証に係る契約保証金の額、保証金額又は保険金額(第 4 項において
「保証の額」という。)は、施設整備費及びこれに係る消費税等の額の 10 分の 1以上としなければならない。
3 事業者が第 1 項第 3 号から第 5 号までのいずれかに掲げる保証を付す場合は、当該保証は第 70 条(事業者事由による解除)第 2 項各号に規定する者による契約の解除の場合についても保証するものでなければならない。
4 第 1 項の規定により、事業者が同項第二号又は第三号に掲げる保証を付したときは、当該保証は契約保証金に代わる担保の提供として行われたものとし、同項第四号又は第五号に掲げる保証を付したときは、契約保証金の納付を免除する。
5 請負代金額の変更があった場合には、保証の額が変更後の施設整備費の 10 分の 1 に達するまで、県は、保証の額の増額を請求することができ、事業者は、保証の額の減額を請求することができる。
第 2 節 設計
1 事業者は、事業契約の締結後速やかに、要求水準書等に従い本施設の設計に必要な事前調査(以下「事前調査」という。)を実施する。事業者は、事前調査の全部を設計企業に委託し又は請け負わせるものとする。
2 事業者は、前項の定めにより調査業務を設計企業に委託又は請け負わせるときは、当該業務の委託又は請負に係る契約の締結後速やかに当該契約書の写しを県に対して提出する。
3 事業者は、調査業務の調査企業への委託又は請負に関する一切の責任を負い、調査企業の責めに帰すべき事由は、全て事業者の責めに帰するべき事由とみなして事業者が責任を負う。
4 事業者は、事前調査の着手時に、要求水準書等に従い、調査業務計画書その他の要求水準書等が定める書類を県に提出しなければならない。
5 事業者は、調査業務を完了したときは、要求水準書等に従い事前調査の結果を県に報告しなければならない。
6 事業者は、事業者が事前調査を実施した結果、地中埋設物の存在について、要求水準書等で規定されていなかったこと又は規定されていた事項が事実と異なっていたことが判明した場合には、その旨を直ちに県に通知しなければならない。
7 地中埋設物に起因して発生する追加費用は、県がこれを負担する。ただし、要求水準書に示した地中埋設物に起因するものは除く。
8 事業者は、事前調査の不備に起因して発生する一切の責任及び追加費用を負担する。
1 事業者は、事業契約の締結後速やかに、要求水準書等に従い設計業務(事前調査を除く。本条において以下同じ。)を実施する。事業者は、設計業務の全部を設計企業に委託し又は請け負わせるものとする。
2 事業者は、前項の定めにより設計業務を設計企業に委託又は請け負わせるときは、当該業務の委託又は請負に係る契約の締結後速やかに当該契約書の写しを県に対して提出する。
3 事業者は、設計業務の設計企業への委託又は請負に関する一切の責任を負い、設計企業の責めに帰すべき事由は、全て事業者の責めに帰するべき事由とみなして事業者が責任を負う。
4 事業者は、設計企業が事業者から受託し又は請け負った設計業務の全部若しくはその主たる部分を一括して、設計企業をして第三者に委任し又は請け負わせてはならない。
5 県は、設計企業が事業者から受託し又は請け負った業務の一部を第三者(以下
「下請負者等(設計業務)」という。)に委託し又は請け負わせた場合において、必要があると認めるときは、事業者に対して、下請負者等(設計業務)の名称、下請負者等(設計業務)との契約金額その他必要な事項の報告を請求することができる。
6 事業者は、設計業務の着手時に、要求水準書等に従い、設計業務計画書その他の要求水準書等が定める書類を県に提出しなければならない。
7 事業者は、県に対し、要求水準書等に従い、一定期間において進捗した設計の内容その他の設計業務の進捗状況に関し定期的に報告書を提出しなければならない。県は、設計の内容その他の設計業務の進捗状況に関して、随時に、事業者に対して説明を求めることができ、報告書その他の関連資料の提出を求めることができる。
8 事業者は、要求水準書等に基づく本施設の基本設計の完了後速やかに、要求水準書等に従い、要求水準書等が定める様式及び内容の基本設計図書その他の要求水準書等が定める書類を県に提出して県の検査を受けなければならない。
9 事業者は、前項に基づき提出した基本設計図書について県の検査を得た後速やかに本施設の実施設計を開始し、実施設計の完了後速やかに、要求水準書等に従い、要求水準書等が定める様式及び内容の実施設計図書その他の要求水準書等が定める書類を県に提出して県の検査を受けなければならない。
10 県は、事業者から提出された設計図書のいずれかが、法令、要求水準書等の規定に適合しないこと又は逸脱していることが判明した場合は、当該設計図書の受領後遅滞なく当該箇所及びその内容を示すとともに、相当の期間を定めてこれを是正するよう事業者に対して求めることができる。この場合、事業者は、速やかに設計図書の当該箇所を自らの費用負担で是正した設計図書を県に提出し、県の確認を受ける。
11 県は、事業者から提出された設計図書の検査の結果、適当と認めた場合は、この旨を事業者に通知する。
12 県は、設計図書の内容の検査結果の通知のみを理由として、事業者の業務の実施に関して何らの責任を負うものではない。
13 設計図書の是正を要する箇所が要求水準書等の明示的な記載に従ったものであることが認められる場合で、県の指示の不備・誤りによる場合その他の県の責めに帰すべき理由による場合は、県は、当該是正に係る事業者の追加費用及び損害を合理的な範囲で負担する。ただし、事業者が当該要求水準書等の記載が不適当であること又は県の指示に不備・誤りがあることを知りながら県に異議を述べなかった場合は、この限りではない。
第 3 節 建設
1 事業者は、要求水準書等及び設計図書に従い建設業務を実施する。
2 事業者は、建設業務の着手時に、要求水準書等に従い、施工計画書その他の要求水準書等が定める書類を県に提出しなければならない。
3 事業者は、建設企業との間で締結する建設請負契約において、建設企業が建設する本施設の所有権が事業者に原始的に帰属する旨の特約を付す。
1 事業者は、事業契約の定めに従い、建設業務の全部を建設企業に委託し又は請け負わせるものとする。
2 事業者は、前項の定めにより建設業務を建設企業に委託又は請け負わせるときは、当該業務の委託又は請負に係る契約の締結後速やかに当該契約書の写しを県に対して提出する。
3 事業者は、建設業務の建設企業への委託又は請負に関する一切の責任を負い、建設企業の責めに帰すべき事由は、全て事業者の責めに帰するべき事由とみなして事業者が責任を負う。
4 事業者は、建設企業が事業者から受託し又は請け負った工事の全部若しくはその主たる部分又は他の部分から独立してその機能を発揮する工作物の工事を一括して、建設企業をして第三者に委任し、又は請け負わせてはならない。
5 事業者は、建設企業が事業者から受託し又は請け負った工事の一部を、建設企業をして第三者に委任し又は請け負わせた場合において、当該第三者(当該工事が数次の契約によって行われるときは、後次のすべての契約に係る受任者又は請負人を含む。以下「下請負者等(建設業務)」といい、下請負者等(設計業務)及び下請負者等(建設業務)を以下「下請負者等」と総称する。)が工事の全部又はその主たる部分を一括して他の第三者に委任し又は請け負わせることのないようにしなければならない。
6 事業者は、建設企業又は下請負者等(建設業務)が第三者に委任し又は請け負わせようとするときは、建設企業又は下請負者等(建設業務)をして建設工事標準下請負契約約款その他これに準ずる書面により契約を締結し又は締結させるように努めなければならない。
7 県は、建設企業が事業者から受託し又は請け負った業務の一部を下請負者等
(建設業務)に委託し又は請け負わせた場合において、必要があると認めるときは、事業者に対して、下請負者等(建設業務)の名称、下請負者等(建設業務)との契約金額その他必要な事項の報告を請求することができる。
1 事業者は、建設企業に、次の各号に掲げる届出をしていない建設業者(建設業法(昭和 24 年法律第 100 号)第 2 条第 3 項に定める建設業者をいい、当該届出の義務がない者を除く。以下「社会保険等未加入建設業者」という。)を下請負者等(建設業務)とさせてはならない。
(1) 健康保険法(大正 11 年法律第 70 号)第 48 条の規定による届出
(2) 厚生年金保険法(昭和 29 年法律第 115 号)第 27 条の規定による届出
(3) 雇用保険法(昭和 49 年法律第 116 号)第 7 条の規定による届出
2 前項の規定にかかわらず、事業者は、建設企業をして、次の各号に掲げる下請負者等(建設業務)の区分に応じて、当該各号に定める場合は、社会保険等未加入建設業者を下請負者等(建設業務)とすることができる。
(1) 建設企業と直接下請契約を締結する下請負者等(建設業務)で次のいずれにも該当する場合
イ 当該社会保険等未加入建設業者を下請負者等(建設業務)としなければ工事の施工が困難となる場合その他の特別の事情があると県が認める場合
ロ 県の指定する期間内に当該社会保険等未加入建設業者が前項各号に掲げる届出をし、当該事実を確認することのできる書類(以下この項において「確認書類」という。)を、事業者が県に提出した場合
(2) 前号に掲げる下請負者等(建設業務)以外の下請負者等(建設業務)で次のいずれかに該当する場合
イ 当該社会保険等未加入建設業者を下請負者等(建設業務)としなければ工事の施工が困難となる場合その他の特別の事情があると県が認める場合
ロ 県の指定する期間内に、事業者が当該確認書類を県に提出した場合
3 事業者は、社会保険等未加入建設業者が前項第一号に掲げる下請負者等(建設業務)である場合において、同号イに定める特別の事情があると認められなかったとき又は同号ロに定める期間内に確認書類を提出しなかったときは、県の請求に基づき、違約罰として、事業者が当該社会保険等未加入建設業者と締結した下請契約の最終の請負代金額の 10 分の 1 に相当する額を、県の指定する期間内に支払わなければならない。
4 事業者は、下請負者等(建設業務)が受任又は請負に係る工事の施工に際し、建設企業をして、建設業法その他関係法令を遵守するよう指導するとともに、下請負者等(建設業務)の育成に努めさせなければならない。
1 事業者は、建設工事の着工前に、予め県との調整を経た方法、時期及び内容にて、近隣住民に対し事業計画(本事業の実施内容の概要に関する計画をいう。この条において以下同じ。)及び工事実施計画(本施設の配置、施工時期、施工方法等の計画をいう。)の説明その他の近隣調整を行い、近隣住民の理解を得るよう努める。県は、必要と認める場合には、事業者が行う近隣調整に協力する。
2 事業者は、県の承諾を得た場合を除き、近隣調整の不調を理由として事業計画の変更をすることはできない。
3 近隣調整の結果、建設工事の着工の遅延が見込まれる場合には、県及び事業者は協議の上、建設工事の完成予定日(本施設の引渡予定日)を変更することができる。
4 近隣調整の実施に要する費用及び近隣調整の結果事業者に生じた費用については、事業者が負担する。ただし、県が設定した条件に直接起因する費用については、県が負担する。
5 前各項の規定にかかわらず、県が本施設の建設に関する近隣説明会、現場見学会、内覧会等を行う場合、事業者は、県の求めに応じて必要な協力を行わなければならない。
1 県は、監督職員を定めたときは、その氏名を事業者に通知しなければならない。監督職員を変更したときも同様とする。
2 監督職員は、事業契約の他の条項に定めるもの及び事業契約に基づく県の権限とされる事項のうち県が必要と認めて監督職員に委任したもののほか、設計図書に定めるところにより、次に掲げる権限を有する。
(1) 事業契約の履行についての事業者又は次条の現場代理人に対する指示、承諾又は協議
(2) 事業者が作成した詳細図等の承諾
(3) 設計図書に基づく工程の管理
3 県は、2名以上の監督職員を置き、前項の権限を分担させたときにあってはそれぞれの監督職員の有する権限の内容を、監督職員に事業契約に基づく県の権限の一部を委任したときにあっては当該委任した権限の内容を、事業者に通知しなければならない。
4 第 2 項の規定に基づく監督職員の指示又は承諾は、原則として、書面により行わなければならない。
事業者は、建設企業をして、建設業法の定めるところにより、現場代理人を配
置させるとともに、設計業務の完了後速やかに、県の定めるところにより、その氏名その他必要な事項を県に通知しなければならない。現場代理人を変更したときも同様とする。
1 県は、現場代理人がその職務の執行につき著しく不適当と認められるときは、事業者に対して、その理由を明示した書面により、必要な措置を講ずることを請求することができる。
2 県又は監督職員は、事業者が建設企業をして工事を施工するために使用している下請負者等、労働者等で工事の施工又は管理につき著しく不適当と認められるものがあるときは、事業者に対して、その理由を明示した書面により、必要な措置を講ずることを請求することができる。
3 事業者は、前 2 項の規定による請求があったときは、当該請求に係る事項について決定し、その結果を請求を受けた後速やかに県に通知しなければならない。
4 事業者は、監督職員がその職務の執行につき著しく不適当と認められるときは、県に対して、その理由を明示した書面により、必要な措置を講ずることを請求することができる。
5 県は、前項の規定による請求があったときは、当該請求に係る事項について決定し、その結果を請求を受けた事業者に通知しなければならない。
1 県は、工事用地その他要求水準書において県が提供すべきことを明示した工事の施工上必要な用地(以下「工事用地等」という。)を事業者が工事の施工上必要とする日(要求水準書等に特別の定めがあるときは、その定められた日)までに確保しなければならない。
2 事業者は、確保された工事用地等を善良な管理者の注意をもって管理しなければならない。
3 工事の完成、設計図書の変更等によって工事用地等が不用となった場合において、当該工事用地等に事業者が所有又は管理する工事材料、建設機械器具、仮設物その他の物件(下請負者等の所有又は管理するこれらの物件を含む。以下この条において同じ。)があるときは、事業者は、当該物件を撤去するとともに、当該工事用地等を修復し、取り片付けて、県に明け渡さなければならない。
4 前項の場合において、事業者が正当な理由なく、相当の期間内に当該物件を撤去せず又は工事用地等の修復若しくは取片付けを行わないときは、県は、事業者に代わって当該物件を処分し、工事用地等の修復若しくは取片付けを行うことができる。この場合においては、事業者は、県の処分又は修復若しくは取片付けについて異議を申し出ることができず、また、県の処分又は修復若しくは取片付け
に要した費用を負担しなければならない。
5 第 3 項に規定する事業者のとるべき措置の期限、方法等については、県が事業者の意見を聴いて定める。
1 事業者は、工事の施工部分が設計図書に適合しない場合において、県がその改造を請求したときは、当該請求に従わなければならない。この場合において、当該不適合が県の指示によるときその他県の責めに帰すべき事由によるときは、県は、必要があると認められるときは設計及び建設業務期間若しくは施設整備費を変更し又は事業者に損害を及ぼしたときは必要な費用を負担しなければならない。
2 県は、工事の施工部分が設計図書に適合しないと認められる相当の理由がある場合において、必要があると認められるときは、当該相当の理由を事業者に通知して、工事の施工部分を最小限度破壊して検査することができる。
3 前項の場合において、検査及び復旧に直接要する費用は事業者の負担とする。
県は、必要があると認めるときは、設計図書の変更内容を事業者に通知して、事業者に設計図書を変更させることができる。この場合において、県は、必要があると認められるときは設計及び建設業務期間若しくは施設整備費を変更し又は事業者に損害を及ぼしたときは必要な費用を負担しなければならない。
1 事業者は、不可抗力又は県の責めに帰すべき事由により設計及び建設業務期間内に工事を完成することができないときは、その理由を明示した書面により、県に設計及び建設業務期間の延長変更を請求することができる。
2 県は、前項の規定による請求があった場合において、必要があると認められるときは、設計及び建設業務期間を延長しなければならない。県は、その設計及び建設業務期間の延長が県の責めに帰すべき事由による場合においては、施設整備費について必要と認められる変更を行い又は事業者に損害を及ぼしたときは必要な費用を負担しなければならない。
1 事業契約の規定による設計及び建設期間の変更については、県と事業者とが協議して定める。ただし、協議開始の日から 14 日以内に協議が調わない場合には、県が定め、事業者に通知する。
2 前項の協議開始の日については、県が事業者の意見を聴いて定め、事業者に通
知する。ただし、県が設計及び建設業務期間の変更事由が生じた日(第 40 条(事業者の請求による業務期間の延長)の場合にあっては、県が設計及び建設業務期間変更の請求を受けた日)から 7 日以内に協議開始の日を通知しない場合には、事業者は、協議開始の日を定め、県に通知することができる。
1 事業契約の規定による施設整備費の変更については、県と事業者とが協議して定める。ただし、協議開始の日から 14 日以内に協議が調わない場合には、県が定め、事業者に通知する。
2 前項の協議開始の日については、県が事業者の意見を聴いて定め、事業者に通知する。ただし、施設整備費の変更事由が生じた日から7日以内に協議開始の日を通知しない場合には、事業者は、協議開始の日を定め、県に通知することができる。
3 事業契約の規定により、事業者が追加費用を必要とした場合又は損害を受けた場合に県が負担する必要な費用の額については、県と事業者とが協議して定める。
1 県又は事業者は、設計及び建設業務期間内で事業契約締結の日から 12 か月を経過した後に日本国内における賃金水準又は物価水準の変動により施設整備費が不適当となったと認めたときは、相手方に対して施設整備費の変更を請求することができる。
2 県又は事業者は、前項の規定による請求があったときは、変動前残工事代金額
(施設整備費から当該請求時の出来形部分に相応する施設整備費を控除した額をいう。以下この条において同じ。)と変動後残工事代金額(変動後の賃金又は物価を基礎として算出した変動前残工事代金額に相応する額をいう。以下この条において同じ。)との差額のうち変動前残工事代金額の 1000 分の 15 を超える額につき、施設整備費の変更に応じなければならない。
3 変動前残工事代金額及び変動後残工事代金額は、請求のあった日を基準とし、物価指数等に基づき県と事業者とが協議して定める。ただし、協議開始の日から 14 日以内に協議が整わない場合にあっては、県が定め、事業者に通知する。
4 第1項の規定による請求は、この条の規定により施設整備費の変更を行った後再度行うことができる。この場合において、同項中「事業契約締結の日」とあるのは、「直前のこの条に基づく施設整備費の変更の基準とした日」とするものとする。
5 特別な要因により業務期間内に主要な工事材料の日本国内における価格に著しい変動を生じ、施設整備費が不適当となったときは、県又は事業者は、前各項の
規定によるほか、施設整備費の変更を請求することができる。
6 予期することができない特別の事情により、業務期間内に日本国内において急激なインフレーション又はデフレーションを生じ、施設整備費が著しく不適当となったときは、県又は事業者は、前各項の規定にかかわらず、施設整備費の変更を請求することができる。
7 前 2 項の場合において、施設整備費の変更額については、県と事業者とが協議して定める。ただし、協議開始の日から 14 日以内に協議が整わない場合にあっては、県が定め、事業者に通知する。
8 第 3 項及び前項の協議開始の日については、県が事業者の意見を聴いて定め、事業者に通知するものとする。ただし、県が第 1 項、第 5 項又は第 6 項の請求を行った日又は受けた日から7日以内に協議開始の日を通知しない場合には、事業者は、協議開始の日を定め、県に通知することができる。
9 事業者は、この条に基づき施設整備費の変更を県に請求する場合、当該請求の理由を疎明の上県が求める情報を提供しなければならない。県から当該情報を受けた場合も同様とする。
本施設の引渡し前に、本施設又は工事材料について生じた損害その他工事の施工に関して生じた損害(次条(第三者に及ぼした損害)第 1 項又は第 2 項に規定する損害を除く。)については、事業者がその費用を負担する。ただし、その損害(第 51 条(建設工事保険等)第 1 項の規定により付された保険等によりてん補された部分を除く。)のうち県の責めに帰すべき事由により生じたものについては、県が負担する。
1 工事の施工について第三者に損害を及ぼしたときは、事業者がその損害を賠償しなければならない。ただし、その損害(第 50 条(建設工事保険等)第 1 項の規定により付された保険等によりてん補された部分を除く。以下この条において同じ。)のうち県の責めに帰すべき事由により生じたものについては、県が負担する。
2 前項の規定にかかわらず、工事の施工に伴い通常避けることができない騒音、振動、地盤沈下、地下水の断絶等の理由により第三者に損害を及ぼしたときは、県がその損害を負担しなければならない。ただし、その損害のうち工事の施工につき事業者が善良な管理者の注意義務を怠ったことにより生じたものについては、事業者が負担する。
3 前 2 項の場合その他工事の施工について第三者との間に紛争を生じた場合においては、県及び事業者は協力してその処理解決に当たる。
1 県は、事業契約の規定により施設整備費を増額すべき場合又は費用を負担すべき場合において、特別の理由があるときは、施設整備費の増額又は負担額の全部又は一部に代えて設計図書を事業者に変更させることができる。この場合において、設計図書の変更内容は、県と事業者とが協議して定める。ただし、協議開始の日から 14 日以内に協議が調わない場合には、県が定め、事業者に通知する。
2 前項の協議開始の日については、県が事業者の意見を聴いて定め、事業者に通知しなければならない。ただし、県が前項の施設整備費を増額すべき事由又は費用を負担すべき事由が生じた日から 7 日以内に協議開始の日を通知しない場合には、事業者は、協議開始の日を定め、県に通知することができる。
1 県は、工事の適正な技術的施工を確保するため必要があると認めるときは、中間検査を行うことができる。
2 県は、前項の検査にあたり必要があると認められるときは、工事の施工部分を最小限度破壊して検査することができる。
3 前 2 項の場合において、検査又は復旧に直接要する費用は、事業者の負担とする。
第 4 節 工事監理
1 事業者は、要求水準書等及び設計図書に従い工事監理業務を実施する。事業者は、工事監理業務の全部を工事監理企業に委託し又は請け負わせるものとする。
2 事業者は、工事監理業務の着手時に、要求水準書等に従い、工事監理計画書その他の要求水準書等が定める書類を県に提出しなければならない。
3 事業者は、建設工事の工事監理者については、建設工事の着手時に、建築基準法(昭和 25 年法律第 201 号)及び建築士法(昭和 25 年法律第 202 号)に規定される工事監理者を配置し、その氏名、保有資格等必要な事項を県に通知する。工事監理者が建設企業と同一法人に所属する場合には、工事監理部門は工事請負部門と独立した職務遂行系統であることを要する。
4 事業者は、工事監理者に、要求性能確認計画書に基づき建設工事を監理させ、要求水準書等に従い報告書を県に対して定期的に提出させなければならない。事業者は、県が要請したときは、工事監理者に、工事施工の事前説明及び事後報告、工事現場での施工状況の説明を随時行わせる。
第 5 節 什器備品調達・設置
事業者は、要求水準書等に従い、什器備品調達・設置業務を実施する。
第 6 節 雑則
1 事業者は、建設業務に関して、建設企業をして、本施設及び工事材料等を要求水準書等に定めるところにより建設工事保険その他の保険に付さなければならない。
2 事業者は、前項の規定により建設企業が保険契約を締結した場合には、その証券又はこれに代わるものを直ちに県に提示しなければならない。
3 事業者は、本施設及び工事材料等を第 1 項の規定による保険以外の保険に付したときは、直ちにその内容を県に通知しなければならない。
第 7 節 本施設の完成及び引渡し第51条 (完了検査及び引渡し)
1 事業者は、工事が完成したときは、その旨及び本施設の引渡しを県に通知しなければならない。
2 県は、前項の規定による通知を受けたときは、通知を受けた日から 14 日以内に事業者の立会いの上、要求水準書等に定めるところにより、工事の完成を確認するための検査を完了しなければならない。この場合、県は、当該検査の結果を事業者に通知しなければならない。
3 県は、前項の検査によって工事の完成を確認した日をもって本施設の引渡しを受けなければならない。
4 事業者は、工事が第 2 項の検査に合格しないときは、直ちに修補して県の検査を受けなければならない。この場合においては、修補の完了を工事の完成とみなして前 3 項の規定を適用する。
5 県は、第 2 項及び前項の検査にあたり必要があると認めるときは、本施設を最小限度破壊して検査し又は事業者に本施設を最小限度破壊して検査させることができる。
6 第 2 項及び前 2 項の場合において、検査又は復旧に要する費用は、事業者の負担とする。
1 県は、前条(完了検査及び引渡し)第 3 項の規定による引渡し前においても、本施設の全部又は一部を事業者の承諾を得て使用することができる。この場合必要があるときは、県は、事業者の立会いの上当該使用部分の出来形を確認しなければならない。
2 前項の場合においては、県は、その使用部分を善良な管理者の注意をもって使用しなければならない。
3 県は、第 1 項の使用により事業者に損害を及ぼしたときは、その損害を賠償しなければならない。賠償額は、県と事業者とが協議して定める。
1 県は、引き渡された工事目的物が種類又は品質に関して契約の内容に適合しないもの(以下「契約不適合」という。)であるときは、事業者に対し、目的物の修補又は代替物の引渡しによる履行の追完を請求することができる。ただし、その履行の追完に過分の費用を要するときは、県は履行の追完を請求することができない。
2 前項の場合において、事業者は、県に不相当な負担を課するものでないときは、県が請求した方法と異なる方法による履行の追完をすることができる。
3 第1項の場合において、県が相当の期間を定めて履行の追完の催告をし、その期間内に履行の追完がないときは、県は、その不適合の程度に応じて施設整備費の減額を請求することができる。ただし、次の各号のいずれかに該当する場合は、催告をすることなく、直ちに施設整備費の減額を請求することができる。
一 履行の追完が不能であるとき。
二 事業者が履行の追完を拒絶する意思を明確に表示したとき。
三 工事目的物の性質又は当事者の意思表示により、特定の日時又は一定の期間内に履行しなければ契約をした目的を達することができない場合において、事業者が履行の追完をしないでその時期を経過したとき。
四 前三号に掲げる場合のほか、県がこの項の規定による催告をしても履行の追完を受ける見込みがないことが明らかであるとき。
4 県は、引き渡された工事目的物に関し、第 51 条(完了検査及び引渡し)第 3 項の規定による引渡し(以下この条において単に「引渡し」という。)を受けた日から2年以内でなければ、契約不適合を理由とした履行の追完の請求、損害賠償の請求、施設整備費の減額の請求又は契約の解除(以下この条において「請求等」という。)をすることができない。
5 前項の規定にかかわらず、設備機器本体等の契約不適合については、引渡しの時、県が検査して直ちにその履行の追完を請求しなければ、事業者は、その責任を負わない。ただし、当該検査において一般的な注意の下で発見できなかった契約不適合については、引渡しを受けた日から1年が経過する日まで請求等をすることができる。
6 前 2 項の請求等は、具体的な契約不適合の内容、請求する損害額の算定の根拠等当該請求等の根拠を示して、事業者の契約不適合責任を問う意思を明確に告げることで行う。
7 県が第 4 項又は第 5 項に規定する契約不適合に係る請求等が可能な期間(以下この項及び第 10 項において「契約不適合責任期間」という。)の内に契約不適合を知り、その旨を事業者に通知した場合において、県が通知から1年が経過する日までに前項に規定する方法による請求等をしたときは、契約不適合責任期間の内に請求等をしたものとみなす。
8 県は、第4項又は第5項の請求等を行ったときは、当該請求等の根拠となる契約不適合に関し、民法の消滅時効の範囲で、当該請求等以外に必要と認められる請求等をすることができる。
9 前各項の規定は、契約不適合が事業者、建設・設計企業又は下請負者等の故意又は重過失により生じたものであるときには適用せず、契約不適合に関する事業者の責任については、民法の定めるところによる。
10 民法第 637 条第1項の規定は、契約不適合責任期間については適用しない。
11 県は、工事目的物の引渡しの際に契約不適合があることを知ったときは、第4項の規定にかかわらず、その旨を直ちに事業者に通知しなければ、当該契約不適合に関する請求等をすることはできない。ただし、事業者、建設・設計企業又は下請負者等がその契約不適合があることを知っていたときは、この限りでない。
第 8 節 施設整備費の支払第54条 (施設整備費の支払債務)
1 施設整備費の内訳は、別紙 7(施設整備費)記載のとおりとする。
2 県は、完了検査により工事の完成を確認し事業者から本施設の引渡しを受けたときは、事業者に対し、前項の施設整備費のうち第 55 条(施設整備費の一部支払)により一部支払をした費用を除いた部分を、適法な請求書を受領した日から 40 日以内に施設整備費を一括して支払う。
1 事業者は、設計及び建設業務の完了前に、施設整備費のうち、請求時の出来形
に相応する費用(以下「出来形部分」という。)の 10 分の 9 以内の額(施設整備費の一部支払後の残額は支払留保分とする。)について、一部支払を請求することができる。
2 事業者は、調査業務及び設計業務については設計業務の完了時、その他の業務については建設業務期間中の各年度末において、県に対して一部支払いの請求を行う。
3 事業者は、施設整備費について一部支払を請求しようとするときは、あらかじめ、当該請求に係る出来形部分の確認を県に請求しなければならない。
4 県は、前項の場合において、当該請求を受けた日から 14 日以内に、事業者の立会いの上、前項の確認を行い、当該確認の結果を事業者に通知しなければならない。この場合において、県は、必要があると認めるときは、その理由を特定事業者に通知して、出来形部分を最小限度破壊して確認することができる。なお、県は、本項による確認を行ったことを理由として、本件の設計及び工事の全部又は一部について何らの責任を負担するものではない。
5 前項の場合において、確認又は復旧に直接要する費用は、事業者の負担とする。
6 事業者は、第 4 項第1文の規定による通知があったときは、施設整備費の一部支払を請求することができる。この場合においては、県は、当該請求を受けた日から 30 日以内に一部支払金を支払わなければならない。
1 債務負担行為に係る契約において、各会計年度における施設整備費の支払の限度額は、令和 3 年度は金 0 円とし、令和 4 年度以降の支払額は各年度における歳出予算の範囲内とする。
2 県は、予算上の都合その他必要があるときは、前項の支払の限度額の変更を事業者に対して請求することができるものとし、県は、事業者と協議を行ったうえで、前項の支払の限度額を変更できるものとする。
3 事業者は、前会計年度において前条第 1 項及び第 6 項の規定により請求することができる額が、前会計年度において第 1 項に規定する支払の限度額を超えた場合においては、当該会計年度の当初に当該超過額について、県と協議を行ったうえで、費用の一部支払を請求することができる。この場合においては、県は、当該請求を受けた日から 30 日以内に一部支払金を支払わなければならない。
4 特定事業者は、前項の一部支払について、当該会計年度の予算の執行が可能となる時期以前に請求することはできない。
第 5 章 表明保証及び誓約
1 事業者は、事業契約の締結日現在において、県に対して次の各号の事実を表明し、保証する。
(1) 事業者は、会社法に基づき適式、有効かつ適法に設立され、存続する株式会社であること。
(2) 事業者は、特定事業契約を締結し、履行する完全な能力を有し、特定事業契約上の事業者の義務は、法的に有効かつ拘束力ある義務であり、事業者に対して強制執行可能であること。
(3) 事業者が特定事業契約を締結し、これを履行することにつき、日本国の法令及び事業者の定款、取締役会規則その他の社内規則上要求されている授権その他一切の手続を履践していること。
(4) 本事業を実施するために必要な事業者の能力又は特定事業契約上の義務を履行するために必要な事業者の能力に重大な悪影響を及ぼしうる訴訟、請求、仲裁又は調査は、事業者に対して係属しておらず、事業者の知る限りにおいてその見込みもないこと。
(5) 特定事業契約の締結及び特定事業契約に基づく義務の履行は、事業者に対して適用される全ての法令等に違反せず、事業者が当事者であり、若しくは事業者が拘束される契約その他の合意に違反せず又は事業者に適用される判決、決定若しくは命令の条項に違反しないこと。
(6) 事業者の定款の目的が本事業の遂行に限定されていること。
(7) 事業者の資本金と資本準備金の合計額は●円であること。
(8) 事業者の定款に、会社法第 326 条第 2 項に定める取締役会、監査役会及び会計監査人に関する定めがあること。
(9) 事業者の定款に、各暦年の 4 月 1 日に始まり、翌年の 3 月 31 日に終了する 1年間(事業者の設立日を含む年度にあたっては、設立日から次に到来する 3月 31 日までの期間)を事業年度とする定めがあること。
(10) PFI 法第 9 条各号に規定する欠格事由に該当しないこと。
1 事業者は、事業契約の締結後速やかに(契約書については当該契約書の調印後速やかに)次の各号に掲げる各書類の写しを県に対して提出し、事業契約締結後事業期間が終了するまでの間、事業者について次の各号に掲げる各書類の記載内容が変更された場合、変更後の書類の写しを県に提出しなければならない。
(1) 定款
(2) 履歴事項全部証明書
(3) 印鑑証明書
(4) 本事業に関して、事業者に融資等を行う金融機関等との間の次に掲げる契約書
イ 本事業に関する事業者に対する融資等に係る契約書
ロ 事業者が保有する資産及び事業者の発行済株式に対する担保権設定に係る契約書
ハ 特定事業契約その他県と事業者の間で締結された契約に基づく事業者の契約上の地位及び権利に対する担保権設定に係る契約書
2 事業者は、事業契約締結後事業期間が終了するまでの間、法令等及び特定事業契約の定めを遵守するほか、次に掲げる事項を遵守しなければならない。
(1) 事業者は、会社法に基づき設立された株式会社として存続すること。
(2) 事業者は、特定事業契約を締結し履行する完全な能力を有し、特定事業契約上の事業者の義務が法的に有効かつ拘束力ある義務であって事業者に対して強制執行可能な義務として負担すること。
(3) 事業者が特定事業契約を締結し履行することにつき、日本国の法令及び事業者の定款、取締役会規則その他の社内規則上要求されている授権その他一切の手続を履践すること。
(4) 特定事業契約の締結及び特定事業契約に基づく義務の履行が、事業者に対して適用される全ての法令等に違反せず、事業者が当事者であり若しくは事業者が拘束される契約その他の合意に違反せず又は事業者に適用される判決、決定若しくは命令の条項に違反しないようにすること。
(5) 事業者の定款の目的を、本事業の遂行に限定すること。
(6) 事業者は、県の事前の書面による承諾がある場合を除き、資本金及び資本準備金の合計額を●円以上に維持すること。
(7) 事業者の定款に、会社法第 326 条第 2 項に定める取締役会、監査役会及び会計監査人に関する定めを置くこと。
(8) 事業者の定款に、各暦年の 4 月 1 日に始まり、翌年の 3 月 31 日に終了する 1年間(事業者の設立日を含む年度にあたっては、設立日から次に到来する 3月 31 日までの期間)を事業年度とする定めを置くこと。
3 事業者は、事業契約締結後事業期間が終了するまでの間、県の事前の書面による承諾なくして、次に掲げる行為を行ってはならない。
(1) 合併、株式交換、株式移転、会社分割、事業譲渡、解散その他会社の基礎の変更
(2) 議決権株式の発行
(3) 定款記載の目的の変更及び当該目的の範囲外の行為
1 事業者が議決権付株式又は完全無議決権株式を発行する場合、当該株式の発行を受ける者及びその譲受人は、時期を問わず、いずれも次に掲げる全ての条件を満たさなければならない。ただし、次に掲げる全ての条件を満たす者への譲渡後に、譲受人が地方自治法施行令第 167 条の 4 第 2 項の規定に該当することとなった場合は、この限りでない。
(1) 地方自治法施行令第 167 条の 4 の規定に該当しない者であること。
(2) 「愛知県が行う事務及び事業からの暴力団排除に関する合意書」(平成 24年 6 月 29 日付け愛知県知事等・愛知県警察本部長締結)及び「愛知県が行う調達契約からの暴力団排除に関する事務取扱要領」に基づく排除措置を受けていない者であること。
(3) 会社更生法第 17 条の規定による更生手続開始の申立てがなされていない者又は民事再生法第 21 条の規定による再生手続開始の申立てがなされていない者であること。
(4) PFI 法第 9 条に定める各号に規定する欠格事由に該当しないこと。
2 事業者は、前項及び法令等の規定に従い、時期を問わず、完全無議決権株式を発行し、これを割り当てることができる。事業者は、かかる割当てを受けた者から、基本協定書別紙 1(出資者保証書の様式)又は別紙 2(誓約書の様式)の様式及び内容の出資者保証書及び誓約書を徴求の上あらかじめ県に提出させるものとし、また、前項に掲げる条件を満たした上で割当てを受けていることを誓約させるとともに、割当て先等、県が必要とする情報を速やかに報告するものとする。
3 完全無議決権株式を保有する者は、自ら保有する完全無議決権株式につき、時期を問わず、譲渡、担保提供その他の処分を行うことができる。事業者は、完全無議決権株式についてかかる処分が行われる場合は、当該完全無議決権株式の譲渡を行った者をして、その譲渡人から、基本協定書別紙 1(出資者保証書の様式)又は別紙 2(誓約書の様式)の様式及び内容の出資者保証書及び誓約書を徴求の上あらかじめ県に提出させるものとし、また、第 1 項に掲げる条件を満たした上で当該譲渡を行っていることを誓約させるとともに、譲渡先等、県が必要とする情報を速やかに報告するものとする。
4 議決権付株式は、会社法第 2 条第 17 号に定める譲渡制限株式でなければならない。
5 事業者は、第 1 項及び法令等の規定に従い、時期を問わず、議決権付株式を発行し、基本協定書に基づきあらかじめ認められた者以外の者にこれを割り当てる場合には、県の事前の書面による承認を得なければならない。
6 議決権付株式を保有する者は、自ら保有する議決権付株式につき、時期を問わず、第三者に対して譲渡、担保提供その他の処分を行う場合には、県の事前の書面による承認を得なければならない。ただし、他の議決権付株式を保有する者に
対して譲渡する場合を除く。事業者は、当該株主から当該譲渡の承認を請求された場合には、当該譲渡について県の事前の書面による承諾を受けていることを確認した後でなければ当該譲渡を承認してはならない。
7 前項の規定にかかわらず、県は、議決権付株式を保有する者から、本事業のための融資を行う金融機関等のために、その保有する議決権付株式に担保権を設定する旨の申請があった場合において、当該融資及び担保権設定に関する契約書の写しが県に提出され、かつ、第 86 条(金融機関等との協議)に基づく協定書が県と当該金融機関等との間で県の合理的に満足する内容にて締結されているときは、合理的な理由なくして承諾の留保、遅延又は拒否をしないものとする。
8 県は、第 6 項に定める譲渡につき、当該株式の譲受人が第 1 項の要件を満たし、かつ、当該譲渡が事業者の事業実施の継続を阻害しないと判断した場合には、当該譲渡を承認するものとする。事業者は、当該承認を得て当該譲渡が行われた場合、当該株式の譲渡先等、県が必要とする情報を報告するものとする。
1 事業者は、特定事業契約に別段の定めがある場合を除き、県の事前の書面による承諾なくして、特定事業契約その他県と事業者の間で締結された契約に基づく事業者の契約上の地位及び権利義務につき、譲渡、担保提供その他の処分(放棄を含む。)を行うことはできない。
2 前項の規定にかかわらず、県は、事業者から、事業提案書に規定された融資に関連して当該金融機関等のために、特定事業契約その他県と事業者の間で締結された契約に基づく事業者の契約上の地位及び権利に担保権を設定することについての承諾の申請があった場合において、当該融資及び担保権設定に関する契約書の写しが県に提出され、かつ、第 85 条(金融機関等との協議)に基づく協定書が県と当該金融機関等との間で県の合理的に満足する内容(相殺を含む県の抗弁権が当該担保権の設定及び実行の前後を問わず、担保権者に対抗できることを含む。)にて締結されているときは、合理的な理由なくして承諾の留保、遅延又は拒否をしない。
事業者は、県の事前の書面による承諾なくして、本事業に係る業務並びに県及び事業者が別途合意する委託業務以外の業務を行ってはならない。
第 6 章 責任及び損害等の分担
1 事業者は、特定事業契約に別段の定めがある場合を除き、本事業の実施に係る一切の責任を負う。
2 事業者は、特定事業契約に別段の定めがある場合を除き、事業者の本事業の実施に関する県による承認、確認若しくは立会い又は事業者からの県に対する報告、通知若しくは説明を理由として、いかなる特定事業契約上の事業者の責任をも免れず、当該承認、確認若しくは立会い又は報告、通知若しくは説明を理由として、県は何ら責任を負担しない。
3 特定事業契約に別段の規定がある場合を除き、本事業の実施に関する一切の費用は、全て事業者が負担する。
1 事業者は、災害防止等のため必要があると認めるときは、臨機の措置を講じなければならない。この場合において、必要があると認めるときは、事業者は、あらかじめ県の意見を聴かなければならない。ただし、緊急やむを得ない事情があるときは、この限りでない。
2 前項の場合においては、事業者は、その講じた措置の内容を県に直ちに通知しなければならない。
3 県は、災害防止その他本事業の実施上特に必要があると認めるときは、事業者に対して臨機の措置を講ずることを請求することができる。
4 事業者が第 1 項又は前項の規定により臨機の措置を講じた場合において、当該措置に要した費用のうち、事業者が負担することが適当でないと認められる部分については、県が負担する。
1 県及び事業者は、事業契約の締結後に国又は地方公共団体による政策が変更又は決定(以下この条において「政策変更」という。)されたことにより、次の各号に掲げるいずれかの事由が発生したことを認識した場合には、その内容の詳細を記載した書面(以下この条において「政策変更通知」という。)により、直ちにこれを相手方に通知する。
(1) 要求水準書等に規定された条件に従って、全部又は一部の本施設に係る設計及び建設業務を行うことができなくなったとき。
(2) 要求水準書等に規定された条件に従って、全部又は一部の運営権設定対象施設に係る運営・維持管理業務を行うことができなくなったとき。
(3) 特定事業契約の履行のための費用が増加するとき。
2 県及び事業者は、特定事業契約に基づく自己の義務の履行が適用される政策に違反することとなった場合には、履行期日における当該自己の義務の履行が適用される政策に違反する限りにおいて、その履行義務を免れる。ただし、県及び事業者は当該政策変更により相手方に発生する損害を最小限にするように努める。
3 県及び事業者は、政策変更通知を相手方から受領し又は相手方に送付した場合には、当該政策変更に対応して本事業を継続するために必要となる要求水準書等に基づく権利義務の内容の変更及び追加費用の負担方法について協議する。
4 前項に定める協議の開始日から 120 日以内に協議が調わない場合には、県が当該政策変更に対する対応方法を事業者に通知し、事業者は当該対応方法に従い本事業を継続する。この場合において、事業者に生じた追加費用のうち発生防止手段を事業者が講じることが合理的に期待できなかったと県が認めるものは県が負担する。なお、県は、事業者に生じた損失(逸失利益を含む。)を負担しない。
1 県及び事業者は、事業契約の締結後に法令等の改正又は制定(以下「法令改正」という。)により、次の各号に掲げるいずれかの事由が発生したことを認識した場合には、その内容の詳細を記載した書面(以下この条において「法令改正通知」という。)により、直ちにこれを相手方に通知する。
(1) 要求水準書等に規定された条件に従って、全部又は一部の本施設に係る設計及び建設業務を行うことができなくなったとき。
(2) 要求水準書等に規定された条件に従って、全部又は一部の運営権設定対象施設に係る運営・維持管理業務を行うことができなくなったとき。
(3) 特定事業契約の履行のための費用が増加するとき。
2 県及び事業者は、特定事業契約に基づく自己の義務の履行が適用される法令等に違反することとなった場合には、履行期日における当該自己の義務の履行が適用される法令等に違反する限りにおいて、その履行義務を免れる。ただし、県及び事業者は当該法令改正により相手方に発生する損害を最小限にするように努める。
3 県及び事業者は、法令改正通知を相手方から受領し又は相手方に送付した場合には、当該法令改正に対応して本事業を継続するために必要となる要求水準書等に基づく権利義務の内容の変更及び追加費用の負担方法について協議する。
4 前項に定める協議の開始日から 120 日以内に協議が調わない場合には、県が当該法令改正に対する対応方法を事業者に通知し、事業者は当該対応方法に従い本事業を継続する。この場合において、本事業の継続に要する費用の増加の負担に関する取扱いは、特定事業契約に別段の定めがある場合を除き、次の各号に定めるとおりとする。なお、県は、事業者に生じた損失(逸失利益を含む。)を負担しない。
(1) 特定法令改正により事業者に生じた追加費用のうち、追加費用の発生防止手段を事業者が講じることが合理的に期待できなかったと県が認めるものは県が負担する。
(2) 法令改正により事業者に生じた追加費用のうち、前号に従い県が負担する追加費用以外の追加費用は事業者が負担する。
1 県又は事業者は、事業契約の締結後に本施設に係る設計及び建設業務に影響を及ぼす税制の改正又は制定があったことを認識した場合には、その内容の詳細を記載した書面(以下この条において「税制改正通知」という。)により、直ちにこれを相手方に通知する。
2 第 65 条(法令改正)第 4 項の規定にかかわらず、県及び事業者は、税制改正通知を相手方から受領し又は相手方に送付した場合には、次の各号に掲げる取扱いに従い、当該税制等の改正又は制定に対応するために速やかに追加費用の負担について協議する。
(1) 事業者の利益に課せられる税制の改正又は制定による追加費用は、事業者の負担とする。
(2) 前号に定める以外の税制の改正又は制定による追加費用は、県の負担とする。
3 前項に定める協議の開始日から 120 日以内に協議が調わない場合には、県は、当該税制改正により事業者に生じた追加費用のうち、追加費用の発生防止手段を事業者が講じることが合理的に期待できなかったと県が認めるものを負担する。なお、県は、事業者に生じた損失(逸失利益を含む。)を負担しない。
4 前各項の規定にかかわらず、施設整備費に係る消費税等の税率変更による追加費用については県の負担とする。
1 事業契約の締結後に不可抗力により、次の各号に掲げるいずれかの事由が発生したことを認識した場合には、その内容の詳細を記載した書面(以下この条において「不可抗力通知」という。)により、事業者は県に対して直ちに通知する。
(1) 要求水準書等に規定された条件に従って、全部又は一部の本施設に係る設計及び建設業務を行うことができなくなったとき。
(2) 要求水準書等に規定された条件に従って、全部又は一部の運営権設定対象施設に係る運営・維持管理業務を行うことができなくなったとき。
(3) 特定事業契約の履行のための費用が増加するとき。
(4) 事業契約に従い事業者から県への工事目的物の引渡し前に、工事目的物、仮設物又は工事現場に搬入済みの工事材料若しくは建設機械器具に損害が生じ
たとき。
2 県は、前項第 4 号の規定による不可抗力通知を受けたときは、直ちに調査を行い、同号の損害(事業者が善良な管理者の注意義務を怠ったことに基づくもの及び事業契約第 50 条(建設工事保険等)第 1 項の規定により付された保険等によりてん補された部分を除く。以下この項において「損害」という。)の状況を確認し、その結果を事業者に通知しなければならない。この場合において、事業者は、第 5 項に規定する費用を除き、本項前段の規定により確認された損害による費用(事業者の判断による工事の加速に要する費用を含む。)を負担する。
3 県及び事業者は、不可抗力通知を相手方から受領し又は相手方に送付した場合において、特定事業契約に基づく自己の債務が当該不可抗力により履行不能となったときは、履行期日及び当該不可抗力の影響の継続期間中における当該債務
(金銭債務を除く。)の履行義務を免れる。ただし、県及び事業者は、不可抗力により相手方に発生する損害を最小限にするように努める。
4 事業者は、不可抗力通知を県に送付し又は県から受領した場合には、当該不可抗力の影響を早期に除去すべく、特定事業契約に別段の定めがある場合を除き、自らの責任及び費用負担において、本施設に生じた損害の復旧その他要求水準書に従った対応を実施する。
5 県は、設計及び建設業務の実施期間中の不可抗力により本施設に生じた損害については、事業契約に従い、当該不可抗力により県が設計条件(地盤の形質変更等)を変更する必要があると認めた場合における施設整備費の追加費用を負担する。また、県は、事業期間中に発生した不可抗力により本事業の遂行が相当期間にわたって不可能又は著しく困難となり、かつ、当該不可抗力の発生前において事業者により予見できず、又はその増加費用の発生の防止手段を講ずることが合理的に期待できなかったと県が認める場合、当該不可抗力により発生した追加費用を負担する。なお、県は、事業者に生じた損失(逸失利益を含む。)を負担しない。
6 県及び事業者は、不可抗力通知を相手方から受領し又は相手方に送付した場合には、前項に定める設計及び建設業務本施設又は本施設に生じた損害に係る追加費用又は復旧費用の負担方法、その他当該不可抗力に対応して本事業を継続するために必要となる要求水準書等に基づく権利義務の内容の変更について協議する。
7 前項に定める協議の開始日から 120 日以内に協議が調わない場合には、県が当該不可抗力に対する対応方法を事業者に通知し、事業者は当該対応方法に従い本事業を継続する。
1 県及び事業者は、相手方が特定事業契約に定める義務に違反したことにより自
らに損害が発生した場合には、相手方に対して損害賠償を請求することができる。
2 事業者が本事業の実施に際し、第三者に損害を及ぼした場合には、直ちにその状況を県に報告する。
3 特定事業契約に別段の定めがある場合を除き、事業者は、その責めに帰すべき事由により生じた前項に定める第三者の損害を、当該第三者に対して賠償しなければならない。
4 県が、前項の規定により事業者が賠償すべき損害を第三者に対して賠償した場合、事業者に対して、賠償した金額を求償することができる。事業者は、県からの請求を受けた場合には、直ちに支払わなければならない。
5 前項の場合その他本事業の実施に関し第三者との間に紛争を生じた場合においては、県及び事業者が協力してその処理解決にあたるものとする。
第 7 章 契約の終了及び終了に伴う措置
特定事業契約に基づく本事業の実施期間は、特定事業契約に別段の定めがある場合を除き、設計及び建設業務の開始日に始まり、運営権設定対象施設に係る運営権の存続期間の満了日又は特定事業契約の全部が解除された日に終了する期間
(以下「事業期間」という。)とする。
1 事業契約締結後事業期間が終了するまでの間に、次の各号に掲げる事由が発生した場合、県は、事業者に対して書面により通知した上で、特定事業契約の全部又は一部を解除することができる。
(1) PFI 法第 29 条第 1 項第 1 号に規定する事由が生じたとき。
(2) 事業者が破産、会社更生、民事再生又は特別清算の手続について事業者の取締役会でその申立てを決議したとき又は第三者(事業者の取締役を含む。)によってその申立てがなされたとき。
(3) 事業者が特定事業契約に基づいて県に提出した報告書に重大な虚偽記載を行ったとき。
(4) 特定事業契約に別段の定めがある場合を除き、事業者が運営権対価を支払期限を過ぎても支払わないとき。
(5) 別紙 3(ガバナンス基本計画)に定める解除事由が発生したとき。
(6) 構成企業が基本協定書第 10 条(談合その他の不正行為による特定事業契約の不締結等)第 1 項各号のいずれかに該当するとき。
(7) 事業者が愛知県公共工事請負契約約款(建築工事用)第 46 条(暴力団等排除に係る解除)第 1 項各号のいずれかに該当するとき。
(8) 事業者が、①正当な理由なく、事業契約に従い各業務に着手すべき期日を過ぎても設計及び建設業務に着手しないとき、②事業契約に定める設計及び建設業務期間内に完成しないとき若しくは設計及び建設業務期間経過後相当の期間内に工事を完成する見込みが認められないとき、又は③事業者の責めに帰すべき事由により事業者の財務状況が著しく悪化し、事業者が事業契約に基づき本事業を継続的に実施することが困難であると県が合理的に認めたとき。
(9) 前各号に掲げる場合のほか、事業者が特定事業契約に違反し(ただし、県から 30 日以上の当該不履行を是正するのに必要な合理的期間を設けて催告を受けたにもかかわらず、当該期間内に当該不履行が是正されない場合又は特定事業契約の履行が不能となった場合に限る。)、その違反により特定事業契約の目的を達することができないと県が認めたとき。
2 次の各号に掲げる者が特定事業契約を解除した場合は、前項の規定により特定事業契約が解除された場合とみなす。
(1) 事業者について破産手続開始の決定があった場合において、破産法(平成 16 年法律第 75 号)の規定により選任された破産管財人
(2) 事業者について更生手続開始の決定があった場合において、会社更生法(平成 14 年法律第 154 号)の規定により選任された管財人
(3) 事業者について再生手続開始の決定があった場合において、民事再生法(平成 11 年法律第 225 号)の規定により選任された再生債務者等
1 県は、運営権設定対象施設を他の公共の用途に供することその他の理由に基づく公益上やむを得ない必要が生じた場合又はその他県が合理的に必要と認める場合には、6 ヶ月以上前に事業者に対して通知することにより、特定事業契約の全部又は一部を解除することができる。
2 県の責めに帰すべき事由により、県が特定事業契約上の県の重大な義務に違反し、本事業の実施が著しく困難になった場合において、事業者から 150 日以上の当該不履行を是正するのに必要な合理的期間を設けて催告を受けたにもかかわらず、当該期間内に当該不履行が是正されないとき又は特定事業契約の履行が不能となったときは、事業者は、解除事由を記載した書面を県に送付することにより、特定事業契約の全部又は一部を解除することができる。
事業契約の締結後における法令改正又は不可抗力の発生により、次の各号に掲
げるいずれかの事由に該当する場合には、県又は事業者は、相手方と協議の上、特定事業契約の全部又は一部を解除することができる。
(1) 本事業の継続が困難と判断したとき。
(2) 特定事業契約の履行のために多大な費用を要すると判断したとき。
1 解除事由の如何を問わず、本施設に係る工事目的物が完了検査を経て事業者から県に引き渡される前に当該本施設に係る事業契約が解除された場合において、本施設の出来形部分が存在するときは、県は、本施設の出来形部分を検査の上、当該検査に合格した部分(以下この項において「合格部分」という。)の引渡しを受けて、合格部分に相応する施設整備費を一括又は分割により事業者に支払う。
2 前項の場合において、県は、必要があると認められるときは、その理由を事業者に通知して出来形部分を最小限度破壊して検査することができ、当該検査及び復旧に直接要する費用は、事業者の負担とする。
3 第 1 項の規定にかかわらず、本施設に係る工事目的物が完了検査を経て事業者から県に引き渡される前に第 70 条(事業者事由による解除)の規定により事業契約が解除された場合において、原状回復することが社会通念上合理的であって県が請求したときには、事業者は、本施設に係る事業用地を原状回復の上、県に返還しなければならない。
4 前項の場合において、事業者が正当な理由なく、相当の期間内に原状回復の措置を講じないときは、県は、事業者に代わり原状回復を行うことができ、これに要した費用を事業者に求償することができる。この場合、事業者は、県の処分について異議を申し出ることができない。
県及び事業者は、事業契約に従い本施設に係る工事目的物が完了検査を経て事業者から県に引き渡された後は、本施設に係る事業契約を解除することができず、本施設については実施契約のみを解除することができる。
1 第 70 条(事業者事由による解除)の規定により特定事業契約が解除された場合には、事業者は、本施設に係る施設整備費(消費税等を含まない。)の【10】%に相当する金額を違約金として県の指定する期限までに支払わなければならない。
2 前項の場合において、事業者は、当該解除に起因して県が被った相当因果関係の範囲内にある損害額が違約金の額を上回るときは、その差額を、県の請求に基
づき支払わなければならない。
3 第 1 項の場合において、第 27 条(契約の保証)の規定により契約保証金の納付又はこれに代わる担保の提供が行われているときは、県は、当該契約保証金又は担保をもって同項の違約金に充当することができる。
1 県は、事業契約が解除された場合においては、第 73 条(本施設の引渡前の解除)第 1 項及び第 2 項に従い、出来形部分の買取りを実施する。
2 事業者は、事業契約が解除された場合において県が請求したときは、第 73 条
(本施設の引渡前の解除)第 3 項及び第 4 項に従い、本施設に係る事業用地を原状回復の上県に返還する。
1 第 71 条(県の任意による解除、県事由による解除)第 1 項の規定により特定事業契約が解除された場合には、PFI 法第 30 条の規定に基づき、事業者は、当該解除に起因して事業者に生じた合理的な範囲の費用(ブレークファンディングコストその他の金融費用を含む。)及び通常生ずべき損失【(ただし、事業者の逸失利益については 2 年分を上限として県と事業者で協議して定める。)】の補償を求めることができる。
2 第 72 条(法令改正・不可抗力による解除)の規定により特定事業契約が解除された場合には、当該解除に起因して県又は事業者に生じた損失又は損害については各自の負担とし、お互いに損害賠償、損失補償又は費用の請求を行わない。ただし、当該解除までに生じた費用のうち第 65 条(法令改正)第 4 項第 1 号及び第 67 条(不可抗力)第 5 項に定める費用並びに当該解除に起因して事業者に生じた合理的な範囲の費用(ブレークファンディングコストその他の金融費用を含む。)については県の負担とする。
第 8 章 知的財産権
県が、本事業の募集段階において又は特定事業契約に基づき、事業者に対して提供した情報、書類及び図面等(県が著作権を有しないものを除く。)の著作権は、県に帰属する。
1 県は、成果物について、県の裁量により無償で利用する権利及び権限を有する
ものとし、その利用の権利及び権限は、特定事業契約の終了後も存続する。
2 成果物及び運営権設定対象施設のうち著作xx第 2 条第 1 項第 1 号に規定する著作物に該当するものに係る著作xx第 2 章及び第 3 章に規定する著作者の権利
(以下「著作者の権利」という。)の帰属は、著作xxの定めるところによる。
3 事業者は、県が成果物及び運営権設定対象施設を次の各号に掲げるところにより利用することができるようにしなければならず、自ら又は著作者(事業者を除く。)をして、著作xx第 19 条第 1 項又は第 20 条第 1 項に定める権利を行使し又はさせてはならない。
(1) 著作者名を表示することなく成果物の全部若しくは一部又は運営権設定対象施設の全部若しくは一部の内容を自ら公表し若しくは広報に使用し又は県が認めた公的機関をして公表させ若しくは広報に利用させること。
(2) 成果物を他人に閲覧させ、複写させ又は譲渡すること。
(3) 必要な範囲で、県又は県が委託する第三者をして成果物について、複製、頒布、展示、改変、翻案その他の修正をすること。
(4) 運営権設定対象施設を写真、模型、絵画その他の方法により表現すること。
(5) 特定事業契約の終了後に、運営権設定対象施設を増築、改築、修繕若しくは模様替えにより改変し又は取り壊すこと。
4 事業者は、自ら又は著作者若しくは著作権者をして、次の各号に掲げる行為をし又はさせてはならない。ただし、あらかじめ県の承諾を得た場合及び法令等又は裁判所、監督官庁若しくはその他の公的機関(金融商品取引所、金融商品取引業協会を含む。)の命令により次に掲げる行為を行う場合は、この限りではない。
(1) 成果物及び運営権設定対象施設の内容を公表すること。
(2) 運営権設定対象施設に事業者の実名又は変名を表示すること。
(3) 成果物を他人に閲覧させ、複写させ又は譲渡すること。
事業者は、自ら又は著作権者をして、成果物及び運営権設定対象施設に係る著作者の権利を第三者に譲渡し若しくは継承し又は譲渡させ若しくは継承させてはならない。ただし、県の事前の書面による承諾を得た場合を除く。
1 事業者は、成果物及び運営権設定対象施設が、第三者の有する著作権を侵害するものでないことを県に対して保証する。
2 事業者は、成果物又は運営権設定対象施設のいずれかが第三者の有する著作権を侵害した場合において、当該第三者に対して損害の賠償を行い又は必要な措置を講じなければならないときは、その賠償額を負担し又は必要な措置を講ずる。
1 事業者は、特定事業契約の履行にあたり、前条(第三者の有する著作権の侵害防止)のほか、第三者の有する特許権、実用新案権、意匠権、商標権その他の知的財産権(以下この条において「知的財産xx」という。)を侵害しないこと並びに事業者が県に対して提供する成果物の利用が第三者の有する知的財産xxを侵害していないことを県に対して保証する。
2 事業者が特定事業契約の履行にあたり第三者の有する知的財産xxを侵害し又は事業者が県に対して提供するいずれかの成果物の利用が第三者の有する知的財産xxを侵害する場合には、事業者は、事業者の責めに帰すべき事由の有無の如何にかかわらず、当該侵害に起因して県に直接又は間接に生じた全ての損失、損害及び費用につき、県に対して補償及び賠償し又は県が指示する必要な措置を講ずる。ただし、事業者の当該侵害が、県の特に指定する工事材料、施工方法又は維持管理方法等を使用したことに起因する場合には、この限りではない。
事業者は、特許xxの知的財産権の対象となっている技術等を使用するときは、その使用に関する一切の責任を負わなければならない。ただし、県が当該技術等の使用を指定した場合であって事業者が当該知的財産権の存在を知らなかったときは、県は、事業者がその使用に関して要した費用を負担する。
第 9 章 雑 則
1 県及び事業者は、相手方の事前の書面による承諾なくして、特定事業契約に関する情報(本事業を実施する上で知り得た秘密を含む。)を第三者に開示してはならず、特定事業契約の履行又は本事業の実施の目的以外には使用してはならない。ただし、①既に自ら保有していた情報、②既に公知の事実であった情報、③その取得後自らの責めによらずして公知になった情報及び④その取得後正当な権利を有する第三者から何らの秘密保持義務を課せられることなしに取得した情報を除く。
2 前項の規定にかかわらず、県及び事業者は、次に掲げる場合に限り、特定事業契約に関する情報を開示することができる。
(1) 当該情報を知る必要のある県又は事業者の役員、従業員、弁護士、公認会計士、税理士その他の専門家に対して、県及び事業者と同等以上の秘密保持義務を負うことを条件として開示する場合
(2) 当該情報を知る必要のある構成企業、協力企業若しくは本事業に関して事業者に融資等を行う金融機関等又はこれらの者の役員、従業員、弁護士、公認会計士、税理士その他の専門家に対して、県及び事業者と同等以上の秘密保持義務を負うことを条件として開示する場合
(3) 法令等又は裁判所、監督官庁若しくはその他の公的機関(金融商品取引所、金融商品取引業協会を含む。)の命令により開示を求められた情報を開示する場合
3 本条の規定は、県及び事業者による特定事業契約の完全な履行又は特定事業契約の終了にかかわらず、有効に存続する。
県は、必要と認めた場合には、本事業に関して事業者に融資等を行う金融機関等との間で、次の各号に掲げる事項その他本事業の継続的実施の確保に必要な事項について、当該金融機関等との間で協定書を締結する。
(1) 金融機関等が本事業のための融資に関して締結した契約(以下この条において「融資関連契約」という。)に定める融資実行前提条件の不充足、期限の利益喪失事由の発生その他協定書において合意する事項が発生した場合における金融機関等から県への通知及び一定期間の事前協議の実施
(2) 特定事業契約における解除事由の発生、特定事業契約に基づく事業者に対する損害賠償請求その他協定書において合意する事項が発生した場合における県から金融機関等への通知及び一定期間の事前協議の実施
(3) 融資関連契約に基づく事業者に対する債権を担保するための、事業者の議決権株式、運営権設定対象施設に係る運営権、特定事業契約上の事業者の地位その他の担保目的物に対する担保権の設定、対抗要件具備及び実行に関する条件
1 県又は事業者が、特定事業契約その他県と事業者の間で締結された契約等に基づく支払を遅延した場合には、未払額につき履行すべき日(以下本条において
「履行期日」という。)の翌日(同日を含む。)から当該金銭債務の支払が完了した日(同日を含む。)までの期間の日数に応じ、県については、政府契約の支払遅延に対する遅延利息の率(昭和 24 年大蔵省告示第 991 号)に定める履行期日時点における率を乗じて計算した額の遅延利息を、事業者については、国の債権に関する遅延利息の率(昭和 32 年大蔵省告示第 8 号)に定める履行期日時点における率を乗じて計算した額の遅延利息をそれぞれ相手方当事者に支払わなければならない。これらの場合の遅延利息の計算方法は、年 365 日の日割計算とする。
2 県は、特定事業契約その他県と事業者の間で締結された契約に基づいて生じた
事業者に対する債権及び債務を、法令の範囲内において対当額で相殺することができる。
特定事業契約は、県及び事業者の書面による合意がなければ、これを変更することができない。
1 特定事業契約は、日本国の法令に準拠し、日本国の法令に従って解釈する。
2 特定事業契約に関連して発生した全ての紛争は、名古屋地方裁判所を第xxの専属的合意管轄裁判所とする。
1 特定事業契約に定める請求、通知、報告、勧告、承諾及び解除は、原則として、相手方に対する書面をもって行われなければならない。県及び事業者は、当該請求等の宛先をそれぞれ相手方に対して別途通知する。
2 特定事業契約の履行に関して県と事業者の間で用いる計算単位は、要求水準書等又は設計図書に別段の定めがある場合を除き、計量法に定めるところによる。
3 特定事業契約の履行に関する期間の定めについては、要求水準書等又は設計図書に特別の定めがある場合を除き、民法及び会社法の定めるところによる。
4 事業者が特定事業契約に基づき保管し又は保存すべき文書の取扱い及び期間については、県の文書管理規程に従う。
5 特定事業契約の履行に関して県と事業者の間で用いる言語は、日本語とする。
6 特定事業契約に定める金銭の支払に用いる通貨は、日本円とする。
要求水準書等及び設計図書に定めのない事項について定める必要が生じた場合、又は要求水準書等及び設計図書の解釈に関して疑義が生じた場合は、その都度、本事業のガバナンスの枠組を活用して、県及び事業者が誠実に協議してこれを解決する。
別紙 1
定義集
(1) 「愛知県公共工事請負契約約款(建築工事用)」とは、愛知県公共工事請負契約約款(建築工事用)(昭和 48 年 4 月 1 日施行。実施契約締結時点における最終改正令和 2 年 10 月 1 日)をいう。
(2) 「維持管理業務」とは、要求水準書等に定める本施設の維持管理に係る業務の総称をいう。
(3) 「運営開始日」とは、運営・維持管理業務の開始日をいう。
(4) 「運営開始予定日」とは、運営・維持管理業務の開始予定日(●年●月●日)をいう。
(5) 「運営権」とは、運営権設定対象施設に対して設定される PFI 法第 2 条第 7 項に定義される公共施設等運営権をいう。
(6) 「運営権設定対象施設」とは、本施設及び本施設の敷地をいう。
(7) 「運営権対価」とは、運営権の設定の対価をいう。
(8) 「運営権の存続期間」とは、実施契約に定める運営権の存続期間をいう。
(9) 「会社法」とは、会社法(平成 17 年法律第 86 号)をいう。
(10) 「完了検査」とは、第 51 条(完了検査及び引渡し)第 2 項に定める工事の完成を確認するための検査をいう。
(11) 「完全無議決権株式」とは、事業者の発行する株式で、議決権付株式に該当しない株式(これに係る新株予約権及び新株予約権付社債を含む。)をいう。ただし、会社法第 108 条第 1 項第 8 号又は第 9 号に掲げる事項についての定めがある株式を除く。
(12) 「議決権付株式」とは、事業者の発行する株式で、一定の条件で議決権を有することとなる株式、及び、取得請求権付株式又は取得条項付株式で議決権を有する株式が取得の対価として発行される可能性のある株式を含む、議決権を有する株式(これに係る新株予約権及び新株予約権付社債を含む。)をいう。
(13) 「基本協定書」とは、県と代表企業及びその他の構成企業との間で●年●月●日付けで締結された愛知県スタートアップ支援拠点整備等事業 基本協定書をいう。
(14) 「業務委託請負契約」とは、第 12 条(必要な契約の締結)第 1 項に定める意義を有する。
(15) 「協力企業」とは、別紙 5(業務委託請負先)において協力企業として記載された企業をいう。
(16) 「計量法」とは、計量法(平成 4 年法律第 51 号)をいう。
(17) 「県」とは、事業契約の冒頭に定義されるものをいう。
(18) 「構成企業」とは、別紙 5(業務委託請負先)において構成企業として記載さ
れた企業をいう。
(19) 「事業契約」とは、この契約をいう。
(20) 「事業期間」とは、第 69 条(事業期間)に定義する意味を有する。
(21) 「事業者」とは、本事業の遂行者として落札者が設立した●株式会社をいう。
(22) 「事業提案書」とは、代表企業及びその他の構成企業が、2021 年●月●日付けで提出した本事業の実施に係る事業提案書一式をいう。
(23) 「事業年度」とは、各暦年の 4 月 1 日に始まり、翌年の 3 月 31 日に終了する 1年間をいう。但し、事業契約締結年度にあっては、事業契約の締結日から次に到来する 3 月 31 日までの期間をいい、事業期間の開始年度にあっては、運営開始日から次に到来する 3 月 31 日までの期間をいう。
(24) 「運営・維持管理業務」とは、要求水準書に定める業務の総称をいう。
(25) 「設計及び建設業務」とは、事業契約に基づき事業者が実施する業務の総称をいう。
(26) 「設計及び建設業務期間」とは、事業契約当初に記載の設計及び建設業務期間をいう。
(27) 「施設整備費」とは、事業契約の定めに従い、事業者による設計及び建設業務の実施の対価として、県が事業者に対し支払債務を負担する費用をいい、内訳は事業契約において定める。
(28) 「実施契約」とは、県と事業者との間で締結される予定の公共施設等運営権実施契約その他特定事業契約の運営・維持管理業務に関して定めた部分の総称をいう。
(29) 「消費税等」とは、消費税及び地方消費税の総称をいう。
(30) 「成果物」とは、設計図書、完成図書及びその他事業者が特定事業契約に基づき又は県の請求により県に提出した一切の書類、図面、写真、映像等の総称をいう。
(31) 「設計図書」とは、第 29 条(設計)の定めに従って県の確認が得られた設計図書その他の設計に関する図書をいう。
(32) 「代表企業」とは、別紙 5(業務委託請負先)において代表企業として記載された企業をいう。
(33) 「著作xx」とは、著作xx(昭和 45 年法律第 48 号)をいう。
(34) 「著作者の権利」とは、第 81 条(成果物の利用)第 2 項に定める意義を有する。
(35) 「統括マネジメント業務」とは、要求水準書に定める業務の総称をいう。
(36) 「特定事業契約」とは、事業契約及び実施契約により構成される不可分一体の契約をいう。
(37) 「特定法令改正」とは、施設の整備、維持管理又は運営に関する法令改正であって、①事業者のみに適用されるもの又は②本施設のみに適用されるものを
いう。
(38) 「入札説明書」とは、県が 2020 年 11 月 17 日付けで公表した愛知県スタートアップ支援拠点整備等事業に係る入札説明書(修正があった場合は、修正後の記述による。)をいう。
(39) 「入札説明書等」とは、入札説明書及びその添付書類・守秘義務対象資料(愛知県スタートアップ支援拠点整備等事業 基本協定書(案)、愛知県スタートアップ支援拠点整備等事業 事業契約書(案)、愛知県スタートアップ支援拠点整備等事業 公共施設等運営権実施契約書(案)及び要求水準書を除く。なお、これらの書類につき修正があった場合は、修正後の記述による。)並びに質問回答書その他これらに関して県が発出した書類をいう。
(40) 「任意事業」とは、要求水準書に規定し、かつ、実施契約に基づく県の事前の書面による承諾を得て事業者が行う事業をいう。
(41) 「PFI 法」とは、民間資金等の活用による公共施設等の整備等の促進に関する法律(平成 11 年法律第 117 号)をいう。
(42) 「不可抗力」とは、①地震、洪水、高潮、地滑り、落盤その他の自然災害、②豪雨、暴風その他の異常気象であって本施設の周辺において通常発生する気象条件よりも過酷なもの、③騒擾、騒乱、暴動、火災その他の人為的災害に係る事象、④その他当該義務履行当事者にとり予測可能性または支配可能性のない事象(大規模な感染症、放射能汚染、航空機の墜落を含む。)(①乃至④いずれも、要求水準書等に基準の定めがあるものについては、当該基準を超えたものに限る。)のうち、県及び事業者のいずれの責めにも帰すことのできないものをいう。
(43) 「暴力団員等」とは、愛知県公共工事請負契約約款(建築工事用)第46 条(暴力団等排除に係る解除)第 1 項第 2 号に規定する意味を有する。
(44) 「法令等」とは、条約、法律、政令、省令、条例及び規則並びにこれらに基づく命令、行政指導及びガイドライン、裁判所の判決、決定、命令及び仲裁判断、その他の公的機関の定める全ての規定、判断、措置等の規準(要求水準書第 2 6(遵守すべき法令等)に掲げる関係法令、条例、規則、要綱、各種基準、規格等を含むがこれらに限られない。)をいう。
(45) 「本施設」とは、愛知県スタートアップ支援拠点の総称をいう。
(46) 「本事業」とは、愛知県スタートアップ支援拠点整備等事業をいう。
(47) 「民法」とは、民法(明治 29 年法律第 89 号)をいう。
(48) 「落札者」とは、本事業を実施する民間事業者として選定された【代表企業名】コンソーシアム(●株式会社を代表企業及び●株式会社を構成企業とするコンソーシアム)をいう。
(49) 「要求水準」とは、事業者による本事業(任意事業を除く。)の実施にあたり、県が要求水準書に基づき事業者に履行を求める水準をいい、事業提案書の
内容が要求水準書に定める水準を超える場合には、事業提案書による水準をいう。
(50) 「要求水準書」とは、入札説明書に添付された要求水準書(その後の修正を含む。)をいう。
(51) 「要求水準書等」とは、特定事業契約、要求水準書、入札説明書等及び事業提案書の総称をいう。
別紙 2
事業日程
第 1 設計及び建設業務及び運営・維持管理業務
設計及び建設業務期間 | 運営・維持管理業務期間 |
●年●月●日から●年●月●日1まで | ●年●月●日(運営開始予定日)から ●年●月●日まで |
第 2 統括マネジメント業務
事業者は、事業期間にわたり統括マネジメント業務を実施する。第 3 任意事業
【事業者提案により規定する。】
1 事業者が提案する設計及び建設業務完了日(工事目的物の県への引渡日)を挿入。
別紙 3
ガバナンス基本計画
【入札説明書添付資料7「愛知県スタートアップ支援拠点整備等事業 ガバナンス基本計画」の内容に基づき、事業提案書を踏まえて調整する】
別紙 4
ガバナンス体制
協議会等設置要綱及び第三者機関設置要綱に関する確認書(案)
愛知県(以下「県」という。)及び●●(以下「事業者」という。)は、県と事業者との間で●年●月●日付けで締結した愛知県スタートアップ支援拠点整備等事業 事業契約書(その後の変更を含む。)第 16 条(ガバナンス体制の構築)及び県と事業者との間で●年●月●日付けで締結した愛知県スタートアップ支援拠点整備等事業 公共施設等運営権実施契約書(その後の変更を含む。)第 17 条(ガバナンス体制の構築)の規定に基づく協議会、事業調整会議及び連絡会議(以下
「協議会等」という。)の設置、同条の規定に基づき協議会等が助言(提案・勧告)を受ける第三者機関(以下「第三者機関」という。)の設置、並びに同条の規定に基づくファシリテーターの設置について以下の要綱を定めるとともに、かかる要綱に従って協議会等、第三者機関、及びファシリテーターを運用することを確認する。なお、かかる要綱は、県及び事業者の書面による合意がなければ、これを変更することができない。
1 愛知県スタートアップ支援拠点整備等事業に係る協議会等設置要綱(「協議会等運営ガイドライン」を含む。) (別添 1 のとおり)
2 愛知県スタートアップ支援拠点整備等事業に係る第三者機関設置要綱 (別添 2 のとおり)
以上を証するため、本確認書を 2 通作成し、県及び事業者がそれぞれ記名押印の上、各自 1 通を保有するものとする。
●年●月●x
x
xxxxxxxxxxxxxxx 0 x 0 x愛知県
経済産業局長
事業者
愛知県
代表取締役社長
(別添1)愛知県スタートアップ支援拠点整備等事業に係る協議会等設置要綱(案)
(設置目的)
第1条 愛知県(以下「県」という。)及び●●(以下「事業者」という。)は、愛知県スタートアップ支援拠点整備等事業(以下「本事業」という。)の実施に係る関係者間の情報共有、協議及び合意形成を円滑化し、本事業を安定的に継続することを目的として、県と事業者との間で●年●月●日付けで締結した愛知県スタートアップ支援拠点整備等事業事業契約書(以下
「事業契約」という。)第 16 条(ガバナンス体制の構築)及び県及び事業者が●年●月●日付けで締結した愛知県スタートアップ支援拠点整備等事業公共施設等運営権実施契約書(以下
「実施契約」という。)第 17 条の規定に基づく本事業に係る官民の会議体として、加えて、県及び任意事業実施企業が●年●月●日付けで締結した愛知県スタートアップ支援拠点整備等事業任意事業協定書に基づき任意事業実施企業が参加するための会議体として、協議会、事業調整会議、連絡会議(以下、「協議会等」という。)を複層的に設置する。
2 前項に定める複層的な協議会等は、本事業のガバナンス確保の中核機能として位置付ける。
3 本事業のガバナンス強化の観点から、協議会等は、自らの協議に対して、事業契約第 16 条
(ガバナンス体制の構築)及び実施契約第 17 条(ガバナンス体制の構築)の規定に基づいて第三者の有識者により構成される機関の助言(提案・勧告)を受けることができる。また、設置する協議会等及び第三者機関が円滑に機能を果たし、本事業のガバナンスの確保を確実なものとするため、事業契約第 16 条及び実施契約第 17 条の規定に基づいて任命されるファシリテーターの諸調整を受けることができる。当該第三者機関及びファシリテーターの設置については、別途の要綱にて定める。
(所掌事項、構成等)
第2条 協議会等は、次の事項を所掌する。
(1)特定事業契約の変更、要求水準の変更、任意事業協定の変更、事業全体の進捗状況、会議体の設置、その他事業全般に係る公的な協議が必要な事項
(2)特定事業における要求水準の充足状況及び課題の確認に関する事項
(3)任意事業における進捗・実施状況及び課題並びに業務目標の達成状況の確認に関する事項
(4)事業者の財務状況の確認に関する事項
(5)業務遂行上の諸課題に対する情報共有、協議、及び対応策の進捗状況の確認に関する事項
(6)第三者機関の構成員の選定、及び当機関への付託に関する事項
(7)緊急事態への対応に関する事項
(8)その他本事業の安定的な継続に関して必要な事項
2 協議会等は、前項に定める事項を複層的に分掌する。各会議体の主たる議事は、第5項に定めるとおりとする。
3 業務遂行の有効性・効率性確保の観点から、事業調整会議及び連絡会議は、特定事業・任意
事業別に設置することも可能である。更に、これら各事業を構成する業務部門ごとに設置することも可能である。なお、これらの設置は、協議会での承認を前提とする。
4 本事業に係る官民の会議体は、協議会等に限定されず、業務遂行の有効性・効率性確保の観点からの具体的な必要性に応じて、別途の会議体を設置することも可能である。なお、別途の会議体の設置は、協議会での承認を前提とする。
5 協議会、事業調整会議及び連絡会議が行う主な議事は、下表のとおりとする。
会議体名 | 議事 |
協議会 | ・特定事業契約の変更、要求水準の変更、任意事業協定の変更、事業全体の進捗状況、その他事業全般に係る公的な協議 ・任意事業における業務目標の達成状況の確認 ・事業者の財務状況の確認 ・第三者機関の構成員の選定、当機関への付託 ・ファシリテーターへの要請 ・会議体の設置 ・緊急事態への対応 |
事業調整会議 | ・特定事業における要求水準の充足状況及び課題の確認 ・任意事業における進捗、実施状況及び課題の確認 |
連絡会議 | ・要求水準の充足状況の確認 ・業務遂行上の諸課題に対する情報共有、協議、及び対応策の進捗状況の確認 ・スタートアップ支援に関する官民の役割分担、実施事業の協議・調整 ・緊急事態への対応 |
(協議会の組織)
第3条 協議会は、県及び事業者の中から別表に示す合計●名の会員により組織することを基本とする。協議会は、本事業に係る最高意思決定機関として位置付ける。
2 協議会には会長を置くものとし、●●を会長とする。
3 第1項に定めるほか、協議会には、第2条第1項第1号に及び第3号に定める事項を確認するため、任意事業実施企業が参加するものとする。また、協議会の会長は、必要に応じて構成員以外の者にも参加を求め、意見等を求めることができるものとする。
(事業調整会議の組織)
第4条 事業調整会議は、県及び事業者の中から別表に示す合計●名の会員により組織することを基本とする。事業調整会議は、本事業に係る経常的な進捗管理の中心機関と位置付ける。
2 事業調整会議には議長を置くものとし、●●を議長とする。
3 第1項に定めるほか、事業調整会議には、第2条第1項第3号に定める事項を確認するため、任意事業実施企業が参加するものとする。また、事業調整会議の議長は、必要に応じて構成員以外の者にも参加を求め、意見等を求めることができるものとする。
(連絡会議の組織)
第5条 連絡会議は、県及び事業者の中から別表に示す合計●名の議員により組織する。連絡会議は、本事業に係る日々の実務の実質的な協議・調整機関と位置付ける。
2 連絡会議には議長を置くものとし、●●を議長とする。
3 第1項に定めるほか、連絡会議の議長は、必要に応じて構成員以外の者にも参加を求め、意見等を求めることができるものとする。
(会員等の任期)
第6条 協議会、事業調整会議及び連絡会議の会員及び議員(以下「会員等」という。)の任期は、●年●月●日から特定事業契約の終了日までとする。
2 会員等が異動その他の理由により会員等の職を辞したときは、その所属する協議会等において後任者を定めるものとする。
(協議会等の運営)
第7条 協議会等は、以下に定める頻度及び要件により、それぞれの会長又は議長が召集する。
(1)協議会 不定期(1名以上の会員が必要と認め、会長に召集の申出があったとき) ただし、必要性の申出がなくても年に一度は開催する。
(2)事業調整会議 半期に一度程度 ただし、事務効率化等の観点から、設置後の開催状況に応じて、協議会又は連絡会議の開催をもって代えることも可能とする。
(3)連絡会議 月一度程度 ただし、業務遂行上の必要性に応じて、より頻繁に開催することも何ら問題ない。
2 協議会等は、それぞれの会員又は議員の全員の出席がなければ、開催することができない。ただし、協議会等の会員が不在のときは、あらかじめ、その所属する組織の役職員を代理人に指名することができる。
3 協議会等の議事は、それぞれの会員又は議員の全員の合意をもって決する。ただし、緊急事態の発生時など、会長又は議長が真にやむを得ないと認めるときは、この限りではない。
4 協議会等の議事を、それぞれの会員又は議員に対する回議をもって決することはできない。ただし、緊急事態の発生時など、会長又は議長が真にやむを得ないと認めるときに限り、例外としてこれを認める。
5 協議会等の議事の内容、協議等の経緯、結果については、議事録を必ず作成することとし、構成員である会員・議員が共有するとともに、事務局にて保管する。
6 協議会等の会長又は議長は、第3条から第5条に定めるもののほか、必要があると認めるときは、協議会等に関係者の出席を求め、意見を聴くことができる。恒常的に特定の関係者の出
席を求め意見を聴くことも妨げない。
7 協議会等は非公開とする。
8 協議会等の議事を公開する必要が生じた場合は、それぞれの協議会等の会員又は委員の了解を経て、これを行うものとする。
(事務局)
第8条 協議会等の事務局は、愛知県経済産業局に置く。
(守秘義務)
第9条 会員等並びに第3条第3項、第4条第3項、第5条第3項及び第7条第6項の規定に基づき参加し意見等を求められた者(以下「守秘義務対象者」という。)は、協議会等で知り得た情報を漏らしてはならず、その職を退いた後もまた同様とする。ただし、県又は事業者が公表した情報及び既に公知となっている情報については、この限りではない。
2 前項の規定にかかわらず、守秘義務対象者は、次に掲げる場合に限り、協議会等で知り得た情報を開示することができる。
(1)当該情報を知る必要のある県、事業者又は任意事業実施企業の役員、従業員、弁護士、公認会計士、税理士その他の専門家に対して、守秘義務対象者と同等以上の秘密保持義務を負うことを条件として開示する場合
(2)当該情報を知る必要のある実施契約に定める構成企業、協力企業、本事業に関して、事業者に融資等を行う金融機関等若しくは任意事業に関して、任意事業実施企業に融資等を行う金融機関等又はこれらの者の役員、従業員、弁護士、公認会計士、税理士その他の専門家に対して、守秘義務対象者と同等以上の秘密保持義務を負うことを条件として開示する場合
(3)法令等又は裁判所、監督官庁若しくはその他の公的機関(金融商品取引所、金融商品取引業協会を含む。)の命令により開示を求められた情報を開示する場合
(ファシリテーターの活動)
第10条 ファシリテーターは、協議会の1名以上の会員からの直接要請を受けて活動を開始する。当該直接要請をもって協議会としての要請が成立したものとする。当該会員は要請した旨を事務局に通知するとともに、事務局は全会員にその旨を通知する。なお、事務局は、これらの事実を書面に残すとともに、次回の協議会の議事録にその旨を記載する。
2 ファシリテーターは、要請された事項について、協議促進、相互信頼の構築・回復、紛争の回避(ファシリテーション)等の活動を行う。
3 ファシリテーターは、主たる活動として、ヒアリング、現地調査、内部協議、協議会に対する提案などを行うものとする。ただし、これらに限定されることなく、目的に照らして必要かつ適切な活動を適宜行うものとする。ファシリテーターは、これら活動の結果について直接、第三者機関に報告する。また、これら活動は活動への出席者がその議事録を必ず作成することとし、出席者が保管する。この議事録の会員間での共有については、ファシリテーターへの要
請者の意向に基づく。
4 協議会の会長は、ファシリテーターによる提案を受けたときは、速やかに協議会に報告して、それを踏まえた具体的な対応策を早急に検討するものとする。そしてその検討結果を、ファシリテーターによる本条第3項による報告とは別に、協議会として第三者機関に報告するものとする。
5 ファシリテーターの活動経費は、事業者と県が折半して負担する。
6 ファシリテーターの活動に対しては、一定の報酬を支払うものとし、その条件や水準については、協議会にて定める。また当該報酬は、前項の活動経費により賄うこととし、その支払い等の事務は協議会等の事務局が担当する。
7 ファシリテーターの活動は非公開とする。ただし、活動内容等を公開する必要が生じた場合は、協議会の合意を経てこれを行うものとする。
8 ファシリテーターは、活動上で知り得た情報を漏らしてはならず、その職を退いた後もまた同様とする。ただし、県又は事業者が公表した情報及び既に公知となっている情報については、この限りではない
9 本条に定めるもののほか、ファシリテーターに期待され、また想定される活動や役割については、別途協議会等運営ガイドラインにて示す。
(その他)
第11条 この要綱において用いられる語句は、本文中において特に明示されているものを除き、特定事業契約において定められた意味を有するものとする。
2 この要綱に定めるもののほか、協議会等に関して必要な事項は、協議会で審議の上で別に定める。
3 この要綱の別添として、県、事業者のいずれもが協議会等を運営するにあたり本事業のガバナンスの確保と強化の観点から留意すべき諸点をまとめた「協議会等運営ガイドライン」を定めるものとする。
附 則
この要綱は、●年●月●日から施行する。
別 添
協議会等運営ガイドライン
別表
愛知県スタートアップ拠点整備等事業に係る協議会等 名簿
協議会
所 属 | 会 員 |
愛知県(〇名) | |
〇〇〇〇株式会社 (〇名) | 事業統括責任者 〇〇 〇〇 |
事業調整会議 (事業別・業務部門別に設置する際は、それぞれの名簿を個別に作成する)
所 属 | 会 員 |
愛知県(〇名) | |
〇〇〇〇株式会社 (〇名) | 事業実施責任者 〇〇 〇〇 |
連絡会議 (事業別・業務部門別に設置する際は、それぞれの名簿を個別に作成する)
所 属 | 議 員 |
愛知県(〇名) | 〇〇 〇〇 |
〇〇〇〇株式会社 (〇名) | 〇〇 〇〇 〇〇 |
(協議会等設置要綱・別添)協議会等運営ガイドライン(案)
【本ガイドラインの趣旨】 ・・・ガバナンスの確保・強化のために
本ガイドラインは、協議会等設置要綱にて規定する複層的な会議体(協議会等)を、本事業の遂行に即して運営していく際の留意事項を定めるものである。
本ガイドラインでは主として、本事業の「ガバナンスの確保・強化」の観点からの留意事項を取り扱っている。それは、「ガバナンスの失敗」に起因する「官民連携(PPP)の失敗」事例が国内外で既に数多く発生している中、本事業も、我が国初の大型スタートアップ支援拠点施設におけるコンセッション案件として、 先行事例のない事業遂行を今後 10 年間以上の長きにわたって責任を持って実施していくことが求められていることを踏まえ、ガバナンスの確保・強化の重要性を改めて官民双方の共通認識とする とともに、その具体的な実施方策とその考え方(留意点)を官民各主体が共有しておくことが重要となるからである。
なお、ここでxxxxxとは「本事業の官民の利害関係者が、具体的には事業者(及びその構成員)と県が、意思決定、舵取り、執行、監視、(情報・説明の)請求、(必要に応じた)是正要求、などを行うことを通じて、本事業が、めざす成果をあげてその目的(目標)を達成するとともに、説明責任を果たし、かつ法令遵守(コンプライアンス)を確保すること」という。
【協議会等における協議の前提】・・・基本認識として
(相互依存関係の再認識)
第1条 特に運営権が設定される業務において、本事業における官民各主体の行動は自己完結して おらず、所有者・運営権者として相互に依存する関係にある。 更に、「三方良し」の実現を官民共通の目的に掲げる本事業においては、その「三方良し」の一角でも崩れると、それは自らの利益の崩壊にも直結する。そのような相互依存関係の下で事業の枠組みが構築され実施されていることを、改めて官民共通の基礎認識とすることが重要である。なお、 相互依存関係の具体的内容は、入札説明書、事業契約書、実施契約書、任意事業協定書等に示されており、官民いずれの主体もそれらを熟知する必要がある。
(目的・目標の共有)
第2条 「三方良し」を含む本事業の「目的」(全体目的・個別目的)とその達成水準を示す「目標」とを、官民の全ての主体が共有することが極めて重要である。そして、利害が全く異なるx xな主体が参加して、相互依存しつつ取り組むのは、まさにこの目的・目標を達成するためであることの共通認識をしっかりと持つことが求められる。
(信頼(trust)の重要性) ・・・ガバナンスの基礎として
第3条 官民の間の若しくは民間事業者間の相互の「信頼(trust)」は、本事業の成否を分け る重要な要素である。ここで信頼(trust)とは、「他者が自らに対して抱く動機・意図について、
(潜在的なリスクが存在する中でも)前向きな期待を持つこと。」との意味で用いている。目的や利害が異なる多様な主体が集って一つの事業に取り組むネットワークのような組織では、参加主体間の信頼(trust)の状況が、その組織があげうる成果に大きく影響を及ぼすことが、様々な研究により明らかになっている。本事業もまさにそのようなネットワーク的な組織によるものであり、信頼(trust)の重要性への認識を持つことが極めて大切になる。
また、相互の信頼(trust)の状況によって、ガバナンスの確保の方法も異なってくる。信頼
(trust)関係の状況に応じたガバナンスの枠組みを採用することが必要となり、その意味から、ガバナンスの枠組みは動態性を帯びることとなる。なお、その相互の信頼(trust)状況は、データ等によって客観的にその水準が示されるというよりも、当事者や第三者の実感などによって、段階的なものとして了解されることになる(例えば、極めて良い・良い・まあまあ・悪い・極めて悪い、など)。
信頼(trust)の状況が芳しい場合には、下記に示すような「内部統制」(三位一体の自律的なガバナンス)の枠組みにより、階層的な会議体を活用して、可能な限り客観的な業績情報を用いた確認・協議を行い、それを適切に議事録に記録していくことで、円滑なガバナンス機能を確保しうる。
他方で、①事業開始のタイミングや、キーパーソンや参加企業の入れ替わりがある際など、新たに信頼(trust)関係を構築する必要があるとき、若しくは、②不幸にして官民の間の、若しくは民間事業者間の信頼(trust)関係が損なわれている際には、「第三者機関」による中立的かつ専門的な視点からの助言・勧告(外部統制)や、「ファシリテーター」による公式・非公式の調整も活用して、ガバナンス機能を確保することを想定している。
なお、官民ネットワークの部門ごとに、若しくは全体と部門において、信頼(trust)の状況が異なることも想定される。それぞれに異なるガバナンスの枠組みが適用されることもあり、ガバナンスの枠組みにおける階層性の確保はその観点からも重要となる。
(ガバナンスの枠組み)
第4条 要求水準書及びガバナンス基本計画に示すように、本事業のガバナンスは、モニタリン グによって得られた客観的な業績情報の活用を基礎として、①当事者間で複層的に構成する「会議体」を通じた協議による統制(内部統制)と、②外部有識者により構成する「第三者機関」 を通じた調整・ アドバイス・勧告等による統制(外部統制)により、機能させる。併せて、官民の相互依存性な どを踏まえて、内部・外部統制の中間的な機能として、官民当事者の間に立ち両者間の諸調整を 行うファシリテーションの機能を導入する。
【内部統制の枠組み】 ・・・「三位一体」のガバナンス
第5条 本事業の内部統制においては、「会議体」「業績情報」「議事録」の3要素を有機的に活用することで、ガバナンスの維持・確保に努める。
構成要素 | ガバナンス上の役割 | 官民の多様な主体間で果たす機能 |
会議体 | 中枢機能 | ・相互の進捗確認・報連相、情報共有 ・協議・調整、合意形成、意思決定 |
業績情報 | 共通言語 | ・冷静かつ一貫性のある協議を可能に |
議事録 | 共有財産 | ・協議経過や合意の記録・確認 ・中長期にわたる関係性の軌跡を共有可能に |
(1)会議体の重視(ガバナンスの中核機能として)
協議会等設置要綱を基に設置される複層的な協議会等の会議体は、本事業にて官民間に設定される唯一の公式のコミュニケーション・チャンネルである。単に県による事業者のモニタリングの場所ではない。多様な官民主体が参画し、かつ長期 にわたる本事業において、その根幹をなす官民の情報共有、協議、諸調整、合意形成が、全てこれらの会議体を通じて行われる。すなわち、本事業 の中枢機能をこれらの会議体が担うこととなり、本事業のガバナンスが有効に維持され強化されるか否かは、これらの会議体が有効に機能するかにかかっている。全ての参加主体はこの点を十分に踏まえて、これらの会議体を大切に運営していく必要がある。
特に、官と民は契約に基づく対等な関係にあり、組織も水平な(フラットな)中で、上記のように相互依存しているため、双方がすくんでしまって円滑な業務遂行が妨げられることのないよ う、会議体を通じた密なコミュニケーションが求められる。
(2)客観的な業績情報の重視(共通言語として)
① 客観的な業績情報を活用した協議 <モニタリングと協議会等との関係>
これら協議会等を円滑に運営していくための一つの重要な視点は、できるだけ「客観的な」業績情報を常に用いることである。利害や文化の異なる官民主体の協議が衝突や紛争に発展してしまうことを回避して、事業を円滑に推進させていくためには、「客観性・中立性」「共通性・共有性」といっ た特質を持つ業績情報が、多様な主体間の「共通言語」として有効に機能する(下記参照)。それを十分に活用するためには、適切な業績情報を入手しうるように、様々なモニタリン グが適切に実施されなければならない。すなわち、官民双方の複層的なモニタリング活動を通じて、官民双方の活動に対する客観的な情報が収集され、それが協議会等に的確に提供される必要 がある。
なお、客観的な業績情報とは、必ずしも成果(アウトカム)レベルの情報を意味するわけでない。
「ガバナンス基本計画」を基に、「要求水準書」に規定される指標や、それ以外に官民協議 の上で設定 した指標、日常的な活動を測る活動(アクティビティ)やその結果(アウトプット) 情報など、諸 規定や協議に適合したものであれば、差し支えない。その際、できるだけ定量的な 情報が望ましく、また定性的の場合にも、進捗状況を容易に判断しうるものが望ましい。
ただし、モニタリングの対象となる指標は、本事業の共通・個別の目的を的確かつ客観的に体現している必要がある点に留意する。
以下、参考として、客観的な業績情報の特質を整理しておく。これらの特質が、協議会等を中核
機能とする本事業に、一貫性と規律を与え、多様性に富む全ての参加主体が、これら業績情報を
「共通言語」「かすがい」として、現状の把握、協議、合意形成に取り組むことができるようになる。
【参考:業績情報の特質】
客観性・中立性 | ・状況をありのままに伝える ・特定の考え方や主体に偏らない |
共通性・共有性 | ・誰にとっても全く同じ内容である ・立場が異なっても、誰もがそのまま共有可能 |
② 「解釈の相違」への対応
同じ客観的な業績情報を用いても、その解釈は主体や環境によって異なることが容易に想定される
(例えば、「目標に対して 80%の達成率」をどう解釈するか、等)。そのような解釈の相違が生じることは極めて自然なことであり、したがってそのような相違自体を回避する必要はなく、むしろ協議会等の協議の場にそのような見解の相違を積極的に持ち出して自由闊達に議論することが 重要である。
しかし、解釈の相違に起因する利害の衝突や紛争への発展は回避すべきであり、そのためには、 下記第10条(1)に示すような「紛争に発展させない協議」の工夫が求められる。
(3)議事録の重視(共有資産として)
本事業に係る協議会等の会議体では、議事録を作成する。論点や結論(具体的なアクション等)などの要点が明快に記述されていれば、必ずしも詳細なものを作成する必要はなく、簡潔なもの で構わない。議事録の作成に当たっては、特定の担当者を設定する場合、持ち回りで作成する場 合の双方が考えられ、各会議体にて協議の上で決定する。
議事録の作成は、ある意味で当然のことのように認識されて、その必要性や重要性を改めて確認する必要性は低いと想定されるかも知れない。しかし議事録の作成は、ガバナンスの維持・確 保の観点から非常に重要なものであり、以下のような効用から、本事業のような多様な主体が参 画する長期にわたる事業において、官民主体が共有する「共通の資産」して位置付けられる。議事録の効 用として、具体的に、以下のような点があげられる。なお、「業務日報」「業務週報」等の作成と報告が求められている場合は、それらも併せて活用することで、以下の効用はより一層高まる。
・運営状況や協議内容・結果の記録媒体及び把握・共有ツール
・運営状況の説明・報告ツール(SPC 本社、コンソーシアム各社、等に対して)
・運営や協議の蓄積ツール(共通認識や「共有知」の醸成、共通の取組の積み上げ)、 及びそれらの将来への引継ぎツール
・緊急事態や外部環境の変化などへの対応状況の記録・引継ぎツール
・これまでの諸経緯の理解・確認ツール
・積み残し課題の討議状況把握ツール
・同一・類似問題に対する対応・解決方策の継続性・一貫性の確保のツール
・人事異動若しくは参加主体変更時の引継ぎツール(これまでの状況を全て把握できる)
/等
【外部統制の枠組み】・・・「第三者機関」の設置
第6条 本事業のガバナンスを強化するために、第三者の有識者等で構成され、中立的かつ専門的な視点からのファシリテーションやアドバイス等を行う機関として「第三者機関」を設置する。
例えば、協議会等における官民当事者間の協議では中々進展しない局面となった場合などに、 第 三者機関による機能を介して、中立的かつ専門的な立場からの助言も踏まえて協議することができる。その場合も、客観的な業績情報を用いて協議することが重要である。
【ファシリテーターを通じた調整(ファシリテーション機能)】
第7条 本事業における官民間の相互依存性と水平性(フラットさ)に着目して、内部統制・外部統制の中間的な機能として、「ファシリテーターを通じた調整」により ガバナンス機能を確保することを想定する。
例えば、本事業の開始から間もなく主体間の関係構築がまだ途上の期間、それ以降でも官民の関係がギクシャクして協議会等での協議が円滑に進展しないとき、あるいはいずれかの主体に人事異動があり関係主体間の人間関係の再構築が求められるときなど、協議会等の複層的な会議体が(必要以上に)公式性を帯びて、本音での協議が難しいことも想定される。
そのような際に、このファシリテーターによる調整を機能させて、ガバナンス機能を維持・確保することができる。
これは、敷居を低くして主体間の意識のすり合わせを行う協議の仕組みであり、内々に相談・ 調整しうる仕組み、現場での悩みを開示して擦り合わせのできる仕組み、公式の会議体の枠組みに乗せる段取りをつける仕組み、などであるとともに、改めて主体間の意識を統一する枠組みでも ある。その意味で、ファシリテーション機能と称している。
ファシリテーターは、両者との非公式な協議(一方主体との個別協議、双方主体との共同協議)を積み重ねて、そこで主体間の感情的な違和感・嫌悪感、及び内容面での見解の相違(相手への反対)などを、それらが協議会等にて(正式に)表明される前に、事前にまだ萌芽の段階で把握して、今後の進むべき方向性や懸案事項の着地点などについての主体間での共通認識の構築、及び関係主体間の相互信頼関係の構築・修復などに努める。
なお、ファシリテーターを通じた調整機能は、あくまで協議会等・第三者機関が円滑に機能することを側方支援する補完的な役割であり、協議会等を通じた内部統制が円滑に機能している際には特に具体的な役割が期待されない。また、第三者機関を通じた外部統制に依存する必要がある際にはそれと連携し、補佐する機能を果たすことが期待される。
併せて、ファシリテーターの機能は、極めて簡便な手続にて活用できる仕組みになっているものの、それは官民当事者間の直接的な協議の重要性を軽んじるものでは全くないことに、改めて留意する必要がある。
【契約書関連文書に記載のない事項・事象について】
第8条 契約書関連文書にて、10 年間以上の契約期間中に生じる事象の全てをあらかじめ正確に予測して、かつその対応策を官民当事者間で合意して記載しておくことは不可能である。したがって、以下のことはいずれも、事業期間中に容易に発生しうる。
a) 契約書関連文書(最新版)に含まれていないこと(想定外のこと)、及び含まれているか(想定されているか)否か明快ではないこと
b) 契約書関連文書(最新版)の合意後に発生したこと(諸状況の変化、政策・方針の追加・変更などを含む)
これらへの対応については、無理に(一方的に)相手方の負担(事務的負担、財政的負担)を求めてはいけない。相手に押し付けてはいけない。
これらへの対応については、契約書関連文書には規定されて「いない」こと(若しくは規定されているか否かが不明快であること)を前提に、まずは協議会等にて、当事者間で真摯に協議しなければならない。そして、協議会等での当事者間での議論が整わない場合には、第三者機関やファシリテーターの機能を利用して協議を進めていく。
【ガイドラインへの反映と活用】
第9条 長期にわたる事業期間中には、人事異動等による担当主体の変更も想定しうる。しかしそうであっても、県と事業者との協議を「ゼロベース」で実施することは回避する必要がある。
そこで、協議会等・第三者機関・ファシリテーターを通じて、官民当事者の間で新たに合意に至った「考え方」などを、適宜、本「ガイドライン」(下記欄)に反映させていき、その後の両当事者の検討・協議などへの活用に供することとする。両当事者はその後に同じ(同様の・類似の)状況が生じた場合には、原則として、当該ガイドラインの内容に従った運用を行うこととする。
この対象となるのは、前条のa)b)に該当する事項が中心になると考えられるが、それに限定するものではない。
(今後の合意の都度、本欄に記載する)
合意に至った考え方
【協議会等における運営の留意事項】
第10条 本事業のガバナンスの観点から、協議会等の運営に際しては、以下の諸点に十分留意する。
(1)「紛争に発展させない協議」の工夫(業績情報を活用した工夫の例)
業績情報を適切に活用することで、本件のような多様な主体が参画する事業の、協議会等における協議が紛争に発展しないようにコントロールすることが可能となる。具体的に、例えば以下 のような工夫が想定できる。(以下の①~⑧は例示であり、これらに限定されない。)
① 全体像を理解し視点を修正する協議、違いを前提とする協議
まず前提として、官民のいずれの主体(機関、個人)も、ともすれば「見たいものだけ見る」「見たいように見る」傾向になりがちであることを踏まえて、客観的な業績情報により、客観的な全体像の理解を共有して、偏見や先入観を変え、(場合によっては)誤解を解いていくことが重要である。併せて、客観的な業績情報により、各主体の立場や利益(利害)がどのように異なるのか、その違いを理解して受け入れることも重要である。
② 「利益」(利害)に照らして協議
官民の参加主体の「権限」や「力関係」に基づく協議ではなく、対等な立場から、共通・個別の
「利益」(利害)に基づく協議を、客観的かつ具体的に行う。「共通の利益」である「三方良し」をどう実現させるか、各主体の利益をどう実現するか、などである。その際、「利益」は、できる限り 客観的な業績情報を用いて議論する。これを可能とするためにも、既述のように、参加主体の共通・個別の利益を、業績情報を用いて可能な限り客観的に表現しておくこと、すなわち適切な「指標」と「目標値」を設定しておくことが望ましい。
③ 対応できる(コントロール可能な)課題として協議
議題を参加主体の「価値観」「関係性(人間関係・組織間関係)」「外部要因」「感情」の問題として協議してしまうと、当事者がコントロールしにくく、すなわち対応策を講じにくく、解決策を見つけにくい。そうではなく、当事者間で具体的な対応策が講じられるように、上記の「利益」 や、「運営の枠組み」「業績情報」などコントロール可能な問題に置き換えて協議する。
「運営の枠組み」の協議とは、例えば、業務遂行にかかる組織や諸制度、ルールなどの具体的 な 改善方策などを検討することである。「業績情報」の協議とは、例えば、業績情報の共有及びその 方法、業績情報の不足・過多、業績情報の解釈、より適切な(若しくは分かりやすい)指標の設定、より適切な業績データの収集方法、などを具体的に検討することである。
④ 納得性を高める協議
官民当事者が、「利益」に照らして対等に客観的に協議するとしても、「手続面」(例:進め方がフェ
アか) や「感情面」(例:面子がつぶれないか)での、参加主体の「納得性」も重要であることを意識しつつ協議する。一般的には、論理のみで納得性を高めることは難しい。
⑤ 具体的な「アクション」で協議
相互の解釈に相違があって合意できなくても、客観的に業績情報を用いて、その後の具体のアクションを合意する(継続協議・棚上げ・様子見などを含めて)。その際、見解の相違の状況、合意されたアクション等を、議事録に的確に記録する。
⑥ 「優先度合い」を重視して協議
諸規定の内容や、事業全体の進捗、主体間のバランスなどに影響を及ぼさない範囲にて、「優先順位」(共通・個別)に基づいたトレード(バーター取引)を行って、利害を調整する。相手 が△をすれば、自らは●をする、など。その際、業績情報を活用して、何と何をバーター取引しているのかを具体的にするとともに、議事録に的確に記録する。
⑦ 第三者の参画による協議
当事者間の協議では中々進展しない局面となった場合には、「第三者機関」や「ファシリテーター」を介して、中立的かつ専門的な立場からの助言も踏まえて協議することができる。その場合も、客観的な業績情報を用いて協議することが重要である。
⑧ 対等な立場からの協議(相互依存の関係を踏まえ)
コンセッション事業における官民各主体の行動は自己完結しておらず、相互に依存する関係にある。更に、「三方良し」の実現を目的に掲げる本事業においては、その三方良しの一角でも崩れると、それは自らの利益の崩壊に直結することとなる。それを十分に踏まえた対等な立場からの自由闊達な協議が求められる。
(2)形骸化(ルーティン化)の回避
特に、事業調整会議や連絡会議の活動が形骸化(ルーティン化)しないように、その回避策を講じる。具体的に、単に形式的に進捗状況を確認していくのではなく、例えば、その時々の課題を反映できるようにすること、新たな共通の課題・目標を見出して設定すること、などの工夫をする。
(3)日常的なコミュニケーションの促進
更に、協議会等設置要綱で定める公式の複層的な会議体を通じた協議を超えて、日常的な多様な非公式のコミュニケーションも重要である。そのようなコミュニケーションを促進する一つの手段として、例えば、「コロケーション(場所の共有)」なども考えられる。なお、このようなコミュニケーションの記録を残すか否かは、その状況や内容に応じた的確な判断が求められるが、そこでの合意事項を公的なものとするためには、協議会等の議事録への反映、若しくは本ガイドラインの上記「合意欄」への記載などが必要となる。(すなわち、明文化されていない合意事項は存在させてはならない)。
(4)「共通の文化」醸成
上記(1)~(3)のような協議と実践の着実な積み重ねは、「共有知」の形成と蓄積につながり、更に中期的には、本事業における多様な参加者間にて「共通の文化」を醸成することにもつながる。
「共通の文化」醸成がなされてくると、参加主体間の解釈の相違や利害の衝突などの機会やリスクは減少していき、結果として、本事業のガバナンスの確保・強化に直結する。
【その他ガバナンス上の留意事項】
第11条 本事業のガバナンスの維持・確保の観点から、協議会等の運営に際しては、以下の諸点に十分留意する。
(1)「説明責任」ツールの検討と実施
出資者等に加えて、特に、本施設の利用者、県民などの利害関係者に対する「説明責任」の重要性に配慮して、分かりやすく、かつ適切な方策を講じる。これは、我が国初の大型スタートアップ支援拠点施設のコンセッションである本事業には、より一層の説明責任が求められることを踏まえてのことである。
利害関係者は多様であり、利害関係者によって確認したい情報とそのタイミングは異なることが想定される。そのため場合によっては、複数の「説明責任」体系を構築して回していくことが求められる。
(2)緊急事態や外部環境の変化への柔軟な対応
上記とは全く別の観点として、緊急事態が発生した場合には、協議会等設置要綱を踏まえつつも、事態に即して臨機応変かつ柔軟に対応することが求められる。ただし、客観情勢や官民双方の具体的な対応策などについては、(事後的であっても)必ず当該行為を所掌する会議体の議事録に記録する。
あらかじめ想定しうる緊急事態については、協議会等でその対応方法を協議の上で確定させておき、その旨を議事録に記録するとともに、その内容については別途の文書の整備(要綱等)により共有する。
また、外部環境に抜本的な変化が見られる場合には、協議会の枠組みを用いて、本事業に係る特定事業契約、要求水準書、任意事業協定の内容等について、柔軟に協議して反映させる。
以 上
(別添2)愛知県スタートアップ支援拠点整備等事業に係る第三者機関設置要綱(案)
【機関設置の趣旨】
第1条 本事業においては、官民の契約当事者のセルフモニタリング及び別途の要綱にて規定する協議会等(当事者間の公の複層的な会議体)を通じたガバナンスを基礎とするが、多岐にわたる本事業の事業範囲のガバナンスを、長期にわたる事業期間中に、確実に確保して、本事業の事業目的を実現する観点から、「第三者」により構成され、中立的かつ専門的な視点からのファシリテーションやアドバイス等を行う機関
(以下、「機関」という。)も併せて設立して、ガバナンスの強化を図ることとする。
【機関の目的】
第2条 この機関は、要求水準書及び特定事業契約にて記載されている以下の実現をその目的とする。
(1) 国内外の大学・企業とも連携したスタートアップの育成・創出の拠点形成
(2) オープンイノベーションを促進するための、にぎわい・交流空間の整備・運営
(3) ニューリアリティ対応型の最先端の環境整備
(4) ハイバリュー・ローコストオペレーションの徹底
(5) 安全・安心の施設整備・運営
【機関の機能】
第3条 この機関は、本事業における官民双方の主体の活動について、主に以下の機能を果たす。
・ファシリテーション(官民協議の仲介役):
共有・固有の目的実現にむけた協議促進、相互信頼の構築・回復、紛争の回避
・アドバイス:
事業実施方針・計画等の策定、実施及び改定等についての意見表明、アドバイス
(目標の変更を含む)
【機関の構成員】
第4条 この機関は、以下の●(注:奇数名)名(以下、「構成員」という。)により構成されるものとする。
・
・
・
・
2 この機関には、構成員の互選により、座長及び座長代行を置く。
3 構成員がその職を辞する必要が生じた際には、自らその後任者の候補を推薦するとともに、他の構成員全員の了承及び事業者と県の合意を得て後任者として選定し、決定する。後任者の選定にあたっては、この機関の趣旨と機能の確実な継承に十分に留意する。
4 構成員の機関での活動に対しては、一定の報酬を支払う。その条件や水準は、協議会にて定める。また当該報酬は、機関の運営経費(第12条)により賄うこととし、その支払い等の事務は機関の事務局(第13条)が担当する。
【機関の適用基準】
第5条 この機関がその機能を果たす際には、本事業の事業目的の実現を最優先の基準として適用する。その原則の下で、以下の客観的な基準を適用する。
・「事業契約書」 ・・・「要求水準書」、「ガバナンス基本計画」、その他契約
関連文書
・「実施契約書」 ・・・「要求水準書」、「ガバナンス基本計画」、その他契約
関連文書
・「任意事業協定」 ・・・「要求水準書」、「ガバナンス基本計画」、その他協定
関連文書
【機関の主たる活動】
第6条 この機関の主たる活動として、以下を想定する。ただし、これらに限定されることなく、目的に照らして必要かつ適切な活動を適宜実施する。
・ヒアリング、現地調査、内部協議、提案(対協議会)、勧告(対協議会)、など
2 この機関のヒアリング、現地調査、内部協議については事務局が議事録を作成する。また提案、勧告については事務局がその内容を記録する。
【機関による提案】
第7条 協議会の会長は、この機関による提案を受けたときは、速やかに協議会を招集して、それを踏まえた具体的な対応策を速やかに検討するものとする。対応策を講じた際には、協議会は、その旨及び結果を機関に報告する。
【機関による勧告】
第8条 協議会の会長は、この機関による勧告を受けたときは、速やかに協議会を招集して、それを受諾するとともに、その内容を実現する観点からの具体的な対応策を早急に講じるものとする。対応策を講じた際には、協議会は、その旨及び結果を機関に報告する。
【機関会合の成立】
第9条 この機関の会合は、構成員の三分の二以上の出席をもって成立する。ただし、その場合であっても、座長と座長代行のどちらも出席できない場合には成立しない。機関会合が成立する場合で、座長が欠席せざるを得ないときは、座長代行がその役を代行する。
【機関の意思決定】
第10条 この機関は、出席構成員全員の合意をもってその意思を決定する。構成員全員の合意が整わないときには、座長の判断により投票を行い、出席構成員の過半数により決定する。
【機関の活動の発意と起点】
第11条 この機関は、協議会の一以上の会員からの付託により、その活動を開始する。ただし、これとは関係なく、1年に1回以上、協議会等を対象としたヒアリングを実施して、事業遂行状況を把握する。その実施の時期等は機関の内部協議にて決定する。
【機関の運営経費】
第12条 機関の運営経費は、事業者と県が折半して負担する。
【機関の事務局】
第13条 機関の事務局機能は、事業者の代表企業と県が共同で務める。事務局の事務は、協議会事務局が取り扱う。
【機関活動の非公開と機関構成員の守秘義務】
第14条 機関の活動は非公開とする。機関の議事等を公開する必要が生じた場合は、機関の内部協議における合意によりそれを行う。
2 機関の構成員は、機関で知り得た情報を漏らしてはならず、その職を退いた後もまた同様とする。ただし、県又は事業者が公表した情報及び既に公知となっている情報については、この限りではない。
【ファシリテーター】
第15条 本事業にて設置する協議会等及び機関が円滑にそれぞれの機能を果たし、本事業のガバナンスを確実なものとするために、機関は、同機関の1名以上の構成員からの要請があった場合は、同機関の構成員若しくはそれ以外の適切な主体をファシリテーターとして選定する。このファシリテーターは、事業者と県の間にて客観的な立場から両者が円滑に意思疎通を図ることができるように諸調整を図るとともに、その
ような活動を通じて、協議会等及び機関が円滑にその機能を果たしうるように務める。
2 ファシリテーターへの付託、ファシリテーターの活動及び機関への報告等については別途、協議会等設置要綱に、またファシリテーターに期待され、また想定される活動や役割については別途、協議会等運営ガイドラインにて示す。
【その他】
第16条 この要綱に定めるもののほか、機関に関して必要な事項は、協議会で審議の上で別に定める。
附則
この要綱は、●年●月●日から施行する。
別紙 5
業務委託請負先
業務 | 業務の内容 | 選定済/選定予定の別 | 選定済の場合、代表企業/構成企業/協力企業の別 | 選定済の場合、会社名 |
設計及び建設業務 | ● | ● | ● | |
● | ● | ● | ||
● | ● | ● | ||
● | ● | ● |
別紙 6
業務委託請負先の選定方法
本事業は、平成6年4月 15 日にマラケシュで作成された政府調達に関する協定(以下
「WTO 政府調達協定」という。)の対象事業であり、入札手続きには、「地方公共団体の物品等又は特定役務の調達手続の特例を定める政令」(平成7年政令第 372 号)が適用される。
このことに鑑み、乙が事業予定者をして、本事業に係る各業務のうち別紙 5(業務委託請負先)において事業提案書に基づき「選定予定」と記した設計及び建設業務の全部又は一部を業務委託請負先に委託又は請け負わせる場合、各業務に着手する日までに、事業予定をして、WTO 政府調達協定に準拠した調達を行わせるものとする。
具体的には、事業予定者の行う購入及び借入れ(購入を選択する権利の有無を問わない。)等の方法を通じて行う契約による調達(産品とサービスとを組み合わせたものを含む。)について、WTO 政府調達協定に定められた調達手続及び我が国の自主的措置(「政府調達に関して適用されることとなる規程の指定について」、平成7年 12 月 14 日政府調
達苦情処理推進会議議長決定、平成9年4月1日改正、平成 13 年3月 12 日改正、平成
20 年1月 11 日改正、平成 26 年3月7日改正、平成 26 年4月4日改正)を適用する。 この場合、技術仕様、供給者の資格、入札説明等本手続を履行するにあたり必要となる
項目については、甲と事業予定者が協議して定める。このほか、下記の点について留意すること。
記
1 WTO 政府調達協定及び我が国の自主的措置の定める「基準額」並びに「邦貨換算額」については、WTO 政府調達委員会の決定(1996 年2月 27 日)に基づき、直近2年間
(暦年)の IMF 統計による円/SDR(特別引出権)レートの平均値を用い、2年毎に見直される邦貨換算額に従うこと。
2 事業予定者は、甲と協議のうえ、建設工事について工区又は種類(建築工事、設備工事等)を分割して調達することができるが、本手続の適用を回避する意図の下にこれを行うことは認められないこと。
3 調達に関する苦情申立てが生じた場合は、事業予定者が自ら誠意を持って対応し、その対応結果を公表すること。
4 事業予定者は、構成企業又は構成企業と資本関係若しくは人的関係において一定の関連がある者を、業務委託請負先として選定しないこと。ただし、甲が別途定める場合はこの限りではない。
5 その他、調達の方法について疑義が生じた場合は、その都度、甲と事業予定者で協議すること。 以 上
別紙 7
施設整備費
金額(税抜き) | ||
設計費(調査及び設計) | 金 | 円 |
工事監理費 | 金 | 円 |
建設費 | 金 | 円 |
施設備品調達費 | 金 | 円 |
合計(税抜き) | 金 | 円 |
※ 入札金額と合計金額を一致させること。