建物設備 ガス 上水道 下水道 エレベーター 共聴アンテナ 管理人室 有(都市ガス・プロパンガス)・無 水道本管より直結・受水槽・井戸水 公共下水・浄化槽 有・無 有(BS・CS・CATV)・ 無 有・無 有・無 有・無
特定賃貸借標準契約書
貸主 (甲) |
氏名 |
|
住所 |
|
|
連絡先 |
|
|
借主 (乙) |
商号(名称) |
|
代表者 |
|
|
住所 |
|
|
連絡先 |
|
|
登録年月日 |
|
|
登録番号 |
|
|
業務管理者 |
氏名 |
|
事務所住所 |
|
|
連絡先 |
|
|
証明番号又は 登録番号 |
|
頭書
(1) 賃貸借の目的物
建物の名称・所在地等 |
名称 |
|
|
所在地 |
|
||
種類 |
|
||
構造等 |
造 階建 戸 |
||
面積 |
敷地面積 建築面積 延べ面積 |
㎡ ㎡ ㎡ |
|
住戸部分 |
別紙「住戸明細表」に記載の通り |
||
その他の部分 |
廊下、階段、エントランス |
||
建物設備 |
ガス 上水道 下水道 エレベーター 共聴アンテナ 管理人室 |
有(都市ガス・プロパンガス)・無 水道本管より直結・受水槽・井戸水 公共下水・浄化槽 有・無 有(BS・CS・CATV)・ 無 有・無 有・無 有・無 |
|
附属施設等 |
駐車場 自転車置場 物置 |
有(本契約の対象に含む・含まない)・無 有(本契約の対象に含む・含まない)・無 有(本契約の対象に含む・含まない)・無 有(本契約の対象に含む・含まない)・無 有(本契約の対象に含む・含まない)・無 |
(2) 契約期間
始期 |
年 月 日から |
年 月間 |
終期 |
年 月 日まで |
(3) 引渡日
年 月 日 |
(4) 家賃等
金 額 |
支 払 期 限 |
支 払 方 法 |
||
家賃 |
円 |
当月分・翌月分を 毎月 日まで |
振 込 又 は 持 参 |
振込先金融機関名:
預金:普通・当座 口座番号: 口座名義人: |
持参先: |
||||
初回の家賃改定日 |
本契約の始期から 年を経過した日の属する日の翌月1日 |
|||
2回目以降の 家賃改定日 |
初回の家賃改定日経過後 年毎 |
・上記の家賃改定日における見直しにより、本契約第5条第3項に基づき家賃が減額又は増額の改定となる場合がある。
・本契約には、借地借家法第32条第1項(借賃増減請求権)が適用されるため、上記の家賃改定日以外の日であっても、乙から甲に支払う家賃が、上記記載の家賃額決定の要素とした事情等を総合的に考慮した上で、
①土地又は建物に対する租税その他の負担の増減により不相当となったとき
②土地又は建物の価格の上昇又は低下その他の経済事情の変動により不相当となったとき
③近傍同種の建物の借賃に比較して不相当となったとき
は、本契約の条件にかかわらず、乙は家賃を相当な家賃に減額することを請求することができる。
・ただし、空室の増加や乙の経営状況の悪化等が生じたとしても、上記①~③のいずれかの要件を充足しない限りは、同条に基づく減額請求はできない。
・また、借地借家法に基づく、乙からの減額請求について、甲は必ずその請求を受け入れなければならないわけでなく、乙との間で、変更前の家賃決定の要素とした事情を総合的に考慮した上で、協議(協議が整わないときは調停・裁判手続)により相当家賃額が決定される。
金 額 |
支 払 期 限 |
支 払 方 法 |
||
敷 金 |
家賃 か月相当分 円
|
当月分・翌月分を 毎月 日まで |
振 込 又 は 持 参 |
振込先金融機関名:
預金:普通・当座 口座番号: 口座名義人: |
持参先: |
(5) 家賃支払義務発生日
支払い免責期間 |
引渡日から か月 |
家賃支払義務発生日 |
年 月 日 |
(6) 乙が行う維持保全の実施方法
実施箇所等 |
内容・頻度等 |
乙 |
委託 |
委託先 |
|
点検・清掃等 |
|
|
□ |
□ |
|
|
|
□ |
□ |
|
|
|
|
□ |
□ |
|
|
|
|
□ |
□ |
|
|
|
|
□ |
□ |
|
|
修繕等 |
|
|
□ |
□ |
|
|
|
□ |
□ |
|
|
|
|
□ |
□ |
|
|
その他 |
|
|
□ |
□ |
|
|
|
□ |
□ |
|
|
|
|
□ |
□ |
|
(7) 賃貸住宅の維持保全の費用分担
実施箇所等 |
費用負担者 |
内 容 |
||
甲 |
乙 |
|||
点検・清掃等 |
|
□ |
□ |
|
|
□ |
□ |
|
|
|
□ |
□ |
|
|
|
□ |
□ |
|
|
|
□ |
□ |
|
|
|
□ |
□ |
|
|
修繕等 |
|
□ |
□ |
|
|
□ |
□ |
|
|
|
□ |
□ |
|
|
|
□ |
□ |
|
|
|
□ |
□ |
|
|
|
□ |
□ |
|
|
その他 |
□ |
□ |
|
|
□ |
□ |
|
||
□ |
□ |
|
・本契約第11条第2項に基づき、乙の責めに帰すべき事由(転借人の責めに帰すべき事由を含む。)によって必要となった修繕については、上記の費用負担者の記載にかかわらず、甲はその費用を負担しない。
(8) 転貸の条件
条件項目 |
条件の有無 |
条件の内容 |
転貸借契約において定めるべき事項 |
有 |
乙は、転借人(入居者)との間で転貸借契約を締結するに際し、当該契約が転貸借契約であることを転借人に開示するとともに、本契約第9条第2項、第12条及び第21条に規定する内容を契約条項とすること。 |
契約態様 |
有・無 |
普通賃貸借契約に限る・定期賃貸借契約に限る |
契約期間 |
有・無 |
|
家 賃 |
有・無 |
|
共 益 費 |
有・無 |
|
敷 金 |
有・無 |
|
転 借 人 |
有・無 |
|
民泊(住宅に人を宿泊させるサービス)の可否 |
可・否 |
□ 住宅宿泊事業法に基づく住宅宿泊事業 □ 国家戦略特区法に基づく外国人滞在施設経営事業 |
そ の 他 |
有 |
|
(9)転貸に関する敷金の分別管理の方法
|
(10)合意管轄裁判所
地方(簡易)裁判所 |
(11)特約
|
住戸明細表
(1)賃貸借の目的物
建物名称 |
|
|
(2)住戸内の設備
設 備 |
有無 |
備 考 |
エアコン一基 |
有・無 |
|
バルコニー(1階は除く) |
有・無 |
|
オートロック |
有・無 |
|
システムキッチン |
有・無 |
|
フローリング床 |
有・無 |
|
床暖房 |
有・無 |
|
追焚き機能付風呂 |
有・無 |
|
浴室乾燥機 |
有・無 |
|
独立洗面所 |
有・無 |
|
クローゼット又は1間収納 |
有・無 |
|
大型下足入れ |
有・無 |
|
電話2回線以上 |
有・無 |
|
宅配ボックス |
有・無 |
|
|
有・無 |
|
|
有・無 |
|
|
有・無 |
|
(3)住戸内訳
部屋番号 |
面積 |
間取り |
家賃 |
備 考 |
|
壁芯・内法 ㎡ |
|
円 |
|
|
壁芯・内法 ㎡ |
|
円 |
|
|
壁芯・内法 ㎡ |
|
円 |
|
|
壁芯・内法 ㎡ |
|
円 |
|
|
壁芯・内法 ㎡ |
|
円 |
|
|
壁芯・内法 ㎡ |
|
円 |
|
|
壁芯・内法 ㎡ |
|
円 |
|
|
壁芯・内法 ㎡ |
|
円 |
|
|
壁芯・内法 ㎡ |
|
円 |
|
(契約の締結)
第1条 貸主(以下「甲」という。)及び借主(以下「乙」という。)は、頭書(1)に記載する賃貸借の目的物(以下「本物件」という。)について、以下の条項により、乙が転貸することを目的とする賃貸借契約(以下「本契約」という。)を締結した。
(契約期間)
第2条 契約期間は、頭書(2)に記載するとおりとする。
2 甲及び乙は、協議の上、本契約を更新することができる。
3 甲又は乙は、本契約の更新を希望しない場合には、契約期間の満了の1年前から6か月前までの間に相手方に対して更新をしない旨の通知(以下「更新拒絶通知」という。)をするものとする。ただし、甲による更新拒絶通知は、借地借家法(平成3年法律第90号)第28条に規定する正当の事由がなければすることができない。
(引渡し)
第3条 甲は、頭書(3)に記載する引渡日(以下「引渡日」という。)までに、乙に対し、本物件を引き渡さなければならない。
2 甲は、乙が本物件の適切な維持保全を行うために必要な情報を提供しなければならない。
3 甲が、引渡日に本物件を引き渡さず、又は、前項に定める情報を提供せず、そのために生じた乙の損害は、甲が負担するものとする。
(使用目的)
第4条 乙は、専ら住宅として使用することを目的として本物件を転貸するものとする。甲は、乙が本物件を借り受け、これを専ら住宅として使用することを目的として第三者に転貸することを承諾する。
2 乙が住宅宿泊事業法に基づく住宅宿泊事業又は国家戦略特区法に基づく外国人滞在施設経営事業を
目的として転貸することができるか否かについては、頭書(8)記載のとおりとする。
(家賃)
第5条 乙は、頭書(4)の記載に従い、家賃を甲に支払わなければならない。
2 1か月に満たない期間の家賃は、1か月を30日として日割計算した額とする。
3 甲及び乙は、頭書(4)に記載する家賃改定日において、頭書(4)記載の家賃額決定の要素とした事情等を総合的に考慮した上で、次の各号の一に該当する場合には、協議の上、家賃を改定することができる。
一 土地又は建物に対する租税その他の負担の増減により家賃が不相当となった場合
二 土地又は建物の価格の上昇又は低下その他の経済事情の変動により家賃が不相当となった場合
三 近傍同種の建物の家賃に比較して家賃が不相当となった場合
(家賃支払義務発生日)
第6条 乙は、頭書(5)に記載する支払い免責期間においては家賃支払い義務を負わないものとする。
2 乙は、頭書(5)に記載する家賃支払義務発生日から家賃を甲に支払わなければならない。
(敷金)
第7条 乙は、本契約から生じる債務の担保として頭書(4)に記載する敷金を甲に交付するものとする。
2 甲は、乙が本契約から生じる債務を履行しないときは、敷金をその債務の弁済に充てることができる。この場合において、乙は、本物件を返還するまでの間、敷金をもって当該債務の弁済に充てることを請求することができない。
3 甲は、本契約が終了し、本物件の返還があったときは、遅滞なく、敷金の全額を乙に返還しなければならない。ただし、本物件の返還時に、家賃の滞納その他の本契約から生じる乙の債務の不履行が存在する場合には、甲は、当該債務の額を敷金から差し引いた額を返還するものとする。
4 前項ただし書の場合には、甲は、敷金から差し引く債務の内訳を乙に明示しなければならない。
(反社会的勢力の排除)
第8条 甲及び乙は、それぞれ相手方に対し、次の各号の事項を確約する。
一 自らが暴力団、暴力団関係企業、総会屋若しくはこれらに準ずる者又はその構成員(以下総称して「反社会的勢力」という。)ではないこと。
二 自らの役員(業務を執行する社員、取締役、執行役又はこれらに準ずる者をいう。以下同じ。)が反社会的勢力ではないこと。
三 反社会的勢力に自己の名義を利用させ、この契約を締結するものでないこと。
四 自ら又は第三者を利用して、次の行為をしないこと。
イ 相手方に対する脅迫的な言動又は暴力を用いる行為
ロ 偽計又は威力を用いて相手方の業務を妨害し、又は信用を毀損する行為
2 乙は、甲の承諾の有無にかかわらず、本物件の全部又は一部につき、反社会的勢力に賃借権を譲渡してはならない。
(転貸の条件等)
第9条 甲は、頭書(8)に記載する転貸の条件に従い乙が本物件を転貸することを承諾する。ただし、乙は、反社会的勢力に本物件を転貸してはならない。
2 乙は、前項に定める条件のほか、次の各号に定める内容を転貸条件としなければならない。
一 乙及び転借人は、それぞれ相手方に対し、次のイからニまでに定める事項を確約すること。
イ 自らが反社会的勢力でないこと。
ロ 自らの役員が反社会的勢力ではないこと。
ハ 反社会的勢力に自己の名義を利用させ、この契約を締結するものでないこと。
ニ 自ら又は第三者を利用して、次の行為をしないこと。
(1) 相手方に対する脅迫的な言動又は暴力を用いる行為
(2) 偽計又は威力を用いて相手方の業務を妨害し、又は信用を毀損する行為
二 転借人は、乙の承諾の有無にかかわらず、本物件の全部又は一部につき、反社会的勢力に転借権を譲渡し、又は再転貸してはならないとすること。
三 転借人は、本物件の使用にあたり、次のイからハまでに掲げる行為を行ってはならないとすること。
イ 本物件を反社会的勢力の事務所その他の活動の拠点に供すること。
ロ 本物件又は本物件の周辺において、著しく粗野若しくは乱暴な言動を行い、又は威勢を示すことにより、付近の住民又は通行人に不安を覚えさせること。
ハ 本物件に反社会的勢力を居住させ、又は反復継続して反社会的勢力を出入りさせること。
四 乙又は転借人の一方について、次のいずれかに該当した場合には、その相手方は、何らの催告も要せずして、転貸借契約を解除することができるとすること。
イ 第一号の確約に反する事実が判明した場合
ロ 契約締結後に自ら又は役員が反社会的勢力に該当した場合
五 乙は、転借人が第二号に規定する義務に違反した場合又は第三号イからハまでに掲げる行為を行った場合には、何らの催告も要せずして、転貸借契約を解除することができるとすること。
3 乙は、転貸借契約から生じる転借人の債務の担保として転借人から交付された敷金について、頭書(9)に記載するとおり、整然と管理する方法により、自己の固有財産及び他の賃貸人の財産と分別して管理しなければならない。
(乙が行う維持保全の実施方法)
第10条 乙は、頭書(6)に記載する維持保全を行わなければならない。
2 乙は、頭書(6)に記載する業務の一部を、頭書(6)に従って、他の者に再委託することができる。
3 乙は、頭書(6)に記載する業務を、一括して他の者に委託してはならない。
4 乙は、第一項によって再委託した業務の処理について、甲に対して、自らなしたと同等の責任を負うものとする。
5 甲は、乙が管理業務を行うために必要な情報を提供しなければならない。
6 甲が、第5項に定める必要な情報を提供せず、又は、前項に定める必要な措置をとらず、そのために生じた乙の損害は、甲が負担するものとする。
(維持保全に要する費用の分担)
第11条 本物件の点検・清掃等に係る費用は、頭書(7)に記載するとおり、甲又は乙が負担するものとする。
2 甲は、乙が本物件を使用するために必要な修繕を行わなければならない。ただし、頭書(6)で乙が実施するとされている修繕と、乙の責めに帰すべき事由(転借人の責めに帰すべき事由を含む。)によって必要となった修繕はその限りではない。
3 甲が、本物件につき乙が使用するために必要な修繕を行った場合、その修繕に要する費用は、次に掲げる費用を除き、甲が負担する。
一 頭書(7)に掲げる修繕等で乙が費用を負担するとしているもの
二 乙の責めに帰すべき事由(転借人の責めに帰すべき事由を含む。)によって必要となった修繕
4 前項の規定に基づき甲が修繕を行う場合は、甲は、あらかじめ乙を通じて、その旨を転借人に通知しなければならない。この場合において、甲は、転借人が拒否する正当な理由がある場合をのぞき、当該修繕を行うことができるものとする。
5 乙は、修繕が必要な箇所を発見した場合には、その旨を速やかに甲に通知し、修繕の必要性を協議するものとする。その通知が遅れて甲に損害が生じたときは、乙はこれを賠償する。
6 前項の規定による通知が行われた場合において、修繕の必要が認められ、甲が修繕しなければならないにもかかわらず、甲が正当な理由無く修繕を実施しないときは、乙は自ら修繕することができる。この場合の修繕に要する費用の負担は、第3項に準ずるものとする。
7 乙は、第10条のほか、災害又は事故等の事由により、緊急に行う必要がある業務で、甲の承認を受ける時間的な余裕がないものについては、甲の承認を受けないで実施することができる。この場合において、乙は、速やかに書面をもって、その業務の内容及びその実施に要した費用の額を甲に通知しなければならない。
8 前項により通知を受けた費用については、甲は、第3項に準じて支払うものとする。ただし、乙の責めによる事故等の場合はこの限りではない。
9 乙が頭書(6)に定められている修繕を行うに際しては、その内容及び方法についてあらかじめ甲と協議して行うものとし、その費用は、頭書(7)に記載するとおり、甲又は乙が負担するものとする。
(維持保全の内容等の転借人に対する周知)
第12条 乙は、頭書(1)の賃貸住宅について自らを転貸人とする転貸借契約を締結したときは、転借人に対し、遅滞なく、頭書(6)に記載する維持保全の内容及び乙の連絡先を記載した書面又は電磁的方法により通知するものとする。
(維持保全の実施状況の報告)
第13条 乙は、甲と合意に基づき定めた期日に、甲と合意した頻度に基づき定期に、甲に対し、維持保全の実施状況の報告をするものとする。この場合の報告の対象には、頭書(8)に記載する転貸の条件の遵守状況を含むものとする。
2 前項の規定による報告のほか、甲は、必要があると認めるときは、乙に対し、維持保全の実施状況に関して報告を求めることができる。
3 前二項の場合において、甲は、乙に対し、維持保全の実施状況に係る関係書類の提示を求めることができる。
4 甲又は乙は、必要があると認めるときは、維持保全の実施状況に関して相互に意見を述べ、又は協議を求めることができる。
(善管注意義務)
第14条 乙は、善良な管理者の注意をもって本物件を使用し、維持保全する。
2 乙は、乙又はその従業員が、維持保全の実施に関し、甲又は第三者に損害を及ぼしたときは、甲又は第三者に対し、賠償の責任を負う。
3 前項にかかわらず、乙は、乙の責めに帰することができない事由によって生じた損害については、その責を負わないものとする。
(個人情報保護法等の遵守)
第15条 甲及び乙は、本物件の維持保全を行うに際しては、個人情報の保護に関する法律(平成15年法律第57号)及び行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律(平成25年法律第27号)を遵守し、個人情報及び個人番号について適切な対処をすることができるように、互いに協力するものとする。
(禁止又は制限される行為)
第16条 乙は、事前の甲の書面又は電磁的方法による承諾を得ることなく、本物件の全部又は一部につき賃借権を譲渡してはならない。
2 乙は、事前の甲の書面又は電磁的方法による承諾を得ることなく、本物件の増築、改築、移転、改造又は本物件の敷地内における工作物の設置をしてはならない。
(通知義務等)
第17条 甲は、当該物件の登記内容の変更等、本契約の履行に影響を及ぼすものとして別表第1に掲げる事由が生じた場合には、乙に対して、遅滞なく通知しなければならない。
2 甲は、本物件の住宅総合保険、施設所有者賠償責任保険等の損害保険の加入状況を乙に通知しなければならない。
3 乙は、本契約の履行に影響を及ぼすものとして別表第2に掲げる事由が生じた場合には、甲に対して、遅滞なく通知しなければならない。
(契約の解除)
第18条 甲は、乙が次に掲げる場合において、甲が相当の期間を定めて当該義務の履行を催告したにもかかわらず、その期間内に当該義務が履行されないときは、本契約を解除することができる。
一 第5条第1項に規定する家賃支払義務を3か月分以上怠った場合
二 第9条第2項に規定する義務に違反した場合
三 第11条に規定する乙の費用負担義務に違反した場合
2 甲は、乙が次に掲げる義務に違反した場合において、甲が相当の期間を定めて当該義務の履行を催告したにもかかわらず、その期間内に当該義務が履行されずに当該義務違反により本契約を継続することが困難であると認められるに至ったときは、本契約を解除することができる。
一 第4条に規定する本物件の使用目的遵守義務
二 第16条各項に規定する義務
三 その他本契約書に規定する乙の義務
3 甲又は乙の一方について、次のいずれかに該当した場合には、その相手方は、何らの催告も要せずして、本契約を解除することができる。
一 第8条第1項各号の確約に反する事実が判明した場合
二 契約締結後に自ら又は役員が反社会的勢力に該当した場合
三 相手方に信頼関係を破壊する特段の事情があった場合
4 甲は、乙が第8条第2項に規定する義務又は第9条第1項ただし書に規定する義務に違反した場合には、何らの催告も要せずして、本契約を解除することができる。
(契約の終了)
第19条 本契約は、本物件の全部が滅失その他の事由により使用できなくなった場合には、これによって終了する。
(本物件の返還)
第20条 乙は、本契約が終了する日までに(第18条の規定に基づき本契約が解除された場合にあっては、直ちに)、頭書(1)に記載する住戸部分のうちの空室及びその他の部分について、転貸借に関する通常の使用に伴い生じた当該部分の損耗及び当該部分の経年変化を除き、乙の責めに帰すべき事由(転借人の責めに帰すべき事由を含む。)によって必要となった修繕を行い、返還日を事前に甲に通知した上で、甲に本物件を返還しなければならない。
2 乙は、前項の返還をするときには、甲又は甲の指定する者に対して、本物件の適切な維持保全を行うために必要な情報を提供しなければならない。
(権利義務の承継)
第21条 本契約が終了した場合(第19条の規定に基づき本契約が終了した場合を除く。)には、甲は、転貸借契約における乙の転貸人の地位を当然に承継する。
2 前項の規定は、転借人について第9条第2項第一号の確約に反する事実が判明した場合又は転借人が同項第二号に規定する義務に違反した場合若しくは同項第三号イからハまでに掲げる行為を行った場合の当該転借人に係る転貸借契約については、適用しない。
3 第1項の規定に基づき甲が転貸借契約における乙の転貸人の地位を承継する場合、乙は、転借人から交付されている敷金、賃貸借契約書、その他地位の承継に際し必要な書類を甲に引き渡さなければならない。
(協議)
第22条 甲及び乙は、本契約書に定めがない事項及び本契約書の条項の解釈について疑義が生じた場合は、民法その他の法令及び慣行に従い、誠意をもって協議し、解決するものとする。
(合意管轄裁判所)
第23条 本契約に起因する紛争が生じたときは、頭書(10)に記載する地方(簡易)裁判所を管轄裁判所とする。
(特約条項)
第24条 本契約の特約については、頭書(11)のとおりとする。
別表第1(第17条関係:甲が乙に、遅滞なく通知しなければならない事由)
|
|
|
|
別表第2(第17条関係:乙が甲に、遅滞なく通知しなければならない事由)
|
|
|
|
《特定賃貸借標準契約書 作成にあたっての注意点》
頭書関係
本頭書の記載により、特定賃貸借標準契約書(以下「本契約書」という。)の基本的内容を明確化しています。なお、本契約書は居住のみを目的とした新築(建築中を含む)の民間賃貸住宅1棟全体を対象にしています。
以下の事項に注意して記入してください。なお、該当する事項のない欄には「-」を記入してください。
(1)「賃貸借の目的物」関係
①「名 称」-建物の名称(○○マンション、○○荘など)を記入してください。
②「所在地」-住居表示を記入してください。
③「種 類」-建物の種類(共同住宅、長屋、一戸建など)を記入してください。
④「構造等」-鉄筋鉄骨造、軽鉄骨造、木造等の構造を記入し、建物の階数(住戸が何階にあるかではなく、建物自体が何階建てかをいう。)と建物内の住戸の数を記入してください。
〔用語の説明〕
・ ○○造……主要構造部(壁、柱、床、はり、屋根又は階段をいう。)がどのような構造かを いいます。
⑤「面 積」-敷地面積と建築面積、延べ面積を記入してください。
⑥「住戸部分」-「住戸明細表関係」参照。
⑦「その他の部分」-建物内の専有部分以外の部分(廊下、階段、エントランス等)を記入して ください。
⑧「建物設備」-各附属設備についてその設備がある場合には「有」、ない場合には「無」に○を つけてください。また、特に書いておくべき事項(設備の概要など)があれば右の空欄に記入してください。
あらかじめ記載されている設備以外で書いておくことが適当なものがあれば、 「管理人室」の下の余白を利用してください。
⑨「附属施設等」-各附属施設についてその施設がある場合には「有」に○をつけ、更に「本契約の 対象に含む」か「含まない」かに、ない場合には「無」に○をつけてください。また、特に書いておくべき事項(施設の概要など)があれば右の空欄に記入してください。
あらかじめ記載されている附属施設以外で書いておくことが適当なものがあれば、「物置」の下の余白を利用してください。
(2)「契約期間」関係
「契約期間」-契約の始期と終期及び何年何か月の契約なのかを記入してください。
(3)「引渡日」関係
「引渡日」-貸主が借主に本物件を引き渡す日を記入してください。
(4)「家賃等」関係
①「支払期限」-当月分・翌月分の該当する方に○をつけてください。
②「支払方法」-振込又は自動口座振替の場合は、貸主側の振込先金融機関名等を記入してください。「預金」欄の普通預金・当座預金の該当する方に○をつけてください。
(5)「家賃支払義務発生日」関係
「家賃支払義務発生日」-家賃の支払い義務を発生させる日を記入してください。
「支払い免責期間」-引渡日から転借人(入居者)を募集するまでにある程度の期間が必要であるため、借主から貸主に支払う家賃の支払いの免責期間を設定する場合には、その必要な期間を「引渡日から○か月」と記入してください。なお、入居者退去後の募集に一定の時間がかかるといった理由から、同様に家賃の支払いの免責期間を設定する場合には、その免責の対象となる家賃や期間を欄を設けて記入してください。
(6)「乙が行う維持保全の実施方法」
借主(乙)が行う維持保全の内容について、貸主と借主が協議、合意の上、各表の空欄に可能な限り具体的に記入してください。
①「点検・清掃等」-点検・清掃等を実施する箇所について、「実施箇所等」に記入し、それぞれの箇所について実施する内容(定期点検、法定点検、清掃の内容等)及び回数や頻度を「内容・頻度等」に記入してください。さらに、それぞれの実施内容について、借主が行うのか、委託するのかを記入するとともに、委託する場合は委託先の情報を記入してください。
②「修繕等」-点検・清掃等を受けて、修繕の必要が生じたときに、借主が行う内容(見積り・業者の手配等)について「実施箇所等」に記入し、具体的に実施する内容を「内容・頻度等」に記入してください。さらに、それぞれの実施内容について、借主が行うのか、委託するのかを記入するとともに、委託する場合は委託先の情報を記入してください。
③「その他」-賃貸住宅の維持保全と併せて、入居者からの苦情や問い合わせへの対応を行う場合は、その内容について、「実施箇所等」に記入し、具体的に実施する内容を「内容・頻度等」に記入してください。さらに、それぞれの実施内容について、借主が行うのか、委託するのかを記入するとともに、委託する場合は委託先の情報を記入してください。
(7)「賃貸住宅の維持保全の費用分担」
借主が行う維持保全の具体的な内容や対象となる設備毎に、貸主と借主のどちらが、点検・清掃・修繕等に要する費用を負担するかについて、貸主と借主が協議、合意の上、各表の空欄に可能な限り具体的に記入してください。
(8)「転貸の条件」関係
①「転貸借契約において定めるべき事項」-転貸借契約であることを転借人に開示するとともに、本契約第9条第2項(転貸の条件)、第12条(維持保全の内容等の転借人に対する周知)及び第21条(権利義務の承継)に規定する内容を契約条項とすることとします。
②「契約態様」-普通賃貸借契約に限る、又は定期賃貸借契約に限る場合は「有」に○をつけ、その どちらかを選択します。条件を付さない場合は「無」に○をつけます。
③「契約期間」-契約期間を○年~○年に限定する場合は「有」に○をつけ、その期間の幅を「条件の内容」に記入します(○年以内等の記入でも構いません)。借主に一任する場合は「無」に○をつけます。
④「家 賃」 -家賃を○円~○円に限定する場合は「有」に○をつけ、その家賃額の幅を「条件の 内容」に記入します(○円以上等の記入でも構いません)。借主に一任する場合は「無」に○をつけます。
⑤「共益費」 -共益費を○円~○円に限定する場合は「有」に○をつけ、その共益費の幅を「条件の内容」に記入します(○円以内等の記入でも構いません)。借主に一任する場合は「無」に○をつけます。
⑥「敷 金」 -敷金を○か月~○か月に限定する場合は「有」に○をつけ、その月数の幅を「条件の内容」に記入します(○か月以内等の記入でも構いません)。借主に一任する場合は「無」に○をつけます。
⑦「転借人」 -「学生限定」等、どのような転借人に転貸するかを定めておく場合は「有」に○をつけ、その内容を「条件の内容」に記入します。借主に一任する場合は「無」に○をつけます。
⑧「民泊の可否」-民泊(住宅に人を宿泊させるサービス)を許可する場合は「可」に〇をつけ、住宅宿泊事業法に基づく住宅宿泊業であるか、国家戦略特区法に基づく外国人滞在施設経営事業であるか選択し□にチェックをつけます。
⑨「その他」 -貸主が必要に応じてその他の条件を付けることが可能です。その場合は、「その他」の欄を利用してください。
(9)「敷金の分別管理の方法」
転借人から交付された敷金について分別管理する際の方法を記入してください。
(例)乙の保有財産に係る口座とは別個の口座を設ける。
〔住戸明細表関係〕
住戸明細表は契約書に添付します。以下の事項に注意して記入してください。なお、該当する事項のない欄には「-」を記入してください。
(1)「賃貸借の目的物」関係
この欄には、本契約書の頭書(1)と同じ内容を記入してください。建物を特定するために必要です。
①「名 称」-建物の名称(○○マンション、○○荘など)を記入してください。
②「所在地」-住居表示を記入してください。
(2)「住戸内の設備」関係
表内の設備がある場合は「有」に○をつけ、ない場合は「無」に○をつけてください。補足等は 備考欄に書いてください。選択肢を設けていない設備で書いておくことが適当なものがあれば、「宅配ボックス」の下の余白を利用してください。
(3)「住戸内訳」関係
この欄は、建物内の住戸の内訳を記入してださい。
①「部屋番号」
②「面 積」-壁芯か内法かのどちらかに○をつけ(又はどちらかを消し)、その右に面積を記入して ください。
③「間取り」-ワンルーム、○K、○DK、○LDKと記載してください。
〔用語の説明〕
イ K・・・・台所
ロ DK・・・1つの部屋が食事室と台所を兼ねているもの
ハ LDK・・1つの部屋が居間と食事室と台所を兼ねているもの
④「家 賃」-各部屋の当初の転借人募集家賃を記入してください。
⑤「備 考」-(2)「住戸内の設備」の補足等を記入してください。
条文関係
〔第9条(転貸の条件等)関係〕
本契約第9条第1項及び第2項に規定する「転貸の条件」の遵守義務について、第13条第1項で 貸主と合意した頻度に基づき当該条件の遵守状況の報告を借主に義務付けています。
〔第24条(特約条項)関係〕
空欄に特約として定める事項を記入してください。
主要な特約条項として、次の事項を挙げることができます。
①借主に、借主の社員の社宅としての使用を認める場合
(記載例)
第4条の規定にかかわらず、甲は本物件について、乙の自己使用を認める。
〔別表関係〕
別表第1については、貸主が借主に通知しなければならない事項を、貸主と借主が協議、合意の上、記入してください。
〔記載例〕
-
本物件の売却
本契約に優先する抵当権の実行(差し押さえ・仮差し押さえ)
別表第2については、借主が貸主に通知しなければならない事項を、貸主と借主が協議、合意の上、記入してください。
〔記載例〕
-
乙の住所又は名称の変更
乙の合併、解散、破産、差し押さえ、仮差し押さえ
〈承諾書(例)〉
(1)賃借権譲渡承諾書(例) (特定賃貸借標準契約書第16条第1項関係)
○年○月○日 賃借権譲渡の承諾についてのお願い (貸主) 住所 氏名 ○ ○ ○ ○殿 (借主) 所在地 商号(名称) ○ ○ ○ ○
私が賃借している下記(1)の住宅の賃借権の を、下記(2)の者に譲渡したいので、承諾願います。 記
|
||||||||||
承 諾 書 上記について、承諾いたします。 敷金は、契約書第7条第3項ただし書に基づく清算の上、返還いたします。 (なお、 )
○年○月○日 (貸主) 住所 氏名 ○ ○ ○ ○ |
〔注〕
1 借主は、本承諾書の点線から上の部分を記載し、貸主に2通提出してください。貸主は、 承諾する場合には本承諾書の点線から下の部分を記載し、1通を借主に返還し、1通を保管してください。
2 「全部」又は「一部」の該当する方に○を付けてください。
3 (1)の欄は、特定賃貸借標準契約書頭書(1)を参考にして記載してください。
4 一部譲渡の場合は、譲渡部分を明確にするため、図面等を添付する必要があります。
5 承諾に当たっての確認事項等があれば、「なお、」の後に記載してください。
(2)増改築等承諾書(例) (特定賃貸借標準契約書第16条第2項関係)
○年○月○日 増改築等の承諾についてのお願い (貸主) 住所 氏名 ○ ○ ○ ○殿 (借主) 所在地 商号(名称) ○ ○ ○ ○ 私が賃借している下記(1)の住宅の増改築を、下記(2)のとおり行いたいので、承諾願います。 記
|
||||||||
承 諾 書 上記について、承諾いたします。 (なお、 ) ○年○月○日 (貸主) 住所 氏名 ○ ○ ○ ○ |
〔注〕
1 借主は、本承諾書の点線から上の部分を記載し、貸主に2通提出してください。貸主は、 承諾する場合には本承諾書の点線から下の部分を記載し、1通を借主に返還し、1通を保管してください。
2 「増改築等」とは、特定賃貸借標準契約書第16条第2項に規定する「増築、改築、移転、改造又は本物件の敷地内における工作物の設置」をいいます。
3 (1)の欄は、特定賃貸借標準契約書頭書(1)を参考にして記載してください。
4 増改築等の概要を示した別紙を添付する必要があります。
5 承諾に当たっての確認事項等があれば、「なお、」の後に記載してください。
例)収去等についての事項
《特定賃貸借標準契約書 解説コメント》
特定賃貸借標準契約書(以下「本契約書」という。)コメントは、本契約書の性格、内容を明らかにする等により、本契約書が実際に利用される場合の指針として作成したものである。
全般関係
① 本契約書が想定している特定賃貸借契約とは、賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律(令和2年法律第60号。以下「賃貸住宅管理業法」という。)第2条第4項に規定する「特定賃貸借契約」をいう。
② 本契約書は転貸借を目的とした契約であるため、その旨を契約書に明記している。なお、本契約書は居住のみを目的とした民間賃貸住宅1棟全体(建築中の建物を含む。)を目的物とした普通借家契約である。
③ 賃貸住宅管理業法第31条の規定により、特定転貸事業者は、特定賃貸借契約を締結したときは、当該特定賃貸借契約の相手方に対し、遅滞なく、同条第1項各号に掲げる事項を記載した書面を交付しなければならないこととされている(これらの事項を電磁的方法により提供することも可能)。本契約書には、これらの事項が記載されているので、本契約書を賃貸人に対して交付することによって、賃貸住宅管理業法第31条に規定する書面を交付したものとすることが考えられる。
④ 実際の特定賃貸借契約においては、地域慣行、物件の構造や維持保全の態様等により、契約内容が異なりうるものである。本契約書は全国を適用範囲とする契約書の雛形として作成したものであり、その特定賃貸借契約にて最低限定めなければならないと考えられる事項について、合理的な内容を持たせるべく作成したものである。個々の契約については、特約による契約内容の補充がされるケースもあると想定されることから、本契約書は、第24条において特約条項の欄を設けている。
⑤ 建物所有者(家主)は、同種の行為を反復継続的に行っていない場合には、消費者契約法における消費者に該当する場合がある。
このため、本契約は、消費者契約法第2条第3項に規定する消費者契約に該当する可能性があり、その 場合には同法の適用を受けることとなる。
なお、実際に締結された契約に関連して法的な争訟が生じた場合、最終的には、個別具体の事例に即して、司法の場において判断がなされるものであることに留意する必要がある。
⑥ なお、本契約書については、特定賃貸借契約の普及状況等を踏まえ、今後、必要な見直しを行うものである。
頭書関係
① 頭書(4)家賃等(第5条(家賃)及び第6条(家賃支払義務発生日)関係)
頭書(4)家賃等の支払期限、支払方法の欄に、家賃の支払期限、支払方法の該当箇所について、選択するものを明記し、必要箇所を記載すること。
頭書(4)に記載する初回及び2回目以降の家賃改定日については、契約の当事者が合意したものであり、その遵守が求められるが、当該合意事項によっても、借地借家法第32条第1項(借賃増減請求権)の適用は排除されないため、初回の家賃改定日以前も含めて、家賃改定日以外であっても、借主からの家賃の減額請求権は行使できることに留意すること。
そのため、頭書(4)には、重要事項説明で説明した家賃の減額の可能性や借地借家法第32条の規定の適用等について、改めて記載しておくことが望ましい。
また、本契約書では、敷金が預け入れられるものとされている(第7条第1項)。頭書(4)家賃等の支払期限、支払方法の欄には、本契約書を作成する時点において、既に敷金が授受されている場合には、その旨を明記し、また、まだ敷金が授受されていない場合には、敷金の支払期限、支払方法の該当箇所について、選択するものを明記し、必要箇所を記載すること。
第3条(引渡し)関係
本契約書は新築(建築中を含む。)の住宅を対象に含むため、契約の始期と物件の引渡日が異なる場合がある(契約の始期よりも物件の引渡日が後になる)。このため第2条の契約期間とは別に、引渡日の規定を設けている。
② 特定転貸事業者を変更する場合などに、従前の特定転貸事業者との事務の引継ぎや清算に関するトラブルを防止する観点から、第2項では、借主が維持保全を開始するにあたって、貸主には借主の適切な維持保全を行うために必要な情報を提供する義務がある旨を明記した。
③ 第3項は、物件の引渡日が第1項の「引渡日」よりも遅れたとき、又は、貸主が借主に第2項に規定する必要な情報を提供しなかったときに、これらによって生じた損害を貸主が負担すること定めている。借主は通常、本条項の「引渡日」を始期とする転貸借契約を転借人と締結することから、引渡しが遅延した場合は転借人に対して、予定どおり入居できないことによる損害の補填責任が生じることがあり、また、貸主が 借主に適切な情報を提供しなかった場合には借主が不要な支出をせざるを得なくなること等を考慮した ためである。
第4条(使用目的)関係
① 住宅宿泊事業法に基づく住宅宿泊事業や国家戦略特区法に基づく外国人滞在施設経営事業についての可否は、頭書(8)で明記すること。
第5条(家賃)関係
① 賃貸住宅管理業法第31条第1項第2号を遵守するため、貸主に支払う家賃その他賃貸の条件に関する事項を明記しなければならない。
② 第3項は、賃貸借当事者間の信義に基づき、租税その他の負担の増減や経済事情の変動が生じた場合にも、できる限り当事者双方の意向を反映した結論に達することを目的とする規定であり、本契約の存続中に家賃を改定するにあたっては、下記③の最高裁判決も踏まえて、変更前の家賃決定の要素とした事情を総合的に考慮した上で、貸主と借主との協議により改定額を定めることとなる。
③ 貸主と借主の協議の結果、家賃改定額について合意に至らない場合は、最終的には訴訟による解決が必要となる。
借地借家法に基づく家賃減額請求権の行使が認められた平成15年10月23日の最高裁判決においては、「家賃減額請求の当否や相当家賃額を判断するに当たっては、賃貸借契約の当事者が家賃額決定の要素と した事情を総合考慮すべきであり、特に本件契約においては、上記の家賃保証特約の存在や保証家賃額が 決定された事情をも考慮すべきである。」とされ、その後の差戻審において、「被控訴人が本件の事業を行うに当たって考慮した予想収支、それに基づく建築資金の返済計画をできるだけ損なわないよう配慮して相当家賃額を決定しなければならないというべきである。」と判断された。
④ 家賃について、空室時等に異なる家賃とする場合は、本契約書にその旨を定めること。
⑤ なお、家賃の他、借主が貸主に共益費を支払う場合は、頭書(4)に共益費の額、支払い期限、支払い方法等を定めるとともに、本条とは別に共益費に関する規定を設けること。
第6条(家賃支払義務発生日)関係
① 本条は、借主から貸主への家賃支払義務の発生する日を明確にするためのものである。
② 本条第1項では、引渡日から転借人(入居者)を募集するまでの一定期間、借主から貸主に支払う家賃の支払い免責期間を設定している。その他、入居者退去後の募集に一定の時間がかかるといった理由から、同様に家賃の支払いの免責期間を設定する場合には、その免責の対象となる家賃や期間を定めること。
第7条(敷金)関係
① 本条項は、敷金について借主の「債務の担保」と性格づけた上で、その取扱いを定めている。平成29年 民法改正で、敷金について「いかなる名目によるかを問わず、家賃債務その他の賃貸借に基づいて生ずる 賃借人の賃貸人に対する金銭の給付を目的とする債務を担保する目的で、賃借人が賃貸人に交付する金銭をいう。」という定義が規定された(民法第622条の2第1項)。
② 本契約が終了するときは原則として貸主が借主の転貸人の地位を承継するため(第21条第1項)、転借人に対する敷金返還義務も引き継ぐこととの均衡上、借主も貸主に対し敷金を交付することとした。
第9条(転貸の条件等)関係
① 本条は、転貸借契約を締結するときにその契約条件をどのような内容にするか等について、貸主と借主であらかじめ合意しておくための規定である。本契約書は本契約の終了時、第21条の規定に基づき貸主が 借主の転貸人の地位を引き継ぐこととし、転借人の居住を保護することとしたため、転貸の条件を あらかじめ合意しておくこととしたものである。また、第1項ただし書及び第2項において、転貸の重要な条件として、反社会的勢力に転貸してはならないことを明確にし、転貸借契約においても反社会的勢力の 排除に係る内容を契約条項とすることとした。
② 民泊をめぐるトラブルを防止するためには、民泊事業としての使用を目的とした転貸を許容するかどうかについて、あらかじめ十分な協議を行い、その結果を踏まえて、頭書(8)転貸の条件、「民泊(住宅に人を宿泊させるサービス)の可否」の欄において、民泊の可否について明確化しておくものとする。 また、民泊事業としての使用を目的とした転貸を許容する場合には、住宅宿泊事業法に基づく事業か、国家戦略特区法に基づく外国人滞在施設経営事業かの別を併せて明記するものとする。
③ 第3項において、「自己の固有財産」とは特定転貸事業者が転貸人として入居者(転借人)から受領する家賃等をいい、「他の賃貸人の財産」とは、当該特定転貸事業者が賃主に支払う家賃等である。入居者(転借人)から受領する敷金は、本契約が終了した場合に、貸主が敷金返還債務を承継するため、入居者(転借人)から受領する敷金の額については、明確にこれらと区分して管理することとしている。
第10条(乙が行う維持保全の実施方法)関係
① 賃貸住宅管理業法第31条第1項第3号を遵守するため、特定転貸事業者が行う維持保全の実施方法を明記しなければならない。
② 特定転貸事業者は、第三者に再委託する旨の規定を設ければ、第三者への委託は可能ではあるが、賃貸住宅管理業法第15条により、登録業者は、委託者から委託を受けた管理業務の全部を一括して他の者に委託してはならない旨を定めている。本契約書では、点検・清掃等、修繕等、家賃等の徴収に係る事務が管理業務に該当するため、これらの業務を一括して他の者に委託することを禁じている。再委託の時期を問わず結果的に管理業務の全てについて他者に再委託することや、管理業務を複数の者に分割して全て委託することも禁止している。
③ 特定転貸事業者を変更する場合などに、従前管理を行っていた特定転貸事業者との事務の引継ぎや精算に関するトラブルを防止する観点から、第5項では、乙が管理を開始するにあたって、甲には乙の適切な管理業務を行うために必要な情報を提供する義務がある旨を明記し、第6項では、甲が乙に第5項に規定する必要な情報を提供しなかったときに、これらによって生じた損害を甲が負担することを定めている。これは、甲が乙に適切な情報を提供しなかった場合には乙が不要な支出をせざるを得なくなること等を考慮したものである。なお、乙が維持保全を一切行わない場合は、本条及び頭書(6)は不要である。
第11条(維持保全に要する費用の分担)関係
① 賃貸住宅管理業法施行規則第9条第2号を遵守するため、特定転貸事業者が行う維持保全に要する費用の分担に関する事項を明記しなければならない。
② 第2項は、賃貸人が修繕義務を負う民法606条第1項の原則を定めるとともに、頭書(6)で特定転貸事業者が修繕するとされる事項や特定転貸事業者の責めに帰すべき事由(転借人の責めに帰すべき事由を含む。)によって必要となった修繕については、賃貸人が義務を負わないこととしている。また、甲と乙の費用負担については、第3項、第6項及び第7項に定めている。
③ 第4項は、民法606条第2項の規定を定めている。
④ 第6項は、民法606条の2の賃借人による修繕を認める旨を定めており、第5項で、その前提となる通知を義務づけることとしている。
⑤ なお、乙が維持保全を一切行わない場合は、第2項から第8項までの規定(頭書(6)に係る部分を除く)を定めることとなる。
第12条(維持保全の内容等の転借人に対する周知)関係
① 賃貸住宅管理業法施行規則第9条第6号を遵守するため、転借人に対する維持保全の内容の周知に関する事項を明記しなければならない。ここでは、特定転貸事業者が転借人に対して周知を行う維持保全の内容、周知方法(対面での説明、書類の郵送、メール送付等)を定めること。
第13条(維持保全の実施状況の報告)関係
① 賃貸住宅管理業法施行規則第9条第3号を遵守するため、貸主に対する維持保全の実施状況の報告に関する事項を明記しなければならない。
② 第1項に定める報告の頻度については、貸主と借主の信頼関係を維持できるよう、業務内容に応じて、適切に実施することが望ましく、報告の方法については、報告内容に相応しい適切な方法を各特定転貸事業者において定めておくことが望ましい。
第14条(善管注意義務)関係
① 賃貸住宅管理業法施行規則第9条第5号を遵守するため、責任及び免責に関して定めるときには、これを明記しなければならない。損害賠償請求に至った場合にはトラブルに発展することが予見されることから、甲と乙が事前に協議を行った上で賠償責任保険に加入する等の措置をとることが望ましい。
第15条(個人情報保護法等の遵守)関係
① 平成29年5月30日に改正個人情報保護法が全面施行されたことから、同法及び関係法令の遵守を 義務付ける必要がある。また、平成28年1月よりマイナンバー制度が開始されたことから、貸主は、借主が作成する「不動産の使用料等の支払調書」に貸主のマイナンバーを記載するために、借主に対して、マイナンバーを提供するものとしている。
第16条(禁止又は制限される行為)関係
① 賃借権の譲渡は、貸主の書面又は電磁的方法による承諾を条件とすることとしている。なお、賃借権の譲渡が行われた時は、貸主は旧借主(賃借権の譲渡人)に対し敷金返還義務が生じる(民法第622条の2第1項)。
第17条(甲の通知義務等)関係
当該物件について登記内容の変更など当該物件に関する重要な事項に変更のあるときは、貸主から借主に通知する義務を定めたものである。通知を義務づける事項については別表第1に記載しておくこととして いる。
登記内容の変更等の事実は、当該物件の所有者である貸主は当然に認識しているはずであるが、借主には、貸主に報告してもらう以外にこれらを知る方法がないことがある。本契約に優先する抵当権が実行され、競売手続きが終了すると本契約は消滅し、新所有者との間で新たな賃貸借契約を締結しない限り転借人の賃借権を消滅させることから、この規定を設けている。なお、この規定は、貸主の通知義務の不履行により転借人に損害が発生した場合の借主(転貸人)の義務を軽減するものではない。
③ 第2項は、損害保険の加入状況は維持保全を行う上で重要であることから、貸主に対して、本物件の住宅総合保険、施設所有者賠償責任保険等の損害保険に係る貸主の加入状況を、貸主から借主に対して通知することを義務づけた。
④ 本契約の履行に影響を及ぼす事由が生じたときは、借主から貸主に通知する義務を定めたものである。通知を義務づける事項については別表第2に記載しておくこととしている。
第18条(契約の解除)関係
① 賃貸住宅管理業法第31条第1項第6号を遵守するため、契約の解除に関して定めるときには、これを明記しなければならない。
第20条(本物件の返還)関係
① 特定転貸事業者を変更する場合などに、従前の特定転貸事業者との事務の引継ぎや 清算に関するトラブルを防止する観点から、第2項では、借主が維持保全を終了し本物件を返還するにあたって、借主には、貸主又は別の特定転貸事業者が適切な維持保全を行うために必要な情報を提供する義務がある旨を明記した。なお、契約が終了した場合において、急迫の事情があるときは、借主又はその相続人若しくは法定代理人は、貸主又はその相続人若しくは法定代理人が委任事務を処理することができるに至るまで、必要な処分をしなければならない(民法第654条)。
第21条(権利義務の承継)関係
① 賃貸住宅管理業法施行規則第9条第7号を遵守するため、特定賃貸借契約が終了した場合における特定転貸事業者の権利義務の承継に関する事項を明記しなければならない。
貸主と借主の間の特定賃貸借契約が終了すると、借主は転借人に転貸する権利を失い、結果として借主と転借人の間の転貸借契約も終了することがある。この場合、転借人は自らのあずかり知らないところで発生した事柄の影響で物件を明渡さなければならない事態に陥ってしまい、サブリース事業に対する信頼を失うことにもなりかねない。そこで本条第1項により、本契約が終了した場合、貸主が借主の転貸人の地位を承継することとし、転借人の居住の安定を図ることとしている。特定賃貸借契約の終了原因としては、期間満了、解約申入れ、借主(転貸人)の債務不履行による解除、合意解除などが考えられるところ、地位の承継は、本物件の全部滅失による契約終了の場合を除き、特定賃貸借契約の終了原因が何かを問わない。
② 転借人が反社会的勢力である場合や、反社会的勢力に本物件を再転貸するなど反社会的勢力の排除に反する行為を行っている場合には、当該転借人に係る借主の転貸人の地位は承継しないこととしている。
③ 第1項のような地位承継の条項があれば原則として賃貸借契約は存続し、転借人の居住の安定が確保 されることになると考えられる。もっとも、特定賃貸借契約に優先する抵当権の実行がされた場合など、必ずしも本条によってすべての賃貸借契約が継続されることにはならないことに注意を要する。
第24条(特約条項)関係
① 貸主が借主に対して、通常の維持保全のほか、例えば、事故や大規模災害等により不定期に実施する清掃、補修工事等の業務を依頼し、借主がこの依頼を承諾する場合には、本条の特約条項として、依頼する業務の内容とこれに対する対価の額及びその支払方法を明記することが望ましい。
② 借主から貸主に対して、解約の申入れをすることにより、契約期間中に契約を解約することができることとする場合には、借主からの解約は一般的に貸主に与える影響が大きいことから、契約締結後、貸主及び借主の実情に応じて定めた期間が経過するまでは、解約をすることができないことすることが望ましい。
また、期間内の解約に関する事項については、特定転貸事業者は、契約が成立するまでの間に、十分な説明を行うことが重要であり、特に、建設と併せて行うサブリース事業の場合には、建物所有者(家主)は長期にわたる事業計画を踏まえて契約の意思決定に至ることが想定されるため、そもそも借主が契約期間中に解約することができないように、解約権を留保しないことも含め、十分に協議することが望ましい。
なお、民法は、期間が定められた建物賃貸借契約について期間内に解約することができる旨を定めた場合には、解約申入れの後3か月を経過した時点で賃貸借契約が終了する旨を規定しているところ(民法 第617条、第618条)、解約申入れ期間を6か月等とすることにより、借主からの解約申入れを受けた貸主が、本契約が終了する日までに新しい借主(賃借人兼転貸人)を探す場合には、相当程度の期間が必要になることに配慮することが望ましい。
また、賃貸住宅管理業法第28条では、誇大広告等が禁止されており、特約条項として、期間内解約の条項を設けながら、当該期間を超える長期間の一括借り上げを保証するかのような広告を行うことは、本条で禁止される表示にあたる可能性がある。
③ 貸主から借主に対して、解約の申入れをすることにより、契約期間中に契約を解約することができることとする場合には、借地借家法第28条の正当事由が少なくとも必要である旨記載する必要がある。
④ 賃貸住宅管理業法施行規則第9条第4号を遵守するため、損害賠償額の予定又は違約金に関する定めがあるときは、これを明記すること。
47