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★ 通常実施権当然対抗制度と契約 ★

xx特許ニュース第 128 号でご紹介しましたように、平成 24 年 4 月 1 日以降、「通常実施権の登録制度」は廃止され、通常実施権は発生後直ちに第三者に対抗できるとする制度（当然対抗制度）が導入されました

（改正後の特許法99 条）。この新しい制度の下で特許譲渡契約書や通常実施権許諾契約書をどのように作成したらよいのかというご質問をいただきました。

最も望ましいのはライセンサー（譲渡人）、xxxxxx、譲受人の三者間の合意であることはいうまでもありません。しかし、実際には、ライセンサー（譲渡人）はライセンシーに黙って特許権譲渡を進める可能性がありますし、譲受人に対しライセンス契約の存在を隠したまま譲渡してしまう可能性もあります。そこで、契約条項の工夫によってこれらライセンサー（譲渡人）の不誠実な行為を抑止する必要が出てきます。下記案は「パテント」誌（2012年3月号）でxxxx弁護士が提案しているものです。

１．特許権譲渡契約書

第○条（表明保証）

甲は、乙に対し、本契約締結日時点において、以下の各事項につき表明し保証する。

① 本件特許権が有効に存在していること

② …（中略）

③ 本件特許権について第三者に対し専用実施権が設定され又は通常実施権が許諾されていないこと

④ 本件特許権を乙に譲渡することについて、第三者との間の契約等に基づく制限が存在していないこと第○条（解除）

甲が第○条に定める各表明保証条項に違反した場合には、乙は、書面による通知によって、直ちに本契約を解除することができる。

２．特許権通常実施権許諾契約書

第○条（譲渡禁止等）

甲は、乙の事前の書面による承諾を得ない限り、本件特許権並びに本契約及び本契約に基づく債権債務を第三者に譲渡（事業譲渡、会社分割による場合を含む。）することができない。

または

第○条（本件特許権の譲渡）

甲は、本件特許権を第三者に譲渡する場合には、譲受人に対し本契約に基づく甲の乙に対する義務と同じ内容の義務を負担させなければならない。

または

第○条（先買権）

１ 甲は，本件特許権を第三者に譲渡しようとする場合，譲受希望者の情報，譲渡条件を乙に書面で通知するものとする。

２ 乙は，前項通知の受領後○日以内に書面による申し入れによって，同一の条件で本件特許権を買い取ることができる。