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京都大学臨床研究等取扱規程
(平成30年達示第36号)
(趣旨)
第1条 京都大学(以下「本学」という。)における臨床研究等の取扱いについては、法令その他別に定めるもののほか、この規程の定めるところによる。
(定義)
第2条 この規程において「臨床研究」、「特定臨床研究」、「医薬品等」とは、それぞれ臨床研究法(平成29年法律第16号)第2条第1項から第3項までに定めるものをいう。
2 この規程において「治験」とは、医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確 保等に関する法律(昭和35年法律第145号。以下「医薬品医療機器等法」という。)第2条第17項に定めるものをいう。
3 この規程において「臨床研究等」とは、次に掲げるものをいう。
(1) 臨床研究
(2) 治験
(3) 臨床研究法施行規則(平成30年厚生労働省令第17号)第2条第3号から第6号までに掲げる製造販売後調査等及び試験
4 この規程において「研究実施責任者」とは、本学において臨床研究等を実施するとともに、当該臨床研究等に係る業務を統括する教職員等をいう。
5 この規程において「医師主導治験等」とは、次に掲げるものをいう。
(1) 教職員等が、医薬品の臨床試験の実施の基準に関する省令(平成9年厚生省令第28号。以下「医薬品GCP省令」という。)第2条第23項、医療機器の臨床試験の実施の基準に関する省令(平成17年厚生労働省令第36号。以下「医療機器GCP省令」という。)第
2条第23項及び再生医療等製品の臨床試験の実施の基準に関する省令(平成26年厚生労働省令第89号。以下「再生医療等製品GCP省令」という。)第2条第23項に定める自ら治験を実施する者として実施する治験
(2) 臨床研究等を実施する者が自ら発案し、教職員等が研究実施責任者となり実施する臨床研究等(前号に掲げるものを除く。)
6 この規程において「資金提供者」とは、臨床研究等の実施に係る経費(以下「研究資金等」という。)を負担する本学以外の者をいう。
7 この規程において「発明等」とは、次に掲げるものをいう。
(1) 特許権の対象となる発明
(2) 実用新案権の対象となる考案
(3) 意匠権の対象となる創作
(4) プログラムの著作物、データベースの著作物及びデジタルコンテンツの著作物
(5) 回路配置利用権の対象となる回路配置
(6) 育成者権の対象となる植物の新品種
8 この規程において「特許xx」とは、次に掲げるものをいう。
(1) 特許権
(2) 実用新案権
(3) 意匠権
(4) 著作権
(5) 回路配置利用権
(6) 育成者権
(7) 特許を受ける権利
(8) 実用新案登録を受ける権利
(9) 意匠登録を受ける権利
(10) 回路配置利用権の設定登録を受ける権利
(11) 品種登録を受ける権利
9 この規程において「部局」とは、各研究科、各附置研究所、医学部附属病院及び各センター等(国立大学法人京都大学の組織に関する規程(平成16年達示第1号)第3章第7節から第11節まで(第47条第1項に定める組織のうち図書館機構を除く。)に定める施設等をいう。)をいう。
10 この規程において「教職員等」とは、本学の教職員、学生等をいう。
(教職員等の責務)
第3条 教職員等は、臨床研究等の実施に当たっては、高い倫理性及び自己規律を保持し、ヘルシンキ宣言、独立行政法人等の保有する個人情報の保護に関する法律(平成15年法律第59号)、医薬品医療機器等法、臨床研究法、再生医療等の安全性の確保等に関する法律(平成25年法律第85号。以下「再生医療等安全性確保法」という。)その他臨床研究等の実施に関し定められた法令、指針等及び本学の規程(以下「関連法令等」という。)を遵守しなければならない。
(総長の責務等)
第4条 総長は、臨床研究等の実施に関し、本学を統括するとともに、関連法令等に定める事務を適切に行うものとする。
2 総長は、臨床研究等の実施に係る研究資金等の受入れに係る契約の締結に関する事務及び関係法令等において総長が行うべき事務を除き、前項の事務を部局の長に委任する。
(部局の長の責務)
第5条 部局の長は、当該部局の臨床研究等について統括する。
2 部局の長は、当該部局の臨床研究等において、関連法令等に違反する等の重大な事案が発生し、又は発生するおそれがあると認める場合は、速やかに総長に報告しなければならない。
(受入れの原則)
第6条 臨床研究等は、当該研究が教育研究又は診療上有意義であり、かつ、本来の教育研究及び診療に支障を生じるおそれがないと認められる場合に限り、本学の主体性のもとに、受け入れるものとする。
(受入れの条件)
第7条 本学以外の者からの資金提供により臨床研究等を実施しようとする場合は、次の各号に掲げる条件を付するものとする。
(1) 臨床研究等は、資金提供者が一方的に中止することができないこと。ただし、資金提供者から中止の申出があった場合には、資金提供者と協議のうえ、中止を決定することができること。
(2) 臨床研究等の結果生じ、かつ、本学に帰属する特許xxは、資金提供者に無償で使用させ、又は譲与することができないこと。
(3) 研究資金等で取得した設備等は、資金提供者に返還しないこと。
(4) やむを得ない理由で臨床研究等を中止し、又は臨床研究等の期間を延長したことにより資金提供者が損害を受けたときは、これに対し本学は責任を負わないこと。
(5) 臨床研究等を完了若しくは中止し、又はその期間を変更した場合において、研究資金等の額に不用が生じ、資金提供者から不用となった額について返還の請求があった場合には返還すること。ただし、資金提供者からの申出により中止する場合には、当該研究資金等は、原則として返還しないこと。
(6) 本学の都合で臨床研究等の全部又は一部を実施途上で中止できること。なお、この場合において、資金提供者から既納の研究資金等の全部又は一部のうち、不用となった額について返還の請求があった場合には、資金提供者に対し返還すること。
(7) 資金提供者が研究資金等を所定の期日までに納付しないときは、本学は契約を解約することができること。
(8) 本学又は資金提供者は、一方の当事者が関連法令等に違反することにより適正な臨床研究等に支障を及ぼしたと認める場合には、契約を解約することができること。
2 前項第1号から第3号までの条件は、資金提供者が国の機関(国以外の団体等で国からの補助金等を受け、その再委託により臨床研究等の資金提供を行うことが明確なものを含む。以下同じ。)、独立行政法人、国立大学法人、地方公共団体その他公法人であるときは、これを付さないことができる。
(審査委員会)
第8条 研究実施責任者は、臨床研究等の実施に当たり、次の各号に掲げる委員会のうち、当該臨床研究等の内容に応じた委員会の審査を受けなければならない。
(1) 臨床研究法第23条第1項に定める臨床研究審査委員会
(2) 医薬品GCP省令第27条、医療機器GCP省令第46条及び再生医療等製品GC P省令第46条に定める治験審査委員会
(3) 再生医療等安全性確保法第26条第1項に定める再生医療等委員会
(4) 人を対象とする医学系研究に関する倫理指針(平成26年文部科学省・厚生労働省告示第3号)第10に定める倫理審査委員会
(資金提供の申請)
第9条 本学における臨床研究等の実施に係る資金提供をしようとする者は、申込書を部局の長に提出しなければならない。
(受入れの決定)
第10条 臨床研究等の実施に係る研究資金等の受入れは、部局の長が決定する。
2 前項の受入れを決定するに当たっては、あらかじめ臨床研究等の内容に応じた委員会の審議を経て、当該部局の教授会又はこれに代わる機関の議を経るものとする。
(受入れの決定の通知)
第11条 部局の長は、臨床研究等の実施に係る研究資金等の受入れを決定したときは、総長及び資金提供者に当該臨床研究等に係る研究実施責任者、研究資金等、研究期間等の事項を通知し、及び当該部局の臨床研究等に係る事務を処理する共通事務部(複合原子力科学研究所にあっては複合原子力科学研究所事務部、医学部附属病院にあっては臨床研究等の内容に応じて医学・病院構内共通事務部又は医学部附属病院事務部、環境安全保健機構にあっては施設部)の長(以下「事務部の長」という。)に報告するものとする。
(契約の締結)
第12条 臨床研究等の実施に係る研究資金等を受け入れる場合は、契約を締結しなければならない。
2 前項の規定にかかわらず、治験及び特定臨床研究以外の臨床研究等であって、国等の補助金を受け入れる場合等契約を締結する必要がない場合は、契約を締結しないものとする。
3 総長は、第1項の契約の締結に関する事務を事務部の長に委任する。
4 事務部の長は、前条の報告を受けたときは、前項の規定に基づき、速やかに資金提供者との契約締結に係る事務を行うものとする。
5 事務部の長は、前項により契約を締結したときは、その旨を部局の長に報告するものとする。
(経費の負担)
第13条 臨床研究等の実施に係る研究資金等を受け入れる部局は、施設・設備を当該臨床研究等の用に供するとともに、当該施設・設備の維持管理に必要な経常経費等を負担するものとする。
2 資金提供者は、当該臨床研究等の遂行に直接必要な経費に相当する額(保険外併用療養費の支給対象とならない経費を含む。以下「直接経費」という。)及び臨床研究等の推進に関し直接経費以外に必要となる経費を勘案して定める額(以下「臨床研究等推進経費」という。)の合算額を負担するものとする。
3 臨床研究等推進経費は、直接経費の30パーセントに相当する額を標準とする。ただし、次の各号に掲げる場合には、臨床研究等推進経費を軽減することができる。
(1) 資金提供者が国の機関、独立行政法人、国立大学法人、地方公共団体その他公法人であって、予算又は財政事情により臨床研究等推進経費が負担できない等の場合で、総長がやむを得ないと認める場合
(2) 医師主導治験等において、利益相反の適切な管理及び透明性の確保のため、総長がやむを得ないと認める場合
(設備等の帰属)
第14条 研究資金等により、本学において研究の必要上取得した設備等は、本学に帰属するものとする。
(安全確保)
第15条 研究実施責任者は、臨床研究等の実施に当たり、患者又はその代諾者に対し、当該臨床研究等の趣旨及び予想される効果等について十分説明を行い、その同意を得た後実施するほか、患者の安全について適切な配慮をしなければならない。
(医薬品等の管理)
第16条 部局の長は、医薬品等の管理者を定め、適正な管理を行わせるとともに、受払状況を記録させるものとする。
(臨床研究等の中止等)
第17条 部局の長は、やむを得ない理由があると認める場合は、臨床研究等の内容に応じた委員会の審議を経て、臨床研究等の中止又は期間の延長を決定することができる。
2 研究実施責任者は、臨床研究等の中止又は期間の延長の必要が生じたときは、速やかにその旨を部局の長に報告し、その指示を受けるものとする。
3 部局の長は、第1項の規定により臨床研究等の中止又は期間の延長を決定したときは、その旨を総長及び資金提供者に通知し、及び事務部の長に報告するものとする。
4 事務部の長は、前項の報告を受けたときは、第12条第3項の規定に基づき、当該臨床研究等の中止又は期間の延長に係る必要な契約変更を行うとともに、その旨を部局の長に報告するものとする。
(特許xxの出願等)
第18条 臨床研究等において発明等が生じた場合における帰属の決定、出願その他特許xxの取扱いについては、京都大学発明規程(平成16年達示96号)の定めるところによる。
(特許xxの実施及び研究成果の使用)
第19条 臨床研究等の結果生じた本学に帰属する特許xxの実施及び臨床研究等の研究成果(データを含む。)の使用に関しては、資金提供者との間で契約を締結し、取扱いを決定するものとする。
(その他)
第20条 この規程に定めるもののほか、この規程の実施に関し必要な事項は、総長が別に定める。
附 則
1 この規程は、平成30年4月1日から施行する。
2 この規程の施行の際現に実施されている臨床研究等の取扱いについては、関連法令等に定めるものを除き、なお従前の例による。