コメントの追加 [A2]: 販売店契約は売買契約ではない
A株式会社(以下「甲」という。)とB株式会社(以下「乙」という。)は,次のとおり合意する。
第1条(独占的販売店の指定)
1 甲は乙を別紙1(省略)記載の製品(以下「本製品」という。)の独占的販売店として指定し,乙はこれを承諾する。
2 乙が本製品を販売する地域は日本国内(以下「本地域」という。)とする。
3 甲は本契約期間中,乙以外の第三者を本製品の販売店として指定しない。
第2条(当事者の関係)
製造販売を行わないものとする。ただし,本契約締結時点において既に取り扱っている
乙は本契約期間中,本地域内において,本製品と同一,類似もしくは競合する製品の
甲と乙は売主と買主の関係であり,乙が甲の代理人ではないことを相互に確認する。第3条(競合品の取扱い)
第4条(個別売買契約)
2 甲は本契約期間中であっても,本製品の全部または一部の販売を中止し,あるいはそ
の包装を変更することができる。甲は本契約に定める場合を除き,いかなる理由であっ
て成立する。
製品はこの限りではない。
コメントの追加 [A2]: 販売店契約は売買契約ではない
ため,個別の売買契約は別途締結する必要があります。
コメントの追加 [A1]: 競合製品の取扱いを制限する規定です。すでに販売店が扱っている競合品の取扱いを制限するものでない場合は,原則として独占禁止法上問題
にはならないとされています。
1 本製品の個別売買契約は,乙が甲に注文書を発行し,甲がこれを承諾することによっ
甲が乙に対し販売する本製品の価格は,別紙2(省略)記載のとおりとする。
コメントの追加 [A3]: これと別に販売店が再販売する
際の価格を拘束することは独占禁止法上違法とされます。
第6条(最低購入量)
ても乙に対し既に販売した本製品を変更,あるいは再購入する義務を負わない。第5条(販売価格)
1 乙は本契約期間中,本製品を少なくとも年間〇〇〇〇台以上購入しなければならない。
3 乙が本条に定める最低購入量を達成できなかった場合,甲は,1か月前の書面による
通知をもって本契約を解除することができる。ただし,乙の責めに帰すべき事由によら
た注文書の購入量の合計により判断する。
2 前項に定める最低購入量を達成したかどうかについては,当該年度末までに発行され
ないで最低購入量を達成できなかった場合は,この限りではない。
コメントの追加 [A4]: 独占的販売権を与える場合,メーカーは他の販売ルートを持つことができないため,最低購入量を定め,販売店が最低購入量を履行できなかった
場合の解除権を留保するのが一般的です。
第7条(引渡し)
本製品の引渡しの場所,方法については,個別売買契約において定める。
第8条(所有権の移転)
本製品の所有権は,本製品の代金がすべて支払われた時点で甲から乙に移転する。
第9条(支払方法)
乙は,本製品の代金を毎月末締め翌月末日限り,甲が指定する銀行預金口座に振り込んで支払う。
第10条(危険負担)
本製品の滅失,毀損その他のすべての危険は,第7条に定める引渡しをもって乙に移転する。
第11条(瑕疵担保責任)
1 乙は本製品の引渡しを受けた後,直ちに本製品を検査する。検査の結果引き渡された
本製品に瑕疵を発見したときは,乙は,引渡し後 1 週間以内に文書をもって甲に通知し
なければならない。
2 甲は,乙から前項の通知を受けた場合,本製品を調査し,本製品に瑕疵を確認した場
合,瑕疵のない本製品に無償で交換する。ただし,当該瑕疵が乙の責めに帰すべき事由
により生じたものである場合は,この限りではない。
コメントの追加 [A5]: 製品に瑕疵があった場合の規定です。規定を置かない場合でも企業間売買については商
法526条の規定が適用されます。
第12条(製造物責任)
1 本製品について,人の生命,身体,財産に対し損害を発生させる欠陥を有していた場合,甲は,それにより生じた損害を賠償しなければならない。
2 前項の欠陥により第三者に損害を与え,または与えるおそれがある場合,甲はその損害を防止するためにリコールその他必要な一切の措置をとらなければならない。そのための費用は甲が負担する。
第13条(商標)
1 乙は本製品を本地域内で販売するため,別紙3(省略)に記載する甲の商標(以下「本件商標」という。)を無償で使用することができる。
2 乙は本件商標を本契約の目的以外のために使用してはならない。また,乙は,本件商標の全部または一部を改変し,もしくは本件商標の信用を損なうような方法で使用して
はならない。
3 本契約が解除もしくは終了した場合,乙は直ちに本件商標の使用を中止しなければならない。
4 乙は本地域内において本件商標が第三者に侵害され,または侵害されるおそれがあるときは,直ちに甲に通知しなければならない。
第14条(販売活動)
1 乙は本地域内において本製品を宣伝広告し,その販売を促進する。甲は乙に対し,本製品のパンフレット,カタログその他の宣伝用資料を無償で提供する。
① 本製品の販売数
乙は3か月ごとに,次の事項についての報告書を甲に提出する。
2 乙は,本製品再販後の保守,修繕サービスを提供しなければならない。第15条(報告)
② 乙の期間中の販売活動
④ その他本契約または本製品に関する重要事項
③ 本製品に関するクレーム,瑕疵の有無及び内容
コメントの追加 [A6]: メーカーが販売店の販売活動状
況や製品に対するクレーム等についての情報を得るための規定です。
第16条(守秘義務)
1 甲及び乙は,本契約期間中及びその終了後5年間,本契約に基づき相手方から開示された情報について守秘義務を負い,第三者に開示してはならない。
2 本条に定める守秘義務は,次の場合には適用しない。
① 公知の事実もしくは当事者の責めに帰すべき事由によらずに公知となった事実
② 第三者から適法に取得した事実
③ 開示の時点で保有していた事実
④ 法令,政府機関,裁判所の命令により開示が義務づけられた事実
第17条(期限の利益喪失・契約解除)
1 乙が次に掲げる事項に該当した場合,乙は甲に対する債務について当然に期限の利益を失い,その全額を直ちに甲に支払わなければならず,また甲は何らの催告をすることなく本契約あるいは個別売買契約の全部または一部を解除することができる。
① 支払停止,支払不能に陥った場合
② 自ら振り出しもしくは裏書きした手形,小切手の不渡りを1回でも出した場合
③ 電子記録債権について支払不能が発生した場合
④ 差押,仮差押,仮処分,競売の申立て公租公課の滞納処分その他公権力の処分を受けた場合
⑤ 破産手続開始,民事再生手続開始,会社更生手続開始,特別清算開始の申立てを受け,またはなした場合もしくは特定調停の申立てをなした場合
⑥ 解散,事業の全部または重要な部分の譲渡決議をした場合
⑦ 事業を廃止した場合
⑧ 監督官庁より事業停止命令を受け,または事業に必要な許認可の取消処分を受けた場合
⑨ 株主構成,役員の変動等により会社の実質的支配関係が変化し従前の会社との同一性が失われた場合
⑩ その他前各号に準じる事由が生じ,信用状態が悪化した場合
2 前項の場合において,甲に損害が生じた場合には,乙はこれを賠償しなければならない。
第18条(契約期間)
本契約の有効期間は平成〇〇年〇〇月〇〇日から2年間とする。期間満了の3か月前までに甲または乙により本契約を更新しない旨の書面による通知がない限り,本契約は
2年間更新され,以後も同様とする。第19条(譲渡禁止)
の甲の承諾なくして第三者に譲渡してはならない。
乙は,本契約上の地位もしくは本契約から生じる権利義務の全部または一部を,事前
コメントの追加 [A7]: 販売店契約は当事者間の信頼関係を基礎とするため,無断譲渡を禁止する必要がありま
す。
第20条(裁判管轄)
本契約及び個別売買契約から生じる一切の紛争については,〇〇地方裁判所を専属的合意管轄裁判所とする。
本契約の成立を証するため,本書2通を作成し,各自1通ずつ保有する。平成〇〇年〇〇月〇〇日
甲 〇〇県〇〇市〇〇〇-〇-〇 A株式会社 〇 〇 〇 〇 印乙 〇〇県〇〇市〇〇〇-〇-〇 B株式会社 〇 〇 〇 〇 印