※ 「MSABP」は米国 Aquarius Technologies Inc.社の登録商標です。
2010年 4月14日
民間初の日中共同での農村集落排水処理事業
中国・宜興市との排水処理に関する提携契約締結について
帝 人 株 式 会 社
帝人株式会社(本社:大阪市中央区、社長:xxx xx)は、このたび、膜濾過ユニット製造を中心とした水処理事業を展開しているメンブレンテック株式会社(本社:兵庫県xx市、社長:xx xxx)と共同で、江蘇省宜興市の上下水道を管理運営する宜興市水務建設投資有限公司(中国・江蘇省)と「農村部の集落排水処理設備の整備事業」を推進するための提携契約を締結しました。中国の農村集落排水整備事業に関し、日中両国の企業同士により提携契約が締結されるのは初めてのことです。
当社は、持続的な成長の実現に向け、中・長期的に環境に配慮した製品・サービスで地球環境との協働を図る「グリーンケミストリー」事業を 1 つの中核と位置づけており、その一環として、注力市場である「環境・エネルギー」分野において、排水の処理や再利用による消費エネルギーおよびCO2 削減を基本コンセプトとする水処理事業への進出を目指し、国内外で実証実験に取り組んでいます。
また、メンブレンテック(株)は、各種膜濾過技術を通じて地球環境に貢献する水処理事業の拡大を図っており、水質汚染防止設備・排水再利用設備の製造・販売により、水環境保全分野で活躍しています。
一方、江蘇省宜興市は、中国五大湖の 1 つで、周辺都市の重要な水源である太湖沿岸部に位置する都市です。太湖を水源とする河川流域では、中国の急激な経済発展に伴う水質汚染が大きな問題となっており、中でも農村集落排水(※1)からの汚染排水の流入がその主因とされています。このため宜興市では、中国政府が進めている農村部の環境改善の方針を受けて、宜興市水務建設投資有限公司を通じ、農村部の近代化投資の一環として農村集落排水処理施設の新設を計画しています。
(※1) 農村集落排水 : 農村における生活排水。下水道よりも小規模な設備による処理が効率的とされている。
これら三者の排水処理に関するニーズが、江蘇省とのxxxx交流に取り組んでいる大阪府の「環境分野企業販路拡大支援」を通じて合致したことから、このたびの提携契約締結に至りました。
この提携契約に基づき、今後、当社の「MSABP(※2)」技術、およびメンブレンテック (株)の「膜濾過」技術を農村集落排水処理に適した小規模設備に適用するため、宜興市水務建設投資有限公司と共に、宜興市大港村で実証実験を開始します。宜興市は昨年 12 月より、大港村の各家庭からの排水菅の設置を開始しており、本年 5 月下旬を目処に完成する予定です。当社およびメンブレンテック(株)は、処理設備の詳細設計を既に終えており、本年 6 月を目処に実証試験を開始し、2010 年度中の実用化合意を目指して農村集落排水処理問題の解決に取り組んでいきます。
(※2) 「MSABP」 : 汚泥レス・省メンテナンス・省エネ・低コストが特長の生物処理設備。
当社はこれを契機として、「MSABP」をはじめとする生物処理技術や、過酸化水素添加多段式オゾン処理技術のような高度処理技術など、特長ある総合排水処理ソリューションを国内外でさらに広く展開し、世界の排水再利用、省エネルギーおよびCO2削減に貢献していきたいと考えています。
※ 「MSABP」は米国 Aquarius Technologies Inc.社の登録商標です。
【 メンブレンテック株式会社 概要 】
所 在 地 : 兵庫県xx市xx816-1設 立 : 1989年2月
資 本 金 : 10百万円
代 表 者 : 代表取締役社長 xx xxx(xxx xxxxx)事業内容 : 膜濾過ユニットの製造販売、およびユニットの輸出入売 上 高 : 190百万円(2009 年 7 月期)
従業員数 : 8名
【 実証試験施設イメージ図 】
以 上
< 参考 : 技術概要 >
■「MSABP」技術 《 帝人(株) 》
曝気槽
浄水
特殊生物担持体
排水
エアー
特殊な生物担持体を用いて微生物を密度高く固定し、曝気槽を多段化した画期的な排水処理技術です。具体的な特長は次のとおり。
● 多段槽と生物担持体の複合効果により秩序だった食物連鎖を再現することで、有機余剰汚泥のゼロ化を達成し、汚泥処理プロセスを省略できます。
● 多段化された槽が排水中の汚染物質の濃度変動を吸収し、運転管理が容易であることから、汚泥レス、省メンテナンス、省エネ、コスト削減を実現します。
■「膜濾過」技術 《 メンブレンテック(株) 》
曝気槽
膜カートリッジの構造
浄水
母材
不織布
PTFE膜
排水
繊維状のPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)で構成された濾過膜を用いた膜分離活性汚泥法(※3)です。PTFE膜は、孔径が均一で透過圧が低く、破れにくいなどの特長があり、省エネ、省メンテナンスな膜処理として貢献します。
(※3)膜分離活性汚泥法 : 従来の活性汚泥法に膜処理を組み合せることで、生物処理と同時に固液分離が可能。xxな処理水が得られる。
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